JP2005035238A - 熱収縮性フィルム及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 柔軟性に優れ、溶断シール強度が高く、静電シールした場合でも熱ブロッキングによりシール部位の接着強度を高めることができるとともに、環境への負荷が小さい熱収縮性フィルムを提供する。
【解決手段】 本発明の熱収縮性フィルムは、少なくとも表層部に、ポリ乳酸系重合体を50〜80重量%及び脂肪族ポリエステルを20〜50重量%含む樹脂層を有している。好ましくは、ポリ乳酸系重合体を50〜80重量%及び脂肪族ポリエステルを20〜50重量%含む表層及び裏層と、ポリ乳酸系重合体を80重量%より多く含む中心層とからなる多層構造を有している。本発明の包装体は、物品が、上記本発明の熱収縮性フィルムにより包装されている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱収縮性フィルムに関し、特に、収縮包装、収縮マルチパック包装等に適する熱ブロッキング性に優れた熱収縮性フィルムに関する。
近年、収縮包装等に用いられる熱収縮性フィルムとして、環境保護の観点から、生分解性の材料で構成されたフィルムが検討されている。このようなフィルムとして、例えば、ポリ乳酸からなる熱収縮性フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、特許文献1のフィルムは、収縮温度が140〜150℃と高いので用途が限定されてしまう。また、ポリ乳酸が本来有する性質により、脆くて耐衝撃性に劣る、フィルムが硬く破れやすい、収縮によりフィルムが重なった部分(ヒートシール部分等)が硬くなって、引っかかったり包装体の底部で擦れて破れやすいなどの問題があった。さらに、フィルムを溶断シール等によりシールした場合のシール強度が小さいため、重量物や物品集積物の包装に不向きである。フィルムの端部を封筒貼り状に重ね合わせて静電シールした場合のシール部位は、せん断応力に強いが、熱収縮により変形すると剥離しやすいという欠点を有している。
一方、耐衝撃性が改良されたポリ乳酸系フィルムとして、ポリ乳酸系重合体および芳香族脂肪族ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる内層と、ポリ乳酸系重合体を主成分とする外層を有するフィルムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、特許文献2のフィルムによっても上記問題の解決には不十分であった。
特開平5−212790号公報 特開2002−234117号公報
本発明の目的は、柔軟性に優れ、溶断シール強度が高く、静電シール等によりフィルムを重ね合わせた場合でも熱ブロッキングによりシール部位の接着強度を高めることができるとともに、環境への負荷が小さい熱収縮性フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記特性に加えて、優れた透明性を有し、しかも自然収縮を防ぐことができる熱収縮性フィルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、シール強度が高く、重量物や物品集積物の包装に適した包装体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、少なくとも表層部に、ポリ乳酸系重合体を含む特定の樹脂組成物からなる樹脂層を設けると、フィルムが柔らかいため破れにくくなるとともに、フィルム包装の際、静電シール等によってフィルムを重ね合わせて封止しても、熱収縮時に該シール部が熱ブロッキングして高い強度で接着することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、少なくとも表層部に、ポリ乳酸系重合体を50〜80重量%及び脂肪族ポリエステルを20〜50重量%含む樹脂層を有する熱収縮性フィルムを提供する。本発明の熱収縮性フィルムは、ポリ乳酸系重合体を50〜80重量%及び脂肪族ポリエステルを20〜50重量%含む表層及び裏層と、ポリ乳酸系重合体を80重量%より多く含む中心層とからなる多層構造を有していてもよい。
また、本発明は、物品が、上記本発明の熱収縮性フィルムにより包装されている包装体を提供する。本発明の包装体は、静電シール部を有しており、該静電シール部が熱収縮時の熱によってブロッキングしていてもよい。
