JP4409017B2 - 部品装着確認方法および同装置 - Google Patents

部品装着確認方法および同装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品装着用のヘッドにより電子部品を吸着してプリント基板等の基板上に搭載する表面実装機に適用される部品装着確認方法および同装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、部品供給部と所定の作業位置に位置決めされたプリント基板とにわたって移動可能なヘッドユニットに部品吸着用のヘッドを昇降かつ回転可能に装備し、上記ヘッドにより電子部品を吸着して基板上の所定位置に部品を装着するようにした表面実装機は一般に知られている。
【0003】
この種の表面実装機では、例えば、何らかの原因でヘッド先端に部品が残り基板上に装着されない場合があり、このような部品の装着不良を検知することが要求される。そのため、最近ではヘッドユニットに装着部品撮像用のカメラを搭載し、部品装着のためのヘッド昇降動作後に、プリント基板上の部品装着位置を撮像することにより、その画像に基いて部品が装着されたか否かを調べることが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の方法では、部品装着位置の撮像を、部品装着のためのヘッド昇降動作後、例えば次の部品を吸着するためにヘッドユニットが移動を開始するまでの極めて短い時間で行う必要がある。そのため、精度よく装着不良を検出するのに十分な画像を得ることが難しいという問題がある。
【0005】
特に、近年では、実装速度の高速化が要求されており、上記のような方法で装着不良を検出するのは益々難しくなる傾向にある。しかも、装着不良検出の精度を確保するため、カメラやその画像処理装置として高速対応の高価な装置を用いることが不可欠となっており、これが実装機のコストアップの一つの要因となっている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第一の目的は、部品の装着不良を精度良く、しかも安価な構成で検出できる部品装着確認方法を提供することにあり、第二の目的は、この部品装着確認方法を実施する部品装着確認装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、移動可能なヘッドユニットに昇降可能に搭載された部品装着用のヘッドにより部品を吸着し、ヘッドユニットの移動により基板上に部品を移動させて上記ヘッドの昇降に伴い部品を基板上に装着するように構成された表面実装機の部品装着確認方法であって、所定の待機高さ位置に配置された上記ヘッドの先端の部品吸着部分に対してその斜め上方から光を照射する照射手段と当該部品吸着部分からの反射光を当該部品吸着部分の斜め上方の位置で受光する受光手段とを上記ヘッドユニットに設けておき、部品装着のためのヘッド昇降動作後、上記待機高さ位置に上記ヘッドを配置して当該ヘッドの部品吸着部分に対して上記照射手段から光を照射させるとともにそのときの上記受光手段による光の受光状態に基づき上記ヘッド先端における部品の有無を調べ、上記ヘッド先端に部品が有る場合に装着不良と判別するようにしたものである(請求項1)。
【0008】
この方法では、何らかの原因でヘッドに吸着されている部品が基板に装着されず、そのままヘッドに残っているような状態を検知し、このような状態を検知することにより部品の装着不良を間接的に検出する。そして、この方法によると、ヘッドユニットに照射手段および受光手段を設けておくので、ヘッドユニットの移動中であっても装着不良を検出することができる
【0009】
なお、上記の方法においては、受光手段としてヘッド先端部分を撮像可能な撮像装置を用いる一方、照射手段として撮像装置による撮像時の照明を提供する照明装置を用い、受光状態として撮像装置により撮像される画像に基づいて上記ヘッド先端における部品の有無を判別するようにしてもよい(請求項2)。この場合、上記ヘッドにより部品が吸着されている状態又は吸着されていない状態のいずれかを基準状態として上記撮像手段により予め撮像を行い、この基準状態の画像と部品装着のためのヘッド昇降動作後の撮像手段による撮像画像との差分画像に基づいて上記ヘッド先端における部品の有無を判別するようにすれば(請求項3)、ヘッド先端の部品の有無を精度よく調べることができ、これにより装着不良の判別の精度が高められる。
