JP4414141B2 - フルオロポリマー硬化系 - Google Patents

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Description

本発明は窒素含有硬化部位成分を有する硬化性フルオロポリマー組成物に関する。
弗素含有ポリマー(「フルオロポリマー」としても知られている)は材料の商業的に有用な種類である。フルオロポリマーには、例えば、架橋フルオロエラストマー、非架橋フルオロエラストマーガム、半結晶質フルオロプラスチックおよび/またはガラス質フルオロプラスチックが挙げられる。フルオロプラスチックは一般に高度に熱安定性であり、高温で特に有用である。フルオロプラスチックは、非常に低い温度で極めて高い靱性および可撓性も示す場合がある。いくつかのものは非常に低い誘電損および高い絶縁耐力を有し、そして独特の低い摩擦特性を有する場合もある。
フルオロエラストマーは、高温および厳しい化学環境に対して著しい耐性を示す。従って、フルオロエラストマーは、高温および/または腐食性化学薬品にさらされる系内のシール、ガスケットおよび他の成形品として用いるために特に適合する。こうした成形品は、特に化学処理産業、半導体産業、航空宇宙産業および石油産業において広く用いられている。
フルオロエラストマーは、触媒の存在下での硬化を容易にするために、しばしば硬化部位(cure-site)モノマーを含有する。有用な硬化部位成分のクラスの一つは窒素含有モノマーである。典型的には有機スズ触媒が硬化触媒として用いられる。しかしこのような触媒は有毒であり、硬化した製品中に、望ましくない抽出性残存金属を残すことがある。
WO99/48939明細書 米国特許第6,077,609号明細書 米国特許第4,335,238号明細書 米国特許第5,266,650号明細書 EP0661304A1 EP0784064A1 EP0769521A1 米国特許第5,585,449号明細書 米国特許第5,767,204号明細書 米国特許第5,700,879号明細書 米国特許第5,621,145号明細書 米国特許第5,565,512号明細書 米国特許第4,281,092号明細書 米国特許第5,554,680号明細書 WO00/09603明細書 米国特許第4,882,390号明細書 米国特許出願第60/233,386号明細書 米国特許出願第60/233,383号明細書 米国特許出願第60/283,535号明細書 米国特許出願第10/060,690号明細書 米国特許第5,268,405号明細書 米国特許出願第09/495,600号明細書 Zh.Obs.Khimii,vol.36(5),pp.862〜71(1966)、Ca65 12206c J.Org.Chem.,vol.30,page3724(1965)
一態様において、本発明は、(a)窒素含有硬化部位モノマーから誘導されたインターポリマー単位を有するフルオロポリマーおよび(b)以下の一般式を有する化合物を含む触媒組成物を含む組成物に関する。
前記式中、基HAは無機酸または有機酸、例えば、HCl、HNO3、C715COOHであり、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、環式またはヘテロ環式であってもよい、同じかまたは異なる炭素原子数1〜約20のアルキル基であり、そして一個のR基は、窒素がアルケニル基、シクロアルケニル基または芳香族基に結合されるか、またはアルケニル基、シクロアルケニル基または芳香族基の一部であるように、もう一個のR基に単結合されてもよい。前記置換基はオレフィン系、例えば、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩およびトリアルキルアミン塩、ならびにピリジン塩であってもよい。R1、R2およびR3は、Rf(CH2x−などの弗素化基であってもよい。前記式中、Rfは少なくとも部分的に弗素化された(すなわち、弗素化または過弗素化)C1〜C8直鎖または分鎖状アルキレン、シクロアルキレンまたはオキシアルキレンであり、xは1〜4(より好ましくは1または2)である。触媒組成物の例には、以下の式の化合物が挙げられる。
前記式中、mおよびnは独立して2〜20である。
化合物が二個以上の窒素原子を有する時、モノ塩、ジ塩およびより高級の塩も有用である。
該組成物は、式R1C(OR2)=NH(式中、R1およびR2は独立して置換または非置換C1〜C20(好ましくはC1〜C10、より好ましくはC1〜C7)アルキル、アリール、アラルキル、アルケニル、シクロアルキルまたはシクロアルケニル基である)を有する化合物およびその塩を含む第2の触媒組成物をさらに含んでもよい。
他の態様において、本発明は、この組成物を硬化させる方法ならびにこれらの組成物を含む硬化性(curable)物品および硬化済み(cured)物品を提供する。
該組成物は、窒素含有硬化部位モノマーの使用の利点、例えば窒素含有硬化部位モノマーと合わせて有機錫化合物が触媒系として用いられる時に典型的に達成される高温性能特性および耐薬品性などを保持する。同時に、該組成物は、著しく改善された圧縮永久歪値を示す。該組成物は、ポリマー安定性(例えば、熱安定性)および/または耐薬品性が重要な用途において有用である。該組成物はシリコンウェハ二次加工においても有用である。
本発明の一つ以上の実施形態の詳細を以下の添付図および説明において記載する。本発明の他の特徴、目的および利点は説明および特許請求の範囲から明らかであろう。
本発明の組成物は、ニトリル基を含む硬化部位モノマーから誘導されたインターポリマー単位を有するフルオロポリマーおよび式(1)の触媒組成物を含む。