本発明の熱収縮性フィルムによれば、ポリ乳酸系重合体を含む特定の樹脂組成物からなる樹脂層を有するため、柔軟性に優れ、溶断シール強度が高く、静電シールした場合でも熱ブロッキングによりシール部位の接着強度を高めるとともに、環境への負荷が小さい。このような熱収縮性フィルムを用いた包装体は、シール強度が高く、重量物や物品集積物の包装に適している。
本発明の熱収縮性フィルムは、少なくとも表層部に、ポリ乳酸系重合体を50〜80重量%及び脂肪族ポリエステルを20〜50重量%含む樹脂層を有している。本発明の熱収縮性フィルムは、このようにポリ乳酸系重合体からなるので、該フィルムが包装材として使用後に廃棄されても自然界で生分解されるため、環境への負荷が極めて小さい。ポリ乳酸系重合体とは、乳酸(D−乳酸、L−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物)を単量体成分とする重合体を意味し、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸又はラクトン類との共重合体も含まれる。他のヒドロキシカルボン酸として、例えば、グリコール酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸などが挙げられる。ラクトン類としては、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが例示される。
ポリ乳酸系重合体を構成する全単量体に占める乳酸の割合は、一般に50モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であり、特に95モル%以上(例えば100モル%)のものが好ましい。ポリ乳酸系重合体は単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。例えば、L−乳酸とD−乳酸との比率が異なるポリ乳酸系重合体を2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリ乳酸系重合体を得る方法としては、特に限定されず、縮重合法、開環重合法等の公知の方法を採用できる。例えば、縮重合法では、乳酸、又は乳酸と他の単量体成分とを直接脱水縮合することにより任意の組成を有するポリ乳酸系重合体を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、適当な触媒の存在下で重合させることにより任意の組成のポリ乳酸系重合体を得ることができる。
ポリ乳酸系重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常5万〜100万、好ましくは8万〜40万程度である。分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性が劣り、分子量が大きすぎると成形加工性が低下する。
脂肪族ポリエステルは、脂肪族又は脂環式ジオール成分と脂肪族又は脂環式ジカルボン酸成分との縮重合、脂肪族又は脂環式ヒドロキシカルボン酸の縮重合、ラクトン類の開環重合、又はこれらの組み合わせにより製造される。各単量体成分は複数種組み合わせて用いることもできる。脂肪族又は脂環式ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール;ジエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオールなどが例示される。脂肪族又は脂環式ジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。脂肪族又は脂環式ヒドロキシカルボン酸及びラクトン類としては、前記例示のものを使用できる。
上記の脂肪族ポリエステルにおいては、脂肪族又は脂環式ジカルボン酸成分の一部(例えば0.1〜50モル%程度)を芳香族ジカルボン酸成分で置き換えてもよい。このようにして得られるポリエステル(芳香族脂肪族ポリエステル)をポリ乳酸系重合体に添加して得られるフィルムは、耐衝撃性に特に優れ、熱収縮させた後にも破断しにくいという特徴を有する。前記芳香環ジカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。
前記脂肪族ポリエステルの代表的な例として、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリカプロラクトン(PCL)などが挙げられる。中でも、PBS、PCL、及びこれらの混合物などが好適に利用される。
