JP3039216U - 自然石結合の急勾配用擁壁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造的に信頼性が高く、自然景観に優れた生
態系保全の自然石結合の急勾配擁壁を提供する。 【解決手段】 表面に格子状のアンカー鉄筋２を接着し
てなる多数の自然石ＢをコンクリートブロックＡに装着
するとともに、同コンクリートブロックの背面格子枠に
亜鉛メッキ又は亜鉛アルミ合金メッキにより防食加工を
した金網５を張設し、同金網と前記格子状コンクリート
ブロックとの間に形成された空隙内に栗石６を充填し、
同栗石と前記コンクリートブロックと格子状のアンカー
鉄筋とを一体化した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は河川護岸、道路法面擁壁等に適用される自然景観に優れた生態系を保 全しうる１：０．５〜１．０の自然石結合の急勾配用擁壁に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の河川護岸、道路法面等における擁壁は、法面にコンクリートブロック又 は間知ブロックを組積して施工されることが多い。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら前記コンクリートブロックを使用した擁壁は、ブロック接地面を コンクリートブロック本体によって遮断するので、自然の景観を損ない、背面地 山との生態系の循環性を乱す。 また間知ブロックを組積する工法は、施工が著しく煩雑で、多大の手間と時間 とを要する。

【０００４】 本考案は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案されたもので、その目的と するところは、構造的に信頼性が高く、自然景観に優れた生態系保全の急勾配擁 壁を提供する点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、本考案に係る自然石結合の急勾配擁壁は、表面に 格子状のアンカー鉄筋を接着してなる多数の自然石を、コンクリートブロックに 装着するとともに、同コンクリートブロックの背面格子枠に防蝕加工した金網を 張設し、同金網と前記格子状のコンクリートブロックとの間に形成された空隙内 に栗石を充填し、同栗石と前記コンクリートブロックと前記格子状のアンカー鉄 筋とを一体化して構成されている。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を本考案の最も好ましい実施の形態を示す図面について説明する 。 Ａは多数の空隙１を有する格子状のコンクリートブロック、２は格子状のアン カー鉄筋で、多数個の自然石Ｂが接着剤３を介して接着され、更に同自然石Ｂは 前記コンクリートブロックＡに装着されている。

【０００７】 而して前記コンクリートブロックＡにおける方形の水平主版の４隅より垂設さ れた脚片４の下端面間に亘って、亜鉛メッキ又は亜鉛アルミ合金メッキで防食加 工を施された金網５を張設、締結して同金網５を前記水平主版との間に空隙を設 け、同空隙内部に栗石６を充填し、同栗石６と前記格子状のコンクリートブロッ クＡ及び格子状のアンカー鉄筋を一体化するものである。

【０００８】 かくして構成された擁壁ブロックＣを所要の法面に沿って重層し、擁壁を構築 するものである。 図中７は基礎、８は天端ブロック、９は吸出し防止材である。

【０００９】

【考案の効果】

本考案に係る擁壁は前記したように、表面に格子状のアンカー鉄筋を接着して なる多数の自然石をコンクリートブロックに装着するとともに、同コンクリート ブロックの背面に亜鉛メッキ又は亜鉛アルミ合金メッキによって防食加工を施し た金網を張設し、同金網と前記格子状のコンクリートブロックとの間に空隙を形 成し、同コンクリートブロック背面の空隙に栗石を充填することによって同栗石 と、前記格子状自然石コンクリートブロック及び格子状アンカー鉄筋を一体化し て擁壁を構築するようにしたので構造的に信頼性が高く、排水性もよく、経済的 な断面を有するコンクリートブロックを構築することができ、同ブロックによっ て構築された擁壁は１：０．５〜１．０の急勾配の擁壁に適用される。

【００１０】 また前記格子状コンクリートブロック及びその底部に張設された金網との両者 間に充填された栗石によって、擁壁表面と背面土壌との間の通水性がよく、生態 系を損なうことがなく、更に擁壁表面に位置する格子状コンクリートブロックに 装着された格子状のアンカー鉄筋に自然石が接着されているので、擁壁表面には 自然石が配設され、自然の景観を損なうことがなく、生態系が保全されるもので ある。

【００１１】 また本発明の自然石結合の急勾配用擁壁は従来の間知ブロックを組積した擁壁 に比して省力化され施工性がよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る自然石結合の急勾配用擁壁の縦断
側面図である。

【図２】格子状のコンクリートブロックの一部を欠截し
て示した平面である。

【図３】前記コンクリートブロックの正面図である。

【図４】前記コンクリートブロックの側面図である。

【図５】前記コンクリートブロックに対する自然石取付
部の詳細を示す縦断面図である。

【図６】前記コンクリートブロックの斜視図である。

【符号の説明】

Ａ 格子状のコンクリートブロック Ｂ 自然石 Ｃ 擁壁ブロック １ 空隙 ２ 格子状のアンカー鉄筋 ３ 接着剤 ４ 脚片 ５ 金網 ６ 栗石 ７ 基礎 ８ 天端ブロック ９ 吸出し防止材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に格子状のアンカー鉄筋を接着して
   なる多数の自然石をコンクリートブロックに装着すると
   ともに、同コンクリートブロックの背面格子枠に防蝕加
   工した金網を張設し、同金網と前記格子状のコンクリー
   トブロックとの間に形成された空隙内に栗石を充填し、
   同栗石と前記コンクリートブロックと前記格子状のアン
   カー鉄筋とを一体化してなることを特徴とする自然石結
   合の急勾配用擁壁。