JP4424608B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
特許文献1には、特定の平均粒子径である第1の疎水性シリカと第2の疎水性シリカとを使用する静電荷像現像剤に係る技術が開示されている。
特許文献2には、結着樹脂、ワックス及び有機有彩色色材を含有した溶融混練物と無機酸化物微粒子との混合物を粉砕し、分級することにより、ヒートロールへの離型剤の供給を極力少なくすることができ、良好なカラー画像が得られるカラートナーの製造方法に関する技術が開示されている。
特開平9−204062号公報(請求項1、表2(トナー5)) 特開平11−202551号公報(請求項1)
本発明の課題は、特に、高速の現像装置において、印刷初期のみならず、耐刷時にも耐フィルミング性及び画像濃度安定性に優れ、かつカブリを抑制することができる静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有した原料を溶融混練し、冷却した後、粗粉砕する工程(I)、並びに該工程(I)で得られた粗粉砕物を、平均粒子径の異なる少なくとも2種の疎水化された無機酸化物を含有した外添剤の存在下、さらに粉砕し、分級する工程(II)を含む方法により製造される静電荷像現像用トナーであって、前記工程(II)における疎水化された無機酸化物の平均粒子径が20nm以下であり、平均粒子径の差が3〜10nmである静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
本発明により、特に、高速の現像装置において、印刷初期のみならず、耐刷時にも耐フィルミング性及び画像濃度安定性に優れ、かつカブリを抑制することができる静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することができる。
フルカラープリンタの普及及びその小型化・高速化の流れにおいて、フルカラートナーの高画質及び高耐久への要求が高まっている。現像装置の小型化・高速化に際しては、トナーの流動性、帯電性等の安定性を確保することが重要な技術課題の一つであり、かかる観点から、トナー用外添剤の微小粒径化が進んでいる。
一方、トナー用外添剤として、平均粒子径が10nm以下の水準の無機酸化物が検討されており、帯電能力が安定し粉体特性及び転写性が向上することが報告されている(特許文献1)。しかし、このような微小粒径の無機酸化物を外添剤とする場合、従来のように外添剤をトナー分級工程の前後でトナーに添加混合する製造方法では、無機酸化物同士の凝集が発生し、トナー表面への分散付着性が低下する場合がある。
このような状態のトナーでは、現像装置の高速化に対して、外添剤の分散付着性低下の影響を無視できず、特に、長期多数回の印刷過程(以下、耐刷時ともいう)におけるトナーの流動性及び帯電性の安定を確保することが困難である。
一方、外添剤のトナーへの付着を安定にする手段として、結着樹脂等を含有した溶融混練物を適宜粗粉砕し、無機酸化物微粒子と混合して得られるトナーが提案されている(特許文献2)。そこで、本発明者等は、かかる技術に着目し、外添剤のトナー表面上への付着状態を安定化させて、トナーの帯電状態を安定にすることを試みた。しかし、特許文献2の実施例に具体的に開示されたトナーでは、高速の現像装置だけでなく、従来の低速の現像装置においても、耐刷時の画像濃度、カブリ抑制性が不十分であることが判明した。
本発明者等がさらに種々検討したところ、結着樹脂等を混練溶融後に粗粉砕して得られた粗粉砕物を、平均粒子径が異なる2種の疎水化された無機酸化物を含有する外添剤の存在下で、粉砕・分級して得られるトナーは、トナー表面上での無機酸化物の付着安定性以上に、微小な無機酸化物をトナー表面で良好に分散付着できるという予想外の成果を得るに至った。
そして、かかるトナーは、低速の現像装置だけでなく高速の現像装置においても、予想以上に初期及び耐刷時の耐フィルミング性及び画像濃度安定性が良好であり、カブリを抑制できることが判明した。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有した原料を溶融混練し、冷却した後、粗粉砕する工程(I)、並びに該工程(I)で得られた粗粉砕物を、平均粒子径の異なる少なくとも2種の疎水化された無機酸化物(以下、特定無機酸化物ともいう)を含有した外添剤の存在下、さらに粉砕し、分級する工程(II)を含む方法により製造される点に特徴を有する。
ここに、本発明において外添剤とは、結着樹脂等を含有した原料の溶融混練よりも後の工程で添加される、トナー以外の微粒子をいう。
