JP4415373B2 - 樹脂の水性分散体、粘着付与樹脂エマルジョンおよび粘・接着剤組成物 - Google Patents

樹脂の水性分散体、粘着付与樹脂エマルジョンおよび粘・接着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂の水性分散体、粘着付与樹脂エマルジョン、粘・接着剤組成物、製紙用サイズ剤および紙に関する。
近年、化学物質による環境汚染による、人体への危険や生態系に対する影響を最小限に抑えるべく、環境に対し負荷の小さな製品が求められている。そのため粘・接着剤の分野でも、従来の樹脂等を有機溶剤に溶解した溶剤型の粘・接着剤よりも環境に対し負荷の小さな水系粘・接着剤などが広く用いられるようになった。
ところで、水系粘・接着剤には、通常、粘接着性能を付与するため、粘着付与樹脂エマルジョンが用いられているが、当該粘着付与樹脂エマルジョンは、一旦粘着付与樹脂の溶解能が高いトルエンなどの有機溶媒に、粘着付与樹脂を溶解した後に乳化し、有機溶媒を除去して製造されることが多いが、得られる粘着付与樹脂エマルジョンには、若干量の有機溶媒が残存していた。そのため、より環境負荷を小さくするため、この有機溶媒の残存量を低減すべく、溶媒除去条件をより過酷なものにするといった検討も行われたが、この場合であっても、極微量であるが有機溶媒が残存していた。
ところで、本出願人は、有機溶媒を完全に除去できないのであれば、残存する有機溶媒をメチルシクロヘキサンなどのより低毒性のものとすることで環境負荷を低減しようと試み、低毒性の有機溶媒を用いた樹脂エマルジョンについて提案している(特許文献1参照)が、一般に毒性のより低い有機溶媒は、樹脂の溶解能が低いため使用量を多くする必要があり、さらに乳化後に溶媒を除去するために要する時間も長くなるなど作業性が劣るという問題があった。また、これら低毒性の有機溶媒は一般に高価であり、価格が高くなる傾向があった。
また、本出願人は、有機溶媒を用いない粘着付与樹脂エマルジョンを提案した(特許文献2参照)が、当該粘着付与樹脂エマルジョンでは、特定の酸価、軟化点を有する粘着付与剤樹脂にしか適用できないという問題があった。
特開2002−285137号公報 特開2003−336021号公報
本発明は、トルエン等の環境に対して負荷の大きな有機溶媒を実質的に含有することのない樹脂の水性分散体を、製造時の作業性低下や価格上昇を抑えつつ提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく、検討した結果、2種以上の有機溶媒を含有する樹脂の水性分散体から有機溶媒を除去して水性分散体を製造する際に、残存を希望しない有機溶媒よりも水の溶解度が小さな有機溶媒を併用することにより、前記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、トルエンおよびメチルシクロヘキサンを含有する、ロジン系樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、フェノール樹脂およびケトン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である樹脂(A)の水性分散体から有機溶媒を除去することにより得られる樹脂の水性分散体に関する。さらには樹脂の水性分散体を含有する粘着付与樹脂エマルジョンおよび当該粘着付与樹脂エマルジョンを含有する粘・接着剤組成物に関する。
本発明によれば、トルエン等の環境に対して負荷の大きな有機溶媒を実質的に含有することのない樹脂の水性分散体を提供することができるため、安全衛生面において好ましいものであり、また、当該樹脂の水性分散体は、トルエン等の環境に対して負荷の大きな有機溶媒を用いて製造した水性分散体と同等の安定性や、製造時の作業性、各種物性を有するものである。また、当該樹脂の水性分散体を、粘着付与樹脂エマルジョンとして用いた場合には、環境への負荷の懸念が無く、従来の方法により得られる粘着付与樹脂エマルジョンと同等の粘着特性を有する。また、当該樹脂の水性分散体は、製紙用サイズ剤としても用いることができる。
本発明の樹脂の水性分散体は、トルエンおよびメチルシクロヘキサンを含有する、ロジン系樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である樹脂(A)(以下、(A)成分という。)の水性分散体から有機溶媒を除去することにより得られる。
本発明に用いられる(A)成分としては、ロジン系樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂等が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合物として用いることができる。
ロジン類としてはガムロジン、ウッドロジンもしくはトール油ロジン;前記ロジンを用いて不均化もしくは水素添加処理した安定化ロジンや重合ロジン;さらには、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸(なお、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸および/またはメタクリル酸をいい、以下(メタ)とは同様の意味である。)等で変性した不飽和酸変性ロジン等が挙げられ、これらは1種を単独で、または2種以上を混合物として使用できる。
