JP4412263B2 - 車両の衝突回避装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の衝突回避装置に関するものである。
従来より、車両の進行方向に障害物があることを検出した場合に、自動的にブレーキ装置を作動させることで、車両が障害物に衝突した場合に生じる衝撃を小さくすることを狙った技術が存在し、既に実用化が進んでいる。
また、以下の特許文献1には、衝突直前よりも前の段階で、ブレーキ装置を警告的に作動させることにより、車両が衝突するおそれがあることを車両の乗員に前もって知らせる技術が記載されている。
特開昭54−40432号公報
しかしながら、この特許文献1の技術によれば、ブレーキ装置を自動的に作動させるトリガの設定が難しい。つまり、ブレーキ装置が作動し易く設定すると、ドライバが意図しないブレーキングにより減速される状況が頻繁に発生するため、乗員の違和感を招き、また、減速が繰り返されることにより交通の流れを妨げるため好ましくない。
かといって、ブレーキ装置が作動しにくく設定すると、乗員への警告が遅れたり、十分な制動力を発生させる前に車両が障害物に衝突する事態を招いたりするおそれがあるため、やはり好ましくない。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、車両が障害物に衝突する直前よりも前の段階ではドライブフィールの悪化を回避しつつ、車両が障害物に衝突する直前には車両全体に制動力を素早く作用させることで、車両の安全性を高めることができる、車両の衝突回避装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両の衝突回避装置(請求項1)は、車両の駆動力を発生させる駆動源と、該車両の車輪を制動する制動装置と、該車両の進行方向にある障害物を検出する障害物検出手段と、該障害物検出手段により検出された該障害物に衝突する前から所定の制動力で該制動装置を作動させる制動装置制御手段と、該制動装置制御手段が該制動装置によって生じる該所定の制動力を相殺する駆動力を発生するように該駆動源を制御し、且つ、該障害物に衝突する直前に該駆動力を低減させる駆動源制御手段とをそなえることを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明の車両の衝突回避装置は、請求項1記載の内容において、該制動制御手段は、該障害物検出手段により検出された該障害物に衝突する直前には第1制動力で該制動装置を作動させるとともに、該障害物に衝突する直前よりも前の時点では第1制動力よりも小さな第2制動力で該制動装置を作動させることを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の車両の衝突回避装置は、請求項1または2記載の内容において、該駆動源によって発生した駆動力を断接可能に該車輪に伝達する駆動力伝達機構と、該障害物検出手段により検出された該障害物に衝突する直前に該駆動源から該車輪への駆動力の伝達を切断するように該駆動力伝達機構を制御する駆動力伝達制御手段とをそなえることを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の車両の衝突回避装置は、請求項1〜3いずれか1項記載の内容において、該駆動源は、ガソリンエンジンであり、該駆動源制御手段は、該ガソリンエンジンのスロットルバルブ開度を制御することを特徴としている。
本発明の車両の衝突回避装置によれば、制動装置により所定の制動力を予め発生させながら、且つ、この所定の制動力を相殺する駆動力を走行駆動源に発生させ、車両が障害物に衝突する直前よりも前の段階ではドライバの意図しない減速を防ぐことで、ドライブフィールの悪化を回避しつつ、制動装置を作動させることで車両の安全性を高めることができる。また、障害物に衝突する直前には駆動力を低減することで、既に作動している制動装置により発生している制動力を車両全体に制動力を素早く作用させることが可能となり、車両の安全性を高めることができる。(請求項1)
また、障害物への衝突直前よりも前の段階では、制動装置により第2制動力を予め発生させながら、この第2制動力を相殺する駆動力を走行駆動源に発生させることで、制動装置への制動負荷および駆動源への駆動負荷が過大となる状況を防ぎつつ、障害物への衝突直前に制動装置が第1制動力を発生させるための時間を極めて短くすることができる。(請求項2)
また、車両が障害物に衝突する直前に車両の駆動力を素早くゼロにすることで、制動装置により生じた制動力が車両全体に作用する時間を極力短くすることができる。(請求項3)
また、ガソリンエンジンのスロットルバルブ開度を制御することで、駆動力をきめ細やかに且つ直接的に制御することができる。(請求項4)
