JP3284101B2 - 樋門水叩き用遮水構造 - Google Patents
樋門水叩き用遮水構造Info
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設置される取水・排水用樋管の樋門の川表側に設けられ
る水叩き用の遮水構造に関する。
管を設置する場合は、図13に示すように、樋門aの川
表側(河川本流bに面する側)の水路河床上にコンクリ
ートを打設して水叩きcを構築し、さらに、必要に応じ
て、水叩きcの下流の水路河床上に石やコンクリートブ
ロックを敷きつめて根固めブロックdを設置している。
そして、図14に示すように、複数本の鋼矢板を連結し
てなる遮水矢板壁eの上端部e′を水叩きcの先端部
c′中に埋設するようにして水叩きcの下側の地山gを
横断して打設し、これによって水叩きcの下流側の河床
fと水叩きcの下側の地山gを遮断している。この構造
により水叩きcの下流の流水により水叩きcの下側の地
山gの土砂が洗掘されて下流側に流出することが防止さ
れている。
ける洗掘防止用遮水構造においては、地震等による地盤
沈下により水叩きcが沈下する場合に遮水矢板壁eが沈
下しないか、沈下してもその沈下量が水叩きの沈下量と
相違する場合は、図15に示すように水叩きcの先端部
c′付近のコンクリートが破損して割れ目hが発生し、
水叩きcの上を流れる水がこの割れ目hから浸入するこ
とにより地山gの土砂が割れ目hから矢印A方向に流出
することになる。
である等の理由により遮水矢板壁eの沈下が大きい場合
は、図16に示すように、遮水矢板壁eが水叩きcの先
端部c′から下方に脱出し、水叩きcの先端部c′と遮
水矢板壁eの上端縁との間に空隙iが発生し、この空隙
iから水が浸入することによって地山gの土砂が流出す
ることになる。
防止用遮水構造における問題点を解決するためになされ
たものであって、地盤の不等沈下等による水叩きの破損
や遮水矢板壁の水叩きからの離間により水叩きにおいて
土砂の洗掘が発生することを防止することができる樋門
水叩き用遮水構造を提供しようとするものである。
する樋門水叩き用遮水構造は、河川堤防を横断して設置
される取水・排水用樋管の樋門の川表側に設けられた水
叩きの先端部下面と、該水叩き先端部の下方に設置され
る遮水矢板壁の上端面または該遮水矢板壁の上端部周囲
に打設された遮水矢板壁上端部コンクリートブロックの
頂面との間に、該水叩き先端部と該遮水矢板壁との間の
上下方向相対変位を許容する空間部を形成するととも
に、この相対変位を許容しながら遮水を維持するように
して該空間部を塞ぐ止水部材を配設することにより水叩
きにおける土砂の洗掘を防止することを特徴とするもの
である。
り、一端部が該水叩き先端部に固定され他端部が該遮水
矢板壁上端部または該遮水矢板壁上端部コンクリートブ
ロックに固定された伸縮自在の板状部材として構成する
ことができる。
ンゴムなどの弾性材料からなり、一端部が該水叩き先端
部に固定され他端部が該遮水矢板壁上端部または該遮水
矢板壁上端部コンクリートブロックに固定されるように
して該空間部に充填された弾性シーリング材として構成
することもできる。
矢板壁上端部コンクリートブロックの前面および背面か
らそれぞれ所定の間隔をおいて上下方向に延長する前部
張出板および後部張出板を該水叩き先端部に配設するこ
とにより、該水叩き先端部と該遮水矢板壁との間の上下
方向相対変位を許容する前記空間部に連続する前部空間
部および後部空間部を形成し、該止水部材は、該前部空
間および該後部空間を塞ぐようにして配設されたゴム・
合成樹脂などからなる棒状または板状の弾性部材として
構成することができる。
板壁の上端面または矢板壁上端部コンクリートブロック
の頂面との間に空間部を形成しこの空間部を塞ぐ止水部
材を配設することにより、地盤沈下の際に水叩きの沈下
量と遮水矢板壁の沈下量が相違する場合この沈下量の相
違は水叩き先端部と遮水矢板壁との間の上下方向相対変
位として該空間部において吸収され、この際止水部材は
この相対変位を許容しながら止水を維持するので、地盤
の不等沈下等による水叩きの破損や遮水矢板壁の水叩き
からの離間による土砂の洗掘を防止することができる。
実施の形態について説明する。図1〜図3は本発明の遮
水構造の1実施形態を示すもので、図1はその平面図、
図2は正面図、図3は図2におけるA−A矢視断面図で
ある。なお図2においては空間部に充填される目地材を
