JP4079355B2 - 法枠工法に使用される金網型枠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は法枠工法に使用される金網型枠に係り、詳しくは、二枚の金網からなる金網型枠を並べ、その中に低スランプ材を吹きつけて形成した縦桁および横桁からなる法面保護枠の構築法に関し、格子状をなす両桁で覆って地山の安定を図ると共に、画成された各枠内に土壌を配して傾斜地の緑化を促進しようとする分野で利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
緑化工法の一つに、コンクリート等で平面矢視格子状の法面保護枠(以下法枠という)を形成し、その枠間空所に人工土壌などの客土を施し、法面の補強と緑化を図るようにしているものがある。この法枠を形成するためには、型枠として機能する金網、この金網一対を対面させて姿勢を保持する鉄筋スペーサ、このスペーサに支えられて縦通する補強鉄筋といったものが使用され、また補強鉄筋に適宜スターラップ筋が施されたりもする。
【0003】
図9に示すように、法面1に法枠2を形成すべくラス金網2a等を敷設した上に金網3,3を垂直な姿勢で対面して配置し、図10に示す鉄筋スペーサ9によって保形されている金網型枠4に例えば4本の補強鉄筋8,8をくくりつける。その金網型枠もしくは補強鉄筋に適数本のアンカーを打つなどして地山に固定した後、金網型枠内にモルタルやコンクリートとりわけ低スランプ固化材を吹きつけて法枠が形成される。
【0004】
固化材の吹きつけを続けると金網型枠の網目から固化材が押し出されたり膨れ出るが、固化材が低スランプであるため流れ出たり垂れることは殆どない。金網型枠の上端が埋まるまで供給されると、その表面全てに鏝が当てられる。鏝の運びによって網目からはみ出たり膨出した固化材を均すと金網型枠4は表面から姿を隠し、固化材のひき伸ばしによって滑らかな表面が得られる。
【0005】
この金網型枠は固化材に埋め殺しとなるが、木製型枠のようにいちいち回収する手間を省くことができる。なお、法枠形成用の金網型枠として、しばしばクリンプ金網が使用される。これには波形に曲げられた縦ワイヤ3aと横ワイヤ3bとが使用され、これを交差させるだけで保形性が発揮され、また安価に入手することができる。
【0006】
上記した法枠を構成する縦桁50と横桁60とは、その断面形が一般に図9に示したような矩形となっている。とりわけ正方形であることが多いが、矩形であるのは、土圧を底面全てで均等に受圧できること、その桁を構築するための金網型枠を運搬時など簡単に重ね合わせて嵩を低くしておくことができることに基づく。
【0007】
図11は、縦桁50も横桁60も一辺の長さがWの正方形断面である場合に使用される金網型枠4の配置を示す。縦桁と横桁との交差部20も低スランプ材が装填されるが、そこには型枠としての金網を配置しておく意味が特になく、金網3,3は法枠2の側壁表皮に沿った部分のみに配置される。すなわち、交差部の隅(交差線21を参照)を形成する二つの金網3,3の縁部は突き当て状態とされ、適宜結束線で繋ぐなどされる。
【0008】
ところで、対面する金網を繋ぐ鉄筋スペーサ9は、図12に示すように、その横線材10の両端部がクリンプ金網3の縦ワイヤ3aに絡むように曲げられる。その様子は、図中の各A−A線矢印方向から見たフック12aからも分かるように、曲げられている方向はいかにあれ、離脱不可能であるが縦ワイヤ3aを中心に横線材10を回動させることができる程度のかしめ方とされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した矩形断面の桁から構成される法枠に代わって、最近では特開平7−317076号公報にも記載があるように、台形断面も提案されている。その例では縦桁だけが台形断面をなすが、実用新案登録第3008623号公報では横桁も矩形でないものとなっている。ちなみに、図13には、両桁50A,60Aが台形断面となったものを表した。
