JP3558592B2 - 複合コンクリートブロックおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリート表面の植生、緑化等に好適に用いることができるコンクリートブロックであって、特に、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とを備えた、複合コンクリートブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の複合コンクリートブロックとしては、例えば、特開平11−172704号公報に開示の護岸用ブロックや擁壁用ブロックとして用いられる複合コンクリートブロックがあった。この複合コンクリートブロック30は、図14に示すように、ポーラスコンクリート製の中心部31と、その中心部31の側面および裏面を覆う、普通コンクリート製の枠部32とを備え、その枠部32には、厚み方向に貫通して中心部の裏面にまで達する開口部32aが、水抜き等を目的として設けられていた。そして、この複合コンクリートブロック30は、中心部31が枠部32から分離しないように、中心部31の表面から裏面へとテーパー状に枠部32側に広がるように形成されていた。
【0003】
ここで、前記ポーラスコンクリート製の中心部31は、多数の空隙部分を有する構造であるため、例えば、この中心部31の表面に、肥料とともに土壌を敷設し、その土壌等によって空隙部分をも充填することで、植生基盤を形成することができた。そして、この植生基盤に種子を蒔き、その種子が発芽すれば、植生された複合コンクリートブロックが得られた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の複合コンクリートブロック30を製造するには、まず、ポーラスコンクリート製の中心部31を専用の成形型枠で製造し、それを別の成形型枠の中心部に設置して、その周囲に普通コンクリートを打設して枠部32を製造し、これら枠部32と中心部31とを一体化させていた。そのため、後打ちされる普通コンクリートが、ポーラスコンクリート製の中心部31の空隙部に進入してしまい、所定のポーラス領域および空隙率が確保されない問題があった。また、中心部31用の成形型枠と枠部32用の成形型枠とが、それぞれに必要となるとともに、普通コンクリートが後打ちされるため、作業工程が増え、手間がかかる問題もあった。
【0005】
もっとも、生産性の向上を図るには、普通コンクリートとポーラスコンクリートとを、同時打ちによって形成すればよい訳であるが、そのためのモデル実験として、普通コンクリートの上側にポーラスコンクリートが単に積層されているだけの複合コンクリートブロックの製造を試みた。しかし、ポーラスコンクリートと普通コンクリートとを、そのまま同時打ちしたのでは、ポーラスコンクリート側に、普通コンクリートを構成するモルタル分等が進入し、その結果、ポーラスコンクリートとしての機能を確保するに足るポーラス領域および空隙率を維持できないという問題が依然と解消されなかった。
【0006】
この発明は、上記した従来の技術の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率が確保でき、しかも、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とが一体化される複合コンクリートブロックおよびその製造方法を提供することにある。また、この発明の他の目的は、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持しつつ、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とを同時打ちして形成することができる、複合コンクリートブロックおよびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る複合コンクリートブロックおよびその製造方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る複合コンクリートブロックは、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部と、これらポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置して両者を仕切る、単数もしくは複数の仕切り部材とを備え、前記仕切り部材は、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有することを特徴としている。
【0008】
これにより、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とが、仕切り部材の遮蔽部によってさえぎられ、ポーラスコンクリート部側に普通コンクリート部を構成するモルタル分等が進入しないため、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持することができる。一方で、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とは、連通部によって一体としてつながっているので、それぞれに分離してしまうのを防止することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明に係る複合コンクリートブロックのように、前記仕切り部材は、複数の貫通孔を設けたシート体からなり、それら貫通孔が、前記連通部を構成するのが好ましい。これにより、仕切り部材は、連通部と遮蔽部とを容易に形成することができる。ここで、連通部としての貫通孔は、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との結合力を強固にするには、各コンクリート部の接触面積が増えるよう、シート体に対する占有率を大きく取る必要があるが、一方で、その占有率があまりに大きいと、遮蔽部の、シート体に対する占有率が減少して、普通コンクリート部を構成するモルタル分等がポーラスコンクリート側に進入して、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率が維持できない虞がある。よって、連通部としての貫通孔を、シート体に、どれぐらいの大きさでいくつ設けるかについては、遮蔽部の遮断能力と、シート体に対する占有率をも考慮した上で決定される。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る複合コンクリートブロックは、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部と、これらポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置して両者を仕切る、単数もしくは複数の仕切り部材とを備える。そして、この仕切り部材、もしくは、これら仕切り部材の全部または一部は、ブロック外縁部との間に、あるいは、他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置され、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されてなることを特徴とする。これにより、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とは、仕切り部材によって形成される遮蔽部の存在によってさえぎられ、ポーラスコンクリート部側に普通コンクリート部を構成するモルタル分等が進入しないため、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持することができる。一方で、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とは、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部によってつながっているので、それぞれに分離してしまうのを防止することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明に係る複合コンクリートブロックは、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部と、これらポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置して両者を仕切る、単数もしくは複数の仕切り部材とを備える。そして、この仕切り部材、もしくは、これら仕切り部材の全部または一部は、ブロック外縁部との間に、あるいは、他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置され、かつ、前記単数の仕切り部材、もしくは、前記複数の仕切り部材の全部または一部は、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有し、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されてなることを特徴とする。これにより、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とは、仕切り部材が有する遮蔽部によってさえぎられ、ポーラスコンクリート部側に普通コンクリート部を構成するモルタル分等が進入しないため、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持することができる。一方で、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とは、仕切り部材が有する連通部、および、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部によってつながっているので、それぞれに分離してしまうのを防止することができる。
【0012】
また、請求項5に記載の発明に係る複合コンクリートブロックのように、前記仕切り部材は、腐食によって有機質肥料となり得る肥料性部材からなるのが望ましい。これにより、例えば、ポーラスコンクリート部の空隙部に土壌その他の植生基盤材が充填されて植生部を形成する場合、肥料性部材が経時的に腐食して地力を高めるとともに、腐食後に、ポーラスコンクリート部の空隙率を高めて、植生部の根入れ深さを一層深くするので、植物の生育に好適な環境が形成される。
【0013】
また、請求項6に記載の発明に係る複合コンクリートブロックのように前記肥料性部材は、畳、畳床、畳表のうちの一種あるいは二種以上の組み合わせよりなることが望ましい。このように、畳、畳床、または畳表によれば、腐食性、保水性等の特性において、肥料性部材として用いるのに好適である。さらに、処分が苦慮されている使用済の、畳、畳床、または畳表を使用する場合には、資源の再利用および製品コストの削減を図ることができるというメリットがある。
【0014】
また、請求項7に記載の発明に係る複合コンクリートブロックのように、前記ポーラスコンクリート部の空隙部に、土壌その他の植生基盤材を充填して植生部を形成するのが望ましい。こうして、複合コンクリートブロックの緑化を図ることができ、ポーラスコンクリート部としての機能を発揮させることができる。
【0015】
また、請求項8に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか一方を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を配置する。そして、その仕切り部材の上側へと、前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか他方を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする。仮に、仕切り部材を介在させないで、ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートと普通コンクリート部を形成するためのコンクリートとを同時打ちすると、普通コンクリート部のモルタル分等がポーラスコンクリート部に進入し、形成されるポーラスコンクリート部が所定のポーラス領域および空隙率を維持できない虞がある。しかし、かかる仕切り部材を、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置させるようにして両コンクリートを打設すれば、仕切り部材の遮蔽部の存在によって、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持しつつ複合コンクリートブロックを製造することができる。一方、仕切り部材の連通部の存在によって、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とを一体化させて結合力を高めることもできる。こうして、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との同時打ちによる形成を可能として、生産性を向上させることができる。
【0016】
また、請求項9に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、成形型枠内に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を配置する。そして、その仕切り部材の上側へと、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする。このように、ポーラスコンクリート部は、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートによって構成するようにしてもよい。
【0017】
また、請求項10に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を配置し、その仕切り部材の上側に、硬化したポーラスコンクリートを設置することを特徴とする。このように、普通コンクリート部を形成するコンクリートを流し込んだ後、仕切り部材を介して、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートを、その上側に設置することにより複合化しても構わない。
【0018】
また、請求項11に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、成形型枠内に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を挟んで、その一方側に、前記ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込み、また、その他方側に、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込むことを特徴とする。このように、仕切り部材を挟んで、その一方側に、ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートが流し込まれ、また、その他方側に、普通コンクリート部を形成するためのコンクリートが流し込まれればよいわけであるので、各コンクリートは、必ずしも平打ち方式で打設される必要はなく、縦打ち方式で打設されても構わない。
【0019】
請求項12に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、成形型枠内に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を挟んで、その一方側に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、その他方側に、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込むことを特徴とする。このように、ポーラスコンクリート部は、仕切り部材を挟んで、その一方側に設置する、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートによって構成するようにしてもよい。そして、仕切り部材の他方側には、普通コンクリート部を形成するためのコンクリートが、必ずしも平打ち方式で打設される必要はなく、縦打ち方式で打設されても構わない。
【0020】
請求項13に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか一方を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるように、前記仕切り部材および前記間隔が明けられた部位の上側へと、前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか他方を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする。仮に、単数もしくは複数の仕切り部材を介在させないで、ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートと普通コンクリート部を形成するためのコンクリートとを同時打ちすると、普通コンクリート部のモルタル分等がポーラスコンクリート部に進入し、形成されるポーラスコンクリート部が所定のポーラス領域および空隙率を維持できない虞がある。しかし、このような単数もしくは複数の仕切り部材を、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置させるようにして両コンクリートを打設すれば、仕切り部材によって形成される遮蔽部の存在によって、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持しつつ複合コンクリートブロックを製造することができる。一方、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部の存在によって、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とを一体化させて結合力を高めることもできる。こうして、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との同時打ちによる形成を可能として、生産性を向上させることができる。