【0010】
一方、本発明に係る部品装着確認装置は、移動可能なヘッドユニットに搭載された部品装着用のヘッドにより部品を吸着し、ヘッドユニットの移動により基板上に部品を移動させて上記ヘッドの昇降に伴い部品を基板上に装着するように構成された表面実装機の部品装着確認装置であって、上記ヘッドの先端の部品吸着部分に光を照射する照射手段と、上記部品吸着部分からの反射光を受光可能な受光手段と、部品装着のためのヘッド昇降動作後、所定の待機高さ位置に配置された上記ヘッドの部品吸着部分に上記照射手段から光を照射させるべく上記照射手段を制御するとともに上記受光手段を受光可能に制御する制御手段と、上記受光手段による光の受光状態に基づいて部品の装着不良の有無を判別する判別手段とを備え、上記照射手段および受光手段は、上記待機高さ位置に配置された上記ヘッド先端の部品吸着部分に対してその斜め上方から光を照射しつつ当該部品吸着部分からの反射光を当該部品吸着部分の斜め上方の位置で受光するように上記ヘッドユニットに搭載され、上記判別手段は、上記受光手段による光の受光状態に基づき上記ヘッド先端における部品の有無を調べ、上記ヘッド先端に部品が有る場合に装着不良と判別するものである(請求項4)。
【0011】
この装置によると、部品装着のためのヘッド昇降動作後、照射手段による光の照射、受光手段による受光および部品が基板に装着されたか否かの判別が自動的に行われる。
【0012】
上記装置においては、ヘッド先端部分を撮像可能な撮像装置により上記受光手段を構成する一方、撮像装置による撮像のための照明を提供する照明装置により上記照射手段を構成し、さらに受光状態として上記撮像装置により撮像される画像に基づいて上記ヘッド先端における部品の有無を判別するように上記判別手段を構成することができる(請求項5)。この場合、部品装着のためのヘッド昇降動作前に、ヘッドに部品が吸着されている状態又は吸着されていない状態のいずれかの状態を基準状態としてその状態を撮像させるべく撮像装置および照明装置を制御するように上記制御手段を構成し、基準状態の画像と部品装着のためのヘッド昇降動作後の撮像手段による撮像画像との差分画像に基づいて上記ヘッド先端における部品の有無を判別するように上記判別手段を構成するようにしてもよい(請求項6)。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
図1及び図2は、本発明に係る部品装着確認装置が適用される表面実装機を概略的に示している。同図に示すように、表面実装機(以下、実装機と略す)の基台1上には、プリント基板搬送用のコンベア2が配置され、プリント基板3がこのコンベア2上を搬送されて所定の装着作業位置で停止されるようになっている。上記コンベア2の側方には、部品供給部4が配置されている。この部品供給部4は部品供給用のフィーダーを備え、例えば多数列のテープフィーダー4aを備えている。
【0017】
また、上記基台1の上方には、部品装着用のヘッドユニット5が装備されている。このヘッドユニット5は、部品供給部4とプリント基板3が位置する部品装着部とにわたって移動可能とされ、当実施の形態ではX軸方向(コンベア2の方向)およびY軸方向(水平面上でX軸と直交する方向)に移動することができるようになっている。
【0018】
すなわち、上記基台1上には、Y軸方向の固定レール7と、Y軸サーボモータ9により回転駆動されるボールねじ軸8とが配設され、上記固定レール7上にヘッドユニット支持部材11が配置されて、この支持部材11に設けられたナット部分12が上記ボールねじ軸8に螺合している。また、上記支持部材11には、X軸方向のガイド部材13と、X軸サーボモータ15により駆動されるボールねじ軸14とが配設され、上記ガイド部材13にヘッドユニット5が移動可能に保持され、このヘッドユニット5に設けられたナット部分(図示せず)が上記ボールねじ軸14に螺合している。そして、Y軸サーボモータ9の作動により上記支持部材11がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ15の作動によりヘッドユニット5が支持部材11に対してX軸方向に移動するようになっている。
