JP5122718B2 - イミダート含有フルオロポリマー組成物 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、ニトリル基含有硬化部位構成要素を有する、フルオロポリマー組成物に関する。
【0002】
背景
フッ素含有ポリマー(「フルオロポリマー」としても知られる)は、商業的に有用な種類の材料である。フルオロポリマーとしては、例えば架橋したフルオロエラストマー、および半結晶質または非晶質フッ素樹脂が挙げられる。フッ素樹脂は概して熱安定性が高く、高温で特に有用である。それらはまた非常な低温で、極度の強靭性と可撓性を示すかもしれない。いくつかは非常に低い誘電損失および高い絶縁耐力を有し、特有の低摩擦係数を有するかもしれない。
【0003】
フルオロエラストマーは、高温および過酷な化学薬品環境に対して顕著な耐性を示す。したがってそれらは、高温および/または腐蝕性化学薬品に曝される系の中で、シール、ガスケット、およびその他の成形部品として特に有用である。このような部品は、特に化学薬品加工、半導体、宇宙空間、および石油工業で広く使用される。
【0004】
フルオロエラストマーは硬化部位構成要素を含んで、触媒存在下で硬化を容易にすることが多い。有用な硬化部位構成要素の1種類は、ニトリル基含有モノマーを含む。有機スズ触媒が、典型的に硬化触媒として使用される。しかしこのような触媒は有毒であり、硬化製品中に望ましくない抽出性金属残留物を残す可能性がある。
【0005】
要旨
一態様では本発明は、(a)ニトリル基を含む硬化部位モノマーから誘導される共重合単位を有するフルオロポリマーと、(b)式、R1C(OR2)=NH(式中、R1およびR2は独立して、置換されたまたは未置換のアルキル、アリール、アラルキル、またはアルケニル基である。)を有する化合物およびそれらの塩を含む触媒組成物とを含む組成物に関する。「置換された」とは、所望の生成物に干渉しない置換基によって置換されたことを意味する。適切な置換基の例としては、ハロゲン(例えば塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、シアノ、アルコキシ、およびカルボキシ基が挙げられる。さらに1つ以上の炭素原子が、酸素または窒素などのヘテロ原子によって置換されても良い。R1のための有用な基の具体例としては、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、およびペルフルオロ(ポリ)エーテル基(例えば米国特許5,266,650号に記載されるようなもの)が挙げられる。R2のための有用な基の具体例としては、フルオロアルキルおよびペルフルオロアルキル基が挙げられる。さらに別の態様では、本発明はこの組成物を硬化する方法、ならびに硬化組成物を提供する。
【0006】
組成物は、典型的にこのような硬化部位モノマーと共に触媒系として有機スズ化合物を使用する場合に達成される、高温性能特性および耐薬品性などのニトリル基含有硬化部位モノマー使用の利点を保持する。同時に組成物は、著しく改善された圧縮永久ひずみ値を示し、有機金属触媒の使用がもたらす抽出性金属残留物の存在を排除する。さらに硬化した組成物は、場合によってはカーボンブラックまたはその他の着色料の不存在下で、光学的に透明であっても良い。「光学的に透明」とは、組成物が実質的に透けて見え、激しい変色を示さないことを意味する。
【0007】
組成物は抽出性有機金属化合物を含まないので「クリーン」であると特徴付けることができる。この結果は、いずれかの追加的な加工工程を用いて有機金属化合物を排除することを必要とせずに達成される。組成物はポリマー安定性(例えば熱安定性)、耐薬品性、および/または光学的透明度が重要な用途において有用である。それらはまた、シリコンウェーハ製造においても有用である。
【0008】
添付の図面および以下の説明において、本発明の1つ以上の実施様態の詳細を述べる。本発明のその他の特徴、目的、および利点は、説明および請求項から明らかになるであろう。
【0009】
詳細な説明
適切なフルオロポリマーは、ニトリル基含有モノマーおよび好ましくは少なくとも2つの主要なモノマーから誘導される共重合単位を含む。主要なモノマーのための適切な候補の例としては、ペルフルオロオレフィン(例えばテトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロペン)と、ペルフルオロビニルエーテル(例えばペルフルオロアルキルビニルエーテルおよびペルフルオロアルコキシビニルエーテル)と、オレフィン(例えばエチレン、プロピレンなど)などの水素含有モノマーと、フッ化ビニリデンなどの部分的にフッ素化されたオレフィンとが挙げられる。
【0010】
適切な完全フッ素化された(過フッ素化された)(perfluorinated)ビニルエーテルとしては、式、
