JP4418551B2 - 曲げ加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺状の素材を曲げ加工する曲げ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パイプや丸棒等の長尺状の素材を曲げ加工する際、素材を曲げ形状に応じた曲げ型と、締め型とにより素材を挟持し、締め型を曲げ型の廻りに公転させる曲げ装置が知られている。また、素材の後端をキャリッジに搭載したチャック機構により把持し、キャリッジを素材長手方向に移動させると共に、チャック機構を素材の長手方向の廻りに180度回転させて、素材をひねり、素材を左右両方に曲げ加工できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来のものでは、長尺状の素材の直径が細い場合、チャック機構を回転させると、長尺状の素材が振れてしまい、振れが収まるまで曲げ加工ができず、タクトタイムが長くなるという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、細い長尺状の素材であっても、短時間で曲げ加工できる曲げ加工装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
長尺状の素材を曲げ加工する曲げ加工装置において、
前記素材の両側に配置され前記素材を挟持する一対の曲げ型と、
前記素材に直交し前記一対の曲げ型をそれぞれその中心の廻りに回転可能に支持する一対の支持軸を設けた旋回台と、
該旋回台に前記一対の曲げ型の中心に平行な出力軸を前記一対の曲げ型の中心を結ぶ線方向と平行に摺動可能に連結し前記出力軸を回転して前記旋回台を旋回させる駆動源と、
前記出力軸を前記一対の曲げ型の両中心間で移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする曲げ加工装置がそれである。
【0006】
また、前記一対の曲げ型を移動して前記素材を挟持させる挟持機構を設けた構成としてもよい。更に、前記旋回台の旋回を規制する規制機構を設けた構成としてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、1はパイプや丸棒等の長尺状の素材であり、素材1はノズル部材2により案内されて、その長手方向に供給されるように構成されている。ノズル部材2から供給される素材1の両側に、素材1を間に挟んで一対の曲げ型4,6が配置されている。一対の曲げ型4,6は、素材1の曲げ形状に応じて形成されており、本実施形態では、一対の曲げ型4,6の外周には、素材1の直径に応じた溝8,10が形成されている。
【0008】
一対の曲げ型4,6は、素材1と直交する一対の支持軸12,14にそれぞれ回転可能に支持されており、一対の支持軸12,14はシリンダ部材16,18にそれぞれ取り付けられている。一対のシリンダ部材16,18は旋回台19にアリ溝機構等を用いて支持軸12,14と直交する方向に摺動可能に支持されている。
【0009】
一対のシリンダ部材16,18にはそれぞれピストン20,22がシリンダ部材16,18の摺動方向と同方向に移動可能に挿入されて、一対の挟持シリンダ23a、23bが形成されている。一対のピストン20,22と一体のロッド24,26がシリンダ部材16,18から外部に突出されており、ロッド24,26の先端は、それぞれ旋回台19に取り付けられている。尚、本実施形態では、シリンダ部材16,18、旋回台19,ピストン20,22により挟持機構27を構成している。
【0010】
旋回台19には、その下面にアリ溝機構等を用いて連結部材28が摺動可能に支持されている。この摺動方向は一対の曲げ型4,6の中心を結ぶ線方向と平行に構成されている。連結部材28には、減速機30の出力軸32が固定されており、減速機30には電動モータ34が取り付けられ、電動モータ34の回転により出力軸32が回転するように構成されている。尚、本実施形態では、減速機30、電動モータ34により駆動源35を構成している。
【0011】
減速機30は、移動台36に取り付けられており、移動台36は支持部材38に敷設された一対のレール40,42に案内されて、素材1と直交する方向に移動可能に支持されている。移動台36は、支持部材38上に配置された移動シリンダ44によりレール40,42に沿って移動駆動されると共に、出力軸32の中心を一対の曲げ型4,6の中心間で移動できるように構成されている。尚、本実施形態では、移動台36、支持部材38、移動シリンダ44、レール40,42により移動機構46を構成している。
【0012】
一方、旋回台19には、規制シリンダ48が取り付けられており、規制シリンダ48のロッド先端には、規制部材50が取り付けられている。規制シリンダ48に対向して、支持部材38には、挿入孔52が穿設されており、規制シリンダ48を駆動して、規制部材50を挿入孔52に挿入できるように構成されている。尚、本実施形態では、規制シリンダ48、規制部材50、挿入孔52により規制機構55を構成している。
【0013】
また、旋回台19には、ラック54が旋回台19の摺動方向と平行に取り付けられている。連結部材28には係止シリンダ56が取り付けられており、係止シリンダ56のロッド先端には、ラック54に対向して係止歯58が取り付けられている。係止シリンダ56を駆動して係止歯58をラック54に係止させることにより、旋回台19と連結部材28との相対的な摺動を規制させることができるように構成されている。尚、本実施形態では、係止シリンダ56、ラック54、係止歯58により係止機構60を構成している。
