近年、メモリセルが記憶素子以外の選択用素子を備えず、記憶素子が直接、メモリセル内でデータ線(行選択線)とビット線(列選択線)に接続してメモリセルアレイを形成するクロスポイントタイプの半導体記憶装置(以下、適宜、「クロスポイントメモリ」と称す。)の開発が進んでいる(例えば、下記特許文献1参照)。
当該クロスポイントメモリは、メモリセルアレイのデータ線とビット線の各交点(クロスポイント部)に可変抵抗素子を各別に配置し、各可変抵抗素子の下部電極または上部電極の一方をデータ線に、他方をビット線に接続してメモリセルを形成している。例えば、下記の特許文献1に開示された「抵抗性クロスポイントメモリセルアレイのための等電圧検知方法」では、データ線とビット線に夫々所定電圧を供給し、MRAM(磁気ランダムアクセスメモリ)のメモリセルの抵抗状態を検出している。
この特許文献1によれば、選択されたメモリセルを読み出しする時、選択されたデータ線に第1の電圧を印加し、選択及び非選択のビット線と非選択のデータ線とに第1の電圧より低い第2の電圧を印加して、選択されたメモリセルの抵抗状態つまり記憶状態を検知している。また、データ線とビット線の関係を交替して、選択されたメモリセルを読み出す時、選択されたビット線に第3の電圧V2を印加し、選択及び非選択のデータ線と非選択のビット線とに第3の電圧V2より高い第4の電圧V1を印加して、選択されたメモリセルの抵抗状態を検知するようにしても構わない。このような電圧印加方法を採用することで、非選択のメモリセルを流れるリーク電流(回り込み電流)を抑制し、選択データ線、選択メモリセル、選択ビット線を流れる読み出し電流に対して、非選択メモリセルからの回り込み電流が重畳して、読み出しマージンが低下するのを抑制している。
図5に、従来のクロスポイントメモリのメモリセルアレイの回路構成、及び、データ線とビット線への供給電圧の設定レベルと電流経路を示す。図5のクロスポイントメモリでは、後者の電圧印加方法を採用している。
しかしながら、データ線とビット線には、実質的に、データ線とビット線を各別に駆動するドライバ回路の駆動抵抗も含めた抵抗値が存在し、また、各メモリセルの抵抗値も記憶状態も任意に変化するため、非選択メモリセルの両端に僅かな電位差が生じ、非選択メモリセルを介した回り込み電流が発生する。図5は、メモリセルMdの読み出し電流Idを測定する場合に発生するリーク電流Ileak0、Ileak1、・・・、Ileakkの電流経路を示す。図中Mは、選択データ線での電流IMを測定する電流計を仮想的に示している。この場合には、メモリセルMdの読み出し電流Idは、以下の数1に示すようになる。尚、本明細書において演算記号Σi=0〜kはi=0〜kの範囲での算術和を表している。
(数1)
Id=IM−Σi=0〜kIleaki
また、図6は、メモリセルMd1の読み出し電流Id1を測定する場合に発生するリーク電流Σi=0〜kIleak1iの電流経路と方向、並びに、メモリセルMd2の読み出し電流Id2を測定する場合に発生するリーク電流Σi=0〜kIleak2iの方向を示す。尚、図6に示す読み出し状態では、ビット線とデータ線への印加電圧は、図5に示した場合と同じ設定となっている。この場合に、メモリセルMd1の抵抗値がアクセスビット線に接続したメモリセル内にて低い場合には、データ線を駆動するドライバのオン抵抗値とメモリセルMd1の抵抗値との抵抗分割比に応じた分圧によりデータ線D1の電圧が低くなる。
従って、メモリセルMd1とデータ線D1との接点d1Aの電圧が他のデータ線電圧と比較して低いために、各ビット線からメモリセルMd1に向かって流れるリーク電流が発生する。つまり、各ビット線からデータ線D1を通りメモリセルMd1に向かってリーク電流(非選択メモリセルを経由する回り込み電流)Σi=0〜kIleak1iが発生する。この場合には、メモリセルMd1の読み出し電流Id1とデータ線D1における測定電流IM1の関係は、以下の数2に示すようになる。図6中のM1は、電流IM1を測定する電流計を仮想的に示している。
(数2)
IM1=Id1−Σi=0〜kIleak1i
また、メモリセルMd2の抵抗値が、アクセスビット線に接続したメモリセル内にて高い場合には、データ線を駆動するドライバのオン抵抗値とメモリセルMd2の抵抗値との抵抗分割比に応じた分圧によりデータ線D2の電圧は高くなる。
従って、メモリセルMd2とデータ線D2との接点d2Aの電圧が他のデータ線電圧と比較して高いために、リーク電流(非選択メモリセルを経由する回り込み電流)Σi=0〜kIleak2iは、データ線D2から各ビット線の方向に流れる。つまり、データ線D2から各ビット線を通り各データ線に接続されたメモリセルMdxに向かってリーク電流Σi=0〜kIleak2iが発生することになる。この場合には、メモリセルMd2の読み出し電流Id2とデータ線D2における測定電流IM2の関係は、以下の数3に示すようになる。図6中のM2は、電流IM2を測定する電流計を仮想的に示している。
(数3)
IM2=Id2+Σi=0〜kIleak2i