CF2=CFO(R'fO)a(R''fO)bRf (1)
(式中、R'fおよびR''fは炭素原子1〜6個の同一または異なる直鎖または分枝鎖ペルフルオロアルキレン基であり、aおよびbは独立して、0または1〜10の整数であり、Rfは炭素原子1〜6個のペルフルオロアルキル基である。)のものが挙げられる。
【0011】
好ましい種類のペルフルオロアルキルビニルエーテルとしては、式、
CF2=CFO(CF2CFXO)nRf (2)
(式中、XはFまたはCF3、nは0〜5であり、Rfは炭素原子1〜6個のペルフルオロアルキル基である。)の組成物が挙げられる。
【0012】
最も好ましいペルフルオロアルキルビニルエーテルは、上の式1または2に関して述べると、nが0または1で、Rfが1〜3個の炭素原子を含有するものである。このような過フッ素化エーテルの例としては、ペルフルオロメチルビニルエーテル、ペルフルオロエチルビニルエーテル、およびペルフルオロプロピルビニルエーテルが挙げられる。
【0013】
その他の有用な過フッ素化モノマーとしては、式、
CF2=CFO[(CF2)m(CFZ)uO]nRf (3)
(式中、Rfは炭素原子1〜6個を有するペルフルオロアルキル基であり、mは0〜2であり、uは0または1であり、nは0〜5であるが、ただしmおよびnの双方が0ではなく、ZはFまたはCF3である。)の化合物が挙げられる。この種類の好ましい構成要素は、その中でRfがCF3またはC3F7であり、mが0であり、nが1のものである。
【0014】
本発明で有用なさらに別のペルフルオロアルキルビニルエーテルモノマーとしては、式、
CF2=CFO[(CF2CF(CF3)O)g(CF2)k(OCF2)p]CxF2x+1 (4)
(式中、gは0または1〜5の整数であり、kは0または1〜6の整数であり、pは0〜3であり、xは1〜5であるが、たがしkが0である場合、pもまた0である。)のものが挙げられる。好ましいこの種類の構成要素としては、gが0または1であり、kが0または1であり、pが0または1であり、xが1である化合物が挙げられる。
【0015】
本発明で有用なペルフルオロアルコキシビニルエーテルとしては、式、
CF2=CFO(CF2)t(CFZ)uO(CF2O)wCxF2x+1 (5)
(式中、ZはFまたはCF3であり、tは1〜3であり、uは0〜1であり、wは0〜3であり、xは1〜5で好ましくは1である。)のものが挙げられる。有用なペルフルオロアルコキシビニルエーテルの具体的かつ代表的な例としては、CF2=CFOCF2OCF2CF2CF3、CF2=CFOCF2OCF3、CF2=CFO(CF2)3OCF3およびCF2=CFOCF2CF2OCF3が挙げられる。
【0016】
またペルフルオロアルキルビニルエーテルとペルフルオロアルコキシビニルエーテルの混合物を用いても良い。
【0017】
本発明で有用なペルフルオロオレフィンとしては、式、
CF2=CF−R5 f, (6)
(式中、R5 fはフッ素、または炭素原子1〜8個、好ましくは1〜3個のペルフルオロアルキルである。)のものが挙げられる。
【0018】
さらに部分的にフッ素化されたモノマー、またはオレフィン(例えばエチレン、プロピレンなど)などの水素含有モノマー、およびフッ化ビニリデンを本発明のフルオロポリマー中で使用できる。
【0019】
有用なフルオロポリマーの一例は、主要なモノマー単位としてテトラフルオロエチレンおよび少なくとも1個のペルフルオロアルキルビニルエーテルから構成される。このような共重合体中では、共重合した過フッ素化エーテル単位は、ポリマー中に存在する全モノマー単位の約15〜約50モル%(より好ましくは15〜35モル%)を構成する。
【0020】
ニトリル基を含む硬化部位モノマーから誘導される共重合単位を有するフルオロポリマー中に、1つ以上のその他のフルオロポリマーを組み込んでも良い。さらに1つ以上のその他のフルオロポリマー(1つ以上の共重合体を含んでも良い)を、ニトリル基を含む硬化部位モノマーから誘導される共重合単位を有するフルオロポリマー(共重合体を含んでも良い)と混合しても良い。このようなブレンドおよび/または共重合体中で有用なその他のフルオロポリマーとしては、上述の全てが挙げられる。その他のフルオロポリマー(群)には、ニトリル基を含む硬化部位モノマーから誘導される共重合単位が欠如していても良く、および/または選択された硬化剤系に適応した反応部位が含まれても良い。例えばそれぞれがニトリル基を含む硬化部位モノマーから誘導される共重合単位を有する2つの異なるフルオロポリマーをブレンドして、本発明のためのフルオロポリマーを提供しても良い。
【0021】