本発明において外添剤として用いられる無機酸化物としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅及び酸化錫からなる群より選ばれた無機酸化物が好ましく、これらの中では、帯電性付与及び流動性付与の観点から、無機酸化物の少なくともいずれかはシリカであることが好ましい。
シリカは公知の方法で製造されたものを用いることできるが、シリカの分散性の観点から、乾式法、高温加水分解法により製造されたものが好ましい。
前記の特定無機酸化物は、疎水化された無機酸化物である。
ここに、疎水化された無機酸化物とは、メタノール滴定法により測定される疎水化度が40以上、好ましくは50〜99、より好ましくは60〜98の無機酸化物をいう。なお、メタノール滴定法による疎水化度の測定は、具体的に以下の方法により行う。即ち、イオン交換水100mlを入れた内径7cm、容量2l以上のガラス容器に、疎水化度を測定する無機酸化物0.2gを加え、マグネットスターラーで攪拌する。メタノールを入れたビュレットの先端を液中に入れ、攪拌下でメタノール20mlを滴下して、30秒後に攪拌を停止する。攪拌停止1分後の状態を観察する操作を繰り返し行う。攪拌停止1分後に無機酸化物が水面に浮遊しなくなったときのメタノールの総添加量をY(ml)としたとき、下記式により求められる値を疎水化度として算出する。ビーカー(ガラス容器)内の水温は20℃±1℃に調整して前記測定を行う。
疎水化度=〔Y/(100+Y)〕×100
無機酸化物を疎水化するための疎水化処理剤としては、特に限定されないが、負帯電性を付与するための処理剤として、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルシラン等のシランカップリング剤;ジメチルシリコーンオイル等のシリコーンオイル処理剤等が挙げられ、本発明では、工程(II)における粉砕工程時のトナー凝集性低減の観点から、処理剤の少なくとも1つはシランカップリング剤から選択されることが好ましい。
また、正帯電性を付与するための処理剤として、アミノシラン;アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル処理剤等が挙げられ、これらのなかでは、帯電量の環境安定性の観点から、アミノ変性シリコーンオイルが好ましい。
本発明では、疎水化された無機酸化物の少なくとも1種が負帯電性の疎水化された無機酸化物であることが好ましく、さらに正帯電性を有する疎水化された無機酸化物が併用されていることがより好ましい。ここに、無機酸化物が負帯電性を有するとは、無機酸化物を鉄粉と摩擦帯電させた際に負の帯電量を示すことをいい、無機酸化物が正帯電性を有するとは、無機酸化物を鉄粉と摩擦帯電させた際に正の帯電量を示すことをいう。無機酸化物の帯電量は、ブローオフ式帯電量測定装置を用いて測定される。本発明において、負帯電性を有する無機酸化物の帯電量は、−10〜−500μC/gが好ましく、−20〜−400μC/gがより好ましい。また、正帯電性を有する無機酸化物の帯電量は、10〜500μC/gが好ましく、20〜400μC/gがより好ましい。
無機酸化物における疎水化処理剤の処理量は、所望の帯電量かつ疎水化度が得られる程度であれば特に限定されないが、無機酸化物の表面積あたり、1〜7mg/mが好ましい。
疎水化処理剤と無機酸化物の組み合わせを「疎水化処理剤−無機酸化物」として記載すると、負帯電性の無機酸化物における好適な組み合わせとしては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)−シリカ、ジメチルジクロロシラン(DMDS)−シリカ、シリコーンオイル−シリカ、HMDSとシリコーンオイルの混合物−シリカ、イソブチルトリメトキシシラン−チタニア、シリコーンオイル−チタニア、オクチルシラン−チタニア等が挙げられ、これらの中ではHMDS−シリカ、DMDS−シリカ、シリコーンオイル−シリカ、HMDSとシリコーンオイルの混合物−シリカ及びイソブチルトリメトキシシラン−チタニアが好ましく、HMDS−シリカ、DMDS−シリカ、シリコーンオイル−シリカ及びHMDSとシリコーンオイルの混合物−シリカがより好ましく、HMDS−シリカ及びDMDS−シリカがさらに好ましく、HMDS−シリカが特に好ましい。
以上の疎水化された負帯電性の無機酸化物には、市販されているものを使用することができる。
HMDS−シリカの好適な市販品としては、H3004、H2000、HDK H30TM、HDK H20TM、HDK H13TM、HDK H05TM(以上、ワッカー社)、TS530(以上、キャボット社)、RX300、RX200、RX50、NAX−50(以上、日本アエロジル社)等が挙げられる。
DMDS−シリカの好適な市販品としては、R976、R974、R972(以上、日本アエロジル社)等が挙げられる。