【0021】
また、請求項14に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、成形型枠内に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、そのコンクリートの上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるように、前記仕切り部材および前記間隔が明けられた部位の上側へと、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする。このように、ポーラスコンクリート部は、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートによって構成するようにしてもよい。
【0022】
また、請求項15に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるように、前記仕切り部材および前記間隔が明けられた部位の上側に、硬化したポーラスコンクリートを設置することを特徴とする。このように、普通コンクリート部を形成するコンクリートを成形型枠内に流し込み、その上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、前記間隔を明けるように配置し、さらに、その間隔が明けられた部位および前記仕切り部材の上側に、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートを設置することにより複合化しても構わない。
【0023】
請求項16に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、あらかじめ、硬化したポーラスコンクリートの片面側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように取り付けるとともに、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるよう、成形型枠内の一方側に、前記硬化したポーラスコンクリートを、前記仕切り部材が取り付けられた前記片面側を、前記成形型枠内の他方側に向けて設置し、その他方側に、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込むことを特徴とする。このように、ポーラスコンクリート部は、成形型枠内の一方側に設置される、硬化したポーラスコンクリートによって構成するようにしてもよい。このとき、硬化したポーラスコンクリートの片面側には、あらかじめ、前記単数もしくは複数の仕切り部材が取り付けられて、成形型枠内に配置されるので、例えば、縦打ち方式で打設する場合においても、前記仕切り部材を保持するための保持具等は不要である。
【0024】
また、請求項17に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法のように、前記仕切り部材は、畳、畳床、畳表、ダンボール紙、もしくは間伐材のうちの一種あるいは二種以上の組み合わせによりなるのが好ましい。処分が苦慮されている使用済の畳、畳床、畳表、ダンボール紙、もしくは間伐材を使用する場合には、資源の再利用および製品コストの削減を図ることができるというメリットがある。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る複合コンクリートブロックの第一の実施の形態を、図1ないし図4に基づいて説明する。この複合コンクリートブロック1は、主に表層部側(前面部側)を形成する、多孔性ブロックとしてのポーラスコンクリート部2と、主に基盤部側(背面部側)を形成する普通コンクリート部3と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置するように埋設されて両者を仕切る仕切り部材4とを備えている。
【0026】
前記ポーラスコンクリート部2は、モルタルやセメントミルクに、大粒の砕石等の粗骨材およびその他の補強材を混入して製造されるものであり、多数の空隙部5、5を有しているため、その強度は、普通コンクリート部3に比べて弱くなる。しかし、ポーラスコンクリート部2は、空隙部5、5に、土壌等が充填されることによって植物の根が通る植生部を形成することができる。そして、このポーラスコンクリート部2は、例えば、平面視矩形状で所要の厚みを有しており、複合コンクリートブロック1の表層部側の中心部を形成するように、その各側面および裏面が、普通コンクリート部3によって覆われている。
【0027】
前記普通コンクリート部3は、モルタルやセメントミルクに、細骨材や粗骨材を混入して形成されるものであって、その強度は、前記ポーラスコンクリート部2に比べて強いため、ポーラスコンクリート部2だけでは十分でない強度を補強することができる。そして、この普通コンクリート部3は、例えば、平面視矩形状で所要の厚みを有する基底部3aと、その基底部3aの四辺に立設される側壁部3bとからなり、これら基底部3aと側壁部3bとが一体となって形成されている。ここで、普通コンクリート部3の、基底部3aの上方で、かつ、側壁部3bが取り囲む空間に、前記ポーラスコンクリート部2が位置することとなる。
【0028】
また、前記仕切り部材4は、複合コンクリートブロック1の内部にあって、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置して両者を上下に仕切るように、ポーラスコンクリート部2の裏面および普通コンクリート部3の基底部3aの上面のそれぞれと対面位置して接するシート体からなる。そして、このシート体は、例えば、い草からなる畳表を用いることができ、この畳表は、少なくとも、ポーラスコンクリート部2の裏面のほぼ全体を覆う程度の大きさを備えている。この仕切り部材4としての畳表4aは、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが、一体化しないようにさえぎる、遮蔽部6となるシート体の本体6aと、その一体化を許容する、連通部7となる複数の貫通孔7a、7aとを有している。これら複数の貫通孔7a、7aは、シート体をほぼ円形状に開口して厚み方向に貫通する孔であって、例えば、縦の長さ90cm、横の長さ190cm程度の大きさのシート体を用いる場合には、直径約10cmに開口する貫通孔が、約50個前後ほぼ等間隔で規則的に配列されるように形成される(図3参照)。もっとも、これら複数の貫通孔7a、7aは、ほぼ等間隔で規則的に配列されなくても、任意個所で適宜の数が設けられていればよく、また、当然ながらその大きさも前記数値に限られるわけではない。よって、仕切り部材4としての畳表4aは、一般に流通、あるいは廃棄処分の対象となる畳表を、適宜個所で円形状に切り取って貫通孔7a、7aを設けるだけで容易に製造することができる。もちろん、貫通孔の数は、複数に限られるわけではなく、単数であってもよい。
【0029】
ここで、仕切り部材4としての畳表4aに遮蔽部6となるシート体の本体6aを設けるのは、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを、例えば、同時打ち(一方のコンクリートが凝結、硬化する前に他方のコンクリートを打ち継ぐ)によって形成する場合には、ポーラスコンクリート部2側に、普通コンクリート部3を構成するモルタル分等が進入するのを回避して、既述したポーラスコンクリートとしての機能を発揮するに足る、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率を維持するためである。また、仕切り部材3としての畳表4aに連通部7となる複数の貫通孔7a、7aを設けるのは、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体的につながるようにして、それぞれに分離してしまうのを防止するためである。もっとも、連通部7としての貫通孔7a、7aは、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との結合力を強固にするには、各コンクリート部2、3の接触面積が増えるように、貫通孔7a、7aの、シート体に対する占有率を大きく取る必要があるが、一方、その占有率があまりに大きいと、遮蔽部6の、シート体に対する占有率が減少して、普通コンクリート部3を構成するモルタル分等がポーラスコンクリート部2側に進入してポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率が維持できない虞がある。よって、連通部7としての貫通孔7a、7aを、シート体に、どれぐらいの大きさでいくつ設けるかについては、遮蔽部6の、シート体に対する占有率をも考慮した上で決定される必要がある。そして、かかる仕切り部材4を、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置するように設けることで、複合コンクリートブロック1は、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを同時打ちにて形成する場合でも、ポーラスコンクリート部2の空隙率を、その機能を発揮するのに良好な、例えば、10〜35パーセントに維持することができる。もっとも、この空隙率の数値は、前記数値に限定されるわけではない。
【0030】
ところで、この複合コンクリートブロック1を、そのコンクリート表面を植生、緑化させる目的で使用する場合には、前記ポーラスコンクリート部2の空隙部5、5に、土壌8その他の植生基盤材が充填されるようにして植生部9を形成するとよい。そして、この植生部9に種を蒔いたり、苗木を植えたりして、緑化用植物10等の植物の根10aが空隙部5、5に充填された土壌中を通るようにする(図4参照)。もっとも、人為的に土壌8等を充填して植生部9を形成しなくてもよく、例えば、建造物の一部としての複合コンクリートブロック1のポーラスコンクリート部2に、自然発生的に土壌8が浸入し種が付着したりして植生部9が形成されてもよい。
【0031】
また、前記仕切り部材4が、い草からなる畳表4aのように、腐食によって有機質肥料となり得る肥料性部材からなる場合、その肥料性部材が、経時的に腐食して地力を高め、植物の生育に好適な環境が形成されるようになる。かかる肥料性部材としては、畳表4aの他、例えば、畳、もしくは畳床、あるいは、わらを編んだものとかヤシ繊維からなるマット状のものなどを、一種あるいは二種以上組み合わせて利用でき、これらに、例えば、複数あるいは単数の貫通孔を設けて、遮蔽部6および連通部7を備えた仕切り部材として用いることができる。
【0032】
もっとも、肥料性部材が、畳、畳床、畳表4aのうちの一種あるいは二種以上の組み合わせよりなる場合には、腐食性、保水性等の特性において、肥料性部材として用いるのに好適である。また、近年、廃棄処分が苦慮されている使用済の畳、畳床、または畳表4aを使用する場合には、資源の再利用および製品コストの削減を図ることができるというメリットがある。また、畳、畳床、または畳表4aに代えて、ダンボール紙、間伐材あるいはベニヤ板等の木製板材を用いることができる。特に、使用済みのダンボール紙あるいは間伐材を、仕切り部材4として用いれば、使用済の畳表4aを使用する場合と同様、資源の再利用および製品コストの削減を図ることができるというメリットがある。ダンボール紙、間伐材あるいは木製板材においても、例えば、複数あるいは単数の貫通孔を設けることにより、遮蔽部6および連通部7を備えた仕切り部材として用いることができる。さらには、これら畳、畳床、畳表、ダンボール紙、間伐材あるいは木製板材に他の素材を付加あるいは混ぜ合わせて、仕切り部材等としても構わない。
【0033】
次に、この複合コンクリートブロック1の製造方法を図5および図6に基づいて説明する。まず、成形型枠11内に、普通コンクリート部3の基底部3aを形成するためのコンクリート12を、仕切り部材4としての畳表4aを敷き載せるように配置する高さ位置まで流し込み、そのコンクリート12の上面をほぼ水平に均す。そして、このコンクリート12の上側の、周縁部を除く中心部を覆うように、前記仕切り部材4としての畳表4aを敷き載せるように配置する。次に、ポーラスコンクリート部2の各側面と、前記普通コンクリート部3の側壁部3bの内面との間を区分ける区分け具13を、仕切り部材4の上面に設置する(図5参照)。この区分け具13は、細長の板材15、15によって、四方が平面視矩形状に囲われた、上下双方向に開口する枠体からなり、対向位置する板材15、15の上端部には、取っ手16、16が取り付けられている。ここで、この区分け具13の枠内で、かつ仕切り部材4の上側へと、ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリート17を、前記成形型枠11に流し込む。コンクリート17が流し込まれるとその重みで、区分け具13の外側に位置する、仕切り部材4である畳表4aの周縁部4bが、その区分け具13の外面に沿うように立ち上がり、その立ち上がった分だけ、後述する、普通コンクリート部3の側壁部3bを形成するためのコンクリート12のモルタル分が、ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリート17内へ、横方向から進入するのを防ぐことができる。
【0034】
このポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリート17を仕切り部材4の上側に投入する時期は、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリート12が凝結、硬化する前に行う。すなわち、仕切り部材4としての畳表4aが遮蔽部6となるシート体の本体6aを有することで、普通コンクリート部3を形成するためのコンクリート12が凝結、硬化する前であっても、そのモルタル分がポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリート17ヘ進入するなどの、各コンクリート12、17の混合を回避しつつ、ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリート17を投入することができ、形成されるポーラスコンクリート部2が、所定のポーラス領域および空隙率を維持することができる。一方、仕切り部材4としての畳表4aが連通部7となる貫通孔7a、7aを有することで、これら貫通孔7a、7aを通して、各コンクリート12、17が一体的につながり、ポーラスコンクリート部2および普通コンクリート部3として形成された場合に、両コンクリート部2、3が、それぞれに分離するのを防止することができる。
【0035】
次に、前記成形型枠11の内面と区分け具13の外面との間に、普通コンクリート部3の側壁部3bを形成するためのコンクリート12を流し込む。そして、その側壁部3bの天端面およびポーラスコンクリート部2の表面を、それぞれほぼ水平に均し、区分け具13の取っ手16を持って真っ直ぐ上方(矢印Q方向)に引き上げ、区分け具13を引き抜く(図6参照)。また、必要に応じて、普通コンクリート部3の側壁部3bの天端面に砂等を散布等して化粧仕上げするとよい。そして、各コンクリート12、17を養生硬化させ、成形型枠11を型開きすれば、複合コンクリートブロック1は、脱型され完成されることとなる。
【0036】
このように、この複合コンクリートブロック1の製造方法によれば、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率を維持しつつ、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを同時打ちして一体的に形成することができる。よって、従来とは異なり、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率を確保でき、また、複数の成形型枠を用いて煩雑な作業工程を経ることなく、複合コンクリートブロック1を、安価なコストで、短時間に、かつ容易に製造することができる。
【0037】
複合コンクリートブロック1の製造方法としては、前記製造方法以外にも種々の方法が考えられる。例えば、図示した実施の形態とは反対に、最初にポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリートを、成形型枠11内に流し込んでもよい。そして、そのコンクリートが凝結、硬化する前に、その上側に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化しないようさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有する、畳表4aあるいはその他の仕切り部材4を配置し、その仕切り部材4の上側へと、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠11内に流し込むことにより複合化させて、複合コンクリートブロック1を製造するようにしても構わない。
【0038】
