JP4420625B2 - 液封防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、共振オリフィスを備えその液柱共振によって防振するようにした、車両のエンジンマウントに使用される液封防振装置に係り、特に共振周波数を広域化できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
振動源側へ取付けられる第1の取付部材と、振動受側へ取付けられる第2の取付部材と、これらの間に介在して振動を吸収するインシュレータと、このインシュレータが壁の一部をなす液室とを備え、この液室を主液室及び副液室に区画してオリフィス通路を介して連絡するとともに、主液室を囲む壁部の一部に内圧吸収膜を設け、この内圧吸収膜の膜張力を変化させるようにした内圧吸収型液封エンジンマウントは公知である。この形式のエンジンマウントにおいては、内圧吸収膜を柔にすれば、内圧変化を吸収して低動バネとし、剛にすればエンジンマウントの内部圧力変化により発生するバネ定数である拡張バネを高めてオリフィス通路に対する流量を増大させ、これによって共振効率を大きくして振動伝達を少なくするようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−305740号公報
【特許文献2】
特開平2002−70930号公報
【特許文献3】
特開平2002−70931号公報
【特許文献4】
特開平2002−168284号公報
【特許文献5】
特開平2002−250392号公報
【特許文献6】
特開平2003−4090号公報
【0004】
図12は従来の液封エンジンマウントにおける内圧吸収膜制御を原理的に示す図であり、Aに示す内圧吸収膜の自由変形を規制するもの、及びBに示す内圧吸収膜の張力を変化させて拡張バネを変化させるものがある。すなわちAでは、内圧吸収膜aの主液室bと反対側に負圧室cを設け、ここを負圧にすると内圧吸収膜aを負圧室cの内壁に吸引固着して自由変形を規制するようになっている。また、Bでは内圧吸収膜aに直接取付けた駆動部材dを中立位置(0)から主液室b側(+側)又は反対側(−側)へ進退動させることにより、内圧吸収膜aの膜張力を大きくし、その結果、拡張バネを大きくするようになっている。なお、本願においては、主液室b側への移動を進む(+)とし、反対側を後退(−)と表現するものとする。
【0005】
上記ABにおいて、内圧吸収膜aの非制御時には、内圧吸収膜aは主液室bへ入力する振動によって発生する内圧のため、自由に弾性変形して内圧変動を吸収し、拡張バネを低下させることにより低動バネとする。但し、通常走行時の低周波数(約10Hz前後)で小振幅の振動であるサスペンションからの入力に対しては、クリアランス調整により自由振動を規制し、減衰性能を維持させる。
制御時では、Aの場合は負圧印加等により内圧吸収膜aが固定されて自由振動が規制されるため拡張バネが向上し、オリフィス共振が高効率化する。Bの場合は、内圧吸収膜aを0位置(非制御時)から+もしくは−方向へ進退させることにより、内圧吸収膜aの張力を発生させ、Kfを向上させ、オリフィス共振を高効率化させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記Bにおける内圧吸収膜の張力変化を利用した場合の共振変化を図13に示す。Aに示すように、内圧吸収膜aがx0〜x3へと弾性変形すると、Bに示すように、次第に拡張バネが増大して共振周波数fnはfx1〜fx3へと変化する。すなわち、共振周波数の変化Δfxと拡張バネ変化ΔKfの間には、Δfx∝(ΔKf)1/2
なる関係がある。
なお、Bは横軸に共振周波数、縦軸にその共振周波数における位相を示す。
【0007】
このグラフに明らかなように、膜張力制御を活用した場合の共振周波数の変化は、拡張バネの変化(ΔKf)に対して発生するが、内圧吸収膜は非制御時にダンピング性能を維持する必要性から、ΔKfを極端に変化できず、制御周波数帯Δfxは非常に限られた範囲となってしまう。したがって、仮に、アイドル状態から発進時の領域において、f1〜f3の周波数帯にδ1以上の位相が必要な場合、上図では制御周波数帯Δfxがf1〜f2の間だけとなり、f2〜f3区間では位相がδ1未満になるため、この区間では有効な遮断効果が得られないことになる。したがって制御周波数帯Δfxの広域化が望まれる。
【0008】