シリコーンオイル−シリカの好適な市販品としては、HDK H30TD、HDK H20TD、HDK H13TD、HDK H05TD(以上、ワッカー社)、TS720(以上、キャボット社)、RY−50、NY−50(以上、日本アエロジル社)等が挙げられる。
HMDSとシリコーンオイルの混合物−シリカの好適な市販品としては、HDK H30TX、HDK H20TX、HDK H13TX、HDK H05TX(以上、ワッカー社)等が挙げられる。
イソブチルトリメトキシシラン−チタニアの好適な市販品としては、JMT−150IB(以上、テイカ社)等が挙げられる。
一方、正帯電性の無機酸化物における好適な組み合わせとしては、アミノ変性シリコーンオイル−シリカ、アミノシラン−シリカ、エポキシ変性シリコーンオイル−シリカ等が挙げられ、アミノ変性シリコーンオイル−シリカがより好ましい。
以上の疎水化された正帯電性の無機酸化物には、市販されているものを使用することができる。
アミノ変性シリコーンオイル−シリカの好適な市販品として、HVK2150、HDK3050、HDK H30TA、HDK H13TA、HDK H05TA(ワッカー社)等が挙げられる。
特定無機酸化物の少なくともいずれかは疎水化されたシリカであることが好ましく、例えば、負帯電性の無機酸化物と正帯電性の無機酸化物の組み合わせ〔負帯電性の無機酸化物/正帯電性の無機酸化物〕としては、HMDS−シリカ/アミノ変性シリコーンオイル−シリカ、DMDS−シリカ/アミノ変性シリコーンオイル−シリカを含むものが好ましく、DMDS−シリカ/アミノ変性シリコーンオイル−シリカを含むものがより好ましい。
特定無機酸化物の平均粒子径は、高速の現像装置でのトナーの流動性、帯電安定性の観点から、20nm以下であることが必要であり、好ましくは16nm以下であり、特定無機酸化物のトナー表面への分散付着性の観点から、好ましくは4nm以上、より好ましくは8nm以上である。総合的には、好ましくは4〜20nm、より好ましくは8〜16nmである。本発明において、無機酸化物の平均粒子径とは、個数平均粒子径を指し、無機酸化物の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定した、500個の粒子の粒径の平均値をいう。
特定無機酸化物は、高速の現像装置でのトナーの流動性及び帯電安定性と特定無機酸化物のトナー表面への分散付着性を両立する観点から、平均粒子径が上記範囲内で、平均粒子径の差が3〜10nm、好ましくは4〜8nmの少なくとも2種の疎水化された無機酸化物からなる。
2種の疎水化された無機酸化物のうち、平均粒子径の小さい方の特定無機酸化物(以下、無機酸化物Sともいう)の平均粒子径は、高速の現像装置でのトナーの流動性及び帯電安定性の観点から、4〜16nmが好ましく、6〜12nmがより好ましい。平均粒子径の大きい方の特定無機酸化物(以下、無機酸化物Lともいう)の平均粒子径は、トナー表面への分散付着性の観点から、10〜20nmが好ましく、12〜18nmがより好ましい。総合的な観点から、平均粒子径の組み合わせ(無機酸化物S/無機酸化物L)は、4〜16nm/10〜20nmが好ましく、6〜12nm/12〜18nmがより好ましい。
無機酸化物Sの無機酸化物Lに対する重量比(無機酸化物S/無機酸化物L)は、95/5〜5/95が好ましく、90/10〜20/80がより好ましく、80/20〜40/60がさらに好ましい。
特定無機酸化物が負帯電性の無機酸化物と正帯電性の無機酸化物からなる場合、無機酸化物Sが正帯電性の無機酸化物で、無機酸化物Lが負帯電性の無機酸化物であることが好ましい。
特定無機酸化物の配合量は、環境安定性の観点から、工程(I)で得られた粗粉砕物100重量部に対して、特定無機酸化物の合計で、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
工程(II)で用いられる外添剤中には、前記特定無機酸化物により奏される効果に支障のない範囲で他の微粒子、例えば、特定無機酸化物よりも平均粒子径の大きな無機酸化物、疎水化されていない無機酸化物や樹脂微粒子が含有されていてもよいが、特定無機酸化物の含有量は、工程(II)で用いられる外添剤中、50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましく、90〜100重量%がさらに好ましく、100重量%が特に好ましい。
本発明のトナーは、原料を溶融混練し、冷却した後、粗粉砕する工程(I)及び該工程(I)で得られた粗粉砕物を、前記の特定無機酸化物を含有した外添剤の存在下、さらに粉砕し、分級する工程(II)を含む方法により製造することができる。
工程(I)において、溶融混練に供される原料には、結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有した原料を用いる。
