JP4416909B2 - 法面保護工 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、切り通し道路の側方などに形成される法面を保護する法面保護工に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の法面保護工は、法面に沿って水平方向に形成された横梁と、この横梁と直角に交差して法面に沿って上下方向に形成された縦梁とからなり、前記縦梁と前記横梁とは幅及び高さが同等であって、全体として格子状をなしていた。
【0003】
このような法面保護工に用いられる縦梁及び横梁は、一般に四角柱状であることが多い。したがって、両梁が法面に定着された際には、両梁の上面は前記法面に対して平行となり、両梁の側面は前記法面に対して垂直となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の法面保護工を切り通し道路の側方に形成した場合には、前記横梁の上面が前記法面に対して平行であるために、該上面により光が前記道路の方向に反射される。そのため、前記道路を走行する車両の乗員から見て前記横梁が視覚的に強調されることとなり、その結果、従来の法面保護工は格子状であることが視覚的に強調されて、見た目に複雑で人工的な印象を強く感じさせるという不具合があった。
【0005】
また、上記のような法面保護工は、法面に型枠を配置した後にコンクリートを場所打ちして形成するか、コンクリートの吹きつけにより形成することが多い。横梁をコンクリートの場所打ちにより形成する場合には、型枠に生コンクリートを打設するが、該型枠は法面と平行な上面が開口しているため、横梁の形成に要する生コンクリートの全量を一度に打設することはできない。すなわち、前記型枠の2つの側面のうち法面の下方向に位置する側面の上端にまで生コンクリートが達すると、それ以降は流動性の高い生コンクリートが前記型枠の上面から外部に漏出することとなる。
【0006】
したがって、まず前記側面の上端に達するまで流動性の高い生コンクリートを打設して、その後は流動性の低い生コンクリートを使用して横梁を形成する等の手段を用いる必要があり、作業効率がいいとは言えなかった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、交差する両梁のうち横梁の視覚的な印象を低くすることにより、縦梁を視覚的に強調して見せて、法面にすっきりした印象を与え、程良い秩序を有しているような印象を与えることにある。
【0007】
また、場所打ちのコンクリートを用いる場合には、生コンクリートの打設を容易にして作業の効率を向上させることも併せて目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち本発明の法面保護工は、法面の上下方向に向けられて相互に平行に配された複数の縦梁と、該縦梁と交差する方向に向けられて相互に平行に配された複数の横梁とから格子状に形成され、前記法面に定着される法面保護工において、前記法面に定着された前記横梁が有する面のうち前記法面に平行な面は底面のみとし、略上方を向いた面は水平面のみとし、さらに前記横梁は前記法面に対して垂直な側面を有するとともに、前記横梁を前記縦梁よりも低く形成したことを特徴とする。
【0009】
このような構成であれば、前記法面に定着された前記横梁は前記法面と平行な面を有しておらず、略上方を向いた面は水平面のみである。したがって、本発明の法面保護工を切り通し道路の側方に形成した場合には、前記横梁により光が前記道路の方向に反射される可能性が低いので、前記道路を走行する車両の乗員から見て前記横梁が強調されることがなく、前記横梁の視覚的な印象が低下する。その結果、前記縦梁が視覚的に強調されて見えるので、前記法面にすっきりした印象を与え、程良い秩序を有しているような印象を与えることができる。
【0010】
また、場所打ちのコンクリートを用いて法面保護工を形成する場合には、前記横梁の型枠の開口面は前記水平面となるから、横梁の形成に要する生コンクリートの全量を一度に打設することができ、しかも、生コンクリートは全て流動性の高いものを使用することができる。したがって、生コンクリートの打設が容易となり、法面保護工の構築作業の効率が高い。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る法面保護工の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の法面保護工の一実施形態を示す一部を切欠した斜視図であり、図2は、横梁3の形状を説明する図1の部分断面図である。
切り通しの法面1に法面保護工が施されている。かかる法面1には、断面矩形の四角柱状の縦梁2が相互に平行且つ所定間隔で多数設けられているとともに、縦梁2よりも高さが若干低い五角柱状の横梁3が、相互に平行且つ所定間隔で多数設けられている。
【0012】
横梁3は場所打ちのコンクリートからなり、法面1において水平方向に延びている。なお、横梁3はプレキャストコンクリート部材や鋼材で構成してもよいし、主筋及びこれに巻き付けた金網を補強筋とした吹きつけコンクリートにより構成してもよい。また、1本の梁により1本の横梁3を形成してもよいし、複数の小型の梁から1本の横梁3を形成してもよい。
【0013】
この角柱状の横梁3は、図2の断面図に示すように断面五角形であって、法面1に沿った底面3eと、該底面3eの上下両端から直角に屈折して延びた2つの側面3c,3d(これ以降は、前記2つの側面のうち、法面1の上方側の側面を上方側面3c、法面1の下方側の側面を下方側面3dと称する)と、該両側面3c,3dの上端から屈折して延びた水平面3a及び垂直面3bとに囲まれた断面形状を有している。なお、水平面とは重力方向に対して直角をなす方向に延びた面を意味し、垂直面とは重力方向に延びた面を意味している。
【0014】
よって、横梁3の有する5面3a〜3eのうち法面1に平行な面は底面3eのみであって、横梁3の上部には有していない。そして、横梁3において略上方を向いている面は水平面3aのみとなっている。