【0019】
上記ヘッドユニット5には、部品吸着用のヘッド20が設けられている。ヘッド20は、ヘッドユニット5のフレームに対して昇降及びヘッド中心軸回りの回転が可能とされ、図外の昇降駆動機構及び回転駆動機構により駆動されるようになっている。そして、ヘッド20の先端部にはノズルが設けられており、このノズルに負圧が供給されることにより部品を吸着し得るようになっている。
【0020】
また、ヘッドユニット5には、ヘッド20に吸着された部品を撮像するカメラ21(受光手段;撮像装置)およびその照明装置22(光の照射手段)が搭載されている。カメラ21は、CCDエリアセンサからなり、画像信号を後述するコントローラの画像処理部32に出力するように構成されている。また、上記照明装置22は、白色LEDあるいは蛍光燈等からなり、上記カメラ21による撮像用の照明を提供するように構成されている。
【0021】
カメラ21及び照明装置22は、図2に示すようにヘッド20の側方部分にY軸方向に並べて配置されており、所定の待機位置、例えば昇降ストロークにおける上昇端位置に上記ヘッド20がセットされたときに(図5及び図6参照)、カメラ21及び照明装置22が上記ヘッド先端部分に指向するようにそれぞれヘッドユニット5に斜めに傾いた状態で取付けられている。
【0022】
上記実装機は、装置を統括的に制御するコントローラを有している。このコントローラは、論理演算を実行する周知のCPUと、このCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROMと、装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等を備えており、上記サーボモータ9,15等がこのコントローラに電気的に接続されている。そして、予め記憶されているプログラムに従って各サーボモータ9等の駆動がこのコントローラにより統括的に制御されることにより後述する実装動作を実行するようになっている。
【0023】
図3は、上記コントローラに含まれる制御系の一部であって、部品の吸着動作において、ヘッド20により部品が吸着されたか否かを判別して吸着不良を検出するとともに、部品の装着動作において、ヘッド20の部品がプリント基板3に装着されたか否かを判別して部品の装着不良を検出する部分を示している。つまり、本発明の部品装着確認装置に該当する部分を示している。
【0024】
この図に示す制御系は、主演算部30、カメラ制御部31、画像処理部32、記憶部33、表示部34及び入力部35を含んでいる。
【0025】
主演算部30は、部品吸装着不良を検出するための処理を統括的に制御するもので、上記カメラ21により部品吸着動作の前後および部品装着動作後にヘッド先端部分(部品吸着部分)を撮像すべくカメラ制御部31に制御信号を出力するとともに、画像処理部32から出力される画像データに基づき、部品吸着時には、ヘッド20により部品が吸着されているか否かを判別して吸着不良を検出し、部品装着時には、ヘッド20からプリント基板3に部品が装着されたか否かを判別して装着不良を検出するように構成されている。すなわち、当実施の形態では、この主演算部30および画像処理部32により本発明の制御手段と判別手段とが構成されている。
【0026】
カメラ制御部31は、主演算部30からの制御信号に基づいて上記カメラ21および照明装置22の作動を制御するように構成されている。
【0027】
画像処理部32は、上記カメラ21から出力される画像信号に所定の処理を施すことにより撮像された画像から部品画像等の所定の画像を抽出する等し、その画像データを上記主演算部30に出力するように構成されている。
【0028】
上記記憶部33は、部品の吸装着不良を検出するのに必要な情報を予め記憶するもので、例えば、後述するような部品画像の面積に対する基準値等のデータがこの記憶部33に記憶されている。
【0029】
表示部34及び入力部35は、それぞれCRTディスプレイおよびキーボードからなり、入力部35により部品データやプログラム等を入力するように構成される一方、表示部34により部品データ入力時の表示や、装着不良が発生したときの表示を行うように構成されている。
【0030】