このために、内圧吸収膜の膜張力変化を入力振動の大きさに対して非線形的に変化させることが考えられる。図14のAは内圧吸収膜1の弾性変形量が基準位置x0から、xαさらにはxβへ非線形的変化にすることを示す。このとき、Bに示すように、横軸の変形量xに対して、縦軸の膜張力Fはxαから急激に立ち上がって非線形の変化eを示す。x0からxα間における直線をgとするとき、xβ上におけるgと非線形化部分eとの差ΔはΔKfの増加分となる。その結果、制御周波数帯Δfxを拡大することができる。したがって、内圧吸収膜の膜張力を非線形的に変化させることができれば、制御周波数帯Δfxを拡大することができる。そこで本願発明はこの実現を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る液封防振装置は、振動源側へ取付けられる第1の取付部材と、振動受側へ取付けられる第2の取付部材と、これらの間に介在して振動を吸収するインシュレータと、このインシュレータが壁の一部をなす液室とを備え、この液室を主液室及び副液室に区画して共振オリフィスを介して連絡するとともに、前記主液室を囲む壁部の一部に弾性変形して内圧変化を吸収する弾性膜からなる内圧吸収膜を設けた液封防振装置において、
前記内圧吸収膜に対して押し当てられる押し当て部材を備えるとともに、この押し当て部材の進退ストローク量により前記内圧吸収膜の張力を連続的又は多段階に変化させる膜張力可変手段を設けるとともに、
前記押し当て部材は内圧吸収膜に押し当てられる押し当て面を備え、この押し当て面は、先端中央部が押し当て方向へ向かって突出する頂上部をなし、この頂上部から押し当て方向と反対側となる後方へ向かうにしたがって押し当て方向に直交する方向の幅が次第に広がる略流線形もしくは階段状をなし、押し当て部材の進退ストローク量に応じて内圧吸収膜に押し当てられる押し当て面積が変化することを特徴とする。
【0011】
請求項は上記請求項1において、前記内圧吸収膜に変形規制用ストッパを設けることにより前記内圧吸収膜の断面形状が不規則に変化していることを特徴とする。
【0013】
請求項は上記請求項において、前記内圧吸収膜の中心部に位置決め部を設けて断面形状を不規則にしたことを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
請求項1によれば、内圧吸収膜に対して押し当てられる押し当て部材を備えるとともに、この押し当て部材の進退ストローク量により内圧吸収膜の張力を連続的又は多段階に変化させると、内圧吸収膜の押さえ面積が連続的又は多段階に変化する。その結果、膜張力が非線形的に変化し、拡張バネを変化させるため、共振周波数の変化を広域化でき、かつ高位相を獲得できる。しかも、従来例の能動型液封防振装置に比べて、より簡単な構造でかつ安価にすることができる。
【0018】
また、押し当て部材の押し当て面形状を階段状に変化させると、ストローク量によって押さえ面積を容易に変化させることができる。
【0019】
請求項によれば、内圧吸収膜の断面形状を不規則形状にすることにより、押し当て部材のストローク量に対して膜張力を非線形的に変化させることができる。
【0020】
しかも、内圧吸収膜に変形規制用ストッパを設けたので、内圧吸収膜の弾性変形が大きくなるにつれて変形規制用ストッパの突っ張りが大きくなって内圧吸収膜の弾性変形をしにくくさせ、拡張バネを非線形的に増大させることができる。
【0021】
請求項によれば、内圧吸収膜の中心部に位置決め部を設けたので、押し当て部材のストローク時における位置ズレを防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。図1及び2は各実施例に共通する液封エンジンマウントに係り、図1はその上面図、図2は図1の2−2線相当断面図である。なお、以下の説明において上下とは、図2における状態を基準とする。
【0026】
図1において、液封エンジンマウント1は、第1の取付部材2,第2の取付部材3及びインシュレータ4を備える。第1の取付部材2は図示しないエンジン等の振動源側へ連結され、第2の取付部材3は同じく図示しない車体等の振動受側へ連結される。
【0027】
図2に示すように、インシュレータ4は、ゴムからなる略円錐状をなす公知の防振ゴムである。但し、ゴム及び他のエラストマー等の適宜弾性材料からなる略円錐状をなす公知の弾性防振部材とすることができ、第1の取付部材2と第2の取付部材3の間を連結一体化する。