除いて示してある。
用樋管の樋門の川表側にはコンクリートを打設すること
により水叩き1が設置されている。水叩き1の先端部1
aは水路2を横断する方向において水路2の幅よりも大
きい長さで延長するように設置されており、この水叩き
先端部1aの下方には水路2を横断する方向において水
叩き先端部1aのほぼ全長にわたり複数の鋼矢板3が連
結されて打設されて遮水矢板壁4を形成している。なお
図1、2において符号5は水路の両側の翼壁を示す。
に水叩き1の他の部分よりも所定寸法だけ下方に延長す
るように形成されており、その下面1bは水平面に形成
されている。また遮水矢板壁4の上端部4aの周囲には
水叩き先端部1aと対向するようにして延長する断面長
方形の遮水矢板壁上端部コンクリートブロック6が形成
されており、遮水矢板壁4はこのコンクリートブロック
6に埋設された形になっている。遮水矢板壁上端部コン
クリートブロック6の水路の流れ方向の幅は水叩き先端
部1aの周方向の幅と同一であり、コンクリートブロッ
ク6の頂面6aは水平面に形成されている。
上端部コンクリートブロック6の頂面6aの間には、水
叩き先端部1aと遮水矢板壁4との間の上下方向相対変
位を許容する空間部7が形成されている。この空間部7
の高さは所望の予定、相対変位値(相対沈下量)に合せ
て設定される。
遮水矢板壁4との間の上下方向相対変位を許容しながら
遮水機能を維持するようにして空間部7を塞ぐ止水部材
10が配設されている。本実施態様においては、止水部
材10はゴム・合成樹脂等の伸縮自在の材料からなる平
板状の部材であり、空間部7の全長にわたって延在して
おり、一端部10aが水叩き先端部1aに固定された他
端部10bが遮水矢板壁4の上端部4aに固定されてい
る。より詳しく説明すると、止水部材10の各端部10
a、10bには長手方向に所定の間隔で複数のアンカー
ボルト挿入孔(図示せず)が穿設されており、これらの
アンカーボルト挿入孔にはアンカーボルト9が挿入され
ナット12により緊締固定されている。一端部10aに
おいて各アンカーボルト9には1対の丸棒8、8の一端
部が溶接されており、これらの丸棒8、8の他端部が水
叩き先端部1aの鉄筋11、11に溶接されることによ
り、止水部材10の一端部10aは水叩き先端部1aに
埋設された状態で水叩き先端部に固定されている。な
お、図3において符号13は押え板を示す。また、符号
14は遮水構造の施工時において空間部7内に後述の目
地材15を充填する際に空間部7を確保するために空間
部7内に一時的に挿入する固定金具(図示せず)の上下
各端部を固定するために止水部材10に沿って延長する
L型鋼からなる取付け金具である。止水部材10の他端
部10bはこの取付け金具14に一端を溶接され他端を
遮水矢板壁4の上端部4aに溶接された丸棒16を介し
て遮水矢板壁4の上端部4aに固定されている。
端部1aと遮水矢板壁4との間の上下方向相対変位が阻
害されるので、土砂の浸入を防止するため、空間部7内
には発泡ゴム等弾性を有する材料からなる目地材15が
ある程度圧縮した状態で充填されている。この目地材1
5の素材としては初期状態維持のために必要な硬度を有
するとともに圧縮方向における変位に追随して充分に収
縮するものが適当である。引張り方向については、目地
材15が引張り方向における変位にも追随することが望
ましいが、止水作用は止水部材10により行われるの
で、引張り方向の変位に完全に追随する必要はない。
る。遮水矢板壁4の沈下量に比べて水叩き1の沈下量が
大きい等の理由により水叩き1が遮水矢板壁4に対して
沈下する場合は、図3に示す止水部材10が屈曲変形
し、止水機能を維持したままで水叩き先端部1aの沈下
を許容する。また逆に水叩き先端部1aに対して遮水矢
板壁4が沈下する場合は、止水部材10は引張られて伸
長し、止水機能を維持したまま遮水矢板壁4の沈下を許
容する。
示す図3と同様の断面図である。この実施形態および図
5以下の各図に示す実施形態において、図3の実施形態
と同一構成要素は同一符号で示しその説明を省略する。
0はゴム・合成樹脂等の可撓性材料からなる板状部材を
中央部において膨出するように折曲げて配置したもので
ある。
0はゴム・合成樹脂等の可撓性材料からなる板状部材を
中央部において蛇腹状に折曲げて配置したものである。
0は両端部にバルブ部40a、40bを有するゴム・合
成樹脂等からなる伸縮自在の止水板であり、この止水板
40はそれぞれ針金41、42によって水叩き先端部1