その他の硬化剤と共に下で述べるようなその他のフルオロポリマーを含めて、特定の特性を提供しても良い。例えば過酸化物硬化に適したフルオロポリマーおよび過酸化物硬化剤を含めて、化学安定性を改善しても良い。このようなブレンドは、得られるブレンドの熱安定性および化学安定性の釣り合いを保たせ、また経済上の利点を提供することができる。またこれらのその他の硬化剤を使用して、ニトリル基が欠如したフルオロポリマーを含めることを必要とせずに、ニトリル含有フルオロポリマーのブレンドを硬化させても良い。
【0022】
フルオロポリマーを、技術分野で既知の方法によって調製することができる。例えば有機溶剤または水中の溶液、エマルジョン、または懸濁液中で、いずれかのモノマーのフリーラジカル重合によって、例えば重合工程を実施できる。迅速でほぼ完全なモノマーの転換、重合熱の容易な除去、およびポリマーの手早い単離のために、水性エマルジョンまたは懸濁液内での重合が好ましいことが多い。乳化重合は典型的に、しばしば還元剤とAPFO(アンモニウムペルフルオロオクタノエート)などの非テロゲン性フッ素化界面活性剤の存在下で、例えば過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過マンガン酸カリウム、または有機過酸化物などのフリーラジカル重合開始系の存在下、水性媒体中でモノマーを重合することを伴う。
【0023】
水性乳化重合は、得られるエマルジョンを連続的に除去しながら最適圧力および温度条件下で、例えばモノマー、水、界面活性剤、緩衝剤、および触媒が撹拌される反応器内に連続的に供給される定常状態条件下で、連続的に実施できる。代案の技術は、撹拌される反応器内に成分を供給して、設定温度で一定時間反応させることによる、あるいは成分を反応器内に装填してモノマーを反応器内に供給し、所望量のポリマーが形成するまで定圧を保つことによるバッチ式またはセミバッチ式重合である。
【0024】
またペルフルオロスルフィナートおよび酸化剤の存在下でフリーラジカル重合工程を実施して、得られるフルオロポリマー組成物の加工性を改善できる。このような酸化剤は、スルフィナートをスルホニル部分に転換できる。生成したスルホニルラジカルはSO2を排除して、エチレン性不飽和モノマー重合を開始するフッ化ラジカルを形成すると考えられる。多数の有用な酸化剤は米国特許5,285,002号および米国特許5,639,837号で教示されるように既知である。このような有用な酸化剤の代表例は、ナトリウム、カリウム、およびアンモニウムの過硫酸塩、過リン酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、臭素酸塩、塩素酸塩、および次亜塩素酸塩である。その他の有用な酸化剤としては、(NH4)2Ce(NO3)6などのセリウムIV化合物が挙げられる。酸化剤の使用量は、用いられる特定の酸化剤およびスルフィナート次第で変化しても良い。典型的に等モル以下の量(スルフィナート量を基準にして)が使用される。
【0025】
この目的のために有用なペルフルオロスルフィナートとしては、米国特許5,285,002号に記載され、一般式、
R3 fSO2M1/x (7)
または
R2 f[SO2M1/x]j (8)
(式中、R3 fは例えば1〜20個の炭素原子、好ましくは4〜10個の炭素原子を有する一価のフルオロ脂肪族ラジカルを表し、R2 fは例えば1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子を有する多価、好ましくは二価のフルオロ脂肪族ラジカルを表し、Mは水素原子または原子価がx(1または2)であるカチオンを表し、jは1〜4、好ましくは1または2である。)で表されるものが挙げられる。
【0026】
スルフィナートに加えて、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸塩、次亜硫酸塩、チオ亜硫酸塩、亜リン酸塩、ホルムアルデヒドスルホキシル酸または次亜リン酸ナトリウムまたはカリウムなどのその他の還元剤が存在することもできる。また鉄塩、銅塩、銀塩などの活性化剤が存在しても良い。
【0027】
重合工程で用いられるフルオロ脂肪族スルフィナートの量を、例えば所望のポリマーの分子量次第で変えることができる。フルオロ脂肪族スルフィナートの量はモノマーの総量を基準にして、スルフィナート化合物の好ましくは0.001〜50モル%、最も好ましくは0.01〜10モル%である。
【0028】
末端基の性質と量は、フルオロエラストマー硬化の成功にとって重要でない。例えばポリマーはAPS/亜硫酸塩系によって生じたSO3 (-)末端基を含有でき、あるいはポリマーはAPS重合開始剤系によって生じたCOO(-)末端基を含有しても良く、あるいはフルオロエラストマーは、例えばフルオロスルフィナート重合開始剤系または有機過酸化物の使用によって生じるものような「中性」末端基を有することができる。末端基の数は、あらゆる種類の連鎖移動剤によって顕著に減少させることができる。加工の改善などを所望するならば、SO3 (-)などの極性の高い末端基の存在を最小化でき、COO(-)末端基の場合は、後処理(脱カルボキシル化)を通じて量を減少させることができる。