ここで、図3に示す制御系により行われる部品吸装着不良検出のための処理について実装動作と共に図4のフローチャートを用いて説明する。
【0031】
先ず、ヘッドユニット5が部品吸着のために部品供給部4に移動させられるとともに、準備処理として、この移動中に、部品未吸着状態(基準状態)のヘッド20のノズル先端部分がカメラ21により撮像される(ステップS1)。これにより図7(a)に示すようなノズル先端部分の画像が撮像され、この画像データが上記画像処理部32に出力される。なお、この画像データは主演算部30の上記記憶部33に記憶される。
【0032】
そして、ヘッドユニット5が部品供給部4の上方にセットされると、ヘッド20が昇降駆動され、これにより部品がヘッド先端に吸着された状態でピックアップされる(ステップS2)。
【0033】
部品の吸着が完了すると、図5に示すように部品Chを吸着した状態でヘッド20が待機位置にセットされ、プリント基板上の所定の部品装着位置に向けてヘッドユニット5の移動が開始されるとともに、ヘッド20が待機位置にセットされるタイミングでカメラ21によりヘッド20のノズル先端部分が撮像される(ステップS3)。
【0034】
次いで、ステップS1及びステップS2で得た画像の差分画像を求める処理が行われる(ステップS4,S5)。具体的には、各画像がA/D変換されることによりそれぞれ多階調の画像に変換される。そして、部品吸着動作後の画像における各画素の階調から部品吸着前の画像における相対応する画素の階調が減算された後、各画素の階調の絶対値がとられ、さらにこの差分画像が所定の閾値に基づいて二値化画像に変換される。
【0035】
ここで、ヘッド20により部品が吸着されている場合には、ステップS3において図7(b)に示すような部品Chを含むヘッド先端部分の画像が撮像されるため、ステップS5で得られる差分画像には、図7(c)に示すようように、部品Chに相当する部分の画素が例えばブラック画素として残る。これにより部品Chに相当する画像が抽出されることとなる。一方、ヘッド20に部品が吸着されていない場合には、ステップS1及びステップS2で得られる画像は同一画像となるため、ステップS5で得られる差分画像は、図7(d)に示すようように例えば画像のほぼ全画素がホワイト画素となる。
【0036】
次いで、ステップS6において、上記差分画像のデータが主演算部30に出力され、ここで部品Chに相当する画像の面積が求められる(ブラック画素の画素数がカウントされる)とともに、この画像面積の基準値(画素数の基準値)が上記記憶部33から読み出されて両値が比較され、面積差が所定の設定値(誤差値)以内か否かが判断される(ステップS7)。
【0037】
ここで、上記基準値は、適切に部品Chがヘッド20に吸着されている場合の部品画像の面積とされ、例えば、部品Chの種類毎に設定されている。また、上記設定値は、部品Chに相当する画像の面積を「0」とした場合の上記基準値との面積差よりも十分に小さい値に設定されている。つまり、ヘッド20に部品Chが吸着されていない場合には、画像のほぼ全画素がホワイト画素となって上記面積差が大きくなるため、上記設定値以内か否かを調べることによりヘッド20に部品Chが吸着されているか否かが判別される。
【0038】
ステップS7において設定値以内であると判断されると、つまりヘッド20に部品Chが吸着されていて吸着不良が発生していないと判断されると、ヘッド20が昇降駆動されて部品Chがプリント基板3の所定の部品装着位置に装着される(ステップS8)。この際、ヘッドユニット5が未だプリント基板3の部品装着位置上方に到達していない場合には、ヘッドユニット5の到達を待ってヘッド20が昇降駆動される。
【0039】
一方、ステップS7において設定値を超えていると判断されると、つまりヘッド20に部品Chが吸着されていないため吸着不良が発生したと判断されると、例えば実装動作が中止されるとともにその旨が上記表示部34において表示されるといった所定の部品吸着NG判定処理が実行されて本フローチャートが終了する。
【0040】
ステップS8において部品Chの装着が完了し、図6に示すようにヘッド20が待機位置にセットされると、次いで、次の部品Chを吸着すべく部品供給部4に向けてヘッドユニット5の移動が開始されるとともに、上記カメラ21によりヘッド先端部分が撮像される(ステップS9)。