a内に埋設された丸棒8および遮水矢板壁4の上端部4
aに連結されている。なお丸棒8、8は相互に溶接され
ている。
両端部にバルブ部50a、50bを有し、さらに中央部
に中空のバルブ部50cを有するゴム・合成樹脂等から
なる伸縮自在の止水板であり、針金51、52によって
水叩き先端部1a内に埋設された丸棒8および遮水矢板
壁4の上端部4aに連結されている。
の図10〜図12に示す各実施形態は、図13に示すよ
うな水叩き下流側に隣接して根固めブロックが設置され
ている水路および、このような根固めブロックが設置さ
れておらず水叩きが直接河川本流に隣接している水路の
いずれにおいても使用することができるが、以下に説明
する図8および図9に示す各実施形態は根固めブロック
が水叩きに直接隣接していない時のみ使用することがで
きる。
図5の実施例において使用されている止水部材30と同
型のものであるが、図5の止水部材30が空間部7内に
設けられているのに対し、図8においては空間部7の川
表側の外側に設置されている点で異る。
図8に示される止水部材60と同型のものであり、図8
の止水部材60と同様に空間部7の川表側外側に設置さ
れているが、図9の実施形態においては、遮水矢板壁上
端部コンクリートブロック6が存在せず、止水部材70
の遮水矢板壁側の端部70bは遮水矢板壁4の上端部4
aのボルトナット71により直接固定されている点で図
8の実施形態と相違する。
はウレタン・シリコーンゴムなどの弾性材料からなり、
一端部80aが水叩き先端部1aに固定され他端部80
bが遮水矢板壁4の上端部4aに固定されるようにして
空間部7に充填される弾性シーリング材によって構成さ
れている。止水部材80を固定するため、水叩き先端部
1aの長手方向(水路2を横断する方向)に延長するよ
うにして水叩き先端部1a内に埋設された金属板81の
下端部を空間部7内に突出させて突出端部81aを形成
し、この突出端部81aの両側に所定間隔で棒材からな
る複数のアンカー82を固定する。同様に、遮水矢板壁
上端部コンクリートブロック6の長手方向(水路2を横
断する方向)に延長するようにしてコンクリートブロッ
ク6内に埋設されその下端部が遮水矢板壁4の上端部4
aに跨がるようにして溶接された金属板83の上端部を
空間部7内に突出させて突出端部83aを形成し、この
突出端部83aの両側に所定間隔で棒材からなる複数の
アンカー84を固定する。こうして設けたアンカー8
2、84により止水部材80を支持することにより止水
部材80は水叩き先端部1aおよび遮水矢板壁4の上端
部4aに固定される。
は圧縮方向における変位に追随して充分に収縮すること
が可能であるとともに引張り方向の変位に追随して充分
に伸長することが可能であることが要求され、このよう
な性能を備えた素材としてウレタンやシリコーンゴムが
好適である。
止水部材として使用した実施形態の1変更例を示す。図
11において図10と同一構成要素は同一符号で示しそ
の説明を省略する。
コンクリートブロック96は、水叩き先端部1aの水路
2の流れ方向の幅を所定寸法だけ超える幅を有し、かつ
水路2の流れ方向の両側において、水叩き先端部1aの
前面および背面と所定の間隔をおいて上下方向に延長す
る前部立上り部96aと後部立上り部96bが形成され
ており、水叩き先端部1aの前面および背面と前部立上
り部96a、後部立上り部96bの各内側壁との間には
空間部7と連続する前部空間部97aおよび後部97b
がそれぞれ形成されている。そして空間部7、97a、
97bには、弾性シーリング材90が充填されている。
また空間部97a、97bを塞ぐようにしてゴム・合成
樹脂等からなる伸縮自在の止水板98、99がそれぞれ
その両端部を水叩き先端部1aと前部立上り部96a、
後部立上り部96bに埋設されるようにして固定されて
いる。
aと矢板遮水壁4は上下方向のみならず、前後方向(水
路2における流れの方向)における相対変位にも充分対
応することができ、また止水部材として弾性シーリング
材90の他に止水板98,99を設けることにより止水
効果をより確実に奏することができる。
の実施形態においては、遮水矢板壁上端部コンクリート
ブロック6の前面および背面からそれぞれ所定の間隔を
おいて上下方向に延長する前部張出板100aおよび後
部張出板100bを備える断面「コ」の字形の外枠10
0の基板部100cを水叩き先端部1aの下端面に固定