ロジン誘導体としては、前記ロジン類から誘導される各種公知のものを使用でき、具体的には前記ロジン類のエステル化物、フェノール変性物およびそのエステル化物等が挙げられる。かかるロジン類のエステル化物とは、前記ロジン類と多価アルコールとをエステル化反応させて得られたものをいい、多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどの4価アルコール;ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール等を例示でき、これらは1種を単独でまたは2種以上を組合せて使用できる。また、ロジン類のフェノール変性物およびそのエステル化物とは、前記ロジン類にフェノール類を付加させたもの、前記ロジン類にフェノールを付加させ次いでエステル化したもの、ならびにレゾール型フェノール樹脂とロジン類を反応させて得られるいわゆるロジン変性フェノール樹脂やそのエステル化物等をいう。
石油樹脂としては、ペンテン、ペンタジエン、イソプレン等から得られるC5系石油樹脂;インデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン等から得られるC9系石油樹脂;前記各種モノマーから得られるC5−C9共重合系石油樹脂;ピュアモノマー樹脂;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)から得られるDCPD系石油樹脂;これら石油樹脂の水素化物等を例示できる
テルペン系樹脂としてはα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂や、α−ピネン、β−ピネン等のテルペン類とスチレン等の芳香族モノマーを共重合させた芳香族変性のテルペン系樹脂等を例示できる。
フェノール樹脂としては、フェノール類とホルムアルデヒドの縮合物を使用できる。該フェノール類としては、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アルキルフェノール、レゾルシンなどが挙げられ、これらフェノール類とホルムアルデヒドをアルカリ触媒で付加反応させたレゾールや、酸触媒で縮合反応させて得られるノボラック等が例示できる。
ケトン樹脂としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、またはメチルシクロヘキサノンとホルムアルデヒドの縮合物等を例示できる。
これら樹脂のなかで粘着付与樹脂として用いる場合は、水系粘・接着剤組成物に用いられる各種ベースポリマーとの相溶性に優れ、粘着特性に優れるという観点から、該ロジン類のエステル化物が好ましい。これら樹脂の軟化点は特に限定されず200℃程度の高軟化点のものから液状のものを、各種用途に応じて適宜選択して使用できる。
トルエンメチルシクロヘキサンの使用量は、(A)成分を溶解できる範囲であれば特に制限されないが、通常、(A)成分100重量部に対し、トルエンを、1〜100重量部、メチルシクロヘキサンを1〜50重量部程度であり、好ましくは、(A)成分100重量部に対し、トルエンを、5〜50重量部、メチルシクロヘキサンを1〜20重量部程度である。また、トルエンメチルシクロヘキサンの比率は特に制限されないが、トルエンメチルシクロヘキサンを重量比で1.0〜5.0程度とすることにより、得られる樹脂の水分散体中に実質的に(A)成分を残存させなくすることができるため好ましい。
本発明の水性分散体は、通常、有機溶媒に(A)成分を溶解した後、乳化を行うことにより得られる。乳化方法としては、(i)(A)成分をトルエンに溶解したのち乳化剤および軟水を添加し、高圧乳化機を用いてエマルジョン化したのち減圧下に有機溶媒を除去する方法、(ii)(A)成分に少量のトルエンを混合し、つづいて乳化剤を練り込み、さらに熱水を徐々に添加してゆき転相乳化させてエマルジョンを得たのち有機溶媒を減圧下に除去する方法等が挙げられる。なお、メチルシクロヘキサンの添加時期は特に制限されず、(i)法、(ii)法いずれの場合であっても、(A)成分を溶解する際にトルエンとともに添加していても良く、(A)成分をトルエンに溶解して乳化後、トルエンを除去する前や途中に添加しても良い。
乳化の際に用いる乳化剤としては特に制限されず公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、アクリル系モノマー等を重合して得られる高分子乳化剤や、高分子乳化剤以外の反応性乳化剤、高分子乳化剤以外の非反応性乳化剤などが挙げられる。
高分子乳化剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソ−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸等のジカルボン酸等のカルボン酸類;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の有機スルホン酸類;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸系ビニルモノマー類;およびこれら各種有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機塩基類の塩、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ポリオキシアルキレン系単量体等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリル酸エステル系単量体;その他にメチルビニルエーテルや、グリシジル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート類、ジフェニル−2(メタ)アクリロイルオキシホスフェート等のリン酸エステル系ビニルモノマー、炭素数6〜22のα−オレフィン、ビニルピロリドン等などを公知の方法で共重合させたものがあげられる。