JP4403849B2 - 凝集処理方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、濁度成分含有液の凝集処理方法および装置に関し、特に濁度成分含有液を無機凝集剤およびpH調整剤により凝集処理して濁度成分を除去する凝集処理方法および装置に関するものである。
河川水、湖沼水等の用水、あるいは下水、産業排水等の排水には、無機物、有機物等の濁度成分が含まれており、このような濁度成分を含む濁度成分含有液は凝集により濁度成分を除去する処理が行われている。このような凝集処理には、無機凝集剤を用いる凝集処理、有機高分子凝集剤を用いる凝集処理、ならびに無機および有機凝集剤を用いる凝集処理がある。無機凝集剤としては硫酸バンド、塩化アルミニウム等の金属塩が用いられ、有機高分子凝集剤としてはポリアクリルアミド等が用いられている。また凝集処理に適したpHに調整するために、pH調整剤として、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム、消石灰等のアルカリが用いられている。
このうち無機凝集剤を用いる凝集処理(無機凝集剤および有機高分子凝集剤を用いる凝集処理の無機凝集剤を用いる凝集部分を含む)は、含まれる濁度成分の除去に必要な無機凝集剤を添加した後、pH調整剤を添加して凝集処理に適したpHに調整してフロックを形成し、沈降分離、ろ過分離等の固液分離により固形分を除去し、清澄な分離液を得ている(例えば特許文献1)。この方法において、処理水濁度に応じて無機凝集剤の添加率を制御する方法が知られている。
無機凝集剤および有機高分子凝集剤を用いる凝集処理の場合は、先に無機凝集剤を添加し、その後pH調整剤を添加しpH調整して凝集処理を行った後、有機高分子凝集剤を添加してフロック化を促進し、固液分離性を高める処理を行っている。この場合、有機高分子凝集剤の添加の前または後に、さらにpH調整剤を添加して有機高分子凝集剤に適したpH値に再調整することもある。
これらの方法において、濁度成分含有液が酸性またはアルカリ性の場合は、あらかじめpH調整剤を添加して中和したのち凝集処理を行うことがあり、例えば高アルカリ排水に対して硫酸等の酸でpHを低下させた後、無機凝集剤を添加し、さらに水酸化ナトリウム等のアルカリで最終的にpH調整する方法が知られている。この場合でも基本的には、中和した後に先に無機凝集剤を添加し、その後pH調整剤を添加しpH調整して凝集処理が行われている。
このような無機凝集剤を用いる凝集処理において、先に無機凝集剤を添加した後にpH調整剤を添加する理由は、無機凝集剤およびpH調整剤を添加して金属水酸化物を析出させる際、先に無機凝集剤を添加して濁度成分と混合しておき、後からpH調整剤を添加することにより、金属水酸化物が液中の濁度成分を抱き込んで析出しやすいようにしているものと推測される。またpH調整剤を先に添加すると、後から無機凝集剤を添加することによりpHが変動するため、適正pHに調整するのが困難になることも考えられる。
このように従来の無機凝集剤を用いる凝集処理では、先に無機凝集剤を添加した後pH調整剤を添加して凝集処理を行っているが、pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の強酸、あるいは水酸化ナトリウム、消石灰等の強アルカリが用いられているため、被処理液の水質等の変動やpH調整剤の添加量の変動などにより、凝集条件を変える際、反応液のpH値が適正pH値から外れやすい。凝集処理の処理条件はそれぞれの処理系においてほぼ一定であるが、被処理液の濁度成分やその他の成分の濃度、温度等の水質条件等の変動により、無機凝集剤やpH調整剤の添加量を変化させる必要がある。このように無機凝集剤やpH調整剤の添加量を変化させる場合、強酸あるいは強アルカリを用いると少量の添加でpH値が大幅に変動するため、pH調整剤の過不足が生じやすく、適正pH値に調整するのが困難である。