また、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを同時打ちによって形成するのでなく、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートを用いても構わない。すなわち、成形型枠11内に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有する、畳表4aあるいはその他の仕切り部材4を配置し、その仕切り部材4の上側へと、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠11内に流し込むことにより複合化して、複合コンクリートブロック1を製造してもよい。あるいは、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、成形型枠11内に流し込むとともに、そのコンクリートが凝結、硬化する前に、その上側に、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有する、畳表4aあるいはその他の仕切り部材4を配置し、その仕切り部材4の上側に、硬化したポーラスコンクリートを設置することにより複合化して、複合コンクリートブロック1を製造してもよい。
【0039】
また、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを形成する各コンクリートを、成形型枠11内に平打ち方式で打設するのでなく、縦打ち方式で打設してもよい。すなわち、成形型枠11内に、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有する、畳表4aあるいはその他の仕切り部材4を、例えば、仕切り板等の介添えにより配置する。そして、その仕切り部材4を挟んで、その左右あるいは前後方向の一方側に、前記ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリートを縦打ち方式で流し込み、また、その左右あるいは前後方向の他方側に、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを縦打ち方式で流し込み、その後、前記仕切り板等の介添えを抜き取ることにより複合化させて、複合コンクリートブロック1を製造しても構わない。
【0040】
さらに、成形型枠11内に、ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有する、畳表4aあるいはその他の仕切り部材4を挟んで、その一方側に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、その他方側に、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを流し込むことにより複合化して、複合コンクリートブロック1を製造しても構わない。この場合、仕切り部材4は、例えば、硬化したポーラスコンクリートに取り付けられて、成形型枠11内に配置される。そして、仕切り部材4の左右あるいは前後方向の他方側に、普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートが、縦打ち方式で、成形型枠11内に流し込む。
【0041】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、複合コンクリートブロックは、ポーラスコンクリート部2と、普通コンクリート部3と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置して両者を仕切る仕切り部材4とを備えていれば、複合コンクリートブロック自体の形状、構造については、特に限定されない。よって、複合コンクリートブロックは、図7および図8に示すように、縦長1m、横長2m、厚み14cm程度の大きさのパネル部20と、そのパネル部20の裏面に取り付けられ、後方に突出する一対の控え部21、21とを備える、大型の積上げ可能な擁壁用のコンクリートブロックであってもよい。この第二の実施の形態の、複合コンクリートブロック22としての擁壁用ブロックは、上下に積み上げる際に自立可能となるように、パネル部20の上端面に一対の突起部23、23と、それら突起部23、23に対応位置するよう、パネル部20の下端面に嵌合穴24、24とが設けられ、さらに、控え部21、21の上部が上方に突き出るように形成され、その突き出る部分21aをちょうど受けることができるように、控え部21、21の下部に切欠21bが形成されている。
【0042】
そして、この擁壁用ブロックのパネル部20は、その前面部側がポーラスコンクリート部2によって形成され、このポーラスコンクリート部2は、パネル部20の表面側から厚み方向のほぼ中央に至る程度の厚みを有し、擁壁用ブロックのパネル部20の表層部側を形成する。また、この擁壁用ブロックのパネル部20の裏面側は、普通コンクリート部3によって形成され、この普通コンクリート部3は、擁壁用ブロックのパネル部20の基盤部側を形成するように、パネル部20の裏面側から厚み方向のほぼ中央に至る程度の厚みを有するとともに、前記ポーラスコンクリート部2の側面を覆うようにしてパネル部20の下部を除く周部を形成している。そして、このポーラスコンクリート部2の裏面と普通コンクリート部3との間には、ポーラスコンクリート部2の裏面ほぼ全体を覆うように、腐食して有機質肥料となり得る、仕切り部材4としての畳表4aが位置するように埋設されている。この仕切り部材4としての畳表4aは、第一の実施の形態と同様に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部となるシート体の本体と、その一体化を許容する、連通部となる複数の貫通孔とを有している。
【0043】
ここで、仕切り部材4としての畳表4aに、遮蔽部となるシート体の本体を設けるのは、ポーラスコンクリート部2側に、普通コンクリート部3を構成するモルタル分が進入するのを回避して、ポーラスコンクリートとしての機能を発揮するに足る、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率、好ましくは10〜35パーセントの空隙率を維持するためである。また、仕切り部材4としての畳表4aに連通部となる複数(単数でもよい)の貫通孔を設けるのは、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体的につながるようにして、各コンクリート部2、3がそれぞれに分離してしまうのを防止するためである。この複合コンクリートブロック22の製造方法についても、用いられる成形型枠の形状、構造等を除けば、第一の実施の形態の複合コンクリートブロック1の製造方法に準じて行うことができる。すなわち、普通コンクリート部3を形成するコンクリートと、ポーラスコンクリート部2を形成するコンクリートを同時打ちしてもよく、あるいは、流し込みコンクリートとあらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートとで、普通コンクリート部3およびポーラスコンクリート部2をそれぞれ形成してもよい。また、コンクリートの打ち込み方式は、平打ち方式でも縦打ち方式でも構わないのも、第1の実施の形態の複合コンクリートブロック1の製造方法と同様である。
【0044】
ところで、第一および第二の実施の形態における複合コンクリートブロック1、22は、ポーラスコンクリート部2の側面を覆うように、普通コンクリート部3が枠状に設けられている。これは、ポーラスコンクリート部2の空隙部5、5に、土壌8その他の植生基盤材を充填して植生部9を形成する場合に、その植生部9から土壌8等が抜け落ちるのを普通コンクリート部3があることによって防止するためである。また、複合コンクリートブロック1、22を積み上げたり並べたりする際に、各複合コンクリートブロック1、22が互いに突き合う部分の、少なくとも一方を普通コンクリート部3として、強度的に弱いポーラスコンクリート部2が破損するのを回避するためでもある。もっとも、使用の目的によっては、このような枠状に形成される普通コンクリート部3はなくてもよく、例えば、普通コンクリート部3の表層部側(前面部側)に、ポーラスコンクリート部2が、仕切り部材4を間に挟んで、単に積層されているだけの複合コンクリートブロックであってもよい。また、複合コンクリートブロックは、ポーラスコンクリート部2としての機能が有効に発揮されるように、少なくとも一部のブロック部分の表層部側(前面部側)が、ポーラスコンクリート部2によって形成されていればよい。そして、そのポーラスコンクリート部2の裏面を覆うように、普通コンクリート部3との間を仕切る仕切り部材4が設けられていれば、残りの普通コンクリート部3の形状、構造については、使用目的に応じた任意の形状、構造でよい。
【0045】
また、前記仕切り部材4は、有機質肥料としての利用を考慮しないならば、畳、畳床、または畳表のような肥料性部材に限定されず、その材質については特に限定されない。よって、仕切り部材4は、例えば、布、ポリスチレン等の合成樹脂、鋼等の金属、あるいは紙等からなるシート体、さらには間伐材とかベニヤ板等の木製板材であって、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有するように形成されていればよい。また、仕切り部材4の連通部7は、円形状の貫通孔7a、7aとして形成される必要はなく、三角形状、四角形状その他の多角形状等の任意形状の貫通孔でよい。また、貫通孔ではなく、スリット状あるいはメッシュ状に形成されていてもよく、したがって、仕切り部材4は、ネット状のものであってもよい。さらに、巻いたり折り重ねたりして棒状に形成した畳表を格子状に組むことにより、遮蔽部と連通部とを備えた仕切り部材4を形成してもよい。また、複合コンクリートブロックは、普通コンクリート部3とポーラスコンクリート部2との間に、非肥料性部材からなる仕切り部材4を設け、その仕切り部材4のポーラスコンクリート部2側の適宜個所に、畳、畳床、または畳表その他の肥料性部材を配置した構成であってもよい。こうすると、複合コンクリートブロックが植生される場合に、肥料性部材が経時的に腐食して植物の肥料になり、また、その腐食後に形成される空隙部が、ポーラスコンクリートとしての機能を発揮するのに良好な空隙率を確保することとなる。もちろん、かかる作用効果は、例えば、い草とかわらを丸めたり折ったりしたものをポーラスコンクリート部2の内部に混入させるだけでも構わない。
【0046】
また、複合コンクリートブロック1、22は、連通部7としての貫通孔7a、7aを介して、普通コンクリート部3側の骨材の一部がポーラスコンクリート部2側に進入するようにして、普通コンクリート部3とポーラスコンクリート部2とが、凹凸状にかみ合うようにしてもよい。こうすると、普通コンクリート部3とポーラスコンクリート部2とは、より強固に一体化される。
【0047】
また、この発明に係る複合コンクリートブロックは、図9および図10に示されるように、ポーラスコンクリート部2と、普通コンクリート部3と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置して両者を仕切る、複数の仕切り部材4、4とを備える複合コンクリートブロック60であってもよい。そして、これら仕切り部材4、4の全部または一部は、ブロック外縁部61との間に、あるいは、他の仕切り部材4、4との間に、間隔を明けるように配置され、かつ、これら仕切り部材4、4によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成される。すなわち、この発明に係る第三の実施の形態の、複合コンクリートブロック60としての、例えば、擁壁用のコンクリートブロックは、裏面側(後面部側)にて後方に突出形成される、一対の控え部63、63を備えた普通コンクリート部3と、その普通コンクリート部3の表層部側(前面部側)に積層されるポーラスコンクリート部2と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置するように埋設されて両者を仕切る、複数の仕切り部材4、4とからなり、これら複数の仕切り部材4、4は、ブロック外縁部61との間に、あるいは、他の仕切り部材4、4との間に、一定の間隔を明けるようにして規則的に配置されている(図10参照)。前記仕切り部材4、4としては、例えば、肥料性部材としての畳を用いるのが好ましく、例えば、使用済の畳を短冊状に裁断したものを用いる。
【0048】
また、複数の仕切り部材4、4の一部4s、4sは、例えば、図11に示すように、ブロック外縁部61としてのブロック下端縁部61aに通じることで、外側に露出していても構わない。そして、複数の仕切り部材4、4は、それぞれが独立して一定の間隔を明けるように配置されなくてもよく、複数の仕切り部材4、4の全部または一部が、集合し、重なり合い、もしくはつながり合って、ブロック外縁部61との間に、あるいは、他の仕切り部材4、4との間に、間隔を明けるように配置されていてもよい。もちろん、仕切り部材4、4としての畳の形状は、矩形状に限定されるわけではなく、任意形状で構わない。
【0049】
さらに、複数の仕切り部材4、4の全部または一部は、第一および第二の実施の形態における複合コンクリートブロック1、22で使用した仕切り部材4と同様の形態であっても構わない。すなわち、複合コンクリートブロック60は、ポーラスコンクリート部2と、普通コンクリート部3と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置するように埋設されて両者を仕切る、複数の仕切り部材4、4とを備え、これら仕切り部材4、4の全部または一部は、ブロック外縁部61との間に、あるいは、他の仕切り部材4、4との間に、間隔を明けるように配置され、その間隔が明けられた部位に、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成され、また、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部は、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有してなるものである。したがって、例えば、複数の仕切り部材4、4は、図12に示すように、短冊状に裁断された畳が集合してなる畳集合体Kと、その畳集合体Kと間隔を明けて配置される、台形状、三角形状、および円形状等の任意形状に裁断された畳とからなり、前記短冊状に裁断された一部の畳と前記円形状に裁断された畳には、前記遮蔽部6と、前記連通部7となる貫通孔7aとを有するような態様であってもよい。
【0050】
また、仕切り部材4は、複数でなく、単数であってもよい。図13に示す複合コンクリートブロック60は、ポーラスコンクリート部2と、普通コンクリート部3と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置するように埋設されて両者を仕切る、一つの仕切り部材4とを備える。そして、この仕切り部材4は、ブロック外縁部61との間に間隔を明けるように配置され、その間隔が明けられた部位に、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化する一体部62を形成し、かつ、前記仕切り部材4によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成される。また、この単数の仕切り部材4は、遮蔽部6と連通部7とを有するものであってもよく、さらに、仕切り部材4としての畳の形状は、任意形状で構わない。
【0051】
このように、この発明に係る複合コンクリートブロック60は、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に埋設されて位置する、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4によって、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に間隔を明けるように、あるいは、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4の全部または一部がブロック外縁部61との間に間隔を明けるように、配設されることで、そのような間隔が明けられた部位に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるよう構成される。したがって、仕切り部材4によって形成される遮蔽部6の存在により、ポーラスコンクリート部2側には、普通コンクリート部3を構成するモルタル分等が進入しなくなり、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率が維持される。一方で、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とは、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部62によってつながっているので、それぞれに分離してしまうのが防止される。
【0052】
また、この発明に係る複合コンクリートブロック60は、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4の全部または一部が、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有し、また、前記間隔が明けられた部位には、一体部62が形成されるよう構成されてもよい。これにより、仕切り部材4が有する遮蔽部6の存在により、ポーラスコンクリート部2側に普通コンクリート部3を構成するモルタル分等が進入しないため、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率を維持することができ、また、仕切り部材4が有する連通部7、および、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部62により、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とはつながっているので、それぞれに分離してしまうのを防止することができる。なお、この場合において、前記一体部62を構成要素から外すと、既述した第一および第二の実施の形態における複合コンクリートブロック1、22と同様の形態になる。
