JP4410484B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、パチンコ機は、第1種(いわゆるデジパチ)、第2種(いわゆる羽根物)および第3種(いわゆる権利物)に大別されている。このうち、最近では、第3種パチンコ機が遊技者の間で特に人気を集めている。第3種パチンコ機に関する先行技術は、たとえば、下記特許文献1に開示されている。
図12は、第3種パチンコ機の遊技盤面の構成の一例を図解的に示す正面図である。第3種パチンコ機では、たとえば、遊技盤面の中央部に中央役物装置101が配置されていて、この中央役物装置101内には、電動チューリップ役物102を介して遊技球(パチンコ玉)を飛入させることができるようになっている。電動チューリップ役物102は、1対の拡開/窄閉可能な羽根を有しており、その周囲の釘構成によって、1対の羽根が拡開した状態で中央役物装置101への遊技球の飛入を許可し、1対の羽根が窄閉した状態で中央役物装置101内への遊技球の飛入を禁止する。たとえば、中央役物装置101の左側方には、チューリップ役物作動口103が配置されており、このチューリップ役物作動口103に遊技球が入ると、その入球に応答して、電動チューリップ役物102の1対の羽根が一定時間(たとえば、0.5秒間)だけ拡開する。
【0003】
中央役物装置101内には、ほぼ円板状の球振分用回転体104が、その中心軸線を上下に延ばした状態で配置されている。電動チューリップ役物102から中央役物装置101内に入った遊技球は、球振分用回転体104の周囲に形成されている球通路105を通って、球振分用回転体104の手前側に形成された球導入口106へと導かれるようになっている。
球振分用回転体104には、たとえば、周方向にほぼ120°ずつ隔てた位置に、その周面をU字状に切り欠くことによってU状凹部107が形成されている。球振分用回転体104は、このパチンコ機の電源が投入されている間、その中心軸線まわりに一定速度で常時回転しており、この球振分用回転体104の回転によって、各U状凹部107が球導入口106に順次に対向する。各U状凹部107は、球導入口106に対向した位置で、そのとき球導入口106に到達している遊技球を受け入れる。
【0004】
各U状凹部107には、球出口108が形成されている。3つのU状凹部107のうちの1つに形成されている球出口108は、当たり穴であって、球振分用回転体104の下方に設けられた権利発生用回転体109へ遊技球を導くための球誘導路110に連通している。また、残りの2つのU状凹部107に形成されている球出口108は、はずれ穴であって、図示しない球回収路に連通しており、それら2つの球出口108に入った遊技球は、球回収路を通って、このパチンコ機の機内へと回収されるようになっている。遊技球が球回収路を通して機内に回収された場合、予め定める個数の賞球の払出しのみが行われる。
【0005】
球誘導路110の途中部には、遊技球の通過を検出する遊技球検出ゲート111が設けられており、この遊技球検出ゲート111を遊技球が通過すると、所定の大当たり遊技を実行する権利を遊技者に付与するか否かを決定するための権利付与抽選が行われる。権利付与抽選の結果は、中央役物装置101の右側に配置された抽選結果表示器112に2つの図柄(数字)の組合せによって表示されるようになっている。たとえば、権利付与抽選の結果が当たりであれば、抽選結果表示器112に2つの同一の図柄の組合せが表示され、権利付与抽選の結果がはずれであれば、抽選結果表示器112に2つの異なる図柄の組合せが表示される。
【0006】
権利発生用回転体109は、権利付与抽選の結果に応じて、球誘導路110から導入される遊技球をV入賞領域113またはアウト回収領域114に誘導するためのものであり、ほぼ円板状に形成されていて、その中心軸線を遊技盤面に直交する方向に沿わせた状態で配置されている。権利発生用回転体109の周面には、1個の遊技球が収まる程度の大きさの球受凹部115が形成されている。権利発生用回転体109は、球受凹部115が最上位置にある状態、すなわち球受凹部115が球誘導路110に臨んだ状態で停止しており、球誘導路110を通ってくる遊技球を球受凹部115で受け取るようになっている。
【0007】
権利付与抽選の結果が当たりであれば、権利発生用回転体109が時計回りに回転し、球受凹部115に受け取られた遊技球がV入賞領域113へ導かれる。V入賞領域113を遊技球が通過すると、権利発生となり、遊技者は大当たり遊技を楽しむことができる。一方、権利付与抽選の結果がはずれであれば、権利発生用回転体109が反時計回りに回転し、球受凹部115に受け取られた遊技球は、アウト回収領域114に導かれて、アウト回収領域114から機内に回収される。この場合には、権利発生とはならず、中央役物装置101内への遊技球の入球に対する予め定める個数の賞球の払出しのみが行われる。
【0008】
大当たり遊技では、遊技盤面の右上部を狙って遊技球を勢いよく発射させる、いわゆる右打ちを行う。抽選結果表示器112の上方には、円板状のラウンド開始用回転体116がその中心軸線を遊技盤面に直交する方向に沿わせた状態で配置されており、右打ちによって、そのラウンド開始用回転体116の周面上に1個の遊技球を載せることができるようになっている。ラウンド開始用回転体116の周面には、1個の遊技球が収まる程度の大きさの球収容凹部117が形成されている。また、ラウンド開始用回転体116は、その中心軸線まわりに一定周期(一定速度)で常時回転しており、ラウンド開始用回転体116の周面上に載った遊技球は、球収容凹部117が最上位置に達したときに、球収容凹部117に落ち入って収容される。そして、ラウンド開始用回転体116の回転によって、球収容凹部117がラウンド開始用回転体116の右斜め下方に設けられたラウンド開始領域118に対向すると、球収容凹部117から遊技球が転がり出て、その遊技球がラウンド開始領域118を通して機内に回収される。
【0009】
ラウンド開始領域118を遊技球が通過すると、抽選結果表示器112の下方に配設された大入賞口119が開放されて、この大入賞口119に遊技球を入れることが可能となる。大入賞口119への入球に対しては、予め定める個数の賞球が払い出される。大入賞口119は、予め定められた入球上限個数(たとえば、10個)の遊技球が大入賞口119に入るまで、または、一定時間(たとえば、ラウンド開始用回転体116が270°回転するのに要する時間)が経過するまで開放される。
【0010】