すなわち一般的な凝集処理では、被処理液または処理液の濁度の変動に応じて無機凝集剤の添加量を変化させ、反応液のpH値が適正pH値を維持するようにpH調整剤の添加量を変化させる制御を行っているが、pH調整剤の添加量の変化を微調整することは困難である。強酸あるいは強アルカリを用いると、pH調整剤の少量の添加でpH値が大きく変動するため、反応液pHの変動幅が大きくなり、適正pH値を外れると処理効果が低下し、処理液の水質が悪化する。処理液の水質が悪化すると、無機凝集剤およびpH調整剤の添加量を増加させるように制御が行われるようになっているので、薬剤コストも高くなる。
高分子凝集剤については、先にpH調整剤を添加してpH調整した後、高分子凝集剤を添加することは行われている。例えば特許文献2には、金属イオンを含む酸性廃液について、アルカリを添加して金属イオンを凝集させ、その後高分子凝集剤を添加してフロックを形成させている。しかしpH調整した後に無機凝集剤を添加することは示されていない。
特開平10−57967号公報 特開平7−96104号公報
本発明の課題は、凝集効果が高く、しかも反応液のpH値の微調整が可能で、効率よく凝集を行うことができ、薬剤量を少なくできるとともに、高水質の処理液を得ることができる凝集処理方法および装置を提供することである。
本発明は、次の凝集処理方法および装置である。
(1) アルカリ性の濁度成分含有液に酸性のpH調整剤を添加して、凝集のための適正pH値付近のアルカリ側のpH値に調整するpH調整剤添加工程と、
反応液のpHが適正pHとなるように酸性の無機凝集剤を添加して反応させる無機凝集剤添加工程と、
反応液を処理液と汚泥に分離する固液分離工程とを含み、
処理液の濁度が高くなったときにpH調整剤の添加量を減少させ、処理液の濁度が低くなったときにpH調整剤の添加量を増加させるように制御する凝集処理方法。
(2) 無機凝集剤の添加量が下限値を下回らないようにpH調整剤の添加量を制御する上記(1)記載の方法。
(3) 無機凝集剤の添加後に、有機高分子凝集剤を添加する有機高分子凝集剤添加工程を含む上記(1)または(2)に記載の方法。
(4) アルカリ性の濁度成分含有液を導入し、酸性のpH調整剤および酸性の無機凝集剤を順次添加して反応させる反応槽と、
凝集のための適正pH値付近のアルカリ側のpH値に調整する量の酸性のpH調整剤を反応槽に添加するpH調整剤添加手段と、
反応液のpHが適正pHとなる量の酸性の無機凝集剤を反応槽に添加する無機凝集剤添加手段と、
反応槽の反応液を処理液と汚泥に分離する固液分離槽と、
反応槽の反応液のpHを測定するpH測定器と、
固液分離槽の処理液の濁度を測定する濁度測定器と、
処理液の濁度が高くなったときにpH調整剤の添加量を減少させ、処理液の濁度が低くなったときにpH調整剤の添加量を増加させるように、pH調整剤の添加量を制御するpH調整剤制御装置と、
反応液のpHが所定pHとなるように無機凝集剤の添加量を制御する無機凝集剤制御装置とを含む凝集処理装置。
(5) pH調整剤制御装置は、無機凝集剤の添加量が下限値を下回らないようにpH調整剤の添加量を制御するように構成されている上記(4)記載の装置。
(6) 反応槽は、無機凝集剤の添加後に、有機高分子凝集剤を添加する有機高分子凝集剤添加手段を含む上記(4)または(5)に記載の装置。
本発明において処理の対象となる被処理液はアルカリ性の濁度成分含有液であり、河川水、湖沼水等の用水、あるいは下水、産業排水等の排水など、無機物、有機物等の濁度成分を含む液が挙げられる。濁度成分以外に可溶性の無機物、有機物などが含まれていてもよい。被処理液はアルカリ性であり、特にpH9以上の高アルカリ性の場合は薬剤の添加順序による凝集効果の改善が著しいので好ましい。
本発明において凝集に用いられる酸性の無機凝集剤としては、硫酸バンド、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第2鉄、塩化第2鉄等の酸性の金属塩が用いられ、特に上記例示のような弱酸性でpH緩衝能を有する酸性金属塩が好ましい。本発明では無機凝集剤により形成される析出物のフロック化を促進する凝集助剤として有機高分子凝集剤を添加するのが好ましいが、このような有機高分子凝集剤としてはポリアクリルアミド、その加水分解物、ポリアクリルナトリウム等の水溶性ポリマーが用いられる。またpH調整剤としては、塩酸、硫酸等の酸が用いられる。これらはいずれも従来から用いられている薬剤が使用可能である。
