JP2011027158A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加速時においても、防振効果を維持することの可能な防振装置を提供する
【解決手段】気体室内圧調整部60は、ピストン部62、シリンダ部64、及び、連結部66を備えている。シリンダ部64は、第2取付部材12に固定されていてもよいし、第2取付部材12とは別に車体側に取り付けられていてもよい。ピストン部62は、一端がエンジンE側に取り付けられている。ピストン部62の他端側は、シリンダ部64の中空に嵌め込まれ、シリンダ部64内の内容積を拡縮するように往復運動可能となっている。ピストン部62は、加速時におけるエンジンと車体(シリンダ部64の固定されている部分)との相対移動に連動してシリンダ部64内を往復運動するように構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、一般産業機械、自動車におけるエンジンマウント等として用いられ、エンジン等の振動発生部から車体等の振動受部へ伝達される振動を吸収及び減衰させる防振装置に関する。
例えば、車両の振動発生部となるエンジンと振動受部となる車体との間にはエンジンマウントとしての防振装置が配設されており、この防振装置はエンジンが発生する振動を吸収し、車体側への振動伝達を抑制する。このような防振装置としては、装置内部に弾性体及び一対の液室が設けられると共に、制限通路を通して一対の液室が互いに連通された液体封入式のものが知られている。この液体封入式の防振装置によれば、弾性体の弾性変形、及び、一対の液室間を連通するオリフィス内の液体の液柱共振等で、制振効果、防振効果を得ている。
上記のような従来の液体封入式の防振装置として、複数のオリフィスを有する防振装置が開発されている。通常、複数のオリフィスは、各々異なる周波数に対応するようにチューニングされている。したがって、オリフィス内での液柱共振が、異なるオリフィスで異なる周波数帯域において発生する(例えば、シェイクオリフィスではシェイク振動の周波数帯域、アイドルオリフィスではアイドル振動の周波数帯域)。このため、単数のオリフィスのみをもつ防振装置と比較して、広い周波数帯域で減衰を得ることができると共に、動的ばね定数についても、広い周波数帯域において下げることができる(特許文献1参照)。
ところで、車両の走行時においても、一定速度で走行している場合と、加速走行の場合では、振動周波数が異なり、これらの異なる振動周波数帯域における低ばね化も要求される。すなわち、一定速度での走行時には、比較的エンジン回転数は抑えられているが、特に燃費重視の設定の場合、低いエンジン回転数でハイギヤード走行が行われるため、エンジン振動が大きくなり、いわゆるロックアップこもり音振動が発生する。一方、加速走行時には、エンジンの回転数が上がり、さらに高い周波数の加速時こもり音振動が発生する。
特開平9−100866号
本発明の目的は、上記事実を考慮して成されたものであり、定速時及び加速時においても、防振効果を維持することの可能な防振装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る防振装置は、車両のエンジン用の防振装置であって、エンジン及び車体の一方に連結される第1取付部材と、エンジン及び車体の他方に連結される第2取付部材と、前記第1取付部材と第2取付部材との間に配設され、両者を連結する弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として構成され、液体が封入された主液室と、液体が封入され、隔壁の少なくとも一部がダイヤフラムにより構成され、液圧変化に応じて拡縮可能とされた副液室と、液圧変化によって変位可能な可動壁部材を隔壁の一部とし、前記主液室と副液室との間を仕切る仕切部材と、前記仕切部材に構成され、前記主液室と前記副液室とを連通させる第1制限通路と、前記可動壁部材と離間して配置され、前記可動壁部材との間に中間液室を構成する中間室部材と、前記中間液室と前記主液室、または、前記中間液室と前記副液室を連通させる第2制限通路と、前記中間液室と隣接して構成される気体室と、前記中間液室と前記空気室との間を仕切る中間可動膜と、前記車両の加速時における前記エンジンと前記車体との間の相対移動により駆動され、前記気体室の内圧が、前記車両の非加速時には通常時内圧になり、前記車両の加速時には前記通常時内圧の場合と比較して前記中間可動膜が動きにくくなる加速時内圧になるようにする、気体室内圧調整部と、を備えている。