適するフルオロポリマーは、ニトリル基含有モノマーおよび好ましくは少なくとも二種の主モノマーから誘導されたインターポリマー単位を含む。主モノマーのために適する候補の例には、パーフルオロオレフィン(例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)およびヘキサフルオロプロピレン(HFP))、パーフルオロビニルエーテル(例えば、パーフルオロアルキルビニルエーテルおよびパーフルオロアルコキシビニルエーテル)、ならびにオレフィン(例えば、エチレンおよびプロピレンなど)などの水素含有モノマーおよび弗化ビニリデン(VDF)が挙げられる。こうしたフルオロポリマーには、例えば、フルオロエラストマーガムおよび半結晶質フルオロプラスチックが挙げられる。
フルオロポリマーが過ハロゲン化、好ましくは過弗素化されている時、このフルオロポリマーは、HFPを任意に含むTFEおよび/またはCTFEから誘導されたインターポリマー単位を少なくとも50モルパーセント(モル%)で含む。フルオロポリマーのインターポリマー単位の残り(10〜50モル%)は、一種以上のパーフルオロビニルエーテルおよび適する硬化部位モノマーから構成される。硬化部位モノマーは、エラストマーの約0.1〜約5モル%(より好ましくは約0.3〜約2モル%)を構成する。
フルオロポリマーが過弗素化されていない時、このフルオロポリマーは、TFE、CTFEおよび/またはHFPから誘導されたインターポリマー単位を約5〜約90モル%で、VDF、エチレンおよび/またはプロピレンから誘導されたインターポリマー単位を約5〜約90モル%で、ビニルエーテルから誘導されたインターポリマー単位を約40モル%で、ならびに適する硬化部位モノマーを約0.1〜約5モル%(より好ましくは約0.3〜約2モル%)で含む。
適する過弗素化ビニルエーテルには、以下の式のものが挙げられる。
CF2=CFO(RfO)af (2)
式中、各Rfは独立して炭素原子数1〜6の直鎖または分鎖状パーフルオロアルキレン基であり、aは0または1〜20の整数である。
パーフルオロアルキルビニルエーテルの好ましい種類には、以下の式の組成物が挙げられる。
CF2=CFO(CF2CFXO)d4 f (3)
式中、XはFまたはCF3であり、dは0〜5であり、R4 fは炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキル基である。
最も好ましいパーフルオロアルキルビニルエーテルは、上の式(2)または(3)のいずれかにおいて、dが0または1であり、aが2であり、各Rfが1〜3個の炭素原子を含むものである。こうした過弗素化エーテルには、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテルおよびパーフルオロプロピルビニルエーテルが挙げられる。
他の有用な過弗素化モノマーには、以下の式の化合物が挙げられる。
CF2=CFO[(CF2e(CFZ)gO]h4 f (4)
式中、R4 fは炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、eは1〜5であり、gは0〜5であり、hは0〜5であり、ZはFまたはCF3である。この種類の好ましいメンバーは、R4 fがC37またはCF3であり、eは1〜2であり、gは0〜1であり、hは1であるものである。
本発明において有用な別のパーフルオロアルキルビニルエーテルモノマーには、以下の式のモノマーが挙げられる。
CF2=CFO[(CF2CF(CF3)O)k(CF2pO(CF2q]Cr2r+1 (5)
式中、kは0または1〜10の整数であり、pは1〜6の整数であり、qは0〜3であり、rは1〜5である。この種類の好ましいメンバーには、kが0または1であり、pが1〜5であり、qが0または1であり、rが1である化合物が挙げられる。
本発明において有用なパーフルオロアルコキシビニルエーテルには、以下の式のものが挙げられる。
CF2=CFO(CF2t[CF(CF3)]uO(CF2O)wx2x+1 (6)
式中、tは1〜3であり、uは0〜1であり、wは0〜3であり、xは1〜5、好ましくは1である。有用なパーフルオロアルコキシビニルエーテルの代表的な例には、CF2=CFOCF2OCF2CF2CF3、CF2=CFOCF2OCF3、CF2=CFO(CF23OCF3およびCF2=CFOCF2CF2OCF3が挙げられる。
パーフルオロアルキルビニルエーテルとパーフルオロアルコキシビニルエーテルの混合物も用いてよい。
本発明において有用なパーフルオロオレフィンには、以下の式のものが挙げられる。
CF2=CF−R5 f (7)
式中、R5 fは弗素または炭素原子数1〜8、好ましくは1〜3のパーフルオロアルキルである。
さらに、部分弗素化モノマーまたは水素含有モノマー、例えばオレフィン(例えば、エチレンおよびプロピレンなど)、および弗化ビニリデンを本発明のフルオロポリマー中で用いることが可能である。
有用なフルオロポリマーの一例は、TFEと少なくとも一種のパーフルオロアルキルビニルエーテルとの主モノマー単位からなる。こうしたコポリマーにおいて、共重合された過弗素化エーテル単位は、ポリマー中に存在する全モノマー単位の約10〜約50モル%(より好ましくは15〜35モル%)を構成する。