以下、図面により、本発明の一実施形態に係る車両の衝突回避装置について説明すると、図1はその全体構成を示す模式的なブロック構成図、図2はその衝突の判定に用いられる衝突判定マップを示す模式図、図3はエンジン制御の内容を示す模式的な演算ブロック図、図4はその作用を示す模式的なフローチャート、図5はその作用を示す模式的なタイムチャートである。
図1に示すように、車両10の前方(図1中左方)側には、ガソリンエンジン(駆動源;以下、単にエンジンという)11およびトランスミッション(駆動力伝達機構)12が備えられ、このエンジン11によって生じたトルクがトランスミッション12およびドライブシャフト14L,14Rを介して左右前輪13L,13Rに対してそれぞれ伝達されるようになっている。また、このトランスミッション12には図示しないディファレンシャルギアボックスが内蔵され、車両10が旋回した場合に生じる左右前輪13L,13Rでの回転速度差が吸収されるようになっている。
また、エンジン11には、このエンジン11の回転数を検出する回転数センサ21と、このエンジン11の電子制御式スロットルバルブ(図示略)の開度θTHを検出するスロットルバルブ開度センサ22とが設けられている。
また、前輪13L,13Rおよび後輪15L,15Rには、それぞれ、ブレーキ装置(制動装置)16L,16R,17L,17Rが設けられるとともに、これらのブレーキ装置16L,16R,17L,17Rによる各車輪13L,13R,15L,15Rに対する制動力をそれぞれ独立して調整するブレーキ・アクチュエータ(油圧制動装置)19が設けられている。なお、このブレーキ・アクチュエータ19は後述するECU30からの指令を受けて作動するようになっている。
また、各車輪13L,13R,15L,15Rのそれぞれには、車輪速度センサ25L,25R,26L,26Rが設けられ、各車輪13L,13R,15L,15Rの回転速度をそれぞれ検出できるようになっている。
また、この車両10の最前部には、ミリ波レーダ(障害物検出手段)25が設けられ、車両10の前方に位置する障害物との距離Dおよび相対速度VRを検出することができるようになっている。
また、この車両10には、ECU(電子制御ユニット;Electronic Controlled Unit)30が備えられており、このECU30は、いずれも図示しない、インターフェースユニット,CPU,メモリなど種々の機器が内蔵されて構成されている。そして、このECU30のメモリ内には、ソフトウェアプログラムとして、車速検出部31,衝突判定部(衝突判定手段)32,ブレーキ制御部(制動装置制御手段)33,エンジン制御部(駆動源制御手段)34が内蔵されている。
これらのうち、車速検出部31は、車輪速度センサ25L,25R,26L,26Rによって検出された各車輪13L,13R,15L,15Rの回転速度を読込み、これらの回転速度に基づいて、車両10の車速VSを算出するものである。
衝突判定部32は、車速検出部31によって得られた車速VS、および、ミリ波レーダ25によって検出された障害物までの距離Dを、ECU30のメモリ内に保存された衝突判定マップ35に対して適用することで、車両10が障害物に衝突する確率を判定するようになっている。
ここで、この衝突判定マップ35の一例を図2に挙げて説明する。なお、この図2に示す衝突判定マップ35は、車両10が前進している際に、この車両10の前方を走行する他車両(先行車両)が障害物としてミリ波レーダ25により検出され、且つ、この先行車両の車速VS-Oが自車両10の車速VSと略同じである(即ち、自車両10と先行車両との相対速度VRが実質的にゼロである)場合に用いられるものである。
そして、この衝突判定マップ35は、非制動領域35A,制動準備領域35B,制動領域35Cに区分されている。そして、これらの領域35A,35B,35Cのうち、どの領域に、距離Dおよび車速VSで規定される制御点Pが位置するかによって、車両10が障害物に衝突する確率を判定するようになっている。
つまり、非作動領域35Aに制御点(図中符号P1参照)が位置する場合、衝突判定部32は、車両10がこのままの状態で走行を続けた場合であっても、前方の他車両に対して衝突する確率は極めて低いと判定するようになっている。なお、当該判定を、「低−衝突確率判定」という。
また、制動準備領域35Bに制御点(図中符号P2参照)が位置する場合、衝突判定部32は、車両10がこのままの状態で走行を続けると、前方の他車両に衝突する確率が高いものの、ドライバによるブレーキ操作やステアリング操作によって衝突を回避できると判定するようになっている。また、この判定について、衝突時を基準とした時間について着目すれば、車両10が衝突直前よりも少し前の段階にあるか否かを判定しているものといえる。なお、当該判定を、「中−衝突確率判定」という。
