JP4418647B2 - キャップシール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は牛乳瓶などの開栓部を被覆するキャップシールに関する。
【0002】
【従来の技術】
宅配用の牛乳瓶等の飲料用瓶などには、飲み口を閉塞する紙栓(紙キャップ)などの蓋部材の外側に、2次的に該蓋部材を保護するためのキャップ状カバーが取り付けられている。このようなキャップ状カバーとして、プラスチック製の天板と筒状の熱収縮性フィルムからなる胴部材とで構成されているキャップシールが広く使用されている。このキャップシールは、飲料用瓶の開栓部を覆い、加熱により胴部材を熱収縮させて取り付けるので、瓶の口部乃至首部に密着性よく装着でき、塵芥や異物が蓋部材に付着するのを確実に防止できるという利点を有している。また、ビール等の大型樽型容器の口部にも同様のキャップシールが用いられている。
【0003】
この種のキャップシールとしては、ポリ塩化ビニル樹脂製の筒状熱収縮性フィルムと、該筒状熱収縮性フィルムの上部内周面に、表面が塩化ビニル樹脂等でコートされた厚紙からなる天板が、該天板の周縁部上面において熱接着されたものが使用されている。しかし、ポリ塩化ビニル樹脂は、焼却時に有毒ガスを発生するおそれがあり、環境保護の観点から好ましくない。
【0004】
一方、胴部材と天板とがポリエチレンテレフタレート樹脂により形成されたキャップシールも知られている。しかし、このキャップシールでは、材料のポリエチレンテレフタレート樹脂の耐熱性が高いため高温でヒートシールする必要があり、このためキャップシールの角の部分が弱く破断しやすくなる。また、これを回避するため胴部材と天板との間に接着剤層を設けることも行われているが、この場合には製造工程が1工程増えるというデメリットがある。特開2001−225855号公報には、胴部材と天板との接着性を高めるため、胴部材を構成する筒状フィルムの内周面のうち少なくとも天板が接着される表面を非晶性ポリエステルにより形成することが提案されている。しかし、このようなキャップシールも自然界にそのまま廃棄されると、微生物により分解されにくいので環境に対して大きな負荷を与えることになる。
【0005】
胴部材と天板とをポリスチレン系樹脂で構成することも知られている。このようなキャップシールは胴部材と天板とをヒートシールにより接着可能であるが、胴部材のポリスチレン系樹脂(スチレン−ブタジエン共重合体等)は強度が小さい、腰が弱い等の欠点があり、破れたりしやすく、天板を構成するポリスチレン系樹脂[汎用ポリスチレン(GPPS)等]は打ち抜き時に割れたり、キャップシールを多数個重ねて出荷するとキャップシールを瓶等の口部に装着する際に1個ずつ抜けにくいという不具合が発生する。また、胴部材の破断を防ぐため肉厚を大きくするとコスト高になり、天板を紙等の他の材料で形成するとキャップシールの作製に2種の異なる材料が必要になる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−225855号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は胴部材と天板とを同種の材料で形成でき且つこれらを低温で熱接着できるとともに、胴部材を薄くでき、しかも環境への負荷が小さいキャップシールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、胴部材を構成する熱収縮性フィルムと天板を構成するシートとを特定の同種の樹脂により形成すると、胴部材と天板とを低温で熱接着できるだけでなく、胴部材を薄くでき、しかも環境に対する負荷を極めて小さくできることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、筒状の熱収縮性フィルムからなる胴部材と、該胴部材の上部に接合された円板状シートからなる天板とで構成されているキャップシールであって、前記胴部材を構成する熱収縮性フィルム及び天板を構成するシートが何れもポリ乳酸系重合体により形成されているとともに、胴部材を構成する熱収縮性フィルムが一軸延伸フィルムであり、天板を構成するシートが二軸延伸シートであることを特徴とするキャップシールを提供する。
【0010】