一種以上の他のフルオロポリマーを、窒素含有硬化部位モノマーから誘導されたインターポリマー単位を有するフルオロポリマーに組み込んでもよい。さらに、一種以上の他のフルオロポリマー(一種以上のコポリマーを含んでもよい)を、窒素含有硬化部位モノマーから誘導されたインターポリマー単位を有するフルオロポリマー(コポリマーを含んでもよい)とブレンドしてもよい。ブレンドおよび/またはコポリマー中で有用なこうした他のフルオロポリマーには、上に記載された一連のもの全体が挙げられる。他のフルオロポリマーは、窒素含有硬化部位モノマーから誘導されたインターポリマー単位がなくてもよく、および/または選択された硬化剤系に適合した反応部位を含んでもよい。本発明に関するフルオロポリマーを提供するために、例えば、窒素含有硬化部位モノマーから誘導されたインターポリマー単位を各々が有する二種の異なるフルオロポリマーをブレンドしてもよい。
特定の特性をもたらすために、以下に記載されたようにもう一種の硬化剤に加えてもう一種のフルオロポリマーを含めてもよい。化学安定性を改善するために、例えば、過酸化物硬化および過酸化物硬化剤のために適するフルオロポリマーを含めてもよい。こうしたブレンドは、得られたブレンドの熱安定性と化学安定性を調和させ、経済的利益も提供しうる。フルオロポリマー窒素含有硬化部位モノマーを含めることを必要とせずに、窒素含有フルオロポリマーのブレンドを硬化させるために、これらの他の硬化剤を用いてもよい。
窒素含有フルオロポリマーは、好ましくは、本発明の組成物を欠くフルオロポリマーに比べて高い熱安定性をもたらすために、全フルオロポリマー中の十分量を構成する。この量は、本発明の全フルオロポリマーの一般には少なくとも25重量パーセント(重量%)、より好ましくは少なくとも50重量%である。
フルオロポリマーは技術上知られている方法によって調製してよい。例えば、重合プロセスは、モノマー単独のラジカル重合、あるいは有機溶媒または水中の溶液、乳化液または分散液としてのモノマーのラジカル重合によって行うことが可能である。フルオロポリマーブレンドが必要である時、組み込み経路の一つは、選択された比でのフルオロポリマーラテックスのブレンディング、その後の凝集および乾燥によるものである。フルオロポリマーの調製の詳細は、特許文献1、特許文献2および特許文献3において見られる。これらの特許の開示は本明細書に引用して援用する。
硬化部位モノマーは、フルオロポリマーを硬化させることを可能にする。硬化部位成分は、一般に、少なくとも一種の窒素含有硬化部位モノマーを含む。硬化部位成分は、部分的または完全に弗素化されることが可能である。有用な窒素含有硬化部位モノマーには、窒素含有弗素化オレフィンおよび窒素含有弗素化ビニルエーテル、例えば以下のものが挙げられる。
CF2=CFO(CF2 LCN(8)
CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]q(CF2O)sCF(CF3)CN(9)
CF2=CF[OCF2CF(CF3)]rO(CF2tCN(10)
前記式中、L=2〜12、q=0〜4、r=1〜2、s=0〜6、t=1〜4である。こうしたモノマーの代表的な例には、パーフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)、CF2=CFO(CF25CNおよびCF2=CFO(CF23OCF(CF3)CNが挙げられる。
本発明において有用な適するもう一種の硬化部位成分は、過酸化物硬化反応に関わることができるハロゲンを含むフルオロポリマー材料または弗素化モノマー材料である。こうしたハロゲンは、フルオロポリマー鎖に沿って、および/または末端位置において存在してよい。典型的には、ハロゲンは臭素または沃素である。フルオロポリマー鎖に沿った位置にハロゲンを導入するために、共重合は好ましい。この経路において、上で挙げたフルオロポリマー成分の選択は、適する弗素化硬化部位モノマーと組み合わされる。こうしたモノマーは、例えば、一般式Z−Rf−Ox−CF=CF2から選択することが可能である。前記式中、ZはBrまたはIであり、Rfは、過弗素化されてもよく一個以上のエーテル酸素原子を含んでもよい置換または非置換C1〜C12フルオロアルキレンであり、xは0または1である。xが0である時、ブロモフルオロオレフィンまたはヨードフルオロオレフィンの例には、ブロモジフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ヨードトリフルオロエチレン、1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1などが挙げられる。xが1である時、ブロモフルオロビニルエーテルまたはヨードフルオロビニルエーテルの例には、BrCF2OCF=CF2、BrCF2CF2OCF=CF2、BrCF2CF2CF2OCF=CF2およびCF3CF(Br)CF2OCF=CF2などが挙げられる。さらに、非弗素化ブロモオレフィンまたは非弗素化ヨードオレフィン、例えば、臭化ビニルおよび4−ブロモ−1−ブテンを用いることが可能である。フルオロポリマーの側鎖位置における硬化部位成分の量は一般には約0.05〜約5モル%(より好ましくは0.1〜2モル%)である。
硬化部位成分はフルオロポリマー鎖の末端位置にも存在しうる。末端位置にハロゲンを導入するために、連鎖移動剤または開始剤が用いられる。一般に、適する連鎖移動剤は、ポリマー調製中に反応媒体に導入されるか、または適する開始剤から誘導される。
有用な連鎖移動剤の例には、式Rfxを有するものが挙げられる。前記式中、Rfは、過弗素化されてもよい置換または非置換C1〜C12フルオロアルキル基であり、ZはBrまたはIであり、xは1または2である。臭化物の例には、CF2Br2、Br(CF22Br、Br(CF24Br、CF2(Cl)BrおよびCF3CF(Br)CF2Brなどが挙げられる。
有用な開始剤の例には、NaO2S(CF2nXが挙げられる。前記式中、XはBrまたはIであり、n=1〜10である。