上記構成の防振装置は、中間液室に隣接して気体室が構成されている。中間液室と気体室との間には、両者を仕切る中間可動膜が配置されている。気体室の内圧は、気体室内圧調整部によって、車両の非加速時には通常時内圧になり、車両の加速時には加速時内圧になるように調整される。加速時内圧は、通常時内圧の場合と比較して中間可動膜が動きにくくなるような気体室の内圧であり、通常時内圧よりも高圧であってもよいし、低圧であってもよい。気体室内圧調整部は、車両の加速時におけるエンジンと車体との間の相対移動により駆動されるものである。ここで、中間可動膜が動きにくくなるとは、中間可動膜の拡張弾性が高くなることを意味する。
上記構成の防振装置によれば、車両の加速時に気体室の内圧を調整して中間可動膜を動きにくくすることにより、非加速時と比較して中間液室に連通する第2制限通路の特性を高周波側にシフトすることができる。したがって、車両の加速時には、防振装置の動的ばね定数を、より高い周波数において低く抑えることができ、より高い周波数帯域の振動に対する防振効果を維持することができる。
本発明の請求項2に係る防振装置は、前記加速時内圧は、前記通常時内圧よりも高圧であること、を特徴とする。
このように、加速時内圧を通常時内圧よりも高圧とすることにより、中間可動膜を動きにくくして、第2制限通路の特性を高周波側にシフトさせることができる。
本発明の請求項3に係る防振装置は、前記気体室内圧調整部が、前記空気室に連通されたシリンダ室を構成するシリンダ部材と、前記車両の加速時における前記エンジンと前記車体との間の相対移動に連動して前記シリンダ室内を往復運動するピストン部材と、を含んで構成されていること、を特徴とする。
上記構成の防振装置の気体室内調整部によれば、加速時におけるエンジンと車体との間の相対移動を利用して、ピストン部材を往復運動させることにより、気体室内の内圧を調整することができる。
本発明の請求項4に係る防振装置は、前記ピストン部材が、前記車両の加速時における前記エンジンと前記車体との間の相対移動方向で相対移動量に応じて往復運動し、前記加速時内圧は前記ピストン部材の前記往復運動に応じて変化すること、を特徴とする。
上記構成の防振装置の気体室内調整部によれば、ピストン部材は、エンジンと前記車体との間の相対移動方向で相対移動量に応じて往復運動するので、加速の程度に応じて気体室内の内圧を調整することができる。
本発明の請求項5に係る防振装置は、前記第1制限通路は、周波数帯域5Hz〜15Hzの振動に対応し、前記第2制限通路は、前記気体室の内圧が前記通常時内圧の場合に周波数帯域40Hz〜60Hzの振動に対応するように構成されていること、を特徴とする。
上記のように、第1制限通路、第2制限通路を設定することにより、第2制限通路を用いて、周波数帯域5Hz〜15Hzの振動及び、周波数帯域40Hz〜60Hzの高周波の振動を減衰させることができる。
以上説明したように本発明によれば、車両の加速時においても、防振効果を維持することができる。
本発明の実施形態に係る防振装置の図3におけるI−Iの側断面図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の図3におけるII−IIの側断面図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の図1におけるIII−IIIの断面図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の仕切部材、中間室部材、及び、気体室部材の構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の模式図であり、(A)はピストン部が通常位置に配置され、(B)はピストン部が加速位置に配置されているときの状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の変形例の模式図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の動的ばね特性を示すグラフである。 本発明の実施形態の変形例に係る防振装置の構成を示す側面断面図である。 本発明の実施形態に他の変形例に係る防振装置の模式図である。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
