JP3314608B2 - 光造型方法 - Google Patents

光造型方法

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JP3314608B2
JP3314608B2 JP03937396A JP3937396A JP3314608B2 JP 3314608 B2 JP3314608 B2 JP 3314608B2 JP 03937396 A JP03937396 A JP 03937396A JP 3937396 A JP3937396 A JP 3937396A JP 3314608 B2 JP3314608 B2 JP 3314608B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性樹脂の硬
化時の収縮によって生じる内部応力による、光造型モデ
ルの変形を抑制できる、光造型方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光硬化性樹脂の液面にレーザー光を照射
して照射領域を所定厚み硬化させ、硬化した部分を所定
量下降させた後レーザー光を照射してつぎの層を硬化さ
せ下層に積層していくことを繰り返して、目標とする3
次元モデルを造型する光造型方法は知られている。この
場合、図6に示すように、硬化(重合)時に樹脂は収縮
するので、硬化中の層1の収縮力とそれに抗する下層、
層2との接着力とによって形成中の層1に内部応力が生
じ、この内部応力によって生じるモーメント3により、
光造型モデル4をサポート部5でテーブル6から外して
テーブル6からの拘束を解放したときに、モデル4の水
平方向全長にわたって両端側が中央部に対して上方にそ
りかえる変形が生じ、モデル4の形状、寸法精度が悪化
する。この内部応力による変形を低減するとともに造型
時間を短縮するために、特開平7−100937号公報
は、レーザー照射を制御して、造型物断面群の輪郭部分
は全層について、硬化層の厚みの一部が下層と重なるよ
うに、光照射し、輪郭部より内側の領域については、複
数層ごとに1回照射する光造型法を開示している。硬化
層間には未硬化部分を残してもよいし、残さなくてもよ
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来方法で
は、複数層ごとに1回照射されて硬化される層と下層と
の間に未硬化部分がある場合は、硬化中の層の内部応力
発生は低減されるが、硬化中にある層が自重で下方に垂
れるので上下方向のモデル形状、寸法精度が低下すると
いう問題が新たに生じるので、実用上問題があり、ま
た、複数層ごとに1回照射されて硬化される層と下層と
の間に未硬化部分がない場合は、硬化中の層と下層との
間に形成中に連続的に内部応力が発生していくので、従
来のそりかえりの問題は解消されない。本発明の目的
は、樹脂の硬化収縮によって生じる内部応力によるモデ
ルの変形を低減できる光造型方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。3次元CADモデルに上下方向
に延びるスリット状のレーザー光非照射領域を設けたデ
ータを作成する工程と、 前記データに従って光照射しス
リット状のレーザー光非照射領域が未硬化部でレーザー
光照射領域が硬化部となり未硬化部で分割された複数の
ユニットをもつ層を形成し、該層を繰り返し形成して順
次積層していくことにより、積層された何れの層も未硬
化部で分割された複数のユニットをもち上下方向に延び
るスリット状のレーザー光非照射領域を有するモデルを
造型する工程と、 モデル造型をした後に、前記スリット
状のレーザー光非照射領域に残っている樹脂の未硬化部
分あるいは重合率の低い部分を2次硬化させる工程と、
からなる光造型方法。
【0005】上記本発明の方法では、上下方向に延びる
スリット状のレーザー光非照射領域を設けて光照射を実
行するので、造型されたモデルには上下方向に延びるス
リット状の未硬化部分または重合率の低い部分が形成さ
れる。その結果、水平に延びる各硬化層はスリット部に
よって複数の領域に分断され、隣接する領域間での収縮
力の伝達はなくなる。各領域には他の領域から独立し
て、収縮力と下層との接合による拘束力とによる内部応
力が生じ、この内部応力によって各領域ごとに小さくそ
りかえりの変形を生じようとし、モデルは水平方向全長
にわたって直線状を保ったまま各領域ごとに小さく波を
うつ変形を生じようとする。すなわち、モデル全体にわ
たってモデルの両端を上方にそりかえらせるモーメント
はもはや存在しない。したがって、モデルをテーブルか
ら外して、テーブルからの拘束がなくなっても、モデル
は全体としてのそりかえり変形を生じなくなり、モデル
全体にわたる寸法精度は高くなる。また、データ作成段
階で上下方向のスリット状レーザー光非照射領域を設け
ておき、それに従って光照射を実行するので、特別な装
置やレーザー制御を行わなくても、既存の光造型システ
ムを用いて上記の作用を得ることができる。また、各層
の各領域のスリットの端面はスリットの下部ほどスリッ
ト幅が大の2次曲面を形成しているので、スリット状未
硬化部分または低重合率部分を2次硬化させるとき、未
硬化部分または低重合率部分はスリット下部ほどほど多
く収縮し、それによって各領域の両端を各領域の中央に
くらべて下側にそりかえさせる変形を生じようとし、2
次硬化前にあった各領域の上方へのわずかなそりかえり
