JPH05154924A - 光硬化造形法における積層平板造形法 - Google Patents

光硬化造形法における積層平板造形法

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JPH05154924A
JPH05154924A JP3348759A JP34875991A JPH05154924A JP H05154924 A JPH05154924 A JP H05154924A JP 3348759 A JP3348759 A JP 3348759A JP 34875991 A JP34875991 A JP 34875991A JP H05154924 A JPH05154924 A JP H05154924A
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直一郎 斉藤
Seiji Hayano
誠治 早野
Takashi Gi
杰 魏
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 反りを生じずに、設計に忠実な形状の積層平
板を造形することのできる光硬化造形法における積層平
板造形法を提供する。 【構成】 光硬化造形法で積層平板を造形する際に、離
隔的に照射することによって未硬化部分を残した層2を
形成する工程と、その上部層の硬化の際に前記未硬化部
分6を硬化させる工程とを有し、硬化に伴う歪みを相殺
しつつ積層された平板を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光硬化造形法に関するも
のであり、特に、反りを生じさせないで積層平板を造形
することができる光硬化造形法における積層平板造形法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3次元のモデルないしは立体像を造形す
るために、光硬化造形法が用いられる。この光硬化造形
法では、通常、光を照射すると硬化する液状の樹脂の液
表面で立体像の最下断面に相当する領域に光を照射し
て、まず最下断面に相当する断面硬化層を形成する。そ
の後その上に未硬化の液状の樹脂を導入し、今度はその
直上断面に相当する領域に光を照射して断面硬化層を積
層していく。これを繰り返していくことにより、積層さ
れた立体像が造形される。このような技術で、例えば机
の天板等の平板を造形する場合には、図10に示すよう
に、まず平板に相当する領域内の全域に光を照射し、平
板中の最下層24を造形する。そのうえに未硬化の液状
樹脂を導入し再度全域25を照射する。これを繰り返す
ことにより積層された平板が造形される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光硬化造形法で、積層
平板を造形する場合に、図11(c)に示されるよう
に、積層平板の端部が上方に湾曲した形に歪みやすい。
この理由は次にように推定される。この光硬化造形法で
は、図11(a)に例示するように、上部の断面硬化層
25を下部の断面硬化層24上に形成するばかりでな
く、上部硬化層25を下部硬化層24に一体化する必要
がある。このため、上部硬化層25の造形のための照射
中に下部断面硬化層24、特にその上表面側が重ねて照
射される。このため、図11(b)に示すように、一枚
の硬化層のうち、上側がより強固に硬化し、その分大き
く収縮しやすい。このような傾向が全部の層について作
用するため、積層された平板は、その両端側が上方に湾
曲(図11(c)参照)した意図しない歪んだ形状とな
りやすいと考えられる。そこで、本発明は、反りを生じ
ずに、設計に忠実な形状の積層平板を造形することので
きる光硬化造形法における積層平板造形法を提案するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記技術課題を解決する
ために、本発明では光硬化造形法で積層平板を造形する
