JP2547946B2 - 補強土構造 - Google Patents

補強土構造

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JP2547946B2
JP2547946B2 JP5263624A JP26362493A JP2547946B2 JP 2547946 B2 JP2547946 B2 JP 2547946B2 JP 5263624 A JP5263624 A JP 5263624A JP 26362493 A JP26362493 A JP 26362493A JP 2547946 B2 JP2547946 B2 JP 2547946B2
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embankment layer
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)
  • Revetment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、所定高さに構築され
た盛り土層と、この盛り土層の先端部に互いに連結しな
がら複数段に設置された複数枚の表面補強材とを有して
なる補強土構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】道路等
に面して構築される擁壁等の補強土構造として、壁面パ
ネルの背面部に盛り土補強材を埋設しながら盛り土を充
填することにより構築されるものが知られている。
【0003】しかし、このような構成では、壁面パネル
に作用する土圧が大きいために、壁体パネルを支持する
盛り土補強材を盛り土層の中に数多く、かつ、埋設長さ
を長くして設置する必要があり、しかも壁面が変形し易
いためにその組立及び設置等が繁雑に成りやすいだけで
なく、資材費が嵩むなどの課題があった。
【0004】この発明は、以上の課題を解決するために
なされたもので、安定性に優れ、かつ、盛り土補強材を
可能な限り少なくして施工性及び経済性を高めた補強土
構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る補強土構
造は、盛り土を転圧しながら充填することにより所定高
さに構築された盛り土層と、この盛り土層の先端部に互
いに連結しながら複数段に設置してあって、前記盛り土
層を保持する複数枚の表面補強材とを有してなる補強土
構造に関し、前記表面補強材を鉄筋グリットから前記盛
り土層の法面上に設置された立上り部と、この立上り部
の下端部に突設され、前記盛り土層の中に奥深く埋設さ
れた脚部とを有してほぼL字状に構成し、かつ、前記盛
り土層の表面部に複数枚の鉄筋グリットを複数層に埋設
することにより前記盛り土層の表面部に前記盛り土層と
前記鉄筋グリットと前記表面補強材とが一体化された剛
性のブロック体を構成することにより構築されている。
【0006】
【実施例】実施例1. 図1(a),(b) は、この発明に係る補強土構造の一実施例
を示し、図1(c) は、複数枚の壁面パネルと盛り土補強
材とからなる、従来の補強土擁壁における盛り土層の辷
面F、緩み範囲および盛り土補強材の定着範囲を示す。
【0007】図1(c) において、帯状に形成された盛り
土補強材(例えば「帯鋼など」)のように盛り土層を局
部的にしか補強できない盛り土補強材、網目状の盛り土
補強材(例えば「合成樹脂製ネットなど」)、あるいは
金属メッシュなどからなる盛り土補強材でも、エキスパ
ンドメタル(壁面に対して斜めに鉄筋が交差している)
のように伸びの大きな盛り土補強材を盛り土層内に設置
するに際しては、盛り土層の辷面Fが壁体Aの最下部の
補強土層内部を通して発生するため、壁体Aに作用する
土圧に対して充分な引っ張り抵抗力が得られる定着長さ
を有する盛り土補強材を辷面Fよりも外側の定着範囲に
深く埋設する必要がある。
【0008】このため、盛り土補強材を盛り土層内に長
く埋設することを必要とし、従って、腹付け工事におい
て、既存の盛り土を掘削して盛り土補強材の定着長さを
確保しなくてはならず、また、壁体Aの変形も大きくな
るという欠点を有する。
【0009】これに対して、この発明に係る補強土構造
の一実施例の断面図を図1(a),(b)に、その作用効果を
示す様式図を図2(a) に示す。
【0010】この発明に係る補強土構造においては、長
手方向鉄筋(盛り土層の壁面に対して直角方向に配筋さ
れる鉄筋)と横方向鉄筋(盛り土層の壁面と平行に配筋
される鉄筋)とをほぼ直角に交差させ、かつ、この長手
方向鉄筋と横方向鉄筋とを溶接することにより一体的に
構成された鉄筋グリットからなる盛り土補強材を、その
長手方向鉄筋を壁面の方向(或いは盛り土層の自由空間
側)に埋設した場合、横方向鉄筋の拘束効果によって盛
り土が一体化し、かつ、長手方向鉄筋が横方向土圧の作
用する方向に位置しているため、変形が少なく、従っ
て、辷面Fは補強土層内に発生せず、図1(b) のa,b,c,
d の範囲は、図2(a) のa,b,c,d に囲まれた、一体化さ