以上、詳細に説明したように、クロスポイントメモリでは、選択及び非選択のデータ線とビット線に、回り込み電流を抑制するような電圧印加方法を採用したとしても、回り込み電流の発生は回避できず、更に、メモリセルアレイのアレイサイズが大きくなると、回り込み電流が無視できず、測定電流の大小からは、読み出し電流の大小が判定困難となって、選択メモリセルの抵抗値を正確に判別できずに読み出し不良に陥る危険が生じる。
そこで、1本のデータ線、1本のビット線に接続するメモリセルの数を制限してメモリセルアレイを構成し、当該メモリセルを1つのメモリバンクとし、そのメモリバンクを複数個、行方向及び列方向にマトリクス状に配置して、所望のメモリ容量(メモリセル数)を確保する試み(マルチバンク方式)がある。
図7に、クロスポイントメモリに当該マルチバンク方式を採用した場合のブロック構成を示す。マルチバンク方式では、行方向に沿って配列した各バンクBKkのデータ線と同数の主データ線GDLiが、当該各バンクを横断して行方向に延伸し、バンク選択トランジスタBDkを介して、各データ線DLiに接続している。また、列方向に沿って配列した各バンクのビット線と同数の主ビット線GBLjが、当該各バンクを縦断して列方向に延伸し、バンク選択トランジスタBBkを介して、各ビット線BLjに接続している。ここで、iはデータ線番号を示し、jはビット線番号を示し、kはバンク番号を示す。
図7に示すように構成することにより、主データ線GDLiに接続するデータ線ドライバ10から供給される所定のデータ線電圧が、主データ線GDLiを介して、選択されたバンクのデータ線DLiに夫々供給され、また、主ビット線GBLjに接続するビット線ドライバ20から供給される所定のビット線電圧が、主ビット線GBLjを介して、選択されたバンクのビット線BLjに夫々供給される。従って、図5及び図6で説明したように単体のメモリセルアレイの選択及び非選択のデータ線とビット線に各電圧を印加するのと同じ要領で、主データ線GDLiと主ビット線GBLjに対しても、夫々の電圧を印加すればよい。従って、図7に示すマルチバンク方式の場合、バンク単位では、主データ線GDLiとデータ線DLi、及び、主ビット線GBLjとビット線BLjは、夫々同数で構成されることになる。
また、マルチバンク方式のクロスポイントメモリでは、選択されたバンクのみ、各データ線DLiと各ビット線BLjに所定の電圧が印加され、電流が流れ、他の非選択のバンクには、当該電圧印加が行われず電流消費もないため、低消費電力にも寄与する。
マルチバンク方式のメモリセルアレイ構成は、メモリセルに可変抵抗素子を用いたクロスポイントメモリに以外に、大容量マスクROMにも使用されている。
図8は、一般的な仮想接地型のメモリセルアレイ構成のマスクROMにおいて、上記バンク(メモリセルアレイ)を複数配置した場合に、1つのバンク中のメモリセルを読み出す場合の電流経路、及び、同じバンク内にプリチャージ電圧を供給した場合の電流経路の一例を示す。仮想接地型のメモリセルのメモリセルトランジスタのドレインがビット線に、ソースが仮想接地線に接続し、ビット線及び仮想接地線が交互に夫々列方向に延伸している。ビット線を挟んで行方向に隣接するメモリセルはビット線を、仮想接地線を挟んで行方向に隣接するメモリセルは仮想接地線を、夫々共有している。メモリセルトランジスタのゲートは、行方向に延伸するワード線に接続している。図8に示すマルチバンク方式では、各バンクのワード線は、対応するワード線同士が、相互に接続して共通のワード線ドライバで駆動される構成となっており、バンクの選択は、ビット線と仮想接地線で行われる。つまり、主ビット線と主仮想接地線が、列方向に配列する各バンクを縦断するように設けられ、各バンクでは、2本のビット線に対し1本の主ビット線が、2本の仮想接地線に対し1本の主仮想接地線が設けられ、1本の主ビット線は、異なるバンク選択線が夫々ゲート入力となっている2つのバンク選択トランジスタを介して、2本のビット線に各別に接続し、同様に、1本の主仮想接地線は、異なるバンク選択線が夫々ゲート入力となっている2つのバンク選択トランジスタを介して、2本の仮想接地線に各別に接続している。
また、図8に例示する構成では、例えば、各バンクBK0〜3内では、行方向に32個のメモリセル、及び、列方向に32個のメモリセルが夫々マトリクス状に配列されており、更に、バンクBK0〜3も2×2のマトリクス状に配列されている。例えば、読み出し対象のメモリセルがバンクBK0内に存在する場合は、バンクBK1〜3に接続されたバンク選択トランジスタの全てをオフすることによって、バンクBK0以外のバンクBK1〜3には電流供給を行わず、消費電流の削減が実現可能な点は、クロスポイントメモリと同じである。
また、図8に示すように、バンクBK0内の読み出し対象の図中丸印で囲まれた選択メモリセルのメモリセル電流を読み出すために、一方のバンク選択線を活性化して、一方のバンク選択トランジスタをオンにし、他方のバンク選択トランジスタをオフにすることによって、実線矢印で示す経路でメモリセル電流が流れる。ビット線選択用と仮想接地線選択用の夫々2本のバンク選択線の信号レベルは、選択メモリセルを読み出す際に決定されるために、図8に示すように、選択メモリセルから図中右側へ3本離れたビット線にはプリチャージ電圧が供給される。このプリチャージ電圧が供給される電流経路を破線矢印にて示す。
