JP4418958B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音や映像等によって各種の演出を実施することができる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機に関連する技術として、特に演出効果に優れた図柄表示装置が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。この図柄表示装置は、表示画面に図柄(文字情報および映像情報を含む)を表示するための表示用基準データを記憶しており、この基準データをソフトウェア上の画像処理によって加工することで、同一の基準データから多様な態様の図柄表示を実現可能としている。すなわち、図柄表示装置は基準データとして複数のキャラクタデータを記憶しており、これを仮想画面上で各走査線に対応するライン情報に切り分けるとともに、ライン情報には走査線に対して偏向を加えることで、実際の画像を描画する際にキャラクタデータに対して多様な変形を加えることができるものとなっている。
【0003】
このため上述した図柄表示装置によれば、ハードウェア上の制約から記憶できる基準データの種類は限られているものの、その範囲内で多様な図柄表示による演出を実施することができる。特に、いわゆるリーチアクションや予告アクション、大当り等の演出に用いられる図柄表示は最も遊技者の目を引くものであることから、より多様な態様で図柄を表示することができれば、それだけ演出的な効果も高まるといえる。
【0004】
さらに、こうした多様な図柄の演出は、遊技者に対してより高度な興趣を提供し、また、長期間にわたって飽きの来ない遊技機としての評価を得ることにもつながっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−252432号公報(第2頁、図6、図7、図8)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の遊技機であるパチンコ機では、機種別に大きく分けて2つの遊技仕様が設定されている。その1つは、遊技者が直接現金を遊技球に交換(球貸し)して遊技を行うものであり、このような遊技仕様が設定されている遊技機は、いわゆる「現金機」と通称されている。もう1つは、遊技者が先ずプリペイドカードを購入し、そのカードを遊技機に付属の読み取り機(カードリーダ、カードユニット等)に挿入してその残り度数を遊技球に交換するものであり、このような遊技仕様が設定されている遊技機は、いわゆる「CR機」と通称されている。
【0007】
いずれの遊技仕様においても、遊技中に図柄表示装置等において特別図柄が揃うことで大当りとなり、この大当り中は、遊技者がより多くの賞球を獲得できる遊技状態となる。また大当りになると、そのときの大当り図柄の種類によってさらに特典が付加される場合がある。
【0008】
ここで付加される特典はパチンコ機の遊技仕様によって異なり、上述のCR機では、次回の大当り抽選確率が通常よりも高く設定される(いわゆる確変)という特典が付加され、一方、現金機では主に図柄の変動時間が短縮される(いわゆる時短)という特典が付加されるものとなっている。こうした特典が付加される場合には、表示画面等において何らかの特典情報(「確変」や「時短」等の文字情報を含むもの)を表示し、これを遊技者に対して報知することが望ましい。
【0009】
しかしながら、上述したキャラクタデータのようにある程度の汎用性があれば、遊技仕様が違っていても共通に使用できるものの、「確変」や「時短」等の特典情報は遊技仕様によって全く内容が異なるため、こうした特典情報をどのようにしてハードウェアに組み込み、かつ、制御プログラム上の処理によっていかに問題なく表示させるかが新たな課題となる。
【0010】
そこで本発明は上記の課題に鑑み、遊技仕様に応じて異なった内容の演出を行う場合に有用な技術を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、演出情報を予めハードウェアに格納しておき、これを読み出して情報出力機器から出力可能としている(解決手段1)。この場合、予め全ての遊技仕様に対応する演出情報を情報格納部に格納しておけば、その遊技機の遊技仕様に合わせて必要な演出情報だけを読み出して出力することができる。このため遊技仕様が異なる遊技機でハードウェアを共通化することができ、あとは機種ごとに制御プログラム上のコマンドを遊技仕様に応じて調整すれば、適切な演出情報だけを選択的に出力することができる。
【0012】