図1には本発明の実施形態に係る防振装置10が示されている。この防振装置10は、自動車のエンジンを車体へ支持するエンジンマウントとして適用されるものである。なお、図中の符号Sは装置の軸心を示し、この軸心に沿った方向を装置の軸方向Sとし、図の上下方向を防振装置10の上下方向として以下の説明を行う。防振を目的とする主たる振動(主振動)は、軸方向Sに入力される。
図1に示されるように、防振装置10は、第1取付部材14、及び、第2取付部材12を備えている。
第2取付部材12は、略円筒状とされ、一端部に凹段部12Aが構成されている。第2取付部材12の他端部には、径方向内側に加締められた加締め部12Cが形成されている。凹段部12Aと加締め部12Cとの間には、仕切挟持部12Bが構成されている。第2取付部材12は、不図示のブラケットを介して、車体に連結される。
第1取付部材14は、軸方向Sからみて第2取付部材12の径方向内側で、第2取付部材12の軸方向Sの上側に配置されており、弾性体連結部14A、フランジ部14B、及び、ブラケット挿入部14C、を備えている。弾性体連結部14Aは、下方へ向かって小径となる円錐台形状とされている。フランジ部14Bは、弾性体連結部14Aの上部から径方向外側に張り出した円板形状とされている。ブラケット挿入部14Cは、フランジ部14Bよりも小径の円筒状とされ、フランジ部14Bから上側に延出され、上面中央部分から軸方向下側に向かって雌ねじが形成されたねじ穴14Dが構成されている。ねじ穴14Dには、エンジン側のブラケットに連結するための不図示のボルトが螺合される。エンジン側のブラケットを介して、第1取付部材14はエンジンと連結される。
第1取付部材14と第2取付部材12とは、互いに同軸となるように配置されている。これらの軸心が、防振装置10の軸方向Sとなる。
第1取付部材14と第2取付部材12との間には、吸振主体となるゴム製の弾性体16が配置されている。弾性体16は、第1取付部材14の弾性体連結部14A外面からフランジ部14Bの下面にかけて加硫接着されると共に、第2取付部材12の凹段部12Aの径方向内側面に加硫接着されている。弾性体16により、第1取付部材14と第2取付部材12とが弾性的に連結されている。
弾性体16には、その下端部から下方へ延出する薄膜状の被覆部18が一体的に形成されている。この被覆部18は、第2取付部材12の仕切挟持部12B、加締め部12Cの内周面に加硫接着されて第2取付部材12の内壁を覆っている。被覆部18の凹段部12Aと仕切挟持部12Bとの間に対応する部分には、段部12Eが構成されている。この段部12Eには、後述する仕切部材20が当接されて位置決めが行われる。
また、弾性体16には、その上端部から上方へ延出して、フランジ部14Bの外周面及び上面を覆うストッパゴム部16Aが一体的に形成されている。このストッパゴム部16Aは、弾性体16及び第1取付部材14の外側に配置された不図示のストッパ金具に当たることにより、大振動入力時における、第1取付部材14と第2取付部材12との相対移動量を規制する。
被覆部18の内周側には、仕切部材20が配置されている。図3、4にも示すように、仕切部材20は環状とされ、外周に螺旋状の溝Mが形成されている。この溝Mと被覆部18との間に、後述する主液室50と副液室52とを連通する第1制限通路40が構成される。第1制限通路40は、連通部20Aで主液室50と連通され、連通部20Bで副液室52と連通されている。
仕切部材20の内周側には、中空が構成されており、中空の上側に円形の開口22が構成されている。開口22は、メンブラン24で閉鎖されている。メンブラン24は、円板状とされ、後述する主液室50及び中間液室58との間を仕切っている。メンブラン24は、ゴム、熱可塑性エラストマー(TPE)などの弾性を有する材料で構成することができる。
仕切部材20の溝Mが構成されていない部分には、図4に示すように、中空から径方向外側へ延びる気体孔21が穿孔されている。
仕切部材20の内周壁の中間部には、下側が大径とされた段差部26が構成されている。仕切部材20の内周側の中空下側には、中間室部材30が嵌め込まれている。中間室部材30の詳細については後述する。
