上述したように、多孔質絶縁膜の下にSiNより成るストッパ膜を形成し、かかるストッパ膜をエッチングストッパとして溝を形成した場合には、ストッパ膜の比誘電率が非常に高いため、配線間の寄生容量を十分に低減することが困難である。
ここで、エッチングストッパ膜を用いることなく、エッチング時間を適宜設定することにより、多孔質絶縁膜に溝を形成することも考えられる。
しかし、多孔質絶縁膜に形成する溝の深さをエッチング時間により正確に制御することは非常に困難であり、溝の深さに大きなばらつきが生じてしまう。溝の深さのばらつきは、配線抵抗のばらつき等を招いてしまうこととなる。また、多孔質絶縁膜に形成する溝の深さをエッチング時間により制御した場合には、溝の底面の状態が非常に粗くなってしまう。溝の底面の状態が非常に粗いと、溝の底面上に良質なバリア膜を形成することができない。このため、溝内に埋め込まれた配線材料が、バリア膜を介して外部に拡散してしまうこととなる。配線材料がバリア膜を介して多孔質絶縁膜中に拡散してしまうと、配線の断線等が生じてしまうこととなる。
また、多孔質絶縁膜より成る層間絶縁膜に配線を埋め込む場合には、開口部が形成されたフォトレジスト膜をマスクとして多孔質絶縁膜をエッチングすることにより溝を形成し、こうして形成された溝内に配線を埋め込む。しかし、フォトレジスト膜と多孔質絶縁膜との選択比が十分に確保されていない場合には、多孔質絶縁膜をエッチングする際にフォトレジスト膜までもが大きくエッチングされてしまい、所望の形状の溝を形成し得ない場合がある。フォトレジスト膜と多孔質絶縁膜との選択比が十分に確保し得ない場合にでも、所望の形状の溝を形成するためには、予め多孔質絶縁膜上にハードマスクとして機能する保護膜を形成しておく必要がある。保護膜(ハードマスク)としては、例えばCVD法により形成したシリコン酸化膜を用いることが考えられる。しかし、CVD法によりシリコン酸化膜を形成する場合には、シリコン酸化膜の膜厚を例えば30nm以上と比較的厚く設定せざるを得ない。CVD法によりシリコン酸化膜を薄く形成した場合には、良質なシリコン酸化膜を得ることができず、保護膜として十分機能し得ないためである。CVD法により形成されたシリコン酸化膜は、多孔質絶縁膜と比較して比誘電率が大きいため、シリコン酸化膜を30nm以上と比較的厚く設定した場合には、配線間の寄生容量を十分に低減することは困難である。
また、溝内に配線を埋め込む際には、溝内及び多孔質絶縁膜上に導電膜を形成し、CMP法により導電膜を研磨することにより、溝内に導電膜より成る配線を埋め込む。多孔質絶縁膜は水分を吸収しやすいため、CMP法による導電膜の研磨の際に水分が多孔質絶縁膜に達するのを防止すべく、多孔質絶縁膜上には予め保護膜(バリア膜)を形成しておく必要がある。保護膜としては、上記と同様に、例えばCVD法により形成したシリコン酸化膜を用いることが考えられる。しかし、CVD法によりシリコン酸化膜を形成する場合には、上述したように、シリコン酸化膜の膜厚を例えば30nm以上と比較的厚く設定せざるを得ない。CVD法によりシリコン酸化膜を薄く形成した場合には、上述したように、良質なシリコン酸化膜を得ることができず、バリア膜として十分機能し得ないためである。CVD法により形成されたシリコン酸化膜は、多孔質絶縁膜と比較して比誘電率が大きいため、シリコン酸化膜を30nm以上と比較的厚く設定した場合には、配線間の寄生容量を十分に低減することは困難である。
本願発明者らは、鋭意検討した結果、多孔質絶縁膜の表層部を緻密化する緻密化処理を行うことにより、多孔質絶縁膜の表層部に緻密層を形成し、この緻密層をエッチングストッパ膜や保護膜として用いることに想到した。かかる緻密層は、多孔質絶縁膜より密度が高いため、多孔質絶縁膜よりエッチング速度が遅い。このため、かかる緻密層は、エッチングストッパ膜として機能し得る。また、かかる緻密層は、密度が非常に高いため、CMP法により導電膜を研磨する際に多孔質絶縁膜に水分等が達するのを防止する保護膜(バリア膜)として機能し得る。また、かかる緻密層は、多孔質絶縁膜よりエッチング速度が遅いため、多孔質絶縁膜をエッチングする際にハードマスク(保護膜)としても機能しうる。しかも、かかる緻密層は、非常に薄く形成した場合であっても、エッチングストッパ膜や保護膜として十分に機能し得る。即ち、CVD法により絶縁膜を形成する場合には、30nm以上と比較的厚く形成しなければ良質な絶縁膜を形成し得ないが、多孔質の表層部を緻密化する緻密化処理により形成される緻密層は、極めて薄く形成した場合であっても良質なエッチングストッパ膜や保護膜となる。このように、本発明によれば、エッチングストッパ膜や保護膜として機能しうる良質な緻密層を極めて薄く形成することができるため、配線間の寄生容量を十分に低減することが可能となる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を図1乃至図8を用いて説明する。図1乃至図8は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図1(a)に示すように、半導体基板10に、例えばLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)法により素子分離膜12を形成する。素子分離膜12により、素子領域14が画定される。半導体基板10としては、例えばシリコン基板を用いる。
次に、素子領域14上に、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極18を形成する。次に、ゲート電極18の側面に、サイドウォール絶縁膜20を形成する。次に、サイドウォール絶縁膜20及びゲート電極18をマスクとして半導体基板10内にドーパント不純物を導入することにより、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にソース/ドレイン拡散層22を形成する。こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ24が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、シリコン酸化膜より成る層間絶縁膜26を形成する。
次に、層間絶縁膜26上に、例えば膜厚50nmのストッパ膜28を形成する。ストッパ膜28の材料としては、例えばプラズマCVD法により形成したSiN膜、水素化SiC膜(SiC:H膜)、水素化酸化SiC膜(SiC:O:H膜)、窒化SiC膜(SiC:N膜)等を用いる。なお、SiC:H膜とは、SiC膜中にH(水素)を存在させて成る膜である。SiC:O:H膜とは、SiC膜中にO(酸素)とH(水素)とを存在させて成る膜のことである。SiC:N膜とは、SiC膜中にN(窒素)を存在させて成る膜である。ストッパ膜28は、後述する工程においてCMP法によりタングステン膜34等を研磨する際にストッパとして機能する。また、ストッパ膜28は、後述する工程において層間絶縁膜38等に溝46を形成する際に、エッチングストッパとしても機能する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ソース/ドレイン拡散層22に達するコンタクトホール30を形成する(図1(b)参照)。
次に、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚50nmのTiN膜より成る密着層32を形成する。密着層32は、後述する導体プラグの下地に対する密着性を確保するためのものである。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚1μmのタングステン膜34を形成する。
次に、例えばCMP法により、ストッパ膜28の表面が露出するまで、密着層32及びタングステン膜34を研磨する。こうして、コンタクトホール内に、タングステンより成る導体プラグ34が埋め込まれる(図1(c)参照)。
次に、図2(a)に示すように、全面に、気相成長法、より具体的にはプラズマCVD法により、水素化酸化SiC膜(SiC:O:H膜)より成る絶縁膜36を形成する。SiC:O:H膜とは、上述したように、SiC膜中にO(酸素)とH(水素)とを存在させて成る膜のことである。SiC膜は電気的には半導体であるが、SiC:O:H膜は電気的には絶縁体である。絶縁膜36は、緻密性が高い絶縁膜である。絶縁膜36の密度は、後述する多孔質の絶縁膜38の密度より高い。絶縁膜36は、水分等の拡散を防止するバリア膜として機能するものである。絶縁膜36により、多孔質の絶縁膜38に水分等が達するのを防止することができ、多孔質の絶縁膜38の比誘電率が上昇するのを防止することが可能となる。
SiC:O:H膜より成る絶縁膜36は、例えば以下のようにして形成することができる。
まず、プラズマCVD装置のチャンバ内に、半導体基板10を導入する。プラズマCVD装置としては、例えば平行平板型のプラズマCVD装置を用いる。
次に、基板温度を300〜400℃に加熱する。
次に、アルキル基を有するシロキサンモノマを気化装置により気化し、反応性ガスを生成する。そして、不活性ガスをキャリアとして、反応性ガスをチャンバ内に導入する。反応性ガスの供給量は、例えば1mg/minとする。この際、平板電極間に高周波電力を印加すると、反応性ガスのプラズマが発生し、SiC:O:H膜より成る絶縁膜36が形成される。
こうして、SiC:O:Hより成る絶縁膜36が形成される。
次に、全面に、多孔質の層間絶縁膜(多孔質絶縁膜)38を形成する。多孔質の層間絶縁膜38としては、例えば多孔質シリカより成る層間絶縁膜(多孔質シリカ膜)を形成する。多孔質の層間絶縁膜38の膜厚は、例えば膜厚160nmとする。多孔質の層間絶縁膜38の形成方法は、例えば、後に詳述する多孔質の層間絶縁膜54の形成方法と同様とする。
次に、多孔質の層間絶縁膜38が形成された半導体基板10上の全面に、例えばプラズマCVD法により、絶縁膜40を形成する。絶縁膜40は、水分等の拡散を防止するバリア膜として機能するものである。絶縁膜40により、多孔質の絶縁膜38に水分等が達するのを防止することができ、多孔質の絶縁膜38の比誘電率が上昇するのを防止することが可能となる。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜42を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜42に開口部44を形成する(図2(b)参照)。開口部44は、後述する第1層目の配線(第1金属配線層)50を形成するためのものである。例えば、配線幅が100nm、配線間隔が100nmとなるように、開口部44をフォトレジスト膜42に形成する。
次に、図3(a)に示すように、フォトレジスト膜42をマスクとして、絶縁膜40、層間絶縁膜38及び絶縁膜36をエッチングする。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いてエッチングを行う。この際、ストッパ膜38が、エッチングストッパとして機能する。こうして、絶縁膜40、層間絶縁膜38及び絶縁膜36に、配線50を埋め込むための溝(トレンチ)46が形成される。導体プラグ34の上面は、溝内46に露出した状態となる。この後、フォトレジスト膜42を剥離する。
次に、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚10nmのTaNより成るバリア膜(図示せず)を形成する。バリア膜は、後述する配線中のCuが絶縁膜中に拡散するのを防止するためのものである。次に、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚10nmのCuより成るシード膜(図示せず)を形成する。シード膜は、電気めっき法によりCuより成る配線を形成する際に、電極として機能するものである。こうして、バリア膜とシード膜とから成る積層膜48が形成される。
次に、例えば電気めっき法により、膜厚600nmのCu膜50を形成する。
次に、CMP法により、絶縁膜の表面が露出するまで、Cu膜50及び積層膜48を研磨する。こうして、溝内にCuより成る配線50が埋め込まれる。このような配線50の製造プロセスは、シングルダマシン法と称される。
次に、全面に、例えばプラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜52を形成する。絶縁膜52は、水分の拡散を防止するバリア膜として機能するものである。絶縁膜52により、多孔質の層間絶縁膜38に水分が達するのが防止される。SiC:O:H膜より成る絶縁膜52は、例えば以下のようにして形成することができる。
まず、プラズマCVD装置のチャンバ内に半導体基板10を導入する。プラズマCVD装置としては、例えば平行平板型のプラズマCVD装置を用いる。
次に、基板温度を例えば400℃に設定する。
次に、トリメチルシランを気化装置により気化し、反応性ガスを生成する。そして、キャリアガスを用いて、反応性ガスをチャンバ内に導入する。この際、平板電極間に高周波電力を印加すると、反応性ガスのプラズマが発生する。この際、堆積レートを比較的遅く設定すれば、緻密性の高い絶縁膜40を形成することができる。具体的には、例えば、以下のように成膜条件を設定すれば、緻密性の高い絶縁膜40を形成することが可能である。反応性ガスの供給量は、例えば1mg/minとする。キャリアガスとしては、例えばCO2を用いる。キャリアガスの流量は、例えば100sccmとする。平板電極間に印加する高周波電力は、例えば、13.56MHz(200W)及び100kHz(200W)とする。平板電極間に高周波電力を印加してプラズマを発生させる時間は、例えば5秒間とする。