次に、図9は、図8に示すバンクBK0内の選択メモリセルMを読み出す際の、電流供給の様子を詳しく示している。
図9中の選択メモリセルMを読み出すには、先ず、主仮想接地線(GBL0)を接地電位にし、それ以外の主ビット線と主仮想接地線(GBL1〜5)に読み出し電圧(プリチャージ電圧)を供給する。次に、バンク選択線BS1を高レベルにすることによって、バンク選択トランジスタA1をオンさせ、選択ビット線に読み出し電圧を供給する。
選択ワード線WL1をオンさせることによって、選択メモリセルMを通過する読み出し電流が形成される。この読み出し電流は、選択ビット線を通り、バンク選択トランジスタA3を通り、主仮想接地線GBL0に流れる。この主仮想接地線GBL0または主ビット線GBL1を流れる電流値を測定することによって、選択メモリセルMの記憶データの1/0が判別できる。
図9に示す読み出し状態では、バンク選択線BS0、BS2は低レベルであり、バンク選択線BS1、BS3が高レベルに設定されている。このため、主ビット線GBL1,GBL5から供給されるプリチャージ電圧は、バンク選択トランジスタB1,C1を介して対応するビット線に夫々供給される。同様に、グローバルビット線GBL2,GBL4から供給されるプリチャージ電圧は、バンク選択トランジスタB3,C3を介して対応する仮想接地線に夫々供給される。このように、選択メモリセルMに接続する選択ビット線と選択仮想接地線の両側に存在する非選択のビット線及び仮想接地線の一部に、プリチャージ電圧を供給することで、選択メモリセルMに隣接する非選択のメモリセルを介した回り込み電流の影響を軽減して、読み出し動作時の動作マージンの向上が期待される。
但し、上述のメモリセルアレイ構成の場合、バンク選択線BS0,BS2が低レベルとなっているために、バンク選択トランジスタA0,B0,C0,A2,B2,C2がオフし、ビット線と仮想接地線の半数はオープン状態となっている。
特開2002−8369号公報
本発明に係る半導体記憶装置(以下、適宜「本発明装置」と称す。)の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
〈第1実施形態〉
図1に、マルチバンク方式を採用したクロスポイントメモリである本発明装置のメモリセルアレイのブロック構成を示す。各バンクBKk(k=0〜3)は、図2に示すように、クロスポイントタイプのメモリセルアレイ構造で、電気抵抗の変化により情報を記憶する可変抵抗素子からなるメモリセルを行方向及び列方向に夫々複数アレイ状に配列し、行方向に延伸する複数のデータ線DLiと列方向に延伸する複数のビット線BLjを備え、同一行のメモリセルの夫々が、可変抵抗素子の一端側を共通のデータ線に接続し、同一列のメモリセルの夫々が、可変抵抗素子の他端側を共通のビット線に接続して構成されている。尚、図1中、各バンクBKkのデータ線DLiとビット線BLjは破線で簡略的に表示し、メモリセルの表示は省略している。更に、クロスポイントタイプのメモリセルアレイ構造のバンクが、行方向及び列方向にマトリクス状に夫々複数配列して、マルチバンク方式のメモリセルアレイが形成されている。図1では、説明の簡単のため、各バンクBKkは、2×2のマトリクス状に配列したものを例示しているが、バンクの配列構成は、2×2に限定されるものではない。また、図2は、図1における1つのバンクにおけるメモリセルアレイ構成を具体的に示しており、説明の簡単のため、各バンクBKkは、一例として、8行×8列のアレイサイズで構成されており、この場合、データ線DLiは8本で、ビット線BLjは8本である。尚、データ線DLiのiはデータ線番号で、ビット線BLjのjはビット線番号で、本実施形態では夫々0〜7の数字である。
本第1実施形態のマルチバンク方式では、同一列に配置された各バンクに接続する主データ線GDLmの本数は、各バンクのデータ線DLiの本数(8本)の半数で、図1に示す例では、4本である。また、同一列に配置された各バンクに対する主ビット線GBLnの本数は、各バンクのビット線BLjの本数(8本)の半数で、図1に示す例では、4本である。従って、主データ線数とバンク内のデータ線数の比は1:2であり、主ビット線数とバンク内のビット線数の比は1:2である。尚、主データ線GDLmのmは主データ線番号で、主ビット線GBLnのnは主ビット線番号で、本実施形態では、バンク配列が2×2構成であるので夫々0〜7の数字である。より詳細には、主データ線GDL0〜3が、バンクBK0,1に対応し、主データ線GDL4〜7が、バンクBK2,3に対応し、また、主ビットGBL0〜3が、バンクBK0,2に対応し、主ビット線GBL4〜7が、バンクBK1,3に対応する。