上述のように遊技機には、例えば現金機とCR機のように機種によって異なる複数種類の遊技仕様が用意されている。このため本発明の遊技機は、機種ごとに設定された特定の遊技仕様に基づいて遊技動作を制御する遊技制御手段と、遊技制御手段による遊技動作の制御に伴い、所定の演出情報を出力する情報出力機器と、演出情報を複数種類の遊技仕様に対応する演出パターンごとに区別して格納する情報格納部を有し、この情報格納部から選択した演出パターンに基づいて情報出力機器の作動を制御する演出制御手段とを備えており、特に遊技制御手段は、演出制御手段に対して特定の遊技仕様を通知することで情報格納部から特定の遊技仕様に対応する演出パターンを選択させることができる(解決手段2)。
【0013】
上述した遊技制御手段は、予め設定された特定の遊技仕様(例えば、現金機またはCR機)に基づいて抽選や大当り等の遊技動作を制御する。このような遊技動作の制御に伴い、情報出力機器は各種の演出情報(例えば、映像情報や音情報)を出力し、遊技中の演出を実施することができる。
【0014】
演出制御手段は、その情報格納部に複数種類の遊技仕様に対応する演出情報を格納しており、演出情報は例えば、現金機に対応する演出パターンと、CR機に対応する演出パターンとに区別されている。なお、ここでいう演出パターンとは演出情報の具体的な表現内容(例えば文字、音声等の内容)を規定するものとして考えることができる。
【0015】
いずれにしても、演出制御手段の機能は情報格納部に格納されている演出情報から特定の演出パターンを選択し、この選択した演出パターンをもとに情報出力機器の作動を制御するものである。このとき演出制御手段がいずれの演出パターンを選択するかは、遊技制御手段からの通知により決定される。従って、遊技制御手段から特定の遊技仕様が通知されれば、それに対応した演出パターンに基づいて情報出力機器の作動が制御されるので、常に遊技仕様に対応した内容で演出情報を出力することができる。
【0016】
上述のように、複数種類の遊技仕様に対応した演出パターンごとに区別して演出情報を格納しておくことで、機種が異なっても情報格納部のハードウェア構成を共通化することができるという利点がある。一方、遊技機に設定されている遊技仕様が例えば現金機であるか、それともCR機であるかを遊技制御手段から演出制御手段に通知すれば、あとは特定の遊技仕様に対応する演出パターンだけを選択するように演出制御手段の制御プログラムを構成するだけでよいので、演出情報を出力させる際のコマンドを機種によって変える必要がない。
【0017】
具体的には、上述した遊技制御手段は遊技動作の制御に伴う演出を行うため複数種類の遊技仕様に共通の演出指令信号を出力するものであり、演出制御手段がこの共通の演出指令信号を受け取ったとき、情報格納部から選択した特定の遊技仕様に対応する演出パターンに基づいて情報出力機器の作動を制御する(解決手段3)。
【0018】
例えば、大当りのような特別遊技状態が終了した後、さらに特典が付加される場合はこれを遊技者に対して報知するため、例えば現金機では「時短」、またCR機では「確変」等を表す演出(画面表示や音声・効果音等)が行われる。この場合、現金機とCR機とで演出パターンの内容が異なっていても、現在の機種が現金機であるのか、それともCR機であるのかを遊技制御手段から演出制御手段に通知することで、演出制御手段は常に機種に合わせた内容の演出パターンを選択することができる。したがって、遊技制御手段は演出制御手段に対して単に演出情報を出力させる共通の演出指令信号を送るだけでよいので、遊技仕様によって制御プログラムの内容を異ならせる必要がない。
【0019】
上述した制御プログラムの共通化は、遊技機の待ち受け中の演出として行われるデモンストレーションについても実現可能である。遊技機では、その遊技仕様を意味する「CR」等の文字が機種名の一部にそのまま使用されることがある。このため、待ち受け中の演出として機種名を文字表示する場合にも、複数種類の遊技仕様に対応した演出パターンが用意されていれば、上述のように遊技制御手段から演出制御手段に遊技仕様を通知することで、演出制御手段は常に機種に対応した内容の演出パターンを選択し、これを演出情報として情報出力機器に出力させることができる。また同様に、遊技制御手段は演出制御手段に対して単にデモ用の演出情報を出力させる共通の演出指令信号を送るだけでよいので、ここでも制御プログラムの共通化が図られる。
【0020】
また、上述した特典の報知やデモ表示等の演出パターンは遊技仕様ごとにセットで使用されることから、1つの遊技仕様(機種)についていくつかの演出パターンが用意されている場合には、遊技制御手段から演出制御手段に遊技仕様を通知するだけで全ての演出パターンを整合させることができる。これがもし仮に、遊技仕様に合わせて異なったコマンドを使用していると、例えば大当りの終了後に現金機の特典情報を表示しておきながら、待ち受け中にCR機の機種名を表示する等のちぐはぐなプログラムミスを引き起こしかねない。
【0021】
本発明ではこうしたプログラムミスによる演出の不整合を防止できるし、逆に遊技制御手段から通知される特定の遊技仕様を入れ替えるだけで、演出制御手段による制御の内容を容易に書き換えることができる。