共重合の方法としては、溶液重合、懸濁重合、後述する高分子乳化剤以外の反応性乳化剤、高分子乳化剤以外の非反応性乳化剤などを用いた乳化重合などがあげられる。高分子乳化剤以外の反応性乳化剤としては、例えば、親水基と疎水基を有する界面活性剤であって、分子中に炭素−炭素二重結合を有するものをいう。炭素−炭素二重結合としては、たとえば、(メタ)アリル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ビニル基、イソプロペニル基、(メタ)アクリロイル基等の官能基があげられる。反応性乳化剤の具体例としては、たとえば、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンフェニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンフェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンフェニルエーテルの硫酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアラルキルフェニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアラルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアラルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩や、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの脂肪族または芳香族カルボン酸塩、酸性リン酸(メタ)アクリル酸エステル系乳化剤、ロジングリシジルエステルアクリレートの酸無水物変性物(特開平4−256429号公報参照)、特開昭63−23725号公報、特開昭63−240931号公報、特開昭62−104802号公報に記載の乳化剤等の各種のものがあげられる。さらには前記反応性乳化剤中のポリオキシエチレンを、ポリオキシプロピレンまたはポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンをブロック共重合またはランダム共重合したものに代えたものもあげられる。なお、これらの市販品としては、例えば、KAYAMER PM−1(商品名、日本化薬(株)製)、KAYAMER PM−2(商品名、日本化薬(株)製)、KAYAMER PM−21(商品名、日本化薬(株)製)、SE−10N(商品名、旭電化工業(株)製)、NE−10(商品名、旭電化工業(株)製)、NE−20(商品名、旭電化工業(株)製)、NE−30(商品名、旭電化工業(株)製)、アデカリアソープSR−10(商品名、旭電化工業(株)製)、アデカリアソープSR−20(商品名、旭電化工業(株)製)、アデカリアソープER−20(商品名、旭電化工業(株)製)、ニューフロンティアA229E(商品名、第一工業製薬(株)製)、ニューフロンティアN117E(商品名、第一工業製薬(株)製)、ニューフロンティアN250Z(商品名、第一工業製薬(株)製)、アクアロンRN−10(商品名、第一工業製薬(株)製)、アクアロンRN−20(商品名、第一工業製薬(株)製)、アクアロンRN−50(商品名、第一工業製薬(株)製)、アクアロンHS−10(商品名、第一工業製薬(株)製)、アクアロンKH−05(商品名、第一工業製薬(株)製)、アクアロンKH−10(商品名、第一工業製薬(株)製)、エミノールJS−2(商品名、三洋化成工業(株)製)、ラテルムK−180(商品名、花王(株)製)等がその代表例としてあげられる。なお、(C)成分としては、重合性、得られる高分子乳化剤の乳化性の点からポリオキシエチレンフェニルエーテル系のものが好ましく、アルキレンオキサイド鎖が5〜20モル重合した構造を有する不飽和スルホン酸塩類を用いることが特に好ましい。これらの市販品としては、アデカリアソープSR−10(商品名、旭電化工業(株)製)、アデカリアソープSR−20(商品名、旭電化工業(株)製)、アクアロンKH−05(商品名、第一工業製薬(株)製)、アクアロンKH−10(商品名、第一工業製薬(株)製)が好ましい。
高分子乳化剤以外の非反応性乳化剤としては、例えばジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン性乳化剤が挙げられる。これらの乳化剤は1種を単独でまたは2種以上を適宜選択して使用することができる。
溶媒を除去する方法としては、トルエンの沸点程度まで加熱して除去してもよく、減圧をして除去してもよく、減圧をしながら加熱を行ってもよい。
このようにして得られた樹脂の水性分散体の固形分濃度は特に限定されるものではないが、通常20〜70重量%程度となるように適宜調整して用いる。また、得られた樹脂の水性分散体の平均粒子径は、通常0.2〜2μm程度であり、大部分は0.5μm以下の粒子として均一に分散している。また、該水性分散体は白色乃至乳白色の外観を呈し、2〜9程度のpHを有する。