【0053】
ところで、この複合コンクリートブロック60についても、前記仕切り部材4は、畳に限らず、例えば、肥料性部材としての畳表とか畳床であってもよい。これにより、複合コンクリートブロック60が植生される場合に、肥料性部材が経時的に腐食して植物の肥料になり、また、その腐食後に形成される空隙部が、ポーラスコンクリートとしての機能を発揮するのに良好な空隙率を確保することとなる。また、仕切り部材4は、ダンボール紙、さらには、間伐材とかベニヤ板等の木製板材でもよく、これら畳、畳床、畳表、ダンボール紙、間伐材もしくは木製板材のうちの一種あるいは二種以上の組み合わせによりなる仕切り部材4であっても構わない。そして、既述したように、産業廃棄物の有効利用等の観点より、処分が苦慮されている使用済の畳、畳床、畳表、ダンボール紙もしくは間伐材を使用するのが好ましい。
【0054】
次に、このような、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6と、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62とを有する複合コンクリートブロック60の、製造方法を説明する。すなわち、この複合コンクリートブロック60は、普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートが凝結、硬化する前に、その上側に、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4を、形成すべきブロック外縁部61との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に、間隔を明けるように配置する。そして、前記仕切り部材4(、4)によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるように、前記仕切り部材4(、4)および前記間隔が明けられた部位の上側へと、ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むことにより複合化させて、複合コンクリートブロックを製造する。
【0055】
このように、この複合コンクリートブロックの製造方法によれば、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを同時打ちによって形成することができる。また、同時打ちする場合であっても、製造される複合コンクリートブロックは、仕切り部材4(、4)によって形成される遮蔽部6の存在により、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率を維持することができ、また、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部62の存在により、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを一体化させて結合力を高めることができる。したがって、従来のように複数の成形型枠を用いて煩雑な作業工程を経ることがないので、作業負担が軽減されるとともに作業時間が短縮され、また、製造コストを安価にすることができる。
【0056】
そして、複合コンクリートブロックの製造方法としては、前記製造方法以外にも、種々の方法が考えられる。例えば、最初に前記ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込んでもよい。そして、そのコンクリートが凝結、硬化する前に、その上側に、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4を、形成すべきブロック外縁部61との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に、間隙を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材4(、4)によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるように、前記仕切り部材4(、4)および前記間隔が明けられた部位の上側へと、普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むことにより複合化させて、複合コンクリートブロックを製造するようにしても構わない。
【0057】
また、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを同時打ちによって形成するのではなく、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートを用いても構わない。すなわち、成形型枠内に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、そのコンクリートの上側に、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4を、形成すべきブロック外縁部61との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に、間隔を明けるように配置する。そして、前記仕切り部材4(、4)により、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるように、前記仕切り部材4(、4)および前記間隔が明けられた部位の上側へと、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことにより複合化して、複合コンクリートブロックを製造してもよい。あるいは、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートが凝結、硬化する前に、その上側に、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4を、形成すべきブロック外縁部61との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材4(、4)によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるように、前記仕切り部材4(、4)および前記間隔が明けられた部位の上側に、硬化したポーラスコンクリートを設置することにより複合化して、複合コンクリートブロックを製造してもよい。
【0058】
また、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを形成する各コンクリートを、成形型枠内に平打ち方式で打設するのではなく、縦打ち方式で打設してもよい。すなわち、あらかじめ、硬化したポーラスコンクリートの片面側に、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4を、形成すべきブロック外縁部61との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に、間隔を明けるように取り付けるとともに、前記仕切り部材4(、4)によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるよう、成形型枠内の一方側に、前記硬化したポーラスコンクリートを、前記仕切り部材4(、4)が取り付けられた前記片面側を、前記成形型枠内の他方側に向けて設置し、その他方側に、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを流し込むことにより複合化して、複合コンクリートブロックを製造してもよい。この場合、前記単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4は、あらかじめ硬化したポーラスコンクリートの片面側に取り付けられて、成形型枠内に配置されるので、縦打ち方式によって打設されても、前記仕切り部材4(、4)を保持するための保持具等は不要である。
【0059】
なお、この発明に係る複合コンクリートブロック1、22、60において、前記仕切り部材4は、複数段に重ね合わされるようにして、前記ブロック内に埋設されても構わないことは、勿論である。また、複合コンクリートブロック60についても、図示実施の形態に示す複合コンクリートブロック1、22のように、ポーラスコンクリート部2の周側部を枠状に覆う、普通コンクリート部を設けるようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上、詳述したところから明らかなように、この発明に係る複合コンクリートブロックによれば、次の効果がある。
【0061】
請求項1ないし4に記載された複合コンクリートブロックによれば、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率が確保され、しかも、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とが一体化される。
【0062】
請求項5に記載された複合コンクリートブロックによれば、加えて、植生された場合に、植物の生育に良好な環境が提供される。
【0063】
請求項6に記載された複合コンクリートブロックによれば、加えて、植物の生育にとって一層良好であるとともに、廃棄処分となるような、畳、畳床、または畳表の有効利用して、資源の再利用および製造コストの削減を図ることもできる。
【0064】
請求項7に記載された複合コンクリートブロックによれば、加えて、植生されることで自然との共生を図ることができる。
【0065】
請求項8ないし16に記載された複合コンクリートブロックの製造方法によれば、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率の確保が容易で、しかも、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とが一体化される複合コンクリートブロックを製造することができる。特に請求項8、11、13に記載された複合コンクリートブロックの製造方法によれば、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とを同時打ちして形成することができるので、加えて生産性が向上する。
【0066】
請求項17に記載された複合コンクリートブロックの製造方法によれば、加えて、使用済の畳、畳床、畳表とかダンボール紙、あるいは間伐材を使用する場合には、資源の再利用および製品コストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る複合コンクリートブロックの第一の実施の形態を示す、ポーラスコンクリート部の一部を破断した斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】同じく、仕切り部材としての畳表の平面図である。
【図4】同じく、植生部が形成されて、植物の根が空隙部を通って生育する状態を示す図2相当図である。
【図5】同じく、仕切り部材の上面に区分け具を設置し、その区分け具の枠内にポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートが流し込まれた状態を示す縦断面図である。
【図6】同じく、打設後、区分け具を引き抜く状態を示す縦断面図である。
【図7】この発明に係る複合コンクリートブロックの第二の実施の形態の正面図である。
【図8】同じく、側面図である。
【図9】この発明に係る複合コンクリートブロックの第三の実施の形態を示す図2相当図である。
【図10】図9におけるB−B線断面図である。
【図11】この発明に係る複合コンクリートブロックの他の実施の形態を示す図10相当図である。
【図12】この発明に係る複合コンクリートブロックの、さらなる他の実施の形態を示す図10相当図である。
【図13】この発明に係る複合コンクリートブロックの、さらなる他の実施の形態を示す図10相当図である。
【図14】従来の複合コンクリートブロックの従断面図である。
【符号の説明】
1、22、60 複合コンクリートブロック
2 ポーラスコンクリート部 3 普通コンクリート部
4 仕切り部材 4a 畳表
5 空隙部 6 遮蔽部
6a シート体の本体 7 連通部
7a 貫通孔 8 土壌
9 植生部 11 成形型枠
12 普通コンクリート部を形成するためのコンクリート
17 ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリート
61 ブロック外縁部 62 一体部
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリート表面の植生、緑化等に好適に用いることができるコンクリートブロックであって、特に、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とを備えた、複合コンクリートブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の複合コンクリートブロックとしては、例えば、特開平11−172704号公報に開示の護岸用ブロックや擁壁用ブロックとして用いられる複合コンクリートブロックがあった。この複合コンクリートブロック30は、図14に示すように、ポーラスコンクリート製の中心部31と、その中心部31の側面および裏面を覆う、普通コンクリート製の枠部32とを備え、その枠部32には、厚み方向に貫通して中心部の裏面にまで達する開口部32aが、水抜き等を目的として設けられていた。そして、この複合コンクリートブロック30は、中心部31が枠部32から分離しないように、中心部31の表面から裏面へとテーパー状に枠部32側に広がるように形成されていた。
【0003】
ここで、前記ポーラスコンクリート製の中心部31は、多数の空隙部分を有する構造であるため、例えば、この中心部31の表面に、肥料とともに土壌を敷設し、その土壌等によって空隙部分をも充填することで、植生基盤を形成することができた。そして、この植生基盤に種子を蒔き、その種子が発芽すれば、植生された複合コンクリートブロックが得られた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の複合コンクリートブロック30を製造するには、まず、ポーラスコンクリート製の中心部31を専用の成形型枠で製造し、それを別の成形型枠の中心部に設置して、その周囲に普通コンクリートを打設して枠部32を製造し、これら枠部32と中心部31とを一体化させていた。そのため、後打ちされる普通コンクリートが、ポーラスコンクリート製の中心部31の空隙部に進入してしまい、所定のポーラス領域および空隙率が確保されない問題があった。また、中心部31用の成形型枠と枠部32用の成形型枠とが、それぞれに必要となるとともに、普通コンクリートが後打ちされるため、作業工程が増え、手間がかかる問題もあった。
【0005】
もっとも、生産性の向上を図るには、普通コンクリートとポーラスコンクリートとを、同時打ちによって形成すればよい訳であるが、そのためのモデル実験として、普通コンクリートの上側にポーラスコンクリートが単に積層されているだけの複合コンクリートブロックの製造を試みた。しかし、ポーラスコンクリートと普通コンクリートとを、そのまま同時打ちしたのでは、ポーラスコンクリート側に、普通コンクリートを構成するモルタル分等が進入し、その結果、ポーラスコンクリートとしての機能を確保するに足るポーラス領域および空隙率を維持できないという問題が依然と解消されなかった。
【0006】
この発明は、上記した従来の技術の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率が確保でき、しかも、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とが一体化される複合コンクリートブロックおよびその製造方法を提供することにある。また、この発明の他の目的は、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持しつつ、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とを同時打ちして形成することができる、複合コンクリートブロックおよびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る複合コンクリートブロックおよびその製造方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る複合コンクリートブロックは、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部と、これらポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置して両者を仕切る、単数もしくは複数の仕切り部材とを備え、前記仕切り部材は、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有することを特徴としている。
【0008】