【0028】
第1の取付部材2,第2の取付部材3及びインシュレータ4に囲まれた内部に主液室5が形成され、ここに公知の非圧縮性の作動液が封入されている。主液室5は仕切部材6の外周部に形成されたダンピングオリフィス7を介して副液室8と連通されている。ダンピングオリフィス7は10Hz前後の低周波数小振幅の乗り心地に影響する通常走行時の振動を高減衰で吸収する。副液室8はダイアフラム9によって覆われている。
【0029】
仕切部材6は樹脂又は金属製の上部材10、ゴム製の中部材11及び樹脂又は金属製の下部材12を上下方向に重ねて一体化したものであり、それぞれはデイスク状の部材であり、その材料も特に限定されない。ダンピングオリフィス7はこれら3部材の各外周部間に形成されている。図中の7bは出口である。
【0030】
上部材10と中部材11の間にはアイドルオリフィス13が形成されている。アイドルオリフィス13は主液室5と副液室8を連通してアイドル時のエンジン振動周波数で液柱共振を発生して低動バネ化することにより、第1の取付部材2側から第2の取付部材3側への振動伝達を遮断する。アイドルオリフィス13は開閉式であるが、その詳細については後述する。
【0031】
主液室5の周壁は第2の取付部材3の一部である上円筒部材14とその内側を被覆する筒状弾性壁15で構成されている。筒状弾性壁15はインシュレータ4と連続一体に形成された延長部である。上円筒部材14の一部に開口16が形成され、筒状弾性壁15のうち、この開口16に重なる部分が内圧吸収膜17になっている。内圧吸収膜17はゴム等の適宜弾性材料からなる弾性膜であり、主液室5の内圧に影響を与えることのできる程度のバネを有する。本実施例では筒状弾性壁15と一体であるが、この部分を別体にしてバネ定数等の異なるものとしてもよい。
【0032】
内圧吸収膜17の外側、すなわち内圧吸収膜17を挟んで主液室5の反対側には、膜張力可変手段18が設けられ、上円筒部材14下端のフランジ19上もしくは別の部材に支持されている。膜張力可変手段18は、内圧吸収膜17へ押し当てられる押し当て部材20と、これに一体化されたアーマチュア21を軸方向へ移動自在にするソレノイド22を備える。アーマチュア21は磁性体からなり、ソレノイド22が発生する磁力線の方向により内圧吸収膜17に対して進退し、そのストローク量はソレノイド22が発生する磁界の強弱に比例する。
【0033】
ソレノイド22に対する駆動電流の制御は制御装置23によって行われ、エンジンの回転数を検出する回転センサ24の検出信号に基づいて制御される。なお、制御の基礎となるセンサ信号は、回転数に限らず、エンジンの運転状況を示す他の適宜のセンサ検知量や、直接入力振動に関するセンサ検知量でもよい。また、駆動手段はソレノイド22に限定されず、エンジンの吸気負圧等公知の種々な手段が可能である。
【0034】
押し当て部材20の内圧吸収膜17へ押し当てられる押し当て面25は階段状に変化している。これについての詳細は後述するが、押し当て部材20のストローク量に応じて内圧吸収膜17における押し当て部材20によって押し当てられる押し当て面積が変化するので、内圧吸収膜17の膜張力が変化する。その結果、内圧吸収膜17の膜張力が大きくなると、防振装置としての内部圧力の変化により発生するバネである拡張バネが大きくなる。内圧吸収膜17の膜張力調節は多段階または連続的のいずれにも制御できる。
【0035】
アイドルオリフィス13の副液室8側の出口26はダイアフラム9の中央部に形成された開閉バルブ27で開閉自在であり、アイドル周波数域でのみ開き、それ以外では閉じている。開閉バルブ27は伸縮部材30の頭部31が押し当てられ、伸縮部材30の伸縮によって開閉される。
【0036】
伸縮部材30の頭部31と底部32との間は中空の負圧室33が形成される。負圧室33は通気ノズル34を介して吸気負圧と大気とを接続切替えするようになっている。吸気負圧が適用されると、リターンバネ35に抗して図の下方へ移動して開閉バルブ27が出口26を開き、吸気負圧を遮断して大気開放すると、リターンバネ35により図の上方に移動して出口26を閉じる。
【0037】