【0041】
次いで、記憶部33からステップS1で得た画像データが画像処理部32に読み出されてこの画像とステップS9で得た画像との差分画像を求める処理が行われる(ステップS10,S11)。具体的には、上述したステップS4,S5の処理と同様、両画像がA/D変換されて多階調の画像にそれぞれ変換され、部品装着動作後の画像における各画素の階調から部品吸着前の画像における相対応する画素の階調が減算された後、各画素の階調の絶対値がとられ、この差分画像が所定の閾値に基づいて二値化画像に変換される。
【0042】
ここで、部品Chの装着が行われている場合には、ステップS9において得られる画像とステップS1で得られた画像とは同一画像となるため、ステップS10で得られる差分画像は、図7(d)に示すようように画像のほぼ全画素が例えばホワイト画素となる。一方、部品Chが何らからの原因でヘッド20に残っていてプリント基板3への装着が行われていない場合には、部品Chに相当する部分の画素が例えばブラック画素として残ることとなる。
【0043】
次いで、ステップS12において、上記差分画像のデータが主演算部30に出力され、ここで部品Chに相当する画像の面積が求められる(ブラック画素の画素数がカウントされる)とともに、この画像面積の基準値(画素数の基準値)が上記記憶部33から読み出されて両値が比較され、面積差が所定の設定値(誤差値)以内か否かが判断される(ステップS13)。
【0044】
ここで、上記基準値は、部品Chがプリント基板3に吸着された場合の部品画像の面積、つまり「0」とされている。また、上記設定値は、部品Chの面積を「0」とした場合の面積差よりも若干大きい値に設定されている。つまり、部品Chがプリント基板3に装着されずヘッド先端に残っている場合には、部品Chに相当するブラック画素の部分が多く残っているため上記基準値との面積差が大きくなる。そのため、上記設定値以内か否かを調べることにより、部品Chがプリント基板3に装着されたか否かが判別される。
【0045】
ステップS13において設定値以内であると判断されると、つまりヘッド20の部品Chがプリント基板3に装着されたと判断されると、例えば上記表示部34にその旨を表示する部品装着OK判定処理が実行された後(ステップS14)、本フローチャートが終了する。
【0046】
一方、ステップS13において設定値を超えていると判断されると、つまりヘッド20に部品Chが残っていて装着不良が発生したと判断されると、例えば実装動作が中止されるとともにその旨が上記表示部34において表示される所定の部品吸着NG判定処理が実行されて本フローチャートが終了する。
【0047】
以上のように、上記実装機では、ヘッドユニット5にヘッド先端部分を撮像するカメラ21を搭載し、部品吸着前のヘッド先端部および部品装着動作後のヘッド先端部を上記カメラ21により撮像して両画像の差分画像を求めることにより装着不良の発生を検出するようにしているため、ヘッドユニット5の停止中、あるいは移動中を問わず装着不良の検出に必要な画像を得ることができる。つまり、カメラ21の撮像時間についての制約が少ない。そのため、部品装着動作後、ヘッドユニットが移動し始めるまでの極めて短い時間で画像を取り込む必要がある従来装置に比べると十分な撮像時間を確保することが可能であり、その分、装着不良の検出に適した質の良い画像を安定して得ることができる。
【0048】
従って、上記実施の形態の装置によれば、このような質の良い画像に基づいて部品の装着不良を検出するため、従来装置に比べて精度良く部品の装着不良を検出することができる。しかも、カメラ21による撮像時間の制約が少ないため、高価な高速型のカメラや照明装置を用いる必要がなく、従って、安価な構成で、装着不良を精度よく検出することができるという効果がある。
【0049】
ところで、以上説明した実装機は、本発明に係る部品装着確認装置を搭載した実装機の一例の実施の形態であって、部品装着確認装置およびこれを搭載する実装機の具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0050】