結着樹脂としては、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、2種以上の樹脂成分を有するハイブリッド樹脂等が挙げられ、これらの中では、低温定着性及び透明性の観点から、ポリエステル及びハイブリッド樹脂が好ましく、ポリエステルがよりに好ましい。ポリエステルの含有量は、低温定着性及び透明性の観点から、結着樹脂中、50重量%以上が好ましく、65重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、90重量%以上がさらにより好ましく、100重量%が特に好ましい。
ポリエステルの原料モノマーとしては、2価以上のアルコールからなるアルコール成分と、2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸化合物からなるカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール成分等が挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等のジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のカルボン酸、これらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられる。
さらに、アルコール成分及びカルボン酸成分には、分子量調整等の観点から、1価のアルコール及び1価のカルボン酸化合物が適宜含有されていてもよい。
ポリエステルはアルコール成分とカルボン酸成分を、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合させることにより製造することができる。
ポリエステルの酸価は、着色剤の分散性及びトナーの帯電性の観点から、0.5〜60mgKOH/gが好ましく、水酸基価は、1〜60mgKOH/gが好ましい。
また、ポリエステルの軟化点は80〜165℃が好ましく、ガラス転移点は50〜90℃が好ましい。
本発明において、ハイブリッド樹脂としては、2種以上の樹脂成分が部分的に化学結合した樹脂が好ましい。ハイブリッド樹脂は、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーから得られたものであっても、さらに2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものが好ましい。
従って、ハイブリッド樹脂としては、各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂の原料モノマー、好ましくはポリエステルの原料モノマーとビニル系樹脂の原料モノマーを混合し、該二つの重合反応を行わせることにより得られる樹脂が好ましく、具体的には、特開平10−087839号公報に記載のハイブリッド樹脂が好ましい。
さらに、溶融混練に供される原料には、工程(II)において外添剤をトナー表面上で安定に付着させる観点から、離型剤が含有されている。離型剤としては、融点が65〜150℃のワックスが好ましく、ここに、ワックスとは、広く、ろうをいう(「岩波理化学辞典」第4版、1407頁)。
本発明における離型剤としては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス、パラフィンワックス等の石油ワックス、ヒドロキシ酸エステルを含有したワックス等が挙げられる。これらの中では、結着樹脂としてポリエステルを使用する場合、特に、ポリプロピレンワックス及びヒドロキシ酸エステルを含有したワックスが、ポリエステル中への分散性の観点から好ましい。
ヒドロキシ酸エステルを含有したワックスとしては、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然ワックス、セリル−ω−ヒドロキシセロテート(Ceryl-ω-hydroxycerotate)、セリル−ω−ヒドロキシメリセート(Ceryl-ω-hydroxymelissate)、ミリシル−ω−ヒドロキシメリセート(Myricyl-ω-hydroxymelissate)等のヒドロキシ酸エステルを含有した合成ワックス等が挙げられ、より広い温度範囲での耐オフセット性を確保する観点から、天然ワックスがより好ましく、カルナウバワックスがさらに好ましい。
離型剤の含有量は、耐オフセット性及び耐久性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上が好ましく、1〜20重量部がより好ましく、1〜15重量部が特に好ましい。
本発明における着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