【0010】
このように台形断面であると上辺が狭くなり、それが繁茂する草本の葉蔭に入りやすく、露出部分の減少でコンクリート法枠の持つ威圧感が和らげられる。また、図3に示すように、その(b)では横桁60Aの背面に残るラウンド(逆勾配の窪み)が(a)の横桁60の背面に残るそれに比べて、S0 からS1 へと小さくなる。
【0011】
しかし、この窪みが有る限りは雨水の溜まるのは避けられず、植生の根腐れをきたしたり地山表層の浸食を助長する原因ともなる。そこで、(a)の場合のみならず(b)においても法枠形成後に水切りコンクリート22が施工される。その量は図のごとく減少させることができるものの、法面の勾配が大きい場合、例えば5分勾配(仰角63度)ともなると依然としてかなりの量のモルタル工事が強いられる。
【0012】
水切りコンクリート施工が要求される場合には、トータルの法枠構築工数が増大しまたセメント消費量の増加を招くことは言うまでもない。それのみならず、横桁と爾後的に工事された水切りコンクリートとの密着を最良の状態に保っておくことは容易でなく、横桁としての一体性が常に確保できるとは限らない。その意味では横桁の等質性も劣ったものとなりがちである。
【0013】
ところで、矩形断面の桁であると、図11に示したように、横桁用の矩形の金網と縦桁用の矩形の金網とを交差部20において先端縁部で突き合わせるか相互に若干差し込むだけで交差線21を形成でき、隙間の発生を防止することができる。一方、上記した台形断面の桁であると、先端部の突き合わせだけでは先端縁部間にV字状の隙間が残る。そこで、先に示した特開平7−317076号公報の例では、金網の先端部を三角状に切り落とし、その傾斜した切断縁を他方の金網の傾斜面にあてがい、金網相互の干渉を避けると共に隙間が残らないようにしている。
【0014】
その金網端の三角部形成は、縦ワイヤおよび横ワイヤの何本かを適宜の長さに切断することを意味し、施工現場でいちいち一枚ずつ処理することにしたのでは作業者に掛かる負担が著しく増大する。もちろん、金網を製作した後にシヤーで一気に裁断してもよいが、それでも金網の製作工程を増やすことになりコスト高なものとなる問題がある。
【0015】
上記した三角状の切断をしない場合には、低スランプ材のはみ出しを抑止するため、図13に示すように先端を交差させる必要がある。その交差により生じる交差線21を超えてはみ出す部分例えば3ML1,3NU1は三角形となるが、この交差を可能にするためには、一方の金網の端部における縦ワイヤの一または二本を除去し、その部分に残った横ワイヤを他方の金網の端部に突き差すようにすればよい。具体的には、3MR1と3ND1のところで見られるように、3ND1の領域の縦ワイヤを取り除いておけばよい。
【0016】
端部の縦ワイヤの除去は、それを金網の長手方向に引っ張るようにしてずらすだけで簡単に行うことができる。手こずる場合でも縦ワイヤの中間を一か所ペンチで切断すれば横ワイヤとの交差部分が緩み、軽く取り除くことができる。したがって、交差を可能にするための縦ワイヤ除去は現場で簡単にでき、予め切断した金網を準備する必要もなくなる。しかし、図13からも分かるように、一つの交差部20において4つの交差線21が存在する関係上、縦ワイヤの除去が余儀なくされる金網は、8枚のうち少なくとも4枚にも及ぶことになり、作業者に与える負担は依然として少なくない。
【0017】
ところで、型枠を形成する金網3,3は図14に示すようにハの字状となる。この場合、鉄筋スペーサ9の全4箇所のフック12を予めかしめた状態にしておくと、現場設置作業は簡単となる反面、保管や運搬時に嵩張って極めて取り扱いが悪い。そこで、施工現場までは、横線材10のうち上線材10aの両側のフック12kを解放状態とし、下線材10bのフック12aのみを縦ワイヤ3aに絡ませておく。