仕切部材20の下側で被覆部18の内周側には、リング54が配置されている。リング54の内周面には、リング54の内側を閉鎖するように、薄膜ゴム製のダイヤフラム56の外周部が全周に亘って加硫接着されている。仕切部材20は、段差部26に当接されるように第2取付部材12の内部に挿入され、リング54は仕切部材20に当接されるように第2取付部材12の内部に挿入されている。第2取付部材12は、加締め部12Cが内周側へ加締められている。これにより、仕切部材20、及び、リング54が、第2取付部材12内に固定される。この状態で、リング54は、被覆部18を介して第2取付部材12の内周壁へ圧接されており、ダイヤフラム56により、第2取付部材12及び弾性体16の内側の空間は、外部から密閉されている。この密閉空間内には水、オイル等の液体Lが封入されている。この密閉空間は、仕切部材20によって、弾性体16側の主液室50、ダイヤフラム56側の副液室52に区画されている。
主液室50は、第2取付部材12の内側で、弾性体16及び仕切部材20を隔壁として構成されている。主液室50内は、液体Lで満たされている。副液室52は、第2取付部材12の内側で、ダイヤフラム56及び仕切部材20を隔壁として構成されている。副液室52内は、液体Lで満たされている。ダイヤフラム56は、副液室52内の液圧変化によって変形し、副液室52は拡縮可能となっている。
中間室部材30は、図4に示すように、環状とされ、外縁部に沿って下側が開放された周溝33が構成されている。周溝33は、一端部の上側に連通穴33Aが構成されている。中間室部材30の中央部には中空31が構成され、上端側がメンブラン32で閉鎖されている。図3にも示すように、周溝33の端部同士の間には、壁部35が構成されている。壁部35の下側には、中空31から径方向外側へ延びる気体連通溝35Aが構成されている。気体連通溝35Aは、仕切部材20の気体孔21に対応する位置に構成されている。
中間室部材30とメンブラン24との間には、中間液室58が構成されている(図1参照)。中間液室58は、メンブラン24、仕切部材20の内側壁、中間室部材30に囲まれて構成されており、主液室50及び副液室52と同様に液体Lで満たされている。中間液室58は、後述する第2制限通路42を介して副液室52と連通されている。中間室部材30の周溝33と中空31との間には、中間室部材30の上面から下側へ向かって凸条とされた周隔壁34が構成されている。周隔壁34の軸方向Sの長さは周溝33の外周壁の軸方向Sの長さよりも低くなっている。
気体室部材36は、平板円板状の底部37と、底部37の上部に形成された円筒状の筒部38とで構成されている。底部37の外径は、周溝33の外径とほぼ同径とされ、筒部38の外径は、中空31の外径とほぼ同径とされている。気体室部材36は、筒部38が中空31に嵌め込まれ、底部37が周溝33の内側に嵌め込まれて、中間室部材30と係合されている。これにより、周溝33及び中空31の下側が閉止されて、周溝33に対応する位置に第2制限通路42が構成され、中空31に対応する位置に気体室39が構成される。第2制限通路42は、連通穴33Aで中間液室58と連通され、連通穴37Bで副液室52と連通されている。また、気体室39は、メンブラン32によって、中間液室58と区画されている。
気体室部材36の筒部38には、気体連通孔38Aが構成されている。気体連通孔38Aは、中間室部材30の気体連通溝35Aに対応する位置に構成されている。気体室部材36の底部37には、気体連通孔38Aに対応する位置に、凸条37Aが形成されている。凸条37Aは、気体連通溝35Aに一部嵌入され、気体連通溝35Aとの間に気体連通孔35Hが構成されている。
図1に示されるように、気体連通孔38A、気体連通孔35H、及び、気体孔21は、連通され、第2取付部材12に穿孔された孔12Hを介して、後述する気体室内圧調整部60に連通されている。
図5には、上記構成の防振装置10を模式的に表した図が記載されている。本実施形態の防振装置10は、図5のように示すことができる。また、図5には、気体室39に連通された気体室内圧調整部60が示されている。