【0029】
硬化部位構成要素は、フルオロポリマーを硬化できる。硬化部位構成要素は、概して少なくとも1個のニトリル基含有硬化部位モノマーを含む。硬化部位構成要素は、部分的にまたは完全にフッ素化できる。有用なニトリル基含有硬化部位モノマーとしては、下に示すような、ニトリル含有フッ素化オレフィンおよびニトリル含有フッ素化ビニルエーテルが挙げられる。
CF2=CFO(CF2)LCN (9)
CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]q(CF2)yOCF(CF3)CN (10)
CF2=CF[OCF2CF(CF3)]rO(CF2)tCN (11)
(上の式に関して、L=2−12、q=0〜4、r=1〜2、y=1〜6、およびt=1〜10である。)このようなモノマーの代表例としては、ペルフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)、CF2=CFO(CF2)5CN、およびCF2=CFO(CF2)3OCF(CF3)CNが挙げられる。
【0030】
フルオロポリマー組成物は、式、R1C(OR2)=NH(式中、R1およびR2は独立して、置換されたまたは未置換のアルキル基(例えばC1〜C20アルキル基)、アリール基(例えばフェニルまたはナフチル基)、アラルキル基(例えばトリル基)、またはアルケニル基(例えばC1〜C20アルケニル基)である。)を有するイミダート触媒およびそれらの塩を使用して硬化される。適切な置換基の例としては、ハロゲン(例えば塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、シアノ、アルコキシ、およびカルボキシ基が挙げられる。さらに1つ以上の炭素原子が、酸素または窒素などのヘテロ原子で置換されても良い。有用な基の具体例としては、フルオロアルキル(例えばC1〜C20フルオロアルキル基)、ペルフルオロアルキル(例えばC1〜C20ペルフルオロアルキル基)、およびペルフルオロポリエーテル基(例えば米国特許5,266,650号に記載されるような)が挙げられる。好ましくはR1はペルフルオロアルキル基であり、R2はC1〜C10アルキル基である。
【0031】
有用なイミダート触媒の例は、C7F15C(OCH3)=NHである。これらのイミダートはその内容を本願明細書に引用した米国特許3,523,132号、ZH.OBS.KHIMI第36巻(5)862〜871ページ(1966)、およびJ.ORG.CHEM.第30巻3724ページ(1965)に記載されるように、例えばペルフルオロアルキルニトリルまたはペルフルオロアルキルジニトリルと、アルコールとを反応させて調製しても良い。市販品として入手可能なイミダートの例としては、(a)CH3O−C=NH−C4H8−C(OCH3)=NH(2HCL)(Aldrich Chemical Co.)、(b)n−C11H23−C(OCH3)=NH(HCl)(Maybridge)、および(c)CH3O−C=NH−C2H4−S−S−C2H4C(OCH3)=NH(2HCl)(Fluka/ICN/Sigma)が挙げられる。
【0032】
イミダートの一般式、R1C(OR2)=NHの中で、好ましいR2基としては、分枝していても良いC1〜C10アルキル、−CH2−Rf、−CH2CH2Rf(式中、Rfはペルフルオロまたは部分的にフッ化されたC1〜C10基である。)が挙げられる。好ましいR1基としては、C4〜C10アルキルが挙げられる。特に好ましいR1基としては、C8アルキル、CF3−O−(CF2)m−O−CF(CF3)−(式中、mは1〜4である。)、C3F7−(−O−CF(CF3)−CF2)n−O−CF(CF3)−(式中、nは0〜3である。)が挙げられる。
【0033】
例えばHN=C(OR2)−(CF2)m−R1C(OR2)=NH(式中、mは0〜20、好ましくは1〜9、より好ましくは1〜5である。)などの1つ以上のイミダート基を有する化合物も有用である。
【0034】
イミダートは、例えばHCl塩またはその他の無機酸の塩、またはカルボン酸またはスルホン酸などの有機酸の塩などのその塩の形態で使用できる。このような塩の一具体例としては、アニオンC7F15COO(-)が挙げられる。
【0035】
さらに、本発明のイミダート触媒と共にアルコールを使用できる。このようなアルコールは、好ましくはイミダートと同様に少なくとも70℃の沸点を有する。エタノールからオクタノールまでのアルコールが好ましい。使用されるアルコールの量は、イミダートの量に対して約0〜100重量%の範囲である。すなわち100重量%では、アルコールとイミダートの重量は等しい。