前記胴部材を構成する熱収縮性フィルムの熱収縮率(90℃の熱水に10秒間浸漬した時の値)は主延伸方向において50%以上であるのが好ましく、また前記天板を構成するシートの熱変形温度は50℃以上であるのが好ましい。また、天板を構成するシートが、ポリ乳酸系重合体50〜85重量%及び脂肪族ポリエステル15〜50重量%からなる樹脂で構成されているのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明のキャップシールの一例を示す斜視図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図1に示されるように、本発明のキャップシールは、筒状の熱収縮性フィルムからなる胴部材1と、該胴部材1の上部内周面に接合された円板状シートからなる天板2とで構成されている。胴部材1には、開封しやすいようにミシン目3が2条形成されている。
【0012】
本発明の重要な特徴は、前記胴部材1を構成する熱収縮性フィルムと天板2を構成するシートとが何れもポリ乳酸系重合体により形成されている点にある。胴部材1と天板2が同種の素材で形成されているので、貯蔵管理等を簡易化、効率化できる。また、素材がポリ乳酸系重合体であるので、使用後に廃棄されても自然界で生分解されるため、環境への負荷が極めて小さい。さらに、胴部材1と天板2の素材としてポリ乳酸系重合体を用いるので、ポリエチレンテレフタレート樹脂等を用いた場合と比較して両部材を低温で熱接着させることができる。そのため、接着剤を用いる必要がなく、またキャップシールの角の部分が弱くなることもない。なお、一般に、一軸延伸フィルム(又はシート)と二軸延伸フィルム(又はシート)との熱接着は同種の樹脂で形成されていても通常困難であるが、本発明者らの検討によると、ポリ乳酸系重合体の場合には、一方が一軸延伸フィルム(又はシート)であり他方が二軸延伸フィルム(又はシート)であっても両者は容易に熱接着する。
【0013】
さらに、本発明では、ポリ乳酸系重合体は腰が強いため、胴部材1を肉厚にする必要が無く、キャップシールを1つのキャップシールの内側に別のキャップシールを入れるようにして多数重ねて出荷しても、使用時に1個ずつ容易に分離することができ、瓶等の口部への装着作業を円滑に行うことができる。また、ポリ乳酸系重合体は一般に透明性が高いので、外観に優れるという利点もある。また、ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた場合には胴部材1の縦方向にミシン目を入れても切れにくいのに対し、本発明では該ミシン目から手で容易に胴部材1を切り開くことができるので、開封に手間がかからない。さらに、ポリ乳酸系重合体はアルカリにより白濁するため、アルカリ洗浄を施した瓶の口部にキャップシールを装着する場合、瓶にアルカリが残っているとキャップシールが白濁するのでアルカリの残存を知ることができ、該アルカリに起因する事故を未然に防止できる。
【0014】
ポリ乳酸系重合体とは、乳酸(D−乳酸、L−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物)を単量体成分とする重合体を意味し、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸又はラクトン類との共重合体も含まれる。他のヒドロキシカルボン酸として、例えば、グリコール酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸などが挙げられる。ラクトン類としては、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが例示される。
【0015】
ポリ乳酸系重合体を構成する全単量体に占める乳酸の割合は、一般に50モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であり、特に95モル%以上(例えば100モル%)のものが好ましい。ポリ乳酸系重合体は単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。例えば、L−乳酸とD−乳酸との比率が異なるポリ乳酸系重合体を2種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】
ポリ乳酸系重合体を得る方法としては、特に限定されず、縮重合法、開環重合法等の公知の方法を採用できる。例えば、縮重合法では、乳酸、又は乳酸と他の単量体成分とを直接脱水縮合することにより任意の組成を有するポリ乳酸系重合体を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、適当な触媒の存在下で重合させることにより任意の組成のポリ乳酸系重合体を得ることができる。
【0017】