【0018】
上線材10aから分離された2枚の金網は垂直となるように起こして長手方向にずらせば、鉄筋スペーサ9を挟んで平面視Z状に重ね合わされ、その嵩張りを可及的に小さくしておくことができる。しかし、現場でフックを矢印23,23で示したようにかしめる作業が2か所も要求されることになり、一対の金網に鉄筋スペーサが3つ4つと取りつけられる関係上、組立て作業に著しい負担増が強いられる。
【0019】
本発明は上記した問題に鑑みなされたもので、その目的は、縦桁と横桁の交差部において突き合わされた傾斜する金網相互の端縁部の処理が不要となるか、必要な場合でもその処理数が半減できること、台形断面の桁を形成する場合でも、それに使用される金網型枠の鉄筋スペーサに形成されるフックの現場でのかしめ作業箇所数を減らして、型枠組立て作業の円滑が図られるようにすること、を実現しようとした法枠工法に使用される金網型枠を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、縦桁と横桁とを格子状に配置し、両桁で覆って地山を押さえ法面の安定を図ると共に、画成された各枠内に土壌を配して施工面の緑化を促すようにした法面保護枠を構築するため、各桁の幅より少し短い対面間隔を保持して傾斜地に配置され、その対面間に吹きつけられた低スランプ材を用いて法枠を形成できるようにした二枚の金網を備える金網型枠にあって、その特徴とするところは、図4を参照して、横桁に適用される金網型枠の金網は垂直な金網3Aと傾斜した金網3Bとを備える。その金網の対面状態を保持すると共に一体化を図りかつ型枠内に配筋される補強鉄筋8,8を保持する鉄筋スペーサ9は、水平な二本の横線材10,10とこれに交差する二本の縦線材11,11とからなる。横線材10の両端には各金網の縦ワイヤ3aに対して水平に絡むフック12が設けられると共に、垂直な姿勢の金網3Aに対する上下部位および傾斜した金網3Bの下部位の計三箇所では、フック12aが縦ワイヤ3aに対して回動可能であるが離脱不能に係合される。一方、傾斜した金網3Bの上部位に係合するフック12bには、縦ワイヤ3aに対して係脱可能となる隙間12mが残置される。その金網型枠4の保管や運搬時には、係脱可能なフック12bを縦ワイヤ3aから離脱させて傾斜した金網3Bをその下部位のフック12nを中心に起こし、垂直となった姿勢で対面する二枚の金網3,3を長手方向にずらすと鉄筋スペーサ9を挟んで略密着させておくことができる(図7の(a)を参照)。型枠施工時には、係脱可能なフック12bを所定の縦ワイヤ3aに係合させ、もしくは係合させた後に離脱不能に変形させることにより、金網型枠としての姿が保たれるようにしたことである。
【0021】
縦線材11のうち垂直な姿勢の金網側に配置されたものは垂直に、傾斜した姿勢の金網側に配置されたものはその金網に略平行とされる。
【0022】
図8に示すように、横桁6に適用される金網型枠は谷面側の垂直な金網3ND を山頂面側の傾斜した金網3NU を備え、縦桁5Aに適用される金網型枠の金網はともに傾斜した金網3ML ,3MR であって、横桁6に使用された傾斜する金網3NU の端部が縦桁5Aに使用されている傾斜した金網3MR の端部とで、縦桁と横桁の交差部20における一つの隅を形成する場合、横桁6で使用されている傾斜した金網3NU の端部における縦ワイヤ3a(例えば図4を参照)を一・二本除去することにより残った横ワイヤ3bの先端部を縦桁5Aで使用されている金網3MR の端部に突き差し、隅部における網目不在部を生じさせないようにしたことである。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係る法枠工法に使用される金網型枠の発明によれば、対面する金網の一体化を図ると共に補強鉄筋を保持する鉄筋スペーサの水平な二本の横線材のうち、その上線材における傾斜した金網側に設けられるフックを、縦ワイヤに対して係脱可能としたので、それを解脱させた状態では、傾斜した金網を起こして垂直な金網と平行とし、そのうちの一枚を長手方向にずらすと鉄筋スペーサを挟んで他の金網に略密着させておくことができる。型枠施工前においては嵩張らず、一方、施工時にはフックを所定の縦ワイヤに絡ませてかしめるなどすれば、金網型枠としての姿を簡単に再現することができる。