際に、離隔的に照射することによって未硬化部分を残し
た層を形成する工程と、その上部層の硬化の際に前記未
硬化部分を硬化させる工程とを有し、硬化に伴う歪みを
相殺しつつ積層された平板を形成することを特徴とする
光硬化造形法における積層平板造形法を創作した。
【0005】
【作用】上記方法によると、未硬化部分が残った層が介
在し、この未硬化部分が上部層の形成時に硬化されるた
めに、硬化にともなう収縮応力が相殺され、歪みの少な
い平板が形成される。
【0006】
【実施例】以下、本発明の第1実施例として図3(a)
に示す積層平板12を造形する場合を例として説明す
る。
【0007】まず、最初に3次元のCADシステムを用
いて積層平板12の3次元形状を設計する。この結果、
3次元CADシステムによって積層平板12の3次元の
形状情報が定義される。そして、この積層平板12を一
定の厚みで水平にスライスした際の断面の形状が定義さ
れる。この断面形状に基づいて、液状樹脂の表面をレー
ザ光で照射していくことにより、積層面が形成されてい
くのである。光硬化造形法は、図2に例示されるように
液状の光硬化性樹脂8の表面に強力なレーザ光のビーム
9を照射することにより、照射された領域の樹脂8を硬
化させ、これを幾層にも積層することにより3次元の樹
脂硬化像を創成するものである。得られる形状はビーム
9の軌跡により決定される。
【0008】すなわち、図2に模式的に示されるよう
に、槽内に満たされた光硬化性樹脂8の表面にレーザ光
9のスポットを当てて、スキャナ10によってレーザ光
9を2次元的に移動することにより表面の一部が固体化
される。その後、固体化したものを一層の厚み分だけス
テージ11により液面より沈下させ、固体化した部分の
上に一層分の液状の樹脂8を導入する。次にこの液状部
が同様に固化される。この固化像は下層の固化像上に積
層されて一体化される。これを繰り返して一層づつ重ね
られる。この場合、スキャナ10によってレーザ光9
は、液表面において自在に走査可能である。
【0009】本実施例では、3次元CADシステムのデ
ータに基づいてこの断面形状の輪郭内部を照射し、これ
を3層積層することにより積層平板12を造形する。使
用されるレーザ光9のスポットの形状は円形でその直径
は0.5mmである。そのレーザ光9は図1(a)に示
されるように、一層の厚みの約1.7倍の深さまで液状
樹脂8中に放物線状に到達し得るものである。また、図
3(a)に示される積層平板12は例えば、厚みが0.
6ミリの積層平板であって各層0.2ミリの層からなる
3層構造に形成されている。まず、この積層板12の第
1層1の断面形状情報に基づく輪郭内部に対応する液状
樹脂8の表面に対して図3(b)に示されるように、ス
キャナ10によってビーム9が走査される。すなわち、
図3(b)のX方向に平行に、輪郭内部を折り返し状に
走査される。このときの、ビーム9の中心同志の間隔
は、直径の0.8倍であって、実際には0.4mmの間
隔となる。したがって、ビーム8は互いに0.1mmづ
つ重なり合いながら照射される。このため、この第1層
1は隙間なく、全面が照射される。
【0010】この積層平板12の第1層1のY方向の断
面の照射状態が図1に示されている。ビーム9は、放物
線状に液状樹脂8内に到達し、樹脂8中に照射領域4を
形成する。このビーム9は第1層の0.2mmの厚みの
範囲をすべて照射し、この領域4はレーザ光刺激により
直ちに重合を開始し、硬化する。通常、一定量の液状樹
脂8が硬化するとき、硬化した樹脂8の体積は減少し、
収縮する。しかし、第1層においては、周囲が液状樹脂
8によって満たされているので、歪みは生じにくい。
【0011】次に、ステージ11を降下させて、第1層
1を1層分の厚み(0.2mm)だけ降下させると、こ
の第1層1上に新たな樹脂8が導入される。図3(b)
に示されるように、この樹脂8の表面に、さらに第2層
2の断面形状情報に基づいて、X方向に平行にビーム9
が走査される。このときビーム9の中心は、直径の1.