こうして、バリア膜として機能する絶縁膜52が形成される。
次に、図4(a)に示すように、全面に、多孔質の層間絶縁膜(多孔質絶縁膜)54を形成する。多孔質の層間絶縁膜54としては、例えば多孔質シリカより成る層間絶縁膜(多孔質シリカ膜)を形成する。多孔質の層間絶縁膜54の膜厚は、例えば膜厚180nmとする。
多孔質シリカより成る層間絶縁膜54は、後述する例えば以下のようにして形成することができる。
まず、多孔質の層間絶縁膜54を形成するための絶縁膜材料を用意する。具体的には、例えば、テトラアルコキシシラン、トリアルコキキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、アリルトリアルコキシシラン、グリシジルトリアルコキシシラン、ジアルコキキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、ジエチルジアルコキシシラン、ジプロピルジアルコキシシラン、ジフェニルジアルコキシシラン、ジビニルジアルコキシシラン、ジアリルジアルコキシシラン、ジグリシジルジアルコキシシラン、フェニルメチルジアルコキシシラン、フェニルエチルジアルコキシシラン、フェニルプロピルトリアルコキシシラン、フェニルビニルジアルコキシシラン、フェニルアリルジアルコキシシラン、フェニルグリシジルジアルコキシシラン、メチルビニルジアルコキシシラン、エチルビニルジアルコキシシラン、プロピルビニルジアルコキシシラン等を原料として用いて加水分解反応や縮重合反応を起こさせて成るポリマに、熱分解性化合物を添加して成る、液状の絶縁膜材料を用意する。熱分解性化合物としては、例えばアクリル樹脂等を用いる。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、絶縁膜材料を塗布する。塗布条件は、例えば3000回転/分、30秒とする。これにより、絶縁膜材料より成る層間絶縁膜54が形成される。
次に、熱処理(ソフトベーク)を行う。熱処理を行う際には、例えばホットプレートを用いる。これにより、熱分解性化合物が熱分解され、層間絶縁膜54中に空孔(細孔)が形成される。空孔の直径は、例えば10〜20nm程度となる。熱処理温度は、例えば200〜350℃に設定する。熱処理温度を200〜350℃に設定するのは、以下のような理由によるものである。熱処理温度を200℃より低く設定した場合には、熱分解性化合物が十分に熱分解されず、空孔が十分に形成されないこととなる。また、熱処理温度を200℃より低く設定した場合には、熱分解性化合物が熱分解される速度が極めて遅く、空孔を形成するのに長時間を要してしまうこととなる。一方、熱処理温度を350℃より高く設定した場合には、絶縁膜材料の硬化が急速に進行してしまい、空孔の形成が阻害されてしまうこととなる。このような理由により、熱処理温度は、200〜350℃に設定することが好ましい。ここでは、熱処理温度を例えば200℃とする。
こうして、多孔質シリカより成る層間絶縁膜(多孔質シリカ膜)54が形成される。
なお、多孔質の層間絶縁膜54の材料や形成方法等は、上記に限定されるものではない。
例えば、以下に示すように、気相成長法により、多孔質の層間絶縁膜(Carbon Doped SiO2膜)54を形成してもよい。
まず、プラズマCVD装置のチャンバ内に、半導体基板10を導入する。プラズマCVD装置としては、例えば平行平板型のプラズマCVD装置を用いる。
次に、基板温度を例えば300〜400℃に設定する。
次に、アルキル基を有するシロキサンモノマを気化装置により気化し、反応性ガスを生成する。そして、キャリアガスを用いて、反応性ガスをチャンバ内に導入する。この際、平板電極間に高周波電力を印加すると、反応性ガスのプラズマが発生する。この際、堆積レートを比較的速く設定すれば、多孔質の層間絶縁膜54を形成することができる。具体的には、例えば、以下のように成膜条件を設定すれば、多孔質の層間絶縁膜54を形成することが可能である。反応性ガスとしては、例えば、ヘキサメチルジシロキサンを用いる。反応性ガスの供給量は、例えば3mg/minとする。キャリアガスとしては、CO2を用いる。キャリアガスの流量は、例えば6000sccmとする。平板電極間に印加する高周波電力は、例えば、13.56MHz(500W)及び100kHz(500W)とする。こうして、カーボンを含むシリコン酸化膜より成る多孔質の層間絶縁膜54が形成される。
このように、気相成長法により、多孔質の層間絶縁膜(Carbon Doped SiO2膜)54を形成してもよい。
また、以下に示すように、熱分解性の原子団(熱分解性化合物)又は酸化分解性の原子団(酸化分解性化合物)を含む原料を用いて、熱分解性又は酸化分解性の原子団をプラズマにより分解させながら、気相成長法により多孔質の層間絶縁膜(Porous Carbon Doped SiO2膜)54を形成してもよい。
まず、プラズマCVD装置のチャンバ内に半導体基板10を導入する。プラズマCVD装置としては、例えば平行平板型のプラズマCVD装置を用いる。
次に、基板温度を例えば250〜350℃に設定する。
次に、アルキル基を有するシロキサンモノマを気化装置により気化し、第1の反応性ガスを生成する。また、フェニル基を有するシラン化合物を気化装置により気化し、第2の反応性ガスを生成する。なお、フェニル基は、加熱した状態で酸化反応を起こさせると分解する原子団(熱分解性及び酸化分解性の原子団)である。そして、CO2ガスをキャリアガスとして用いて、これらの反応性ガスをチャンバ内に導入する。この際、平板電極間に高周波電力を印加すると、CO2ガスがプラズマ(酸素プラズマ)となり、フェニル基が分解される。フェニル基を分解しながら、層間絶縁膜54を堆積するため、多孔質の層間絶縁膜54が形成されることとなる。成膜条件は、例えば以下のように設定する。第1の反応性ガスとしては、より具体的には、例えばヘキサメチルジシロキサンを用いる。第1の反応性ガスの供給量は、例えば1mg/minとする。第2の反応性ガスとしては、より具体的には、例えばジフェニルメチルシランを用いる。第2の反応性ガスの供給量は、例えば1mg/minとする。キャリアガスの流量は、例えば3000sccmとする。平板電極間に印加する高周波電力は、例えば、13.56MHz(300W)及び100kHz(300W)とする。こうして、カーボンを含むシリコン酸化膜より成る多孔質の層間絶縁膜54が形成される。
なお、ここでは、熱を加えながら酸化を行うと分解する熱分解性及び酸化分解性の原子団を含む材料を用いる場合を例に説明したが、酸化を行うことなく熱分解し得る熱分解性の原子団を含む原料、又は、加熱することなく酸化分解し得る酸化分解性の原子団を含む原料を用いて、気相成長法により多孔質の層間絶縁膜54を形成してもよい。
このように、熱分解性又は酸化分解性の原子団(熱分解性化合物、酸化分解性化合物)を含む原料を用い、熱分解性又は酸化分解性の原子団を、熱や酸素プラズマ等を用いて分解させながら、気相成長法により、多孔質の層間絶縁膜(Porous Carbon Doped SiO2膜)54を形成してもよい。
また、以下に示すように、熱分解性の有機化合物を含む絶縁膜材料を塗布した後、熱分解性の原子団を熱分解することにより、多孔質の層間絶縁膜(有機多孔質膜)54を形成してもよい。
まず、熱分解性有機化合物を含むポリアリールエーテルポリマを溶媒により希釈することにより、絶縁膜材料を形成する。熱分解性有機化合物としては、例えば200〜300℃で熱分解する有機化合物を用いる。このような有機化合物としては、例えばアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリルオリゴマ、エチレンオリゴマ、プロピレンオリゴマ等を用いる。溶媒としては、例えばシクロヘキサノンを用いる。
次に、半導体基板10上の全面に、スピンコート法により、絶縁膜材料を塗布する。これにより、半導体基板10上に絶縁膜材料より成る層間絶縁膜54が形成される。
次に、ホットプレートを用いて熱処理を行う。熱処理温度は、例えば100〜400℃とする。これにより、層間絶縁膜54中の溶媒が蒸発し、乾燥した層間絶縁膜54が形成される。
次に、キュア装置内に半導体基板10を導入し、熱処理を行う。熱処理温度は、例えば300〜400℃とする。これにより、熱分解性の有機化合物が熱分解し、層間絶縁膜54中に空孔が形成される。こうして、多孔質の層間絶縁膜54が形成される。
このように、熱分解性の有機化合物を含む絶縁膜材料を塗布した後、熱分解性の有機化合物を熱分解することにより、多孔質の層間絶縁膜(有機多孔質膜)54を形成してもよい。
また、以下に示すように、クラスタ状の珪素化合物(シリカ)を含む絶縁膜材料を塗布した後、熱処理を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜54を形成してもよい。
まず、クラスタ状のシリカを含む絶縁膜材料(シリカクラスタ前駆体)を用意する。このような絶縁膜材料としては、例えば、触媒化成工業株式会社製のナノクラスタリングシリカ(NCS)(型番:セラメートNCS)を用いる。かかる絶縁膜材料は、4級アルキルアミンを触媒として用いて、クラスタ状のシリカが形成されている。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、絶縁膜材料を塗布する。塗布条件は、例えば、3000回転/分、30秒とする。これにより、半導体基板10上に層間絶縁膜54が形成される。
次に、熱処理(ソフトベーク)を行う。熱処理を行う際には、例えばホットプレートを用いる。熱処理温度は、例えば200℃とする。熱処理時間は、例えば150秒とする。これにより、絶縁膜材料中の溶媒が蒸発し、多孔質の層間絶縁膜54が形成される。クラスタ状のシリカを含む絶縁膜材料を用いて層間絶縁膜54を形成するため、空孔が非常に小さい多孔質の層間絶縁膜54が形成される。具体的には、空孔の直径は、例えば2nm以下となる。また、クラスタ状のシリカを含む絶縁膜材料を用いて層間絶縁膜54を形成するため、空孔の分布が非常に均一となる。クラスタ状のシリカを含む絶縁膜材料を用いて層間絶縁膜54を形成すれば、極めて良質な多孔質の層間絶縁膜54を形成することが可能となる。
このように、クラスタ状の珪素化合物(シリカ)を含む絶縁膜材料を塗布した後、熱処理を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜54を形成してもよい。
なお、ここでは、クラスタ状の化合物として珪素化合物を含む絶縁膜材料を塗布する場合を例に説明したが、クラスタ状の化合物は珪素化合物に限定されるものではない。他のあらゆる材料より成るクラスタ状の化合物を含む絶縁膜材料を塗布してもよい。
上記のようにして形成される多孔質の層間絶縁膜54の密度は、0.6〜1.3g/cm3程度となる。
次に、多孔質の層間絶縁膜54の表層部を緻密化する緻密化処理を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に、緻密層56を形成する。
緻密層56は、例えば以下のようにして形成することができる。
例えば、エキシマランプを用い、多孔質の層間絶縁膜54に対して紫外線を照射する。大気中で紫外線を照射すると、オゾンが発生する。多孔質の層間絶縁膜54にオゾンが照射されると、多孔質の層間絶縁膜54の分子構造に導入されている嵩高い有機基がオゾンにより酸化され、SiOHが生成される。そうすると、生成されたSiOH同士が縮合し、SiO2が生成される。この際、嵩高い有機基の消失により分子間の距離が縮小されるとともに、分子同士がSiOHの縮合によって結合するため、緻密化が進行する。こうして、多孔質の層間絶縁膜54の表層部が、オゾンにより緻密化処理される。この緻密化処理により、多孔質の層間絶縁膜54の表層部には、多孔質の層間絶縁膜54より密度の高い緻密層56が形成されることとなる。
緻密層56を形成する際の条件は、例えば以下の通りとする。
エキシマランプの波長は、例えば172nmとする。紫外線を照射する際における圧力は、例えば常圧とする。紫外線を照射する時間は、例えば60秒とする。
緻密層56の厚さは、2〜25nmとすることが好ましい。緻密層56の厚さが2nm以下の場合には、緻密層56が薄すぎて、エッチングストッパ膜として十分に機能し得ないためである。また、緻密層56の厚さが25nmより大きい場合には、配線間の寄生容量がかなり大きくなってしまうためである。従って、緻密層56の厚さは、2〜25nmとすることが好ましい。
また、緻密層56の密度は、1.5〜3.5g/cm3とすることが好ましい。緻密層56の密度が1.5g/cm3より小さい場合には、緻密層56がエッチングストッパ膜として十分に機能し得ないためである。また、緻密層56が3.5g/cm3より大きい場合には、配線間の容量がかなり大きくなってしまうためである。従って、緻密層56の密度は、1.5〜3.5g/cm3とすることが好ましい。