【0024】
鉄筋スペーサの縦線材のうち垂直な姿勢の金網側に配置されたものは垂直に、傾斜した姿勢の金網側に配置されたものはその金網に略平行させておけば、補強鉄筋の配置間隔を大きくとることができ、捩れ剛性の高い横桁を可能にした金網型枠を作ることができる。この場合でも、金網型枠を重ね合わせる操作については、上で述べた要領で何らの支障なく簡単になされる。
【0025】
傾斜した金網同士を交差させる場合には、横桁に使用されている金網の端部における縦ワイヤを除去し、横ワイヤだけとなった先端部を縦桁の金網の端部に交差させれば、交差線が形成されて網目不在部は生じなくなり、低スランプ材の無用な漏出を防止することができる。縦桁の断面が台形であっても横桁は一方の側辺のみが傾斜しているにすぎないから、横桁が左右側辺傾斜する台形断面である場合に比べて、突き差しの必要がある金網の枚数は半減し、足場の悪いところでの作業者に与える負担がおおいに軽減される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る法枠工法に使用される金網型枠を、その実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は法面1に形成された本発明に基づく法枠2の斜視図であり、その法枠は、対面間隔を保持して法面に配置された二枚の金網3,3を備える金網型枠4を多数並べて形成された縦桁5および横桁6からなっている。これは、図9に示した場合と同様に、格子状をなす両桁で覆って地山の安定を図ると共に、画成された各枠内に土壌を配して施工面の緑化を促進することができる。
【0027】
図1においても、法枠2を構築にするに際し、形づけのための金網型枠3,3が設置されることは図11や図13の場合と同じであるが、そこに採用される金網型枠に基因して桁の断面形状が特異なものとなっている。とりわけ横桁6に注目すべきであるが、縦桁5の断面形状と違えられていることも、縦桁と横桁の組み合わせにおいて目新しい。
【0028】
先ず、縦桁について述べる。法枠2を構成する縦桁5は、地山を押さえ法面の安定を図るうえで、横桁より貢献度が著しく高い桁であることはよく知られている。この縦桁にどのような形状の断面を採用するかは重要なことであるが、図1の例では矩形断面となっており、土圧を受け止める縦桁にとって、底面全体に均等な力を及ぼすことができ、表層の保護や地山の安定を図りやすいものとしている。
【0029】
一方、横桁6は断面が台形となっているが、上辺6aと下辺6bを結ぶ側辺の一つ6cは傾斜し、他の側辺6dが上下辺6a,6bと垂直をなし、それゆえ左右非対称形ではあるが、断面積は縦桁のそれと同等の大きさが与えられている。この横桁は、傾斜した側辺6cが山頂面に、垂直な側辺6dが谷面となるように配置され、横桁の背面に生じる逆勾配の窪み7を無くすか極めて少なくしておくことができる。
【0030】
図2において、(a)が縦桁5の断面とすれば、横桁6は(c)のように片側だけが傾斜した形である。その形を決める場合、(a)の矩形の一辺からある寸法N(図1を参照)を減じて(c)の上辺6aとする一方、対向辺に同等長さNを加えて下辺6bとすれば、その断面積を(a)の桁と同じに保っておくことができる。したがって、図11の縦桁50,横桁60ともに高さH、幅Wの矩形である場合と何ら変わらない量の低スランプ材の消費にとどめられる。なお、図2の(c)は、高さH(=W)が維持されたまま上下辺でW/4増減したものを表している。