本発明のトナーには、さらに、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜用いられていてもよい。
原料の溶融混練は、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機の公知の混練機を用いて行うことができるが、本発明においては、トナーの耐刷時のドット再現性を向上させる観点から、オープンロール型混練機を用いるのが好ましい。オープンロール型混練機の使用により、結着樹脂中の離型剤の分散が促進され、特定無機酸化物のトナーへの付着状態がさらに安定になると推定される。なお、溶融混練の温度は、各原料が十分に混ざり合える程度の温度であれば特に限定されないが、通常、80〜140℃程度が好ましい。
本発明におけるオープンロール型混練機とは、少なくとも2本のロールを備え、溶融混練部がオープン型であるものをいい、少なくとも加熱ロールと冷却ロールとの2本のロールを備えた混練機を用いることが好ましい。かかるオープンロール型混練機は、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、オープンロール型混練機は、生産効率の観点から、連続式であるのが好ましい。
さらに、前記オープンロール型混練機において、2本のロールは並行に近接して配設されており、ロールの間隙は、0.01〜5mmが好ましく、0.05〜2mmがより好ましい。また、ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよい。
ロールの回転数、即ち周速度は、2〜100m/minであることが好ましい。冷却ロールの周速度は2〜100m/minが好ましく、10〜60m/minがさらに好ましく、15〜50m/minが特に好ましい。また、2本のロールは、互いに周速度が異なっていることが好ましく、2本のロールの周速度の比(冷却ロール/加熱ロール)は、1/10〜9/10が好ましく、3/10〜8/10がより好ましい。
混練物が加熱ロールに張りつきやすくするために、加熱ロールの温度は結着樹脂の軟化点及びワックスの融点のいずれの温度よりも高く、冷却ロールの温度は結着樹脂の軟化点及びワックスの融点のいずれの温度よりも低く調整されているのが好ましい。
加熱ロールと冷却ロールの温度の差は、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
なお、ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
加熱ロール、特に原料投入側の温度は、結着樹脂の軟化点及びワックスの融点のいずれの温度よりも高いことが好ましく、そのいずれかの高い方の温度よりも、0〜80℃高いことがより好ましく、5〜50℃高いことが特に好ましい。また、冷却ロールの温度は、結着樹脂の軟化点及びワックスの融点のいずれの温度よりも低いことが好ましく、そのいずれかの低い方の温度よりも、0〜80℃低いことがより好ましく、40〜80℃低いことが特に好ましい。
次いで、得られた混練物を粉砕可能な硬度に達するまで冷却し、粗粉砕に供する。本発明では、粗粉砕により、得られる粉砕物(粗粉砕物)の平均粒子径が好ましくは0.03〜4mm、より好ましくは0.05〜2mmとなるまで、さらに好ましくは、前記平均粒子径でかつ最大径が5mm以下、さらに好ましくは前記平均粒子径でかつ最大径が3mm以下になるまで、さらに好ましくは、平均粒子径が0.05〜2mmで最大径が3mm以下になるまで粉砕する。
ここに、粗粉砕物の平均粒子径とは、顕微鏡で観察した際の投影面積の最大長の平均値をいい、最大径5mm以下とは、全てのトナー粒子が目開き5mmのふるいを通過することの意味である。
粗粉砕に用いられる粉砕機としては、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられる。
本発明では、続く工程(II)において、粗粉砕物を特定無機酸化物を含有した外添剤の存在下で粉砕することにより、最終的に得られるトナーの耐フィルミング性をより向上させることができる。これは、トナー製造の最終工程において無機酸化物を外添する通常の方法と比較して、トナー表面における特定無機酸化物がトナー表面により均一に分散して付着するためと推定される。
工程(II)において、粗粉砕物を特定無機酸化物を含有した外添剤の存在下で粉砕する際には、ドット再現性に対する効果をより高める観点から、粗粉砕物を、特定無機酸化物を含有した外添剤と混合し、さらに粉砕することが好ましい。
工程(II)における粗粉砕物と外添剤の混合には、特定外添剤の均一分散の観点から、回転羽根等の攪拌具を有する攪拌装置を用いることが好ましい。回転羽根の数や形状は適宜スケールにあわせて設計されればよいが、2枚以上の回転羽根を使用することが好ましい。攪拌具は混合部の上部に位置するものが、粉砕物の連続処理の点から好ましい。