なお、緻密層56を形成する際の条件は、上記に限定されるものではない。所望の厚さや所望の密度の緻密層56が得られるよう、緻密層56を形成する際における条件を適宜設定すればよい。
また、ここでは、大気中で紫外線を照射してオゾンを発生させることにより、多孔質の層間絶縁膜54の表層部をオゾンを用いて緻密化処理する場合を例に説明したが、層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成する方法は、これに限定されるものではない。
例えば、オゾン水を用いて緻密化処理することにより、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成してもよい。
また、ここでは、大気中で紫外線を照射することによりオゾンを発生させたが、オゾンを発生させる雰囲気は大気でなくてもよい。酸素を含む雰囲気中で紫外線等を照射すれば、オゾンを発生させることが可能である。
また、ここでは、オゾンを用いて緻密化処理を行うことにより層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成する場合を例に説明したが、層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成する方法は、オゾンを用いた緻密化処理に限定されるものではない。他のあらゆる方法により、層間絶縁膜54の表層部を緻密化処理することにより、層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成してもよい。
例えば、多孔質の層間絶縁膜54に電子線を照射することにより、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成してもよい。多孔質の層間絶縁膜54に電子線を照射すると、多孔質の層間絶縁膜54の分子構造に導入されている嵩高い有機基が分解されるとともに、SiOHが生成される。そうすると、生成されたSiOH同士が縮合し、SiO2が生成される。嵩高い有機基の消失により分子間の距離が縮小されるとともに、分子同士がSiOHの縮合によって結合するため、緻密化が進行する。こうして、多孔質の層間絶縁膜54の表層部が、オゾンにより緻密化処理される。このように、多孔質の層間絶縁膜54に電子線を照射した場合であっても、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に、多孔質の層間絶縁膜54より密度の高い緻密層56を形成することが可能である。
また、酸素又は二酸化炭素等を用いて生成したプラズマを多孔質の層間絶縁膜54に照射することにより、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成してもよい。酸素又は二酸化炭素等を用いて生成したプラズマを多孔質の層間絶縁膜54に照射すると、多孔質の層間絶縁膜54の分子構造に導入されている嵩高い有機基が酸化され、SiOHが生成される。そうすると、生成されたSiOH同士が縮合し、SiO2が生成される。嵩高い有機基の消失により分子間の距離が縮小されるとともに、分子同士がSiOHの縮合によって結合するため、緻密化が進行する。こうして、多孔質の層間絶縁膜54の表層部が、酸素又は二酸化炭素を用いて生成したプラズマにより緻密化処理される。このように、酸素又は二酸化炭素を用いて生成したプラズマを多孔質の層間絶縁膜54に照射した場合であっても、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に、多孔質の層間絶縁膜54より密度の高い緻密層56を形成することが可能である。
こうして、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に緻密層56が形成される。多孔質の層間絶縁膜54の表層部を緻密化処理することにより形成される緻密層56は、多孔質の層間絶縁膜54より密度が高いため、上述したように、多孔質の層間絶縁膜54よりエッチング速度が遅い。このため、かかる緻密層56は、エッチングストッパ膜として機能し得る。しかも、多孔質の層間絶縁膜54の表層部を緻密化処理することにより形成される緻密層56は、極めて薄く形成した場合であっても、エッチングストッパ膜として十分に機能し得る。従って、本実施形態によれば、配線間の寄生容量を十分に低減することが可能となる。
次に、図5に示すように、多孔質の層間絶縁膜58を形成する。多孔質の層間絶縁膜58の形成方法は、例えば、上述した多孔質の層間絶縁膜54の形成方法と同様とする。層間絶縁膜58の膜厚は、例えば160nmとする。
次に、多孔質の層間絶縁膜58の表層部を緻密化する緻密化処理を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜58の表層部に、緻密層60を形成する。緻密層60の形成方法は、例えば、上述した緻密層56の形成方法と同様とする。
緻密層60の厚さは、2〜25nmとすることが好ましい。緻密層60の厚さが2nm以下の場合には、緻密層60が薄すぎて、保護膜として十分に機能し得ないためである。また、緻密層60の厚さが25nmより大きい場合には、配線間の寄生容量がかなり大きくなってしまうためである。従って、緻密層60の厚さは、2〜25nmとすることが好ましい。
また、緻密層60の密度は、1.5〜3.5g/cm3とすることが好ましい。緻密層60の密度が1.5g/cm3より小さい場合には、緻密層60が保護膜として十分に機能し得ないためである。また、緻密層60が3.5g/cm3より大きい場合には、配線間の容量がかなり大きくなってしまうためである。従って、緻密層60の密度は、1.5〜3.5g/cm3とすることが好ましい。
なお、緻密層60を形成する際の条件は、上記に限定されるものではない。所望の厚さや所望の密度の緻密層60が得られるよう、緻密層60を形成する際における条件を適宜設定すればよい。
次に、層間絶縁膜54、58等を焼成することにより、層間絶縁膜54、58等を硬化(キュア)させる。層間絶縁膜54、58等を硬化させる際の条件は、例えば以下の通りとする。キュア炉内に導入するガスとしては、例えば窒素ガスを用いる。窒素ガスの流量は、例えば10リットル/分とする。キュア炉内の温度は、400℃とする。焼成時間は、30分とする。こうして、層間絶縁膜54、58等が硬化する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜62を形成する。
次に、図6に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜62に開口部64を形成する。開口部64は、配線50に達するコンタクトホール66を形成するためのものである。
次に、フォトレジスト膜62をマスクとして、緻密層60、層間絶縁膜58、緻密層56、層間絶縁膜54及び絶縁膜52をエッチングする。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いてエッチングを行う。エッチングガスの組成比やエッチングの際の圧力等を適宜変化させることにより、緻密層60、層間絶縁膜58、緻密層56、層間絶縁膜54及び絶縁膜52をエッチングすることが可能である。フォトレジスト膜62に対する層間絶縁膜54、58等の選択比が十分に高くない場合には、層間絶縁膜54、58等をエッチングする際にフォトレジスト膜62が徐々にエッチングされ、緻密層60の表面が露出してしまう場合もある。多孔質の層間絶縁膜58を緻密化処理することにより形成される緻密層は、多孔質の層間絶縁膜58よりエッチング速度が遅いため、フォトレジスト膜62がエッチングにより殆ど除去されてしまった場合でも、ある程度は残ることとなる。このため、本実施形態によれば、多孔質の層間絶縁膜58の上層部に形成された緻密層60は、多孔質の層間絶縁膜58を保護する保護膜(ハードマスク)として機能することができる。しかも、多孔質の層間絶縁膜54、58を緻密化処理することにより形成される緻密層56、60は、極めて薄く形成した場合であっても、エッチングストッパ膜や保護膜として十分に機能し得る。従って、本発明によれば、配線間の寄生容量を十分に低減することが可能となる。こうして、配線50に達するコンタクトホール66が形成される。この後、フォトレジスト膜62を剥離する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜68を形成する。
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜68に開口部70を形成する。この開口部70は、後述する第2層目の配線(第2金属配線層)76aを形成するためのものである。
次に、フォトレジスト膜68をマスクとし、緻密層56をエッチングストッパとして、緻密層60及び層間絶縁膜58をエッチングする。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いてエッチングを行う。多孔質の層間絶縁膜54の表層部を緻密化処理することにより形成した緻密層56は、多孔質の層間絶縁膜58と比較してエッチング速度が遅いため、緻密層56はエッチングストッパとして機能する。緻密層56に対する層間絶縁膜58のエッチング選択比は、2以上とすることが好ましい。エッチング選択比があまりに低いと、緻密層56がかなりエッチングされてしまい、溝の底面が非常に粗くなってしまうためである。溝の底面の状態が非常に粗いと、溝の底面上に良質なバリア膜を形成することができない。このため、溝内に埋め込まれる配線材料が、バリア膜を介して外部に拡散してしまうこととなる。配線材料がバリア膜を介して層間絶縁膜58中に拡散してしまうと、配線76aの断線等が生じてしまうこととなる。
フォトレジスト膜68に対する層間絶縁膜58等の選択比が十分に高くない場合には、層間絶縁膜58等をエッチングする際にフォトレジスト膜68が徐々にエッチングされ、緻密層60の表面が露出してしまう場合もある。多孔質の層間絶縁膜58の表層部を緻密化処理することにより形成される緻密層は、上述したように多孔質の層間絶縁膜58よりエッチング速度が遅いため、フォトレジスト膜62がエッチングにより殆ど除去されてしまった場合でも、ある程度は残ることとなる。このため、本実施形態によれば、多孔質の層間絶縁膜58の上層部に形成された緻密層60は、多孔質の層間絶縁膜58を保護する保護膜(ハードマスク)として機能し得る。こうして、層間絶縁膜58に、配線76aを埋め込むための溝72が形成される。溝72は、コンタクトホール66と繋がった状態となる。
次に、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚10nmのTaNより成るバリア膜(図示せず)を形成する。バリア膜は、後述する配線76a及び導体プラグ76b中のCuが拡散するのを防止するためのものである。次に、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚10nmのCuより成るシード膜(図示せず)を形成する。シード膜は、電気めっき法によりCuより成る配線76a及び導体プラグ76bを形成する際に、電極として機能するものである。こうして、バリア膜とシード膜とから成る積層膜74が形成される。
次に、例えば電気めっき法により、膜厚1400nmのCu膜76を形成する。
次に、CMP法により、絶縁膜60の表面が露出するまで、Cu膜76及び積層膜74を研磨する。こうして、コンタクトホール66内にCuより成る導体プラグ76bが埋め込まれるとともに、溝72内にCuより成る配線76aが埋め込まれる。導体プラグ76bと配線76aとは一体に形成される(図8(a)参照)。このように導体プラグ76bと配線76aとを一括して形成する製造プロセスは、デュアルダマシン法と称される。多孔質の層間絶縁膜58の表層部を緻密化処理することにより形成された緻密層60は、密度が比較的高いため、CMP法によりCu膜76を研磨する際に多孔質の層間絶縁膜58に水分等が達するのを防止する保護膜(バリア膜)としても機能し得る。
次に、図8(b)に示すように、全面に、例えばプラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜78を形成する。絶縁膜78の形成方法は、例えば、上述した絶縁膜78の形成方法と同様とする。絶縁膜78は、水分の拡散を防止するバリア膜として機能するものである。
この後、上記と同様の工程を適宜繰り返すことにより、図示しない第3層目の配線(第3金属配線層)が形成される。
こうして本実施形態による半導体装置が製造される。
このように、本実施形態によれば、エッチングストッパ膜や保護膜として十分に機能しうる良質な緻密層を、多孔質の層間絶縁膜の表層部に極めて薄く形成することができるため、配線間の寄生容量を十分に低減することが可能となる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を図9乃至図12を用いて説明する。図9乃至図12は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図8に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置の製造方法は、エッチングストッパ膜として機能しうる緻密層56については、多孔質の層間絶縁膜54の表層部を緻密化処理することにより形成し、多孔質の層間絶縁膜58を保護する保護膜80については、気相成長法又は塗布法等により形成することに主な特徴がある。