大当たり遊技では、大入賞口119が開放され続けている期間を1ラウンドとして、必ず、この1ラウンドの期間が予め定める回数だけ繰り返される。言い換えれば、大当たり遊技を実行する権利は、大入賞口119の開閉が予め定める回数だけ繰り返されるまで消滅せず、大入賞口119の開閉回数が予め定める回数に達する前に大当たり遊技が終了となること(いわゆるパンクすること)はほとんどない。したがって、大当たり遊技では、ほぼ一定個数の遊技球を大入賞口119に入れることができ、これにより、ほぼ一定の出玉数の賞球を獲得することができる。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−277234号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、第3種パチンコ機では、大当たり遊技でパンクすることがほとんどないので、この第3種パチンコ機におけるゲームの興趣は大当たり遊技を実行する権利が発生するまでのゲーム内容で決まる。すなわち、上記のような第3種パチンコ機であれば、主に、大当たり遊技を実行する権利を付与するか否かを決定するための権利付与抽選が行われるか否か(当たり穴に遊技球が入るかどうか)という点、およびその権利付与抽選の結果が当たりとなるかどうかという点に遊技者の興味が集まる。
【0013】
それにもかかわらず、図12に示す構成の第3種パチンコ機では、球振分用回転体104は常時一定速度で回転していて、中央役物装置101に入った遊技球は常に1/3の一定確率で当たり穴としての球出口108に入るようになっているため、当たり穴への入球に対して遊技者が抱く期待度に変化がなく、このことが、遊技者にゲーム内容が単調であると感じさせる原因の1つになっていた。
また、球振分用回転体104に形成されている当たり穴としての球出口108に遊技球が入れば、権利付与抽選が行われるので、遊技者は、その抽選結果に興味を持ち、抽選結果表示器112への抽選結果の表示や抽選結果に応じた権利発生用回転体109の回転動作を楽しむことができる。ところが、はずれ穴としての球出口108に遊技球が入った場合には、賞球が払い出されるだけで興趣がないという問題があった。
【0014】
そこで、この発明の目的は、当たり穴への入球に対して遊技者が抱く期待度に変化を与えることができる遊技機を提供することである
【0015】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、遊技盤面(1)上に発射された遊技球が予め定める有効領域(201)に入った場合に、遊技者に有利な内容の遊技を実行できる可能性が生じる遊技機であって、上記遊技盤面に設けられ、遊技球が流通するための所定の球経路が内部に形成された役物装置(2)と、上記役物装置の入口に形成されて、上記所定の球経路と連通する入球口(21)と、上記役物装置内の所定の空間内に、所定の回転軸線まわりに回転可能な状態で収容されて、上記回転軸線の周囲に複数の球収容凹部(251)が形成された回転体(25)と、上記役物装置内に入って上記所定の球経路(23,231,232,241,242)を流通する遊技球を、上記回転体に導く球導入口(223)とを含み、上記球導入口は、これに対向する一定数の球収容凹部のみ遊技球の受け入れを可能とすべく、他の球収容凹部への遊技球の進入を防止する仕切壁(221,222)によって仕切られており、上記遊技機は、上記回転体を回転させ、その後、上記複数の球収容凹部のうち一定数の球収容凹部が上記球導入口に対向する複数の停止位置のうち一の停止位置で、上記回転体を停止させる回転制御手段(9,S5,E5)をさらに含み、上記球収容凹部は、上記有効領域に遊技球を導くための当たり穴および上記有効領域とは異なる無効領域に遊技球を導くためのはずれ穴を備えており、上記当たり穴および上記はずれ穴は、上記回転体の停止位置によって上記球導入口に対向する当たり穴の数が異なるように、設定されていることを特徴とする遊技機である。
【0016】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、回転体が複数の停止位置のうち一の停止位置へと導かれる。転体の停止位置によって当たり穴への入球確率が異なるので、転体の停止位置が変化することにより、当たり穴への入球に対して遊技者が抱く期待度に変化を与えることができる。
【0017】
また、請求項2に記載のように、上記当たり穴に遊技球が入るという条件が成立したことに応答して、上記回転体の停止位置を抽選によって決定する停止位置決定手段(9,E2)をさらに含む場合には、上記回転制御手段が、上記停止位置決定手段によって決定された停止位置に上記回転体を停止させるものであってもよい。
【0018】
また、記遊技機は、上記はずれ穴に遊技球が入った場合に、上記転体を回転させず、または上記転体を回転させてその転体を回転開始前と同じ停止位置で停止させる手段をさらに含んでいてもよい。言い換えれば、予め定める有効領域(201)に遊技球が入った場合に、遊技者に有利な内容の遊技を実行できる可能性が生じる遊技機であって、所定の回転軸線まわりに回転可能に設けられていて、上記有効領域に遊技球を導くための当たり穴および上記有効領域とは異なる無効領域に遊技球を導くためのはずれ穴が上記回転軸線の周囲に配置されており、その停止位置によって所定の球導入口(223)から導入されてくる遊技球が上記当たり穴に入る確率が異なる転体(25)と、上記当たり穴に遊技球が入った場合には、予め定める手法で上記転体の停止位置を決定して、上記転体を回転させることによって、上記転体の停止位置を当該決定にかかる停止位置へと導き、上記はずれ穴に遊技球が入った場合には、上記転体を回転させず、または上記転体を回転させてその転体を回転開始前と同じ停止位置で停止させる回転制御手段(9,E5,E7)とを含むことを特徴とする遊技機であってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤面の構成を示す正面図である。このパチンコ機は、権利物と呼ばれる第3種パチンコ機であって、遊技盤面1に、中央役物装置2、役物作動口3、ラウンド開始用回転体4、大入賞口5および普通入賞口6などを有している。また、遊技盤面1には、たとえば、2枚の帯状の金属薄板をそれぞれ半円弧状に湾曲させて配設することにより、内側レール71および外側レール72が形成されている。内側レール71および外側レール72は、それぞれ両端間を結ぶ線分が右斜め上方および右斜め下方を向いており、遊技盤面1の左側縁部で、それぞれの一部が適当な間隔を空けて重なり合っている。
【0023】
遊技時には、所定の角度範囲内で回転操作可能なハンドル(図示せず)が遊技者によって回転操作されて、そのハンドルの操作量に応じた弾発力で球発射装置(図示せず)から遊技球(パチンコ玉)が発射される。球発射装置から発射された遊技球は、外側レール72に案内されつつ、その重なり合った内側レール71と外側レール72との間を通って、内側レール71および外側レール72で囲まれた領域(以下「遊技有効領域」という。)内に放たれる。そして、遊技有効領域を遊技盤面1に沿って落下していき、遊技有効領域の最下部(内側レール71上)に達した場合には、その最下部に形成されたアウト球回収口8から機内に回収されるようになっている。