本発明の凝集処理方法では、pH調整剤添加工程において、被処理液であるアルカリ性の濁度成分含有液に酸性のpH調整剤を添加して、凝集のための適正pH値付近のアルカリ性のpH値に調整し、その後無機凝集剤添加工程において、反応液のpHが適正pHとなるように酸性の無機凝集剤を添加し反応させて凝集を行い、固液分離工程において、反応液を処理液と汚泥に分離する。例えばpH調整剤として酸を添加して適正pH値より若干アルカリ側になるようにラフな調整をし、その後無機凝集剤を添加して適正pHに調整し、凝集反応を行うことができる。このような凝集処理により、被処理液中の濁度成分は凝集フロックに含まれて汚泥として分離され、濁度成分が除去された処理液が得られる。
上記のpH調整剤および無機凝集剤の種類、添加量、適正pH値などは、あらかじめ処理対象となる被処理液(濁度成分含有液)について凝集試験を行い、決めておく。被処理液の濁度成分やその他の成分の濃度、温度等の水質条件は一定ではなく経時的に変動するが、あらかじめ決めるこれらの種類、添加量、適正pH値などは、任意の時点の被処理液について決めてもよく、平均的な水質または典型的な水質の被処理液について決めてもよい。凝集試験は、pH調整剤、無機凝集剤の順序で添加して凝集が認められる種類、添加量として決めるのが好ましいが、ここで決める値はおおよその値でよいので、逆の順序でもよい。
実際の処理系では水質条件が経時的に変動するため、その変動に伴ってそれぞれの添加量を変化させるように制御する。すなわち被処理液にあらかじめ決められたpH調整剤を添加し、反応液のpHがあらかじめ決められた適正pHとなるように無機凝集剤を添加し反応させて凝集を行う。このときpH調整剤の添加により、反応液のpHがあらかじめ決められた適正pH付近のアルカリ側のpH値に調整され、その後無機凝集剤を添加することによりpHが微調整され、容易に適正pH値に調整して、薬剤の過不足なしに効率よく凝集を行うことができる。このとき弱酸性でpH緩衝能を有する無機凝集剤でpH調整することにより、強酸性のpH調整剤でpH調整する場合に比べて、少ない添加量でpHを微調整することができ、容易に適正pH値に調整することが可能である。
上記の処理において、水質条件の経時的な変動によって凝集効果が悪化すると、処理液の濁度が高くなる。このとき処理液の濁度が高くなったときにpH調整剤の添加量を減少させ、処理液の濁度が低くなったときにpH調整剤の添加量を増加させるように制御すると、凝集効果が回復する。すなわち凝集効果が悪化して処理液の濁度が高くなったときにpH調整剤の添加量を減少させると、適正pHにするために添加する無機凝集剤の添加量は増加するため、凝集効果は高くなる。
逆に処理液の濁度が低くなったときは、無機凝集剤の添加量が適正な範囲である限り薬剤の添加量を変えなくてもよいが、無機凝集剤の添加量が過剰になっている場合には、無機凝集剤の添加量を減少させるのが好ましい。この場合、pH調整剤の添加量を増加させるように制御すると、適正pHにするために添加する無機凝集剤の添加量は減少する。これらの添加量の増減は段階的に行うことができる。例えば処理液の濁度の増減に伴ってpH調整剤の添加量を段階的に増減させ、濁度の増減が生じなくなった段階でpH調整剤の添加量の増減を停止することができる。
このようにpH調整剤の添加量を処理液の濁度に応じて制御することにより、無機凝集剤の添加量を間接的に制御することができ、これにより水質の変動に対応して適切な量で無機凝集剤を添加することができる。無機凝集剤の添加量が少なくなりすぎると、凝集反応が不安定となるため、無機凝集剤の添加量には下限を設けて、無機凝集剤の添加量が下限値を下回らないようにpH調整剤の添加量を制御するのが好ましく、これによりpH調整剤の過剰添加による無機凝集剤の過少添加を防止することができる。