5倍の間隔で輪郭内部を折り返し状にスキャンされる。
すなわち、隣合うビーム9の中心同志の間隔は0.75
mmとなり、ビーム9同志の重なりを生じることなく離
隔的に照射されていく。この結果、図1のY方向断面図
に示されるように、ビーム9による照射領域5が帯状に
形成される。この第2層におけるビーム照射領域5の樹
脂8は直ちに重合し、硬化する。
【0012】図1に示されるように、このビーム9のレ
ーザ光の深度が層厚の約1.7倍まで到達する。このた
め、第2層2のビーム9のレーザ光によって、すでに硬
化した第1層の上側約70%の深さまで部分的に照射4
aされることになる。このような2重照射領域4aにお
いては、一度硬化した樹脂が再度光刺激を受けて重合す
る。このため、この部分4aでは樹脂の重合度が高めら
れる。しかし、第1回目の硬化と異なり、周囲から新た
に樹脂が補充されるわけではないので、周囲を引っ張る
ようにして硬化・収縮する。すなわち、第1層1全体と
しては、図1(b)に示すように上面側が収縮する応力
が作用し、両端部の上方への反りを生じさせようとす
る。なお、この矢印はY方向を例示しているが、実際に
は周囲の全方向に収縮応力が作用している。
【0013】一方、同時に、この照射領域5の間に、ビ
ーム9の直径の半分の幅(0.25mm)で帯状に未硬
化部分6が形成される。
【0014】次に、この第2層2をステージ11によっ
てさらに降下させ、新たな液状樹脂8を導入する。この
液状樹脂8の表面に第3層3の断面形状情報に基づい
て、X方向に平行にスキャナ10によりビーム9が走査
される。この第3層3における走査方法は第1層1と同
様である。すなわち、ビーム9は互いに0.1mmづつ
重なり合いながら、全面を隙間なく照射する。この照射
によって、図1に示されるような照射領域7が形成され
る。ビーム9はこの層厚にわたって到達しているので、
第3層3の全体がこの照射によって、硬化される。
【0015】また、このビーム9は第2層2の上側約7
0%まで到達するものであるので、第2層2の照射領域
5の上側に部分的に二重照射領域5aが形成される。二
重照射領域5aにおいては、第1層1の場合と同様に、
さらに重合が進行することになるので、この領域5aに
は収縮応力が作用する。
【0016】さらに、今回の照射によって第2層2の未
硬化部分6が新たに照射され、第2層に照射領域6aが
形成される。この照射領域6aでは、液状の樹脂8が直
ちに硬化する。この領域6aにおいては、未硬化部分6
のうち今回も照射されなかった領域6bの液状樹脂8が
あるために、硬化に際しての歪み応力は生じさせない。
しかしながら、依然としてビーム9が未照射の部分6b
においては、周囲の重合刺激により、ゆっくりとではあ
るが重合が進行し硬化する。この部分6bにはすでに充
分な樹脂8はなく、しかも新たに補充されることもな
い。したがって、硬化の際には、周囲の硬化部分を強く
引っ張って重合しようとする。すなわち、この未硬化部
分6bには強い収縮応力が作用することになる。
【0017】結果として、第2層2の上側の二重照射領
域5aに収縮応力が作用するとともに、下側を中心とし
て形成された未硬化部分6bにはより強い収縮応力が作
用する。このため、第2層2全体としては、図1(b)
に示す矢印のような収縮が生じ、結果として下方への反
りを生じさせようとする。図1(b)の矢印はY方向を
例示しているが、実際には周囲の全方向に収縮する。し
たがって、第2層2の応力と第1層1の応力は相殺する
ように作用することになる。この結果、全体として、図
1(c)に示すように反りが相殺された積層平板12が
造形される。
【0018】従来のように、各層1、2、3の全面を等
間隔で隙間なくスキャンする照射方法では一律に、各層
の上部が部分的に二重照射領域となって、各層1、2、
3の上面側に収縮応力が作用していた。しかし、本実施
例においては、図1に示される積層平板12のY方向断
面図において明らかなように、二重照射領域4a、5a
に作用する収縮応力よりもさらに強い収縮応力が作用す
る未硬化部分6bを有する層2を介在させることによっ
て、二重照射領域4aを有する第1層1における反りが
未硬化部分6bを有する第2層2の反りで相殺されてい
る。
【0019】このようにして、離隔的照射層2を形成す
ることにより、層の下側において強い収縮作用を有する
未硬化部分6bが形成されることになり、積層された層
1の収縮応力を補正し、相殺することができる。しか
も、この相殺効果は全方向に作用し、積層平板12全体
の形状に反りが生じなくなる。
【0020】次に、本発明の第2実施例として、図4
(b)に示す照射方法によって造形される積層平板13
(図4(a)参照)を例として説明する。本実施例で
は、第1実施例と同様、層厚0.2mmの層が3層積層
されて形成された積層平板13を造形する。光硬化造形
法における装置及び基本的操作は第1実施例と同様であ