例えば、上記実装機では、図5に示すように待機位置にセットされたヘッド20の斜め上方からヘッド先端部分を撮像するようにカメラ21及び照明装置22が設けられているが、図8に示すように、略水平方向からヘッド先端部分を撮像するようにカメラ21および照明装置22をヘッドユニット5に設けるようにしてもよい。
【0051】
また、図9に示すように、ヘッド20の昇降スペースを挟んでカメラ21と照明装置22を相対向して配置し、ヘッド先端部分や部品Ch等の投影を撮像するように構成してもよい。
【0052】
また、本発明の照射手段および受光手段として、上記実施の形態のようなカメラ21や照明装置22を用いる代わりに、例えば、図10に示すように、ヘッド20の昇降スペースを挟んで平行光線42の照射部40(照射手段)と受光部41(受光手段)とを相対向するようにヘッドユニット5に設け、受光部41において受光される平行光線42の投影幅を調べることによりヘッド先端の部品の有無を判別し、これに基づいて部品吸着不良の検出、あるいは部品装着不良の検出を行うようにしてもよい。
【0053】
なお、図示を省略するが、図10に示した例の更に簡素な構成として、例えばスポット光を照射する照射部(照射手段)と受光部(受光手段)とを相対向して備えた光電センサをヘッドユニット5に設け、受光部におけるスポット光の受光状態を調べることによりヘッド先端の部品の有無を判別し、これに基づいて部品吸着不良の検出、あるいは部品装着不良の検出を行うようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態では、部品吸着前のヘッド先端部分の画像(図4に示すフローチャートのステップS1で得られる画像)を基準状態の画像として、この画像と、部品装着のためのヘッド昇降動作後のヘッド先端部分の画像(同ステップS9で得られる画像)との差分画像に基づいて部品Chがプリント基板3に装着されたか否かを判別するようにしているが、例えば、基準状態の画像として部品吸着後のヘッド先端部分の画像(同ステップS3で得られる画像)を用い、この画像との差分画像に基づいて上記判別を行うようにしてもよい。
【0055】
また、上記のような差分画像を得て部品Chがプリント基板3に装着されたか否かを判別する以外に、例えば、予めヘッド20の部分をマスキングした状態でヘッド先端部分を撮像し得るようにカメラ21を構成したり、あるいは画像処理上、予めヘッド20の部分にウインドをかけて処理を行うことにより上記のような差分画像を求めることなくヘッド先端の部品の有無を調べ得るように構成してもよい。このようにすれば、上記のような差分画像を求める必要がなくなる分、画像処理を簡素化することが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ヘッドユニットに光の照射手段と受光手段とを設けておき、照射手段から光を照射してそのときの受光手段による光の受光状態に基づいてヘッド先端の部品の有無を調べ、これにより部品の装着不良を検出するようにしているため、ヘッドユニットの停止中、あるいは移動中を問わず上記受光手段による受光状態を調べて部品の装着不良を検出することができる。そのため、例えば部品装着後、ヘッドユニットが移動し始めるまでの極めて短い時間で処理を完了させることが要求される従来の装置に比べると、処理を行うための時間についての制約が少なく、また、処理装置等として高速処理のものに依らずとも検出ができる。従って、安価な構成で、装着不良を精度よく検出することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部品装着確認装置が適用される表面実装機を示す平面図である。
【図2】本発明に係る部品装着確認装置が適用される表面実装機を示す正面図である。
【図3】表面実装機の制御系のうち本発明に係る部品装着確認装置に相当する部分を示すブロック図である。
【図4】部品の装着不良を検出するための処理(実装動作含む)を説明するフローチャートである。
【図5】カメラによるヘッド先端の撮像動作(部品装着前)を説明する模式図である。
【図6】カメラによるヘッド先端の撮像動作(部品装着後)を説明する図である。
【図7】部品の装着不良を検出するための処理を説明する模式図である。
【図8】ヘッドユニットにおけるカメラおよび照明装置の別の配置例を示す模式図である。
【図9】ヘッドユニットにおけるカメラおよび照明装置の別の配置例を示す模式図である。