無機凝集剤の添加後に有機高分子凝集剤添加工程を設け、有機高分子凝集剤を添加するのが好ましく、これにより析出物のフロック化を促進し、固液分離性を高めることができる。この場合、有機高分子凝集剤の添加の前または後に、さらにpH調整剤を添加して有機高分子凝集剤に適したpH値に再調整することもできる。
このような処理に用いられる凝集処理装置としては、アルカリ性の濁度成分含有液を導入し、酸性のpH調整剤および酸性の無機凝集剤を順次添加して反応させる反応槽と、凝集のための適正pH値付近のアルカリ側のpH値に調整する量の酸性のpH調整剤を反応槽に添加するpH調整剤添加手段と、反応液のpHが適正pHとなる量の酸性の無機凝集剤を反応槽に添加する無機凝集剤添加手段と、反応槽の反応液を処理液と汚泥に分離する固液分離槽と、反応槽の反応液のpHを測定するpH測定器と、固液分離槽の処理液の濁度を測定する濁度測定器と、処理液の濁度が高くなったときにpH調整剤の添加量を減少させ、処理液の濁度が低くなったときにpH調整剤の添加量を増加させるように、pH調整剤の添加量を制御するpH調整剤制御装置と、反応液のpHが所定pHとなるように無機凝集剤の添加量を制御する無機凝集剤制御装置とを含む凝集処理装置が用いられる。
反応槽は、pH調整剤および無機凝集剤を順次添加して反応させるように、pH調整剤添加部および無機凝集剤添加部に順次区画されているのが好ましい。無機凝集剤の添加後に、有機高分子凝集剤を添加する場合は、有機高分子凝集剤添加部をさらに区画して設けるのが好ましい。pH調整剤添加部、無機凝集剤添加部および有機高分子凝集剤添加部には、それぞれpH調整剤、無機凝集剤および有機高分子凝集剤添加手段を設けることができる。被処理液導入手段はpH調整剤添加部に設けられる。
pH調整剤制御装置は、濁度測定器で測定された処理液の濁度に応じてpH調整剤の添加量を制御するように構成される。このpH調整剤制御装置は、処理液の濁度が高くなったときにpH調整剤の添加量を減少させ、処理液の濁度が低くなったときにpH調整剤の添加量を増加させるように制御するように構成されている。またpH調整剤制御装置は、無機凝集剤の添加量が下限値を下回らないようにpH調整剤の添加量を制御するように構成されているのが好ましい。
無機凝集剤制御装置は、pH測定器で測定された反応液のpHが所定pH、好ましくは適正pHとなるように無機凝集剤の添加量を制御するように構成される。無機凝集剤制御装置は、無機凝集剤の添加量が下限値を下回らないように設定されているのが好ましく、無機凝集剤の添加量が下限値を下回る場合には、その下限値を下回らないようにpH調整剤の添加量を制御するための薬注信号をpH調整剤制御装置に送るように構成されているのが好ましい。
本発明において、アルカリ性の濁度成分含有液に先に酸性のpH調整剤を添加し、その後適正pHとなるように酸性の無機凝集剤を添加して凝集を行うことにより、後述の実施例に示すように、逆の添加順序の場合よりも凝集効果が高くなる。特に高アルカリ性の被処理液の場合は、無機凝集剤による荷電中和効率が低いが、先にpH調整剤を添加してある程度pHを下げた状態で無機凝集剤を添加することにより、効率よく無機凝集剤による濁度成分の荷電中和を効率よく行うことができるため凝集効果が高くなり、高水質の処理液を得ることができる。このため無機凝集剤の添加量を節減できる上、後段にアルカリ剤を用いてpH調整を行う必要がなくなる。
また本発明では、反応液を酸性のpH調整剤の添加により適正pH付近のpH値に調整した後、pH緩衝能を有する酸性の無機凝集剤を添加してpH調整するため、pHの微調整が可能であり、容易に適正pH値に調整して、薬剤の過不足なしに効率よく凝集を行うことができる。このとき処理液の濁度が高くなったときにpH調整剤の添加量を減少させ、処理液の濁度が低くなったときにpH調整剤の添加量を増加させるように制御することにより、無機凝集剤の添加量を増減させて凝集効果を容易に回復させ、添加量を適正量に維持することができる。