るが、ビーム9の走査方法が異なる。先ず、図4(b)
に示されるように、第1実施例と同様、3次元形状情報
に基づく第1層14の断面の輪郭内部が図示X方向と平
行に、照射間隔をビーム9の直径の0.8倍として折り
返し状に走査される。このため、第1層14において
は、全面が隙間なく、かつ各走査された軌跡が一部
(0.1mmづつ)重なるようにビーム9が照射され
る。
【0021】この積層平板13の第1層14のY方向の
断面の照射状態が図5(a)及び図6(a)に示されて
いる。ビーム9は、放物線状に液状樹脂8内に到達し、
樹脂8中に照射領域17を形成する。このビーム9は第
1層の0.2mmの厚みの範囲をすべて照射し、この領
域17は光刺激により直ちに重合を開始し、硬化する。
通常、一定量の液状樹脂8が硬化するとき、硬化した樹
脂8の体積は減少し、収縮する。しかし、第1層14に
おいては、周囲が液状樹脂8によって満たされているの
で、歪みは生じない。したがって、この層14にはなん
ら応力は作用しない。
【0022】次に、ステージ11を降下させて、第1層
14を1層分の厚み(0.2mm)だけ降下させると、
この第1層14上に新たな樹脂8が導入される。図4
(b)に示されるように、この樹脂8の表面に、さらに
第2層15の断面形状情報に基づいて、Y方向に平行に
ビーム9が走査される。このときビーム9の中心が、直
径の1.5倍の間隔になるように輪郭内部を折り返し状
に走査される。すなわち、隣合うビーム9の中心同志の
間隔は0.75mmとなり、ビーム9同志の重なりを生
じることなく離隔的に照射されていく。この結果、図5
(a)及び図6(a)のY方向断面図の第2層15に示
されるように、ビーム9による照射領域18が帯状に形
成される。この第2層15におけるビーム照射領域18
は直ちに重合し、硬化する。
【0023】また、図5(a)に示されるように、第2
層15を照射するビーム9の光によって、すでに硬化し
た第1層14の上側約70%の深さまで部分的に照射1
7aされることになる。このような二重照射領域17a
においては、一度硬化した樹脂8が再度光刺激を受けて
重合する。このため、この部分17aでは樹脂8の重合
度が高められる。したがって、第1実施例と同様、図5
(b)に示すように、この二重照射領域17a、すなわ
ち、第1層14の上面側においては全方向に収縮応力が
作用する。
【0024】一方、同時に、図6(a)に示されるよう
に、第2層15の照射領域18の間に、ビーム9の直径
の半分の幅(0.25mm)で帯状に未硬化部分19が
形成されていく。
【0025】次に、第3層16として、この第2層15
上に新たな液状樹脂8が導入される。この第3層16に
は、再び、ビーム9がX方向に平行に第1層14と同じ
照射間隔で断面全面が走査される。図5(a)に示され
るように、この照射によって、第3層16は速やかに硬
化する。また、第2層15において、二重照射領域18
aが形成され、第1実施例と同様、第2層15の上側に
は図5の(b)に示す全方向への収縮応力が作用する。
この結果、第2層15のb断面には、上方への反りが生
じ、図5(c)に示されるように第1層14及び第2層
15を合わせたb断面としては、上方への反りを生じさ
せようとする。
【0026】さらに、図6(a)に示されるように、未
硬化部分19においてもビーム9が到達し、この照射領
域19aにおいて樹脂8が硬化される。そして、第2層
の未硬化部分19の下部を中心とする部分は第3層16
の照射に際しても、ビーム9が到達しない部分19bが
ある。この未硬化部分19bにおいては、第1実施例と
同様、樹脂8の不足が起きる。すなわち、この未硬化部
分19bを充填しうる充分な樹脂8がすでに存在しない
状態で硬化が徐々に進行する。したがって、硬化するに
つれ、周囲の硬化域を引っ張りながら硬化しようとす
る。すなわち、図6(b)に示されるように、この部分
19bには強い収縮応力が作用することになる。この結
果、図6(c)に示されるように第1層14及び第2層
15を合わせたc断面としては、下方への反りを生じさ
せようとする。
【0027】このように、第1層14、第2層15及び
第3層16において、それぞれの層におけるビーム9の
走査方向が直交する場合でも、離隔的照射により未硬化
部分19bを介在させることができることについては、
全く同様である。したがって、この未硬化部分19bに
よる収縮応力の相殺あるいは補正効果も同様に得ること
ができる。この結果、本実施例においては、積層平板1
3のb断面に生じる上方に反ろうとする応力とc断面に
生じる下方に反ろうとする応力が互いに他方を相殺され
ることにより、全体として、反りのない積層平板13が
造形される。
【0028】次に、第3実施例として図9(b)に示す
積層平板20を製造する場合を例として説明する。本実
施例では、第1実施例及び第2実施例と同様、層厚0.