【0022】
なお、遊技制御手段から演出制御手段への通知は、所定の通知タイミングが到来したときに行うことが好ましい(解決手段4)。通知タイミングの好適な例としては、例えば遊技機の電源投入時や再起動時、表示画面の切り替わり時、あるいは、遊技動作中にカウントされる一定時間の経過時等が考えられる。いずれにしても、演出制御手段に対して特定の遊技仕様を確実に通知しておくことにより、共通の演出指令信号を用いて特定の遊技仕様(機種)に対応する演出を確実に行うことが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、遊技機の一実施形態であるパチンコ機1を示している。このパチンコ機1は外枠2を有しており、この外枠2をベースとして所定の島設備に設置される。例えば、遊技場の島設備には複数台のパチンコ機1が幅方向に列をなして配列され、通常その台間にサンド3が設置されているのが一般的な形態である。
【0024】
このときパチンコ機1が現金機であれば、その遊技仕様に合わせて台間サンド3は例えば球貸し機となり、遊技者は球貸し機に現金を投入して遊技球に交換(球貸し)する。一方、パチンコ機1がCR機であれば、それに合わせて台間サンド3はカードユニット(またはカードリーダ)となり、遊技者は前もって購入しておいたプリペイドカードをカードユニットに挿入し、その残り度数を遊技球に交換する。
【0025】
図1に示されているように、パチンコ機1の前面には前面枠4が設けられており、その上半分以上はガラス枠6により覆われている。前面枠4およびガラス枠6は、その幅方向でみて一側縁部(この例では前面からみて左側縁部)がヒンジを介して外枠2に支持されており、それゆえパチンコ機1の前側にて水平方向に開閉可能となっている。ガラス枠6の下方には上皿8が配置されており、さらにその下方に下皿10および発射ハンドル12が配置されている。
【0026】
図1のパチンコ機1はCR機に対応できる構成になっており、それゆえ上皿8の直ぐ上方に度数表示部13が設けられている。遊技者が台間サンド3のカードユニットにプリペイドカードを挿入すると、この度数表示部13に残り度数が数値表示される。この状態で球貸しボタン13aを操作すると、一定度数と交換できる個数分の遊技球が貸し出され、上皿8に供給される。なお、残り度数が0でなければ、返却ボタン13bを操作することでプリペイドカードをカードユニットから抜き出すこともできる。
【0027】
以上はCR機の場合の説明であるが、現金機の場合には度数表示部13等の機能はない。この場合、台間サンド3としての球貸し機に投入した金額に対応する個数分の遊技球が貸し出されるものとなっている。
【0028】
上述したガラス枠6の奥に遊技盤14が配置されており、その盤面がガラス板(参照符号なし)を透かして遊技者に視認可能となっている。遊技盤14の前面には、ほぼ円形の遊技領域が形成されており、この遊技領域はその周囲を案内レール16,18に囲まれている。図1でみて遊技盤14の左側縁部には、外側の案内レール16と内側の案内レール18との間に球発射通路20が形成されており、この球発射通路20は遊技盤14の下方から左側縁をかすめるようにして上方へ延びている。図示しない球発射装置により発射された遊技球は球発射通路20を通じて上昇し、その終端から遊技領域内に放出される。
【0029】
次に、パチンコ機1の盤面構成について説明する。盤面構成は現金機とCR機とでそれほど大きく異なるところはなく、両方の遊技仕様にほぼ共通するものとして考えることができる。
【0030】
本実施形態のパチンコ機1の場合、例えば遊技領域の中央に液晶表示装置からなる表示画面22が配置されており、また表示画面22の周囲を取り囲むようにしてセンター役物24が設けられている。このセンター役物24は球受け棚26のほか、回転体28や球放出口30等を有しており、盤面に沿って流れ落ちる遊技球には、センター役物24によって様々に動きの変化が与えられる。また表示画面22には、遊技動作の進行に伴い各種の文字情報や映像情報、図柄等が演出的に表示されるものとなっている。
【0031】
遊技領域の中央下寄りには、センター役物24の直ぐ下方の位置に入球装置32が配置されている。この入球装置32は可変始動口33を有しており、その両側には一対の開閉部材34が設けられている。これら開閉部材34は盤面に沿って左右に開閉動作し、その開いた状態で可変始動口への入賞をより容易にする。そして可変始動口33への遊技球の入賞により、上述した表示画面22にて特別図柄の変動が開始される。
【0032】
センター役物24の左右にはそれぞれゲート口36が設けられており、これらゲート口36を遊技球が通過すると、これを契機として普通図柄の抽選が行われ、その抽選結果は例えば、表示画面22の左下隅に表示される。そして、普通図柄の抽選に当たった場合、上述の開閉部材34が所定時間(例えば、1秒間)開かれる。