本発明によれば、アルカリ性の濁度成分含有液に酸性のpH調整剤を添加して凝集のための適正pH値付近のアルカリ側のpH値に調整し、その後反応液のpHが適正pHとなるように酸性の無機凝集剤を添加し反応させて凝集を行い、反応液を処理液と汚泥に分離し、かつ処理液の濁度が高くなったときにpH調整剤の添加量を減少させ、処理液の濁度が低くなったときにpH調整剤の添加量を増加させるように制御するようにしたので、凝集効果が高く、しかも反応液のpH値の微調整が可能で、効率よく凝集を行うことができ、薬剤量を少なくできるとともに、高水質の処理液を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の実施形態による凝集処理方法および装置を示すフロー図である。
図1において、1は被処理液槽、2は反応槽、3は固液分離槽で、それぞれの間は連絡路L2a、L2bにより連絡している。被処理液槽1には被処理液路L1が連絡し、固液分離槽3には処理液路L3および汚泥路L4が連絡している。反応槽2はpH調整剤添加部2a、無機凝集剤添加部2b、有機高分子凝集剤添加部2cが上流側から区画されていて、それぞれ攪拌器4a、4b、4cが設けられ、またポンプ5を有するpH調整剤路L5、ポンプ6を有する無機凝集剤路L6、ポンプ7を有する有機高分子凝集剤路L7が連絡している。無機凝集剤添加部2bにはpHセンサー8aが設けられてpH計8に接続している。固液分離槽3には濁度センサー9aが設けられて濁度計9に接続している。11はpH調整剤制御装置で、濁度計9で測定された処理液の濁度に応じてポンプ5によるpH調整剤の添加量を制御するように構成されている。12は無機凝集剤制御装置で、pH計8で測定された反応液のpHが凝集の適正pHとなるようにポンプ6による無機凝集剤の添加量を制御するように構成されている。
図1の装置による凝集処理方法は、被処理液路L1から被処理液槽1に被処理液を導入し、連絡路L2aから反応槽2に導入して攪拌器4a、4b、4cで攪拌して凝集反応を行い、連絡路L2bから固液分離槽3に導入して固液分離を行い、分離した処理液を処理液路L3から取り出し、汚泥を汚泥路L4から排出する。反応槽2では、まず被処理液をpH調整剤添加部2aに導入し、pH調整剤路L5からポンプ5によりpH調整剤を添加してラフなpH調整を行い、被処理液のpHをあらかじめ決められた適正pH付近のpH値に調整する。ラフにpH調整された被処理液は無機凝集剤添加部2bに入り、無機凝集剤路L6からポンプ6により、適正pH値となるように無機凝集剤を添加して凝集反応を行う。無機凝集剤を添加した反応液は有機高分子凝集剤添加部2cに入り、有機高分子凝集剤路L7からポンプ7により有機高分子凝集剤を添加して2次凝集反応を行い、フロックを成長させる。
この間無機凝集剤添加部2bでは、pHセンサー8aにより反応液のpHが測定され、pH信号aはpH計8から無機凝集剤制御装置12に入力される。また固液分離槽3では、濁度センサー9aにより処理液の濁度が測定され、濁度信号bは濁度計9からpH調整剤制御装置11に入力される。そしてpH調整剤制御装置11では、濁度信号bに対応して制御信号cが演算されてポンプ5に送られ、処理液の濁度に応じてpH調整剤の添加量を制御する。また無機凝集剤制御装置12では、pH信号aに対応して制御信号dが演算されてポンプ6に送られ、適正pH値となるように無機凝集剤の添加量を制御する。無機凝集剤制御装置12は、無機凝集剤の添加量が下限値を下回らないように設定されており、無機凝集剤の添加量が下限値を下回る場合には、その下限値を下回らないようにpH調整剤の添加量を制御するための薬注信号eをpH調整剤制御装置11に送るように構成されている。このようにpH調整剤および無機凝集剤の添加量を制御することにより、反応液のpHが微調整され、容易に適正pH値に調整することができ、薬剤の過不足なしに効率よく凝集を行うことができる。
被処理液としてクリーニング工場から排出される高アルカリ排水(pH11.5、濁度500度以上)をビーカーに取り、硫酸バンド、硫酸、高分子凝集剤クリファームPA823(栗田工業株式会社登録商標)を、添加量は変えずに以下に示す順序で添加して凝集処理を行った。結果は表1に示すが、同じ濁度に処理するのに要する硫酸バンドの必要量は、従来法の比較例1に比べて、実施例1では約2割低い添加率であった。
