JP2007268841A - 積層シュリンクラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のシュリンクラベルは、ポリ乳酸系重合体を主成分とするフィルム層(A層)、芳香族ポリエステル系樹脂を主成分とするフィルム層(B層)を少なくとも1層ずつ有する積層シュリンクフィルム及び印刷層を有することを特徴としている。
【選択図】なし
Description
本発明のシュリンクフィルムに用いるポリ乳酸系重合体は、トウモロコシや芋類などから得られたデンプンを原料として製造された乳酸を重合して製造する。重合法としては、既知の方法を用いることができ、例えば、乳酸を直接脱水縮合重合する方法や、乳酸を2量化してラクチドを合成した後に開環重合する方法などが挙げられる。本発明のシュリンクフィルムに用いる芳香族ポリエステル系樹脂は、既知の手法を用いて重合することができ、例えば、テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル反応により、低分子量のポリエチレンテレフタレートを得、さらに、3酸化アンチモンなどを触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセスなどが用いられる。必要に応じて、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを共重合してもよい。
また、これらの樹脂は、市販のものを用いることができる。例えば、ポリ乳酸系重合体としては、三井化学(株)製「レイシア」、ネイチャーワークス社製「ネイチャーワークス」等を用いてもよい。また、芳香族ポリエステル系樹脂としては、例えば、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナイト」やEastman Chemical社製「Embrace」等を用いることが可能である。また、必要に応じて、コストやリサイクルの観点から、回収原料を一定量添加することも可能である。
次に、上記のようにして得られた長尺状のシュリンクフィルムの少なくとも一方の面に印刷層を形成し、長尺状シュリンクラベルを作製する。印刷層は、顔料、バインダー樹脂、溶剤、その他の添加剤等を混合して調製した印刷インキを塗布することにより形成する。塗布の方法は、シュリンクフィルムの製造工程中(例えば、未延伸または縦1軸延伸後)に塗布を行うインラインコートによって設けてもよいし、フィルム製膜後に塗布を行うオフラインコートによって設けてもよく、特に限定されないが、生産性、加工性などの観点から、オフラインコートが好ましい。また、印刷手法としては、慣用の方法を用いることができるが、グラビア印刷またはフレキソ印刷が最も好ましい。
最後に、上記で得られた長尺筒状シュリンクラベルを切断後、所定の容器に装着し、加熱処理によって、ラベルを収縮、容器に追従密着させることによってラベル付き容器を作製する。上記長尺筒状シュリンクラベルを、自動ラベル装着装置(シュリンクラベラー)に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填した容器に外嵌し、所定温度の熱風トンネルやスチームトンネルを通過させたり、赤外線等の輻射熱で加熱して熱収縮させ、容器に密着させて、ラベル付き容器を得る。上記加熱処理としては、例えば、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)ことなどが例示される。
センターシールされた筒状シュリンクラベルを、ラベルの高さ方向に15mm幅となるように、ラベルの円周方向に切断し、幅15mmのリング状のラベル片を採取した後、前記リング状ラベル片を、センターシールが施された部分(以下、シール部分という)以外の部分で切開し、上記円周方向が長辺となる短冊状のサンプル片を作成する。
T型剥離されるように、上記のサンプル片をチャックして、引張試験機で引っ張ることにより、下記の条件で、T型剥離試験(JIS K 6854−3に準拠)を行う。なお、初期チャック間隔は40mmであり、シール部分がチャック間の中心となるようにセットして測定を行う。また、試験はサンプル片の破断まで行う。
試験で得られた最大荷重をもってシール強度(N)とし、該シール強度が2N以上であればセンタシール性が良好(○)と判断し、2N未満の場合にはシール性が不良(×)と判断する。
(なお、上記の測定に際しては、必要に応じて、伸びないフィルム片をつなぎ合わせて測定に用いてもよい。)
測定装置 : 島津製作所(株)製オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)
温湿度 : 温度23±2℃、湿度50±5%RH(JIS K 7000標準温度状態2級)
初期チャック間隔 : 40mm
サンプル幅 : 15mm
試験回数 : 3回
クロスヘッド移動速度 : 200mm/分
実施例、比較例で得られたシュリンクフィルムから、シュリンクフィルム主延伸方向(実施例、比較例では幅方向)に200mm、主延伸方向と直交する方向(実施例、比較例では長手方向)に15mmの略矩形のフィルム片を切り出しサンプルとした。
引張試験機(島津製作所(株)製「オートグラフ AGS−50G」、ロードセル500N)のチャックにチャック間距離100mmでセット(シュリンクフィルムの主延伸方向が引張試験機の引張方向)し、チャック間距離(100mm)を保持した状態で、85℃の温水に10秒浸漬した。なお、チャック間100mmのうち、80mmまでの部分を温水に浸漬した。