また、図1に示すように、各バンクBKkにおいて、各主データ線GDLmとデータ線DLiは、データ線選択トランジスタTDikを介して接続し、各主ビット線GBLnとビット線BLjは、各ビット線選択トランジスタTBjkを介して接続する。具体的に、バンクBK0を例に説明すると、主データ線GDL0は、2つの異なるデータ線選択トランジスタTDi0(i=0,2)を介して2本のデータ線DLi(i=0,2)に接続し、主データ線GDL1は、2つの異なるデータ線選択トランジスタTDi0(i=1,3)を介して2本のデータ線DLi(i=1,3)に接続し、主データ線GDL2は、2つの異なるデータ線選択トランジスタTDi0(i=4,6)を介して2本のデータ線DLi(i=4,6)に接続し、主データ線GDL3は、2つの異なるデータ線選択トランジスタTDi0(i=5,7)を介して2本のデータ線DLi(i=5,7)に接続する。また、主ビット線GBL0は、2つの異なるビット線選択トランジスタTBj0(j=0,2)を介して2本のビット線BLj(j=0,2)に接続し、主ビット線GBL1は、2つの異なるビット線選択トランジスタTBj0(j=1,3)を介して2本のビット線BLj(j=1,3)に接続し、主ビット線GBL2は、2つの異なるビット線選択トランジスタTBj0(j=4,6)を介して2本のビット線BLj(j=4,6)に接続し、主ビット線GBL3は、2つの異なるビット線選択トランジスタTBj0(j=5,7)を介して2本のビット線BLj(j=5,7)に接続する。他のバンクBK1〜3についても同様である。
更に、各主データ線GDLmには、夫々を個別に駆動し、所定のデータ線電圧を供給するデータ線ドライバ10が接続し、各主ビット線GBLnには、夫々を個別に駆動し、所定のビット線電圧を供給するビット線ドライバ20が接続している。
データ線選択トランジスタTDikは、各バンクBKkにおいて、バンクBKkを選択する機能と、1本の主データ線GDLmに接続する2本のデータ線DLiの何れか一方または両方を選択する機能を兼ね備えている。同様に、ビット線トランジスタTBjkは、各バンクBKkにおいて、バンクBKkを選択する機能と、1本の主ビット線GBLnに接続する2本のビット線BLjの何れか一方または両方を選択する機能を兼ね備えている。
また、データ線選択トランジスタTDik(i=0,4)のゲートには、バンクデータ選択線SD0kが入力し、データ線選択トランジスタTDik(i=1,5)のゲートには、バンクデータ選択線SD1kが入力し、データ線選択トランジスタTDik(i=2,6)のゲートには、バンクデータ選択線SD2kが入力し、データ線選択トランジスタTDik(i=3,7)のゲートには、バンクデータ選択線SD3kが入力している。データ線選択トランジスタTDikは、バンクBKk毎に、個別に設けられており、上述のように、選択されたバンクだけが制御対象となっている。
同様に、ビット線選択トランジスタTBjk(j=0,4)のゲートには、バンクビット選択線SB0kが入力し、ビット線選択トランジスタTBjk(j=1,5)のゲートには、バンクビット選択線SB1kが入力し、ビット線選択トランジスタTBjk(j=2,6)のゲートには、バンクビット選択線SB2kが入力し、ビット線選択トランジスタTBjk(j=3,7)のゲートには、バンクビット選択線SB3kが入力している。ビット線選択トランジスタTBjkは、バンクBKk毎に、個別に設けられており、上述のように、選択されたバンクだけが制御対象となっている。
結局、バンクBK0に接続する主データ線GDL0〜3は、GDL0,2とGDL1,3の2つのグループに区分され、主データ線GDL0,2は、データ線DLi(i=0,2,4,6)との接続が、バンクデータ選択線SD0,1によって共通に制御され、主データ線GDL1,3は、データ線DLi(i=1,3,5,7)との接続が、バンクデータ選択線SD2,3によって共通に制御される。また、バンクBK0に接続する主ビット線GBL0〜3は、GBL0,2とGBL1,3の2つのグループに区分され、主ビット線GBL0,2は、ビット線BLi(i=0,2,4,6)との接続が、バンクビット選択線SB0,1によって共通に制御され、主ビット線GBL1,3は、ビット線BLi(i=1,3,5,7)との接続が、バンクビット選択線SB2,3によって共通に制御される。
例えば、バンクBK0内のメモリセルを読み出す場合には、バンクBK0以外のバンクBK1〜3に接続するデータ線選択トランジスタTDik(i=0〜7、k=1〜3)とビット線選択トランジスタTBjk(j=0〜7、k=1〜3)を、これらのゲートに接続するバンクデータ選択線SDxk(x=0〜3、k=1〜3)とバンクビット選択線SByk(y=0〜3、k=1〜3)を低レベルに制御して、全てオフ状態にし、バンクBK0に接続するデータ線選択トランジスタTDi0(i=0〜7)とビット線選択トランジスタTBj0(j=0〜7)をオンオフ制御の対象とする。この場合、読み出し対象のバンクBK0における、各4本のバンクデータ選択線SDx0(x=0〜3)とバンクビット選択線SBy0(y=0〜3)は、1本が低レベルに、残り3本が高レベルに制御される。ここで、読み出し対象のメモリセルに接続するデータ線とビット線を夫々選択データ線と選択ビット線とし、当該選択データ線と選択ビット線に夫々接続する主データ線と主ビット線を選択主データ線と選択主ビット線とした場合に、当該選択主データ線と選択主ビット線に夫々接続するデータ線選択トランジスタとビット線選択トランジスタの内の、当該選択データ線と選択ビット線に接続しない側のデータ線選択トランジスタとビット線選択トランジスタの各ゲートに入力するバンクデータ選択線SDx0とバンクビット選択線SBy0が、低レベルに制御される。