【0024】
中央役物装置2、役物作動口3、大入賞口119開始用回転体4、大入賞口5および普通入賞口6は、遊技球が通過する遊技有効領域内に配置されている。具体的には、中央役物装置2が遊技有効領域の中央部に配置されており、その中央役物装置2の左側に2つの普通入賞口6が上下に並べて配置され、中央役物装置2の右側に大入賞口119開始用回転体4および大入賞口5が上下に並べて配置されている。役物作動口3は、中央役物装置2の左側の下方寄りの位置に配置されており、これと左右対称をなす位置には、役物作動口3と左右対称な形状の普通入賞口6が配置されている。また、遊技有効領域内には、遊技球の流れにある程度の一定性を持たせるための風車Wおよび多数本の障害釘(図示せず)が配設されている。
【0025】
中央役物装置2の最上部には、中央役物装置2内に遊技球を入れるための入球口21が形成されており、この入球口21に関連して、1対の拡開/窄閉可能な羽根211L,211Rを有する電動チューリップ役物からなる入球口電動役物211が設けられている。通常、入球口電動役物211の1対の羽根211L,211Rは窄閉されていて、その周囲の釘構成(障害釘の配置)により、1対の羽根211L,211Rが窄閉した状態では遊技球が入球口21に到達できないようになっている。遊技有効領域を遊技球が落下していく過程で、その遊技球が役物作動口3に入ると、その入球に応答して、入球口電動役物211の1対の羽根211L,211Rが一定時間(たとえば、0.5秒間)だけ拡開する。
【0026】
入球口電動役物211の1対の羽根211L,211Rが開くタイミングで、入球口電動役物211上に遊技球が落下してくると、その遊技球が、1対の羽根211L,211Rによって入球口21へと導かれ、入球口21を通って中央役物装置2内に入る。中央役物装置2内に遊技球が入った後、所定の条件が成立すると、遊技者に大当たり遊技を実行する権利を付与するか否かを決定するための権利付与抽選が行われる。この権利付与抽選の結果が当たりであれば、権利発生となり、遊技者は大当たり遊技を楽しむことができる。
【0027】
大当たり遊技では、ハンドルを最大角度付近の所定角度以上回転させて、遊技盤面1の右上部を狙って遊技球を勢いよく発射させる(いわゆる右打ちを行う)。遊技盤面1の右上部に到達した遊技球は、その付近の釘構成により、たとえば、10球に1球程度の割合でラウンド開始用回転体4へ導かれる。ラウンド開始用回転体4は、ほぼ円板状の外形を有しており、正面視でほぼU字状に形成された回転体周囲部材41内に、その中心軸線を遊技盤面1に直交する方向に沿わせた状態で配置されている。回転体周囲部材41の上端縁間には、遊技球の直径よりも少し大きな幅の隙間42が空けられていて、ラウンド開始用回転体4へ導かれる遊技球は、その隙間42に嵌り、その嵌った状態でラウンド開始用回転体4の周面上に載るようになっている。
【0028】
ラウンド開始用回転体4の周面には、1個の遊技球が収まる程度の大きさの球収容凹部43が形成されている。また、ラウンド開始用回転体4は、その中心軸線まわりに一定周期(一定速度)で常時回転しており、ラウンド開始用回転体4の周面上に載った遊技球は、球収容凹部43が最上位置に達したときに、球収容凹部43に落ち入って収容される。そして、ラウンド開始用回転体4の回転によって、球収容凹部43がラウンド開始用回転体4の裏側に形成されたラウンド開始領域(図示せず)に対向すると、球収容凹部43から遊技球が転がり出て、その遊技球がラウンド開始領域を通して機内に回収されるようになっている。
【0029】
ラウンド開始領域を遊技球が通過すると、これに応答して、大入賞口5を閉塞している開閉板51がその下端縁に沿って配置された回動軸を中心に手前側へ傾倒し、これにより大入賞口5が開放される。遊技盤面1の右上部に到達した遊技球のうち、ラウンド開始用回転体4へ導かれない遊技球およびラウンド開始用回転体4上に1個の遊技球が載っているときにラウンド開始用回転体4へ導かれる遊技球は、ラウンド開始用回転体4と大入賞口5との間の釘構成により、そのほとんどが大入賞口5へ導かれるようになっている。開閉板51が傾倒して、大入賞口5が開放されている状態で、大入賞口5上に落下してくる遊技球は、その傾倒している開閉板51に受けられて大入賞口5内に導き入れられる。大入賞口5への入球に対しては、予め定められた個数(たとえば、15個)の遊技球が賞球として遊技者に与えられる。
【0030】
大入賞口5は、予め定められた上限個数(たとえば、10個)の遊技球が大入賞口5に入るまで、または、一定時間(たとえば、ラウンド開始用回転体4が270°回転するのに要する時間)が経過するまで開放される。大当たり遊技では、大入賞口5が開放され続けている期間を1ラウンドとして、必ず、この1ラウンドの期間が予め定める回数だけ繰り返される。言い換えれば、大当たり遊技を実行する権利は、大入賞口5の開閉が予め定める回数だけ繰り返されるまで消滅せず、大入賞口5の開閉回数が予め定める回数に達する前に大当たり遊技が終了となること(いわゆるパンクすること)はほとんどない。したがって、大当たり遊技では、ほぼ一定個数の遊技球を大入賞口5に入れることができ、これにより、ほぼ一定の出玉数の賞球を獲得することができる。このように大当たり遊技でほとんどパンクしないことは、第3種パチンコ機の特徴の1つであり、第3種パチンコ機が人気を集めている理由の1つになっている。
【0031】
なお、中央役物装置2、役物作動口3およびラウンド開始用回転体4に遊技球が入ったことに対しても、それぞれに対応づけて定められた個数の遊技球が賞球として遊技者に与えられる。また、遊技有効領域を遊技球が落下していく過程で、その遊技球が普通入賞口6に入った場合にも、その入球に対して、予め定められた個数(たとえば、7個)の遊技球が賞球として遊技者に与えられる。
図2は、中央役物装置2の構成を示す正面図である。この実施形態では、眼鏡をかけた男性の顔(頭)をモチーフとして中央役物装置2が構成されており、その頭頂部に相当する部分に入球口21が設けられている。また、中央役物装置2のほぼ中央部であって、モチーフとした男性顔(以下「モチーフ男性顔」という。)の口腔に相当する部分には、ほぼ楕円形状の入口を有する空間22が形成されている。
【0032】