この際に生じた応力を検出し、最大値を収縮応力とした。
JIS K 7136に準じて測定を行う。40μm厚みに換算して、以下の基準で評価する。
5.0以下 : ラベル用途として優れた透明性である(◎)。
5.0より大、10以下 : ラベル用途として十分な透明性である(○)。
10より大 : ラベル用途として不十分な透明性である(×)。
フィルム厚みは、ダイヤルゲージを用いて測定した。印刷層厚みは、印刷層を設けた部分(塗布面)と印刷層を設けていない部分(非塗布面)の段差を、3次元顕微鏡(キーエンス(株)製VK8510)を用いて測定した。
シュリンクフィルムから、測定方向(長手方向または幅方向)に長さ200mm(標線間隔150mm)、幅10mmの長方形のサンプル片を作成する。
サンプル片を90℃の温水中で、10秒熱処理(無荷重下)し、熱処理前後の標線間隔の差を読み取り、以下の計算式で熱収縮率を算出する。
熱収縮率(%) = (L0−L1)/L0×100
L0 : 熱処理前の標線間隔
L1 : 熱処理後の標線間隔
A層樹脂として、ポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製「レイシア H−280」)70重量%とポリブチレンサクシネート(昭和高分子(株)製「ビオノーレ」)30重量%の混合樹脂(樹脂A1)を用いた。また、B層樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(三菱レイヨン(株)製「ダイヤナイト」100重量%(樹脂B1)を用いた。
210℃に加熱した押出機aに、樹脂A1を投入し、225℃に加熱した押出機bには、樹脂B1を投入した。上記2台の押出機を用いて、溶融押出を行った。押出機aから押出される樹脂が基層部、押出機bから押出される樹脂が基層部両側の積層部となるように、合流ブロックを用いて合流させ、Tダイ(スリット間隔1mm)より押出した後、25℃に冷却したキャスティングドラム上で急冷して、積層部(B1)/基層部(A1)/積層部(B1)の2種3層積層未延伸フィルムを得た。未延伸フィルムの積層厚み比は、積層部/基層部/積層部=1/3/1であった。
次に、該未延伸フィルムを、ロール延伸機を用いて、長さ方向に1.3倍延伸した後、幅方向に5.3倍テンター延伸することにより、主に1軸方向に収縮する2軸延伸フィルム(シュリンクフィルム)を得た。フィルムの総厚みは50μm(層厚み比:1/3/1)であった。得られたシュリンクフィルム熱収縮率(90℃)は64%、収縮応力は5.1MPaであった。
続いて、得られたシュリンクフィルムの片面にアクリル系インキ(商品名「PS−985」、サカタインクス社製)をグラビア印刷により塗布、印刷層(厚み3μm)を形成し、シュリンクラベルを得た。
上記シュリンクラベルを、印刷面が内側となり、且つ、フィルムの幅方向が円周方向となるように筒状に丸めて、テトラヒドロフラン(THF)でセンタシールし、筒状シュリンクラベルを得た。
最後に、上記筒状シュリンクラベルを、容器(東洋製罐(株)製500ml耐熱角形PETボトル)に装着し、雰囲気温度90℃のスチームトンネルで加熱収縮して、ラベル付き容器を得た。得られたラベル付き容器は「しわ」や「印刷の歪み」などの印刷不良がなく、優れた仕上がりの容器であった。
B層樹脂を、CHDM共重合PET(Eastman Chemical社製「Embrace」)100重量%(樹脂B2)に変更し、実施例1と同様にして、シュリンクフィルムを得た。フィルムの総厚みは50μm(層厚み比:1/3/1)であった。得られたシュリンクフィルム熱収縮率(90℃)は68%、収縮応力は6.2MPaであった。
また、実施例1と同様にして、シュリンクラベル、ラベル付き容器を得た。得られたラベル付き容器は「しわ」や「印刷の歪み」などの印刷不良がなく、優れた仕上がりの容器であった。
押出機1台のみを用い、樹脂A1からなる単層フィルムを作製した。
210℃に加熱した押出機に、樹脂A1を100重量%投入して、Tダイ(スリット間隔1mm)より溶融押出した後、25℃に冷却したキャスティングドラム上で急冷して、単層未延伸フィルムを得た。さらに、実施例1と同様にして、シュリンクフィルムを得た。フィルムの総厚みは50μmであった。得られたシュリンクフィルムの熱収縮率(90℃)は62%、収縮応力は2.3MPaであった。
また、実施例1と同様にして、シュリンクラベル、ラベル付き容器を得た。得られたラベル付き容器は、「しわ」や「印刷の歪み」が発生し、仕上がりの劣る容器であった。
Claims (3)
- ポリ乳酸系重合体を主成分とするフィルム層(A層)、芳香族ポリエステル系樹脂を主成分とするフィルム層(B層)を少なくとも1層ずつ有する積層シュリンクフィルム及び印刷層を有することを特徴とするシュリンクラベル。
- 前記シュリンクフィルムが、A層の両側にB層を有する積層フィルムである請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 前記芳香族ポリエステル系樹脂が、分子中にエチレンテレフタレート単位を50重量%以上有するポリエチレンテレフタレートである請求項1または2に記載のシュリンクラベル。
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