また、制動領域35Cに制御点(図中符号P3参照)が位置する場合、衝突判定部32は、車両10がこのままの状態で走行を続けると、前方の他車両に対して衝突する確率が高く、また、この場合、ドライバによるブレーキ操作やステアリング操作では衝突を回避することが困難であると判定するようになっている。また、この判定について、衝突時を基準とした時間について着目すれば、車両10が衝突直前の段階にあるか否かを判定しているものといえる。なお、当該判定を、「高−衝突確率判定」という。
ブレーキ制御部33は、ミリ波レーダ25により、車両10の進行方向に障害物があることが検出され、且つ、衝突判定部32により、中−衝突確率判定または高−衝突確率判定がなされた場合に、障害物に衝突する前から、所定の制動力でブレーキ装置16L,16R,17L,17Rを作動させるものである。
また、このブレーキ制御装置33は、ミリ波レーダ25により検出された障害物に衝突する直前(例えば、衝突の約0.6秒前)、即ち、衝突判定部32により高−衝突確率判定がなされた場合には、第1制動力F1で、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rを作動させるようになっている。
他方、障害物に衝突する直前よりも前の時点、即ち、衝突判定部32により中−衝突確率判定がなされた場合、ブレーキ制御装置33は、第1制動力F1よりも小さな第2制動力F2でブレーキ装置16L,16R,17L,17Rを作動させるようになっている。
エンジン制御部34は、衝突判定部32により中−衝突確率判定がなされた場合に、ブレーキ制御装置33の指示を受けて作動したブレーキ装置16L,16R,17L,17Rによって発生する第2制動力F2を相殺する出力トルク(駆動力)である相殺トルクT2を発生するようにエンジン11のスロットルバルブ開度θTHを増大させるものである。
また、このエンジン制御部34は、障害物に衝突する直前、即ち、衝突判定部32により高−衝突確率判定がなされた場合に、エンジン11のスロットルバルブ開度θTHを最小とし、第2制動力F2を相殺する相殺トルクT2をゼロにするだけではなく、エンジン11によって生じる出力トルクそのものを実質的にゼロにするようになっている。
ここで、エンジン制御部34による、相殺トルクT2を得るための手法について、図3の演算ブロック図を用いて説明する。
エンジン制御部34は、スロットルバルブ開度センサ22から現在のスロットルバルブ開度θTH1を読込むとともに、エンジン回転数センサ21から現在のエンジン回転数Ne1を読込み、さらに、ブレーキ制御部33から第2制動力F2を読込む。
そして、エンジン制御部34は、得られたスロットルバルブ開度θTH1,エンジン回転数Ne1,第2制動力F2を、エンジン回転数に応じて規定されたエンジントルクマップに対して適用することで、第2制動力F2を相殺するために必要な出力トルクである相殺トルクT2を得るために必要なスロットルバルブ開度θTHの増分Δθを算出するようになっているのである。なお、このエンジン回転数Ne−出力トルクTのマップは、ECU30の図示しないメモリ内に予め保存されている。
本発明の一実施形態に係る車両の衝突回避装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
図4のフローチャートに示すように、まず、ステップS11において、ミリ波レーダ25が車両10の前方に障害物を検出すると(ステップS11のYesルート)、衝突判定部32は、この障害物に車両10が衝突する確率が低いか否か判定する(ステップS12)。ここで、衝突判定部32が、車両10が障害物に衝突する確率が低いと判定した場合、即ち、低−衝突確率判定がなされた場合(ステップS12のYesルート)、ブレーキ制御部33はブレーキ装置16L,16R,17L,17Rを特に制御することなく(ステップS13)、また、エンジン制御部34も、エンジン11のスロットルバルブを特に制御することなく(ステップS14)、そのままリターンする。
なお、上述のステップS11において、ミリ波レーダ25が障害物を検出しなかった場合においても(ステップS11のNoルート)、ステップS13およびS14に進み、ブレーキ制御部33およびエンジン制御部34は、特に作動することなく、そのままリターンする
一方、ステップS12において、衝突判定部32が、車両10が障害物に衝突する確率が低くないと判定した場合(ステップS12のNoルート)、ステップS15において、今度は、車両10が障害物に衝突する確率が中程度であるか否か、換言すれば、車両10が障害物に衝突する直前よりも少し前の段階であるか否かの判定である中−衝突確率判定がなされたか否かが判定される。