【0033】
さらに、入球装置32の直ぐ下方にはアタッカ装置38が配置されており、このアタッカ装置38は大入賞口40を有している。この大入賞口40は開閉部材42により開閉されるものとなっており、開閉部材42は盤面に対し、その下端をヒンジとして前後方向に開閉動作可能である。
【0034】
図1では開閉部材42が手前側に開いた状態で示されており、それゆえ大入賞口40が手前側に露出されているが、アタッカ装置38が作動していない場合、開閉部材42は閉じられた状態にある。アタッカ装置38の作動は、いわゆる大当りとなった場合にのみ行われ、具体的には可変始動口33への入賞時に取得される乱数の値が所定の大当り値と一致すると、表示画面22にて所定の図柄表示態様(例えば、同一図柄が揃った状態)が表示されて大当りとなる。この場合に開閉部材42が一定のパターンで開閉動作され、開閉部材42が開かれた状態で大入賞口40への入賞が可能となっている。
【0035】
公知のように、大当り中は大入賞口40への入賞によって通常より多くの賞球を獲得できるため、遊技者に有利な特別遊技状態となる。また、大当りの図柄の種類によってさらに特典が付加されることがあり、このような特典には現金機でいう「時短」、またCR機でいう「確変」等がある。一般に「時短」では、普通図柄の変動時間および特別図柄の変動時間が通常よりも短縮されるとともに、入球装置32において開閉部材34の開いている時間が延長される。一方「確変」では、次回の大当りとなる抽選確率が通常より高く設定されるという特典があり、これにあわせて「時短」と同じ特典も付加される場合がある。いずれにしても、これら特典が付加されているうちに次の大当りを引き当てると、遊技者は連続して多くの賞球を獲得することができる。
【0036】
アタッカ装置38の両側には遊技領域の下縁部に沿って複数の一般入賞口44が配列されており、これら一般入賞口44に遊技球が入賞することで、一定個数の賞球の払い出しが行われる。また遊技領域中、最も下方の位置にアウト口46が形成されており、上述の可変始動口33や大入賞口40、一般入賞口44等に入賞しなかった遊技球はアウト口46に流れ込み、いわゆるアウト球として排出される。
その他の盤面構成要素として、遊技領域には風車48や多数の障害釘(図示していない)が所定のゲージ配列にしたがって配置されているが、これらについての説明は省略する。
【0037】
また盤面構成要素とは異なるが、ガラス枠6の右上隅部と上皿8にはそれぞれスピーカ50,52が内蔵されており、これらスピーカ50,52からは遊技動作の進行に伴う効果音や音声等の演出情報が出力されるものとなっている。なお、本実施形態のパチンコ機1では右上のスピーカ50が例えば中高音用であり、もう一つのスピーカ52が中低音用として使い分けされている。
【0038】
図2および図3は、パチンコ機1による遊技動作の制御とこれに伴う演出情報の出力を制御するための構成を概略的に示している。図2は特に、表示画面22による視覚的な演出に関する制御系に着目したものであり、一方、図3は特にスピーカ50,52による聴覚的な演出に関する制御系に着目したものである。
【0039】
パチンコ機1はメイン制御基板54を備えており、ここでは例えば、上述した入賞の検出や普通図柄および特別図柄の抽選のほか、入球装置32をはじめ各種役物の動作制御や大当り制御(アタッカ装置38の動作制御)、演出指示処理等を行うための制御プログラムが実行されている。
【0040】
メイン制御基板54にはサブ制御基板56が接続されており、このサブ制御基板56ではメイン制御基板54からの演出指示に基づき、遊技の進行に伴う効果音や音声情報の出力、また、発光装飾等の制御を行うプログラムが実行されている。図3に示されているように、サブ制御基板56にはガラス枠中継端子板58、中継コネクタ60等を介して上述のスピーカ50,52が接続されており、サブ制御基板56はメイン制御基板54からの指令信号に基づき、スピーカ50,52からの音出力を制御することができる。
【0041】
サブ制御基板56には表示制御基板62が接続されており、さらに表示制御基板62には上述の表示画面22を有する液晶表示装置64が接続されている。図2に示されているように、表示制御基板62はその主な構成としてCPU66やVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)68、ROM70等を有しており、これらが協働して液晶表示装置64の作動を制御し、その表示画面22に文字情報や映像情報等の演出情報を出力させる。制御に必要なプログラムや各種の文字・描画データはROM70に格納されており、このうちCPU66は、メイン制御基板54からサブ制御基板56を経由して送信される指令信号を受け取り、これを解読してROM70から必要な制御プログラムを読み出して実行する。
【0042】
