JP4220639B2 - 舗装用枡枠盤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、歩道としては勿論、車道としての利用が許容化されるような顕著な堅牢性を付与させた舗装用枡枠盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の舗装用枡枠盤は、主として歩道を対象とするものであり、例えば図7に示すように、複数の枡単体Tを縦横に結合させて全体を矩形状に形成したものを一単位とし、これを所要枚数前後左右に連結すると共に、各枡単体T内にコンクリートを流し込むことに依って、整然と仕切られた升目状の舗装を形成するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような、従来の舗装用枡枠盤は、各枡単体Tの隣接部分において強度的弱点が生じ、上面に過度の圧力が加わった際、当該隣接部分において亀裂が生じ易く、従ってその使用は専ら歩道用に限定されるものであった。
【0004】
本発明は、上記したような強度的問題を解消し、歩道としては勿論、車両が走行する駐車場、または、車道の舗装としての使用が許容されるようにした、新規の舗装用枡枠盤の提供を図ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、四隅に設けた枡枠主体盤( A )と当該枡枠主体盤( A )の縦横の中央部分に平面十字状に一体化させたコンクリート等流し込み用補強枡枠部( B )とからなり、前記枡枠主体盤( A )は枡単体(1)と、当該枡単体(1)に隣接する格子状上面枠(2)からなり、当該格子状上面枠(2)には、地中からの植物の伸長を阻害しないために開口する部分を、外力に依り打ち抜かれる打ち抜き用線(3)で囲繞するように構成したことを特徴とする舗装用枠盤に係る。本発明はこのような構成の採用に基づき、その全体の堅牢性向上を図り、以って、従来の強度的問題を解決した新規の舗装用枠盤の提供を図る。
【0006】
更に、本発明は、枡枠主体盤Aを、各枡単体1は、格子状上面枠2を隣接させ、当該格子状上面枠2には、地中からの植物の伸長を阻害しないために開口する部分を、外力に依り打ち抜かれる打ち抜き用線3で囲繞するように構成することに依り、地中からの植物伸長をはかることが容易に達成されると言う、独自の作用効果を奏することとなる。
【0007】
【作用】
本発明に係る舗装用枠盤を縦横に連結して地表を覆うと共に、各枡単体1及び補強枠部B内にコンクリート等の充填材Cを流し込むことに依り、地表面は整然と区画された舗装が施されることとなる。そして、枡枠主体盤A部分は、補強枠部Bに依る補強が施され、顕著な堅牢性が付与される。
【0008】
また、格子状上面枠2に、地中からの植物の伸長を阻害しないために開口する部分を形成した場合、これを所要の外力に依り、下方に打ち落とすか、または、上方にむしり取ることに依り、地中からの植物の伸長を阻害しないための開口部を形成する。
【0009】
【実施例】
図1は本発明に係る舗装用枠盤を表したものであり、本発明はこのような形態を具えた舗装用枡枠盤を前後左右に連結して、地表に対する舗装目的を達成するものである。
【0010】
図1において、Aは平面矩形状を呈する枡枠主体盤であって、従来の舗装用枡枠盤図7に示すように矩形状枡単体Tが縦横に連続状に並べて形成してあったのを、四隅部分のみに枡単体1を形成すると共に、その縦横の中央部分には、コンクリート等流し込み用補強枠部Bを、平面十字状に一体化させた状態で形成してある。
【0011】