次に、図2を参照して、本発明装置のバンクBK0の読み出し動作について説明する。尚、他のバンクBK1〜3についても同様であるので、重複する説明は割愛する。
図2中のメモリセルMR0(選択メモリセル)の記憶データを読み出す場合を例に説明する。先ず、主ビット線GBL1に接続するビット線ドライバ(図示せず)の駆動により主ビット線GBL1を接地電位にし、その他の主ビット線GBL0,2,3、及び、主データ線GDL0〜3に、夫々に接続するビット線ドライバ(図示せず)とデータ線ドライバ(図示せず)から所定の読み出し電圧(プリチャージ電圧)を供給する。尚、本実施例では、バンクBK0の読み出し動作を行うため、バンクBK0に接続しない主データ線GDL4〜7及び主ビット線GBL4〜7は、夫々に接続するビット線ドライバとデータ線ドライバから駆動されず、オープン状態或いは接地電位に保持される。
次に、主ビット線GBL0〜3と主データ線GDL0〜3の上述の電圧駆動と同時或いは前後して、主ビット線GBL0〜3と主データ線GDL0〜3に夫々接続するデータ線選択トランジスタTDi0(i=0〜7)とビット線選択トランジスタTBj0(j=0〜7)のオンオフ制御を行う。本実施例では、選択メモリセルMR0が読み出し対象であるため、バンクデータ選択線SD00,10,30とバンクビット選択線SB00,10,20を高レベル、バンクデータ選択線SD20とバンクビット選択線SB30を低レベルに制御し、データ線選択トランジスタTDi0(i=0,1,3,4,5,7)とビット線選択トランジスタTBj0(j=0,1,2,4,5,6)がオン状態となり、データ線選択トランジスタTDi0(i=2,6)とビット線選択トランジスタTBj0(j=3,7)がオフ状態となる。
この結果、主データ線GDL0の読み出し電圧はデータ線選択トランジスタTD00を介して、データ線DL0(選択データ線)に供給される。また、主ビット線GBL1の接地電位は、ビット線選択トランジスタTB10を介して、ビット線BL1(選択ビット線)に供給される。選択データ線DL0に供給された読み出し電圧と選択ビット線BL1に供給された接地電位との間の電位差によって、読み出し対象の選択メモリセルMR0に読み出し電流が流れる。当該読み出し電流は、主データ線GDL0に接続するデータ線ドライバから、主データ線GDL0、データ線選択トランジスタTD00、選択データ線DL0、選択メモリセルMR0、選択ビット線BL1、ビット線選択トランジスタTB10、主ビット線GBL1、主ビット線GBL1に接続するビット線ドライバを介して、接地電位へと流れる。
また、データ線選択トランジスタTDi0(i=2,6)とビット線選択トランジスタTBj0(j=3,7)がオフ状態となるように制御されるため、主データ線GDL0には、選択データ線DL0だけが接続し、非選択のデータ線DL2は接続せず、また、主ビット線GBL1には、選択ビット線BL1だけが接続し、非選択のビット線BL3が接続しないため、主データ線GDL0と主ビット線GBL1には、選択メモリセルMR0以外の非選択のメモリセルに選択メモリセルMR0と同様の電位差が生じることはなく、主データ線GDL0を流れる読み出し電流を、例えば、電圧変換してセンス回路で検知することにより、選択メモリセルMR0のデータを読み出すことができる。
更に、データ線選択トランジスタTDi0(i=2,6)がオフ状態であるため、8本中の2本のデータ線DLi(i=2,6)は、夫々の主データ線GDL0,2から分離され、夫々のデータ線ドライバからの電圧供給を受けないオープン状態となる。同様に、ビット線選択トランジスタTBj0(j=3,7)がオフ状態であるため、8本中の2本のビット線BLj(j=3,7)は、夫々の主ビット線GBL1,3から分離され、夫々のビット線ドライバからの電圧供給を受けないオープン状態となる。後述するように、ここでの「オープン状態」とは、データ線ドライバまたはビット線ドライバから直接低インピーダンスで駆動されないという意味である。
しかしながら、データ線DLi(i=2,6)の電圧レベルは、ビット線選択トランジスタTBj0(j=0,1,2,4,5,6)がオン状態で、選択ビット線BL1以外の非選択のビット線BLj(j=0,2,4,5,6)には、読み出し電圧(プリチャージ電圧)が供給されるため、非選択のビット線BLj(j=0,2,4,5,6)と非選択のデータ線DLi(i=2,6)に夫々接続する非選択のメモリセルを介して、間接的に、当該読み出し電圧(プリチャージ電圧)が供給され、厳密には、完全なオープン状態とはならない。
同様に、ビット線BLj(j=3,7)の電圧レベルは、データ線選択トランジスタTDi0(i=0,1,3,4,5,7)がオン状態で、データ線DLi(i=0,1,3,4,5,7)には、読み出し電圧(プリチャージ電圧)が供給されるため、データ線DLi(i=0,1,3,4,5,7)と非選択のビット線BLj(j=3,7)に夫々接続する非選択のメモリセルを介して、間接的に、当該読み出し電圧(プリチャージ電圧)が供給され、厳密には、完全なオープン状態とはならない。