は相殺されてしまう。その結果、各領域における波うち
の変形が少なくなり、モデル全体として寸法、形状精度
がさらに高くなる。また、未硬化部分または低重合部分
であるスリット部を2次硬化で硬化させるため、2次硬
化後はモデル全体が硬くなり、モデルがスリット部で折
れたりすることはなくなる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明実施例の光造型方法は、図
1〜図5に示すように、上下方向に延びるスリット状の
レーザー光非照射領域12を設けて光照射を実行する。
スリット状のレーザー光非照射領域12の設定は、デー
タ形成段階で行ってもよいし、または光造型実行段階で
行ってもよい。スリット状のレーザー光非照射領域12
の設定をデータ形成段階で行う場合は、本発明実施例の
光造型方法は、3次元CADモデル11に上下方向(鉛
直方向でも、鉛直方向から傾いた方向でもよい)に延び
るスリット状のレーザー光非照射領域12(以下、スリ
ットともいう)を設けたデータ13(以下、スリット入
りモデルともいう)を作成する工程(図1)と、このデ
ータ13に従って光照射してモデル14を造型する工程
(図2)と、からなる。本発明実施例の光造型方法は、
モデル造型工程の後に、スリット状のレーザー光非照射
領域12に残っている樹脂の未硬化部分または重合率の
低い部分15を紫外線照射による2次硬化で硬化させる
工程(図3)を、有していてもよい。
【0007】図1のデータ作成工程では、スリット幅1
6、スリット間隔17、スリット方向18をパラメータ
として、3次元CADモデル11に、スリット12が入
ったデータ(スリット入りモデル)13を作成する。こ
のスリット入りモデル13は、たとえば、図1に示すよ
うな単位立体モデル(ユニットともいう)19をスリッ
ト12を介して集合させたもの、または図5に示すよう
に上下から互い違いに中間部までスリット12(スリッ
ト12は上下方向に重なっていてもいなくてもよい、重
なりを20で示す)が入ったスリット入り一体もの、な
どからなる。スリット入りモデル13の作成方法は、図
1に示すように、3次元CADモデル11に、スリット
幅厚みの薄板形状21を重ね合わせ、集合演算機能を用
いてオーバーラップ部分22を引算すると、引算された
部分がスリット12となりスリット入りモデル(デー
タ)13が完成する。スリット状のレーザー光非照射領
域12の設定をデータ形成段階で行うことにより、特別
な装置やレーザー制御を行わなくても、既存の光造型シ
ステムを用いて本発明を実施できるという利点がある。
【0008】モデル造型工程では、図2に示すように、
スリット入りモデル13(データ)に従ってレーザー光
23を走査して、実際のモデル14を造型する。さらに
詳しくは、紫外線レーザーを液状の光硬化性樹脂(ポリ
ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、など)の表面に照射
し、レーザー光を水平方向に走査させて走査領域の樹脂
に重合反応と架橋反応を生じさせ、所定厚みに硬化させ
る。この場合、レーザー光の照射厚みT1より大の厚み
T2で樹脂は硬化していき、この硬化厚みT2(現在形
成中の層Nの厚み)はその下部の一部ですでに硬化して
いる下層(N−1)の上部と重なり合う。ついで、N層
の硬化が終了すると、形成中のモデルを、それを支持し
ているテーブルを所定量T3だけ下降させてそれまで形
成した硬化モデルの上面に所定厚みT3の樹脂の液層を
形成し、再びレーザー光を照射して硬化層を形成し、下
層の上に積層していく。これを繰りかえして立体モデル
14を完成させる。
【0009】図2において、任意の1層の硬化層の形成
において、レーザー光23をレーザー照射開始位置24
からレーザー照射終了位置25まで走査させるに際し、
スリット12間の各ユニット19の走査区間d内ではレ
ーザー光23を連続照射させながら一定速度で走査さ
せ、スリット12(幅Δd)の区間ではレーザー光非照
射としてつぎのユニット19のレーザー照射開始位置ま
で高速で移動させる。レーザ光がひとつの走査線のレー
ザー照射終了位置25にくると、つぎの走査線のレーザ
ー照射開始位置24まで高速に移動させ、上記を全走査
線の走査が終了するまで、繰返す。レーザー光による樹
脂の硬化分布は、図4に示すように放物線断面の柱状体
26になる。したがって、硬化層の各ユニット19の両
端(スリット12に面した端部)27は2次曲線(放物
線状)になる。
【0010】スリット幅Δdについては、樹脂の体積収
縮を見越して、隣接するユニット19が必要最小限結合
し、造型後も隣接するユニット19の上部の僅かな接触
部28が離れないで結合が保たれる距離を、3次元CA
Dモデルにスリット12を入れる段階で設定しておく。
スリット間隔Lについては、そり(スリット12がない
場合はモデル全体にわたって大きなそりを生じようとす
るが、本発明実施例ではスリット12があるので各ユニ
ット19に波うち状に小さく発生する、ただしスリット
間隔Lが大になるほどそりは大になる)を許容できるレ
ベルに抑える距離を3次元CADモデルにスリットを入
れる段階で設定しておく。たとえば、スリット幅Δdは
0.01mm〜0.1mmに設定し、スリット間隔L
は、15mm〜50mmに設定する。
【0011】2次硬化工程では、図3に示すように、モ
デル14に紫外線を全体的に照射して、スリット12部