フルオロポリマーの末端位置における硬化部位成分の量は、一般には約0.05〜約5モル%(より好ましくは0.1〜2モル%)である。
硬化部位成分の組み合わせも有用である。例えば、過酸化物硬化反応に関わることができるハロゲンを含むフルオロポリマーは窒素含有硬化部位成分も含んでよい。全硬化部位成分の一般には約0.1〜約5モル%(より好ましくは約0.3〜約2モル%)がフルオロポリマーに組み込まれる。
フルオロポリマー組成物は、以下の一般式を有する化合物を含む触媒組成物を用いて少なくとも部分的に硬化される。
式中、HA、R1、R2およびR3は上で定義された通りである。触媒は化合物としてフルオロポリマーに添加することが可能であるか、または適切な前駆体をフルオロポリマーに添加した後に現場(in situ)で形成することが可能である。触媒組成物の例には、以下の式の化合物が挙げられる。
式中、mおよびnは独立して2〜20である。この式では、二個のR基はヘテロ環式基に含まれる一方で、第3のR基は単結合である。
式(1A)化合物の好ましい例には、m=3およびn=5である化合物およびm=4およびn=2である化合物が挙げられる。これには、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)および1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)の塩が挙げられる。これらの塩は、例えば、メタノールまたはアセトンなどの有機溶媒中でDBUまたはDBNを有機酸または無機酸と反応させることにより調製してもよく、または現場(in situ)で調製してもよい。その他の好ましい触媒組成物としてはピリジン塩酸塩が挙げられる
フルオロポリマーを硬化させるために有効量の触媒化合物が用いられる。一般に、この量は、フルオロポリマー百部当たり0.05〜10(より好ましくは0.1〜5)部の範囲内である。
フルオロポリマー組成物は、任意に一種以上のイミデート硬化剤と合わせて、上に記載された触媒組成物を用いて硬化させることが可能である。
酸は有機または無機酸、例えばC715COOH、あるいは炭化水素または弗素含有カルボン酸、スルホン酸など、および安定な塩を形成するHCl、HNO3などの無機酸であることが可能である。
イミデート硬化剤には、式R1C(OR2)=NH(式中、R1およびR2は、上で定義され、以下でさらに規定された通りである)を有する化合物およびその塩が挙げられる。イミデートは、非特許文献1および非特許文献2に記載されたように調製してよい。これらの文献は本明細書に引用して援用する。R1およびR2のための有用な基の例には、フルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびパーフルオロポリエーテル基(例えば、特許文献4に記載されたもの)が挙げられる。さらに、二個以上のイミデート基が化合物に含まれてもよい。「置換」とは、所望の産物を妨げない置換基によって置換されたことを意味する。適する置換基の例には、ハロゲン(例えば、塩素、弗素、臭素、沃素)、シアノ、アルコキシおよびカルボキシ基が挙げられる。さらに、炭素原子の一個以上を酸素または窒素などのヘテロ原子で置換してもよい。R1は、好ましくは、容易に入手できるイミデート、例えば、CF3O(CF2mOCF(CF3)C(NH)OCH3(式中、mは1〜4の整数である)およびC37(O(CF3)CF2nOCF(CF3)C(NH)OCH3(式中、nは0〜3である)の一部である。R2は、好ましくは、炭素原子数1〜6のより低級のアルキルであるか、またはCH2f(式中、Rfは炭素原子数1〜10のパーフルオロアルキルである)である。他の有用なイミデートには、CF3O(CF22C(NH)OC817およびC715C(NH)OC49が挙げられる。
所望の時間内に所望のレベルにフルオロポリマーを硬化させるために、有効量の選択されたイミデートが用いられる。一般に、この量は、フルオロポリマー100モル当たりイミデート約0.01〜約5モル(モル%)の範囲内、好ましくは約0.2〜約3モル%である。
イミデートとアミン塩との組み合わせは、いずれかの材料単独で製造されたサンプルと比べた時、プレス硬化サンプルにおいて遙かにより高いトリアジン含有の相乗効果をもたらす。この効果は、種々のサンプルのFT−IRスペクトルを比較する時に容易に見られる。例えば、図1は、アミン(DBU)および無機酸(HCl)に加えてイミデート(C715C(NH)OC49)を含んだ硬化材料のスペクトル(ラインB)とDBUもHClもない同じイミデートを含んだ硬化材料のスペクトル(ラインA)を示している。DBU−HClのないイミデートを有する参照材料(ラインA)に比べて、DBU、HClおよびイミデートの組み合わせを有するプレス硬化材料のスペクトル(ラインB)において遙かにより高いトリアジンピーク(1556cm-1)および遙かにより低いニトリルピーク(2264cm-1)が存在する。