することにより、水叩き先端部1aと遮水矢板壁4との
間の上下方向相対変位を許容する空間部7に連続する前
部空間部101および後部空間部102を形成する。止
水部材としては、前部空間101および後部空間102
を塞ぐようにしてゴム・合成樹脂などからなる棒状また
は板状の弾性部材103、104を遮水矢板壁コンクリ
ートブロック6の長手方向に延長するようにしてコンク
リートブロック6の前面、背面および頂面を覆うように
してコンクリートブロック6に固定された内枠105の
前面105aおよび背面105bにそれぞれ固定する。
にするための長手方向貫通孔103a、104aが形成
されているが、これらの孔103a、104aは省略し
てもよい。
形状、材料は図示のものに限定されるものではなく、水
叩きと遮水矢板壁の間の相対変位を許容しながら止水を
維持できるようにして水叩き先端部と遮水矢板壁間の空
間部を塞ぐことのできる材料、形状のものであれば特に
限定されない。
限らず種々の公知の固定方法を使用することができる。
叩きの先端部下面と遮水矢板壁の上端面または矢板壁上
端部コンクリートブロックの頂面との間に空間部を形成
しこの空間部を塞ぐ止水部材を配設することにより、地
盤沈下の際に水叩きの沈下量と遮水矢板壁の沈下量が相
違する場合この沈下量の相違は水叩き先端部と遮水矢板
壁との間の上下方向相対変位として該空間部において吸
収され、この際止水部材はこの相対変位を許容しながら
止水を維持するので、地盤の不等沈下等による水叩きの
破損や遮水矢板壁の水叩きからの離間による土砂の洗掘
を防止することができる。
る。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 河川堤防を横断して設置される取水・排
水用樋管の樋門の川表側に設けられた水叩きの先端部下
面と、該水叩き先端部の下方に設置される遮水矢板壁の
上端面または該遮水矢板壁の上端部周囲に打設された遮
水矢板壁上端部コンクリートブロックの頂面との間に、
該水叩き先端部と該遮水矢板壁との間の上下方向相対変
位を許容する空間部を形成するとともに、この相対変位
を許容しながら遮水を維持するようにして該空間部を塞
ぐ止水部材を配設することにより水叩きにおける土砂の
洗掘を防止することを特徴とする樋門水叩き用遮水構
造。 - 【請求項2】 該止水部材は、ゴム・合成樹脂などから
なり、一端部が該水叩き先端部に固定され他端部が該遮
水矢板壁上端部または該遮水矢板壁上端部コンクリート
ブロックに固定された伸縮自在の板状部材であることを
特徴とする請求項1記載の樋門水叩き用遮水構造。 - 【請求項3】 該止水部材は、ウレタン・シリコーンゴ
ムなどの弾性材料からなり、一端部が該水叩き先端部に
固定され他端部が該遮水矢板壁上端部または該遮水矢板
壁上端部コンクリートブロックに固定されるようにして
該空間部に充填された弾性シーリング材であることを特
徴とする請求項1記載の樋門水叩き用遮水構造。 - 【請求項4】 該遮水矢板壁上端部コンクリートブロッ
クの前面および背面からそれぞれ所定の間隔をおいて上
下方向に延長する前部張出板および後部張出板を該水叩
き先端部に配設することにより、該水叩き先端部と該遮
水矢板壁との間の上下方向相対変位を許容する前記空間
部に連続する前部空間部および後部空間部を形成し、該
止水部材は、該前部空間および該後部空間を塞ぐように
して配設されたゴム・合成樹脂などからなる棒状または
板状の弾性部材であることを特徴とする請求項1記載の
樋門水叩き用遮水構造。
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JP16838398A JP3284101B2 (ja) | 1998-06-16 | 1998-06-16 | 樋門水叩き用遮水構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000001839A JP2000001839A (ja) | 2000-01-07 |
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1998
- 1998-06-16 JP JP16838398A patent/JP3284101B2/ja not_active Expired - Fee Related
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