図5について、簡単に説明すると、第2取付部材12、弾性体16、及び、ダイヤフラム56に囲まれた液室は、仕切部材20によって、主液室50と副液室52に区画されている。主液室50と副液室52とは、第1制限通路40により連通されている。主液室50と副液室52との間には、第1制限通路40と並列的に中間液室58が設けられている。中間液室58は、主液室50側がメンブラン24で閉止されている。主液室50と副液室52との間には、メンブラン24と直列的にメンブラン24よりも副液室52側に、第2制限通路42が構成されている。また、中空液室58を構成する壁の一部は、メンブラン32で構成されており、メンブラン32の中間液室58と逆側は、気体室39とされている。
気体室内圧調整部60は、ピストン部62、シリンダ部64、及び、連結部66を備えている。連結部66は、気体室39と連通されている。シリンダ部64は中空の構成された筒状とされ、一端側が連通部66に連結されている。シリンダ部64の他端側は、中空にピストン部62が嵌め込まれて閉止されている。シリンダ部64は、第2取付部材12第2取付部材12に固定されていてもよいし、第2取付部材12とは別に車体側に取り付けられていてもよい。ピストン部62は、一端がエンジンE側に取り付けられている。ピストン部62の他端側は、シリンダ部64の中空に嵌め込まれ、シリンダ部64内の内容積を拡縮するように往復運動可能となっている。
ピストン部62は、加速時におけるエンジンと車体(シリンダ部64の固定されている部分)との相対移動に連動してシリンダ部64内を往復運動するように構成されている。すなわち、加速時において、エンジンEが受けるトルクTを利用して、ピストン部62がシリンダ部64内を往復運動するように構成されている。
例えば、定常走行時(非加速時)には、ピストン部62は、図5(A)に示す通常位置A1に配置され、加速によりエンジンEが第2取付部材12と近づくように相対移動すると、図5(B)に示すように、シリンダ部64内の容積を縮小する加速位置A2に移動するように構成することができる。加速によりエンジンが第2取付部材12と近づくように相対移動する例としては、防振装置10がフロントエンジンの後方側マウントとして、用いられる場合がある。
また、加速によりエンジンEが第2取付部材12から離れるように相対移動するときには、ピストン部62は、図6に示すように、エンジンEから遠い側に配置すればよい。図6では、定常走行時(非加速時)には、ピストン部62は、図6(A)に示す通常位置A1に配置され、加速によりエンジンEが第2取付部材12から離れるように相対移動すると、図6(B)に示すように、シリンダ部64内の容積を縮小する加速位置A2に移動する。加速によりエンジンが第2取付部材12から離れるように相対移動する例としては、防振装置10がフロントエンジンの前方側マウントとして、用いられる場合がある。
なお、ピストン部62は、上記の例に限定されず、加速によりエンジンEに取り付けられたピストン部62が、シリンダ部64との間で相対移動するように配置すればよい。
ピストン部62が通常位置A1に配置されているときに、気体室39内の内圧は通常圧P1となり、ピストン部62が加速位置A2に配置されているときに、気体室39内の内圧は通常圧P1よりも高圧でメンブラン32の動きが拘束される加速圧P2となる。
次に、第1制限通路40、第2制限通路42、及び、メンブラン32のチューニングについて説明する。
エンジンに連結された第1取付部材14側から軸方向Sの振動が入力されると、弾性体16が弾性変形し、この弾性変形に伴って主液室50の内容積が拡縮する。第1制限通路40は、第1取付部材14側からの軸方向Sの入力振動のうち比較的低い周波数帯域で大振幅のシェイク振動に対応するようにチューニングされている。すなわち、シェイク振動の入力時に、主液室50と副液室52との圧力差により主液室50内に封入された液体Lと副液室52内に封入された液体Lが第1制限通路40を通して相互に流通し、第1制限通路40内での液柱共振作用などにより、制振効果を得ることができるよう設定されている。例えば、第1制限通路40は、その路長や断面積を、振幅±0.5mm以上、周波数帯域5Hz〜15Hzのシェイク振動入力に適合するように、設定することができる。
