JP4409378B2 - 車両用シート - Google Patents
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即ち、後方移動する可動フレームのエネルギーを回動中心軸を中心にヘッドレストの前方回動に変換させる着想のため、ヘッドレストと可動フレームとを直接フレームにより連結していたのである。
この構成では、必然的に可動フレームおよびフレームは着座者の背が当たる部分の背凭シート内に設けるので、着座フィーリングが低下する。
また、可動フレームは背凭シート内を後方に移動するから、その移動量に限界があり、そのため、ヘッドレストの移動量を大きくできず、ヘッドレストの移動量が着座者の頭部を支持に十分でなく、むち打ち症防止効果を十分に発揮できないという課題がある。
即ち、単にシーソーのように、可動フレームの後方移動量を回動支点を中心としてヘッドレストの前方移動に変換するのであるから、ヘッドレストの移動量には限界が生じる。
本願は、着座者の背中後方に位置する前後移動体によって着座者の後方移動荷重を検出する構成でありながら、ヘッドレストの移動量を十分に確保したものである。
本発明は、前記後突感知体25は、少なくとも、前記背凭フレーム3の上下中間位置より下方に位置させ、前記伝動部材20は前記下側リンク26よりも上下長さを長く形成した車両用シートとしたものである。
本発明は、該伝動部材20の下部は、前記後突感知体25が後方移動開始する以前において、前記回動軸28の前方部分の下側リンク26に軸29により取付け、前記後突感知体25は前記軸29より下方かつ前方の下側リンク26の下部に取付軸27により取付けた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記上側リンク杆15の上下中間部は前記背凭シート2の背凭フレーム3に回動自在に回動軸16により軸着し、上側リンク杆15は回動軸16より上方部分を上リンクアーム部22に、回動軸16より下方部分を下リンクアーム部23に夫々形成し、上リンクアーム部22は下リンクアーム部23よりも長く形成し、下リンクアーム部23は下方に至るに従い前側に位置するように傾斜させた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記上側リンク杆15の上下中間の回動軸16よりも下方位置の下リンクアーム部23の部分に、伝動部材20の上部を軸21により取付け、前記上側リンク杆15は、軸21の部分を前記後突感知体25の後方移動により後方移動させて、前記ヘッドレスト6を前方移動するように構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記上側リンク杆15の上下中間の回動軸16よりも下方位置の下リンクアーム部23の部分に、伝動部材20の上部を軸21により取付け、前記上側リンク杆15は、回動軸16と軸21による伝動部材20の取付部分とを、前記後突感知体25の後方移動前の前記ヘッドレスト取付杆10が前記後突感知体25の後方移動により斜め上側前方に移動するように配置構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記上側リンク杆15の下リンクアーム部23と伝動部材20と下側リンク26の夫々は、後方からの衝撃により着座者が後方移動して、前記後突感知体25が後方移動したとき、何れも後方に向けて移動するように配置構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記上側リンク杆15の下リンクアーム部23と伝動部材20と下側リンク26の夫々は、夫々左右一対設けて構成した車両用シートとしたものである。
請求項2の発明では、後突感知体25の後方移動を、下側リンク26により倍加させて伝動部材20に伝達するので、上側リンク杆15を確実に作動させる。
請求項3の発明では、上側リンク杆15の下リンクアーム部23と伝動部材20と下側リンク26の作動方向とクッション材4および表皮部材5の弾性の押圧方向が近づいて、作動を確実にできる。
請求項4の発明では、一層、ヘッドレスト6を前方移動を確実に作動させる。
背凭シート2の上部にはヘッドレスト6を設ける。ヘッドレスト6の構成は任意であり、少なくとも着座者の頭部を支持する頭部支持部7と、前記背凭シート2に装着するためピラー8とを有して構成している。
ヘッドレスト6のピラー8は左右方向のヘッドレスト取付杆10に設けたピラー支持部材11に高さ調節自在に取付ける。ピラー8とピラー支持部材11の構成は公知であり、図示は省略するが、ピラー8に形成した係合凹部にピラー支持部材11に設けた係合部材を係合させ、高さ調節自在に保持できればよい。
この場合、上側リンク杆15は、回動軸16より上側を上リンクアーム部22に形成し、回動軸16より下側を下リンクアーム部23に形成し、上リンクアーム部22と下リンクアーム部23は逆「く」の字形状に形成し、下リンクアーム部23よりも上リンクアーム部22を長く形成する。また、上側リンク杆15は、下リンクアーム部23が回動軸16を基準に下方に至るに従い前側に位置するように、傾斜させて取付ける。
なお、実施例では、上側リンク杆15はブラケット24に取付け、ブラケット24を側部フレーム17に固定している。
したがって、上側リンク杆15は、前記後突感知体25に移動量を増幅させてヘッドレスト6を前方移動させ、ヘッドレスト6の移動量を十分に確保でき、着座者の頭部の支持を確実にする。
なお、前記後突感知体25はクッション材4の後側に位置させるが、図5には背凭シート2の上部部分のクッション材4が図示されているため、後突感知体25とクッション材4とが重さなって図示されているが、これにより構成が限定されることはない。