ポリ乳酸系重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常5万〜100万、好ましくは8万〜40万程度である。分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性が劣り、分子量が大きすぎると成形加工性が低下する。
【0018】
胴部材1を構成する熱収縮性フィルム及び天板2を構成するシートは、それぞれ、ポリ乳酸系重合体を主樹脂成分として含んでいればよく、ポリ乳酸系重合体以外の樹脂成分を少量含んでいてもよい。ポリ乳酸系重合体以外の樹脂として、例えば、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステルアミド、脂肪族ポリエステルエーテル、脂肪族ポリエステルカーボネートなどの生分解性樹脂などが挙げられる。ポリ乳酸系重合体以外の樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも脂肪族ポリエステルが特に好ましい。ポリ乳酸系重合体に脂肪族ポリエステルを添加することによりフィルムの柔軟性や熱接着性(ヒートシール性)を向上させることができる。
【0019】
前記脂肪族ポリエステルは、脂肪族又は脂環式ジオール成分と脂肪族又は脂環式ジカルボン酸成分との縮重合、脂肪族又は脂環式ヒドロキシカルボン酸の縮重合、ラクトン類の開環重合、又はこれらの組み合わせにより製造される。各単量体成分は複数種組み合わせて用いることもできる。脂肪族又は脂環式ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール;ジエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオールなどが例示される。脂肪族又は脂環式ジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。脂肪族又は脂環式ヒドロキシカルボン酸及びラクトン類としては、前記例示のものを使用できる。
【0020】
上記の脂肪族ポリエステルにおいては、脂肪族又は脂環式ジカルボン酸成分の一部(例えば0.1〜50モル%程度)を芳香族ジカルボン酸成分で置き換えてもよい。このようにして得られるポリエステル(芳香族脂肪族ポリエステル)をポリ乳酸系重合体に添加して得られるフィルムは、耐衝撃性に特に優れ、熱収縮させた後にも破断しにくいという特徴を有する。前記芳香環ジカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0021】
前記脂肪族ポリエステルの代表的な例として、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリカプロラクトン(PCL)などが挙げられる。
【0022】
胴部材1の熱収縮性フィルムを構成する樹脂全体に占めるポリ乳酸系重合体の割合は、通常50重量%以上(50〜100重量%、特に50〜95重量%)、好ましくは60重量%以上(60〜100重量%、特に60〜90重量%)、さらに好ましくは65重量%以上(65〜100重量%、特に65〜85重量%)である。ポリ乳酸系重合体の割合が少ないと、透明性が低下したり、脂肪族ポリエステル等を多く混合した場合には軟らかくなりすぎて収縮仕上がり性が低下しやすくなる。
【0023】
一方、天板2のシートを構成する樹脂全体に占めるポリ乳酸系重合体の割合は、通常50重量%以上(50〜100重量%、特に50〜95重量%)、好ましくは60重量%以上(60〜100重量%、特に60〜90重量%)、さらに好ましくは65重量%以上(65〜100重量%、特に65〜85重量%)である。ポリ乳酸系重合体の割合が少ないと、透明性が低下したり、脂肪族ポリエステル等を多く混合した場合には、胴部材1と天板2との一体化加工の際、熱によって変形しやすくなる。天板2のシートとしては、耐熱変形性、耐衝撃性、熱接着性及び透明性等を考慮すると、ポリ乳酸系重合体50〜85重量%及び前記脂肪族ポリエステル15〜50重量%からなる樹脂で構成されているのが特に好ましい。
【0024】
胴部材1を構成する熱収縮性フィルムや天板2を構成するシートには、必要に応じて、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。前記熱収縮性フィルムやシートは複数の層で構成することもできる。
【0025】