まず、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成する工程までは、図1(a)乃至図4を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。即ち、エッチングストッパ膜として機能する緻密層は、多孔質の層間絶縁膜54の表層部を緻密化処理することにより形成する。
次に、図9に示すように、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、多孔質の層間絶縁膜58を形成する。
次に、多孔質の層間絶縁膜58上に、気相成長法、より具体的にはプラズマCVD法により、緻密性の高い絶縁膜80を形成する。絶縁膜80としては、例えばSiC:O:H膜を形成する。絶縁膜80の膜厚は、例えば30nmとする。SiC:O:H膜より成る絶縁膜80は、例えば以下のようにして形成する。
まず、プラズマCVD装置のチャンバ内に半導体基板10を導入する。プラズマCVD装置としては、例えば平行平板型のプラズマCVD装置を用いる。
次に、基板温度を例えば400℃に設定する。
次に、SiC4H12を気化装置により気化し、反応性ガスを生成する。そして、キャリアガスを用いて、反応性ガスをチャンバ内に導入する。この際、平板電極間に高周波電力を印加すると、反応性ガスのプラズマが発生する。この際、堆積レートを比較的遅く設定すれば、緻密性の高い絶縁膜80を形成することができる。具体的には、例えば、以下のように成膜条件を設定すれば、緻密性の高い絶縁膜80を形成することが可能である。反応性ガスの供給量は、例えば1mg/minとする。キャリアガスとしては、例えばCO2を用いる。キャリアガスの流量は、例えば100sccmとする。平板電極間に印加する高周波電力は、例えば、13.56MHz(200W)及び100kHz(200W)とする。平板電極間に高周波電力を印加してプラズマを発生させる時間は、例えば5秒間とする。
こうして、SiC:O:H膜より成る緻密性の高い絶縁膜80が、気相成長法により形成される。
緻密性の高い絶縁膜80の厚さは、30nm程度とすることが好ましい。絶縁膜80の厚さがあまりに薄すぎると、保護膜として十分に機能し得ないためである。また、絶縁膜80の厚さがあまりに厚すぎると、配線間の寄生容量がかなり大きくなってしまうためである。従って、絶縁膜80の厚さは、30nm程度とすることが好ましい。
また、緻密性の高い絶縁膜80の密度は、1.5〜3.5g/cm3とすることが好ましい。絶縁膜80の密度が1.5g/cm3より小さい場合には、絶縁膜80が保護膜として十分に機能し得ないためである。また、絶縁膜80が3.5g/cm3より大きい場合には、配線間の容量がかなり大きくなってしまうためである。従って、絶縁膜80の密度は、1.5〜3.5g/cm3とすることが好ましい。
なお、緻密性の高い絶縁膜80の材料や成膜方法は上記に限定されるものではない。
例えば、以下に示すように、気密性の高いシリコン酸化膜より成る絶縁膜80を、気相成長法により形成してもよい。
まず、プラズマCVD装置のチャンバ内に半導体基板10を載置する。プラズマCVD装置としては、例えば平行平板型のプラズマCVD装置を用いる。
次に、基板温度を、例えば400℃に設定する。
次に、トリメチルシランを気化装置により気化し、反応性ガスを生成する。そして、不活性ガスをキャリアとして、反応性ガスをチャンバ内に導入する。この際、平板電極間に高周波電力を印加すると、反応性ガスのプラズマが発生する。この際、堆積レートを比較的遅く設定すれば、緻密性の高い絶縁膜80を形成することが可能となる。具体的には、例えば、以下のように成膜条件を設定すれば、緻密性の高い絶縁膜80を形成することが可能である。反応性ガスの供給量は、例えば1mg/minとする。キャリアガスとしては、例えばCO2を用いる。キャリアガスの流量は、例えば100sccmとする。平板電極間に印加する高周波電力は、例えば、13.56MHz(200W)及び100kHz(200W)とする。平板電極間に高周波電力を印加してプラズマを発生させる時間は、例えば5秒間とする。
このような条件でシリコン酸化膜より成る絶縁膜80を形成すると、絶縁膜40の密度は例えば2g/cm3程度となる。なお、ここでは、絶縁膜80の膜厚を例えば30nmとする。こうして、緻密性の高い絶縁膜80が、多孔質の層間絶縁膜58上に形成される。
また、以下に示すように、カーボンがドープされたシリコン酸化膜より成る緻密性の高い絶縁膜(Carbon Doped SiO2膜)80を、気相成長法により形成してもよい。
まず、プラズマCVD装置のチャンバ内に半導体基板10を載置する。プラズマCVD装置としては、例えば平行平板型のプラズマCVD装置を用いる。
次に、基板温度を例えば400℃に設定する。
次に、ヘキサメチルジシロキサンを気化装置により気化し、反応性ガスを生成する。そして、不活性ガスをキャリアとして、反応性ガスをチャンバ内に導入する。この際、平板電極間に高周波電力を印加すると、反応性ガスのプラズマが発生する。この際、堆積レートを比較的遅く設定すれば、緻密性の高い絶縁膜80を形成することができる。具体的には、例えば、以下のように成膜条件を設定すれば、緻密性の高い絶縁膜80を形成することが可能である。反応性ガスの供給量は、例えば1mg/minとする。キャリアガスの流量は、例えば500sccmとする。平板電極間に印加する高周波電力は、例えば、13.56MHz(200W)及び100kHz(200W)とする。平板電極間に高周波電力を印加してプラズマを発生させる時間は、例えば5秒間とする。
このように、カーボンがドープされたシリコン酸化膜より成る緻密性の高い絶縁膜(Carbon Doped SiO2膜)80を、気相成長法により形成してもよい。
また、以下に示すように、水素化SiC膜(SiC:H膜)より成る緻密性の高い絶縁膜80を、気相成長法により形成してもよい。SiC:H膜とは、上述したように、SiC膜中にH(水素)を存在させて成る膜である。
まず、プラズマCVD装置のチャンバ内に半導体基板10を載置する。プラズマCVD装置としては、例えば平行平板型のプラズマCVD装置を用いる。
次に、基板温度を例えば400℃に設定する。
次に、トリメチルシランを気化装置により気化し、反応性ガスを生成する。そして、キャリアガスを用いて、反応性ガスをチャンバ内に導入する。この際、平板電極間に高周波電力を印加すると、反応性ガスのプラズマが発生する。この際、堆積レートを比較的遅く設定すれば、緻密性の高い絶縁膜80を形成することができる。具体的には、例えば、以下のように成膜条件を設定すれば、緻密性の高い絶縁膜80を形成することが可能である。反応性ガスの供給量は、例えば1mg/minとする。キャリアガスとしては、例えば窒素を用いる。キャリアガスの流量は、例えば1000sccmとする。平板電極間に印加する高周波電力は、例えば、13.56MHz(200W)及び100kHz(200W)とする。平板電極間に高周波電力を印加してプラズマを発生させる時間は、例えば5秒間とする。
このように、SiC:H膜より成る緻密性の高い絶縁膜80を、気相成長法により形成してもよい。
また、以下に示すように、窒化SiC膜(SiC:N膜)より成る緻密性の高い絶縁膜80を、気相成長法により形成してもよい。SiC:N膜とは、上述したように、SiC膜中にN(窒素)を存在させて成る膜である。
まず、プラズマCVD装置のチャンバ内に半導体基板10を載置する。プラズマCVD装置としては、例えば平行平板型のプラズマCVD装置を用いる。
次に、基板温度を例えば400℃に設定する。
次に、トリメチルシランを気化装置により気化し、反応性ガスを生成する。そして、キャリアガスを用いて、反応性ガスをチャンバ内に導入する。この際、平板電極間に高周波電力を印加すると、反応性ガスのプラズマが発生する。この際、堆積レートを比較的遅く設定すれば、緻密性の高い絶縁膜80を形成することができる。具体的には、例えば、以下のように成膜条件を設定すれば、緻密性の高い絶縁膜80を形成することが可能である。反応性ガスの供給量は、例えば1mg/minとする。キャリアガスとしては、例えばアンモニアを用いる。平板電極間に印加する高周波電力は、例えば、13.56MHz(200W)及び100kHz(200W)とする。平板電極間に高周波電力を印加してプラズマを発生させる時間は、例えば5秒間とする。
このように、SiC:N膜より成る緻密性の高い絶縁膜80を、気相成長法により形成してもよい。
また、以下に示すように、有機SOG膜を塗布することにより、緻密性の高い絶縁膜80を形成してもよい。
まず、有機SOG膜を形成するための絶縁膜材料を用意する。このような絶縁膜材料としては、例えば、テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランとを原料として用い、加水分解反応及び縮合反応を起こさせて成るポリマを用いる。
次に、全面に、スピンコート法により、絶縁膜材料を塗布する。塗布条件は、例えば3000回転/分、30秒とする。これにより、多孔質の層間絶縁膜58上に絶縁膜80が形成される。
次に、熱処理(ソフトベーク)を行う。熱処理を行う際には、例えばホットプレートを用いる。熱処理温度は、例えば200℃とする。熱処理時間は、例えば150秒とする。
このように、有機SOG膜を塗布することにより、絶縁膜80を形成してもよい。
また、以下に示すように、無機SOG膜を塗布することにより、緻密性の高い絶縁膜80を形成してもよい。
まず、無機SOG膜を形成するための絶縁膜材料を用意する。このような絶縁膜材料としては、例えば、テトラエトキシシランを原料として用い、加水分解反応及び縮合反応を起こさせて成るポリマを用いる。
次に、全面に、スピンコート法により、絶縁膜材料を塗布する。塗布条件は、例えば3000回転/分、30秒とする。これにより、多孔質の層間絶縁膜58上に絶縁膜80が形成される。
次に、熱処理(ソフトベーク)を行う。熱処理を行う際には、例えばホットプレートを用いる。熱処理温度は、例えば200℃とする。熱処理時間は、例えば150秒とする。
このように、無機SOG膜を塗布することにより、緻密性の高い絶縁膜80を形成してもよい。
この後の半導体装置の製造方法は、図6乃至図8(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図10乃至図12(b)参照)。
このように、エッチングストッパ膜として機能しうる緻密層56については、多孔質の層間絶縁膜54の表層部を緻密化処理することにより形成し、多孔質の層間絶縁膜58を保護する保護膜80については、気相成長法や塗布法等により形成してもよい。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を図13乃至図16を用いて説明する。図13乃至図16は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図12に示す第1又は第2実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置の製造方法は、エッチングストッパ膜として機能しうる絶縁膜82については、気相成長法又は塗布法等により形成し、保護膜として機能しうる緻密層60については、多孔質の層間絶縁膜58の表層部を緻密化処理することにより形成することに主な特徴がある。
まず、絶縁膜52を形成する工程までは、図1(a)乃至図3(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
次に、図13(a)に示すように、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、多孔質の層間絶縁膜54を形成する。
次に、多孔質の層間絶縁膜54上に、気相成長法又は塗布法等により、緻密性の高い絶縁膜82を形成する。緻密性の高い絶縁膜82の形成方法は、例えば、上述した緻密性の高い絶縁膜80の形成方法と同様とする。ここでは、絶縁膜82として、例えばSiC:O:H膜を形成する。絶縁膜82の膜厚は、例えば30nmとする。
この後の半導体装置の製造方法は、図6乃至図8(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図14乃至図16(b)参照)。
このように、エッチングストッパ膜として機能しうる絶縁膜82については、気相成長法又は塗布法等により形成し、保護膜として機能しうる緻密層60については、多孔質の層間絶縁膜58の表層部を緻密化処理することにより形成してもよい。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を図17乃至図20を用いて説明する。図17乃至図20は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図16に示す第1乃至第3実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置の製造方法は、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成し、多孔質の層間絶縁膜58の表層部に緻密層60を形成した後に、気相成長法又は塗布法により絶縁膜84を更に形成し、この後、コンタクトホール66や溝72等を形成することに主な特徴がある。