30はヘッドレスト6を通常位置(後側)に位置するように付勢するバネ、31は後突感知体25が通常位置(前側)に位置するように付勢するバネである。
ヘッドレスト6のピラー8を支持するピラー支持部材11をヘッドレスト取付杆10に固定し、ヘッドレスト取付杆10の左右両側は夫々上側リンク杆15の上部に固定する。
各上側リンク杆15の上下中間部は回動軸16により側部フレーム17に取付け、上側リンク杆15の下端部に伝動部材20の上部を取付け、伝動部材20の下部は上部を側部フレーム17に取付けた下側リンク26の上下中間部に軸着し、下側リンク26の下部に後突感知体25の左右両側を連結状態に取付けているから、後方から衝撃を受けて慣性で着座者が後方へ移動すると、後突感知体25が後方移動し、後突感知体25の後方移動により下側リンク26が回動して伝動部材20を下方に牽引し、伝動部材20は上側リンク杆15の下リンクアーム部23を回動軸16中心に下方回動させ、上側リンク杆15の上部の上リンクアーム部22は回動軸16中心に前方回動し、ヘッドレスト取付杆10が回動軸16中心に前方回動し、これによりヘッドレスト6は回動軸16中心に前方移動する。
したがって、ヘッドレスト6は上側リンク杆15により前方回動して頭部を支持し、むち打ち症防止効果を奏する。
この場合、上側リンク杆15の下リンクアーム部23は下方に至るに従い前側に位置するように、傾斜させているから、上側リンク杆15は伝動部材20を介して後突感知体25の後方移動を前方移動に変換してヘッドレスト6を前方移動させる。
即ち、仮に、下リンクアーム部23の作動方向を前側にすると、クッション材4の弾性が下リンクアーム部23の作動と相反することになり、上側リンク杆15の操作荷重を重くし、有効に作動しない。
したがって、下リンクアーム部23は回動軸16中心に後方移動するので、上側リンク杆15の作動の際、下リンクアーム部23はクッション材4や表皮部材5を前側に押す必要がなく、確実に作動する。
また、下側リンク26は、通常は下方に至るに従い前側に位置するように、傾斜させているから、後方から衝撃を受けた後突の際、下側リンク26は回動軸28中心に後方回動する。
したがって、上側リンク杆15、伝動部材20、下側リンク26の作動機構Sは、その前側にクッション材4および表皮部材5が存在しても、作動方向が後側方向となるので、クッション材4および表皮部材5による圧力の干渉を避けられ、後突感知体25の移動をヘッドレスト6に伝達するのときロスを極力排除でき、作動を確実にする。
Claims (8)
- 少なくとも着座者の頭部を支持する頭部支持部7にピラー8を設けて構成したヘッドレスト6を、着座者の後方に位置する背凭シート2内の後突感知体25の後方移動により、前方移動させて着座者の頭部を支持するように構成したものにおいて、前記ピラー8は左右方向のヘッドレスト取付杆10に取付け、ヘッドレスト取付杆10の左右側は一対の上側リンク杆15の上部に固定し、該上側リンク杆15の上下中間部は前記背凭シート2の背凭フレーム3に回動自在に回動軸16により軸着し、上側リンク杆15に前記後突感知体25の後方移動により下動する伝動部材20の上部を取付け、該伝動部材20の下部は下側リンク26の上下中間位置に軸29により取付け、前記下側リンク26は該下側リンク26の上部を前記背凭フレーム3側に回動軸28により回動自在に取付け、前記後突感知体25は前記軸29より下方の下側リンク26の下部に取付軸27により取付けた車両用シート。
- 請求項1において、前記後突感知体25は、少なくとも、前記背凭フレーム3の上下中間位置より下方に位置させ、前記伝動部材20は前記下側リンク26よりも上下長さを長く形成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2において、該伝動部材20の下部は、前記後突感知体25が後方移動開始する以前において、前記回動軸28の前方部分の下側リンク26に軸29により取付け、前記後突感知体25は前記軸29より下方かつ前方の下側リンク26の下部に取付軸27により取付けた車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3において、前記上側リンク杆15の上下中間部は前記背凭シート2の背凭フレーム3に回動自在に回動軸16により軸着し、上側リンク杆15は回動軸16より上方部分を上リンクアーム部22に、回動軸16より下方部分を下リンクアーム部23に夫々形成し、上リンクアーム部22は下リンクアーム部23よりも長く形成し、下リンクアーム部23は下方に至るに従い前側に位置するように傾斜させた車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記上側リンク杆15の上下中間の回動軸16よりも下方位置の下リンクアーム部23の部分に、伝動部材20の上部を軸21により取付け、前記上側リンク杆15は、軸21の部分を前記後突感知体25の後方移動により後方移動させて、前記ヘッドレスト6を前方移動するように構成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5において、前記上側リンク杆15の上下中間の回動軸16よりも下方位置の下リンクアーム部23の部分に、伝動部材20の上部を軸21により取付け、前記上側リンク杆15は、回動軸16と軸21による伝動部材20の取付部分とを、前記後突感知体25の後方移動前の前記ヘッドレスト取付杆10が前記後突感知体25の後方移動により斜め上側前方に移動するように配置構成した車両用シート。
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