【図10】本発明に係る部品装着確認装置の他の例を説明する模式図である。
【符号の説明】
3 プリント基板
5 ヘッドユニット
20 ヘッド
21 カメラ(受光手段)
22 照明装置(照射手段)
30 主演算部(制御手段、判別手段)
31 カメラ制御部
32 画像処理部(制御手段、判別手段)
33 記憶部
34 表示部
35 入力部
Ch 部品

Claims (6)

  1. 移動可能なヘッドユニットに昇降可能に搭載された部品装着用のヘッドにより部品を吸着し、ヘッドユニットの移動により基板上に部品を移動させて上記ヘッドの昇降に伴い部品を基板上に装着するように構成された表面実装機の部品装着確認方法であって、所定の待機高さ位置に配置された上記ヘッドの先端の部品吸着部分に対してその斜め上方から光を照射する照射手段と当該部品吸着部分からの反射光を当該部品吸着部分の斜め上方の位置で受光する受光手段とを上記ヘッドユニットに設けておき、部品装着のためのヘッド昇降動作後、上記待機高さ位置に上記ヘッドを配置して当該ヘッドの部品吸着部分に対して上記照射手段から光を照射させるとともにそのときの上記受光手段による光の受光状態に基づき上記ヘッド先端における部品の有無を調べ、上記ヘッド先端に部品が有る場合に装着不良と判別することを特徴とする部品装着確認方法。
  2. 上記受光手段として上記ヘッド先端部分を撮像可能な撮像装置を用いる一方、上記照射手段として上記撮像装置による撮像時の照明を提供する照明装置を用い、上記受光状態として上記撮像装置により撮像される画像に基づいて上記ヘッド先端における部品の有無を判別することを特徴とする請求項1記載の部品装着確認方法。
  3. 上記ヘッドにより部品が吸着されている状態又は吸着されていない状態のいずれかを基準状態として上記撮像手段により予め撮像を行い、この基準状態の画像と部品装着のためのヘッド昇降動作後の上記撮像手段による撮像画像との差分画像に基づいて上記ヘッド先端における部品の有無を判別する請求項2記載の部品装着確認方法。
  4. 移動可能なヘッドユニットに搭載された部品装着用のヘッドにより部品を吸着し、ヘッドユニットの移動により基板上に部品を移動させて上記ヘッドの昇降に伴い部品を基板上に装着するように構成された表面実装機の部品装着確認装置であって、上記ヘッドの先端の部品吸着部分に光を照射する照射手段と、上記部品吸着部分からの反射光を受光可能な受光手段と、部品装着のためのヘッド昇降動作後、所定の待機高さ位置に配置された上記ヘッドの部品吸着部分に上記照射手段から光を照射させるべく上記照射手段を制御するとともに上記受光手段を受光可能に制御する制御手段と、上記受光手段による光の受光状態に基づいて部品の装着不良の有無を判別する判別手段とを備え、
    上記照射手段および受光手段は、上記待機高さ位置に配置された上記ヘッド先端の部品吸着部分に対してその斜め上方から光を照射しつつ当該部品吸着部分からの反射光を当該部品吸着部分の斜め上方の位置で受光するように上記ヘッドユニットに搭載され、
    上記判別手段は、上記受光手段による光の受光状態に基づき上記ヘッド先端における部品の有無を調べ、上記ヘッド先端に部品が有る場合に装着不良と判別することを特徴とする部品装着確認装置。
  5. 上記受光手段が上記ヘッド先端部分を撮像可能な撮像装置からなる一方、上記照射手段が上記撮像装置による撮像のための照明を提供する照明装置からなり、上記判別手段は、上記受光状態として上記撮像装置により撮像される画像に基づいて上記ヘッド先端における部品の有無を判別するように構成されていることを特徴とする請求項4記載の部品装着確認装置。
  6. 上記制御手段は、部品装着のためのヘッド昇降動作前に、基準状態として上記ヘッドに部品が吸着されている状態又は吸着されていない状態を撮像させるべく上記撮像装置および照明装置を制御するように構成され、上記判別手段は、上記基準状態の画像と部品装着のためのヘッド昇降動作後の上記撮像手段による撮像画像との差分画像に基づいて上記ヘッド先端における部品の有無を判別するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の部品装着確認装置
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