入球口21には、入球口21を通過した遊技球を空間22へと導くための球通路23が連通している。球通路(所定の球経路)23は、先端付近で2つに分岐しており、各分岐路(所定の球経路)231,232の先端は、空間22の上方において、モチーフ男性顔の鼻口に相当する部分でそれぞれ開放されている。また、各分岐路231,232の先端と空間22との間には、左右に延びた球受台(所定の球経路)241がモチーフ男性顔の口髭に相当するものとして形成されている。さらに、空間22の入口下端縁の手前側には、下方に向けて少し凸湾曲したほぼ円弧状の球受導入部材(所定の球経路)242がモチーフ男性顔の下唇に相当するものとして形成されている。入球口21から中央役物装置2内に入った遊技球は、球通路23を通って、左分岐路231または右分岐路232の先端から球受台241上に導かれる。左分岐路231を通って球受台241上に導かれた遊技球は、球受台241上を左に向けて転がり、球受台241の左端縁から落下して、空間22の左側から球受導入部材242上に転がり入る。一方、右分岐路232を通って球受台241上に導かれた遊技球は、球受台241上を右に向けて転がり、球受台241の右端縁から落下して、空間22の右側から球受導入部材242上に転がり入る。
【0033】
空間22の入口下端縁には、その中央の所定幅の部分を除いて、それぞれ球受導入部材242の左右両端付近から空間22内へ遊技球が転がって入るのを阻止するための壁(仕切壁)221,222が立設されている。言い換えれば、壁221,222は、所定幅の間隔を空けて左右に離れた位置に立設されており、これらの壁221,222の間が、球受導入部材242上に達した遊技球を空間22内へ導くための球導入口223になっている。これにより、球受導入部材242上に達した遊技球は、球受導入部材242の上面の最下点を中心にして左右に反復して転がった後、球導入口223から空間22内へ転がり入る。
【0034】
空間22内には、上下に延びた中心軸線まわりに回転対称なほぼ半球状(逆皿形状)に形成された球振分用回転体(回転体)25が配置されている。球振分用回転体25には、その周縁から平面視においてほぼU字状に切り欠くことによって、複数の球収容凹部251が形成されている。球振分用回転体25は、中心軸線まわりに回転可能であり、この球振分用回転体25の回転によって、複数の球収容凹部251を球導入口223に順次に対向させることができる。また、球振分用回転体25が停止した状態では、その複数の球収容凹部251のうちの一定数の球収容凹部251が球導入口223に対向するようになっており、球導入口223に到達した遊技球は、その球導入口223に対向している球収容凹部251のうちのいずれかに転がって入る。
【0035】
各球収容凹部251には、遊技球を権利発生用回転体26に導くための当たり穴または球回収路271に振り分けて導くためのはずれ穴が形成されている。当たり穴とはずれ穴とは、球振分用回転体25の半径方向にずれた位置に形成されている。そして、球振分用回転体25の下方には、遊技球を権利発生用回転体26へ導くための球誘導路272に連通した開口と球回収路271に連通した開口とが形成されており、当たり穴およびはずれ穴は、球振分用回転体25が1回転する間に、それぞれ球誘導路272に連通した開口および球回収路271に連通した開口に重なるようになっている。
【0036】
たとえば、図3に示すように、球振分用回転体25には、8つの球収容凹部251が球振分用回転体25の周方向にほぼ45°ずつ隔てた位置に形成されている。なお、図3では、球振分用回転体25を中心角がほぼ45°である8つの扇形領域に分割し、各扇形領域を球収容凹部251として、球振分用回転体25の構成が図解的に示されている。
球振分用回転体25が停止した状態では、8つの球収容凹部251のうちの3つの球収容凹部251が球導入口223に対向するようになっている。そして、8つの球収容凹部251のうちの4つの球収容凹部251には、遊技球を権利発生用回転体26へ導くための当たり穴が形成されており、残りの4つの球収容凹部251には、遊技球を球回収路271へ導くためのはずれ穴が形成されている。図3において、当たり穴には「☆」マークが付されている。具体的には、8つの球収容凹部251のうち、連続している3つの球収容凹部251に当たり穴が形成され、またその3つの球収容凹部251のうちの中央の球収容凹部251と中心軸線に関して対称な位置にある球収容凹部251に当たり穴が形成されるとともに、残りの4つの球収容凹部251にはずれ穴が形成されている。すなわち、8つの球収容凹部251には時計回りに順に▲1▼〜▲8▼の番号が対応づけられていて、番号▲3▼および▲6▼〜▲8▼の球収容凹部251に当たり穴が形成され、番号▲1▼、▲2▼、▲4▼および▲5▼の球収容凹部251にはずれ穴が形成されている。これにより、球振分用回転体25が停止した状態で、球導入口223に対向する3つの球収容凹部251の中には、当たり穴の形成された球収容凹部251が少なくとも1つ含まれる。
【0037】
当たり穴に入った遊技球は、球振分用回転体25が回転されて、その当たり穴が球誘導路272に連通した開口と重なったときに、球誘導路272へと落ち入り、球誘導路272を通して権利発生用回転体26へと導かれる。一方、はずれ穴に入った遊技球は、球振分用回転体25が回転されて、そのはずれ穴が球回収路271に連通した開口と重なったときに、球回収路271へと落ち入り、球回収路271を通して機内に回収される。すなわち、球振分用回転体25は、回転によって、球収容凹部251に入った遊技球を球回収路271と球誘導路272とに振り分けることができる。
【0038】
球誘導路272の途中部には、遊技球の通過に応答して検出信号を出力する権利付与抽選ゲートセンサ201および停止位置抽選ゲートセンサ202が上下に並べて介装されている。球誘導路272を遊技球が通過し、権利付与抽選ゲートセンサ201から検出信号が出力されると、所定の大当たり遊技を実行する権利を遊技者に付与するか否かを決定するための権利付与抽選が行われる。中央役物装置2の上部であって、モチーフ男性顔の各眼鏡レンズに相当する部分には、抽選結果表示器28L,28Rが左右に並べて配置されており、権利付与抽選の結果は、その2個の抽選結果表示器28L,28Rにそれぞれ表示される図柄(数字)の組合せによって報知されるようになっている。たとえば、権利付与抽選の結果が当たりであれば、2個の抽選結果表示器28L,28Rに同一の図柄が表示され、権利付与抽選の結果がはずれであれば、2個の抽選結果表示器28L,28Rに互いに異なる図柄が表示される。抽選結果表示器28L,28Rとしては、たとえば、7セグメント表示器、液晶表示器、EL(Electro Luminescence)表示器、ドットマトリクス型LED表示器またはドラム表示器を用いることができる。
【0039】