粗粉砕物と工程(II)時に存在させる外添剤との混合条件は、両者を十分に混合させることができる程度であれば、特に限定されず、スケールにあわせて適宜決定すればよいが、10リットル程度のバッチ方式等の攪拌装置を用いる場合は、回転数2000〜5000r/minで、30秒〜2分間程度行うのが好ましい。また、5リットル程度の連続式攪拌装置を用いる場合は、滞留時間が1〜60秒で行うのが好ましい。
本発明では、トナーの耐刷時のドット再現性は、粗粉砕物と外添剤とを十分に攪拌すればするほど良好となるが、具体的な目安としては、目視で無機酸化物の凝集体が確認されなくなるまで、さらに走査型電子顕微鏡(SEM)で粗粉砕品を観察したときに外添剤が均一に表面に分散している状態となるまで混合することが好ましい。
工程(II)において、粗粉砕物を外添剤の存在下、さらに粉砕する際には、衝突板式ミル等のジェットミル;回転型機械ミル等を用いることができるが、本発明では、トナー表面の無機酸化物の付着安定性の観点から、ジェットミルが好ましく、衝突板式ミルがより好ましい。
ジェットミルを使用する際の、粉砕時の風圧、即ち、粉砕ノズルに導入する粉砕エアの圧力は、0.2〜1MPaが好ましく、0.3〜0.8MPaがより好ましく、0.4〜0.7MPaがさらに好ましい。
本発明では、工業的に連続生産するために、粗粉砕物と外添剤の混合から微粉砕までの工程を連続して行なうこと、即ち、粗粉砕物と外添剤とを連続的に混合に供し、得られた混合物を連続的に微粉砕に供することが好ましい。
微粉砕物の体積平均粒子径(D50)は、15μm以下が好ましく、3〜10μmがよりに好ましく、3〜8μmがさらに好ましい。
微粉砕物を、分級することにより、トナーを得ることができる。分級に用いられる分級装置としては、風力分級機、慣性式分級機、ロータ型分級機、篩式分級機等が挙げられる。
トナーの体積平均粒子径(D50)は、3.5〜11μmが好ましく、3.5〜9μmがより好ましく、4〜8μmがさらに好ましい。
本発明のトナーは、工程(II)の後、さらに工程(II)で用いられる特定無機酸化物やその他のシリカ等の無機酸化物、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂微粒子等の外添剤と混合する工程(III) を含む方法により得られるものであってもよい。工程(III) で用いられる外添剤は、流動性付与の観点から、無機酸化物であるのが好ましく、また、その平均粒子径は、トナー表面への埋没防止の観点から、25nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、35nm以上がさらに好ましく、トナー表面への付着性の観点から、100nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、60nm以下がさらに好ましい。総合的な観点から、25〜100nmが好ましく、30〜80nmがより好ましく、35〜60nmがさらに好ましい。さらに平均粒子径は、工程(II)時に存在させる外添剤の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。
微粉砕物や分級工程後に得られたトナー粒子と外添剤との混合には、回転羽根等の攪拌具を有する攪拌装置を用いることが好ましく、特に好適な攪拌装置として、ヘンシェルミキサーが挙げられる。
本発明のトナーは、低速機の現像装置のみならず、高速機の現像装置による耐刷時においても、画像濃度、耐フィルミング性、カブリの抑制に対して優れた性能を発揮することができる。従って、本発明のトナーを、印字速度が60mm/秒以上の高速現像装置に用いることにより、本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
本発明のトナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分現像用トナーとして、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として、特に限定されることなく、いずれの現像方法にも用いることができるが、画像濃度の安定性の観点から、本発明のトナーは非磁性一成分現像用トナーとして特に好適に使用することができる。
〔ワックスの融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを、昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を求める。かかる最大ピーク温度をワックスの融点とする。
〔無機酸化物の帯電量〕