これにより、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とが、仕切り部材の遮蔽部によってさえぎられ、ポーラスコンクリート部側に普通コンクリート部を構成するモルタル分等が進入しないため、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持することができる。一方で、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とは、連通部によって一体としてつながっているので、それぞれに分離してしまうのを防止することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明に係る複合コンクリートブロックのように、前記仕切り部材は、複数の貫通孔を設けたシート体からなり、それら貫通孔が、前記連通部を構成するのが好ましい。これにより、仕切り部材は、連通部と遮蔽部とを容易に形成することができる。ここで、連通部としての貫通孔は、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との結合力を強固にするには、各コンクリート部の接触面積が増えるよう、シート体に対する占有率を大きく取る必要があるが、一方で、その占有率があまりに大きいと、遮蔽部の、シート体に対する占有率が減少して、普通コンクリート部を構成するモルタル分等がポーラスコンクリート側に進入して、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率が維持できない虞がある。よって、連通部としての貫通孔を、シート体に、どれぐらいの大きさでいくつ設けるかについては、遮蔽部の遮断能力と、シート体に対する占有率をも考慮した上で決定される。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る複合コンクリートブロックは、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部と、これらポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置して両者を仕切る、単数もしくは複数の仕切り部材とを備える。そして、この仕切り部材、もしくは、これら仕切り部材の全部または一部は、ブロック外縁部との間に、あるいは、他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置され、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されてなることを特徴とする。これにより、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とは、仕切り部材によって形成される遮蔽部の存在によってさえぎられ、ポーラスコンクリート部側に普通コンクリート部を構成するモルタル分等が進入しないため、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持することができる。一方で、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とは、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部によってつながっているので、それぞれに分離してしまうのを防止することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明に係る複合コンクリートブロックは、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部と、これらポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置して両者を仕切る、単数もしくは複数の仕切り部材とを備える。そして、この仕切り部材、もしくは、これら仕切り部材の全部または一部は、ブロック外縁部との間に、あるいは、他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置され、かつ、前記単数の仕切り部材、もしくは、前記複数の仕切り部材の全部または一部は、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有し、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されてなることを特徴とする。これにより、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とは、仕切り部材が有する遮蔽部によってさえぎられ、ポーラスコンクリート部側に普通コンクリート部を構成するモルタル分等が進入しないため、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持することができる。一方で、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とは、仕切り部材が有する連通部、および、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部によってつながっているので、それぞれに分離してしまうのを防止することができる。
【0012】
また、請求項5に記載の発明に係る複合コンクリートブロックのように、前記仕切り部材は、腐食によって有機質肥料となり得る肥料性部材からなるのが望ましい。これにより、例えば、ポーラスコンクリート部の空隙部に土壌その他の植生基盤材が充填されて植生部を形成する場合、肥料性部材が経時的に腐食して地力を高めるとともに、腐食後に、ポーラスコンクリート部の空隙率を高めて、植生部の根入れ深さを一層深くするので、植物の生育に好適な環境が形成される。
【0013】
また、請求項6に記載の発明に係る複合コンクリートブロックのように前記肥料性部材は、畳、畳床、畳表のうちの一種あるいは二種以上の組み合わせよりなることが望ましい。このように、畳、畳床、または畳表によれば、腐食性、保水性等の特性において、肥料性部材として用いるのに好適である。さらに、処分が苦慮されている使用済の、畳、畳床、または畳表を使用する場合には、資源の再利用および製品コストの削減を図ることができるというメリットがある。
【0014】
また、請求項7に記載の発明に係る複合コンクリートブロックのように、前記ポーラスコンクリート部の空隙部に、土壌その他の植生基盤材を充填して植生部を形成するのが望ましい。こうして、複合コンクリートブロックの緑化を図ることができ、ポーラスコンクリート部としての機能を発揮させることができる。
【0015】
また、請求項8に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか一方を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を配置する。そして、その仕切り部材の上側へと、前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか他方を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする。仮に、仕切り部材を介在させないで、ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートと普通コンクリート部を形成するためのコンクリートとを同時打ちすると、普通コンクリート部のモルタル分等がポーラスコンクリート部に進入し、形成されるポーラスコンクリート部が所定のポーラス領域および空隙率を維持できない虞がある。しかし、かかる仕切り部材を、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置させるようにして両コンクリートを打設すれば、仕切り部材の遮蔽部の存在によって、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持しつつ複合コンクリートブロックを製造することができる。一方、仕切り部材の連通部の存在によって、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とを一体化させて結合力を高めることもできる。こうして、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との同時打ちによる形成を可能として、生産性を向上させることができる。
【0016】
また、請求項9に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、成形型枠内に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を配置する。そして、その仕切り部材の上側へと、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする。このように、ポーラスコンクリート部は、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートによって構成するようにしてもよい。
【0017】
また、請求項10に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を配置し、その仕切り部材の上側に、硬化したポーラスコンクリートを設置することを特徴とする。このように、普通コンクリート部を形成するコンクリートを流し込んだ後、仕切り部材を介して、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートを、その上側に設置することにより複合化しても構わない。
【0018】
また、請求項11に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、成形型枠内に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を挟んで、その一方側に、前記ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込み、また、その他方側に、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込むことを特徴とする。このように、仕切り部材を挟んで、その一方側に、ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートが流し込まれ、また、その他方側に、普通コンクリート部を形成するためのコンクリートが流し込まれればよいわけであるので、各コンクリートは、必ずしも平打ち方式で打設される必要はなく、縦打ち方式で打設されても構わない。
【0019】
請求項12に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、成形型枠内に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を挟んで、その一方側に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、その他方側に、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込むことを特徴とする。このように、ポーラスコンクリート部は、仕切り部材を挟んで、その一方側に設置する、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートによって構成するようにしてもよい。そして、仕切り部材の他方側には、普通コンクリート部を形成するためのコンクリートが、必ずしも平打ち方式で打設される必要はなく、縦打ち方式で打設されても構わない。
【0020】
請求項13に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか一方を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるように、前記仕切り部材および前記間隔が明けられた部位の上側へと、前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか他方を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする。仮に、単数もしくは複数の仕切り部材を介在させないで、ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートと普通コンクリート部を形成するためのコンクリートとを同時打ちすると、普通コンクリート部のモルタル分等がポーラスコンクリート部に進入し、形成されるポーラスコンクリート部が所定のポーラス領域および空隙率を維持できない虞がある。しかし、このような単数もしくは複数の仕切り部材を、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置させるようにして両コンクリートを打設すれば、仕切り部材によって形成される遮蔽部の存在によって、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率を維持しつつ複合コンクリートブロックを製造することができる。一方、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部の存在によって、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とを一体化させて結合力を高めることもできる。こうして、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との同時打ちによる形成を可能として、生産性を向上させることができる。
【0021】
また、請求項14に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、成形型枠内に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、そのコンクリートの上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるように、前記仕切り部材および前記間隔が明けられた部位の上側へと、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする。このように、ポーラスコンクリート部は、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートによって構成するようにしてもよい。
【0022】
また、請求項15に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるように、前記仕切り部材および前記間隔が明けられた部位の上側に、硬化したポーラスコンクリートを設置することを特徴とする。このように、普通コンクリート部を形成するコンクリートを成形型枠内に流し込み、その上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、前記間隔を明けるように配置し、さらに、その間隔が明けられた部位および前記仕切り部材の上側に、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートを設置することにより複合化しても構わない。
【0023】
請求項16に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法は、ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、あらかじめ、硬化したポーラスコンクリートの片面側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように取り付けるとともに、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるよう、成形型枠内の一方側に、前記硬化したポーラスコンクリートを、前記仕切り部材が取り付けられた前記片面側を、前記成形型枠内の他方側に向けて設置し、その他方側に、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込むことを特徴とする。このように、ポーラスコンクリート部は、成形型枠内の一方側に設置される、硬化したポーラスコンクリートによって構成するようにしてもよい。このとき、硬化したポーラスコンクリートの片面側には、あらかじめ、前記単数もしくは複数の仕切り部材が取り付けられて、成形型枠内に配置されるので、例えば、縦打ち方式で打設する場合においても、前記仕切り部材を保持するための保持具等は不要である。
【0024】
また、請求項17に記載の発明に係る複合コンクリートブロックの製造方法のように、前記仕切り部材は、畳、畳床、畳表、ダンボール紙、もしくは間伐材のうちの一種あるいは二種以上の組み合わせによりなるのが好ましい。処分が苦慮されている使用済の畳、畳床、畳表、ダンボール紙、もしくは間伐材を使用する場合には、資源の再利用および製品コストの削減を図ることができるというメリットがある。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る複合コンクリートブロックの第一の実施の形態を、図1ないし図4に基づいて説明する。この複合コンクリートブロック1は、主に表層部側(前面部側)を形成する、多孔性ブロックとしてのポーラスコンクリート部2と、主に基盤部側(背面部側)を形成する普通コンクリート部3と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置するように埋設されて両者を仕切る仕切り部材4とを備えている。
【0026】