【0036】
フルオロポリマー全組成物中のイミダート単位のレベルは、硬化後、選択された材料に所望の物理特性を提供するのに十分な量である。このレベルは、100部のフルオポリマー(重量で)あたり約0.05〜10部(phr)のイミダート、より好ましくは0.1〜5phrのイミダートの間で変化することができる。
【0037】
フルオロポリマー組成物は、イミダート触媒と共に1つ以上の過酸化物硬化剤を使用して硬化できる。適切な過酸化物硬化剤は概して、硬化温度でフリーラジカルを生じるものである。それぞれ50℃を越える温度で分解するジアルキル過酸化物およびビス(過酸化ジアルキル)が特に好ましい。多くの場合、ペルオキシ酸素原子に付着した三級炭素原子を有するジ−第三ブチル過酸化物を使用することが好ましい。このタイプの最も有用な過酸化物は、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3および2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサンである。その他の過酸化物は、ジクミル過酸化物、ジベンゾイル過酸化物、第三ブチルペルベンゾエート、a,a’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)、およびジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネートなどの化合物からから選択できる。概して100部のフルオロポリマーあたり、約1〜3部の過酸化物が使用される。
【0038】
フルオロポリマー組成物は、硬化性フルオロポリマー調合物で一般に用いられるあらゆる補助剤を含むことができる。例えば過酸化物硬化剤系の一部としてフルオロポリマー組成物にブレンドされることが多い一材料は、硬化剤と協同して有用な硬化を提供できる多価不飽和化合物から成る架橋助剤(共硬化剤と称されることもある)である。これらの架橋助剤は概して100部のフルオロポリマーあたり0.1〜10部、好ましくは100部のフルオロポリマーあたり1〜5部の量で添加される。有用な架橋助剤の例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ(メチルアリルイソシアヌレート、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N’,N’−テトラアルキルテトラフタルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、およびトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートが挙げられる。特に有用なのはトリアリルイソシアヌレートである。
【0039】
過酸化物硬化剤と共に使用できるその他の架橋助剤としては、EPA0661304A1、EPA0784064A1、およびEPA0769521A1で開示されたビス−オレフィンが挙げられる。
【0040】
またフルオロポリマー組成物は、既知の硬化系のいずれかの望ましくない特色が容認できれば、ニトリル含有フルオロポリマーで有用なことが知られているその他のタイプの硬化剤を不可欠なイミダートに組み合わせて硬化できる。このような硬化剤の例としては、過酸化物、芳香族アミノフェノールをはじめとする芳香族アミノ化合物、ビス−アミノフェノール(例えば米国特許5,767,204号および米国特許5,700,879号に記載されるような)、ビス−アミドラゾン、ビス−アミドオキシム(例えば米国特許5,621,145号に記載されるような)、およびアンモニウム塩(例えば米国特許5,565,512号に記載されるような)が挙げられる。例えば米国特許4,281,092号および5,554,680号に記載されるように、ヒ素、アンチモンおよびスズの有機金属化合物も使用できる。特定の例としては、アリル−、プロパルギル−、トリフェニル−、アレニル−、およびテトラフェニルスズおよび水酸化トリフェニルスズが挙げられる。これらの追加的な硬化剤は、好ましくは全硬化剤量(イミダート触媒にその他の硬化剤(群)を加えたもの)が約0.05〜10phr、より好ましくは0.1〜5phrになるように添加される。
【0041】
1つ以上のオニオム塩をフルオロポリマー組成物に添加して、改善されたポリマー特性を得ることが有利かもしれない。適切なオニオム塩の例は、米国特許4,882,390号に記載されている。具体例としては、塩化トリフェニルベンジルホスホニウム、塩化トリブチルアルキルホスホニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、および塩化トリアリールスルホニウムが挙げられる。ホスホニウム化合物が好ましい.