ここで、中−衝突確率判定がなされた場合には(ステップS15のYesルート)、ブレーキ制御部33がブレーキ・アクチュエータ19に対して、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rが第2制動力F2を生じさせるために必要なブレーキ油圧PBを発生させるように指示する(ステップS16)。
同時に、エンジン制御部34は、第2制動力F2を相殺するトルク(相殺トルク)を出力するようにエンジン11のスロットルバルブ開度θTHを増大させ(ステップS17)、リターンして制御ループ毎にステップS11から再び一連の制御が実行される。
また、ステップS15において、衝突判定部32が中−衝突確率判定をしなかった場合には(ステップS15のNoルート)、ステップS18において、車両10が障害物に衝突する確率が高い旨の判定、換言すれば、車両10が障害物に衝突する直前の段階である旨の判定である高−衝突確率判定がなされる。
この場合、ブレーキ制御部33は、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rが第1制動力F1を生じさせるために必要なブレーキ油圧PBを発生させるようにブレーキ・アクチュエータ19を制御し(ステップS18)、同時に、エンジン制御部34は、エンジントルクTをゼロにすべく、スロットルバルブ開度θHTを全閉にした後(ステップS19)、リターンして制御ループ毎にステップS11から再び一連の制御が実行される。
ここで、図4のフローチャートを用いて上述した制御の内容について、今度は、図5(A)〜(D)に示すタイムチャートを用いて説明する。
図5(A)に示すように、時点t0から時点t1までの間において、衝突判定部32により低−衝突確率判定がなされている。
このとき、ブレーキ制御部33は、ブレーキ・アクチュエータ19に対して特別な制御を与えないため、図5(B)に示すように、ブレーキ油圧PBはゼロのままである。
また、時点t0から時点t1までの間においては、ブレーキ制御部33がブレーキ・アクチュエータ19に対して特別な制御を与えていないため、車両10には何ら制動力は作用せず、このため、図5(C)に示すように、エンジン制御部34は、特にトルクを付加せず、相殺トルク量はゼロで維持されている。
したがって、時点t0から時点t1においては、図5(D)に示すように、車速VSの変動は発生しない。
一方、時点t1からt2においては、図5(A)に示すように、衝突判定部32により、中−衝突確率判定がなされている。
このとき、ブレーキ制御部33は、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rが第2制動力F2を生ずるための油圧を発生させるようにブレーキ・アクチュエータ19を制御するため、図5(B)に示すように、ブレーキ油圧PBが第2油圧PB2に上昇する。
この時、エンジン制御部34は、図5(C)に示すように、スロットルバルブ開度θTHを増大させ、エンジン11が、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rにより生じた第2制動力を相殺するトルクT2を生ずるように制御する。
つまり、この時点t1から時点t2の間においては、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rが作動し、車両10には第2制動力F2が作用しているものの、この第2制動力F2を相殺するトルクT2をエンジン11が発生させているので、車両10の車速VSの変動は生じない。
他方、時点t2以降は、図5(A)に示すように、衝突判定部32により、高−衝突確率判定がなされている。
この場合、図5(B)に示すように、ブレーキ制御部33は、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rが第1制動力F1(但し、F1>F2)を発生させるための油圧を発生させるようにブレーキ・アクチュエータ19を制御し、この結果、ブレーキ油圧PBが第1油圧PB1(但し、PB1>PB2)となる。
この時、エンジン制御部34は、図5(C)に示すように、スロットルバルブ開度θTHを全閉とし、エンジン11の出力トルクを最小とする。
つまり、時点t2以降においては、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rに対するブレーキ油圧PBである第1油圧PB1に素早く達成させるべく、高−衝突確率判定がなされるのに先立って、ブレーキ油圧PBを第2油圧PB2まで予め上昇させておくことで、車両10に対して第1制動力F1を素早く作用させ、車両10を減速させている。