【0031】
上記した(c)は、W/8を上辺の左右で減じた左右対称な台形の(b)に比べれば、その側辺における傾斜(θ1 →θ2 )が2倍近くまで大きくなる。(b)の場合、図3のように配置したとき背面線(傾斜した側辺6c1 )が水平となるには2.5分もの急峻な勾配(仰角76度)が要求されるが、(c)の場合には5分勾配(仰角63度)で側辺6c2 の水平が達成される。法面の勾配によって、横桁の上下辺の辺長変更量N(図1を参照)を違えれば、すなわち横桁に使用される金網型枠の傾斜した金網3Bの傾斜角度を変更すれば、その勾配に順応した横桁とすることができる。
【0032】
ちなみに、法面が例えば3分勾配(仰角73度)であるとすると、そこに図2の(c)の横桁6を適用した場合、計算上10度の逆勾配が残ることになる。このように勾配差が僅かな場合、敢えて3分勾配にふさわしい金網型枠を準備しなくても、5分勾配用として製作した鉄筋スペーサを持つ金網型枠を使用し、低スランプ材の吹きつけ後の鏝当て時に若干補充して水平もしくは谷に向かってやや下り勾配に均せば、逆勾配の窪みの発生を回避することができる。
【0033】
このようにして、横桁6の背面に生じる逆勾配の窪み7を無くすか少なくできるようにしておくと(図3の(c)のS2 を参照)、そこに雨水がほとんど溜まらなくなる。植生の根腐れや桁交差部下面等で特に激しくなると言われている表層の浸食が抑制され、法枠による法面の保護効果を高めることができる。枠間に人工土壌を客土すれば、緑化も促進される。
【0034】
横桁は左右非対称台形とはいえどもその断面積は縦桁のそれと同等に保たれているので、低スランプ材の吹きつけ量は従来と変わりがなく、形状変更に原因する資材の増加という事態を招くことはない。敢えて言えば、逆勾配の窪みに爾後的な水切りコンクリート施工する必要がなくなる分、セメントの消費量は抑えられることになる。コンクリート構造物として見たとき、追加工事的になされる爾後的なモルタル施工がないので横桁自体の一体性は損なわれず、等質性は言うまでもなく高まり、耐久性の優れた法枠となる。
【0035】
ところで、図4は、図1に示した横桁6に使用される金網型枠4を示す。金網は垂直な金網3Aと傾斜した金網3Bであり、左右非対称な横桁を形成するにふさわしい姿勢に保たれる。その垂直な金網3Aと傾斜した金網3Bとを対面した状態に保持すると共に両網の一体化を図りかつ金網型枠内に配筋される補強鉄筋8,8を保持するための鉄筋スペーサ9は、水平な二本の横線材10,10とこれに交差する二本の縦線材11,11とからなる。
【0036】
二本の横線材10の両端には、各金網の縦ワイヤ3aに対して水平に絡むフック12が設けられる。そのうち、垂直な姿勢の金網3Aに対する上下部位および傾斜した金網の下部位の計三箇所では、フック12aが縦ワイヤ3aに対して回動可能であるが離脱不能に係合される。一方、傾斜した金網3Bの上部位に係合するフック12bには、縦ワイヤ3aに対して係脱可能とすべく隙間12mが残される。
【0037】
このような金網型枠4によれば、その保管や運搬時には係脱可能なフック12bを縦ワイヤ3aから離脱させ、傾斜した金網3B0 をその下部位のフック12nを中心に3B1 を経て垂直な金網3Aと平行になるように起こし、垂直となった姿勢で対面する二枚の金網3A,3B2 を長手方向にずらすと鉄筋スペーサ9を挟んで略密着させておくことができる。一方、型枠施工時には、係脱可能なフック12bを所定の縦ワイヤ3aに係合させ、もしくは係合させた後に白抜き矢印13で示したように離脱不能に変形することにより、金網型枠としての保形を図ることができる。
【0038】