【0042】
触媒、任意のイミダート(群)、および任意の硬化剤(群)の組み合わせは、概して全フルオロポリマー量の約0.01〜約10モル%(より好ましくは約0.1〜約5モル%)である。
【0043】
意図される供用状態について十分な安定性を有する限り、典型的にフルオロポリマー調合物中で用いられるカーボンブラック、安定剤、可塑剤、潤滑剤、充填剤、および加工助剤などの添加剤を、組成物中に組み込むことができる。特にペルフルオロポリエーテルの組み込みによって、低温度性能を増強できる。例えば米国特許5,268,405号を参照されたい。
【0044】
カーボンブラック充填剤も典型的に、組成物の弾性率、引張り強さ、伸び率、硬度、耐摩耗性、導電率、および加工性のバランスを取るための手段としてフルオロポリマー中で用いられる。適切な例としては、N−991、N−990、N−908、およびN−907と称されるMTブラック(中位度サーマルブラック)、FEFN−550、および大粒度ファーネスブラックブラックが挙げられる。使用する場合、1〜70phrの大粒度ブラックで概して十分である。
【0045】
またフルオロポリマー充填剤が組成物中に存在しても良い。概して100部のベースフルオロポリマー樹脂あたり充填剤1〜50部の1つ以上のフルオロポリマー充填剤が使用される。フルオロポリマー充填剤は、フルオロエラストマー組成物の製造および硬化に使用される最高温度で固体として細かく分割して容易に分散できる。固体とは、充填剤材料が部分的に結晶性であれば、フルオロエラストマー(群)の加工温度(群)を越える結晶融解温度を有することを意味する。フルオロポリマー充填剤を組み込む好ましい方法は、ラテックスをブレンドすることである。この手順および種々のフルオロポリマー充填剤の種類は、2000年2月1日に出願されたUSSN 09/495,600に記載されている。
【0046】
このような充填剤は、典型的に100〜300℃の範囲の融点を有する。有用な充填剤の例としては、低分子量ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロプロピルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン共重合体(FEP)が挙げられる。
【0047】
1つ以上の酸アクセプターも調合物中に添加できるが、抽出性金属化合物の存在が望ましくない(半導体用途などの)場合、無機酸アクセプターの使用を最小化し、好ましくは完全に避けるべきである。一般に使用される酸アクセプターとしては、例えば酸化亜鉛、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらの化合物は概してフルオロポリマー調合物中で使用され、フルオロポリマーが機能しなくてはならない高温で生じるかもしれない、あらゆるHFまたはその他の酸に結合する。
【0048】
本発明の硬化性フルオロポリマー組成物は、過酸化物−硬化性フルオロポリマー組成物などのその他の硬化性フルオロポリマー組成物と組み合わされても良い。これらの追加的硬化性フルオロポリマー組成物は、コモノマーとして典型的に少量の硬化部位モノマーを用いる。適切な硬化部位モノマーは、硬化剤(例えば過酸化物)および好ましくは架橋助剤と組み合わせると、硬化組成物を提供するものである。好ましくはこれらの硬化部位モノマーは、少なくとも1個のハロゲン基(例えばブロモまたはヨード基)を含む。
【0049】
硬化性フルオロポリマー組成物は、従来のゴム加工装置内で、フルオロポリマー、イミダート触媒、選択された添加剤または添加剤群、追加的硬化剤(使用する場合は)、オニオム塩(使用する場合は)、およびその他の補助剤(使用する場合は)を混合して調製できる。所望の量の配合成分およびその他の従来の補助剤または成分を、未加硫フルオロカーボンガム生地に添加でき、密閉式ミキサー(例えばバンバリーミキサー)、ロールミル、またはあらゆるその他の都合の良い混合装置などの通常のゴム混合装置のいずれかを用いて、完全に混合または配合できる。混合工程中の混合物の温度は、典型的に約120℃を越えて上昇してはならない。効果的な硬化のために、混合中、構成要素と補助剤をガム全体に均一に分配することが好ましい。
【0050】
次に混合物を例えば押出し(例えばホースまたはホースライニングの形状に)または成型(例えばOリングシールの形状に)によって加工し、成形する。次に造形品を加熱し、ガム組成物を硬化して硬化物品を形成できる。
【0051】
配合された混合物のプレス成形(すなわち,プレス加硫)は、通常約95℃〜約230℃、好ましくは約150℃〜約205℃の温度で、1分〜15時間、典型的には5分〜30分の期間にわたり実施される。通常、鋳型内で約700kPa〜約20,600kPaの圧力が、配合された混合物にかけられる。鋳型を最初、剥離剤でコーティングしプリベークしても良い。次に成型した加硫物を、通常約150℃〜約300℃、典型的に約230℃の温度で約2時間〜50時間以上の期間(概して製品の断面厚と共に増大する)にわたって通常、後硬化する(例えばオーブン硬化)。厚い部分では、後硬化中の温度は、通常、範囲の下限から所望の最高温度まで徐々に上昇される。使用される最高温度は好ましくは約300℃であり、この値に約4時間以上保たれる。