前記樹脂層は、ポリ乳酸系重合体を50〜80重量%及び脂肪族ポリエステルを20〜50重量%含んでおり、好ましくはポリ乳酸系重合体を50〜70重量%及び脂肪族ポリエステルを30〜50重量%含んでいる。脂肪族ポリエステルの割合が多すぎると、フィルムが柔らかくなりすぎて収縮仕上がり性が低下しやすく、表面がべたついて取扱性に劣る他、透明性が低下しやすい。一方、脂肪族ポリエステルの割合が少なすぎると、シール強度の向上効果が得られにくい。
樹脂層は、ポリ乳酸系重合体及び脂肪族ポリエステル以外に他の樹脂成分、例えば、脂肪族ポリエステルアミド、脂肪族ポリエステルエーテル、脂肪族ポリエステルカーボネートなどの生分解性樹脂などを少量含んでいてもよい。これらの樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
樹脂層は、必要に応じてその他の成分、例えば、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等を含んでいてもよい。
本発明の熱収縮性フィルムによれば、少なくとも表層部に、上記構成の樹脂層を有しているため、フィルムの柔軟性が向上し、優れた溶断シール強度が得られるとともに、熱ブロッキング性が付与される。そのため、静電シールをした場合にも、熱収縮後にシール部位が熱ブロッキングすることにより高い接着強度を得ることができる。
本発明の熱収縮性フィルムは、上記構成の樹脂層を有していればよく、樹脂層の単層体、積層体、樹脂層以外に他の層が積層された積層体のいずれであってもよい。前記他の層は、例えば、ポリ乳酸系重合体等の生分解性樹脂を含む樹脂組成物(例えば、ポリ乳酸系重合体を80重量%より多く含む樹脂組成物)により形成できる。他の層は、ポリ乳酸系重合体以外の樹脂成分、及び必要に応じてその他の成分、例えば、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等を含んでいてもよい。
本発明の熱収縮性フィルムの好ましい態様としては、ポリ乳酸系重合体を50〜80重量%及び脂肪族ポリエステルを20〜50重量%含む表層及び裏層と、ポリ乳酸系重合体を80重量%より多く含む中心層とからなる多層構造を有するフィルムが挙げられる。このようなフィルムは、表層及び裏層が上記構成を有するため、静電シール後の熱収縮により、静電シール部において高い熱ブロッキング性が発揮される。さらに、上記構成の中心層を設けることにより、優れた透明性が得られ、且つ自然収縮を防ぐことができるという効果を奏する。中心層は、ポリ乳酸系重合体以外の樹脂成分、例えば、脂肪族ポリエステル、その他の生分解性樹脂、多糖類などの樹脂層においてポリ乳酸系重合体以外に含んでいてもよい樹脂成分として例示のものを少量含んでいてもよい。表層との積層強度の点から、中心層は、ポリ乳酸系重合体以外の樹脂成分を例えば20重量%未満(好ましくは10重量%未満)の割合で含んでいることが好ましい。
熱収縮性フィルムが表層及び裏層と中心層とで構成される場合、各層を構成する樹脂全体に占めるポリ乳酸系重合体の割合は、表層及び裏層においては、例えば50〜80重量%、好ましくは50〜70重量%であり、中心層においては、例えば80〜100重量%、好ましくは80〜90重量%である。また、各層の厚みの比率は、本発明のフィルムの特性を損なわない範囲から適宜選択でき、例えば表層(及び裏層):中心層=5〜100:100(重量比)、好ましくは10〜100:100程度の範囲から選択することができる。
熱収縮性フィルムを構成する樹脂全体に占めるポリ乳酸系重合体の割合は、通常50重量%以上、例えば50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは65〜85重量%である。ポリ乳酸系重合体の割合が少ないと、透明性が低下したり、脂肪族ポリエステル等を多く混合した場合には軟らかくなりすぎて収縮仕上がり性が低下しやすくなる。
熱収縮性フィルムの総厚みは、通常8〜100μm、好ましくは10〜60μm、さらに好ましくは10〜30μm程度である。フィルムの厚みが8μm未満の場合は、機械的強度が低下して破れやすくなり、フィルムの厚みが100μmを超えると、コストがかかり実用的でない。また、熱収縮性フィルムとしては、商品がはっきりと視認できるように、透明性の高いものが好ましい。
熱収縮性フィルムは、フィルムを製造する際の慣用の方法、例えば、押出法により製造できる。例えば、Tダイ又は環状ダイを備えた押出機を用いて、樹脂層を構成する樹脂組成物を溶融押出し成形するか、又は、多層構造を有する場合には、樹脂層を構成する樹脂組成物を他の層を構成する樹脂組成物と共に共押出し成形して、冷却ロールにより冷却した後、延伸処理することにより製造できる。