また、上記した各枡単体1は、所要枚数の舗装用枠盤を縦横に連結した際、各枡単体の四辺部に上面枠2が縁取り状に連設されるように構成してある。すなわち、図3に示すように舗装用枠盤を縦横に連結した際に、各枡単体の四辺部に上面枠2が縁取り状に組合せられて位置するように構成したものであり、各枡単体の四周縁にそれぞれ上面枠2を囲繞状に連設するものではない。
【0012】
なお、図示の実施例にあっては、単体1は四隅の四個としているが、上記したコンクリート等流し込み用補強枠部Bが平面十字状に一体化させた状態で形成されるものであれば、枡単体の形成個数を各隅角部に複数単位集結させた形態とするような形態に構成しても良い。そして、枡枠主体盤Aは、縦横に組立て連結される形態とすることが必要である。従って、当該枡単体1はこのような形態とする配列が可能とする個数であれば良く、枡枠主体盤A自体の平面形状も、図示のような正方形状に限定されるものではなく、長方形状であっても良い。
【0013】
本発明はこれを縦横に連結して地表を覆うと共に、各枡単体1及びコンクリート等流し込み用補強枠部B内にコンクリート等の充填材を流し込むことに依り、地表面は整然たる碁盤の目状の舗装が施されることとなる。そして、枡枠主体盤 Aは、補強用枠部Bに依る周辺部補強が施され、顕著な堅牢性が付与される。
【0014】
本発明は、上記したコンクリート等流し込み用補強枠部Bを設けたことを特徴とするものである。換言すれば、既存の枡枠主体盤Aに対して、当該補強枡枠部Bを追加連設したものを複数単位縦横に連設したことを発明の骨子とするものである。従って、当該枡枠主体盤A自体の構成は図示のもの以外であっても良い。
【0015】
然し乍、図示の枡枠主体盤Aにあっては、地中からの植物の伸長を阻害しないようにするための特別の構成を具備させてある。すなわち、上記した上面枠2には、これの各枡単体1の連設部分に、地中からの植物の伸長を阻害しないようにするため、下記するような構成が採られている。以下、同構成について詳細に説明する。
【0016】
すなわち、図1に示すように、地中からの植物の伸長を阻害しないようにするために開口される部分を、外力に依り打ち抜き可能とする打ち抜き用線3で囲繞すると共に、当該囲繞部分内には、打ち抜き用隆起部4を形成することに依って、当該隆起部4を介しての上記囲繞部分の下方への打ち落とし、或いは、上方へのむしり取り目的が図られるように構成してある。そして、当該隆起部4をその頂面が枡単体1の上縁より上位に位置するだけの高さを具えたものにすることに依り、後述するようなローラーに依る打ち抜きが図られる事となる。
【0017】
図示の実施例にあっては、当該打ち抜き用隆起部4は枡単体1の側縁に沿って二個の隆起を並べて形成してあるが、これを一個、或いは、任意の複数個に分割形成するように構成しても良い。また、このように分割形成した場合は、夫々の隆起部の間に補強用リブを格子状上面枠2の内側に設けることが、補強上の見地から好ましい。
【0018】
上記した打ち抜き用線3としては、ミシン孔、V状溝孔が挙げられる。換言すれば、当該打ち抜き用線3は、圧力により破断可能とする線であれば良い。
【0019】
上記した打ち抜き用隆起部4であるが、これを下方への打ち落としまたは上方へのむしり取り用として考えた場合は、その高さは任意で良い。然し乍、当該打ち抜き用隆起部4の高さ設定を、後述するように流し込まれる充填物Cに対する圧力付与(均しのためのローラー掛け等に基づく圧縮力等)に基づく減少見込み量に即応した高さに設定することに依り、充填物の適正使用量の確認が容易に果たされると言う作用効果を奏することとなる。換言すると、当該打ち抜き用隆起部4で囲まれた部分を、充填物の余剰量計量用枡として機能させることが出来るわけである。
【0020】
ところで、枡単体1及び補強枡枠部Bは、上部が矩形状に開口されると共に、下方は先細状のテーパー状に形成した枡状に形成することに依って、枡枠主体盤 Aの積み重ね状態の保管に際し、下方の枡体内に上位の枡体が差し込まれ、積み重ねの嵩高が最小化されるように構成してある。