また、球誘導路272を遊技球が通過して、停止位置抽選ゲートセンサ202から検出信号が出力されると、球振分用回転体25の停止位置を決定するための停止位置抽選が行われる。空間22内には、7セグメント表示器からなる停止位置表示器29が配置されており、停止位置抽選が行われると、その停止位置抽選の結果に応じた数字が停止位置表示器29に表示される。このとき球振分用回転体25は回転し続けており、この球振分用回転体25の回転は、停止位置表示器29に表示された数字と同じ番号の球収容凹部251が球導入口223の中央に対向したときに停止される。たとえば、図3において、番号▲3▼の球収容凹部251が球導入口223の中央に対向している状態から、遊技球が停止位置抽選ゲートセンサ202を遊技球が通過したことに応答して停止位置抽選が行われて、停止位置表示器29に「8」が表示されると、球振分用回転体25の回転は、番号▲8▼の球収容凹部251が球導入口223の中央に対向したときに停止される。
【0040】
停止位置表示器29は、7セグメント表示器に限らず、液晶表示器であってもよいし、EL表示器、ドットマトリクス型LED表示器またはドラム表示器で構成されてもよい。
権利発生用回転体26は、権利付与抽選の結果に応じて、球誘導路272から導入される遊技球をV入賞領域261またはアウト回収領域262に誘導するためのものであり、円板状に形成されていて、その中心軸線を遊技盤面1に直交する方向に沿わせた状態で配置されている。権利発生用回転体26の周面には、1個の遊技球が収まる程度の大きさの球受凹部(図示せず)が形成されている。権利発生用回転体26は、球受凹部が最上位置にある状態、すなわち球受凹部が球誘導路272に臨んだ状態で停止しており、球誘導路272を通ってくる遊技球を球受凹部で受け取るようになっている。
【0041】
権利付与抽選の結果が当たりであれば、権利発生用回転体26が時計回りに回転し、球受凹部に受け取られた遊技球がV入賞領域261へ導かれる。V入賞領域261を遊技球が通過すると、権利発生となり、遊技者は大当たり遊技を楽しむことができる。一方、権利付与抽選の結果がはずれであれば、権利発生用回転体26が反時計回りに回転し、球受凹部に受け取られた遊技球がアウト回収領域262に導かれる。この場合、権利発生とはならず、遊技者は大当たり遊技を楽しむことはできない。V入賞領域261またはアウト回収領域262を通過した遊技球は、それぞれ接続路273,274を通り、さらに球回収路271を通って機内に回収される。
【0042】
球回収路271には、遊技球の流通方向に関して接続路273,274の接続点よりも下流側の位置に、遊技球の通過に応答して検出信号を出力する排出センサ203が設けられている。遊技球が球回収路271を通過し、排出センサ203から検出信号が出力されると、これに応答して、中央役物装置2内への遊技球の入球に対する予め定める個数の賞球の払出しが行われる。また、球通路23には、入球口21の近傍の位置に、遊技球の通過に応答して検出信号を出力する入球センサ204が設けられている。
【0043】
図4は、中央役物装置2の制御のための電気的構成を示すブロック図である。このパチンコ機には、マイクロコンピュータを含む構成の制御部9が備えられている。
制御部9には、権利付与抽選ゲートセンサ201、停止位置抽選ゲートセンサ202、排出センサ203および入球センサ204の検出信号が入力されるようになっている。また、役物作動口3内には、役物作動口3に遊技球が入ったことに応答して検出信号を出力する役物作動口センサ205が設けられており、この役物作動口センサ205からの検出信号が制御部9に入力されるようになっている。
【0044】
制御部9は、これらのセンサ類からの入力信号に基づいて、入球口電動役物211、球振分用回転体25および権利発生用回転体26の動作を制御し、また、抽選結果表示器28L,28Rおよび停止位置表示器29の表示を制御する。
図5は、中央役物装置2に遊技球が入ってからその遊技球が球振分用回転体25上から排出されるまでの処理の流れを示すフローチャートである。役物作動口3に遊技球が入り、役物作動口センサ205から制御部9に検出信号が入力されると(ステップS1のYES)、制御部9によって入球口電動役物211が制御されて、入球口電動役物211の1対の羽根211L,211Rが一定時間だけ拡開(作動)される(ステップS2)。
【0045】
羽根211L,211Rの拡開中に遊技球が入球口21(中央役物装置2内)に入った場合には(ステップS3のYES)、以下に説明するステップS4以降の処理が行われ、羽根211L,211Rの拡開中に遊技球が入球口21に入らなかった場合には、ステップS4以降の処理は行われず、ステップS1に戻って、役物作動口3に遊技球が入ったかどうかが繰り返し調べられる。
入球口21から中央役物装置2内に入った遊技球は、その入球から一定時間が経過するまでの間に、球通路23、球受台241および球受導入部材242を経由して、そのとき球導入口223に対向している球収容凹部251のうちのいずれかに転がって入り、さらに球収容凹部251に形成されている当たり穴またははずれ穴(図3参照)に入る。入球センサ204から制御部9に検出信号が入力されてから一定時間が経過すると(ステップS4のYES)、球振分用回転体25上から遊技球を排出するために、球振分用回転体25が所定方向に回転される(ステップS5)。球振分用回転体25は、後述する停止位置処理で停止されるまで回転され続ける。
【0046】
遊技球が当たり穴に入っている場合、その遊技球は球誘導路272を通して権利発生用回転体26へと導かれる。一方、遊技球がはずれ穴に入っている場合、その遊技球は球回収路271へと排出され、遊技球が排出センサ203を通過したことに応答して、排出センサ203から制御部9に検出信号が入力されると、中央役物装置2内への遊技球の入球に対する予め定める個数の賞球の払出しが行われる。
【0047】
図6は、権利付与抽選処理の流れを示すフローチャートである。球振分用回転体25上から遊技球を排出するための処理(球振分用回転体25の回転)が行われると、この図6に示す権利付与抽選処理が実行される。
球振分用回転体25の当たり穴に遊技球が入り、その遊技球が球振分用回転体25の回転によって球誘導路272へ振り分けられた場合、権利付与抽選ゲートセンサ201を遊技球が通過し、これに応答して権利付与抽選ゲートセンサ201から制御部9に検出信号が入力される(ステップT1のYES)。
【0048】
権利付与抽選ゲートセンサ201からの検出信号が制御部9に入力されると、制御部9において権利付与抽選が行われる(ステップT2)。たとえば、制御部9には、1から予め定める最大乱数値(たとえば、256)までの各乱数値を所定順序で一定時間ごとに1つずつ発生する権利発生抽選用乱数発生部が設けられており、権利付与抽選では、たとえば、権利付与抽選ゲートセンサ201を遊技球が通過したタイミングで権利発生抽選用乱数発生部から発生される乱数値が取得される。そして、その乱数値と予め定められた当たり数値とが比較されて、両数値が一致すれば大当たりと決定され、両数値が異なればはずれと決定される。