またVDP68はCPU66から送信される制御信号に基づき、ROM70から必要な文字・描画データを抽出し、ここから実際の画像信号を形成する処理を行う。ここで形成された画像信号はVDP68から液晶表示装置64に出力され、これにより、液晶表示装置64では画像信号にしたがって表示画面22に文字情報や映像情報等が表示される。
【0043】
サブ制御基板56もまた、CPU72や音源IC74、ROM76等を有している。これらは協働してスピーカ50,52の作動を制御し、各種の効果音や音声等の演出情報を出力させる。同様に、制御に必要なプログラムや各種の音源データはROM76に格納されており、CPU72はメイン制御基板54から送信される指令信号を受け取り、これを解読してROM76から必要な制御プログラムを読み出して実行する。
【0044】
音源IC74は、CPU72からの制御信号に基づいてROM76から必要な音源データを抽出し、そこから実際の音響信号を形成する処理を行う。そして、この音響信号にしたがってスピーカ50,52が駆動される結果、効果音や音声等が実際に出力される。
【0045】
以上はパチンコ機1の基本的なハードウェア構成である。上述のように、パチンコ機1には機種によって現金機またはCR機の遊技仕様が設定されているが、両者の間にハードウェア上の際立った相違はあまりない。
【0046】
どちらかというと遊技仕様による違いは、大当りの確率やその後に付加される特典の内容等に最も顕著であり、通常、遊技者の興味はいかに早くより多くの大当りを引き当て、かつ、時短や確変等の特典の付加を受けることができるかの方に重きが置かれているといえる。したがって、パチンコ機1の遊技仕様による違いを遊技者が目立って再認識するのは、大当り後に特典が付加される場合の映像による演出や効果音・音声等による演出に接するときであると考えられる。
【0047】
本実施形態のパチンコ機1は、上述のような演出を遊技仕様に合わせて的確に行うための制御機能を有しており、以下、こうした制御機能について具体的に説明する。
【0048】
図4は、メイン制御基板54のCPUにより実行されるメイン制御ルーチンの一例を示している。CPUは先ず、所定の通知タイミングが到来したか否かを判断し(ステップS1)、その結果、通知タイミングが到来したと判断した場合(Yes)にサブ制御基板56および表示制御基板62に機種情報を送信する(ステップS2)。
【0049】
ここで送信される機種情報としては、例えば現在のパチンコ機1が現金機またはCR機のいずれであるかをコード化して表すもの、あるいは、現金機・CR機のそれぞれについて具体的な機種名をコード化して表すもの等が挙げられる。
【0050】
また通知タイミングの好ましい例としては、
(1)パチンコ機1の電源投入時(電源投入後、一定時間の経過後を含む)
(2)大当り制御の終了時
(3)待ち受け状態(デモ画面)への移行時
(4)特別図柄の変動が停止した後の、次の変動開始時
(5)一定周期で計測される時間の経過時
等を挙げることができる。このうち、上記(1)の通知タイミングでは遊技開始前に1度実行するだけでよく、プログラムの構成を複雑にしない。また、(2)〜(5)の通知タイミングでは機種情報が順次更新されるので、1度の通知で済ませるよりさらにノイズに対する信頼性を向上させることができる。また、上記(2)〜(4)の通知タイミングでは表示画面22の内容が切り替わるタイミングと合致していることから、メイン制御基板54から機種情報が出力されたとしても、その表示内容が不自然に変化することはない。
【0051】
また、上記(1)〜(5)のいずれの場合であっても、メイン制御基板54からサブ制御基板56および表示制御基板62に機種情報を送信することで、そのパチンコ機1がいずれの遊技仕様であるのか、あるいは、どの機種であるかのを各基板54,56のCPUに認識させることができる。
【0052】
この後、メイン制御基板54のCPUは遊技動作の制御に伴い、サブ制御基板56および表示制御基板62に対するコマンド処理を実行する(ステップS3)。ここでのコマンド処理は、遊技動作ごとに決められた演出パターンの文字情報や映像情報、効果音、音声メッセージ等を液晶表示装置64やスピーカ50,52から出力させるための指令信号を出力するものであり、具体的には、大当りの終了後に特典が付加されることを報知させるための指令信号や、待ち受け中のデモ画面を表示させるための指令信号等を挙げることができる。
【0053】
この例のメイン制御ルーチンでは、コマンド処理(ステップS3)に進む前に必ず上記の通知タイミングが到来するように設定されているので、未だ機種情報を通知していない状態でコマンド処理が実行されることはない。
【0054】