延伸はテンター方式、チューブ方式の何れの方式で行うこともできる。延伸は一軸延伸(横一軸延伸又は縦一軸延伸)であっても二軸延伸であってもよい。一軸延伸の場合、延伸処理は、例えば、70〜100℃程度の温度で、幅方向(横方向;TD方向)(又は長さ方向)に1.5〜10倍、好ましくは2〜8倍程度延伸し、必要に応じて、長さ方向(縦方向;MD方向)(又は横方向)にも低い延伸倍率(例えば1.5倍程度以下)で延伸することにより行われる。また、二軸延伸の場合の延伸処理は、例えば、70〜100℃程度の温度下、一方の方向(例えば幅方向)に1.5〜10倍、好ましくは2〜8倍程度、他方の方向(例えば長さ方向)に1.5〜10倍、好ましくは2〜8倍程度延伸することにより行われる。
熱収縮性フィルムの熱収縮率は少なくとも一方向に15%以上、好ましくは30%以上である。例えば、一軸延伸フィルムの場合、80℃の熱水に10秒間浸漬処理したとき、主延伸方向において、通常20〜70%、好ましくは20〜60%程度である。また、二軸延伸フィルムの場合の熱収縮率は、80℃の熱水に10秒間浸漬処理したとき、一方の方向(例えば幅方向)において、通常20〜70%、好ましくは20〜60%程度、他方の方向(例えば長さ方向)において、通常20〜70%、好ましくは20〜60%程度である。熱収縮率が低すぎると、物品(群)を緊密にラップすることが困難になりやすく、熱収縮率が高すぎると、製造が困難であるとともに、収縮応力が強くなり、被包装物の変形や収縮時のシール破袋が起こりやすい。
こうして得られる熱収縮性フィルムは、フィルムが柔らかく取扱性に優れ、しかも十分なシール強度を発揮することができる。熱収縮性フィルムの溶断シール強度は、例えば20〜25N/15mm(フィルム厚み20μm)である。
本発明の熱収縮性フィルムは、包装材や収縮ラベル材として使用することができ、特に、比較的重い物品を包装する包装材や複数個の物品を集積包装する包装材等として好適に利用できる。
本発明の包装体は、物品が、上記本発明の熱収縮性フィルムにより包装されている。被包される物品としては、特に限定されず、例えば、内容物の入った缶、ガラス瓶、プラスチックボトル(PETボトル等)、紙パック等の内容物入り容器;円筒状、球状、角柱状等の物品;凹凸のある物品等が例示され、これらの物品を個包装又は複数個を一まとめにして包装することができる。前記内容物としては、特に制限されず、例えば、ビール、日本酒、ワイン等の酒類、ジュース類、炭酸飲料、水、お茶などの飲料;肉、魚肉、果物などの食品類;ペットフード、医薬品、工業用薬品、化粧品、洗剤などが挙げられる。
本発明の包装体の好ましい態様としては、静電シール部を有しており、該静電シール部が熱収縮時の熱によってブロッキングしている包装体が挙げられる。このような包装体は静電シール部の接着強度が大幅に向上し、高いシール強度が発揮されるため、特に、重量物の包装体、物品集積包装体などに好適である。
本発明の包装体は、例えば図1に示されるように、複数個の物品(缶ビール等)3を、袋状の上記本発明の熱収縮性フィルム(例えば二軸延伸フィルム)1で被包し、加熱により熱収縮させて、物品群を緊密に一括包装することにより製造できる。前記袋状の熱収縮性フィルムは、幅広の熱収縮性フィルムを丸めて重ねた両端を帯電させて静電シールすることによりスリーブ状(筒状)とし、この中に一又は複数の物品(被包装物)を挿入した後、必要に応じてそのスリーブの両端側を熱溶着(ヒートシール、溶断シール、インパルスシール等)することにより形成できる。なお、熱収縮性フィルムをスリーブ状にする工程は、物品の挿入後であってもよい。図1において、2aは熱溶着部、2bは静電シール部である。
このような袋状の熱収縮性フィルムを熱収縮させると、スリーブ状にする工程で静電シールしたフィルムの重ね合わせ部分において、熱により熱ブロッキング性が発現したフィルムがその重なる面同士で強固に固着する(図1における静電シール部2b)。従来、静電シールは熱収縮後に剥離しやすいという問題があったが、本発明の包装体は、上記熱ブロッキング性の発現により静電シール部の接着強度が大幅に向上し、高いシール強度を発揮できる。
なお、前記スリーブ状のフィルムの両端を熱溶着した場合には、熱収縮により、熱溶着部分の一部(一方の端部に付き通常2箇所)に、図1に示されるような皺状突起4が生じる。
前記静電シールは、通常、フィルムに電圧をかけて帯電することにより静電気を利用してフィルムを接合させる方法により行われる。なお、静電シールに代えて、フィルム表面にコロナ放電処理した後にフィルムを重ね合わせてもよく、通常のヒートシールなどの方法を用いて熱溶着してもよい。