以上の結果、選択されたバンク0において、選択及び非選択のデータ線DLi(i=0〜7)と非選択のビット線BLj(j=0,2〜7)に、読み出し電圧(プリチャージ電圧)が供給され、選択ビット線BL1だけが接地電位となり、マルチバンク方式でない場合のクロスポイントメモリと同様のデータ線とビット線への電圧供給状態が再現でき、選択データ線DL0及び選択ビット線BL1への回り込み電流が抑制されるため、大きな読み出しマージンでの読み出し動作が実現できる。
本発明装置のメモリセルは、電気抵抗の変化により情報を記憶する可変抵抗素子であれば、如何なる構造、特性のものであっても構わない。また、電気抵抗の変化方式(つまり書き込み方式)も必ずしも電気的な方式に限定されるものではない。更に、メモリセルの記憶保持特性も、揮発性、不揮発性を問わない。尚、本発明装置が不揮発性メモリに適用されることで、メモリセルアレイの高密度化が可能なため、大容量不揮発性メモリの実現が可能となる。
メモリセルの一例として、以下のものが想定される。例えば、カルコゲナイド化合物等の相転移材料の相変化にて、結晶相(抵抗小)とアモルファス相(抵抗大)との状態変化を利用した状態変化メモリ(Phase Changeメモリ)にも適応される。また、メモリセルにフッソ樹脂系材料を使用して、フッソ樹脂系材料分子(有極導電性ポリマ分子)の分極配向にて、強誘電性分極状態が変化する高分子メモリ、ポリマ強誘電性RAM(PFRAM)にも適応することができる。
また、CMR効果(Colossal Magnetic Resistance)を持つペロブスカイト構造のPCMO(Pr(1−x)CaxMnO3)等のMn酸化物系材料にて、メモリセルを構成する場合にも適応することができる。
これは、強磁性金属体と、反磁性絶縁体との2相にて、状態が変化することによって、メモリセル素子を構成するPCMO等のMn酸化物系材料の抵抗値が変化することを利用するものである。
また、STO(SrTiO3)や、SZO(SrZrO3)及びSRO(SrRuO3)等の金属酸化物と金属微粒子にてメモリセルを構成し、この金属酸化物と金属微粒子との界面にて、印加電圧に従ってメモリセルの抵抗値が変化する、界面現象を利用したメモリにも適応することができる。
また、より広義において、以下のメモリに適応することができる。
1)メモリセルを構成する抵抗素子が半導体材料から作成されるメモリに適応することができる。
2)メモリセルを構成する抵抗素子が酸化物、若しくは、窒化物から作成されるメモリに適応することができる。
3)メモリセルを構成する抵抗素子が金属と半導体との化合物にて作成されるメモリに適応することができる。
4)メモリセルを構成する抵抗素子がフッソ樹脂系材料にて作成されるメモリに適応することができる。
5)メモリセルを構成する抵抗素子が導電性ポリマにて作成されるポリマ強誘電性RAM(PFRAM)に適応することができる。
6)メモリセルを構成する抵抗素子がカルコゲナイド材料にて作成される、メモリ(OUM)に適応することができる。
7)メモリセルを構成する抵抗素子がCMR効果をもつペロブスカイト構造の化合物にて作成されるメモリに適応することができる。
8)メモリセルを構成する抵抗素子がスピン依存トンネル接合素子にて作成されるMRAMに適応することができる。
〈第2実施形態〉
以下、本発明装置の第2実施形態について説明する。
上記第1実施形態では、図1に示すように、同一列に配置された各バンクに接続する主データ線GDLmの本数は、各バンクのデータ線DLiの本数(8本)の半数の4本で、また、同一列に配置された各バンクに対する主ビット線GBLnの本数は、各バンクのビット線BLjの本数(8本)の半数の4本であった。従って、主データ線数とバンク内のデータ線数の比は1:2であり、主ビット線数とバンク内のビット線数の比は1:2であった。しかし、主データ線数に対するバンク内のデータ線数の比率、及び、主ビット線数に対するバンク内のビット線数の比率は、2に限定されるものではなく、1より大きいの任意の数に設定できる。また、当該比率は、バンク内で一定である必要はなく、例えば、主データ線数に対するバンク内のデータ線数の比率が2で、主ビット線数に対するバンク内のビット線数の比率が4であっても構わない。
更には、例えば、あるバンクにおいて、偶数番目の主データ線に2本のデータ線が接続し、奇数番目の主データ線に3本のデータ線が接続するような構成の場合は、上記比率は2.5となる。また、別のバンクで、偶数番目の主データ線と奇数番目の主データ線の関係が反転しても構わない。同様のことは、主ビット線についても適用可能である。
図3に、主データ線数に対するバンク内のデータ線数の比率、及び、主ビット線数に対するバンク内のビット線数の比率が4の場合の、本発明装置のメモリセルアレイのブロック構成を示す。また、図4に、図3における1つのバンクにおけるメモリセルアレイ構成を具体的に示す。但し、説明の簡単のため、各バンクBKk(k=0〜3)は、一例として、上記第1実施形態と同様に、8行×8列のアレイサイズで構成されている場合を例示する。また、図3中、各バンクBKkのデータ線DLiとビット線BLjは破線で簡略的に表示し、メモリセルの表示は省略している。