図5は、演出制御ルーチンの一例を示しており、この演出制御ルーチンはサブ制御基板56および表示制御基板62のCPU72,66により実行される。この演出制御ルーチンでは先ず、各CPU72,66が自己の機種を認識する処理を行う(ステップS11)。この認識処理は、メイン制御基板54から送信される機種情報に基づいて行うことができ、各CPU72,66は認識した機種情報を例えばRAM等の記憶回路に保存する。
【0055】
次に、各CPU72,66はメイン制御基板54から指令信号を受信したか否かを判断する(ステップS12)。指令信号を受信していなければ(ステップS12=No)、各CPU72,66はそのままルーチンを単にリターンする。これに対し、メイン制御基板54から指令信号を受信すると(ステップS12=Yes)、各CPU72,66はその指令信号に基づいて必要な演出パターンを選択する(ステップS13)。
【0056】
サブ制御基板56および表示制御基板62は、それぞれ上述のROM76,70に予め全ての演出情報を格納しており、各ROM76,70内では演出情報が機種に対応する演出パターンごとに区別されている。
ここで、表示制御基板62のROM70に格納されている演出情報は大きく分けて2つの演出パターンがあり、その1つは大当りの終了後に特典が付加されることを遊技者に報知するための報知メッセージである。この報知メッセージは例えば、CR機であれば「確変だよ」等の文字情報に相当し、また現金機であれば「時短○○回だよ」等の文字情報(○○には具体的な数値が入る)に相当するものである。
【0057】
もう1つの演出パターンは、パチンコ機1が待ち受け状態(例えば、遊技者による操作がなされていない状態)にあるときに、その機種名を表示するためのデモンストレーション情報である。このデモンストレーション情報は、例えばCR機であれば「CR○○△」等の文字情報に相当し、また現金機であれば「(現金機)○○△△」等の文字情報(○、△等には具体的な商品名や記号が入る)に相当するものである。
【0058】
また、サブ制御基板56のROM76に格納されている演出情報は、例えば上述の報知メッセージやデモンストレーション情報をそれぞれ音声データに変換したものであり、これら音声データもまた機種に対応する演出パターンごとに区別して格納されている。
【0059】
【実施例】
以下、図3および図4の制御ルーチンを通して行われる実際の演出について機種別に実施例を挙げて説明する。
【0060】
(実施例1)
先ず実施例1は、パチンコ機1が現金機である場合の演出である。この場合、所定の通知タイミングが来たときメイン制御ルーチンのステップS2においてメイン制御基板54から「現金機」を表す機種情報が各基板56,62のCPU72,66に通知される。これを受けて、各基板56,62のCPU72,66は演出制御ルーチンのステップS11において当該パチンコ機1の機種を認識する。
【0061】
この後、メイン制御ルーチンのコマンド処理(ステップS3)においてメイン制御基板54から特典情報を報知させる共通の演出指令信号(例えば5000H)が出力されると、各基板56,62のCPU72,66は演出制御ルーチンのステップS13において、現金機に対応した演出パターンである報知メッセージ(例えば、「時短○○回だよ」)を選択する。そして、ここで選択した演出パターンに基づき各基板56,62がスピーカ50,52および液晶表示装置64の作動を制御する結果、表示画面22に「時短○○回だよ」の文字情報が表示されるとともに、スピーカ50,52から同様の音声情報が出力される(図2,3中の対応する箇所を参照)。
【0062】
なお、報知メッセージの内容はサブ制御基板56と表示制御基板62とで相異なるものであってもよい。例えば、表示制御基板62のROM70には「時短○○回だよ」等の報知メッセージを格納しておき、サブ制御基板56のROM76には「時短○○回」に対応する音声やファンファーレのような効果音、BGM等を報知メッセージとして格納しておくこともできる。いずれにしても、遊技者がこれら報知メッセージによる演出情報に接することで、次の大当りに対する期待感を一層高めることができる。
【0063】
遊技者が台から離れた状態でしばらく時間がたつと、メイン制御基板54はそのパチンコ機1を待機状態に移行させる待機制御を行う(特に制御のフローは示していない)。この待機制御は、例えば表示画面22の内容をデモ画面に切り替えることで待ち受け中の演出を行うものであり、デモ画面には当該パチンコ機1の機種名を表示することができる。この場合、メイン制御ルーチンのコマンド処理(ステップS3)においてメイン制御基板54から機種情報を表示させるための共通の演出指令信号(例えば、6000H)が出力される。
【0064】
この指令信号を受け取ると、各基板56,62のCPU72,66は演出制御ルーチンのステップS13において、現金機に対応した演出パターンのデモンストレーション情報を選択する。ここでのデモンストレーション情報には、例えば「(現金機)○○△△」等の文字情報や機種に対応する音声、効果音、BGM等の各種のものを用いることができる。
【0065】