前記ポーラスコンクリート部2は、モルタルやセメントミルクに、大粒の砕石等の粗骨材およびその他の補強材を混入して製造されるものであり、多数の空隙部5、5を有しているため、その強度は、普通コンクリート部3に比べて弱くなる。しかし、ポーラスコンクリート部2は、空隙部5、5に、土壌等が充填されることによって植物の根が通る植生部を形成することができる。そして、このポーラスコンクリート部2は、例えば、平面視矩形状で所要の厚みを有しており、複合コンクリートブロック1の表層部側の中心部を形成するように、その各側面および裏面が、普通コンクリート部3によって覆われている。
【0027】
前記普通コンクリート部3は、モルタルやセメントミルクに、細骨材や粗骨材を混入して形成されるものであって、その強度は、前記ポーラスコンクリート部2に比べて強いため、ポーラスコンクリート部2だけでは十分でない強度を補強することができる。そして、この普通コンクリート部3は、例えば、平面視矩形状で所要の厚みを有する基底部3aと、その基底部3aの四辺に立設される側壁部3bとからなり、これら基底部3aと側壁部3bとが一体となって形成されている。ここで、普通コンクリート部3の、基底部3aの上方で、かつ、側壁部3bが取り囲む空間に、前記ポーラスコンクリート部2が位置することとなる。
【0028】
また、前記仕切り部材4は、複合コンクリートブロック1の内部にあって、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置して両者を上下に仕切るように、ポーラスコンクリート部2の裏面および普通コンクリート部3の基底部3aの上面のそれぞれと対面位置して接するシート体からなる。そして、このシート体は、例えば、い草からなる畳表を用いることができ、この畳表は、少なくとも、ポーラスコンクリート部2の裏面のほぼ全体を覆う程度の大きさを備えている。この仕切り部材4としての畳表4aは、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが、一体化しないようにさえぎる、遮蔽部6となるシート体の本体6aと、その一体化を許容する、連通部7となる複数の貫通孔7a、7aとを有している。これら複数の貫通孔7a、7aは、シート体をほぼ円形状に開口して厚み方向に貫通する孔であって、例えば、縦の長さ90cm、横の長さ190cm程度の大きさのシート体を用いる場合には、直径約10cmに開口する貫通孔が、約50個前後ほぼ等間隔で規則的に配列されるように形成される(図3参照)。もっとも、これら複数の貫通孔7a、7aは、ほぼ等間隔で規則的に配列されなくても、任意個所で適宜の数が設けられていればよく、また、当然ながらその大きさも前記数値に限られるわけではない。よって、仕切り部材4としての畳表4aは、一般に流通、あるいは廃棄処分の対象となる畳表を、適宜個所で円形状に切り取って貫通孔7a、7aを設けるだけで容易に製造することができる。もちろん、貫通孔の数は、複数に限られるわけではなく、単数であってもよい。
【0029】
ここで、仕切り部材4としての畳表4aに遮蔽部6となるシート体の本体6aを設けるのは、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを、例えば、同時打ち(一方のコンクリートが凝結、硬化する前に他方のコンクリートを打ち継ぐ)によって形成する場合には、ポーラスコンクリート部2側に、普通コンクリート部3を構成するモルタル分等が進入するのを回避して、既述したポーラスコンクリートとしての機能を発揮するに足る、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率を維持するためである。また、仕切り部材3としての畳表4aに連通部7となる複数の貫通孔7a、7aを設けるのは、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体的につながるようにして、それぞれに分離してしまうのを防止するためである。もっとも、連通部7としての貫通孔7a、7aは、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との結合力を強固にするには、各コンクリート部2、3の接触面積が増えるように、貫通孔7a、7aの、シート体に対する占有率を大きく取る必要があるが、一方、その占有率があまりに大きいと、遮蔽部6の、シート体に対する占有率が減少して、普通コンクリート部3を構成するモルタル分等がポーラスコンクリート部2側に進入してポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率が維持できない虞がある。よって、連通部7としての貫通孔7a、7aを、シート体に、どれぐらいの大きさでいくつ設けるかについては、遮蔽部6の、シート体に対する占有率をも考慮した上で決定される必要がある。そして、かかる仕切り部材4を、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置するように設けることで、複合コンクリートブロック1は、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを同時打ちにて形成する場合でも、ポーラスコンクリート部2の空隙率を、その機能を発揮するのに良好な、例えば、10〜35パーセントに維持することができる。もっとも、この空隙率の数値は、前記数値に限定されるわけではない。
【0030】
ところで、この複合コンクリートブロック1を、そのコンクリート表面を植生、緑化させる目的で使用する場合には、前記ポーラスコンクリート部2の空隙部5、5に、土壌8その他の植生基盤材が充填されるようにして植生部9を形成するとよい。そして、この植生部9に種を蒔いたり、苗木を植えたりして、緑化用植物10等の植物の根10aが空隙部5、5に充填された土壌中を通るようにする(図4参照)。もっとも、人為的に土壌8等を充填して植生部9を形成しなくてもよく、例えば、建造物の一部としての複合コンクリートブロック1のポーラスコンクリート部2に、自然発生的に土壌8が浸入し種が付着したりして植生部9が形成されてもよい。
【0031】
また、前記仕切り部材4が、い草からなる畳表4aのように、腐食によって有機質肥料となり得る肥料性部材からなる場合、その肥料性部材が、経時的に腐食して地力を高め、植物の生育に好適な環境が形成されるようになる。かかる肥料性部材としては、畳表4aの他、例えば、畳、もしくは畳床、あるいは、わらを編んだものとかヤシ繊維からなるマット状のものなどを、一種あるいは二種以上組み合わせて利用でき、これらに、例えば、複数あるいは単数の貫通孔を設けて、遮蔽部6および連通部7を備えた仕切り部材として用いることができる。
【0032】
もっとも、肥料性部材が、畳、畳床、畳表4aのうちの一種あるいは二種以上の組み合わせよりなる場合には、腐食性、保水性等の特性において、肥料性部材として用いるのに好適である。また、近年、廃棄処分が苦慮されている使用済の畳、畳床、または畳表4aを使用する場合には、資源の再利用および製品コストの削減を図ることができるというメリットがある。また、畳、畳床、または畳表4aに代えて、ダンボール紙、間伐材あるいはベニヤ板等の木製板材を用いることができる。特に、使用済みのダンボール紙あるいは間伐材を、仕切り部材4として用いれば、使用済の畳表4aを使用する場合と同様、資源の再利用および製品コストの削減を図ることができるというメリットがある。ダンボール紙、間伐材あるいは木製板材においても、例えば、複数あるいは単数の貫通孔を設けることにより、遮蔽部6および連通部7を備えた仕切り部材として用いることができる。さらには、これら畳、畳床、畳表、ダンボール紙、間伐材あるいは木製板材に他の素材を付加あるいは混ぜ合わせて、仕切り部材等としても構わない。
【0033】
次に、この複合コンクリートブロック1の製造方法を図5および図6に基づいて説明する。まず、成形型枠11内に、普通コンクリート部3の基底部3aを形成するためのコンクリート12を、仕切り部材4としての畳表4aを敷き載せるように配置する高さ位置まで流し込み、そのコンクリート12の上面をほぼ水平に均す。そして、このコンクリート12の上側の、周縁部を除く中心部を覆うように、前記仕切り部材4としての畳表4aを敷き載せるように配置する。次に、ポーラスコンクリート部2の各側面と、前記普通コンクリート部3の側壁部3bの内面との間を区分ける区分け具13を、仕切り部材4の上面に設置する(図5参照)。この区分け具13は、細長の板材15、15によって、四方が平面視矩形状に囲われた、上下双方向に開口する枠体からなり、対向位置する板材15、15の上端部には、取っ手16、16が取り付けられている。ここで、この区分け具13の枠内で、かつ仕切り部材4の上側へと、ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリート17を、前記成形型枠11に流し込む。コンクリート17が流し込まれるとその重みで、区分け具13の外側に位置する、仕切り部材4である畳表4aの周縁部4bが、その区分け具13の外面に沿うように立ち上がり、その立ち上がった分だけ、後述する、普通コンクリート部3の側壁部3bを形成するためのコンクリート12のモルタル分が、ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリート17内へ、横方向から進入するのを防ぐことができる。
【0034】
このポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリート17を仕切り部材4の上側に投入する時期は、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリート12が凝結、硬化する前に行う。すなわち、仕切り部材4としての畳表4aが遮蔽部6となるシート体の本体6aを有することで、普通コンクリート部3を形成するためのコンクリート12が凝結、硬化する前であっても、そのモルタル分がポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリート17ヘ進入するなどの、各コンクリート12、17の混合を回避しつつ、ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリート17を投入することができ、形成されるポーラスコンクリート部2が、所定のポーラス領域および空隙率を維持することができる。一方、仕切り部材4としての畳表4aが連通部7となる貫通孔7a、7aを有することで、これら貫通孔7a、7aを通して、各コンクリート12、17が一体的につながり、ポーラスコンクリート部2および普通コンクリート部3として形成された場合に、両コンクリート部2、3が、それぞれに分離するのを防止することができる。
【0035】
次に、前記成形型枠11の内面と区分け具13の外面との間に、普通コンクリート部3の側壁部3bを形成するためのコンクリート12を流し込む。そして、その側壁部3bの天端面およびポーラスコンクリート部2の表面を、それぞれほぼ水平に均し、区分け具13の取っ手16を持って真っ直ぐ上方(矢印Q方向)に引き上げ、区分け具13を引き抜く(図6参照)。また、必要に応じて、普通コンクリート部3の側壁部3bの天端面に砂等を散布等して化粧仕上げするとよい。そして、各コンクリート12、17を養生硬化させ、成形型枠11を型開きすれば、複合コンクリートブロック1は、脱型され完成されることとなる。
【0036】
このように、この複合コンクリートブロック1の製造方法によれば、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率を維持しつつ、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを同時打ちして一体的に形成することができる。よって、従来とは異なり、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率を確保でき、また、複数の成形型枠を用いて煩雑な作業工程を経ることなく、複合コンクリートブロック1を、安価なコストで、短時間に、かつ容易に製造することができる。
【0037】
複合コンクリートブロック1の製造方法としては、前記製造方法以外にも種々の方法が考えられる。例えば、図示した実施の形態とは反対に、最初にポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリートを、成形型枠11内に流し込んでもよい。そして、そのコンクリートが凝結、硬化する前に、その上側に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化しないようさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有する、畳表4aあるいはその他の仕切り部材4を配置し、その仕切り部材4の上側へと、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠11内に流し込むことにより複合化させて、複合コンクリートブロック1を製造するようにしても構わない。
【0038】
また、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを同時打ちによって形成するのでなく、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートを用いても構わない。すなわち、成形型枠11内に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有する、畳表4aあるいはその他の仕切り部材4を配置し、その仕切り部材4の上側へと、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠11内に流し込むことにより複合化して、複合コンクリートブロック1を製造してもよい。あるいは、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、成形型枠11内に流し込むとともに、そのコンクリートが凝結、硬化する前に、その上側に、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有する、畳表4aあるいはその他の仕切り部材4を配置し、その仕切り部材4の上側に、硬化したポーラスコンクリートを設置することにより複合化して、複合コンクリートブロック1を製造してもよい。
【0039】
また、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを形成する各コンクリートを、成形型枠11内に平打ち方式で打設するのでなく、縦打ち方式で打設してもよい。すなわち、成形型枠11内に、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有する、畳表4aあるいはその他の仕切り部材4を、例えば、仕切り板等の介添えにより配置する。そして、その仕切り部材4を挟んで、その左右あるいは前後方向の一方側に、前記ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリートを縦打ち方式で流し込み、また、その左右あるいは前後方向の他方側に、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを縦打ち方式で流し込み、その後、前記仕切り板等の介添えを抜き取ることにより複合化させて、複合コンクリートブロック1を製造しても構わない。
【0040】
さらに、成形型枠11内に、ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有する、畳表4aあるいはその他の仕切り部材4を挟んで、その一方側に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、その他方側に、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを流し込むことにより複合化して、複合コンクリートブロック1を製造しても構わない。この場合、仕切り部材4は、例えば、硬化したポーラスコンクリートに取り付けられて、成形型枠11内に配置される。そして、仕切り部材4の左右あるいは前後方向の他方側に、普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートが、縦打ち方式で、成形型枠11内に流し込む。
【0041】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、複合コンクリートブロックは、ポーラスコンクリート部2と、普通コンクリート部3と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置して両者を仕切る仕切り部材4とを備えていれば、複合コンクリートブロック自体の形状、構造については、特に限定されない。よって、複合コンクリートブロックは、図7および図8に示すように、縦長1m、横長2m、厚み14cm程度の大きさのパネル部20と、そのパネル部20の裏面に取り付けられ、後方に突出する一対の控え部21、21とを備える、大型の積上げ可能な擁壁用のコンクリートブロックであってもよい。この第二の実施の形態の、複合コンクリートブロック22としての擁壁用ブロックは、上下に積み上げる際に自立可能となるように、パネル部20の上端面に一対の突起部23、23と、それら突起部23、23に対応位置するよう、パネル部20の下端面に嵌合穴24、24とが設けられ、さらに、控え部21、21の上部が上方に突き出るように形成され、その突き出る部分21aをちょうど受けることができるように、控え部21、21の下部に切欠21bが形成されている。
【0042】