【0049】
権利付与抽選後、制御部9によって抽選結果表示器28L,28Rが制御されて、権利付与抽選の結果を表す図柄の組合せが抽選結果表示器28L,28Rに表示される(ステップT3)。また、制御部9によって権利発生用回転体26が制御されて、権利発生用回転体26が権利付与抽選の結果に応じた方向に回転される(ステップT4)。すなわち、権利付与抽選の結果が当たりであれば、抽選結果表示器28L,28Rに同一図柄が表示されて、遊技球をV入賞領域261へ導く方向(図2における時計回り)に権利発生用回転体26が回転される。一方、権利付与抽選の結果がはずれであれば、抽選結果表示器28L,28Rに互いに異なる図柄が表示されて、遊技球をアウト回収領域262に導く方向(図2における反時計回り)に権利発生用回転体26が回転される。
【0050】
V入賞領域261またはアウト回収領域262に導かれた遊技球が球回収路271を通って機内に回収される際に、排出センサ203を通過し、これに応答して排出センサ203から制御部9に検出信号が入力されると、中央役物装置2内への遊技球の入球に対する予め定める個数の賞球の払出しが行われる。
図7は、停止位置処理の流れを示すフローチャートである。球振分用回転体25上から遊技球を排出するための処理(球振分用回転体25の回転)が行われると、図6に示す権利付与抽選処理と並行して、この図7に示す停止位置処理が実行される。
【0051】
球振分用回転体25の当たり穴に遊技球が入り、その遊技球が球振分用回転体25の回転によって球誘導路272へ振り分けられた場合、停止位置抽選ゲートセンサ202を遊技球が通過し、これに応答して停止位置抽選ゲートセンサ202から制御部9に検出信号が入力される(ステップE1のYES)。
停止位置抽選ゲートセンサ202からの検出信号が制御部9に入力されると、制御部9において停止位置抽選が行われる(ステップE2)。
【0052】
たとえば、球振分用回転体25に8つの球収容凹部251が設けられている場合、球振分用回転体25の停止位置としては、図8に示すように、各球収容凹部251が球導入口223の中央に対向する8通りのパターンがある。停止位置抽選では、予め定められた確率に従って、その8通りのパターンのいずれかが球振分用回転体25の停止位置として選択される。
番号▲2▼▲1▼▲8▼の球収容凹部251が球導入口223に対向するパターンが選択される確率は、5/64(=7.81%)であり、このパターンで球振分用回転体25が停止している状態では、番号▲2▼▲1▼▲8▼の球収容凹部251の中で当たり穴を有する球収容凹部251は1つだけであるから、遊技球が当たり穴に入る確率は1/3である。
【0053】
番号▲3▼▲2▼▲1▼の球収容凹部251が球導入口223に対向するパターンが選択される確率は、5/64(=7.81%)であり、このパターンで球振分用回転体25が停止している状態では、番号▲3▼▲2▼▲1▼の球収容凹部251の中で当たり穴を有する球収容凹部251は1つだけであるから、遊技球が当たり穴に入る確率は1/3である。
番号▲4▼▲3▼▲2▼の球収容凹部251が球導入口223に対向するパターンが選択される確率は、36/64(=56.3%)で最も高く、このパターンで球振分用回転体25が停止している状態では、番号▲4▼▲3▼▲2▼の球収容凹部251の中で当たり穴を有する球収容凹部251は1つだけであるから、遊技球が当たり穴に入る確率は1/3である。
【0054】
番号▲5▼▲4▼▲3▼の球収容凹部251が球導入口223に対向するパターンが選択される確率は、5/64(=7.81%)であり、このパターンで球振分用回転体25が停止している状態では、番号▲5▼▲4▼▲3▼の球収容凹部251の中で当たり穴を有する球収容凹部251は1つだけであるから、遊技球が当たり穴に入る確率は1/3である。
番号▲6▼▲5▼▲4▼の球収容凹部251が球導入口223に対向するパターンが選択される確率は、5/64(=7.81%)であり、このパターンで球振分用回転体25が停止している状態では、番号▲6▼▲5▼▲4▼の球収容凹部251の中で当たり穴を有する球収容凹部251は1つだけであるから、遊技球が当たり穴に入る確率は1/3である。
【0055】
番号▲7▼▲6▼▲5▼の球収容凹部251が球導入口223に対向するパターンが選択される確率は、3/64(=4.69%)であり、このパターンで球振分用回転体25が停止している状態では、番号▲7▼▲6▼▲5▼の球収容凹部251の中で当たり穴を有する球収容凹部251は2つであるから、遊技球が当たり穴に入る確率は2/3である。
番号▲8▼▲7▼▲6▼の球収容凹部251が球導入口223に対向するパターンが選択される確率は、2/64(=3.13%)で最も低く、このパターンで球振分用回転体25が停止している状態では、番号▲7▼▲6▼▲5▼の球収容凹部251のすべてが当たり穴を有しているから、遊技球が当たり穴に入る確率は3/3(=100%)である。
【0056】
番号▲1▼▲8▼▲7▼の球収容凹部251が球導入口223に対向するパターンが選択される確率は、3/64(=4.69%)で最も低く、このパターンで球振分用回転体25が停止している状態では、番号▲1▼▲8▼▲7▼の球収容凹部251の中で当たり穴を有する球収容凹部251は2つであるから、遊技球が当たり穴に入る確率は2/3である。
停止位置抽選の実行後、制御部9によって停止位置表示器29の表示が制御されて、停止位置抽選で選択されたパターンにおいて球導入口223の中央に対向する球収容凹部251の番号と同じ数字が停止位置表示器29に表示される(ステップE3)。このとき球振分用回転体25の回転は続いており、その球振分用回転体25の回転は、権利付与抽選の結果に応じた方向に権利発生用回転体26が回転されて、中央役物装置2内に入った遊技球が中央役物装置2からすべて排出(すべて機内に回収)された後(ステップE4でYES)、球振分用回転体25の回転位置が停止位置抽選で選択されたパターンに一致すると停止される(ステップE5)。
【0057】
たとえば、図9に示すように、番号▲4▼▲3▼▲2▼の球収容凹部251が球導入口223に対向している状態で、番号▲3▼の球収容凹部251に形成されている当たり穴に遊技球が入って、停止位置抽選が行われ、この停止位置抽選で番号▲7▼▲6▼▲5▼の球収容凹部251が球導入口223に対向するパターンが選択されると、停止位置表示器29に「6」が表示される。そして、番号▲7▼▲6▼▲5▼の球収容凹部251が球導入口223に対向したときに、球振分用回転体25の回転が停止される。この場合、球導入口223に導かれた遊技球が当たり穴に入る確率が1/3から2/3にアップすることになる。