まず、多孔質の層間絶縁膜58の表層部に緻密層60を形成する工程までは、図1(a)乃至図5を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する(図17(a)参照)。
次に、図17(b)に示すように、多孔質の層間絶縁膜60上に、気相成長法又は塗布法等により、緻密性の高い絶縁膜84を形成する。緻密性の高い絶縁膜84の形成方法は、例えば、上述した緻密性の高い絶縁膜80の形成方法と同様とする。ここでは、絶縁膜84として、例えばSiC:O:H膜を形成する。絶縁膜84の膜厚は、例えば30nmとする。
こうして、緻密性の高い絶縁膜84が、気相成長法又は塗布法等により形成される。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜62を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜62に開口部64を形成する(図18参照)。開口部64は、配線50に達するコンタクトホール66を形成するためのものである。
次に、フォトレジスト膜62をマスクとして、絶縁膜84、緻密層60、層間絶縁膜58、緻密層56、層間絶縁膜54及び絶縁膜52をエッチングする。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いてエッチングを行う。エッチングガスの組成比やエッチングの際の圧力等を適宜変化させることにより、絶縁膜84、緻密層60、層間絶縁膜58、緻密層56、層間絶縁膜54及び絶縁膜52をエッチングすることが可能である。フォトレジスト膜62に対する層間絶縁膜54、58等の選択比が十分に高くない場合には、層間絶縁膜54、58等をエッチングする際にフォトレジスト膜62が徐々にエッチングされ、絶縁膜84の表面が露出してしまう場合もある。緻密性の高い絶縁膜84は、多孔質の層間絶縁膜54、58よりエッチング速度が遅いため、フォトレジスト膜62がエッチングにより殆ど除去されてしまった場合でも、ある程度は残ることとなる。このため、絶縁膜84は、コンタクトホール66を形成する際における保護膜(ハードマスク)として機能する。こうして、配線50に達するコンタクトホール66が形成される。この後、フォトレジスト膜62を剥離する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜68を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜68に開口部70を形成する(図19参照)。この開口部70は、第2層目の配線(第2金属配線層)76aを形成するためのものである。
次に、フォトレジスト膜68をマスクとし、緻密層56をエッチングストッパとして、緻密層60及び層間絶縁膜58をエッチングする。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いてエッチングを行う。コンタクトホール66を形成する工程(図18参照)において、フォトレジスト膜62に対する層間絶縁膜54、58等の選択比が十分に高くない場合には、層間絶縁膜54、58等をエッチングする際にフォトレジスト膜62が徐々にエッチングされ、絶縁膜84までもが殆どエッチングされてしまう場合がある。そして、フォトレジスト膜68に対する層間絶縁膜58等の選択比が十分に高くない場合には、層間絶縁膜58等をエッチングする際にフォトレジスト膜68が徐々にエッチングされ、緻密層60の表面が露出してしまう場合もある。多孔質の層間絶縁膜58を緻密化処理することにより形成される緻密層は、上述したように、多孔質の層間絶縁膜58よりエッチング速度が遅いため、フォトレジスト膜62がエッチングにより殆ど除去されてしまった場合でも、ある程度は残ることとなる。このため、本実施形態によれば、多孔質の層間絶縁膜58の上層部に形成された緻密層60は、多孔質の層間絶縁膜58を保護する保護膜(ハードマスク)として機能することができる。こうして、層間絶縁膜58に、配線76aを埋め込むための溝72が形成される。溝72は、コンタクトホール66と繋がった状態となる。
この後の半導体装置の製造方法は、図8(a)及び図8(b)を用いて上述して半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図20(a)及び図20(b)参照)。
こうして本実施形態による半導体装置が製造される。
このように、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成し、多孔質の層間絶縁膜58の表層部に緻密層60を形成した後に、気相成長法により絶縁膜84を更に形成し、この後、コンタクトホール66や溝72等を形成してもよい。本実施形態によれば、コンタクトホール66を形成する工程においては絶縁膜84がハードマスクとして機能し、溝72を形成する工程においては緻密層60がハードマスクとして機能する。このため、本実施形態によれば、配線76a等を埋め込むための溝72等を確実に形成することができる。従って、本実施形態によれば、半導体装置を製造する際における歩留りを向上することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による半導体装置の製造方法を図21乃至図25を用いて説明する。図21乃至図25は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図20に示す第1乃至第4実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置の製造方法は、多孔質の層間絶縁膜54上に形成するエッチングストッパ膜として、気相成長法又は塗布法等により形成した絶縁膜82を用い、多孔質の層間絶縁膜58の表層部に緻密層60を形成した後に、気相成長法又は塗布法により絶縁膜84を更に形成し、この後、コンタクトホール66や溝72等を形成することに主な特徴がある。
まず、絶縁膜52を形成するまでの工程は、図1(a)乃至図3(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、多孔質の層間絶縁膜54を形成する。
次に、多孔質の層間絶縁膜54上に、気相成長法又は塗布法等により、緻密性の高い絶縁膜82を形成する。緻密性の高い絶縁膜82の形成方法は、例えば、上述した緻密性の高い絶縁膜80の形成方法と同様とする。ここでは、絶縁膜82として、例えばSiC:O:H膜を形成する。絶縁膜82の膜厚は、例えば30nmとする。
この後の半導体装置の製造方法は、図17(a)乃至図20(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図22(a)乃至図25(b)参照)。
このように、多孔質の層間絶縁膜54上に形成するエッチングストッパ膜として、気相成長法又は塗布法等により形成した絶縁膜82を用い、多孔質の層間絶縁膜58の表層部に緻密層60を形成した後に、気相成長法又は塗布法により絶縁膜84を更に形成し、この後、コンタクトホール66や溝72等を形成してもよい。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、多孔質の層間絶縁膜の形成方法は、上記に限定されるものではない。他のあらゆる形成方法により、多孔質の層間絶縁膜を形成してもよい。また、多孔質の絶縁膜の材料も上記に限定されるものではない。
また、緻密層の形成方法は、上記に限定されるものではない。他のあらゆる形成方法により、緻密層を形成してもよい。また、緻密性の材料も上記に限定されるものではない。
また、緻密性の高い絶縁膜の形成方法は、上記に限定されるものではない。他のあらゆる形成方法により、緻密性の高い絶縁膜を形成してもよい。また、緻密性の高い絶縁膜の材料も上記に限定されるものではない。
[実施例1]
図26は、実施例1による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、以下のようにして、絶縁膜材料を作製した。即ち、テトラエトキシシラン20.8g(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン17.8g(0.1mol)、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン23.6g(0.1mol)、及び、メチルイソブチルケトン39.6gを、200mlの反応容器内に入れ、1%のテトラブチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液16.2gを10分間で滴下した。滴下終了後、熟成反応を2時間行った。次に、硫酸マグネシウム5gを添加し、過剰の水分を除去した。次に、ロータリーエバポレータを用い、熟成反応の際に生成されたエタノールを、反応溶液が50mlになるまで除去した。こうして得られた反応溶液に、メチルイソブチルケトンを20ml添加し、絶縁膜材料(多孔質シリカ前駆体)を作製した。
次に、スピンコート法により、シリコンウェハ(半導体基板)10上に絶縁膜材料を塗布した。塗布条件は3000回転/分、30秒とした。
次に、ホットプレートを用い、200℃の熱処理(ソフトベーク)を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜54を形成した(図26(a)参照)。
次に、図26(b)に示すように、エキシマランプを用い、多孔質の層間絶縁膜54に紫外線を照射した。エキシマランプの波長は、例えば172nmとした。紫外線の照射は、大気中で行った。紫外線を照射する際における圧力は、常圧とした。紫外線を照射する時間は、60秒とした。このような条件でオゾンを用いた緻密化処理を行ったところ、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に緻密層56が形成された。こうして形成された緻密層56等に対して、分光エリプソ法による測定を行った。その結果、緻密層56の膜厚は10nmであった。緻密層56の屈折率は1.44であった。多孔質の層間絶縁膜54の膜厚は、160nmであった。多孔質の層間絶縁膜54の屈折率は1.29であった。また、X線回折装置を用いて密度を測定したところ、緻密層56の密度は2.1g/cm3であった。多孔質の層間絶縁膜54の密度は、1.05g/cm3であった。
次に、スピンコート法により、緻密層56上に絶縁膜材料を塗布した。塗布条件は3000回転/分、30秒とした。
次に、ホットプレートを用い、200℃の熱処理(ソフトベーク)を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜58を形成した(図26(c)参照)。
次に、層間絶縁膜54、58等を焼成することにより、層間絶縁膜54、58等を硬化(キュア)させた。キュア炉内に導入するガスとしては、窒素ガスを用いた。窒素ガスの流量は、例えば10リットル/分とした。キュア炉内の温度は、400℃とした。焼成時間は、30分とした。層間絶縁膜54、緻密層56及び層間絶縁膜58より成る積層体について、比誘電率を測定したところ、2.3であった。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成した。次に、フォトレジスト膜をマスクとし、緻密層56をエッチングストッパとして、多孔質の層間絶縁膜58をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。こうして、絶縁膜58に、配線(図示せず)を埋め込むための溝72を形成した(図26(d)参照)。原子間力顕微鏡(AFM)を用いて溝72の底面の粗さを測定したところ、3nmと比較的小さかった。
[実施例2]
図27及び図28は、実施例2による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、実施例1と同様にして、シリコンウェハ10上に絶縁膜材料を塗布した。
次に、実施例1と同様にして、熱処理(ソフトベーク)を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜54を形成した(図27(a)参照)。
次に、実施例1と同様にして、紫外線を照射し、オゾンを用いて緻密化処理を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成した(図27(b)参照)。
次に、実施例1と同様にして、スピンコート法により、緻密層56上に絶縁膜材料を塗布した。
次に、実施例1と同様にして、200℃の熱処理(ソフトベーク)を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜58を形成した(図27(c)参照)。