【0021】
本発明に係る舗装用枠盤であるが、これは互いの辺縁において縦横に連結できるように構成してある。図示の実施例にあっては、一方の隅角を構成する二辺に受け形状の係合部aを連設し、当該隅角と対向する隅角を構成する二辺には、上方から垂下する鈎形状の係合部bを連設する。そして、当該係合部aと係合部bとを互いに引掛けることに依って、舗装用枠盤相互の連結が図られるように構成してある。
【0022】
然し乍、舗装用枠盤相互の連結手段は、図示の実施例に限定されるものでは全くなく、各舗装用枡枠盤を縦横に連結可能とするものであれば、その手段は問わない。
【0023】
本発明に係る舗装用枡枠盤は下記のようにして使用に供される。先ず、所要枚数の舗装用枡枠盤を縦横に連結しながら、所要の地表部分に設置する。この時、地表面にメッシュ材5を敷設しておくことにより、設置の安定性と補強性が高められる。
【0024】
次に、図3に示すように、その上面から土砂、または、コンクリート等の充填物を流し込むことに依って、当該充填物Cが各枡単体1並びに補強枡枠部Bを満たすと共に、当該各枡単体1の上縁より上位に位置するだけの高さを具えた打ち抜き用隆起部4で囲まれた部分、すなわち、格子状上面枠2の上面内まで、当該充填物Cを流し込む(図5参照)。
【0025】
然る後、図6に示すように、地均し用ローラーRに依る転圧力付与等、上記充填物C上面に押圧力を加えれば、当該押圧力に基づき、打ち抜き用隆起部4を介して打ち抜き用線3を打ち抜き、当該部分を下方に落下させる。そのため、充填物Cは圧縮されて枡単体1内に押し込まれ、その口縁ギリギリ迄の充填が成される。
【0026】
上記に基づき、各枠主体盤Aは、その連結部を含め、各枡単体の隣接部分(格子状上面枠2に該当する部分)には、図6に示すような空間(打ち抜き用隆起部4等が打ち抜かれて形成される連通空間)が形成される。また、枡単体1内及び補強枡枠部B内に充填物Cが流し込まれて地表補強が図られる。
【0027】
枡単体1及び補強枡枠部B内に充填物が流し込まれることに依る地表補強が図られると同時に、上記した各枡単体の隣接部分に形成される空間の存在は、地表の雨水に対する地中浸透作用を奏すると共に、地中からの植物伸長用空間としての役割を果たし、芝等の地表上での伸長育成が図られる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は請求項1に記載のような構成、すなわち、四隅に設けた枡枠主体盤( A )と当該枡枠主体盤( A )の縦横の中央部分に平面十字状に一体化させたコンクリート等流し込み用補強枡枠部( B )とからなり、前記枡枠主体盤( A )は枡単体(1)と、当該枡単体(1)に隣接する格子状上面枠(2)からなり、当該格子状上面枠(2)には、地中からの植物の伸長を阻害しないために開口する部分を、外力に依り打ち抜かれる打ち抜き用線(3)で囲繞するように構成した舗装用枡枠盤であるから、当該舗装用枡枠盤に対する強力なる強度的強化が図られる。
【0029】
従って、本発明に係る舗装用枠盤を縦横に連結して地表を覆うと共に、各枡単体1及び補強枡枠部B内にコンクリート等の充填材Cを流し込むことに依り、地表面は整然たる区画状態の舗装が極めて迅速かつ簡易に施されることとなる。同時に、枡枠主体盤A部分は、コンクリート等流し込み用補強枠部Bに依るその中央部分での縦横的補強が施され、顕著な堅牢性が付与される。従って、本発明に係る舗装用枠盤は、歩道用としては勿論、その他、駐車場用、車道用の舗装、更には、のり面に対する表面処理用としての使用も許容化される。
【0030】