【0052】
フルオロポリマー組成物は、Oリング、ガスケット、チュービング、およびシールなどの物品の製造に有用である。このような物品は、フルオロポリマー組成物と種々の添加剤との配合した調合物を加圧下で成型し、部品を硬化して次にそれを後硬化サイクルにかけて製造される。無機酸アクセプターなしに配合された硬化性組成物は、半導体装置製造のためのシールおよびガスケット、そして高温自動車用シールなどの用途で特に有用である。
【0053】
以下の実施例によって本発明をさらに説明する。
【0054】
実施例
試験法
以下の実施例において、示される結果は以下の試験法を使用して得られた。
【0055】
硬化レオロジー:ASTM D 5289−93aに従って、177℃、予熱なし、経過時間30分、およびアーク0.5度で、Monsanto Moving Die Rheometer(MDR)モデル2000を使用して、未硬化の配合されたサンプルについて硬化レオロジー試験を実施した。平坦域または最高トルク(MH)が得られない場合は、特定時間内に得られた最低トルク(ML)および最高トルクの双方を測定した。トルクがML(「ts2」)を越えて2単位増大する所用時間、トルクがML+0.5(MH−ML)(「t’50」)に等しい値に達する所要時間、およびトルクがML+0.9(MH−ML)(「t’90」)に達する所要時間も測定した。
【0056】
プレス硬化:特に断りのない限り、物理特性判定のために177℃で30分間、約6.9メガパスカル(MPa)で加圧し、150×150×2.0mmのシートを調製した。
【0057】
後硬化:以下の6段階の条件を使用して、プレス硬化したサンプルシートを窒素下で熱に曝した。25〜200℃で6時間以上、200℃で16時間、200〜250℃で2時間以上、250℃で8時間、250〜300℃で2時間以上、および300℃で16時間。試験前にサンプルを周囲温度に戻した。
【0058】
物理的強度:ASTM D 412−92を使用して、ASTM Die Dでプレス硬化または後硬化シートから切断されたサンプルについて、破断点引張り強さ、破断点伸び率、および100%伸び率における弾性率を求めた。結果をpsiで記録し、報告されたMPa値に変換した。
【0059】
熱老化:プレス硬化、および後硬化サンプルシートを空気中で70時間290℃の熱に曝し、次に試験前に周囲温度に戻した。
【0060】
硬度:ASTM D 2240−85の方法Aを使用して、タイプA−2ショアージュロメーターでサンプルを測定した。単位をショアーAスケール上のポイントで報告した。
【0061】
圧縮永久ひずみ:ASTM 395−89の方法Bを使用してOリングサンプルを測定した。Oリングは0.139インチ(3.5mm)の断面厚を有した。結果を永久ひずみの百分率で報告した。
【0062】
実施例1
APSで開始される水性乳化重合で、62.1モル%のテトラフルオロエチレン、36.8モル%のペルフルオロメチルビニルエーテル、および1.1モル%のニトリル基含有硬化部位モノマーCF2=CFO(CF2)5CNを含有するフルオロエラストマーを調製した。得られたポリマー(100g)を15gのFEFN550カーボンブラック、2.5gのC7F15C(OCH3)=NH、および0.75gの塩化トリフェニルベンジルホスホニウムと配合した。
【0063】
未硬化の配合されたサンプルについて硬化レオロジー試験を実施した。配合された混合物のシートを硬化して試験した。結果を下の表に示す。
【0064】
実施例2〜3
FEFN550カーボンブラックを除外し、実施例3の場合は塩化トリフェニルベンジルホスホニウムを除外したこと以外は、実施例1の手順に従った。
【0065】
サンプルを実施例1と同様に試験し、結果を下の表に示す。実施例3に従って調製したサンプルは、熱老化に続いて光学的に透明であった。
【0066】
実施例4〜5
エラストマーガムが実施例2および3で使用したポリマーのブレンドであり、PFAフルオロポリマー充填剤の比率が80部のガム:20部の充填剤であったこと以外は、実施例2および3の手順に従った。触媒組成物は、実施例4では2.0gのC7F15C(OCH3)=NHおよび0.8gの塩化トリフェニルベンジルホスホニウムから成った。実施例5では、塩化トリフェニルベンジルホスホニウムを除外した。
【0067】
実施例1と同様にサンプルを試験し、結果を下の表に示す。実施例5に従って調製したサンプルは、熱老化に続いて褐色から白色に変化した。
【0068】
実施例6