の未硬化樹脂あるいは重合率の低い樹脂を硬化させる。
2次硬化工程では、スリット12部が収縮するが、スリ
ット12の幅Δdは各層において下側程広いので、各層
においてスリット12は下側ほど大きく収縮しようとす
る。
【0012】つぎに、作用を説明する。本発明実施例の
方法では、上下方向のスリット状光非照射領域12を設
けて照射を実行するので、たとえば、データ作成段階で
上下方向のスリット状レーザー光非照射領域12を設け
ておき、それに従って照射を実行するので、造型された
モデル14には、2次硬化前において、上下方向に延び
るスリット状の未硬化部分または重合率の低い部分が形
成される。その結果、水平に延びる各硬化層はスリット
12によって複数の領域(各ユニット19の各層に対応
する領域)に分断される。その結果、隣接する領域間で
の収縮力の伝達はなくなり、各領域には他の領域から独
立して、樹脂の重合反応の収縮力と下層との接合による
拘束力(収縮力に抗する力)とによって生じる内部応力
が生じ、この内部応力によるモーメントによって各領域
ごとに小さくそりかえりの変形を生じる。ただし、モデ
ル全体の両端を上方にそりかえらせるモーメントはもは
や存在しない。したがって、モデルをテーブルから外し
て、テーブルからの拘束がなくなっても、モデルは全体
としてそりかえり等の変形を生じなくなり、モデル14
は全体として各層が水平を保ったまま、各領域が小さく
波うつ変形を生じるか、あるいは生じようとする。した
がって、表面に微小な波うちが生じるかもしれないが、
モデル全体が反り返る変形はなくなり、モデル全体とし
ての形状、寸法精度は高くなる。
【0013】2次硬化工程において、スリット状未硬化
部分または低重合率部分を紫外線照射によって2次硬化
されるとき、スリット12が各層の下部ほど幅広となっ
ているため下部ほど収縮し、各領域に領域両端が下方に
そりかえる変形を生じ、この変形は2次硬化前の各領域
の上方へのわずかなそりかえりを相殺する。その結果、
各領域の波うち変形は小さくなり、モデル表面の形状、
寸法精度が高くなる。また、未硬化部分または低重合部
分であるスリット部を2次硬化で硬化させるため、2次
硬化後はモデル全体がもはや硬くなり、モデル14がス
リット12部で折れたりすることはなくなる。
【0014】
【発明の効果】請求項1の方法によれば、上下方向のス
リット状レーザー光非照射領域を設けて照射を実行する
ので、内部応力がスリット部で分断され、モデルが全体
にわってそりかえる変形が生じなくなり、モデルの全体
にわたる形状、寸法精度が向上する。また、データ作成
段階で上下方向のスリット状レーザー光非照射領域を設
けておき、それに従って光照射を実行するので、特別な
装置やレーザー制御を行わなくても、既存の光造型シス
テムを用いて請求項1の効果と同じ効果を得ることがで
きる。また、2次硬化させたとき、スリットの下部程収
縮が大きくなるので、スリットで分断された各領域の波
うち変形が相殺され、モデルの形状、寸法精度がさらに
向上し、モデル全体の強度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の光造型方法のデータ作成工程の
各段階におけるモデルの斜視図である。
【図2】本発明実施例の光造型方法のモデル造型工程に
おける樹脂の硬化分布を示す断面図である。
【図3】本発明実施例の光造型方法の2次硬化工程の各
段階におけるモデルの斜視図である。
【図4】本発明実施例の光造型方法のモデル造型工程に
おける樹脂の硬化状態を示す斜視図である。
【図5】本発明実施例の光造型方法のデータ作成工程に
おいて(図1の例とは異なる)スリットの入れ方のもう
ひとつの例を示すモデルの斜視図である。
【図6】光硬化におけるモデルのそりの発生メカニズム
を示す概略正面図である。
【符号の説明】
11 3次元CADモデル 12 スリット状のレーザー光非照射領域(スリット) 13 スリット入りモデル(データ) 14 モデル 15 未硬化部分または重合率の低い部分 16 スリット幅 17 スリット間隔 18 スリット方向 19 ユニット 20 重なり 23 レーザー光 26 柱状体 27 ユニット端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 67/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元CADモデルに上下方向に延びる
    スリット状のレーザー光非照射領域を設けたデータを作
    成する工程と、 前記データに従って光照射しスリット状のレーザー光非
    照射領域が未硬化部でレーザー光照射領域が硬化部とな
    り未硬化部で分割された複数のユニットをもつ層を形成
    し、該層を繰り返し形成して順次積層していくことによ
    り、積層された何れの層も未硬化部で分割された複数の
    ユニットをもち上下方向に延びるスリット状のレーザー
    光非照射領域を有するモデルを造型する工程と、 モデル造型をした後に、前記スリット状のレーザー光非
    照射領域に残っている樹脂の未硬化部分あるいは重合率
    の低い部分を2次硬化させる工程と、 からなる光造型方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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