前記胴部材1を構成する熱収縮性フィルムは、フィルムを製造する際の慣用の方法、例えば、押出成形法により製造できる。例えば、ポリ乳酸系樹脂に必要に応じて他の樹脂や添加剤を加えた樹脂組成物を、Tダイ又は環状ダイを備えた押出機に供して溶融押出しし、冷却ロールにより冷却した後、延伸処理することにより製造できる。延伸はテンター方式、チューブ方式の何れの方式で行うこともできる。延伸は一軸延伸(横一軸延伸又は縦一軸延伸)であっても二軸延伸であってもよいが一軸延伸が特に好ましい。一軸延伸の場合、延伸処理は、例えば、70〜100℃程度の温度で、幅方向(横方向;TD方向)に1.5〜10倍、好ましくは2〜8倍程度延伸し、必要に応じて、長さ方向(縦方向;MD方向)にも低い延伸倍率(例えば1.5倍程度以下)で延伸することにより行われる。こうして得られた熱収縮性フィルムを、必要に応じて何れかの表面に水性又は油性等のインキを用いて文字やデザイン等を印刷した後、所望の幅の長尺帯状にスリットし、主延伸方向が周方向となるように筒状に丸め、両端辺を接着剤や溶剤、ヒートシール等で接着した後、所望の長さに切断し、筒状フィルムとすることができる。
【0026】
前記熱収縮性フィルムの厚みは、強度、取扱性、経済性等を考慮して適宜選択できるが、一般には20〜100μm、好ましくは30〜70μm程度である。前記熱収縮性フィルムの熱収縮率は、90℃の熱水に10秒間浸漬処理したとき、主延伸方向において、30%以上(例えば、30〜70%)、特に50〜70%であるのが好ましい。前記熱収縮率が30%未満であると、瓶等の口部を緊密に包装することが困難になりやすい。熱収縮フィルムの熱収縮率は、熱収縮性フィルムを形成する樹脂の組成、例えば、ポリ乳酸系重合体の単量体組成、ポリ乳酸系重合体と混合する脂肪族ポリエステル等の他の樹脂の種類及び混合割合、及びフィルム延伸時の延伸倍率等を適宜選択することにより調整できる。また、熱収縮性フィルムは前記ポリ乳酸系重合体の単層フィルムでもよいが、複数種類のポリ乳酸系重合体の層を積層した2〜5層等の複層フィルムでもよい。
【0027】
天板2を構成するシートは、シートを製造する際の慣用の方法、例えば、押出成形法により製造できる。例えば、ポリ乳酸系重合体に必要に応じて他の樹脂や適当な添加剤を加えた樹脂組成物を、Tダイ又は環状ダイを備えた押出機に供して溶融押出しし、冷却ロールで冷却することにより製造できる。なお、冷却後、強度を高めるため、弱い延伸処理(特に二軸延伸処理)を施してもよい。延伸はテンター方式、チューブ方式の何れの方式で行うこともできる。二軸延伸処理は、例えば、70〜100℃程度の温度下、一方の方向(例えば幅方向)に1.0〜5倍、好ましくは1.0〜2.0倍程度、他方の方向(例えば長さ方向)に1.0〜3倍、好ましくは1.0〜2.0倍程度延伸することにより行われる。
【0028】
天板2を構成するシートの熱変形温度は50℃以上であるのが好ましい。熱変形温度が50℃未満の場合は、胴部材1と天板2とを熱接着して両者を一体化する際に、加熱した成形型により変形したり、キャップシールを瓶等の口に装着する際の熱によって変形するおそれがある。熱変形温度は、シートを形成する樹脂の組成、例えば、ポリ乳酸系重合体の単量体組成、ポリ乳酸系重合体と混合する脂肪族ポリエステル等の他の樹脂の種類及び混合割合等を適宜選択することにより調整できる。熱変形温度とは、湾曲したシートを凹面を上にして所定温度の熱板上に置き、10秒経過後にシートがほぼフラットになる場合の熱板の温度(最低温度)をいう。
【0029】
また、天板2を構成するシートは、強度及び胴部材1との熱接着性等の観点から、低延伸倍率又は無延伸であるのが好ましい。延伸倍率が高すぎると胴部材1との熱接着性が不十分になりやすい。
【0030】
天板2を構成するシートの厚みは、強度、取扱性、経済性等を考慮して適宜選択できるが、一般には50〜500μm、好ましくは100〜200μm程度である。前記シートの表面には、必要に応じて、文字や模様がグラビア印刷等の公知の印刷法により印刷されていてもよい。
【0031】
天板2は上記のシートを所望の大きさの円形状に打ち抜くことにより製造できる。また、必要に応じて、例えば周縁部を湾曲させる等の成形加工を施してもよい。
【0032】
図3は本発明のキャップシールを作製する工程の一例を示す説明図(断面図)である。まず、瓶等の容器の口部の形状に合わせて作製された成形型4の天面に上記構成の天板2を載置し、別途作製された目的とするキャップシールの胴部材の長さよりやや長い筒状シュリンクフィルムを該成形型4に外嵌した後、全体を加熱して、前記筒状シュリンクフィルムの上端部が天板2側に折れ曲がり且つ折れ曲がった上端部が天板2の上面周縁部に重なるように熱収縮させて胴部材1を形成する。次いで、前記筒状シュリンクフィルムの上端部と天板2の上面周縁部とが重なり合った部位に、加熱した底面が平坦なリング状の熱シールバー5を押圧し、胴部材1と天板2とを熱接着して一体化させ、キャップシールを作製する。
【0033】