APS(過硫酸アンモニウム)によって開始される水性乳化重合で、フルオロエラストマーを調製した。フルオロポリマーは、62.0モル%のテトラフルオロエチレン、36.8モル%のペルフルオロメチルビニルエーテル、および1.2モル%のニトリル基含有硬化部位モノマー、CF2=CFO(CF2)5CNを含有した。得られたポリマー(100g)を15gのFEFN550カーボンブラック、1.25gのC7F15C(=NH)OC4H9、1.5gの塩化トリフェニルベンジルホスホニウム、0.8gのVarox DBPH50 2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、および1.5gのTAIC(トリアリルイソシアヌレート)と配合した。
【0069】
プレス加硫が30分でなく10分であったこと以外は、サンプルを上記のように試験した。結果を下の表に示す。
【0070】
比較例1(CE−1)
硬化触媒として、ペルフルオロイミダートと塩化トリフェニルベンジルホスホニウムの混合物でなく、2.0gのテトラフェニルスズを使用したこと以外は、実施例1の手順を繰り返した。サンプルを試験し、結果を下の表に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
表3で「nm」とはサンプルが測定されなかったことを示す。
【0075】
【表4】
【0076】
結果は、イミダート硬化触媒を使用して調製された組成物が、有機スズ硬化触媒を使用して調製された組成物に比べて、改善された特性を示すことを実証する。最も注目すべきは、イミダート硬化した触媒が実質的により良い(より低い)圧縮永久ひずみ値を示すことである。
【0077】
本発明の多数の実施様態が記載されている。それにも関わらず、本発明の精神と範囲を逸脱することなく種々の変更がなされてよいことが理解される。
Claims (4)
- (a)ニトリル基を含む硬化部位モノマーから誘導される共重合単位を含むフルオロポリマーであって、任意にペルフルオロアルキルビニルエーテルとペルフルオロアルコキシビニルエーテルとから選択されるペルフルオロビニルエーテルから誘導される共重合単位を含み、任意にペルフルオロオレフィン、オレフィン、フッ化ビニリデン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーから誘導される共重合単位を含むフルオロポリマーと、
(b)式、R1C(OR2)=NH(式中、R1およびR2は独立して、置換されたまたは未置換のアルキル、アリール、アラルキル、またはアルケニル基である。)を有する化合物、またはそれらの塩を含む触媒組成物と、
(c)任意にポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン‐ペルフルオロプロピルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロペン共重合体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるフルオロポリマー充填剤と、
(d)任意に追加的硬化剤、および任意に架橋助剤と
を含む組成物であって、
100重量部のフルオロポリマーあたり0.05〜10重量部の量の触媒組成物を含む、組成物。 - (a)(i)ペルフルオロビニルエーテルと、(ii)ニトリル基を含む硬化部位モノマーと、(iii)ペルフルオロオレフィン、オレフィン、フッ化ビニリデン、およびそれらの組み合わせから成る群より選択されるモノマーとから誘導される共重合単位を含むフルオロエラストマーガムと、
(b)式、R1C(OR2)=NH(式中、R1はペルフルオロアルキル基であり、R2は置換されたまたは未置換のアルキル、アリール、アラルキル、またはアルケニル基である。)を有する化合物、またはそれらの塩を含む触媒組成物と、
(c)任意にオニウム塩と、
(d)任意にアルコールと
を含む組成物であって、
100重量部のフルオロエラストマーガムあたり0.05〜10重量部の量の触媒組成物を含む、組成物。 - 式、R1C(OR2)=NH(式中、R1およびR2は独立して、置換されたまたは未置換のアルキル、アリール、アラルキル、またはアルケニル基である。)を有する化合物またはそれらの塩を含む触媒組成物の存在下で、フルオロポリマーを硬化する工程を含む組成物を硬化する方法であって、
前記フルオロポリマーが、ニトリル基を含む硬化部位モノマーから誘導される共重合単位と、任意にペルフルオロビニルエーテルから誘導される共重合単位と、任意にペルフルオロオレフィン、オレフィン、フッ化ビニリデンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーから誘導される共重合単位とを含む方法。 - 請求項3に記載の方法に従って調製される光学的に透明な硬化物品。
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