該フルオロポリマー組成物は、硬化性フルオロポリマー配合物中でしばしば用いられるいずれの補助剤も含むことが可能である。例えば、過酸化物硬化剤系の一部としてしばしばフルオロポリマー組成物とブレンドされる一つの材料は、有用な硬化をもたらすために硬化剤と協働することができるポリ不飽和化合物からなる硬化助剤(時に共硬化剤とも呼ばれる)である。これらの硬化助剤は、一般に、フルオロポリマー百部当たり0.1〜10部(phr)、好ましくは1〜5phrに等しい量で添加することが可能である。有用な硬化助剤の例には、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ(メチルアリル)イソシアヌレート、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリルホスフィット、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホラミド、N,N,N’,N’−テトラアルキルテトラフタルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサンおよびトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートが挙げられる。トリアリルイソシアヌレートは特に有用である。他の有用な硬化助剤には、特許文献5、特許文献6、特許文献7よび特許文献8において開示されたビスオレフィンが挙げられる。
該フルオロポリマー組成物は、上述した触媒組成物に加えて他の種類の硬化剤を用いることにより硬化させることも可能である。こうした硬化剤の例は知られており、例えば、ビスアミノフェノール(例えば特許文献9および特許文献10に記載されている)、ビスアミドオキシム(例えば特許文献11に記載されている)およびアンモニウム塩(例えば特許文献12に記載されている)が挙げられる。例えば、特許文献13および特許文献14記載されたように、砒素、アンチモンおよび錫の有機金属化合物も使用することが可能である。特には、例えばアリル−、プロパルギル−、トリフェニル−アレニル−、およびテトラフェニル錫および水酸化トリフェニル錫が挙げられる。
さらに、硬化系は技術上知られている方法によって改質することが可能である。特定の組成物の硬化の速度を修正するために、例えば、アンモニア発生化合物を含めてもよい。こうしたアンモニア発生化合物は、典型的には、周囲条件下で固体または液体であり、そして硬化条件下でアンモニアを発生させる。これらの化合物には、例えば、ヘキサメチレンテトラアミン(ウロトロピン)およびジシアンジアミド、ならびに金属含有化合物およびトリアジン誘導体が挙げられる。こうしたアンモニア発生化合物に関する一層の詳細は、特許文献15において見られる。この特許を本明細書に引用して援用する。
該フルオロポリマー組成物に一種以上のオニウム塩を添加することが有利でありうる。適するオニウム塩の例は特許文献16に記載されている。具体的には、トリフェニルベンジルホスホニウムクロリド、トリブチルアルキルホスホニウムクロリド、トリブチルベンジルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミドおよびトリアリールスルホニウムクロリドが挙げられる。
該フルオロポリマー組成物は、上述した触媒組成物に加えて一種以上の過酸化物硬化剤を用いて硬化させることが可能である。適する過酸化物硬化剤は、一般に、特許文献1に記載されたものなどの、硬化温度でラジカルを発生する硬化剤である。この特許を本明細書に引用して援用する。50℃より高い温度で各々分解するジアルキル過酸化物およびビス(ジアルキル過酸化物)は特に好ましい。多くの場合、ペルオキシ酸素原子に結合された第三炭素原子を有するジ−ターシャリーブチルペルオキシドを用いることが好ましい。2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルペルオキシ)ヘキシン−3および2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルペルオキシ)ヘキサンは、この種の内で最も有用な過酸化物の中に入る。他の過酸化物は、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ターシャリーブチルパーベンゾエート、a,a’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)およびジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネートのような化合物から選択することが可能である。一般に、フルオロポリマー100部当たり過酸化物約1〜3部(phr)が用いられる。
本発明において有用なもう一種の硬化剤は一般式CH2=CH−Rf−CH=CH2を有する。前記式中、一個以上のH原子はFなどのハロゲン原子で置換されてよく、Rfは少なくとも部分的に弗素化されたC1〜C8直鎖または分鎖状アルキレン、シクロアルキレンまたはオキシアルキレンである。同様に、CH2=CHRf−の側基を含むポリマーも本発明における硬化剤として有用である。こうした硬化剤は、例えば特許文献8に記載されている。
この系と合わせて有用なもう一種の硬化剤は、両方とも2000年9月18日に出願された同時係属中の特許出願である特許文献17および特許文献18に記載されたように、単独で、または種々の組み合わせで二価金属アミン錯体触媒を用いることを含む。
該フルオロポリマー組成物は、一般式{RA}(-){QR”k(+)を有する化合物を含む触媒組成物を用いて硬化させることも可能である。前記式中、Rは水素含有または部分弗素化C1〜C20アルキルまたはアルケニル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20シクロアルケニル、またはC6〜C20アリールまたはアルキルアリール、または過弗素化C6〜C20アリールまたはアルキルアリールであり、Aは酸アニオンまたは酸誘導アニオンであり、Qは燐、硫黄、窒素、砒素またはアンチモンであり、kはQの原子価であり、各R”は独立して水素、あるいは置換または非置換C1〜C20アルキル、アリール、アラルキルまたはアルケニル基である。一層の詳細は、同時係属出願である特許文献19(代理人整理番号56367USA49)および特許文献20(代理人整理番号56311US007)に示されている。