こうして得られたキャップシールは、例えば、飲料等が充填され且つ口が紙キャップ等の蓋部材で閉塞された飲料用瓶の開栓部(口部)に被嵌して前記蓋部材を覆い、80〜100℃程度のスチームトンネルや100〜200℃程度の熱風トンネルを通過させて、キャップシールの胴部材1を熱収縮させることにより、該キャップシールを飲料用瓶に装着させることができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明のキャップシールによれば、胴部材と天板とを共にポリ乳酸系重合体により形成するので、管理が容易であり、ポリエチレンテレフタレート樹脂等と比較して低温で熱接着できるとともに、腰が強いので胴部材を薄くでき、しかも環境への負荷を極めて小さくできる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0036】
実施例1
ポリ乳酸系重合体と脂肪族ポリエステルとからなる一軸延伸の熱収縮性フィルム[三菱樹脂(株)製、商品名「エコロージュS」、厚み50μm;主延伸方向における熱収縮率(90℃の熱水に10秒間浸漬した時の値):55%]の表面に文字等を印刷した後、所定の大きさに切断し、印刷面を外側にし且つ主延伸方向が周方向となるように丸めて両端部を溶着により接合して筒状とした。なお、筒状フィルムの長さ方向には図1に示すようなミシン目を予め形成しておいた。
一方、ポリ乳酸系重合体と脂肪族ポリエステルとからなる二軸延伸シート[三菱樹脂(株)製、商品名「エコロージュCP100」、厚み200μm;ほぼ無延伸;熱変形温度60℃]を、直径45mmの円板状に打ち抜くことにより天板を作製した。
図3に示されるように、円錐台状の成形型の頂部に前記天板を載置すると共に、成形型に前記筒状の熱収縮性フィルムを外嵌し、温度190℃の熱風で該熱収縮性フィルムを加熱し収縮させて胴部を形成した。次いで、前記熱収縮により天板の上面周縁部に折れ曲がった熱収縮性フィルムの平坦部に対して、上方より底面が平坦なリング状の熱シールバー(温度120℃)を押圧し、天板と胴部とを接着して一体化させ、キャップシールを作製した。胴部の長さは約30mmであり、上端の天板と熱収縮性フィルムとが重なり合った部分の幅は約5mmである。
こうして得られたキャップシールは透明であり、天板と胴部材とは低温でヒートシールしたにもかかわらず高い強度で接着していた。また、胴部材の腰が強く、薄肉であっても複数個重ねた状態から1個ずつ容易に取り外すことができた。さらに、天板、胴部材ともに強度が高く容易に破断しないだけでなく、両部材が何れも生分解性を示すので、使用後に自然界に廃棄されても環境への負荷が極めて小さい。
上記で得られたキャップシールを牛乳を充填し且つ紙製の蓋をした牛乳瓶の口部に被嵌し、85℃のスチームトンネル内を通過させてキャップシールの胴部を熱収縮させることにより、前記キャップシールを牛乳瓶の口部に装着した。得られたキャップシール付き牛乳瓶を観察したところ、キャップシールは牛乳瓶の口部に緊密に装着されており、天板には変形もなく、全体に良好な外観を呈していた。また、キャップシールのミシン目の部位を手で引っ張ることにより容易に開封することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャップシールの一例を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明のキャップシールの製造工程の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 胴部材
2 天板
3 ミシン目
4 成形型
5 熱シールバー
Claims (4)
- 筒状の熱収縮性フィルムからなる胴部材と、該胴部材の上部に接合された円板状シートからなる天板とで構成されているキャップシールであって、前記胴部材を構成する熱収縮性フィルム及び天板を構成するシートが何れもポリ乳酸系重合体により形成されているとともに、胴部材を構成する熱収縮性フィルムが一軸延伸フィルムであり、天板を構成するシートが二軸延伸シートであることを特徴とするキャップシール。
- 胴部材を構成する熱収縮性フィルムの熱収縮率(90℃の熱水に10秒間浸漬した時の値)が主延伸方向において50%以上である請求項1記載のキャップシール。
- 天板を構成するシートの熱変形温度が50℃以上である請求項1記載のキャップシール。
- 天板を構成するシートが、ポリ乳酸系重合体50〜85重量%及び脂肪族ポリエステル15〜50重量%からなる樹脂で構成されている請求項1記載のキャップシール。
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