なお、図4の金網型枠4においては、縦線材11のうち垂直な姿勢の金網側に配置されたものは垂直に、傾斜した姿勢の金網側に配置されたものはその金網に平行もしくはそれに近い配置とされている。この場合、下側の補強鉄筋8,8の配置間隔を大きくとることができ、捩れ剛性の高い横桁を実現する金網型枠を得るに都合がよくなる。一方、図5に示すように、かぶりLが所定量確保できる範囲で、縦線材11のいずれをも垂直に配置して横線材10と直交させることもできる。いずれにしても、次に詳しく述べる重ね合わせ操作に関しては、大きく異なるところがない。
【0039】
金網型枠4を製造した段階では、保管や運搬のために嵩張らないようにしておくことが好ましい。図6は図4や図5の金網型枠4の重ね合わせ操作を平面的に見た略図である。これは、一つの型枠に二つの鉄筋スペーサ9,9が取りつけられている例となっている。なお、各図には4本の縦線が表されているが、それは実在するものではなく、各フックが位置する高さで便宜上引いた金網と同じ長さの仮想の線で、金網の横ワイヤ3b(例えば図4を参照)と平行なものである。なお、係脱可能フック12bを備える上線材は10aと、離脱不能フック12aのみを有する下線材は10bと表されている。
【0040】
図4の実線状態は図6の(a)に相当するが、先ず図4に示すように、傾斜した金網3Bを図中の3B1 となるように少し倒す。これは図6では(b)に相当する。この操作によって、縦ワイヤ3aがフック12bから外される。次に図6の(c)の白抜き矢印14のように傾斜した金網3Bを少しずらせる。これは、傾斜した金網3Bを起こすときに、フック12bが近傍の縦ワイヤと干渉しないようにしておくためである。
【0041】
図4の位置3B2 となるように、傾斜した金網3Bを起こす。これは図6では(d)に相当する。この操作によって、傾斜した金網3Bと垂直な金網3Aとは共に垂直な姿勢となり、それらが下線材10bによってのみ繋がれた平行四辺形となる。金網3Bを図6の(e)のように逆方向へずらせ、遂には(f)となるまで接近させる。この状態を大きく表したものが、図7に描かれている。
【0042】
図7の(a)からも分かるように、フック12bは二つの金網3A,3Bの間で宙に浮いたようになっている。しかし、図は少し間隔を広く表しているが、実際は鉄筋スペーサの厚みはやむを得ないとしても二つの金網はほとんど密着した状態となる。これを側面から見ると(b)のようになり、金網3Bの上縁線3Be と金網3Aの上縁線3Ae とを理屈上一致させることができる。従って長手方向のずれは避けられないとしても、上下のずれはほとんどなく、少し上下に長い金網3Bの下部分が金網3Aからはみ出す程度で、重ね合わせ時の占有面積も小さくなる。
【0043】
このようにして重ね合わされた金網型枠は、施工現場において立体的に拡げられ、フック12bが縦ワイヤ3aに係止される。そのフック12bのかしめ操作は鉄筋スペーサに補強鉄筋を取りつける際に行ってもよいし、地山に設置する直前に行っておいてもよい。なお、そのフック12bを図示しないが傾斜した金網3Bの下部位に位置させ、上部位に離脱不能フック12aを設けるようにすることもできる。しかし、縦ワイヤから自由となる下線材が両金網を連結する上線材より長いので、重ね合わせ時に下線材の先端が解脱された金網の網目に絡みつきやすいことなどを考慮すると、フック12bを傾斜した金網3Bの上部位に位置させた図4や図5に表されている方が優れていると言える。
【0044】
ところで、図1から分かるように、交差部20において縦桁5に使用されている金網3Mと横桁6に使用の金網3Bとの交差線21は、金網3Bの端縁線それ自体で与えられる。すなわち、両金網は交差しなければ交差線21を形成することができないというものではなく、金網3Bの端縁を金網3Mの側面にあてがうだけで隙間を生じさせなくできる。したがって、図13のところで述べたような縦ワイヤを除去するということを行ってもよいが、そのような手だては別の理由がない限りその必要性もなくなる。