第2制限通路42は、気体室39内の内圧が通常圧P1のときに、第1取付部材14側からの軸方向Sの入力振動のうちシェイク振動よりも高周波の周波数帯域のロックアップこもり音振動に対応するようにチューニングされており、主液室50内の液圧変化により、主液室50内に封入された液体Lがメンブラン24を弾性変形させ、中間液室58を拡縮させる。そして、中間液室58と副液室52との間を、第2制限通路42を通して液体Lが相互に流通し、第2制限通路42内での液柱共振作用などにより、防振効果を得ることができるよう設定されている。例えば、第2制限通路42は、その路長や断面積が、振幅±0.05mm程度、周波数帯域40Hz〜60Hzのロックアップこもり音振動の入力に適合するように、設定することができる。
また、第2制限通路42は、気体室39内の内圧が加速圧P2のときに、第1取付部材14側からの軸方向Sの入力振動のうちロックアップこもり音振動よりも高周波、小振幅の入力振動、いわゆる、加速時こもり音振動(振幅±0.05mm以下、周波数帯域60Hz〜150Hz)に対応するようにチューニングされている。すなわち、気体室39内の内圧が加速圧P2となることにより、メンブラン32の動きが拘束され、第2制限通路42の特性が高周波側にシフトし、加速時こもり音振動の入力時に、中間液室58と副液室52との間を、第2制限通路42を通して液体Lが相互に流通し、第2制限通路42内での液柱共振作用などにより、防振効果を得ることができるよう設定されている。
次に、本実施の形態に係る防振装置10の動作及び作用について説明する。
本実施形態の防振装置10では、自動車エンジンからの振動は、第1取付部材14、弾性体16、及び第2取付部材12を介して車体へと支持される。
比較的周波数が低く大振幅のシェイク振動(周波数5〜15Hz、振幅±0.5mm以上)の入力時には、弾性体16が弾性変形して主液室50が拡縮し、液体Lが第1制限通路40を介して主液室50と副液室52との間を行き来し、第1制限通路40内部での液柱共振作用などにより、制振効果を得ることができる。
通常走行時(非加速時)において、ロックアップこもり音振動(周波数40〜60Hz、振幅±0.05mm程度)の入力時には、第1制限通路40が目詰まり状態となる。一方、メンブラン24は、主液室50の液圧変化に応じて弾性変形し、開口22を液体Lが流通する。これにより、中間液室58の液圧も変化し、気体室39が通常圧P1でロックアップこもり音振動に適合するようにチューニングされた第2制限通路42を介して、液体Lが中間液室58と副液室52との間を行き来し、第2制限通路42内部での液柱共振作用などにより、防振効果を得ることができる。
加速時には、気体室39が加速圧P2となり、メンブラン32の動きが拘束されて、第2制限通路42の特性が、高周波数、小振幅の加速時こもり音振動(周波数60Hz〜150Hz、振幅±0.05mm以下)に適合するようにシフトする。これにより、加速時こもり音振動の入力時には、第2制限通路42を介して、液体Lが中間液室58と副液室52との間を行き来し、第2制限通路42内部での液柱共振作用などにより、防振効果を得ることができる。
図7には、防振装置10へ入力される振動周波数と、防振装置10の動的ばね定数との関係を示すグラフが示されている。実線Aは気体室39の内圧が通常圧P1に維持された場合の防振装置10の特性を示し、一点鎖線Bは気体室39の内圧が加速圧P2に維持された場合の防振装置10の特性を示している。
このグラフからも分かるように、本実施形態の防振装置10では、気体室39の内圧を通常圧P1から加速圧P2へ切換えることにより、動的ばね定数を低く維持できる振動周波数帯域を高周波側へシフトすることができる。したがって、ロックアップこもり音振動よりも高い周波数帯域の振動(加速時こもり音振動)の入力時においても、動的ばね定数を低く維持して防振効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態では、通常走行時と加速時に対応させて、気体室39の内圧を切換えることにより第2制限通路42の特性を変えて、より広い周波数帯域で動ばね定数を低く維持し、防振効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、主液室50と中間液室58との間にメンブラン24を配置したが、図8に示すように、メンブラン24に代えて、可動板23を配置してもよい。