そして、選択した演出パターンに基づき各基板56,62がスピーカ50,52および液晶表示装置64の作動を制御する結果、表示画面22に「(現金機)○○△△」等の機種情報が表示される(図2中の対応する箇所を参照)とともに、スピーカ50,52から機種に対応した音情報が出力される。
【0066】
(実施例2)
次に実施例2は、パチンコ機1がCR機である場合の演出に関するものである。この場合も同様に、所定の通知タイミングが来たときメイン制御基板54から「CR機」を表す機種情報が各基板56,62のCPU72,66に通知される。これを受けて、各基板56,62のCPU72,66は当該パチンコ機1の機種がCR機であることを認識する。
【0067】
この後、メイン制御ルーチンのコマンド処理(ステップS3)においてメイン制御基板54から特典情報を報知させる共通の演出指令信号(例えば5000H)が出力されると、各基板56,62のCPU72,66は演出制御ルーチンのステップS13において、ここではCR機に対応した演出パターンである報知メッセージ(例えば、「確変だよ」)を選択する。そして、ここで選択した演出パターンに基づき各基板56,62がスピーカ50,52および液晶表示装置64の作動を制御する結果、表示画面22に「確変だよ」の文字情報が表示されるとともに、スピーカ50,52から同様の音声情報が出力される(図2,3中の対応する箇所を参照)。ここでも同様に、報知メッセージの内容はサブ制御基板56と表示制御基板62とで相異なるものであってもよい。
【0068】
上述した実施例1と同様に、遊技者が台から離れた状態でしばらく時間がたつと、メイン制御基板54はそのパチンコ機1を待機状態に移行させる待機制御を行う。この場合、メイン制御ルーチンのコマンド処理(ステップS3)においてメイン制御基板54から機種情報を表示させるための共通の演出指令信号(例えば、6000H)が出力される。
【0069】
この指令信号を受け取ると、各基板56,62のCPU72,66は演出制御ルーチンにおいてCR機に対応した演出パターンであるデモンストレーション情報を選択する。ここでのデモンストレーション情報も同様に、例えば「CR○○△」等の文字情報や機種に対応する音声、効果音、BGM等の各種のものを用いることができる。そして、選択した演出パターンに基づき各基板56,62がスピーカ50,52および液晶表示装置64の作動を制御する結果、表示画面22に「CR○○△」等の機種情報が表示されるとともに(図2中の対応する箇所を参照)、スピーカ50,52から機種に対応した音情報が出力される。なお、CR機であっても払い出し数や大当りラウンド回数等の異なる、いわゆるシリーズ機としての情報をデモンストレーション中に文字情報等で報知する場合にも適用される。
【0070】
上述した実施例1と実施例2との対比から明らかなように、パチンコ機1の機種が違っていても、メイン制御ルーチンのコマンド処理(ステップS3)において使用する指令信号は全て共通化されている。すなわち、報知メッセージを出力させたい場合は、機種に関係なく共通の演出指令信号(5000H)を各基板56,62に送信するだけで、あとは各基板56,62において機種に対応した報知メッセージが自動的に選択されるものとなっている。また、デモ画面を表示させる場合も共通の演出指令信号(6000H)を各基板56,62に送信するだけでよいことから、制御プログラムの構築において機種ごとに異なった種類の演出指令信号を割り当てる必要がなく、ソフトウェアの構成をきわめてシンプルなものにすることができる。これにより、大当り終了後の報知メッセージで「時短」と報知しておきながら、デモ画面で「CR○○△」と表示したり、あるいはその逆の組み合わせを表示したりするといった単純なプログラムミスが確実に防止される。
【0071】
また、メイン制御基板54やサブ制御基板56、表示制御基板62のハードウェア構成を全ての機種で共通化していても、メイン制御ルーチンで使用する機種情報を書き換えるだけで、容易に現金機とCR機との入れ替えに対応することができる。
【0072】
実施例1,2では、メイン制御ルーチンの通知タイミング(ステップS1)を上記(1)の電源投入時のみとしてもよいし、(2)の大当り制御終了時と(3)のデモ画面移行時との組み合わせ、若しくは、これらと(4)の変動開始時または(5)の一定時間経過時との組み合わせとしてもよいし、上記(1)〜(5)の通知タイミングを全て組み合わせて使用してもよい。
【0073】
上述した報知メッセージやデモンストレーション情報の具体的な表示態様や言語表現はあくまで一例であり、これらは適宜変形を加えることができる。例えば、現金機、CR機とも大当りの確率や特典の内容、賞球数等の違いによって機種名がさらに細分されている場合、その機種名に合わせて報知メッセージやデモンストレーション情報の内容を変更することができる。
【0074】