2mmの層が3層積層されて形成された積層平板20を
製造する。光硬化造形法における装置及び基本的操作は
前記両実施例と同様であるが、ビーム9の走査方法が異
なっている。先ず、図7(a)に示されるように、3次
元形状情報に基づく第1層21の断面の輪郭内部が図示
X方向と平行に照射間隔が直径の2.0倍の間隔で折り
返し状に走査される。すなわち、隣合うビーム9の中心
同志の間隔が1.0mmとなり、図7(b)に示される
ように、各ビーム9による照射領域21aは互いに重な
り合うことなく、離隔的に照射されることになる。さら
に、この後、図示Y方向に平行に同様の照射間隔で折り
返し状に走査される。この結果、ビーム9は直径と同間
隔(0.5mm)の隙間を残して帯状に照射され、格子
状の照射領域21aが形成される。この照射領域21a
においては、樹脂8は速やかに硬化する。そして、この
格子状の照射領域21aの間には未硬化部分21bがビ
ーム9の直径の間隔をおいて形成される。
【0029】次に、ステ−ジ11を降下させ、第1層2
1を1層の厚み分だけ降下させて、第1層21の上に新
たな樹脂8を導入する。第2層22の断面形状情報に基
づいて、その輪郭内部を照射する。今回の照射は、ま
ず、図8(a)に示されるように、X方向に平行に照射
間隔をビーム9の直径の1.3倍として、折り返し状に
走査される。すなわち、ビーム9の中心同志の間隔が
0.65mmとなるように、走査される。さらに、Y方
向に平行に同様の照射間隔で折り返し状に走査される。
つまり、第2層22においては、図8(b)に示すよう
に、X方向にもY方向にもビーム9は直径の0.3倍の
隙間(0.15mm)を残して帯状に照射される。この
結果、わずかな未硬化部分22bを残して、照射領域2
2aが形成される。この領域22aのほとんどは二重照
射領域となるが、樹脂8の補充が可能な状態での照射で
あるので、収縮応力が作用することなく硬化する。
【0030】また、この第2層22の照射により、第1
層21においても、その上側に二重あるいは三重照射領
域が形成される。この二重あるいは三重照射領域におい
ては、図示はしないが、前記第1及び第2実施例と同様
に周囲に収縮応力が作用する。さらに、第1層21の未
硬化部分21bでは、第2層22の照射によって、その
上側が部分的に硬化するが、第2層22の下側を中心と
した照射されなかった部分については、第1実施例及び
第2実施例と同様、樹脂8の不足が起きる。すなわち、
この未硬化部分を充填しうる充分な樹脂がすでに存在し
ない状態で硬化が徐々に進行する。したがって、硬化す
るにつれ、周囲の硬化域を引っ張りながら硬化しようと
する。すなわち、第1層21の下側に部分的に強い収縮
応力が作用することになる。第1層21の上側の収縮応
力に比較して下側の収縮応力の作用が大であるので、第
1層21には、下方へ反ろうとする応力が生じることに
なる。
【0031】次に、ステージ11を降下させて、第2層
22を1層分の厚み(0.2mm)だけ降下させると、
この第2層22上に新たな樹脂8が導入される。図9
(a)に示されるように、この樹脂8の表面に、さらに
第2層22の断面形状情報に基づいて、その輪郭内部を
照射する。第3層23の照射は、まず、X方向に平行に
照射間隔をビーム9の直径の1.1倍として、折り返し
状に走査される。すなわち、ビーム9の中心同志の間隔
が0.55mmとなるように、走査される。さらに、Y
方向に平行に同様の照射間隔で折り返し状に走査され
る。つまり、第3層23においては、図9(b)に示す
ように、X方向にもY方向にもビーム9は直径の0.1
倍の隙間(0.05mm)を残して帯状に照射される。
この結果、ごくわずかな未硬化部分23bを残して、照
射領域23aが形成される。この領域23aのほとんど
は二重照射領域となるが、樹脂8の補充が可能な状態で
の照射であるので、収縮応力が作用することなく硬化す
る。
【0032】また、この第3層23の照射により、第2
層22においても、その上側に二重あるいは三重照射領
域が形成される。この二重あるいは三重照射領域におい
ては、図示はしないが、前記第1及び第2実施例と同様
に周囲に収縮応力が作用する。さらに、第2層22の未