そして、この擁壁用ブロックのパネル部20は、その前面部側がポーラスコンクリート部2によって形成され、このポーラスコンクリート部2は、パネル部20の表面側から厚み方向のほぼ中央に至る程度の厚みを有し、擁壁用ブロックのパネル部20の表層部側を形成する。また、この擁壁用ブロックのパネル部20の裏面側は、普通コンクリート部3によって形成され、この普通コンクリート部3は、擁壁用ブロックのパネル部20の基盤部側を形成するように、パネル部20の裏面側から厚み方向のほぼ中央に至る程度の厚みを有するとともに、前記ポーラスコンクリート部2の側面を覆うようにしてパネル部20の下部を除く周部を形成している。そして、このポーラスコンクリート部2の裏面と普通コンクリート部3との間には、ポーラスコンクリート部2の裏面ほぼ全体を覆うように、腐食して有機質肥料となり得る、仕切り部材4としての畳表4aが位置するように埋設されている。この仕切り部材4としての畳表4aは、第一の実施の形態と同様に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部となるシート体の本体と、その一体化を許容する、連通部となる複数の貫通孔とを有している。
【0043】
ここで、仕切り部材4としての畳表4aに、遮蔽部となるシート体の本体を設けるのは、ポーラスコンクリート部2側に、普通コンクリート部3を構成するモルタル分が進入するのを回避して、ポーラスコンクリートとしての機能を発揮するに足る、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率、好ましくは10〜35パーセントの空隙率を維持するためである。また、仕切り部材4としての畳表4aに連通部となる複数(単数でもよい)の貫通孔を設けるのは、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体的につながるようにして、各コンクリート部2、3がそれぞれに分離してしまうのを防止するためである。この複合コンクリートブロック22の製造方法についても、用いられる成形型枠の形状、構造等を除けば、第一の実施の形態の複合コンクリートブロック1の製造方法に準じて行うことができる。すなわち、普通コンクリート部3を形成するコンクリートと、ポーラスコンクリート部2を形成するコンクリートを同時打ちしてもよく、あるいは、流し込みコンクリートとあらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートとで、普通コンクリート部3およびポーラスコンクリート部2をそれぞれ形成してもよい。また、コンクリートの打ち込み方式は、平打ち方式でも縦打ち方式でも構わないのも、第1の実施の形態の複合コンクリートブロック1の製造方法と同様である。
【0044】
ところで、第一および第二の実施の形態における複合コンクリートブロック1、22は、ポーラスコンクリート部2の側面を覆うように、普通コンクリート部3が枠状に設けられている。これは、ポーラスコンクリート部2の空隙部5、5に、土壌8その他の植生基盤材を充填して植生部9を形成する場合に、その植生部9から土壌8等が抜け落ちるのを普通コンクリート部3があることによって防止するためである。また、複合コンクリートブロック1、22を積み上げたり並べたりする際に、各複合コンクリートブロック1、22が互いに突き合う部分の、少なくとも一方を普通コンクリート部3として、強度的に弱いポーラスコンクリート部2が破損するのを回避するためでもある。もっとも、使用の目的によっては、このような枠状に形成される普通コンクリート部3はなくてもよく、例えば、普通コンクリート部3の表層部側(前面部側)に、ポーラスコンクリート部2が、仕切り部材4を間に挟んで、単に積層されているだけの複合コンクリートブロックであってもよい。また、複合コンクリートブロックは、ポーラスコンクリート部2としての機能が有効に発揮されるように、少なくとも一部のブロック部分の表層部側(前面部側)が、ポーラスコンクリート部2によって形成されていればよい。そして、そのポーラスコンクリート部2の裏面を覆うように、普通コンクリート部3との間を仕切る仕切り部材4が設けられていれば、残りの普通コンクリート部3の形状、構造については、使用目的に応じた任意の形状、構造でよい。
【0045】
また、前記仕切り部材4は、有機質肥料としての利用を考慮しないならば、畳、畳床、または畳表のような肥料性部材に限定されず、その材質については特に限定されない。よって、仕切り部材4は、例えば、布、ポリスチレン等の合成樹脂、鋼等の金属、あるいは紙等からなるシート体、さらには間伐材とかベニヤ板等の木製板材であって、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有するように形成されていればよい。また、仕切り部材4の連通部7は、円形状の貫通孔7a、7aとして形成される必要はなく、三角形状、四角形状その他の多角形状等の任意形状の貫通孔でよい。また、貫通孔ではなく、スリット状あるいはメッシュ状に形成されていてもよく、したがって、仕切り部材4は、ネット状のものであってもよい。さらに、巻いたり折り重ねたりして棒状に形成した畳表を格子状に組むことにより、遮蔽部と連通部とを備えた仕切り部材4を形成してもよい。また、複合コンクリートブロックは、普通コンクリート部3とポーラスコンクリート部2との間に、非肥料性部材からなる仕切り部材4を設け、その仕切り部材4のポーラスコンクリート部2側の適宜個所に、畳、畳床、または畳表その他の肥料性部材を配置した構成であってもよい。こうすると、複合コンクリートブロックが植生される場合に、肥料性部材が経時的に腐食して植物の肥料になり、また、その腐食後に形成される空隙部が、ポーラスコンクリートとしての機能を発揮するのに良好な空隙率を確保することとなる。もちろん、かかる作用効果は、例えば、い草とかわらを丸めたり折ったりしたものをポーラスコンクリート部2の内部に混入させるだけでも構わない。
【0046】
また、複合コンクリートブロック1、22は、連通部7としての貫通孔7a、7aを介して、普通コンクリート部3側の骨材の一部がポーラスコンクリート部2側に進入するようにして、普通コンクリート部3とポーラスコンクリート部2とが、凹凸状にかみ合うようにしてもよい。こうすると、普通コンクリート部3とポーラスコンクリート部2とは、より強固に一体化される。
【0047】
また、この発明に係る複合コンクリートブロックは、図9および図10に示されるように、ポーラスコンクリート部2と、普通コンクリート部3と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置して両者を仕切る、複数の仕切り部材4、4とを備える複合コンクリートブロック60であってもよい。そして、これら仕切り部材4、4の全部または一部は、ブロック外縁部61との間に、あるいは、他の仕切り部材4、4との間に、間隔を明けるように配置され、かつ、これら仕切り部材4、4によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成される。すなわち、この発明に係る第三の実施の形態の、複合コンクリートブロック60としての、例えば、擁壁用のコンクリートブロックは、裏面側(後面部側)にて後方に突出形成される、一対の控え部63、63を備えた普通コンクリート部3と、その普通コンクリート部3の表層部側(前面部側)に積層されるポーラスコンクリート部2と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置するように埋設されて両者を仕切る、複数の仕切り部材4、4とからなり、これら複数の仕切り部材4、4は、ブロック外縁部61との間に、あるいは、他の仕切り部材4、4との間に、一定の間隔を明けるようにして規則的に配置されている(図10参照)。前記仕切り部材4、4としては、例えば、肥料性部材としての畳を用いるのが好ましく、例えば、使用済の畳を短冊状に裁断したものを用いる。
【0048】
また、複数の仕切り部材4、4の一部4s、4sは、例えば、図11に示すように、ブロック外縁部61としてのブロック下端縁部61aに通じることで、外側に露出していても構わない。そして、複数の仕切り部材4、4は、それぞれが独立して一定の間隔を明けるように配置されなくてもよく、複数の仕切り部材4、4の全部または一部が、集合し、重なり合い、もしくはつながり合って、ブロック外縁部61との間に、あるいは、他の仕切り部材4、4との間に、間隔を明けるように配置されていてもよい。もちろん、仕切り部材4、4としての畳の形状は、矩形状に限定されるわけではなく、任意形状で構わない。
【0049】
さらに、複数の仕切り部材4、4の全部または一部は、第一および第二の実施の形態における複合コンクリートブロック1、22で使用した仕切り部材4と同様の形態であっても構わない。すなわち、複合コンクリートブロック60は、ポーラスコンクリート部2と、普通コンクリート部3と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置するように埋設されて両者を仕切る、複数の仕切り部材4、4とを備え、これら仕切り部材4、4の全部または一部は、ブロック外縁部61との間に、あるいは、他の仕切り部材4、4との間に、間隔を明けるように配置され、その間隔が明けられた部位に、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成され、また、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部は、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有してなるものである。したがって、例えば、複数の仕切り部材4、4は、図12に示すように、短冊状に裁断された畳が集合してなる畳集合体Kと、その畳集合体Kと間隔を明けて配置される、台形状、三角形状、および円形状等の任意形状に裁断された畳とからなり、前記短冊状に裁断された一部の畳と前記円形状に裁断された畳には、前記遮蔽部6と、前記連通部7となる貫通孔7aとを有するような態様であってもよい。
【0050】
また、仕切り部材4は、複数でなく、単数であってもよい。図13に示す複合コンクリートブロック60は、ポーラスコンクリート部2と、普通コンクリート部3と、これらポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に位置するように埋設されて両者を仕切る、一つの仕切り部材4とを備える。そして、この仕切り部材4は、ブロック外縁部61との間に間隔を明けるように配置され、その間隔が明けられた部位に、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化する一体部62を形成し、かつ、前記仕切り部材4によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成される。また、この単数の仕切り部材4は、遮蔽部6と連通部7とを有するものであってもよく、さらに、仕切り部材4としての畳の形状は、任意形状で構わない。
【0051】
このように、この発明に係る複合コンクリートブロック60は、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3との間に埋設されて位置する、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4によって、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に間隔を明けるように、あるいは、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4の全部または一部がブロック外縁部61との間に間隔を明けるように、配設されることで、そのような間隔が明けられた部位に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるよう構成される。したがって、仕切り部材4によって形成される遮蔽部6の存在により、ポーラスコンクリート部2側には、普通コンクリート部3を構成するモルタル分等が進入しなくなり、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率が維持される。一方で、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とは、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部62によってつながっているので、それぞれに分離してしまうのが防止される。
【0052】
また、この発明に係る複合コンクリートブロック60は、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4の全部または一部が、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6と、その一体化を許容する連通部7とを有し、また、前記間隔が明けられた部位には、一体部62が形成されるよう構成されてもよい。これにより、仕切り部材4が有する遮蔽部6の存在により、ポーラスコンクリート部2側に普通コンクリート部3を構成するモルタル分等が進入しないため、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率を維持することができ、また、仕切り部材4が有する連通部7、および、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部62により、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とはつながっているので、それぞれに分離してしまうのを防止することができる。なお、この場合において、前記一体部62を構成要素から外すと、既述した第一および第二の実施の形態における複合コンクリートブロック1、22と同様の形態になる。
【0053】
ところで、この複合コンクリートブロック60についても、前記仕切り部材4は、畳に限らず、例えば、肥料性部材としての畳表とか畳床であってもよい。これにより、複合コンクリートブロック60が植生される場合に、肥料性部材が経時的に腐食して植物の肥料になり、また、その腐食後に形成される空隙部が、ポーラスコンクリートとしての機能を発揮するのに良好な空隙率を確保することとなる。また、仕切り部材4は、ダンボール紙、さらには、間伐材とかベニヤ板等の木製板材でもよく、これら畳、畳床、畳表、ダンボール紙、間伐材もしくは木製板材のうちの一種あるいは二種以上の組み合わせによりなる仕切り部材4であっても構わない。そして、既述したように、産業廃棄物の有効利用等の観点より、処分が苦慮されている使用済の畳、畳床、畳表、ダンボール紙もしくは間伐材を使用するのが好ましい。
【0054】
次に、このような、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6と、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62とを有する複合コンクリートブロック60の、製造方法を説明する。すなわち、この複合コンクリートブロック60は、普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートが凝結、硬化する前に、その上側に、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4を、形成すべきブロック外縁部61との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に、間隔を明けるように配置する。そして、前記仕切り部材4(、4)によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるように、前記仕切り部材4(、4)および前記間隔が明けられた部位の上側へと、ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むことにより複合化させて、複合コンクリートブロックを製造する。
【0055】
このように、この複合コンクリートブロックの製造方法によれば、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを同時打ちによって形成することができる。また、同時打ちする場合であっても、製造される複合コンクリートブロックは、仕切り部材4(、4)によって形成される遮蔽部6の存在により、ポーラスコンクリート部2の所定のポーラス領域および空隙率を維持することができ、また、前記間隔が明けられた部位に形成される一体部62の存在により、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを一体化させて結合力を高めることができる。したがって、従来のように複数の成形型枠を用いて煩雑な作業工程を経ることがないので、作業負担が軽減されるとともに作業時間が短縮され、また、製造コストを安価にすることができる。
【0056】
そして、複合コンクリートブロックの製造方法としては、前記製造方法以外にも、種々の方法が考えられる。例えば、最初に前記ポーラスコンクリート部2を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込んでもよい。そして、そのコンクリートが凝結、硬化する前に、その上側に、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4を、形成すべきブロック外縁部61との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に、間隙を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材4(、4)によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるように、前記仕切り部材4(、4)および前記間隔が明けられた部位の上側へと、普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むことにより複合化させて、複合コンクリートブロックを製造するようにしても構わない。