【0045】
図8は図1とは異なり、縦桁5Aの断面が台形となっている。横桁6は言うまでもなく図1のものと同じであり、水切りコンクリート施工が不要であるなどの効果は変わるところがない。なお、縦桁5Aの断面形状は図2の(b)に示したもので、矩形断面の桁と同じ面積を有し、その結果(c)に示した断面形状の横桁とも同一面積となっている。図1の法枠におけるセメント使用量が図11のそれと同じであるのと同様に、図8の法枠における使用量も図11の場合と同じである。
【0046】
縦桁が台形断面であると、縦桁も横桁も上辺が狭くなり、コンクリート面の多くが繁茂する草葉の蔭となり、コンクリートが持つ威圧感は和らげられ、補強工事した法面であっても優しい印象を与えやすくなる。この場合、補強鉄筋4本のうち下2本の間隔を矩形断面の場合よりも拡げることができ、縦桁の個々の捩れ剛性は高められ、ひいては法枠の面変形に対抗する強さは増大されると期待できる。
【0047】
このように、傾斜した金網同士を交差させることになる場合には、一方の金網の端部における縦ワイヤを除去し、横ワイヤだけとなった先端部を他方の金網の端部に交差させれば、交差線が形成されて網目不在部は生じなくなり、低スランプ材の無用な漏出が防止される。本例においては横桁の山頂面側の金網が傾斜しているので、縦桁が台形断面である場合にこのような事態が生じるが、横桁の谷面側の金網は地山に対して垂直であるので、この金網に関しては上記のことが起こらず、したがって、横桁が左右対称台形である場合に比べれば、突き差しの必要がある金網の枚数は少なく、足場が不安定なところで強いられる作業者の負担は軽減される。
【0048】
もう少し詳しく述べれば、図8においては図13で述べた金網端部の横ワイヤの突き差すことにより生じる交差線21は4つから2つに減ることになる。縦ワイヤの幾つかを除去する金網は、左右に各一つある符号3NU の金網における三角部分3NU1だけである。
【0049】
ちなみに、三角部分3NU1で縦ワイヤを除去することにしておくと、縦桁5Aにおける三角部分3ML1,3MR1では何らの処理をしておく必要もなくなる。法枠を構築する場合、前述したように縦桁が法面補強に大きく寄与するところ、その縦桁のための金網型枠の設置精度は横桁のそれよりも高く要求されることが多い。したがって、縦桁は設置位置が優先的に与えられ、それに対して横桁はその間で寸法的な融通を効かせながら配置される。してみれば、金網に爾後的な細工を施さざるを得ない場合は横桁の方が都合よく、それゆえ上記した縦ワイヤの除去も横桁用型枠の金網で行うようにしておくのがよい。
【0050】
このように本発明においては縦桁を台形とすることもでき、矩形断面に限るものでもない。いずれにしても、横桁を非対称台形としたことにより、縦桁の断面形状がいずれであれ、それぞれにおける特有の効果が発揮され、実用上極めて有用な金網型枠とすることができ、それによって補強と緑化にふさわしい法枠の構築が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る法枠工法が適用された法枠およびそれに使用されている金網型枠を示した斜視図。
【図2】法枠における各桁で採用された断面の形状であり、その断面積を同等としていることを説明する模式図。
【図3】横桁の断面形状を示し、傾斜した側辺が山頂面にある場合に生じる逆勾配の窪みの有無を説明した断面図。
【図4】横桁に使用された金網型枠であって、鉄筋スペーサによって金網が一体化されもしくは金網から解脱される状態を説明する正面図。
【図5】異なる形をした鉄筋スペーサが採用されている横桁用金網型枠の正面図。
【図6】金網型枠を重ね合わせる操作手順を概略的に描いた平面図。
【図7】重ね合わされた金網型枠の平面図および側面図。