次に、図3〜図5により、膜張力制御における第1実施例を説明する。図3に示すように、押し当て面25は先端中央部が押し当て方向へ向かって突出する先端部(頂上部)25aをなし、この先端部25aから押し当て方向と反対側となる後方へ向かうにしたがって押し当て方向に直交する方向の幅が次第に広がり、この例では階段状をなし、内圧吸収膜17との間に、先端部(頂上部)25aは初期クリアランスd0をなし、次段25bとはd1、その次の段25cとはd2と変化し、最下段25dとはd3をなす。そこでソレノイド22により押し当て部材20を押し出すと、図4のA〜Cに示すように、d1〜d3の押し込み変位量に伴い、内圧吸収膜17が押さえられる押さえ面積はS1〜S3と変化する。
【0038】
図5は上記押し当て部材20のストローク量変化に伴う内圧吸収膜17に与えられる影響を示すグラフであり、押し当て部材20の押し込み変位量の変化に応じて実線で示すように、押さえ面積は階段状に増大し、その結果、内圧吸収膜17の自由に弾性変形できる面積が減少し、膜張力は点線のように全体として右肩上がりの折れ線状をなして多段階に変化する。このとき、各押し込み変位量に対応する膜張力の折れ線部の傾きはθ1〜θ3と多段階に増大変化し、θ1<θ2<θ3と変化する。
【0039】
このように膜張力が多段階に変化すると、この膜張力に応じて拡張バネが多段階に増大する。したがって、押し込み変位量をd1〜d3と制御すれば、非線形性のKf変化を得ることができる。すなわち膜張力を非線形化することでΔKfを大きくし、Δfxを拡大することができる。
【0040】
図6〜図8は第2実施例であり、図6に示すように、この実施例では押し当て部材20は略砲弾状をなし、押し当て面25は連続する略流線形である。この押し当て部材20を連続的に内圧吸収膜17へ向かって押し出すと、図7のA〜Cに示すように、押し込み量xに応じて押し当て部材20における内圧吸収膜17を押さえ部分の断面積が増大変化する。このため、押し当て部材20の押さえ面積も対応して増大する。
【0041】
図8は、図5に対応して、上記押し当て部材20のストローク量変化に伴う内圧吸収膜17に与えられる影響を示すグラフであり、押し当て部材20の押し込み変位量の変化に応じて実線で示すように、押さえ面積は右上がりの直線状に増大し、その結果、内圧収膜17の自由に弾性変形できる面積が減少し、膜張力は点線のように全体として右肩上がりの連続曲線状をなして変化する。したがって、無段階的かつ連続的に非線形的な変化をすることになる。したがって、このようにすると、より構造を簡素化できる。
【0042】
図9は、第1及び第2実施例における共振周波数の変化と位相の関係を示し、fa、fbは要求される基準位相δ1となる周波数、f1はフリー状態における共振周波数、f2は膜張力のみを変化させる場合における制御可能な最大の共振周波数、f3は押さえ面積を変化させた場合における制御可能な最大の共振周波数である。
【0043】
この図に明らかなように、膜張力だけを変化させる場合のΔf(1−2)と、押さえ面積を変化させる場合のΔf(1−3)は、Δf(1−2)<Δf(1−3)であり、それだけΔfを広域化できることになる。なお、点線は共振周波数が一つだけの従来の一例である。
【0044】
そこで、ダンピング周波数域において、このように拡張バネを増大させて、ダンピングオリフィスによる液柱共振発生時に内圧吸収膜の膜張力を制御することにより、共振周波数の変化を制御すると、共振により発生する位相を高位相にすることができるので、本来、液封防振装置の変形量及び変形スピードによって、共振周波数が変化する周波数依存性を有するところ、高位相によって共振周波数を一定に維持することが可能になり、周波数依存性をなくすことができる。
【0045】
また、アイドリング周波数域においては、車体側の曲げ振動の抑制をするためにベクトル制御が必要になるが、共振周波数が広域化し、共振周波数が高くなるにつれて位相も高くなるから、ベクトル制御が可能になり、車体の曲げ振動を効果的に抑制することができる。
【0046】
図10は第3実施例であり、主液室5側において、上部材10に内圧吸収膜17の変形規制部10aを設け、内圧吸収膜17との間に初期クリアランスC1を設置し、大入力に対する内圧吸収膜17の過大変形(内圧吸収)に対して規制する構造とすることができる。
【0047】
また、押さえ面積を変化させる押し当て部20の先端と内圧吸収膜17に初期クリアランスC2を設置し、自由変形以上の膜の変形に対して規制するする構造とすることもできる。
【0048】