なお、図5(B)中、破線で示すのは、ブレーキ制御部33が、時点t2において、ブレーキ油圧PBがゼロであるブレーキ・アクチュエータ19に対して第1油圧PB1とするように指示したと仮定した場合における、ブレーキ油圧PBの立ち上がりを示すものであるが、このような制御を行なった場合には、本実施形態におけるブレーキ油圧の立ち上がりに比べて遅れが生じてしまっていることがわかる。
そして、図5(D)において破線で示すのは、ブレーキ制御部33が時点t2においてブレーキ油圧PBがゼロであるブレーキ・アクチュエータ19に対して第1油圧PB1とするように指示したと仮定した場合における車速VSの減少を示すものであるが、このような制御を行なった場合には、車速VSの減速が、本実施形態における減速(実線参照)よりも遅れていることがわかる。
これに対して、本実施形態に係る本発明においては、事前にブレーキ油圧PBを第2油圧PB2まで高めておいた後、車両10が衝突する確率が高くなった時点t2で、第1油圧PB1にまでブレーキ油圧PBを上昇させるので、即座にブレーキ油圧PBを目標としている油圧である第1油圧PB1にまで上昇させることができるのである。
そして、車両10が障害物に衝突する直前よりも前の段階でブレーキ油圧PBを第2油圧PB2で保つ場合、従来であれば、車両10に対して第2制動力F2が作用することとなり、車両10の乗員に違和感を与えたり、交通の流れを妨げたりするおそれがあるが、本実施形態においては、この第2制動力F2を相殺する相殺トルクT2がエンジン11から出力されているので、乗員のフィーリングを良好に保ちながら、交通へ影響を与えることなく、ブレーキ油圧PBを高めることができるのである。
このように、本発明の一実施形態に係る車両の衝突回避装置によれば、車両が障害物に衝突する直前よりも前の段階では、ブレーキ・アクチュエータ19およびブレーキ装置16L,16R,17L,17Rにより第2制動力F2を予め発生させながら、且つ、この第2制動力F2を相殺する相殺トルクT2をエンジン11に発生させることで、ドライバの意図しない減速を防ぎ、ドライブフィールの悪化を回避しつつ、車両10の安全性を高めることができる。
また、障害物に衝突する直前にはエンジン11の出力トルクを低減することで、車両10全体に制動力を素早く作用させることができ、車両10の更なる安全性を確保することができる。
また、障害物への衝突直前よりも前の段階では、ブレーキ・アクチュエータ19およびブレーキ装置16L,16R,17L,17Rにより、第1制動力F1よりも小さな制動力である第2制動力F2を予め発生させながら、この第2制動力F2を相殺する駆動力である相殺トルクT2をエンジン11に発生させることで、特にブレーキ装置16L,16R,17L,17Rの磨耗部品に対する負担が過大となる事態を防ぎながら、相殺トルクT2が過大となることを防ぐことでエンジン11に対する負荷(駆動負荷)が過大となる状況を防ぎつつ、障害物への衝突直前にブレーキ・アクチュエータ19およびブレーキ装置16L,16R,17L,17Rが第1制動力F1を発生させるために要する時間を極めて短くすることができる。
また、車両10が障害物に衝突する直前にエンジン11の出力トルクを素早くゼロにすることで、ブレーキ・アクチュエータ19およびブレーキ装置16L,16R,17L,17Rによる制動力が車両全体に作用する時間を極力短くすることができる。
また、ガソリンエンジン11のスロットルバルブ開度θTHを制御することで、エンジン11の出力トルクをきめ細やかに且つ直接的に制御することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態においては、エンジン11がガソリンエンジンである場合について説明したが、ディーゼルエンジンなど、種々のエンジンを用いることができる。また、ディーゼルエンジンを用いた場合には、スロットルバルブ開度θTHの制御に換えて、燃料噴射量を制御することで、トルク制御を行なうことができる。
また、上述の実施形態においては、車両10の駆動力を発生させる駆動源として、エンジン11が用いられる場合を例にとって説明したが、このエンジン11に換えて電気モータを駆動源として用いてもよいし、エンジン11と電気モータとを組み合わせて駆動源として用いてもよい。
また、上述の実施形態においては、ミリ波レーダ25により車両10の進行方向にある障害物を検出する場合について説明したが、このミリ波レーダ25に換えて、レーザレーダを用いるようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては、ミリ波レーダ25が車両10の前方に設けられ、車両10の前方にある障害物を検出する場合について説明したが、このような実施形態に限定するものではない。例えば、ミリ波レーダ25を車両10の後方にも設け、車両10が後退する場合には、車両10の後方に設けられたミリ波レーダ25を用いて障害物を検出するようにしてもよい。