触媒、任意のイミデートおよび任意の硬化剤の組み合わせは、一般には全フルオロポリマー量の約0.01〜約10モル%(より好ましくは約0.1〜約5モル%)である。
フルオロポリマーの配合において典型的に用いられる添加剤、例えばカーボンブラック、安定剤、可塑剤、潤滑剤、充填剤および加工助剤などを該組成物に配合することが可能である。但し、添加剤が意図した使用条件のために適切な安定性を有する場合に限る。特に、低温性能は、パーフルオロポリエーテルの配合によって強化することが可能である。例えば特許文献21を参照すること。
カーボンブラック充填剤も、典型的には、該組成物の弾性率、引張強度、伸び、硬度、耐摩耗性、導電性および加工性を調和させる手段としてフルオロポリマー中で用いられる。適する例には、N−991、N−990、N−908およびN−907と呼ばれるMTブラック(ミディアムサーマルブラック)、FEF N−550および大粒子サイズファーネスブラックが挙げられる。使用時、フルオロポリマー100部当たり充填剤1〜70部(phr)の大サイズ粒子ブラックは一般に十分である。
フルオロポリマー充填剤も組成物中に存在してよい。一般に、1〜50phrのフルオロポリマー充填剤が用いられる。フルオロポリマー充填剤は微細であることが可能であり、本発明組成物の二次加工および硬化において用いられる最高温度で固体として容易に分散されることが可能である。固体とは、充填剤材料が部分的に結晶質である場合に、硬化性組成物の加工温度より高い結晶溶融温度を有することを意味する。フルオロポリマー充填剤を配合する好ましい方法はラテックスをブレンドすることによる。種々の種類のフルオロポリマー充填剤におけるこの手順が、2000年2月1日出願の特許文献22に記載されている。この特許出願の内容を本明細書に引用して援用する。
一種以上の酸受容体も配合物に添加することが可能である。しかし、抽出性金属化合物の存在が(半導体用途などのために)好ましくない場合、無機酸受容体の使用は最小にされるべきであり、好ましくは全く避けるべきである。一般に用いられる酸受容体には、例えば、酸化亜鉛、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらの化合物は、一般に、フルオロポリマーが機能するように意図される高温で発生しかねないHFまたは他の酸を結合するために、フルオロポリマー配合物中で用いられる。
本発明の硬化性フルオロポリマー組成物は、過酸化物硬化性フルオロポリマー組成物などの他の硬化性フルオロポリマー組成物と組み合わせてもよい。これらの追加の硬化性フルオロポリマー組成物は、典型的には、コモノマーとして少量の硬化部位モノマーを用いる。適する硬化部位モノマーは、硬化剤(例えば過酸化物)および好ましくは硬化助剤と組み合わされた時、硬化組成物を提供するものである。好ましくは、これらの硬化部位モノマーは、少なくとも一個のハロ基(例えばブロモ基またはヨード基)を含む。
硬化性フルオロポリマー組成物は、従来のゴム加工装置内でフルオロポリマー、二価金属アミン錯体触媒、選択された一種以上の添加剤、別の硬化剤(もし存在するなら)、および他の補助剤(もし存在するなら)を混合することにより調製することが可能である。配合する成分および他の慣用の補助剤または成分の所望量を、未加硫のフルオロカーボンガム素材に添加し、そして通常のゴム混合装置、例えば内部ミキサー(例えばバンバリーミキサー)、ロールミル、またはその他の都合の良い混合装置を用いて、共に密に混合または配合することが可能である。混合プロセス中の混合物の温度は、典型的には約120℃より上に上昇するべきでない。混合中、効果的な硬化のためにガム全体を通して成分および補助剤を均一に分配することが好ましい。
次にその混合物は、押出(例えばホースまたはホースライニングの形状で)により、または成形(例えば、O−リングシールの形で)により加工および成形される。次に成形品は、加熱することによりガム組成物を硬化させ、そして硬化物品を作ることが可能である。
配合した混合物のプレス作業(すなわちプレス硬化)は、通常、適圧下で所望の時間後に混合物を硬化させるのに十分な温度で行われる。一般に、これは、約1分〜15時間、典型的には5分〜30分間にわたって、約95℃〜約230℃、好ましくは約150℃〜約205℃である。約700kPa〜約20,600kPaの圧力が、通常、金型内の配合した混合物に加えられる。金型は最初に離型剤で被覆してもよく、前もって焼き付けてもよい。その後、成形した加硫ゴムは、通常、硬化を完了させるのに十分な温度かつ十分な時間で、一般には物品の断面厚さが増加するにつれて約2時間〜50時間以上の期間にわたり、通常は約150℃〜約300℃、典型的には約232℃で、後硬化(例えばオーブン硬化)される。厚い断面については、後硬化中の温度は、通常、範囲の下限界から所望の最高温度まで徐々に上昇させる。用いられる最高温度は好ましくは約300℃であり、この温度は約4時間以上にわたって保持される。
硬化後、物品を空気中で熱老化することが可能である。有用な熱老化の手順の一例は、約290℃の温度で約70時間にわたり空気中で物品を熟成することである。
該フルオロポリマー組成物は、O−リング、ガスケット、管材料およびシールなどの物品の製造において有用である。こうした物品は、該フルオロポリマー組成物と種々の添加剤との配合物を加圧下で成形し、物品を硬化させ、その後物品を後硬化サイクルに供することにより製造される。無機酸受容体なしで配合された硬化性組成物は、半導体デバイスを製造するためのシールおよびガスケットなどの用途向けに、および高温自動車用途のためのシールにおいて特に適合する。