【0058】
一方、球振分用回転体25のはずれ穴に遊技球が入り、その遊技球が球振分用回転体25の回転によって球回収路271に振り分けられた場合には、停止位置抽選ゲートセンサ202を遊技球が通過しないので、停止位置抽選は行われず、停止位置表示器29の表示は変化しない。このとき球振分用回転体25の回転は続いており、その球振分用回転体25の回転は、中央役物装置2内に入った遊技球が中央役物装置2からすべて排出された後(ステップE6でYES)、回転開始前に球導入口223に対向していた球収容凹部251が再び球導入口223に対向すると停止される。よって、球振分用回転体25の回転前後で球振分用回転体25の回転位置に変化はない。
【0059】
たとえば、図10に示すように、番号▲4▼▲3▼▲2▼の球収容凹部251が球導入口223に対向している状態で、番号▲2▼の球収容凹部251に形成されているはずれ穴に遊技球が入った場合、停止位置抽選は行われず、そのため停止位置表示器29の表示は「3」のままで変化せず、球振分用回転体25の回転は番号▲3▼の球収容凹部251が球導入口223に対向したときに停止される。よって、球振分用回転体25の回転前後で球振分用回転体25の回転位置に変化はなく、球導入口223に導かれた遊技球が当たり穴に入る確率は1/3で変化しない。
【0060】
以上のように、球振分用回転体25の当たり穴に遊技球が入り、その遊技球が停止位置抽選ゲートセンサ202を通過すると、これに応答して、球振分用回転体25の停止位置を決定するための停止位置抽選が行われ、この停止位置抽選の結果に応じて球振分用回転体25の回転位置が変更される。これにより、球振分用回転体25の当たり穴への入球確率が、1/3、2/3および3/3(=100%)の間で変化する。よって、当たり穴への入球に対して遊技者が抱く期待度に変化を与えることができ、このパチンコ機における遊技が十分に面白いと遊技者に感じさせることができる。
【0061】
図11は、この発明の他の実施形態について説明するための図である。この図11において、図2に示す各部に相当する部分には、図2の場合と同一の参照符号を付してある。
上記の実施形態に係るパチンコ機では、球振分用回転体25の当たり穴に入った遊技球を権利発生用回転体26へ導くための球誘導路272に停止位置抽選ゲートセンサ202が介装されている。これに対し、この実施形態に係るパチンコ機では、球回収路271の途中部であって、球回収路271における遊技球の流通方向に関して、V入賞領域261に入った遊技球が流通する接続路273との接続点よりも上流側、かつ、アウト回収領域262に入った遊技球が流通する接続路274との接続点よりも下流側の位置に、停止位置抽選ゲートセンサ202が介装されている。これにより、球振分用回転体25のはずれ穴に入った遊技球、およびアウト回収領域262に入った遊技球のみが停止位置抽選ゲートセンサ202を通過し、V入賞領域261に入った遊技球は停止位置抽選ゲートセンサ202を通過しない。
【0062】
すなわち、この実施形態に係るパチンコ機では、中央役物装置2に入った遊技球が球振分用回転体25のはずれ穴に入ると、その遊技球が停止位置抽選ゲートセンサ202を通過し、これに応答して球振分用回転体25の回転停止位置を決定するための停止位置抽選が行われるようになっている。また、中央役物装置2に入った遊技球が球振分用回転体25の当たり穴に入ったが、権利付与抽選の結果がはずれであった場合にも、遊技球が停止位置抽選ゲートセンサ202を通過し、これに応答して停止位置抽選が行われるようになっている。そして、停止位置抽選の結果に基づいて、球振分用回転体25の回転位置が変更されることにより、球振分用回転体25の当たり穴への入球確率が、1/3、2/3および3/3(=100%)の間で変化する。
【0063】
「従来の技術」の項で説明した第3種パチンコ機では、はずれ穴に遊技球が入った場合に賞球が払い出されるだけで興趣がないという問題があった。これに対して、この実施形態に係るパチンコ機では、遊技球がはずれ穴に入った場合には、停止位置抽選が行われるので、遊技者は、その停止抽選結果に興味を持ち、停止位置表示器29の表示動作などを楽しむことができる。
また、球振分用回転体25の回転位置によって当たり穴への入球確率が異なるので、停止位置抽選が行われることにより、当たり穴への入球に対して遊技者が抱く期待度に変化を与えることができる。さらに、当たり穴への入球確率が高確率(2/3または3/3)になると、権利付与抽選の実行機会が増え、大当たり遊技を実行できる権利を取得しやすくなるので、大当たり遊技(権利付与)に対して遊技者が抱く期待度を高めることができる。よって、このパチンコ機は、遊技者にとって、たいへん興趣の大きいものであり、遊技者の興味を十分に惹きつけることができる。
【0064】
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、停止位置抽選で選択されたパターンにおいて球導入口223の中央に対向する球収容凹部251の番号と同じ数字が停止位置表示器29に表示されるとしているが、或る番号の球収容凹部251が球導入口223の中央に対向している状態から次の番号の球収容凹部251が球導入口223の中央に対向するまでの回転量を「1」として、球振分用回転体25を所定方向に回転させた場合に球振分用回転体25の回転位置を回転前の回転位置から停止位置抽選で選択されたパターンに変更するために必要な回転量を表す数字が、停止位置表示器29に表示されてもよい。たとえば、番号▲3▼の球収容凹部251が球導入口223の中央に対向している状態で停止位置抽選が行われて、球導入口223の中央に対向させるべき球収容凹部251が番号▲8▼の球収容凹部251であると決定された場合、停止位置表示器29には、球振分用回転体25を反時計回りに回転させたときの回転量「5」と表示されることになる。
【0065】
また、上記の実施形態では、この発明が第3種パチンコ機に適用された場合を取り上げているが、この発明は、デジパチと呼ばれる第1種パチンコ機または羽根物と呼ばれる第2種パチンコ機に適用することもできる。
第1種パチンコ機は、所定の始動口に遊技球が入ったことに応答して大当たり抽選が行われ、その大当たり抽選で大当たりになると、遊技者に有利な内容の大当たり遊技を行うことができるものである。大当たり遊技では、たとえば、大入賞口を約30秒間または約10個の遊技球が入球するまで開放するといった動作を1ラウンドとし、この1ラウンド中に大入賞口に入った遊技球のうちの少なくとも1個が大入賞口内のVゾーンを通過していれば、次のラウンドを実行するといったようにして、大入賞口の開閉動作が所定の最大継続ラウンド数(たとえば、16ラウンド)を上限として行われる。すなわち、大入賞口内のVゾーンを遊技球が通過したことを条件として大当たり遊技が継続し、そのVゾーンを遊技球が通過しなければ、大入賞口の開閉動作が最大継続ラウンド数に達していなくても大当たり遊技が終了となる(いわゆるパンク)。この点が、第1種パチンコ機とパンクのない第3種パチンコ機との顕著な相違点の1つである。