無機酸化物0.01gと100〜200メッシュ(目開き:85〜200μm)の粒度を有する鉄粉キャリア9.99gを20ml容のガラス瓶にはかりとり、ボールミルを用いて250r/minで10分間攪拌することにより試料を調製する。
調製した試料の帯電量を、ファラデーケージ、コンデンサー及びエレクトロメーターを備えた自作のブローオフ式帯電量測定装置を用いて測定する。具体的には、400メッシュ(目開き:30μm)のステンレスメッシュを備えた真鍮製の測定セルに、調製した試料をW(g)入れ、吸引口から5秒間吸引した後、気圧レギュレーターが0.6kgf/mを示す気圧で5秒間ブローを行い、無機酸化物のみをセル内から除去する。ブロー開始から2秒後の電位計の電圧をV(V)、コンデンサーの電気容量をC(μF)とし、次式により無機酸化物の帯電量を求める。
帯電量(μC/g)=(C×V)/0.001W
〔トナー及び微粉砕物の体積平均粒子径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
測定粒径範囲:2〜60μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積平均粒子径(D50)を求める。
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン714g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン663g、イソフタル酸518g、イソオクテニルコハク酸70g、トリメリット酸80g及び酸化ジブチル錫2gを窒素雰囲気下、210℃で攪拌しつつ、ASTM D36−86により測定した軟化点が120℃に達するまで反応させて、樹脂Aを得た。
実施例1〜5、7及び比較例1〜4
樹脂A 100重量部、青色着色剤(ピグメント・ブルー 15:3)3重量部、ポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製、融点:140℃)1重量部及び負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−84」(オリエント化学工業社製)1重量部をヘンシェルミキサーに投入し、槽内温度40℃で2分間攪拌混合して原料混合物を得た。得られた原料混合物を連続型二軸混練機により100℃で溶融混練を行い混練物を得た。得られた混練物を空気中で冷却したのち、アトマイザー(東京アトマイザー製造社製)にて粗粉砕し、目開き2mmの篩いに通し、最大径2mm以下の粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物100重量部と表1に示す外添剤aとをヘンシェルミキサーで1分間混合した。外添剤aが付着した粗粉砕物を、粉砕時の風圧を0.5MPaに調整したジェットミル粉砕機(日本ニューマチック社製)にて微粉砕し、さらにその微粉砕物を分級し、体積平均粒子径(D50)が7.0μmのトナーを得た。
実施例5、比較例3、4においては、得られたトナー粒子100重量部に対し、さらに表1に示す外添剤bを添加し、ヘンシェルミキサーで2分間混合した。
実施例6
表1に示す原料を、連続型二軸混練機の代わりに連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山(株)製)を用いて溶融混練した以外は、実施例5と同様にして、トナーを得た。
なお、使用した連続式二本オープンロール型混練機は、ロール外径が0.14m、有効ロール長が0.8mのものであり、運転条件は、高回転側ロール(前ロール)の回転数が75回転/分、低回転側ロール(後ロール)の回転数が50回転/分、ロール間隙が0.1mmであった。ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側の温度を150℃、混練物排出側の温度を130℃、低回転ロールの原料投入側の温度を35℃及び混練物排出側の温度を30℃に設定した。また、原料混合物の供給速度は5kg/時、平均滞留時間は約5分間であった。
なお、実施例及び比較例で使用した外添剤の疎水化度は、いずれも60以上であった。
試験例
「MicroLine 9300PS」(沖データ社製、解像度:1200dpi×600dpi、印字速度:30ppm(A4紙横送り、150mm/秒)にトナーを実装し、温度35℃、相対湿度80%の環境下で、白紙(印字率0%)印字した後、感光体ドラム上のトナーをメンディングテープで写し取り、その色相を測定した。白紙との色相差(ΔE)を測定し、以下の評価基準に従って、初期のカブリを評価した。
さらに、印字率5%の画像を12000枚連続して印刷し、6000枚印刷時点、12000枚印刷時点で、再度、温度35℃、相対湿度80%の環境下で、白紙(印字率0%)印字し、初期と同様に耐刷後のカブリを評価した。色相は、X−rite Model938(X−rite社製、アパチャー4mm、光源C、視野角2°)を用い、L* * * 測定した。