比較例1:(1)硫酸バンド、(2)硫酸、(3)高分子凝集剤。
実施例1:(1)硫酸、(2)硫酸バンド、(3)高分子凝集剤。
Figure 0004403849
実施例1の被処理液について、図1に示すフローにより凝集処理を行った。被処理液の供給量は20m3/hrである。
まず比較例2として、上記比較例1と同じ順序で薬注する従来法により処理を行ったところ、反応槽2のpHが目標pH7.0に対して6.0〜8.0の範囲で変動し、pHが6.3以下または7.8以上の範囲では極端に凝集が悪化して、処理水質を悪化させる状態が見られた。この結果、無機凝集剤の平均添加率は5000mg/l、処理水濁度は80〜90度となった。
その後実施例2として、図1に示すフローによる凝集処理に切り換えたところ、反応槽2(無機凝集剤添加部2b)のpHが目標pH7.0に対してpHの変動幅は6.8〜7.2程度まで改善され、pHのズレによる処理の悪化は見られなくなった。この結果、本方式適用後3ヶ月の平均無機凝集剤添加率は3500mg/lとなり、比較例2に対して約3割の使用量削減が可能であった。
アルカリ性の濁度成分含有液を酸性の無機凝集剤および酸性のpH調整剤により凝集処理して濁度成分を除去する凝集処理方法および装置に利用可能である。
本発明の実施形態による凝集処理方法および装置を示すフロー図である。
符号の説明
1 被処理液槽
2 反応槽
2a pH調整剤添加部
2b 無機凝集剤添加部
2c 有機高分子凝集剤添加部
3 固液分離槽
4a、4b、4c 攪拌器
5、6、7 ポンプ
8 pH計
8a pHセンサー
9 濁度計
9a 濁度センサー
11 pH調整剤制御装置
12 無機凝集剤制御装置

Claims (6)

  1. アルカリ性の濁度成分含有液に酸性のpH調整剤を添加して、凝集のための適正pH値付近のアルカリ側のpH値に調整するpH調整剤添加工程と、
    反応液のpHが適正pHとなるように酸性の無機凝集剤を添加して反応させる無機凝集剤添加工程と、
    反応液を処理液と汚泥に分離する固液分離工程とを含み、
    処理液の濁度が高くなったときにpH調整剤の添加量を減少させ、処理液の濁度が低くなったときにpH調整剤の添加量を増加させるように制御する凝集処理方法。
  2. 無機凝集剤の添加量が下限値を下回らないようにpH調整剤の添加量を制御する請求項1記載の方法。
  3. 無機凝集剤の添加後に、有機高分子凝集剤を添加する有機高分子凝集剤添加工程を含む請求項1または2に記載の方法。
  4. アルカリ性の濁度成分含有液を導入し、酸性のpH調整剤および酸性の無機凝集剤を順次添加して反応させる反応槽と、
    凝集のための適正pH値付近のアルカリ側のpH値に調整する量の酸性のpH調整剤を反応槽に添加するpH調整剤添加手段と、
    反応液のpHが適正pHとなる量の酸性の無機凝集剤を反応槽に添加する無機凝集剤添加手段と、
    反応槽の反応液を処理液と汚泥に分離する固液分離槽と、
    反応槽の反応液のpHを測定するpH測定器と、
    固液分離槽の処理液の濁度を測定する濁度測定器と、
    処理液の濁度が高くなったときにpH調整剤の添加量を減少させ、処理液の濁度が低くなったときにpH調整剤の添加量を増加させるように、pH調整剤の添加量を制御するpH調整剤制御装置と、
    反応液のpHが所定pHとなるように無機凝集剤の添加量を制御する無機凝集剤制御装置とを含む凝集処理装置。
  5. pH調整剤制御装置は、無機凝集剤の添加量が下限値を下回らないようにpH調整剤の添加量を制御するように構成されている請求項記載の装置。
  6. 反応槽は、無機凝集剤の添加後に、有機高分子凝集剤を添加する有機高分子凝集剤添加手段を含む請求項4または5に記載の装置。
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