また、上述の実施形態において、エンジン制御部34は、衝突判定部32により中−衝突確率判定がなされた場合に、第2制動力F2を相殺する駆動力T2を発生するようにエンジン11のスロットルバルブ開度θTHを増大させ、その後、障害物に衝突する直前、即ち、衝突判定部32により高−衝突確率判定がなされた場合に、エンジン11のスロットルバルブ開度θTHを最小とし、第2制動力F2を相殺する駆動力T2をゼロにするだけではなく、エンジン11によって生じるトルクTを最小にする場合について説明したが、このような構成に限定するものではない。例えば、ミリ波レーダ25により検出された障害物に衝突する直前、即ち、衝突判定部32により高−衝突確率判定がなされた場合に、エンジン11から車輪13L,13Rへ伝達される駆動力を切断するようにトランスミッション12を制御する制御プログラムである駆動力伝達制御部(駆動力伝達制御手段)をECU30内に設けるようにしてもよい。
これにより、車両10が障害物に衝突する直前に、車両10の駆動力を素早くゼロにすることが可能となり、ブレーキ装置16L,16R,17L,17によって生じる制動力が、車両10全体に作用する時間を極力短くすることができる。
本発明の一実施形態に係る車両の衝突回避装置の全体構成を示す模式的なブロック構成図である。 本発明の一実施形態に係る車両の衝突回避装置の衝突判定マップを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る車両の衝突回避装置におけるエンジン制御部によるスロットルバルブ開度の算出を示す演算ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る車両の衝突回避装置による制御内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る車両の衝突回避装置による制御内容を示すタイムチャートである。
符号の説明
10 車両
11 ガソリンエンジン(駆動源)
12 トランスミッション(駆動力伝達機構)
13L,13R,15L,15R 車輪
19 ブレーキ・アクチュエータ(制動装置)
16L,16R,26L,26R ブレーキ装置(制動装置)
25 ミリ波レーダ(障害物検出手段)
33 ブレーキ制御部(制動装置制御手段)
34 エンジン制御部(駆動源制御手段)
1 第1制動力
2 第2制動力

Claims (4)

  1. 車両の駆動力を発生させる駆動源と、
    該車両の車輪を制動する制動装置と、
    該車両の進行方向にある障害物を検出する障害物検出手段と、
    該障害物検出手段により検出された該障害物に衝突する前から所定の制動力で該制動装置を作動させる制動装置制御手段と、
    該制動装置制御手段が該制動装置によって生じる該所定の制動力を相殺する駆動力を発生するように該駆動源を制御し、且つ、該障害物に衝突する直前に該駆動力を低減させる駆動源制御手段とをそなえる
    ことを特徴とする、車両の衝突回避装置。
  2. 該制動制御手段は、
    該障害物検出手段により検出された該障害物に衝突する直前には第1制動力で該制動装置を作動させるとともに、
    該障害物に衝突する直前よりも前の時点では第1制動力よりも小さな第2制動力で該制動装置を作動させる
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両の衝突回避装置。
  3. 該駆動源によって発生した駆動力を断接可能に該車輪に伝達する駆動力伝達機構と、
    該障害物検出手段により検出された該障害物に衝突する直前に該駆動源から該車輪への駆動力の伝達を切断するように該駆動力伝達機構を制御する駆動力伝達制御手段とをそなえる
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の車両の衝突回避装置。
  4. 該駆動源は、ガソリンエンジンであり、
    該駆動源制御手段は、該ガソリンエンジンのスロットルバルブ開度を制御する
    ことを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項記載の車両の衝突回避装置。
JP2005262784A 2005-09-09 2005-09-09 車両の衝突回避装置 Expired - Fee Related JP4412263B2 (ja)

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