れたブロック体Bとして挙動する。
【0011】そして、ブロック体Bはそれ自体一つの重
量体として挙動するため、それ自体で背部からの土圧E
に対する辷りや転倒に対して抵抗する。
【0012】このため、盛り土補強材は辷面Fの外側ま
で布設する必要がなく、辷面F内のa,b,c,d の範囲(図
2(a) 参照)でもよいことになる。すなわち、背部の土
圧Eに対してブロック体Bの重量と底面b,d の滑動抵抗
によって抵抗できる。従って、背面の土圧Eに対して、
ブロック体Bの安定が不充分ならば、それに相当するわ
ずかの盛り土補強材を自由空間側に埋設すれば足りる
(図1(b) 参照)。
【0013】しかも、ブロック体B全体が壁面として作
用するため壁面Aの変形はほとんど生じない。
【0014】図2(b) は、建物などの構造物を支持する
基礎の補強に適用した一例を示し、図2(c) はその様式
図であり、図において、符号Bはブロック体、Cは構造
物である。ブロック体Bは自由面に近い側に形成され、
このブロック体Bの拘束作用によって盛り土補強材5は
構造物Cからの荷重を効果的に支持している。
【0015】図1(a),(b) に示す実施例の詳細を説明す
ると、図において、符号1は道路などに面して形成され
た地山、2はこの地山1の先端部に地山1の上方向およ
び横方向に互いに連結しながら複数段に設置してあっ
て、壁体Aを構成して後述する盛り土層を保持する表面
補強材、3はこの壁体Aの背面部に大量の盛り土3aを転
圧しながら充填して構築された盛り土層、4はこの盛り
土層3の中に複数層に埋設してあって、かつ、各表面補
強材2に連結してあって、盛り土層3の表面部に盛り土
層3と表面補強材2と一体化されて剛性のブロック体B
を構成する鉄筋グリットである。
【0016】表面補強材2は、鉄筋グリットをL字状に
折り曲げて盛り土層3の法面上に添え付けられた立上り
部2aと、この立上り部2aの下端部に水平に突設され、か
つ、盛り土層3の奥深く埋設された脚部2bとを有して構
成されている(図3参照)。
【0017】表面補強材2がこのように構成されている
ことにより、表面補強材2の設置時に表面補強材2を自
立させることができ、また、盛り土3aの転圧も入念にで
きて作業性が著しく向上する。
【0018】なお、立上り部2aにコンクリートを吹き付
けたり、現場打ちコンクリート壁を設けてもよく、ま
た、必要に応じて表面補強材2の立上り部2aに植生パッ
トを植え込むことにより壁体Aの緑化を図ることもでき
る。
【0019】なお、表面補強材2の立上り部2aをコンク
リートパネルで形成する場合には(図5参照)、壁体A
の全体に大きな水圧が作用しないように、地下水を排水
できるような排水処理が施されている。
【0020】盛り土層3となる盛り土3aには、現場で大
量に発生する土砂や砕石が使用され、また、盛り土3aは
表面補強材2および鉄筋グリット4と一体になって安定
した一つの剛体としてのブロック体B(図2(a) 参照)
を構成するように、入念に転圧しながら充填されてい
る。
【0021】なお、盛り土3aとして、充填後に時間の経
過と共に硬化し、表面補強材2および鉄筋グリット4と
完全一体化するような硬化性流動体を使用すれば、盛り
土層3の沈下や流出などを防止できる。この場合の硬化
性流動体にはモルタル、コンクリート、軽量モルタル、
発砲モルタル、土と硬化材とからなる流動体、発砲ウレ
タンなどであって、充填後に時間の経過と共に硬化する
ものが使用される。
【0022】鉄筋グリット4は表面補強材2と同様に、
盛り土3aが付着し易く、かつ、盛り土3aと一体化し易い
ものを使用し、この他にエキスパンシドメタル、あるい
は鋼材などからメッシュ状に構成されたものも使用でき
る。なお、いずれのものも、取り扱いが容易なように矩
形板状に構成されている。
【0023】また、鉄筋グリット4は表面補強材2近く
の盛り土層3の中に、表面補強材2の脚部2b,2b 間の設
置間隔よりも密な間隔に複数段に埋設され、その一部又
は全部が表面補強材2の立上り部2aに連結されている。
【0024】図4は、この発明に係る補強土構造の他の
実施例を示し、図において、符号1は道路等に面して形
成された地山、2はこの地山1の先端部に地山1の上方
向および横方向に互いに連結しながら複数段に設置して
あって、壁体Aを構成する表面補強材、3はこの壁体A
の背面部に大量の盛り土3aを充填することにより構築さ
れた盛り土層、4は盛り土層3の表面部の中に複数層に
埋設してあって、かつ、各表面補強材2に連結してあっ
て、盛り土層3の表面部分の盛り土3aを一体的にブロッ
ク化する鉄筋グリット、5は盛り土層3の中に鉄筋グリ
ット4より奥深く埋設してあって、かつ、各表面補強材
2に連結してあって、各表面補強材2を盛り土層3の先
端部に固定する盛り土補強材である。
【0025】表面補強材2は、鉄筋グリット、エキスパ
ンドメタル、あるいは鋼材などから盛り土が付着し易い
メッシュ状に、かつ、運搬、設置などに際して取り扱い
易いように矩形板状に構成されている。
【0026】また、表面補強材2にコンクリートを吹き
付けたり、現場打ちコンクリート壁を設けてもよい。ま