また、本発明に係る舗装用枠盤は、上記のようにコンクリート等流し込み用補強枠部Bに基づく平面十字状補強が成されるため、矩形状単体1には土を充填して芝生等を植設しても、強度的には十分耐え得ることとなる。従って、舗装面を芝生植設に基づくユニークなる遊歩道等を形成することが許容化される。また、補強性がそれほど必要としない場合は、コンクリート等流し込み用補強枠部B内にも土を充填して植物を植え込むような利用も果たされる。
【0031】
本発明はさらに、枡枠主体盤Aとして、各枡単体1は、格子状上面枠2を隣接させて形成し、当該格子状上面枠2には、地中からの植物の伸長を阻害しないために開口する部分を、押圧力に依り打ち抜かれる打ち抜き用線3で囲繞するように構成した枡枠主体盤 Aとすることに依り、地中からの植物の伸長を阻害しないために開口する部分に対する打ち抜き作業が、地均し作業と連動して一括的に果たされる。
【0032】
従って、当該開口作業を手作業で個々に行っていた従来において生じる、作業の煩雑性及び長時間性と言うような問題は、本発明にあっては一掃される。
【0033】
本発明は請求項2に記載のような構成、すなわち、打ち抜き用線3をミシン孔で形成することに依り、当該打ち抜き用線3に沿った打ち抜きの確実化が図られる。
【0034】
本発明は請求項3に記載のような構成、すなわち、押圧力に依り打ち抜かれる打ち抜き用線3で囲繞された部分内に、頂面が枡単体1の上縁より上位に位置するだけの高さを具えた打ち抜き用隆起部を一体形成することに依り、打ち抜き用線3に対するうち抜きが確実に果たされる。更に、当該打ち抜き用部分の成形が舗装用枡枠盤成形と同時に果たされるため、当該部分を別部品化した場合に生じる、舗装用枡枠盤製造上の煩雑性及びコスト高性発生と言う問題発生を回避する。
【0035】
本発明は打ち抜き用隆起部4の高さ設定を、流し込まれる充填物Cの圧縮に依る減少見込み量に即応した高さとするように構成することに依り、充填物の適正使用量の確認が容易に果たされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る舗装用枠盤の一実施例を表した平面図である。
【図2】本発明に係る舗装用枠盤の正面図である。
【図3】本発明に係る舗装用枠盤を複数枚連結した状態を表した説明用平面図である。
【図4】図3に示す状態においてコンクリート等の充填材を流し込んだ状態を表した説明用平面図である。
【図5】充填物の流し込み状態にある本発明に係る舗装用枠盤の要部の拡大断面図である。
【図6】ローラーに依る押圧力付与状態にある本発明に係る舗装用枠盤の要部の拡大断面図である。
【図7】従来の舗装用枠盤を表した平面図である。
【符号の説明】
枡枠主体盤
1 矩形状単体
B 補強枠部
2 格子状上面枠
3 打ち抜き用線
4 打ち抜き用隆起部
5 メッシュ材
M 舗装用枡枠盤
R ローラー
C 充填物
a 受け形状の係合部
b 鈎形状の係合部

Claims (3)

  1. 四隅に設けた枡枠主体盤( A )と当該枡枠主体盤( A )の縦横の中央部分に平面十字状に一体化させたコンクリート等流し込み用補強枡枠部( B )とからなり、前記枡枠主体盤( A )は枡単体(1)と、当該枡単体(1)に隣接する格子状上面枠(2)からなり、当該格子状上面枠(2)には、地中からの植物の伸長を阻害しないために開口する部分を、外力に依り打ち抜かれる打ち抜き用線(3)で囲繞するように構成したことを特徴とする舗装用枠盤。
  2. 打ち抜き用線(3)をミシン孔で形成して成る請求項1に記載の舗装用枠盤。
  3. 外力に依り打ち抜かれる打ち抜き用線(3)で囲繞された部分内に、頂面が枡単体(1)の上縁より上位に位置するだけの高さを具えた打ち抜き用隆起部(4)を一体形成して成る請求項2に記載の舗装用枠盤。
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