【0014】
次に、前述した本実施形態の曲げ加工装置の作動について説明する。
まず、挟持機構27の両挟持シリンダ23a,23bを駆動して、シリンダ部材16,18を、一対の曲げ型4,6が離間する方向に摺動させる。これにより、一対の曲げ型4,6が離間し、両曲げ型4,6の溝8,10の間に素材1を供給できる。
【0015】
素材1を供給した後、両挟持シリンダ23a,23bを駆動して、シリンダ部材16,18を摺動させる。これにより、素材1は一対の曲げ型4,6の溝8,10により挟持される。また、係止シリンダ56を駆動して係止歯58をラック54に係止させ、旋回台19と連結部材28との相対的な摺動を規制する。
【0016】
そして、図2に示す出力軸32の中心と他方の曲げ型6の中心とが一致した状態で、電動モータ34を駆動すると、減速機30、出力軸32、連結部材28を介して、旋回台19が、図3に示す矢印Aの方向に、支持軸14を中心として旋回される。これにより、一方の曲げ型4が図3に二点鎖線で示すように、他方の曲げ型6の廻りに公転され、素材1がその公転角度に応じて曲げ加工される。
【0017】
素材1を逆方向に曲げ加工する場合には、素材1を軸方向に所定量供給する。係止シリンダ56を駆動して、係止歯58とラック54との係止を解除すると共に、規制シリンダ48を駆動して、挿入孔52に規制部材50を挿入する。そして、移動シリンダ44を駆動して、移動台36をレール40,42に沿って移動し、連結部材28を旋回台19に対して摺動させ、出力軸32の中心と、一方の曲げ型4の中心とを一致させる。移動台36を移動する際に、挿入孔52に規制部材50が挿入されるので、旋回台19は規制機構55により、支持部材38との間の相対的な移動が規制される。
【0018】
そして、規制シリンダ48を駆動して、挿入孔52から規制部材50を引き抜くと共に、係止シリンダ56を駆動して係止歯58とラック54とを係止させ、旋回台19と連結部材28との相対的な摺動を規制する。続いて、電動モータ34を駆動して、減速機30、出力軸32、連結部材28を介して、旋回台19を一方の曲げ型4を中心として、図3の矢印B方向に旋回する。よって、他方の曲げ型6は、図3に二点鎖線で示すように、一方の曲げ型4の廻りに公転して、素材1が公転角度に応じて曲げ加工される。
【0019】
このように、本実施形態では、減速機30、電動モータ34を移動シリンダ44により、一対の曲げ型4,6の中心間で移動して、素材1を180度ひねることなく、左右逆方向に曲げ加工することができる。従って、曲げ方向を変えても、素材1の直径が細い場合でも素材1が振れることがなく、出力軸32を移動して直ちに曲げ加工することができるので、タクトタイムを短縮できる。
【0020】
尚、本実施形態では、減速機30の出力軸32を連結部材28に取り付けたが、これに限らず、減速機30と電動モータ34とを支持部材38に固定し、減速機30の出力軸の回転を、移動台36に回転可能に支持した回転軸にベルト等を介して伝達するようにしてもよい。
【0021】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の曲げ加工装置は、駆動源を移動して、一対の曲げ型を曲げ方向に応じて旋回台の回転方向に変えて素材を曲げ加工するので、素材の直径が細い場合でも、素材が振れることがなく、タクトタイムを短縮することができるという効果を奏する。
【0023】
また、挟持機構を設けることにより、一対の曲げ型による素材の挟持と開放とを行うことができ、素材の供給が容易になる。更に、規制機構を設けることにより、駆動源を移動する際に、旋回台の移動を規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての曲げ加工装置の正面図である。
【図2】図1のCC断面図である。
【図3】本実施形態の曲げ加工装置の平面図である。
【符号の説明】
1…素材 4,6…曲げ型
12,14…支持軸
16,18…シリンダ部材
19…旋回台
23a,23b…挟持シリンダ
27…挟持機構 28…連結部材
30…減速機 32…出力軸
34…電動モータ 35…駆動源
36…移動台 38…支持部材
44…移動シリンダ 46…移動機構
48…規制シリンダ 50…規制部材
52…挿入孔 55…規制機構
60…係止機構

Claims (3)

  1. 長尺状の素材を曲げ加工する曲げ加工装置において、
    前記素材の両側に配置され前記素材を挟持する一対の曲げ型と、
    前記素材に直交し前記一対の曲げ型をそれぞれその中心の廻りに回転可能に支持する一対の支持軸を設けた旋回台と、
    該旋回台に前記一対の曲げ型の中心に平行な出力軸を前記一対の曲げ型の中心を結ぶ線方向と平行に摺動可能に連結し前記出力軸を回転して前記旋回台を旋回させる駆動源と、
    前記出力軸を前記一対の曲げ型の両中心間で移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする曲げ加工装置。
  2. 前記一対の曲げ型を移動して前記素材を挟持させる挟持機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の曲げ加工装置。
  3. 前記旋回台の旋回を規制する規制機構を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の曲げ加工装置。
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