【0057】
また、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを同時打ちによって形成するのではなく、あらかじめ硬化させておいたポーラスコンクリートを用いても構わない。すなわち、成形型枠内に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、そのコンクリートの上側に、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4を、形成すべきブロック外縁部61との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に、間隔を明けるように配置する。そして、前記仕切り部材4(、4)により、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるように、前記仕切り部材4(、4)および前記間隔が明けられた部位の上側へと、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことにより複合化して、複合コンクリートブロックを製造してもよい。あるいは、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートが凝結、硬化する前に、その上側に、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4を、形成すべきブロック外縁部61との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材4(、4)によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位に、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるように、前記仕切り部材4(、4)および前記間隔が明けられた部位の上側に、硬化したポーラスコンクリートを設置することにより複合化して、複合コンクリートブロックを製造してもよい。
【0058】
また、ポーラスコンクリート部2と普通コンクリート部3とを形成する各コンクリートを、成形型枠内に平打ち方式で打設するのではなく、縦打ち方式で打設してもよい。すなわち、あらかじめ、硬化したポーラスコンクリートの片面側に、単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4を、形成すべきブロック外縁部61との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材4、4の全部または一部が他の仕切り部材4(、4)との間に、間隔を明けるように取り付けるとともに、前記仕切り部材4(、4)によって、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部6が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部2と前記普通コンクリート部3とが一体化する一体部62が形成されるよう、成形型枠内の一方側に、前記硬化したポーラスコンクリートを、前記仕切り部材4(、4)が取り付けられた前記片面側を、前記成形型枠内の他方側に向けて設置し、その他方側に、前記普通コンクリート部3を形成するためのコンクリートを流し込むことにより複合化して、複合コンクリートブロックを製造してもよい。この場合、前記単数の仕切り部材4もしくは複数の仕切り部材4、4は、あらかじめ硬化したポーラスコンクリートの片面側に取り付けられて、成形型枠内に配置されるので、縦打ち方式によって打設されても、前記仕切り部材4(、4)を保持するための保持具等は不要である。
【0059】
なお、この発明に係る複合コンクリートブロック1、22、60において、前記仕切り部材4は、複数段に重ね合わされるようにして、前記ブロック内に埋設されても構わないことは、勿論である。また、複合コンクリートブロック60についても、図示実施の形態に示す複合コンクリートブロック1、22のように、ポーラスコンクリート部2の周側部を枠状に覆う、普通コンクリート部を設けるようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上、詳述したところから明らかなように、この発明に係る複合コンクリートブロックによれば、次の効果がある。
【0061】
請求項1ないし4に記載された複合コンクリートブロックによれば、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率が確保され、しかも、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とが一体化される。
【0062】
請求項5に記載された複合コンクリートブロックによれば、加えて、植生された場合に、植物の生育に良好な環境が提供される。
【0063】
請求項6に記載された複合コンクリートブロックによれば、加えて、植物の生育にとって一層良好であるとともに、廃棄処分となるような、畳、畳床、または畳表の有効利用して、資源の再利用および製造コストの削減を図ることもできる。
【0064】
請求項7に記載された複合コンクリートブロックによれば、加えて、植生されることで自然との共生を図ることができる。
【0065】
請求項8ないし16に記載された複合コンクリートブロックの製造方法によれば、ポーラスコンクリート部の所定のポーラス領域および空隙率の確保が容易で、しかも、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とが一体化される複合コンクリートブロックを製造することができる。特に請求項8、11、13に記載された複合コンクリートブロックの製造方法によれば、ポーラスコンクリート部と普通コンクリート部とを同時打ちして形成することができるので、加えて生産性が向上する。
【0066】
請求項17に記載された複合コンクリートブロックの製造方法によれば、加えて、使用済の畳、畳床、畳表とかダンボール紙、あるいは間伐材を使用する場合には、資源の再利用および製品コストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る複合コンクリートブロックの第一の実施の形態を示す、ポーラスコンクリート部の一部を破断した斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】同じく、仕切り部材としての畳表の平面図である。
【図4】同じく、植生部が形成されて、植物の根が空隙部を通って生育する状態を示す図2相当図である。
【図5】同じく、仕切り部材の上面に区分け具を設置し、その区分け具の枠内にポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートが流し込まれた状態を示す縦断面図である。
【図6】同じく、打設後、区分け具を引き抜く状態を示す縦断面図である。
【図7】この発明に係る複合コンクリートブロックの第二の実施の形態の正面図である。
【図8】同じく、側面図である。
【図9】この発明に係る複合コンクリートブロックの第三の実施の形態を示す図2相当図である。
【図10】図9におけるB−B線断面図である。
【図11】この発明に係る複合コンクリートブロックの他の実施の形態を示す図10相当図である。
【図12】この発明に係る複合コンクリートブロックの、さらなる他の実施の形態を示す図10相当図である。
【図13】この発明に係る複合コンクリートブロックの、さらなる他の実施の形態を示す図10相当図である。
【図14】従来の複合コンクリートブロックの従断面図である。
【符号の説明】
1、22、60 複合コンクリートブロック
2 ポーラスコンクリート部 3 普通コンクリート部
4 仕切り部材 4a 畳表
5 空隙部 6 遮蔽部
6a シート体の本体 7 連通部
7a 貫通孔 8 土壌
9 植生部 11 成形型枠
12 普通コンクリート部を形成するためのコンクリート
17 ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリート
61 ブロック外縁部 62 一体部
Claims (17)
- ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部と、これらポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置して両者を仕切る、単数もしくは複数の仕切り部材とを備え、
前記仕切り部材は、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有することを特徴とする複合コンクリートブロック。 - 前記仕切り部材は、複数の貫通孔を設けたシート体からなり、それら貫通孔が、前記連通部を構成することを特徴とする請求項1に記載の複合コンクリートブロック。
- ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部と、これらポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置して両者を仕切る、単数もしくは複数の仕切り部材とを備え、
この仕切り部材、もしくは、これら仕切り部材の全部または一部は、ブロック外縁部との間に、あるいは、他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置され、かつ、
前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、
前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されてなることを特徴とする複合コンクリートブロック。 - ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部と、これらポーラスコンクリート部と普通コンクリート部との間に位置して両者を仕切る、単数もしくは複数の仕切り部材とを備え、
この仕切り部材、もしくは、これら仕切り部材の全部または一部は、ブロック外縁部との間に、あるいは、他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置され、かつ、
前記単数の仕切り部材、もしくは、前記複数の仕切り部材の全部または一部は、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが、一体化しないようにさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有し、また、
前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されてなることを特徴とする複合コンクリートブロック。 - 前記仕切り部材は、腐食によって有機質肥料となり得る肥料性部材からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の複合コンクリートブロック。
- 前記肥料性部材は、畳、畳床、畳表のうちの一種あるいは二種以上の組み合わせよりなることを特徴とする請求項5に記載の複合コンクリートブロック。
- 前記ポーラスコンクリート部の空隙部に、土壌その他の植生基盤材を充填して植生部を形成することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の複合コンクリートブロック。
- ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、
前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか一方を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を配置し、その仕切り部材の上側へと、前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか他方を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする複合コンクリートブロックの製造方法。 - ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、
成形型枠内に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を配置し、その仕切り部材の上側へと、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする複合コンクリートブロックの製造方法。 - ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、
前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を配置し、その仕切り部材の上側に、硬化したポーラスコンクリートを設置することを特徴とする複合コンクリートブロックの製造方法。 - ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、
成形型枠内に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を挟んで、その一方側に、前記ポーラスコンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込み、また、その他方側に、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込むことを特徴とする複合コンクリートブロックの製造方法。 - ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、
成形型枠内に、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようさえぎる遮蔽部と、その一体化を許容する連通部とを有する仕切り部材を挟んで、その一方側に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、その他方側に、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込むことを特徴とする複合コンクリートブロックの製造方法。 - ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、
前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか一方を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるように、前記仕切り部材および前記間隔が明けられた部位の上側へと、前記普通コンクリート部または前記ポーラスコンクリート部のいずれか他方を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする複合コンクリートブロックの製造方法。 - ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、
成形型枠内に、硬化したポーラスコンクリートを設置するとともに、そのコンクリートの上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるように、前記仕切り部材および前記間隔が明けられた部位の上側へと、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、前記成形型枠内に流し込むことを特徴とする複合コンクリートブロックの製造方法。 - ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、
前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを、成形型枠内に流し込むとともに、そのコンクリートの上側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように配置し、かつ、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるように、前記仕切り部材および前記間隔が明けられた部位の上側に、硬化したポーラスコンクリートを設置することを特徴とする複合コンクリートブロックの製造方法。 - ポーラスコンクリート部と、普通コンクリート部とを備える複合コンクリートブロックの製造方法において、
あらかじめ、硬化したポーラスコンクリートの片面側に、単数もしくは複数の仕切り部材を、形成すべきブロック外縁部との間に、あるいは、前記複数の仕切り部材の全部または一部が他の仕切り部材との間に、間隔を明けるように取り付けるとともに、前記仕切り部材によって、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化しないようにさえぎる遮蔽部が形成され、また、前記間隔が明けられた部位には、前記ポーラスコンクリート部と前記普通コンクリート部とが一体化する一体部が形成されるよう、成形型枠内の一方側に、前記硬化したポーラスコンクリートを、前記仕切り部材が取り付けられた前記片面側を、前記成形型枠内の他方側に向けて設置し、その他方側に、前記普通コンクリート部を形成するためのコンクリートを流し込むことを特徴とする複合コンクリートブロックの製造方法。 - 前記仕切り部材は、畳、畳床、畳表、ダンボール紙、もしくは間伐材のうちの一種あるいは二種以上の組み合わせによりなることを特徴とする請求項8ないし16のいずれか1項に記載の複合コンクリートブロックの製造方法。
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