次に、図27(d)に示すように、エキシマランプを用い、多孔質の層間絶縁膜58に紫外線を照射した。エキシマランプの波長は、例えば172nmとした。紫外線の照射は、大気中で行った。紫外線を照射する際における圧力は、常圧とした。紫外線を照射する時間は、60秒とした。このような条件でオゾンを用いた緻密化処理を行ったところ、多孔質の層間絶縁膜58の表層部に緻密層60が形成された。
次に、層間絶縁膜54、58等を焼成することにより、層間絶縁膜54、58等を硬化(キュア)させた。キュア炉内に導入するガスとしては、窒素ガスを用いた。窒素ガスの流量は、例えば10リットル/分とした。キュア炉内の温度は、400℃とした。焼成時間は、30分とした。層間絶縁膜54、緻密層56及び層間絶縁膜58より成る積層体について、比誘電率を測定したところ、2.35であった。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成した。次に、フォトレジスト膜をマスクとし、緻密層56をエッチングストッパとして、緻密層60及び多孔質の層間絶縁膜58をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。こうして、絶縁膜58に、配線(図示せず)を埋め込むための溝72を形成した(図28参照)。原子間力顕微鏡(AFM)を用いて溝72の底面の粗さを測定したところ、5nmと比較的小さかった。
[比較例1]
図29は、比較例1による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、実施例1と同様にして、シリコンウェハ10上に絶縁膜材料を塗布した。
次に、実施例1と同様にして、200℃の熱処理(ソフトベーク)を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜54を形成した(図29(a)参照)。こうして形成された多孔質の層間絶縁膜54に対して、分光エリプソ法による測定を行った。その結果、多孔質の層間絶縁膜54の膜厚は、165nmであった。多孔質の層間絶縁膜54の屈折率は1.29であった。
次に、スピンコート法により、多孔質の層間絶縁膜54上に絶縁膜材料を塗布した。塗布条件は3000回転/分、30秒とした。
次に、ホットプレートを用い、200℃の熱処理(ソフトベーク)を行うことにより、多孔質の層間絶縁膜58を形成した(図29(b)参照)。
次に、層間絶縁膜54、58を焼成することにより、層間絶縁膜54、58を硬化(キュア)させた。キュア炉内に導入するガスとしては、窒素ガスを用いた。窒素ガスの流量は、例えば10リットル/分とした。キュア炉内の温度は、400℃とした。焼成時間は、30分とした。層間絶縁膜54及び層間絶縁膜58より成る積層体について、比誘電率を測定したところ、2.3であった。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成した。次に、フォトレジスト膜をマスクとして、エッチングストッパ膜を形成することなく、多孔質の層間絶縁膜58をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。こうして、絶縁膜58に、配線(図示せず)を埋め込むための溝72を形成した(図29(c)参照)。原子間力顕微鏡(AFM)を用いて溝72の底面の粗さを測定したところ、12nmと非常に大きかった。このことから、エッチングストッパ膜を用いることなく、エッチング時間を制御することにより溝72を形成した場合には、溝72の底面が非常に粗くなってしまうことが分かる。
[実施例3]
まず、半導体基板10上に、LOCOS法により素子分離膜12を形成した。次に、素子領域14上に、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極18を形成した。次に、ゲート電極18の側面に、サイドウォール絶縁膜20を形成した。次に、サイドウォール絶縁膜20及びゲート電極18をマスクとして半導体基板10内にドーパント不純物を導入することにより、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にソース/ドレイン拡散層22を形成した。こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ24を形成した(図1参照)。
次に、全面に、CVD法により、層間絶縁膜26を形成した。次に、層間絶縁膜26上に、ストッパ膜28を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ソース/ドレイン拡散層22に達するコンタクトホール30を形成した(図1(b)参照)。
次に、全面に、スパッタ法により、膜厚50nmのTiN膜より成る密着層32を形成した。次に、全面に、CVD法により、タングステン膜34を形成した。次に、例えばCMP法により、ストッパ膜の表面が露出するまで、密着層32及びタングステン膜34を研磨した。こうして、コンタクトホール30内に、タングステンより成る導体プラグ34を埋め込んだ(図1(c)参照)。
次に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜36を形成した。次に、全面に、多孔質の層間絶縁膜38を形成した。多孔質の層間絶縁膜38の膜厚は、160nmとした。次に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのシリコン酸化膜より成る絶縁膜40を形成した(図2(a)参照)。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜42を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、第1層目の配線50を形成するための開口部44をフォトレジスト膜に形成した。開口部44は、配線幅が100nm、配線間隔が100nmとなるように形成した(図2(b)参照)。
次に、フォトレジスト膜42をマスクとして、絶縁膜40、層間絶縁膜38及び絶縁膜36をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。こうして、絶縁膜40、層間絶縁膜38及び絶縁膜36に、配線50を埋め込むための溝46を形成した(図3(a)参照)。この後、フォトレジスト膜42を剥離した。
次に、全面に、スパッタ法により、膜厚10nmのTaNより成るバリア膜を形成した。次に、全面に、スパッタ法により、膜厚10nmのCuより成るシード膜を形成した。こうして、バリア膜とシード膜とから成る積層膜48を形成した。次に、電気めっき法により、膜厚600nmのCu膜50を形成した。次に、CMP法により、絶縁膜40の表面が露出するまで、Cu膜50及び積層膜48を研磨した。こうして、溝46内にCuより成る配線50を埋め込んだ。次に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜52を形成した(図3(b)参照)。
次に、実施例1と同様にして、多孔質の層間絶縁膜54を形成した。層間絶縁膜54の膜厚は、180nmとした(図4(a)参照)。
次に、実施例1と同様にして、紫外線を照射し、オゾンを用いて緻密化処理を行うことにより、層間絶縁膜54の表層部に緻密層56を形成した(図4(b)参照)。
次に、実施例1と同様にして、多孔質の層間絶縁膜58を形成した。多孔質の層間絶縁膜58の膜厚は、例えば160nmとした。
次に、実施例2と同様にして、紫外線を照射し、オゾンを用いて緻密化処理を行うことにより、層間絶縁膜58の表層部に緻密層60を形成した(図17(a)参照)。
次に、絶縁膜86上に、プラズマCVD法により、SiC:O:H膜より成る絶縁膜84を形成した(図17(b)参照)。絶縁膜84の膜厚は、30nmとした。成膜室内に導入するガスとしては、SiC4H12ガスとCO2ガスとを用いた。
次に、実施例2と同様にして、層間絶縁膜54、58等を焼成することにより、層間絶縁膜54、58等を硬化(キュア)させた。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜62を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、コンタクトホール66を形成するための開口部64をフォトレジスト膜62に形成した。次に、フォトレジスト膜62をマスクとして、絶縁膜60、層間絶縁膜58、絶縁膜56、層間絶縁膜54及び絶縁膜52をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。エッチングガスの組成比やエッチングの際の圧力等を適宜変化させることにより、絶縁膜60、層間絶縁膜58、絶縁膜56、層間絶縁膜54及び絶縁膜52をエッチングした。こうして、配線50に達するコンタクトホール66を形成した(図18参照)。この後、フォトレジスト膜を剥離した。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜68を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、第2層目の配線76aを形成するための開口部70をフォトレジスト膜68に形成した。次に、フォトレジスト膜68をマスクとし、緻密層56をエッチングストッパとして、絶縁膜60及び層間絶縁膜58をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。こうして、絶縁膜60、層間絶縁膜58及び絶縁膜56に、配線76aを埋め込むための溝72を形成した(図19参照)。
次に、全面に、スパッタ法により、膜厚10nmのTaNより成るバリア膜を形成した。次に、全面に、スパッタ法により、膜厚10nmのCuより成るシード膜を形成した。こうして、バリア膜とシード膜とから成る積層膜74を形成した。次に、電気めっき法により、膜厚1400nmのCu膜76を形成した。次に、CMP法により、絶縁膜60の表面が露出するまで、Cu膜76及び積層膜74を研磨した。こうして、コンタクトホール66内にCuより成る導体プラグ76bを埋め込むとともに、溝72内にCuより成る配線76aを埋め込んだ(図20(a)参照)。
次に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜78を形成した(図20(b)参照)。この後、上記と同様の工程を適宜繰り返すことにより、第3層目の配線を形成した。
このようにして形成される半導体装置について、100万個の導体プラグが電気的に直列に接続されるように配線及び導体プラグを形成し、歩留りを測定したところ、歩留りは90%であった。
また、配線間の実効的な比誘電率を算出したところ、2.5であった。なお、実効的な比誘電率とは、配線の周囲に、多孔質の層間絶縁膜のみならず、他の絶縁膜も存在している状態において測定される比誘電率のことである。比誘電率の低い多孔質の層間絶縁膜のみならず、比誘電率が比較的高い絶縁膜も配線の周囲に存在している状態で測定されるため、実効的な比誘電率は、多孔質の層間絶縁膜の比誘電率より大きい値となる。
また、200℃で3000時間放置した後に配線の抵抗を測定したところ、抵抗の上昇は確認されなかった。
[実施例4]
まず、実施例3と同様にして、半導体基板10上に、LOCOS法により素子分離膜12を形成した。次に、実施例3と同様に、素子領域14上に、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極18を形成した。次に、実施例3と同様に、ゲート電極18の側面に、サイドウォール絶縁膜20を形成した。次に、実施例3と同様に、サイドウォール絶縁膜20及びゲート電極18をマスクとして半導体基板10内にドーパント不純物を導入することにより、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にソース/ドレイン拡散層22を形成した。こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ24を形成した(図1参照)。
次に、実施例3と同様に、全面に、CVD法により、層間絶縁膜26を形成した。次に、実施例3と同様に、層間絶縁膜26上に、ストッパ膜28を形成した。次に、実施例3と同様に、フォトリソグラフィ技術を用い、ソース/ドレイン拡散層22に達するコンタクトホール30を形成した(図1(b)参照)。
次に、実施例3と同様に、全面に、スパッタ法により、膜厚50nmのTiN膜より成る密着層32を形成した。次に、実施例3と同様に、全面に、CVD法により、タングステン膜34を形成した。次に、実施例3と同様に、例えばCMP法により、ストッパ膜の表面が露出するまで、密着層32及びタングステン膜34を研磨した。こうして、コンタクトホール30内に、タングステンより成る導体プラグ34を埋め込んだ(図1(c)参照)。
次に、実施例3と同様に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜36を形成した。次に、実施例3と同様に、全面に、多孔質の層間絶縁膜38を形成した。多孔質の層間絶縁膜38の膜厚は、160nmとした。次に、実施例3と同様に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのシリコン酸化膜より成る絶縁膜40を形成した(図2(a)参照)。