また、本発明の水性分散体は、実質上トルエンを含有しないものである。この理由については定かではないが、トルエンメチルシクロヘキサンおよび水が共存する状態で、溶媒を除去する際、トルエンメチルシクロヘキサンよりも水により溶解するため、選択的にトルエンが水溶け込み、水と共にトルエンが除去されるためではないかと考えられる。
本発明の水性分散体は、環境負荷が小さく、安定性や各種物性に優れており、粘着付与樹脂エマルジョンや製紙用サイズ剤として使用した場合、製造時の安全衛生に優れ、毒性の強い有機溶媒を含まない粘・接着剤組成物や紙を得ることが出来る。
以下、実施例および比較例をあげて本発明の製造方法等をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、各例中、部および%は特記しない限りすべて重量基準である。
実施例1
樹脂(A)として軟化点160℃の重合ロジンエステル(商品名「ペンセルD−160」、荒川化学工業(株)製)100部と、トルエン30部およびメチルシクロヘキサン30部を仕込み、80℃にて約1時間かけて完全に溶解させた後、アニオン性乳化剤(商品名「ハイテノールS」、第一工業製薬(株)製、固形分50%)5部および軟水120部を添加し、75℃にて1時間強撹拌し、予備乳化を行なった。さらに得られた予備乳化物を高圧乳化機(商品名「高圧ホモジナイザー」、APVガウリン社製)を用い、30MPaの圧力で高圧乳化して乳化物を得た。次いで、減圧蒸留装置に該乳化物を仕込み、50℃、130hPaの条件下に6時間減圧蒸留を行ない、固形分50%、平均粒子径0.51μm(レーザー回折式粒度分布測定装置、商品名「SALD−2000」、(株)島津製作所製を用いて測定)の水性分散体を得た。
実施例2
使用する有機溶媒を、トルエン45部、メチルシクロヘキサン15部とした以外は実施例1と同様にして5時間減圧蒸留を行い、固形分50%、平均粒子径0.48μmの水性分散体を得た。
実施例3
樹脂(A)として軟化点160℃の重合ロジンエステル(商品名「ペンセルD−160」、荒川化学工業(株)製)100部と、トルエン60部を仕込み、80℃にて約1時間かけて完全に溶解させた後、アニオン性乳化剤(商品名「ハイテノールS」、第一工業製薬(株)製、固形分50%)5部および軟水120部を添加し、75℃にて1時間強撹拌し、予備乳化を行なった。さらに得られた予備乳化物を高圧乳化機(商品名「高圧ホモジナイザー」、APVガウリン社製)を用い、30MPaの圧力で高圧乳化して乳化物を得た。次いで、減圧蒸留装置に該乳化物を仕込み、50℃、130hPaの条件下に4時間減圧蒸留を行なった後、メチルシクロヘキサン4部を加えて更に2時間減圧蒸留を行い、固形分50%、平均粒子径0.46μmの水性分散体を得た。
実施例4
樹脂(A)として、軟化点150℃のロジンフェノール樹脂(商品名「タマノル803L」、荒川化学工業(株)製)100部と、トルエン30部、およびメチルシクロヘキサン15部を用いた以外は実施例1と同様にして5時間減圧蒸留を行い、固形分53%、平均粒子径0.54μmの水性分散体を得た。
比較例1
使用する有機溶媒をトルエン60部のみにした以外は実施例1と同様にして5時間減圧蒸留を行い、固形分50%、平均粒子径0.46μmの水性分散体を得た。
比較例2
使用する有機溶媒をメチルシクロヘキサン80部のみにした以外は実施例1と同様にして8時間減圧蒸留を行い、固形分50%、平均粒子径0.47μmの水性分散体を得た。
実施例1〜4および比較例1〜2で得られた水性分散体の残存溶媒量(ガスクロマトグラフィーにより測定)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004415373

Claims (6)

  1. トルエンおよびメチルシクロヘキサンを含有する、ロジン系樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、フェノール樹脂およびケトン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である樹脂(A)の水性分散体から有機溶媒を除去することにより得られる樹脂の水性分散体。
  2. トルエンおよびメチルシクロヘキサンとを含有する有機溶媒(B)に、ロジン系樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、フェノール樹脂およびケトン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である樹脂(A)を溶解し、乳化させた後に有機溶媒を除去することにより得られる請求項1に記載の樹脂の水性分散体。
  3. トルエンに、ロジン系樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、フェノール樹脂およびケトン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である樹脂(A)を溶解し、乳化した後に、メチルシクロヘキサンを添加し、有機溶媒を除去することにより得られる請求項1に記載の樹脂の水性分散体。
  4. 得られる樹脂の水性分散体中にトルエンを100ppm以下含有する請求項1〜3のいずれかに記載の水性分散体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂の水性分散体を含有する粘着付与樹脂エマルジョン。
  6. 請求項5に記載の粘着付与樹脂エマルジョンを含有してなる粘・接着剤組成物。
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