た、必要に応じて表面補強材2の背部に植生パット(図
省略)を植え込むことにより壁体Aの緑化が図られても
よい。
【0027】なお、表面補強材2をコンクリートパネル
で形成する場合には(図5参照)、壁体Aの全体に大き
な水圧が作用しないように、地下水を排水できるような
排水処理が施されている。
【0028】盛り土補強材5は鉄筋グリット、エキスパ
ンシドメタル、鋼材などからなる帯状補強材、ジオグリ
ット、不織布などから構成されている。
【0029】また、盛り土補強材5は鉄筋グリット4よ
り長く形成され、表面補強材2の近くおよび表面補強材
2から相当離れた奥深くまで連続し、かつ、鉄筋グリッ
ト4の設置間隔より大きな間隔で盛り土層3の中に埋設
されている。
【0030】また、盛り土補強材5の表面補強材2側端
部は、表面補強材2に連結され、反対側端部は表面補強
材2から相当離れた盛り土層3の中に布設され、ブロッ
ク体Bを強固に固定している。
【0031】なお、盛り土補強材5には帯鋼やH形鋼、
あるいは鉄筋等の単材を使用してもよく、また、盛り土
補強材5の表面補強材2側端部を表面補強材2まで延長
しないで、鉄筋グリット4の先端部にカプラーなどの連
結部材6によって連結して盛り土補強材5の一部を鉄筋
グリット4と兼用させるようにすれば、盛り土補強材の
節約により資材費の低減が図れる。
【0032】
【発明の効果】この発明に係る補強土構造は以上説明し
た構成からなり、盛り土層の先端部に互いに連結しなが
ら複数段に設置されている表面補強材を、鉄筋グリット
から前記盛り土層の法面上に設置された立上り部と、こ
の立上り部の下端部に突設され、前記盛り土層の中に奥
深く埋設された脚部とを有してほぼL字状に構成し、か
つ、前記盛り土層の表面部に複数枚の鉄筋グリットを複
数層に埋設して前記盛り土層の表面部に鉄筋グリットと
盛り土層と表面補強材とが一体化された剛性のブロック
体を構成してなり、特に、前記盛り土層の表面部に複数
枚の鉄筋グリットを複数層に埋設することにより、前記
盛り土層の表面部に盛り土層と鉄筋グリットと表面補強
材とが一体化された剛性のブロック体を構成し、かつ、
このブロック体が表面補強材の脚部が盛り土層の奥深く
埋設されることによって強固に固定されているので、壁
面変位が生じにくくきわめて安定した補強土構造を構築
できる。
【0033】また、ブロック体はそれ自体一つの重量体
として挙動するため、それ自体で背部からの土圧に対す
る辷りや転倒に対して抵抗する。このため、盛り土補強
材は辷面の外側まで布設する必要がなく、背面土圧に対
して、このブロック体の安定が不充分なときにのみ、そ
れに相当するわずかの盛り土補強材を自由空間側(盛り
土層の奥深く)に埋設すれば足りるので、盛り土補強材
を低減できる。
【0034】また、表面補強材は鉄筋グリットから盛り
土層の法面上に設置される立上り部と、この立上り部の
下端部に突設され、前記盛り土層の中に埋設される脚部
とを有してほぼL字状に折り曲げて構成されているの
で、自立性を有して表面補強材の設置がし易く、しか
も、盛り土を入念に転圧できるなどして施工性もきわめ
てよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b) は、この発明に係る補強土構造の一実
施例を示す縦断面図、(c) は、従来の補強土構造の一例
を示す縦断面図である。
【図2】(a) は、この発明に係る補強土構造の基本原理
を示す断面図、(b) は、この発明に係る補強土構造を構
造物の基礎地盤の補強に適用した一例を示す断面図、
(c)はその様式を示す断面図である。
【図3】表面補強材の斜視図である。
【図4】この発明に係る補強土構造の他の実施例を示す
縦断面図である。
【図5】この発明に係る補強土構造の他の実施例を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1…地山、2…表面補強材、3…盛り土層、3a…盛り
土、4…鉄筋グリット、5…盛り土補強材、6…連結部
材、A…壁体、B…ブロック体、F…辷面、E…土圧。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 盛り土を転圧しながら充填することによ
    り所定高さに構築された盛り土層と、この盛り土層の先
    端部に互いに連結しながら複数段に設置してあって、前
    記盛り土層を保持する複数枚の表面補強材とを有してな
    る補強土構造において、前記表面補強材を鉄筋グリット
    から前記盛り土層の法面上に設置された立上り部と、こ
    の立上り部の下端部に突設され、前記盛り土層の中に奥
    深く埋設された脚部とを有してほぼL字状に構成し、か
    つ、前記盛り土層の表面部に複数枚の鉄筋グリットを複
    数層に埋設することにより前記盛り土層の表面部に前記
    盛り土層と前記鉄筋グリットと前記表面補強材とが一体
    化された剛性のブロック体を構成してなることを特徴と
    する補強土構造。
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