図11は内圧吸収膜17の外部変形規制に関する第4実施例であり、内圧吸収膜17と一体に形成され、外周方向へ斜めに開くリング状の脚部をなすストッパ17aを設け、その先端を押し当て部材20のストローク通路28に押し当てるようにしてある。このようにすると、内圧吸収膜17が押し当て部材20側へ湾曲して弾性変形するとき、弾性変形量が大きくなるほどストッパ17aがストローク通路28へ強く押し当てられて突っ張るので、内圧吸収膜17を変形しにくくして拡張バネを増大させることができ、内圧増大を内圧吸収膜17へ入力を分散化させることもできる。しかもストッパ17aが常時ストローク通路28へ当接するので、押し当て部材20との干渉音を防ぐ構造にできる。
【0049】
なお、内圧吸収膜17側の断面形状を不規則にすることによって、押し当て部材20のストローク量に応じた拡張バネの変化を実現できる。図11のストッパ17aはこの一具体例である。また、内圧吸収膜17の中央部に柱状の位置決め部17bを一体に突出形成してもよい。この位置決め部17bの突出端を押し当て部材20の頂部25aに設けた位置決め凹部25eへ嵌合させる。このようにすると、押し当て部材20のストロークに伴う位置ズレを防止できるとともに、ストローク量の小さい段階で初期変形部をなすから、やはり不規則断面形状部に相当する。
【0050】
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、押し当て部材の駆動手段としては種々なものが可能であるが、エンジンの吸気負圧引力を用いることもできる。この場合には負圧供給源となる吸気通路側から瞬時に供給される。また、本願発明はエンジンマウント以外の適当な液封防振装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る液封エンジンマウントの上面視図
【図2】図1の2−2線に沿う断面図
【図3】第1実施例に係る膜張力制御構造を示す図
【図4】上記膜張力制御の説明図
【図5】押さえ面積と膜張力変化を示すグラフ
【図6】第2実施例に係る図3と対応する図
【図7】第2実施例に係る図4に対応する図
【図8】第2実施例に係る図5に対応する図
【図9】共振周波数の広域化を示すグラフ
【図10】第3実施例に係る膜張力制御構造を示す図
【図11】第4実施例に係る膜張力制御構造を示す図
【図12】従来例における内圧吸収膜制御原理を示す図
【図13】従来例における共振周波数変化を示すグラフ
【図14】非線形膜張力制御を説明する図
【符号の説明】
1:液封エンジンマウント、2:第1取付金具、3:第2取付金具、4:インシュレータ、5:主液室、6:仕切部材、7:ダンピングオリフィス、8:副液室7、9:ダイアフラム、13:アイドルオリフィス、17:内圧吸収膜、18:膜張力可変手段、20:押し当て部材、22:ソレノイド、25:押し当て面

Claims (3)

  1. 振動源側へ取付けられる第1の取付部材と、振動受側へ取付けられる第2の取付部材と、これらの間に介在して振動を吸収するインシュレータと、このインシュレータが壁の一部をなす液室とを備え、この液室を主液室及び副液室に区画して共振オリフィスを介して連絡するとともに、
    前記主液室を囲む壁部の一部に弾性変形して内圧変化を吸収する弾性膜からなる内圧吸収膜を設けた液封防振装置において、
    前記内圧吸収膜に対して押し当てられる押し当て部材を備えるとともに、この押し当て部材の進退ストローク量により前記内圧吸収膜の張力を連続的又は多段階に変化させる膜張力可変手段を設けるとともに、
    前記押し当て部材は内圧吸収膜に押し当てられる押し当て面を備え、この押し当て面は、先端中央部が押し当て方向へ向かって突出する頂上部をなし、この頂上部から押し当て方向と反対側となる後方へ向かうにしたがって押し当て方向に直交する方向の幅が次第に広がる略流線形もしくは階段状をなし、
    押し当て部材の進退ストローク量に応じて内圧吸収膜に押し当てられる押し当て面積が変化することを特徴とする液封防振装置。
  2. 前記内圧吸収膜に変形規制用ストッパを設けることにより前記内圧吸収膜の断面形状が不規則に変化していることを特徴とする請求項1記載の液封防振装置。
  3. 前記内圧吸収膜の中心部に位置決め部を設けて断面形状を不規則にしたことを特徴とする請求項記載の液封防振装置。
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