以下の実施例によって本発明をさらに説明する。
下記実施例において、下記試験方法を用いて下記結果を得た。
硬化レオロジー
177℃、プレヒートなし、経過時間30分および0.5弧度の条件でASTM D5289−93aに準拠して、Monsanto Moving Die Rheometer(MDR)Model2000を用いて未硬化の配合サンプルについて試験を行った。平坦域もしくは最大トルクが得られなかった時に規定時間中に達成された最小トルク(ML)と最高トルク(MH)の両方を測定した。トルクがMLより2単位増加する時間(「ts2」)、トルクがML+0.5(MH−ML)に等しい値に達する時間(「t’50」)およびトルクがML+0.9(MH−ML)に達する時間(「t’90」)も測定した。
プレス硬化
特に注記がない限り、177℃で30分間にわたり約6.9メガパスカル(MPa)でプレスすることにより、150x150x2.0mmの寸法のサンプルシートを、物理的特性決定のために作製した。
後硬化
次の6段階の条件:6時間にわたり25〜200℃、16時間にわたり200℃、2時間にわたり200〜250℃、8時間にわたり250℃、2時間にわたり250〜300℃、16時間にわたり300℃、を用いて、プレス硬化したサンプルシートを窒素下で熱に曝した。試験前に、サンプルを室温に戻した。
熱老化
プレス硬化および後硬化したサンプルシートを290℃で70時間にわたり空気中で熱にさらし、その後、試験前に室温に戻した。
物理的特性
ASTM Die Dによりプレス硬化または後硬化したシートから切断したサンプルについて、ASTM D412−92を用いて破断点引張強度、破断点伸び、および100%伸び時の弾性率を決定した。単位はMPaで報告する。
硬度
タイプA−2ショアデュロメータ(durometer)によりASTM D2240−85方法Aを用いてサンプルを測定した。単位はポイントで報告する。
圧縮永久歪(compression set)
ASTM395−89方法Bを用いてO−リングサンプルを測定した。O−リングの断面厚さは0.139インチ(3.5mm)であった。結果を永久歪(permanent set)の%として報告する。
実施例1
63.8モル%のテトラフルオロエチレン、35.0モル%のパーフルオロメチルビニルエーテルおよび1.2モル%の窒素含有硬化部位モノマーCF2=CFO(CF25CNを含むフルオロエラストマーを水性乳化重合によって調製した。15gのFEF N550カーボンブラック、2gのイミデートCF3OCF2CF2C(NH)OC817、0.75gのトリフェニルベンジルホスホニウムクロリド(TPBPCl)および0.5gのDBU−HCl(メタノール中で等モル量のDBUとHClガスとを組み合わせ、その後真空下でメタノールを除去することにより製造された)を、得られたポリマー(100g)と配合した。
配合した未硬化サンプルについて硬化レオロジー試験を行った。配合した混合物のシートを177℃で45分間プレスし、続いて後硬化し、そして熱老化した。各段階における試験の結果を以下の表1に示す。
実施例2
TPBPClを用いなかったことを除き、実施例1の手順に従った。試験の結果を表1に示す。
実施例3
DBU−HClを用いなかったことと、2gのもう一種の有機酸DBU−HOOCC715を含めたこととを除き、実施例1の手順に従った。メタノール中で等モル量のDBUとC715COOHとを組み合わせ、その後真空下でメタノールを除去することにより、上記酸を製造した。結果を以下の表1に示す。
実施例4
4gのDBU−C715COOHを添加したことと、TPBPCl、DBU−HCl、CF3OCF2CF2C(NH)OC817を含めなかったこととを除き、実施例1の手順に従った。さらに、実施例4のN550カーボンブラックの代わりに15gのThermax MT N990カーボンブラックを用いた。結果を以下の表1に示す。このサンプルをプレス硬化した後、サンプルシートには小さい膨れがあった一方で、O−リングサンプルは滑らかに見えた。
比較例1
62.1モル%のテトラフルオロエチレン、36.8モル%のパーフルオロメチルビニルエーテルおよび1.1モル%の窒素含有硬化部位モノマーCF2=CFO(CF25CNを含むフルオロエラストマーを水性乳化重合によって調製した。15gのFEF N550カーボンブラックおよび2.0gのテトラフェニル錫を、得られたポリマー(100g)と配合した。
配合した未硬化サンプルについて硬化レオロジー試験を行った。配合した混合物のサンプルシートをプレス硬化させ、後硬化し、そして熱老化した。各段階における試験の結果を以下の表1に示す。
表1において、N/Mは特性を測定しなかったことを表す。
上記結果は、本発明触媒組成物を用いて調製した組成物が有機錫硬化触媒を用いて調製した組成物に比べて、改善された特性を示すことを実証している。最も注目すべきことは、本発明フルオロポリマーが実質的により低い圧縮永久歪値を示したことである。
本発明の多くの実施形態を記載してきた。しかしながら、本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに種々の修正を行うことができることは理解されるだろう。
本発明の硬化材料および比較硬化材料におけるフーリエ変換赤外線スペクトルである。

Claims (14)

  1. (a)(i)窒素含有硬化部位モノマーから誘導されたインターポリマー単位であって、前記窒素含有硬化部位モノマーが、ニトリル含有モノマーである、インターポリマー単位
    (ii)水素含有モノマーと