なお、横梁3の形状は図2の例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成されるならば、他の形状でも差し支えない。例えば、図3に示すような断面台形状のものでもよい。すなわち、この横梁3は、法面1に沿った底面3eと、該底面3eの上下両端から直角に屈折して延びた上方側面3c及び下方側面3dと、該両側面3c、3dの上端を結ぶ水平面3aとに囲まれた断面形状を有している。
【0015】
よって、図2の場合と同様に、法面1に平行な面は底面3eのみであって、横梁3の上部には有していない。そして、横梁3において略上方を向いている面は水平面3aのみとなっている。ただし、下方側面3dと水平面3aとの交差部3fのような先鋭な角部が形成される場合には、該部分(交差部3f)を面取りしてもよい。
【0016】
一方、縦梁2は場所打ちのコンクリートからなり、法面1の上下方向に延びている。なお、縦梁2は主筋及びこれに巻き付けた金網を補強筋とした吹きつけコンクリートによって形成することもできる。また、横梁3と同様に、1本の梁により1本の縦梁2を形成してもよいし、複数の小型の梁から1本の縦梁2を形成してもよい。
【0017】
縦梁2は横梁3と直交して法面1に配置され、よってこの実施形態では縦梁2と横梁3とに囲まれた多数の矩形の枠が形成される。なお、縦梁2及び横梁3の一方又は両方を若干傾斜させて、斜め格子状に法面1に配置してもよい。その場合は、縦梁2と横梁3とに囲まれて形成される枠は平行四辺形となる。
縦梁2と横梁3とはその交差部において一体に結合していて、さらに、図示しないアンカーにより縦梁2及び横梁3が法面1に固定されている。
【0018】
法面1には厚層基材用のラス網5が敷設され、その上に横梁3用の型枠が法面1に水平方向に長く配置されるとともに、縦梁2用の型枠が法面1に沿って上下方向に長く配置されている。前記両型枠内には両梁2,3のための主筋6と、これを取り巻く帯筋7とが配筋され、前記両型枠内に生コンクリートが打設される。
【0019】
横梁3用の型枠は横梁3と同形状であって、水平面3aが開口していて生コンクリートを投入できるようになっている。該型枠はその最上部に開口部が形成されていて、該開口部は水平面であるから、横梁3の形成に要する生コンクリートの全量を一度に打設しても流動性の高い生コンクリートが該型枠の外部に漏出することがない。したがって、生コンクリートの打設が容易であり、法面保護工の構築作業の効率が高い。
【0020】
また、生コンクリートを縦梁2用の型枠の上部に投入すれば、該型枠は上下方向に連続しているため、重力と生コンクリートの流動性とを利用して、前記型枠内の下部に至るまで生コンクリートを移動させることができる。このため、シャベル等の道具を用いて生コンクリートを型枠内で均す作業に大きな力を必要とすることなく、コンクリートの打設をすることができる。
【0021】
かかるコンクリートの硬化によって縦梁2及び横梁3の生成と、縦梁2と横梁3との接合を行うことができる。
前記コンクリートの硬化後に、縦梁2と横梁3とに囲まれた法面1にはラス網5上に覆土8を施し、必要に応じてここに植物を植えつける。覆土8には肥料と草本類の種を混入しておけば、後日、法面1上に草本類が成長することになる。なお、覆土8には草本類や木本類の種を混入しておく他、これに苗木を植えつけてもよいことは勿論である。
【0022】
このように本実施形態の法面保護工によれば、横梁3は、略上方を向いている面としては水平面3aしか備えておらず、法面1に平行な面は備えていない。したがって、横梁3の有する面に当たった光が、法面1の下端に設けられた図示しない道路の方向に反射される可能性は低いので、前記道路を走行する車両の乗員から見て横梁3が強調されることがなく、横梁3の視覚的な印象は低くなる。なお、横梁3が縦梁2よりも低く形成されていることも、同様の効果を奏する。その結果、縦梁2が視覚的に強調されて見えるので、法面1にすっきりした印象を与え、程良い秩序を有しているような印象を与えることができる。
【0023】
特に、縦梁2と横梁3とに囲まれた法面1に草本類が繁ることになると、高さが低い横梁3が草本類に隠れることになるから、縦梁2のみが見えることになって、前記のすっきりした印象はさらに強化される。
このような横梁3の視覚的な印象を低下させて縦梁2を視覚的に強調して見せる法面保護工は、不整形な法面に対しても有効である。
【0024】
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明の目的が達成されるならば、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の法面保護工は、横梁の視覚的な印象が低くなり、その結果、縦梁が視覚的に強調されて見えるので、法面にすっきりした印象を与え、程良い秩序を有しているような印象を与えることができる。
また、場所打ちのコンクリートを用いて法面保護工を形成する場合には、横梁の形成に要する生コンクリートの全量を一度に打設することができ、しかも、生コンクリートは全て流動性の高いものを使用することができる。したがって、生コンクリートの打設が容易であり、法面保護工の構築作業の効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の法面保護工の一実施形態を示す一部を切欠した斜視図である。
【図2】横梁の断面図である。
【図3】横梁の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 法面
2 縦梁
3 横梁
3a 水平面
Claims (1)
- 法面の上下方向に向けられて相互に平行に配された複数の縦梁と、該縦梁と交差する方向に向けられて相互に平行に配された複数の横梁とから格子状に形成され、前記法面に定着される法面保護工において、前記法面に定着された前記横梁が有する面のうち前記法面に平行な面は底面のみとし、略上方を向いた面は水平面のみとし、さらに前記横梁は前記法面に対して垂直な側面を有するとともに、前記横梁を前記縦梁よりも低く形成したことを特徴とする法面保護工。
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