また、本実施形態では、ピストン部62とシリンダ部64を用いて、加速時におけるエンジンEと車体との間の相対移動に連動して気体室39の内圧が変化するように構成したが、気体内圧調整部は、他の構成とすることもできる。例えば、図9に示すように、連結部66、切換バルブ70、エンジンロールセンサ76を含んだ構成とすることができる。この場合には、連結部66を切換バルブ70に接続し、切換バルブ70を介して負圧室72と大気圧室74とに接続する。切換バルブ70には、エンジンのロールを検知するエンジンロールセンサ76が接続されている。切換バルブ70は、通常時には、大気圧室74側に配置され、連通部66は大気圧室74と連通されている。このとき、気体室39は、通常圧P1となっている。
加速によってエンジンがロールした場合には、エンジンロールセンサ76から切換バルブ70へ駆動信号が出力される。駆動信号が入力されると、切換バルブ70は、負圧室72側に切り換えられ、連通部66と負圧室72とが連通される。これにより、気体室39は、加速圧P3となる。ここでの加速圧P3は、通常圧P1よりも低圧であるが、このように、気体室39内の内圧を低圧にすることにより、メンブラン32の動きを拘束する(動きにくくする)こともできる。
10 防振装置
12 第2取付部材
14 第1取付部材
16 弾性体
20 仕切部材
22 開口
23 可動板
24 メンブラン
30 中間室部材
32 メンブラン
36 気体室部材
39 気体室
40 第1制限通路
42 第2制限通路
50 主液室
52 副液室
54 リング
56 ダイヤフラム
58 中間液室
60 気体室内圧調整部
62 ピストン部
64 シリンダ部
A1 通常位置
A2 加速位置
P1 通常圧
P2 加速圧
S 軸方向

Claims (5)

  1. 車両のエンジン用の防振装置であって、
    エンジン及び車体の一方に連結される第1取付部材と、
    エンジン及び車体の他方に連結される第2取付部材と、
    前記第1取付部材と第2取付部材との間に配設され、両者を連結する弾性体と、
    前記弾性体を隔壁の一部として構成され、液体が封入された主液室と、
    液体が封入され、隔壁の少なくとも一部がダイヤフラムにより構成され、液圧変化に応じて拡縮可能とされた副液室と、
    液圧変化によって変位可能な可動壁部材を隔壁の一部とし、前記主液室と副液室との間を仕切る仕切部材と、
    前記仕切部材に構成され、前記主液室と前記副液室とを連通させる第1制限通路と、
    前記可動壁部材と離間して配置され、前記可動壁部材との間に中間液室を構成する中間室部材と、
    前記中間液室と前記主液室、または、前記中間液室と前記副液室を連通させる第2制限通路と、
    前記中間液室と隣接して構成される気体室と、
    前記中間液室と前記気体室との間を仕切る中間可動膜と、
    前記車両の加速時における前記エンジンと前記車体との間の相対移動により駆動され、前記気体室の内圧が、前記車両の非加速時には通常時内圧になり、前記車両の加速時には前記通常時内圧の場合と比較して前記中間可動膜が動きにくくなる加速時内圧になるようにする、気体室内圧調整部と、
    を備えた、防振装置。
  2. 前記加速時内圧は、前記通常時内圧よりも高圧であること、を特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記気体室内圧調整部は、前記空気室に連通されたシリンダ室を構成するシリンダ部材と、前記車両の加速時における前記エンジンと前記車体との間の相対移動に連動して前記シリンダ室内を往復運動するピストン部材と、を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の防振装置。
  4. 前記ピストン部材は、前記車両の加速時における前記エンジンと前記車体との間の相対移動方向で相対移動量に応じて往復運動し、前記加速時内圧は前記ピストン部材の前記往復運動に応じて変化すること、を特徴とする請求項3に記載の防振装置。
  5. 前記第1制限通路は、周波数帯域5Hz〜15Hzの振動に対応し、前記第2制限通路は、前記気体室の内圧が前記通常時内圧の場合に周波数帯域40Hz〜60Hzの振動に対応するように構成されていること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防振装置。
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