本第2実施形態では、バンク配列が2×2構成であるので、主データ線と主ビット線は4本ずつ存在する。具体的には、主データ線GDL0,1が、バンクBK0,1に対応し、主データ線GDL2,3が、バンクBK2,3に対応し、また、主ビットGBL0,1が、バンクBK0,2に対応し、主ビット線GBL2,3が、バンクBK1,3に対応する。
図3に示すように、各バンクBKkにおいて、各主データ線GDLm(m=0〜3)とデータ線DLiは、データ線選択トランジスタTDikを介して接続し、各主ビット線GBLn(n=0〜3)とビット線BLjは、各ビット線選択トランジスタTBjkを介して接続する。具体的に、バンクBK0を例に説明すると、主データ線GDL0は、4つの異なるデータ線選択トランジスタTDi0(i=0,2,4,6)を介して4本のデータ線DLi(i=0,2,4,6)に接続し、主データ線GDL1は、4つの異なるデータ線選択トランジスタTDi0(i=1,3,5,7)を介して4本のデータ線DLi(i=1,3,5,7)に接続する。また、主ビット線GBL0は、4つの異なるビット線選択トランジスタTBj0(j=0,2,4,6)を介して4本のビット線BLj(j=0,2,4,6)に接続し、主ビット線GBL1は、4つの異なるビット線選択トランジスタTBj0(j=1,3,5,7)を介して4本のビット線BLj(j=1,3,5,7)に接続する。他のバンクBK1〜3についても同様である。
更に、各主データ線GDLmには、夫々を個別に駆動し、所定のデータ線電圧を供給するデータ線ドライバ10が接続し、各主ビット線GBLnには、夫々を個別に駆動し、所定のビット線電圧を供給するビット線ドライバ20が接続している。
データ線選択トランジスタTDikは、各バンクBKkにおいて、バンクBKkを選択する機能と、1本の主データ線GDLmに接続する4本のデータ線DLiの何れか1つまたは全部を選択する機能を兼ね備えている。同様に、ビット線トランジスタTBjkは、各バンクBKkにおいて、バンクBKkを選択する機能と、1本の主ビット線GBLnに接続する4本のビット線BLjの何れか1つまたは全部を選択する機能を兼ね備えている。
また、データ線選択トランジスタTDik(i=0〜7)のゲートには、対応するバンクデータ選択線SDik(i=0〜7)が各別に入力する。データ線選択トランジスタTDikは、バンクBKk毎に、個別に設けられており、上述のように、選択されたバンクだけが制御対象となっている。
同様に、ビット線選択トランジスタTBjk(j=0〜7)のゲートには、対応するバンクビット選択線SBjk(j=0〜7)が各別に入力する。ビット線選択トランジスタTBjkは、バンクBKk毎に、個別に設けられており、上述のように、選択されたバンクだけが制御対象となっている。
例えば、バンクBK0内のメモリセルを読み出す場合には、バンクBK0以外のバンクBK1〜3に接続するデータ線選択トランジスタTDik(i=0〜7、k=1〜3)とビット線選択トランジスタTBjk(j=0〜7、k=1〜3)を、これらのゲートに接続するバンクデータ選択線SDik(i=0〜7、k=1〜3)とバンクビット選択線SBjk(j=0〜7、k=1〜3)を低レベルに制御して、全てオフ状態にし、バンクBK0に接続するデータ線選択トランジスタTDi0(i=0〜7)とビット線選択トランジスタTBj0(j=0〜7)をオンオフ制御の対象とする。この場合、読み出し対象のバンクBK0における、各8本のバンクデータ選択線SDik(i=0〜7)とバンクビット選択線SBjk(j=0〜7)は、3本が低レベルに、残り5本が高レベルに制御される。ここで、読み出し対象のメモリセルに接続するデータ線とビット線を夫々選択データ線と選択ビット線とし、当該選択データ線と選択ビット線に夫々接続する主データ線と主ビット線を選択主データ線と選択主ビット線とした場合に、当該選択主データ線と選択主ビット線に夫々接続する4つのデータ線選択トランジスタと4つのビット線選択トランジスタの内の、当該選択データ線と選択ビット線に接続しない側の3つのデータ線選択トランジスタと3つのビット線選択トランジスタの各ゲートに入力するバンクデータ選択線とバンクビット選択線が、低レベルに制御される。
次に、図4を参照して、本発明装置のバンクBK0の読み出し動作について説明する。尚、他のバンクBK1〜3についても同様であるので、重複する説明は割愛する。
図4中のメモリセルMR0(選択メモリセル)の記憶データを読み出す場合を例に説明する。先ず、主ビット線GBL1に接続するビット線ドライバ(図示せず)の駆動により主ビット線GBL1を接地電位にし、その他の主ビット線GBL0、及び、主データ線GDL0,1に、夫々に接続するビット線ドライバ(図示せず)とデータ線ドライバ(図示せず)から所定の読み出し電圧(プリチャージ電圧)を供給する。尚、本実施例では、バンクBK0の読み出し動作を行うため、バンクBK0に接続しない主データ線GDL2,3及び主ビット線GBL2,3は、夫々に接続するビット線ドライバとデータ線ドライバから駆動されず、オープン状態或いは接地電位に保持される。