【0066】
この発明が第1種パチンコ機に適用される場合、たとえば、図1に示す構成において、役物作動口3、入球口電動役物211およびラウンド開始用回転体4が省略されるとともに、大入賞口5内にVゾーンが設けられて、球振分用回転体25の当たり穴が上記所定の始動口とされてもよい。この場合、球振分用回転体25の回転位置によって、所定の始動口(球振分用回転体25の当たり穴)への入球確率を変化させることができるので、始動口への入球に対して遊技者が抱く期待度に変化を与えることができ、第1種パチンコ機における遊技が十分に面白いと遊技者に感じさせることができる。
【0067】
第2種パチンコ機は、たとえば、遊技盤面のほぼ中央部に一対の比較的大きな羽根を有する大型の電動役物を備えており、所定の1回作動口または2回作動口に遊技球が入ったことに応答して、電動役物の羽根が1回または2回開閉し、その開放中に電動役物内に入った遊技球が電動役物内のV入賞口に入れば、電動役物の羽根が多数回開閉するものである。
この発明が第2種パチンコ機に適用される場合、たとえば、球振分用回転体25に相当する回転体が電動役物内に配置されて、球振分用回転体25の当たり穴に相当するものがV入賞口とされてもよい。この場合において、V入賞口に入った遊技球を回収するための遊技球路に停止位置抽選ゲートセンサが配置されてもよいし、V入賞口に入らなかった遊技球を回収するための遊技球路に停止位置抽選ゲートセンサが配置されてもよい。球振分用回転体25に相当する回転体の回転位置によって、V入賞口への入球確率を変化させることができるので、V入賞口への入球に対して遊技者が抱く期待度に変化を与えることができ、第2種パチンコ機における遊技が十分に面白いと遊技者に感じさせることができる。
【0068】
また、上記の実施形態では、遊技球が球回収路271を通過し、排出センサ203から検出信号が出力されると、これに応答して、中央役物装置2内への遊技球の入球に対する賞球の払出しが行われるとしているが、中央役物装置2内への遊技球の入球に対する賞球の払出しは、遊技球が入球口21から中央役物装置2内に入り、入球センサ204から検出信号が出力されたことに応答して行われてもよい。
【0069】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤面の構成を示す正面図である。
【図2】遊技盤面に配置された中央役物装置の構成を示す正面図である。
【図3】中央役物装置に備えられた球振分用回転体の構成を図解的に示す平面図である。
【図4】中央役物装置の制御のための電気的構成を示すブロック図である。
【図5】中央役物装置に遊技球が入ってからその遊技球が球振分用回転体上から排出されるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】権利付与抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】停止位置処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】球振分用回転体の停止パターンの一覧を示す図である。
【図9】球振分用回転体の停止位置が変更される場合の処理の具体例を説明するための図である。
【図10】球振分用回転体の停止位置が変更されない場合の処理の具体例を説明するための図である。
【図11】この発明の他の実施形態について説明するための図である。
【図12】従来の第3種パチンコ機の遊技盤面の構成の一例を図解的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 遊技盤面
9 制御部
23 球通路(所定の球経路)
25 振分用回転体
29 停止位置表示器
201 権利付与抽選ゲートセンサ
202 停止位置抽選ゲートセンサ
221,222 壁(仕切壁)
223 球導入口
231,232 各分岐路(所定の球経路)
241 球受台(所定の球経路)
242 球受導入部材(所定の球経路)

Claims (3)

  1. 遊技盤面上に発射された遊技球が予め定める有効領域に入った場合に、遊技者に有利な内容の遊技を実行できる可能性が生じる遊技機であって、
    上記遊技盤面に設けられ、遊技球が流通するための所定の球経路が内部に形成された役物装置と、
    上記役物装置の入口に形成されて、上記所定の球経路と連通する入球口と、
    上記役物装置内の所定の空間内に、所定の回転軸線まわりに回転可能な状態で収容されて、上記回転軸線の周囲に複数の球収容凹部が形成された回転体と、
    上記役物装置内に入って上記所定の球経路を流通する遊技球を、上記回転体に導く球導入口とを含み、
    上記球導入口は、これに対向する一定数の球収容凹部のみ遊技球の受け入れを可能とすべく、他の球収容凹部への遊技球の進入を防止する仕切壁によって仕切られており、
    上記遊技機は、上記回転体を回転させ、その後、上記複数の球収容凹部のうち一定数の球収容凹部が上記球導入口に対向する複数の停止位置のうち一の停止位置で、上記回転体を停止させる回転制御手段をさらに含み、
    上記球収容凹部は、上記有効領域に遊技球を導くための当たり穴および上記有効領域とは異なる無効領域に遊技球を導くためのはずれ穴を備えており、
    上記当たり穴および上記はずれ穴は、上記回転体の停止位置によって上記球導入口に対向する当たり穴の数が異なるように、設定されていることを特徴とする遊技機。
  2. 上記当たり穴に遊技球が入るという条件が成立したことに応答して、上記回転体の停止位置を抽選によって決定する停止位置決定手段をさらに含み、
    上記回転制御手段が、上記停止位置決定手段によって決定された停止位置に上記回転体を停止させることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 上記回転体は、上記停止位置において、上記複数の球収容凹部のうち3個の球収容凹部が球導入口に対向しており、
    上記当たり穴およびはずれ穴は、上記回転体の停止位置によって、上記球導入口に対向する当たり穴の数が1個、2個および3個の間で変化するように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
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