また、ROM76,70に格納される演出情報は、上述した報知メッセージやデモンストレーション情報に限らず、他の内容の演出パターンを有するものであってもよい。
【0075】
さらに、図3,4で示した各制御ルーチンはいずれも好ましい例示であり、その具体的なステップを適宜書き換えることで、各実施例と同様の結果を生じる制御を行うことは充分可能である。
その他、本発明の遊技機は一実施形態のパチンコ機に限られず、その枠形状や遊技盤面の構成、各種役物の配置等を適宜変更して実施できることはいうまでもない。
【0076】
上述した実施の形態ではパチンコ機について説明しているが、本発明の遊技機はスロットマシン遊技を提供するものであってもよい。例えば、スロットマシンで行われる各種の特典(レギュラーボーナスゲーム、ビッグボーナスゲーム、アシストタイム、チャレンジタイム等)の具体的な態様が機種によって異なる場合や、デモ画面の表示態様が機種によって異なる場合にも本発明を適用することができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明の遊技機は、異なる遊技仕様ごとに制御プログラムの内容を細かく作り替える必要がなく、共通の制御用コマンドを用いて複数種類の遊技仕様に容易に対応することができる。したがって、遊技機の生産性や信頼性を大幅に向上するとともに、その品質を高度に保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のパチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機の制御ブロック図である。
【図3】パチンコ機の制御ブロック図である。
【図4】メイン制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】演出制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ機
22 表示画面(情報出力機器)
50,52 スピーカ(情報出力機器)
54 メイン制御基板(遊技制御手段)
56 サブ制御基板(演出制御手段)
62 表示制御基板(演出制御手段)
70,76 ROM(情報格納部)
Claims (4)
- 複数の機種のうち、任意の1つの機種としての動作可能な遊技機であって、
前記複数の機種は、遊技者が直接現金を遊技球に交換し遊技を行う現金機、若しくは、前記遊技者がプリペイドカードの残り度数を前記遊技球に交換し遊技を行うCR機のいずれか一方であり、
前記遊技機は、
大当たりを含む遊技動作を制御する遊技制御手段と、
前記現金機、若しくは、前記CR機のいずれであるかを表す情報を含む第1情報と、遊技に関連する仕様を示す第2情報とを含む遊技仕様情報を、前記複数の機種ごとにそれぞれ対応させて格納する情報格納部と、
前記遊技仕様情報を報知可能な情報報知機器と、
前記情報格納部に格納された前記遊技仕様情報を読み出して、該遊技仕様情報を前記情報報知機器に報知させる演出制御手段と、
を備え、
前記遊技制御手段は、所定のタイミングになると、前記遊技仕様情報のうち、前記第1情報または前記第2情報のいずれを前記演出制御手段に報知させるのかを示す前記複数の機種に共通な指令信号を出力し、
前記演出制御手段は、前記指令信号に基づいて、前記1つの機種に対応する前記遊技仕様情報のうち、前記第1情報、若しくは、前記第2情報のいずれか一方を選択し、選択した情報を、前記情報報知機器に報知させる、
遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記大当たりが終了すると、前記遊技仕様情報のうちの前記第1情報を前記演出制御手段に報知させるための第1指令信号を出力し、
前記演出制御手段は、前記第1指令信号に基づいて、前記1つの機種に対応する前記遊技仕様情報のうちの前記第1情報を選択し、選択した前記第1情報を、前記情報報知機器に報知させる、
遊技機。 - 請求項1または請求項2に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記遊技機における待ち受け状態への移行時に、前記遊技仕様情報のうちの前記第2情報を前記演出制御手段に報知させるための第2指令信号を出力し、
前記演出制御手段は、前記第2指令信号に基づいて、前記1つの機種に対応する前記遊技仕様情報のうちの前記第2情報を選択し、選択した前記第2情報を、前記情報報知機器に報知させる、
遊技機。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第2情報は、(1)前記大当たりの確率を表す確率情報、(2)賞球数を表す賞球数情報、または、(3)時短であるのか若しくは確変であるのかを示す特典情報のうち、
少なくとも一つを含む、
遊技機。
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