次に、主ビット線GBL0,1と主データ線GDL0,1の上述の電圧駆動と同時或いは前後して、主ビット線GBL0,1と主データ線GDL0,1に夫々接続するデータ線選択トランジスタTDi0(i=0〜7)とビット線選択トランジスタTBj0(j=0〜7)のオンオフ制御を行う。本実施例では、選択メモリセルMR0が読み出し対象であるため、バンクデータ選択線SD00,10,30,50,70とバンクビット選択線SB00,10,20,40,60を高レベル、バンクデータ選択線SD20,40,60とバンクビット選択線SB30,50,70を低レベルに制御し、データ線選択トランジスタTDi0(i=0,1,3,5,7)とビット線選択トランジスタTBj0(j=0,1,2,4,6)がオン状態となり、データ線選択トランジスタTDi0(i=2,4,6)とビット線選択トランジスタTBj0(j=3,5,7)がオフ状態となる。
この結果、主データ線GDL0の読み出し電圧はデータ線選択トランジスタTD00を介して、データ線DL0(選択データ線)に供給される。また、主ビット線GBL1の接地電位は、ビット線選択トランジスタTB10を介して、ビット線BL1(選択ビット線)に供給される。選択データ線DL0に供給された読み出し電圧と選択ビット線BL1に供給された接地電位との間の電位差によって、読み出し対象の選択メモリセルMR0に読み出し電流が流れる。当該読み出し電流は、主データ線GDL0に接続するデータ線ドライバから、主データ線GDL0、データ線選択トランジスタTD00、選択データ線DL0、選択メモリセルMR0、選択ビット線BL1、ビット線選択トランジスタTB10、主ビット線GBL1、主ビット線GBL1に接続するビット線ドライバを介して、接地電位へと流れる。
また、データ線選択トランジスタTDi0(i=2,4,6)とビット線選択トランジスタTBj0(j=3,5,7)がオフ状態となるように制御されるため、主データ線GDL0には、選択データ線DL0だけが接続し、非選択のデータ線DL2,4,6は接続せず、また、主ビット線GBL1には、選択ビット線BL1だけが接続し、非選択のビット線BL3,5,7が接続しないため、主データ線GDL0と主ビット線GBL1には、選択メモリセルMR0以外の非選択のメモリセルに選択メモリセルMR0と同様の電位差が生じることはなく、主データ線GDL0を流れる読み出し電流を、例えば、電圧変換してセンス回路で検知することにより、選択メモリセルMR0のデータを読み出すことができる。
更に、データ線選択トランジスタTDi0(i=2,4,6)がオフ状態であるため、8本中の3本のデータ線DLi(i=2,4,6)は、主データ線GDL0から分離され、データ線ドライバからの電圧供給を受けないオープン状態となる。同様に、ビット線選択トランジスタTBj0(j=3,5,7)がオフ状態であるため、8本中の3本のビット線BLj(j=3,5,7)は、主ビット線GBL1から分離され、ビット線ドライバからの電圧供給を受けないオープン状態となる。
しかしながら、データ線DLi(i=2,4,6)の電圧レベルは、ビット線選択トランジスタTBj0(j=0,1,2,4,6)がオン状態で、選択ビット線BL1以外の非選択のビット線BLj(j=0,2,4,6)には、読み出し電圧(プリチャージ電圧)が供給されるため、非選択のビット線BLj(j=0,2,4,6)と非選択のデータ線DLi(i=2,4,6)に夫々接続する非選択のメモリセルを介して、間接的に、当該読み出し電圧(プリチャージ電圧)が供給され、厳密には、完全なオープン状態とはならない。
同様に、ビット線BLj(j=3,5,7)の電圧レベルは、データ線選択トランジスタTDi0(i=0,1,3,5,7)がオン状態で、データ線DLi(i=0,1,3,5,7)には、読み出し電圧(プリチャージ電圧)が供給されるため、データ線DLi(i=0,1,3,5,7)と非選択のビット線BLj(j=3,5,7)に夫々接続する非選択のメモリセルを介して、間接的に、当該読み出し電圧(プリチャージ電圧)が供給され、厳密には、完全なオープン状態とはならない。
以上の結果、選択されたバンク0において、選択及び非選択のデータ線DLi(i=0〜7)と非選択のビット線BLj(j=0,2〜7)に、読み出し電圧(プリチャージ電圧)が供給され、選択ビット線BL1だけが接地電位となり、マルチバンク方式でない場合のクロスポイントメモリと同様のデータ線とビット線への電圧供給状態が再現でき、選択データ線DL0及び選択ビット線BL1への回り込み電流が抑制されるため、大きな読み出しマージンでの読み出し動作が実現できる。
以下、別実施の形態について説明する。
〈1〉上記各実施形態では、メモリセルアレイの行方向を、各図中の横方向に設定し、列方向を縦方向に設定していたが、行と列の関係は相互に交換可能である。即ち、読み出し時において、選択されたデータ線を接地電位にし、選択されたビット線流れる電流を、非選択のビット線を流れる電流と分離して検知可能に構成しても構わない。
〈2〉上記各実施形態では、選択されたビット線に接地電位を供給し、非選択ビット線及び選択及び非選択のデータ線に所定の読み出し電圧(プリチャージ電圧)供給する場合を説明したが、選択されたビット線に第1電圧を供給し、非選択ビット線及び選択及び非選択のデータ線に第2電圧を供給し、第1電圧を接地電圧以外の電圧としても構わない。また、第1電圧を第2電圧より高く設定しても低く設定しても何れでも構わない。