次に、実施例3と同様に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜42を形成した。次に、実施例3と同様に、フォトリソグラフィ技術を用い、第1層目の配線50を形成するための開口部44をフォトレジスト膜に形成した。開口部44は、配線幅が100nm、配線間隔が100nmとなるように形成した(図2(b)参照)。
次に、実施例3と同様に、フォトレジスト膜42をマスクとして、絶縁膜40、層間絶縁膜38及び絶縁膜36をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。こうして、絶縁膜40、層間絶縁膜38及び絶縁膜36に、配線50を埋め込むための溝46を形成した(図3(a)参照)。この後、実施例3と同様に、フォトレジスト膜42を剥離した。
次に、実施例3と同様に、全面に、スパッタ法により、膜厚10nmのTaNより成るバリア膜を形成した。次に、実施例3と同様に、全面に、スパッタ法により、膜厚10nmのCuより成るシード膜を形成した。こうして、バリア膜とシード膜とから成る積層膜48を形成した。次に、実施例3と同様に、電気めっき法により、膜厚600nmのCu膜50を形成した。次に、実施例3と同様に、CMP法により、絶縁膜40の表面が露出するまで、Cu膜50及び積層膜48を研磨した。こうして、溝46内にCuより成る配線50を埋め込んだ。次に、実施例3と同様に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜52を形成した(図3(b)参照)。
次に、実施例1と同様にして、多孔質の層間絶縁膜54を形成した。層間絶縁膜54の膜厚は、180nmとした(図21(a)参照)。
次に、多孔質の層間絶縁膜54上に、プラズマCVD法により、SiC:O:H膜より成る絶縁膜82を形成した(図22(a)参照)。絶縁膜82の膜厚は、例えば30nmとした。成膜室内に導入するガスとしては、SiC4H12ガスとCO2ガスとを用いた。
次に、実施例1と同様にして、多孔質の層間絶縁膜58を形成した。多孔質の層間絶縁膜58の膜厚は、例えば160nmとした。
次に、実施例2と同様にして、紫外線を照射してオゾンを発生させることにより、オゾンを用いて緻密化処理を行い、層間絶縁膜58の表層部に緻密層60を形成した(図22(a)参照)。
次に、実施例2と同様にして、層間絶縁膜54、58等を焼成することにより、層間絶縁膜54、58等を硬化(キュア)させた。
次に、絶縁膜86上に、プラズマCVD法により、SiC:O:H膜より成る絶縁膜84を形成した(図22(b)参照)。絶縁膜84の膜厚は、30nmとした。成膜室内に導入するガスとしては、SiC4H12ガスとCO2ガスとを用いた。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜62を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、コンタクトホール66を形成するための開口部64をフォトレジスト膜62に形成した。次に、フォトレジスト膜62をマスクとして、絶縁膜84、絶縁膜60、層間絶縁膜58、絶縁膜82、層間絶縁膜54及び絶縁膜52をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。エッチングガスの組成比やエッチングの際の圧力等を適宜変化させることにより、絶縁膜60、層間絶縁膜58、絶縁膜82、層間絶縁膜54及び絶縁膜52をエッチングした。こうして、配線50に達するコンタクトホール66を形成した(図23参照)。この後、フォトレジスト膜を剥離した。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜68を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、第2層目の配線76aを形成するための開口部70をフォトレジスト膜68に形成した。次に、フォトレジスト膜68をマスクとし、緻密層82をエッチングストッパとして、絶縁膜60及び層間絶縁膜58をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。こうして、絶縁膜60及び層間絶縁膜58に、配線76aを埋め込むための溝72を形成した(図24参照)。
次に、全面に、スパッタ法により、膜厚10nmのTaNより成るバリア膜を形成した。次に、全面に、スパッタ法により、膜厚10nmのCuより成るシード膜を形成した。こうして、バリア膜とシード膜とから成る積層膜74を形成した。次に、電気めっき法により、膜厚1400nmのCu膜76を形成した。次に、CMP法により、絶縁膜60の表面が露出するまで、Cu膜76及び積層膜74を研磨した。こうして、コンタクトホール66内にCuより成る導体プラグ76bを埋め込むとともに、溝72内にCuより成る配線76aを埋め込んだ(図25(a)参照)。
次に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜78を形成した(図25(b)参照)。この後、上記と同様の工程を適宜繰り返すことにより、第3層目の配線を形成した。
このようにして形成される半導体装置について、100万個の導体プラグが電気的に直列に接続されるように配線及び導体プラグを形成し、歩留りを測定したところ、歩留りは92%であった。また、配線間の実効的な比誘電率を算出したところ、2.55であった。また、200℃で3000時間放置した後に配線の抵抗を測定したところ、抵抗の上昇は確認されなかった。
[比較例2]
図30乃至図38は、比較例2による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、実施例3と同様にして、トランジスタ24を形成し(図30(a)参照)、層間絶縁膜26及びストッパ膜28を形成し(図30(b)参照)、この後、コンタクトホール30内に導体プラグ34を埋め込んだ(図30(c)参照)。
次に、実施例3と同様にして、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜36を形成し、この後、多孔質の層間絶縁膜38を形成した。次に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのシリコン酸化膜より成る絶縁膜40を形成した(図31(a)参照)。
次に、実施例3と同様にして、フォトレジスト膜42を形成し、第1層目の配線50を形成するための開口部44をフォトレジスト膜42に形成した(図31(b)参照)。
次に、実施例3と同様にして、絶縁膜40、多孔質の層間絶縁膜38及び絶縁膜36に溝46を形成した(図32(a)参照)。
次に、実施例3と同様にして、絶縁膜40、層間絶縁膜38及び絶縁膜36に、配線50を埋め込んだ。次に、実施例3と同様にして、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜52を形成した(図32(b)参照)。
次に、実施例3と同様にして、多孔質の層間絶縁膜54を形成した(図33(a)参照)。
次に、多孔質の層間絶縁膜54の表層部に緻密層を形成することなく、多孔質の層間絶縁膜58を形成した。多孔質の層間絶縁膜58の形成方法は、実施例3と同様とした(図33(b)参照)。
次に、実施例3と同様にして、層間絶縁膜54、58等を焼成することにより、層間絶縁膜54、58等を硬化(キュア)させた。
次に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのシリコン酸化膜より成る絶縁膜86を形成した(図34参照)。
次に、実施例3と同様にして、配線50に達するコンタクトホール66を形成した(図35参照)。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜68を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、第2層目の配線76aを形成するための開口部70をフォトレジスト膜68に形成した。次に、フォトレジスト膜68をマスクとして、絶縁膜86、層間絶縁膜58エッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。こうして、絶縁膜86及び層間絶縁膜58に、配線76aを埋め込むための溝72を形成した。溝72の深さは、エッチング時間を制御することにより設定した(図36参照)。
次に、実施例3と同様にして、溝72内に配線76aを埋め込むとともに、コンタクトホール66内に導体プラグ76bを埋め込んだ(図37参照)。
次に、実施例3と同様にして、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜78を形成した(図38参照)。この後、上記と同様の工程を適宜繰り返すことにより、第3層目の配線を形成した。
このようにして形成される半導体装置について、100万個の導体プラグが電気的に直列に接続されるように配線及び導体プラグを形成し、歩留りを測定したところ、歩留りは75%と低かった。また、配線間の実効的な比誘電率を算出したところ、2.9と大きかった。また、200℃で3000時間放置した後に配線の抵抗を測定したところ、抵抗の上昇が確認された。配線76aの抵抗が上昇したのは、溝72の底面が粗いため、溝72の底面上に良質なバリア膜74が形成されず、配線76aの材料がバリア膜74を介して層間絶縁膜54、58中に拡散してしまったためと考えられる。
[比較例3]
図39乃至図43は、比較例3による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、比較例2と同様にして、トランジスタ24を形成し(図30(a)参照)、層間絶縁膜26及びストッパ膜28を形成し(図30(b)参照)、この後、コンタクトホール30内に導体プラグ34を埋め込んだ(図30(c)参照)。
次に、比較例2と同様にして、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜36を形成し、この後、多孔質の層間絶縁膜38を形成した。次に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのシリコン酸化膜より成る絶縁膜40を形成した(図31(a)参照)。
次に、比較例2と同様にして、フォトレジスト膜42を形成し、第1層目の配線50を形成するための開口部44をフォトレジスト膜42に形成した(図31(b)参照)。
次に、比較例2と同様にして、絶縁膜40、多孔質の層間絶縁膜38及び絶縁膜36に溝46を形成した(図32(a)参照)。
次に、比較例2と同様にして、絶縁膜40、層間絶縁膜38及び絶縁膜36に、配線50を埋め込んだ。次に、比較例2と同様にして、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜52を形成した(図32(b)参照)。
次に、比較例2と同様にして、多孔質の層間絶縁膜54を形成した(図39(a)参照)。
次に、多孔質の層間絶縁膜54上に、プラズマCVD法により、SiC:O:H膜より成る絶縁膜82を形成した(図38(b)参照)。絶縁膜82の膜厚は、例えば30nmとした。成膜室内に導入するガスとしては、SiC4H12ガスとCO2ガスとを用いた。
次に、全面に、多孔質の層間絶縁膜58を形成した。多孔質の層間絶縁膜58の形成方法は、比較例2と同様とした(図40(a)参照)。
次に、比較例2と同様にして、層間絶縁膜54、58等を焼成することにより、層間絶縁膜54、58等を硬化(キュア)させた。
次に、比較例2と同様にして、多孔質の層間絶縁膜58上に、シリコン酸化膜より成る絶縁膜86を形成した。絶縁膜86の膜厚は、30nmとした(図40(b)参照)。
次に、絶縁膜86上に、プラズマCVD法により、SiC:O:H膜より成る絶縁膜84を形成した。絶縁膜84の膜厚は、30nmとした。成膜室内に導入するガスとしては、SiC4H12ガスとCO2ガスとを用いた。
次に、比較例2と同様にして、配線50に達するコンタクトホール66を形成した(図41参照)。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜68を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、第2層目の配線76aを形成するための開口部70をフォトレジスト膜68に形成した。次に、フォトレジスト膜68をマスクとし、絶縁膜82をエッチングストッパとして、絶縁膜84、絶縁膜86、層間絶縁膜58をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。こうして、絶縁膜84、86及び層間絶縁膜58に、配線76aを埋め込むための溝72を形成した(図42参照)。
次に、比較例2と同様にして、溝72内に配線76aを埋め込むとともに、コンタクトホール66内に導体プラグ76bを埋め込んだ(図43(a)参照)。
次に、比較例2と同様にして、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜78を形成した(図43(b)参照)。この後、上記と同様の工程を適宜繰り返すことにより、第3層目の配線を形成した。