前記熱収縮は、公知の方法により行われ、温度が、例えば100〜250℃(好ましくは140〜160℃)程度の熱風を3〜10秒程度吹き付けるか又は熱風トンネルを通過させることにより熱収縮させる方法などが用いられる。また、熱収縮により得られた包装体には、適宜取っ手を取り付けてもよい。
なお、静電シール部のフィルムの重なり幅は、例えば15〜100mm、好ましくは20〜30mmである。重なり幅が小さすぎるとシールが不十分となって剥離や破れが生じやすくなり、重なり幅が広すぎるとシール後の重なり部分に空気が残存するため収縮時に剥離しやすくなり、作業性を損なうため好ましくない。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
熱収縮性フィルムとして、ポリ乳酸系重合体(PLA)70重量%、ポリブチレンサクシネート(PBS)20重量%、及びポリカプロラクトン10重量%で構成される表層及び裏層と、PLA90重量%とPBS10重量%からなる中心層とが、表層/中心層/裏層の順で積層した3層フィルム[総厚み20μm(厚みの比率 表層:中心層:裏層=1:8:1)]を用いた。この熱収縮性フィルムの熱収縮率は、80℃の熱水に10秒間浸漬処理した時、幅方向において40%、長さ方向において30%であった。
上記帯状の熱収縮性フィルムを、図1に示されるように、幅方向に丸めて両端の部分を静電シールしてスリーブ状とし、この中に350ml缶を互いの缶表面を接触させた状態で2列×3個の配列で設置し、前記スリーブ状フィルムの左右両端を溶断シールにより熱溶着させた。続いて、この包装体を140℃の熱風トンネル内に導入してフィルムを収縮させ、計6個の350ml缶を緊密に密着包装し、物品集積包装体を得た。
得られた包装体は、外観について、緊密に包装されており、透明性も高く、静電シール部が熱ブロッキングされているので剥離や破れが生じにくく、また、フィルムが柔らかいため溶断シール部分が破れにくく、重量のある内容物の包装体として適していた。さらに、被包フィルムが生分解性の樹脂で形成されているので、使用後に自然界に廃棄されても環境への負荷が極めて小さい。
比較例1
実施例1において、3層構成の熱収縮性フィルムの代わりにポリ乳酸系重合体(PLA)のみで構成される単層の熱収縮性フィルム(厚み20μm)を用いた点以外は、実施例1と同様の操作を行って物品集積包装体を得た。
得られた包装体は、静電シール部が剥離しやすく、さらに、溶断シール部が硬く取扱中に引っかかりやすかった。
(評価試験)
熱収縮後の静電シール部のシール強度
実施例及び比較例により得られた包装体において、静電シール部よりシール方向と直行する方向に15mm幅の試験片を切り取り、該試験片の両端をチャックで挟み、引っ張り速度300mm/minの条件下、オートグラフ(SHIMADZU AG−500N)を用いて剪断方向の強度を測定した。実施例の試験片は、シール部分が剥離せずフィルムが破断し、このときの強度(破断強度)は23N/15mmであった。比較例のフィルムのシール強度は13N/15mmであった。
溶断シール強度
実施例及び比較例により得られた熱収縮性フィルムに対し、溶断シールを施した後、溶断シール部よりシール方向と直行する方向に15mm幅の試験片を切り取り、該試験片の両端をチャックで挟み、引っ張り速度300mm/minの条件下、オートグラフ(SHIMADZU AG−500N)を用いて剪断方向の強度を測定した。実施例のフィルムの溶断シール強度は23N/15mmであり、比較例のフィルムの溶断シール強度は7N/15mmであった。
本発明の熱収縮性フィルムを用いた包装体の一例とその製造工程を示す概略図である。
符号の説明
1 熱収縮性フィルム
2a 熱溶着部
2b 静電シール部
3 物品
4 皺状突起

Claims (4)

  1. 少なくとも表層部に、ポリ乳酸系重合体を50〜80重量%及び脂肪族ポリエステルを20〜50重量%含む樹脂層を有する熱収縮性フィルム。
  2. ポリ乳酸系重合体を50〜80重量%及び脂肪族ポリエステルを20〜50重量%含む表層及び裏層と、ポリ乳酸系重合体を80重量%より多く含む中心層とからなる多層構造を有する請求項1記載の熱収縮性フィルム。
  3. 物品が、請求項1又は2に記載の熱収縮性フィルムにより包装されている包装体。
  4. 静電シール部を有しており、該静電シール部が熱収縮時の熱によってブロッキングしている請求項3記載の包装体。
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