硬化部分22bでは、第3層23の照射によって、その
上側が部分的に硬化するが、第2層22の下側を中心と
した照射されなかった部分については、第1実施例及び
第2実施例と同様、樹脂8の不足が起きる。すなわち、
第2層22の下側に部分的に強い収縮応力が作用するこ
とになる。しかし、この層22における収縮応力は第1
層21に較べて積層平板全体としては小さい作用でしか
ない。第2層22においては未硬化部分22b自体が少
なく、第3層23の照射によっても光が到達しない部分
が少ないからである。したがって、第1層21と違って
第2層22には、上方への反りが生じる。この結果、第
1層21の反りを相殺あるいは補正するように作用し、
全体として反りのない積層平板20が造形される。
【0033】このように、第1層21、第2層22及び
第3層23において、各層内でビーム9の走査方向を直
交させる場合においても、離隔的照射により未硬化部分
21b、22bを介在させることができる。また、これ
らの照射間隔を各層において変えることによって、未硬
化部分の割合を調整して、収縮応力の作用の程度を調節
することができる。
【0034】なお、全面照射されて未硬化部分を有しな
い層に対して未硬化部分を有する層を幾層、そしてどの
ように組み合わせて介在させれば、反りのない積層平板
が得られるかは、照射の走査間隔、方向の設定、ビーム
の強度、走査スピード等の条件による。したがって、反
りのない積層平板を得るには、未硬化部分を有する層が
1層に対して照射層が複数層必要である場合もあり、ま
た逆の場合もある。さらに、未硬化部分を有する層は単
独で介在させたり、積層して介在させたりする場合もあ
る。
【0035】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、光硬
化造形法によって積層平板を造形する際に、ビームが照
射されないで未硬化の部分を有する層を介在させること
により、新たな収縮応力を生じさせて、この収縮応力に
より従来の収縮応力による反りの作用を補正し、相殺す
ることができる。このため、歪みの少ない正確な形状を
造形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3に示す第1実施例における積層板のa−a
線拡大断面図と収縮応力の作用図と収縮応力の相殺状態
を示す図を対応させた図である。
【図2】光硬化造形法による積層板の造形法の模式図で
ある。
【図3】積層板と積層板の各層のビーム走査方法を示す
図である。
【図4】第2実施例の積層板と積層板の各層のビーム走
査方法を示す図である。
【図5】図4の積層板のb−b線拡大断面図と収縮応力
の作用図と収縮応力の相殺状態を示す図を対応させた図
である。
【図6】図4の積層板のc−c線拡大断面図と収縮応力
の作用図と収縮応力の相殺状態を示す図を対応させた図
である。
【図7】第3実施例の積層板の第1層のビームの走査方
法と照射領域を示す斜視図である。
【図8】第3実施例の積層板の第2層のビームの走査方
法と照射領域を示す斜視図である。
【図9】第3実施例の積層板の第3層のビームの走査方
法と照射領域を示す斜視図である。
【図10】従来の造形法におけるビームの走査方法を示
す斜視図である。
【図11】従来の造形法による積層板の拡大断面図と収
縮応力の作用図と収縮応力の相殺状態を示す図を対応さ
せた図である。
【符号の説明】
2、15、21、22…未硬化部分を残した層 3、16、22、23…上部層 6、19、21b,22b…未硬化部分 12、13、20…積層平板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化造形法で積層平板を造形する際
    に、 離隔的に照射することによって、未硬化部分を残した層
    を形成する工程と、 その上部層の硬化の際に、前記未硬化部分を硬化させる
    工程とを有し、 硬化に伴う歪みを相殺しつつ積層された平板を形成する
    ことを特徴とする光硬化造形法における積層平板造形
    法。
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