このようにして形成される半導体装置について、100万個の導体プラグが電気的に直列に接続されるように配線及び導体プラグを形成し、歩留りを測定したところ、歩留りは96%と高かった。また、配線間の実効的な誘電率を算出したところ、2.86と大きかった。配線間の実効的な誘電率が大きくなったのは、エッチングストッパ膜や保護膜として機能する厚い絶縁膜82、84、86の影響によるものと考えられる。また、200℃で3000時間放置した後に配線の抵抗を測定したところ、抵抗の上昇は確認されなかった。
[比較例4]
図44乃至図47は、比較例4による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、比較例2と同様にして、トランジスタ24を形成し(図30(a)参照)、層間絶縁膜26及びストッパ膜28を形成し(図30(b)参照)、この後、コンタクトホール30内に導体プラグ34を埋め込んだ(図30(c)参照)。
次に、比較例2と同様にして、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜36を形成し、この後、多孔質の層間絶縁膜38を形成した。次に、全面に、プラズマCVD法により、膜厚30nmのシリコン酸化膜より成る絶縁膜40を形成した(図31(a)参照)。
次に、比較例2と同様にして、フォトレジスト膜42を形成し、第1層目の配線50を形成するための開口部44をフォトレジスト膜42に形成した(図31(b)参照)。
次に、比較例2と同様にして、絶縁膜40、多孔質の層間絶縁膜38及び絶縁膜36に溝46を形成した(図32(a)参照)。
次に、比較例2と同様にして、絶縁膜40、層間絶縁膜38及び絶縁膜36に、配線50を埋め込んだ(図32(b)参照)。
次に、比較例2と同様にして、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜52を形成した。
次に、比較例2と同様にして、多孔質の層間絶縁膜54を形成した(図44参照)。
次に、多孔質の層間絶縁膜54上に、プラズマCVD法により、SiC:O:H膜より成る絶縁膜82を形成した。絶縁膜82の膜厚は、例えば30nmとした。成膜室内に導入するガスとしては、SiC4H12ガスとCO2ガスとを用いた。
次に、全面に、多孔質の層間絶縁膜58を形成した。多孔質の層間絶縁膜58の形成方法は、比較例2と同様とした。
次に、比較例2と同様にして、層間絶縁膜54、58等を焼成することにより、層間絶縁膜54、58等を硬化(キュア)させた。
次に、全面に、プラズマCVD法により、SiC:O:H膜より成る絶縁膜84を形成した。絶縁膜84の膜厚は、30nmとした。成膜室内に導入するガスとしては、SiC4H12ガスとCO2ガスとを用いた。
次に、比較例2と同様にして、配線50に達するコンタクトホール66を形成した(図45参照)。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜68を形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、第2層目の配線76aを形成するための開口部70をフォトレジスト膜68に形成した。次に、フォトレジスト膜68をマスクとし、絶縁膜82をエッチングストッパとして、絶縁膜84及び層間絶縁膜58をエッチングした。エッチングを行う際には、CF4ガス及びCHF3ガスを原料としたフッ素プラズマを用いた。こうして、絶縁膜84及び層間絶縁膜58に、配線76aを埋め込むための溝72を形成した(図46参照)。
次に、比較例2と同様にして、溝72内に配線76aを埋め込むとともに、コンタクトホール66内に導体プラグ76bを埋め込んだ(図47(a)参照)。
次に、比較例2と同様にして、プラズマCVD法により、膜厚30nmのSiC:O:H膜より成る絶縁膜78を形成した(図47(b)参照)。この後、上記と同様の工程を適宜繰り返すことにより、第3層目の配線を形成した。
このようにして形成される半導体装置について、100万個の導体プラグが電気的に直列に接続されるように配線及び導体プラグを形成し、歩留りを測定したところ、歩留りは96%と高かった。また、配線間の実効的な誘電率を算出したところ、2.78と大きかった。配線間の実効的な誘電率が大きくなったのは、エッチングストッパ膜や保護膜として機能する厚い絶縁膜82、84の影響によるものと考えられる。また、200℃で3000時間放置した後に配線の抵抗を測定したところ、抵抗の上昇は確認されなかった。
以上詳述したように、本発明の特徴をまとめると以下の通りである。
(付記1)
半導体基板上に多孔質絶縁膜を形成する工程と、
前記多孔質絶縁膜の表層部を緻密化する緻密化処理を行うことにより、前記多孔質絶縁膜の前記表層部に、前記多孔質絶縁膜より密度の高い緻密層を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)
付記1記載の半導体装置の製造方法において、
前記緻密層を形成する工程では、前記多孔質絶縁膜の前記表層部をオゾンを用いて緻密化処理することにより、前記緻密層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記3)
付記2記載の半導体装置の製造方法において、
前記緻密層を形成する工程では、酸素を含む雰囲気中で紫外線を照射することによりオゾンを生成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記緻密層を形成する工程の後に、前記緻密層上に他の多孔質絶縁膜を形成する工程と;前記緻密層上に、開口部が形成されたフォトレジスト膜を形成する工程と;前記フォトレジスト膜をマスクとし、前記緻密層をエッチングストッパとして、前記他の多孔質絶縁膜をエッチングすることにより、前記他の多孔質絶縁膜に溝を形成する工程と;前記溝内に配線を埋め込む工程とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記5)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記緻密層を形成する工程の後に、前記緻密層上に他の多孔質絶縁膜を形成する工程と;前記他の多孔質絶縁膜の表層部を緻密化する緻密化処理を行うことにより、前記他の多孔質絶縁膜の前記表層部に、前記他の多孔質絶縁膜より密度の高い他の緻密層を形成する工程と;前記他の緻密層上に、開口部が形成されたフォトレジスト膜を形成する工程と;前記フォトレジスト膜をマスクとし、前記緻密層をエッチングストッパとして、前記他の緻密層及び前記他の多孔質絶縁膜をエッチングすることにより、前記多孔質絶縁膜に溝を形成する工程と;前記溝内に配線を埋め込む工程とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記6)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記緻密層を形成する工程の後に、前記緻密層上に他の多孔質絶縁膜を形成する工程と;前記他の多孔質絶縁膜上に、前記他の多孔質絶縁膜より密度の高い絶縁膜を形成する工程と;前記絶縁膜上に、開口部が形成されたフォトレジスト膜を形成する工程と;前記フォトレジスト膜をマスクとし、前記緻密層をエッチングストッパとして、前記絶縁膜及び前記他の多孔質絶縁膜をエッチングすることにより、前記多孔質絶縁膜に溝を形成する工程と;前記溝内に配線を埋め込む工程とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記7)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜を形成する工程の前に、前記半導体基板上に他の多孔質絶縁膜を形成する工程と;前記他の多孔質絶縁膜より密度の高い絶縁膜を形成する工程を更に有し、
前記緻密層を形成する工程の後に、前記緻密層上に、開口部が形成されたフォトレジスト膜を形成する工程と;前記フォトレジスト膜をマスクとし、前記絶縁膜をエッチングストッパとして、前記緻密層及び前記多孔質絶縁膜をエッチングすることにより、前記多孔質絶縁膜に溝を形成する工程と;前記溝内に配線を埋め込む工程とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記8)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記緻密層を形成する工程の後に、前記緻密層上に他の多孔質絶縁膜を形成する工程と;前記他の多孔質絶縁膜の表層部を緻密化する緻密化処理を行うことにより、前記他の多孔質絶縁膜の前記表層部に、前記他の多孔質絶縁膜より密度の高い他の緻密層を形成する工程と;前記他の緻密層上に、前記他の多孔質絶縁膜より密度の高い絶縁膜を形成する工程と;前記絶縁膜上に、第1の開口部が形成された第1のフォトレジスト膜を形成する工程と;前記第1のフォトレジスト膜をマスクとして、前記絶縁膜、前記他の緻密層、前記他の多孔質絶縁膜、前記緻密層及び前記多孔質絶縁膜をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する工程と;前記他の緻密層上に、第2の開口部が形成された第2のフォトレジスト膜を形成する工程と;前記第2のフォトレジスト膜をマスクとし、前記緻密層をエッチングストッパとして、前記他の緻密層及び前記他の多孔質絶縁膜をエッチングすることにより、前記他の多孔質絶縁膜に溝を形成する工程と;前記コンタクトホール内に導体プラグを埋め込むとともに、前記溝内に配線を埋め込む工程とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記9)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜を形成する工程の前に、前記半導体基板上に他の多孔質絶縁膜を形成する工程と;前記他の多孔質絶縁膜より密度の高い絶縁膜を形成する工程とを更に有し、
前記緻密層を形成する工程の後に、前記多孔質絶縁膜より密度の高い他の絶縁膜を形成する工程と;前記他の絶縁膜上に、第1の開口部が形成された第1のフォトレジスト膜を形成する工程と;前記第1のフォトレジスト膜をマスクとして、前記他の絶縁膜、前記緻密層、前記多孔質絶縁膜、前記絶縁膜及び前記他の多孔質絶縁膜をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する工程と;前記緻密層上に、第2の開口部が形成された第2のフォトレジスト膜を形成する工程と;前記第2のフォトレジスト膜をマスクとし、前記絶縁膜をエッチングストッパとして、前記多孔質絶縁膜をエッチングすることにより、前記多孔質絶縁膜に溝を形成する工程と;前記コンタクトホール内に導体プラグを埋め込むとともに、前記溝内に配線を埋め込む工程とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記10)
付記1乃至9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜の密度は、0.6〜1.3g/cm3であり、
前記緻密層の密度は、1.5〜3.5g/cm3である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記11)
付記1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記緻密層の厚さは、2〜25nmである
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記12)
付記1乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜を形成する工程は、半導体基板上に、熱分解性化合物を含む絶縁材料を塗布する工程と;熱処理を行うことにより、前記熱分解性化合物を分解し、前記絶縁材料中に空孔を形成することにより、前記多孔質絶縁膜を形成する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記13)
付記1乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜を形成する工程は、半導体基板上に、クラスタ状の化合物を含む絶縁材料を塗布する工程と;熱処理を行い、前記絶縁材料中の溶媒を蒸発させることにより、前記多孔質絶縁膜を形成する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記14)
付記1乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜を形成する工程では、気相成長法により前記多孔質絶縁膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記15)
付記1乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜を形成する工程では、熱分解性又は酸化分解性の原子団を含む原料を用い、前記原子団を分解させながら、気相成長法により前記多孔質絶縁膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。