【図8】縦桁の断面を台形とした場合の法枠の斜視図。
【図9】法面に設置された法枠の斜視図。
【図10】金網型枠の一例を示し、補強鉄筋が取りつけられている状態での斜視図。
【図11】従来から採用されている矩形断面の縦桁・横桁からなる法枠およびそれに使用されている金網型枠の斜視図。
【図12】矩形断面の桁に使用される金網型枠の正面図。
【図13】台形断面の縦桁・横桁からなる法枠およびそれに使用されている金網型枠を簡略して表した斜視図。
【図14】台形断面の桁に使用される金網型枠の正面図。
【符号の説明】
1…法面、2…法枠、3,3M,3ML ,3MR ,3ND ,3NU …金網、3A…垂直な金網、3B…傾斜した金網、3a…縦ワイヤ、3b…横ワイヤ、4…金網型枠、5,5A…縦桁、6…横桁、8…補強鉄筋、9…鉄筋スペーサ、10…横線材、10a…上線材、10b…下線材、11…縦線材、12,12a,12b,12n…フック、12m…隙間、20…交差部。

Claims (3)

  1. 縦桁と横桁とを格子状に配置し、両桁で覆って地山を押さえ法面の安定を図ると共に、画成された各枠内に土壌を配して施工面の緑化を促すようにした法面保護枠を構築するため、各桁の幅より少し短い対面間隔を保持して傾斜地に配置され、その対面間に吹きつけられた低スランプ材を用いて法枠を形成できるようにした二枚の金網を備える金網型枠において、
    前記横桁に適用される金網型枠の金網は垂直な金網と傾斜した金網であり、その垂直な金網と傾斜した金網とを対面した状態に保持すると共に両網の一体化を図りかつ金網型枠内に配筋される補強鉄筋を保持するための鉄筋スペーサは、水平な二本の横線材とこれに交差する二本の縦線材とからなり、
    上記横線材の両端には各金網の縦ワイヤに対して水平に絡むフックが設けられると共に、前記垂直な姿勢の金網に対する上下部位および傾斜した金網の下部位の計三箇所では、上記フックが縦ワイヤに対して回動可能であるが離脱不能に係合され、
    傾斜した金網の上部位に係合するフックは、縦ワイヤに対して係脱可能に形成され、
    金網型枠の保管や運搬時には係脱可能なフックを縦ワイヤから離脱させて傾斜した金網をその下部位のフックを中心に起こして垂直な金網と平行とし、垂直となった姿勢で対面する二枚の金網を長手方向にずらすと鉄筋スペーサを挟んで略密着させておくことができ、型枠施工時には、係脱可能なフックを所定の縦ワイヤに係合させ、もしくは係合させた後に離脱不能にかしめることにより、金網型枠の保形が図られるようにしたことを特徴とする法枠用金網型枠。
  2. 前記縦線材のうち垂直な姿勢の金網側に配置されたものは垂直に、傾斜した姿勢の金網側に配置されたものはその金網に略平行していることを特徴とする請求項1に記載された法枠用金網型枠。
  3. 縦桁と横桁とを格子状に配置し、両桁で覆って地山を押さえ法面の安定を図ると共に、画成された各枠内に土壌を配して施工面の緑化を促すようにした法面保護枠を構築するため、各桁の幅より少し短い対面間隔を保持して傾斜地に配置され、その対面間に吹きつけられた低スランプ材を用いて法枠を形成できるようにした二枚の金網を備える金網型枠において、
    前記横桁に適用される金網型枠の金網は谷面側で垂直な金網を山頂面側で傾斜した金網を備え、前記縦桁に適用される金網型枠の金網はともに傾斜した金網であって、横桁に使用された傾斜する金網の端部が縦桁に使用されている傾斜した金網の端部とで、縦桁と横桁の交差部における隅を形成させる場合、横桁で使用されている傾斜した金網の端部における縦ワイヤを除去することにより残った横ワイヤの先端部を縦桁で使用されている金網の端部に突き差し、隅部における網目不在部を生じさせないようにしたことを特徴とする法枠用金網型枠。
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