さらに、6000枚印刷時点、12000枚印刷時点で現像ロール上のトナーをメンディングテープで写し取り、フィルミングに起因するスジが発生しているか否かを目視にて観察し、以下の評価基準に従って、耐フィルミング性を評価した。結果を表1に示す。
〔カブリの評価基準〕
◎:ΔEが1.0未満
○:ΔEが1.0以上2.0未満
△:ΔEが2.0以上3.0未満
×:ΔEが3.0以上
〔耐フィルミング性の評価基準〕
◎ :スジやムラがなく、非常に均一である。
○ :スジやムラがなく、ほぼ均一である。
△ :スジは発生していないが、一部に濃度ムラがみられる。
× :2本以下のスジが発生している。
××:3本以上のスジが発生している。
Figure 0004424608
以上の結果より、比較例のトナーと対比して、実施例のトナーは、耐刷後もカブリが少なく、耐フィルミング性にも優れていることが分かる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (11)

  1. 結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有した原料を溶融混練し、冷却した後、粗粉砕する工程(I)、並びに該工程(I)で得られた粗粉砕物を、平均粒子径の異なる少なくとも2種の疎水化された無機酸化物を含有した外添剤の存在下、さらに粉砕し、分級する工程(II)を含む方法により製造される静電荷像現像用トナーであって、前記工程(II)における疎水化された無機酸化物の平均粒子径が20nm以下であり、平均粒子径の差が3〜10nmである静電荷像現像用トナー。
  2. 工程(II)が、工程(I)で得られた粗粉砕物を、平均粒子径の異なる少なくとも2種の疎水化された無機酸化物を含有した外添剤と混合し、さらに粉砕して、分級する工程である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 疎水化された無機酸化物が、平均粒子径が10〜20nmの疎水化された無機酸化物と平均粒子径が4〜16nmの疎水化された無機酸化物からなる請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 疎水化された無機酸化物の少なくともいずれかが疎水化されたシリカである請求項1〜3いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 疎水化された無機酸化物の少なくとも1種が負帯電性の疎水化された無機酸化物である請求項1〜4いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 工程(II)の後、さらに、平均粒子径が25〜100nmの無機酸化物と混合する工程(III) を含む方法により得られる請求項1〜5いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 工程(I)における原料の溶融混練がオープンロール型混練機を用いて行われる請求項1〜6いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有した原料を溶融混練し、冷却した後、粗粉砕する工程(I)、並びに該工程(I)で得られた粗粉砕物を、平均粒子径の異なる少なくとも2種の疎水化された無機酸化物を含有した外添剤の存在下、さらに粉砕し、分級する工程(II)を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記工程(II)における疎水化された無機酸化物の平均粒子径が20nm以下であり、平均粒子径の差が3〜10nmである静電荷像現像用トナーの製造方法。
  9. 工程(II)が、工程(I)で得られた粗粉砕物を、平均粒子径の異なる少なくとも2種の疎水化された無機酸化物を含有した外添剤と混合し、さらに粉砕して、分級する工程である請求項8記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. 工程(II)における粉砕を、粉砕時の風圧が0.2〜1MPaのジェットミルを用いて行う請求項8又は9記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  11. 工程(I)における原料の溶融混練をオープンロール型混練機を用いて行う請求項8〜10いずれか記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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