    を含むフルオロポリマー;および
    (b)以下の一般式を有する化合物を含む触媒
    [式中、基HAは、酸であり、各R1、R2およびR3は、独立して、同じまたは異なるC1〜C20アルキル基であるか、
    3〜C20環式基またはヘテロ環式基であるか、
    f(CH2x−(式中、RfはC1〜C8直鎖または分鎖状で少なくとも部分的に弗素化されたアルキレン、シクロアルキレンまたはオキシアルキレンであり、xは1〜4である)であるか、または、
    もう一個のR基に対する結合が、窒素が結合しているもしくはイミノ基またはヘテロ環基の一部となっている]
    を含む組成物であって、
    2以上のR基は、環式基、二環式基または芳香族基を形成するために結合してもよく、
    少なくとも、R1、R2およびR3の1つが弗素化された基である、組成物。
  2. 前記2以上のR基は、ヘテロ原子を含む環式基、二環式基または芳香族基を形成するために結合してもよい、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物が、式R1C(OR2)=NH(式中、R1およびR2は独立して置換または非置換C1〜C20アルキル、アリール、アラルキル、アルケニル、シクロアルキルまたはシクロアルケニル基である)を有する化合物およびその塩を含む触媒をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. HAが、無機酸、有機カルボン酸または有機スルホン酸から選択される、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記フルオロポリマーが、(i)テトラフルオロエチレンから誘導されたインターポリマー単位を含む、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  6. 前記フルオロポリマーが、(i)テトラフルオロエチレン、および(ii)一種以上の、式CF2=CFO(RfO)af(式中、各Rfは独立して直鎖または分鎖状C1〜C6パーフルオロアルキレン基であり、aは0または1〜20の整数である)のパーフルオロビニルエーテルから誘導されたインターポリマー単位を含む、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  7. 前記フルオロポリマーが、パーフルオロオレフィン、部分弗素化オレフィン、非弗素化オレフィン、弗化ビニリデンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されたモノマーから誘導されたインターポリマー単位をさらに含む請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  8. 前記硬化部位モノマーが、式CF2=CFO(CF2LCN、CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]q(CF2O)yCF(CF3)CNまたはCF2=CF[OCF2CF(CF3)]rO(CF2tCN(式中、L=2〜12、q=0〜4、y=0〜6、r=1〜2、t=1〜4である)を有するニトリル含有モノマーである、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  9. (a) フルオロポリマー充填剤、カーボンブラックおよびそれらの組み合わせから選択された充填剤;
    (b) 追加の硬化剤であって、アンモニウム塩、アンモニア発生化合物、置換トリアジン誘導体、非置換トリアジン誘導体、過酸化物、ビスアミノフェノール、ビスアミドオキシムおよび有機金属化合物から選択される硬化剤
    (c) 硬化助剤
    (d) 一種以上の他のフルオロポリマー;または
    (e) それらの組み合わせ
    をさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記フルオロポリマーが、(i)一種以上のパーフルオロビニルエーテル、(ii)パーフルオロオレフィン、オレフィンおよび弗化ビニリデンからなる群から選択された一種以上のモノマー、および(iv)それらの組み合わせから誘導されたインターポリマー単位をさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  11. 前記フルオロポリマーが、(i)一種以上のパーフルオロビニルエーテル、(ii)パーフルオロオレフィン、オレフィンおよび弗化ビニリデンからなる群から選択された一種以上のモノマー、(iii)一種以上の他の窒素含有硬化部位モノマーおよび(iv)それらの組み合わせから誘導されたインターポリマー単位をさらに含む、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
  12. a)請求項1〜11のいずれかに記載のフルオロポリマーおよび触媒を含む混合物を形成する工程と、
    b)前記混合物を成形する工程と、
    c)前記成形された混合物を硬化させる工程と、
    を含む、フルオロポリマー組成物から誘導される硬化物品を製造する方法。
  13. d)前記硬化させた混合物を熱老化する工程
    をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項12または13に記載の方法により調製された硬化物品であり、シール、O−リング、ガスケットおよび管材料から選択される硬化物品。
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