JP4401433B1 - 有機ポリマー多孔質体、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アミノ基を2つ以上有し、且つビニル基を2つ以上有する重合性化合物(a)を含む重合性組成物(A)の重合体により形成された多孔質体であって、該重合性化合物(a)が、反応性官能基として少なくともアミノ基を有するデンドリマー、又は反応性官能基として少なくともアミノ基を有するポリエチレンイミンと、該反応性官能基と反応可能な基と、ビニル基とを有する化合物とを反応して得た化合物であり、該反応性官能基が、1級アミノ基、2級アミノ基、水酸基又はカルボキシ基であり、該反応性官能基と反応可能な基が、イソシアナト基、エポキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、水酸基、カルボキシ基又はハロゲン化アシル基である有機ポリマー多孔質体。
【選択図】図1
Description
該重合性化合物(a)が、
(1)3級アミノ基及び反応性官能基(Q1)を有するデンドリマー(a1)、又は反応性官能基(Q1)を有するポリエチレンイミン(a2)と、
(2)該反応性官能基(Q1)と反応可能な反応性官能基(Q2)と、ビニル基とを有する化合物(a3)と、
を反応して得た化合物であることを特徴とする有機ポリマー多孔質体を提供するものである。
[有機ポリマー多孔質体の構造]
本発明の有機ポリマー多孔質体は、アミノ基及びビニル基を有する重合性化合物(a)の重合体(PA)により形成された有機ポリマー多孔質体であって、前記重合性化合物(a)が、3級アミノ基及び反応性官能基(Q1)を有するデンドリマー(a1)、又は反応性官能基(Q1)を有するポリエチレンイミン(a2)と、該反応性官能基(Q1)と反応可能な反応性官能基(Q2)と、ビニル基とを有する化合物(a3)とを反応して得た化合物であることを特徴とする有機ポリマー多孔質体である。
本発明の有機ポリマー多孔質体は、アミノ基及びビニル基を有する重合性化合物(a)を含む重合性組成物(A)と、該重合性組成物(A)とは相溶するが、該重合性組成物(A)の重合体(PA)を溶解または膨潤させない溶剤(M)とを混合した有機ポリマー多孔質体形成用組成物(X)を重合させ、その後、溶剤(M)を除去する(工程(α−1))ことにより製造することができる。
重合性化合物(a)と共重合体を形成しうる他の重合性化合物としては、重合開始剤の存在下または非存在下で重合するものであり、ビニル基を有するものが好ましく、なかでも、反応性の高い(メタ)アクリル系化合物やスチリル化合物が好ましい。また、硬化後の強度も高くできることから、重合して架橋重合体を形成する化合物であることが好ましい。そのために、1分子中に2つ以上のビニル基を有する化合物であることが特に好ましい。
本発明の有機ポリマー多孔質体を用いた触媒反応について説明する。
本発明の有機ポリマー多孔質体は、アミノ基を2つ以上有し、且つ、ビニル基を2つ以上有する重合性化合物(a)の重合体(PA)を含む有機ポリマー多孔質体であるため、アミノ基の関与する触媒反応に対して用いることができる。中でも、アミノ基を塩基として利用する触媒反応に用いることが好ましく、特に、塩基触媒としてアルデヒド類またはケトン類の求核付加反応において使用することが好ましい。好ましい反応の例として、アルドール(Aldol)反応、クナベナゲル(Knoevenagel)反応、ヘンリー(Henry)(ニトロアルドール(Nitroaldol))反応、シアノシリル化反応等が挙げられる。
〔重合性化合物(a)の合成〕
反応性官能基として1級アミノ基を有する第4世代(G4)ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマー(10質量%メタノール溶液、アルドリッチ社製、分子量:14214.4、製品コード:412449)570mg(4.0μmol、末端1級アミン当量:2.60x102μmol)に、2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工製、製品名:カレンズMOI)40mg (2.56x102μmol)を加え、マグネチックスターラーを用い、室温で1日撹拌した。その後、溶媒を留去し、目的の重合性化合物(a)[a−1]を得た。重合性化合物[a−1]は、分子中に62個の3級アミノ基、及び、64個のビニル基を有する。
1H−NMR(300MHz、CD3OD):δ/ppm 1.92,2.35−2.37,2.57−2.59,2.78−2.80,3.25−3.35,3.42,4.16,5.63(ビニル基),6.11(ビニル基).
重合性化合物(a)[a−1]97mg、エチレングリコールジメタクリレート(共栄社化学製、製品名:ライトエステルM)(以下、「EGDMA」と略す。)870mg、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と略す。)13mg、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、「ジグライム」と略す。)4.0mL、およびメタノール1.0mLを混合し、有機ポリマー多孔質体形成用組成物[X−1]を調製した。
次に、組成物[X−1]を重合チューブ中に仕込み、窒素ガスを30分間吹き込んだ後、密栓し、70℃で12時間加熱処理を施した。形成された白色固体を重合チューブより取り出した後、ソックスレー抽出器(溶媒:テトラヒドロフラン、およびメタノール)を用いて、未重合成分と溶媒を除去することにより、有機ポリマー多孔質体[P−1]を調製した。
収量:950mg、収率:97%.
アミノ基含有量:0.25mmol/g(3級アミノ基).
比表面積(BET簡易法):450m2/g.
測定装置:フローソープII型流動式比表面積自動測定装置(島津製作所)
試料量:約0.01〜0.03g
前処理:キャリアガス(N2/He混合ガス)中で100℃、30分間加熱
形態観察:走査型電子顕微鏡写真を図1に示す.
装置:リアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800(キーエンス)
マロノニトリル0.72mmol、ベンズアルデヒド0.60mmol、及び、トルエン2mLを均一に混合して反応溶液(Y1)を調製した。これに、前記の有機ポリマー多孔質体[P−1]20mg(アミン当量:5.06μmol)を加え、室温で3時間、反応させた。ガスクロマトグラフィによる分析の結果、98%以上の反応率で、目的物のベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
反応溶液からろ別した有機ポリマー多孔質体[P−1]を、エタノール、およびトルエンで洗浄し、乾燥した後、前記と同様の触媒反応試験を5回繰り返し行った場合も、反応率が低下することなく、生成物が得られることが確認された。
〔重合性化合物(a)の合成〕
実施例1と同様にして、重合性化合物(a)[a−1]を得た。
〔有機ポリマー多孔質体の調製〕
重合性化合物(a)[a−1]194mg、AIBN6mg、ジグライム1.6mL、およびメタノール1.1mLを混合し、有機ポリマー多孔質体形成用組成物[X−2]を調製した。
収量:190mg、収率:95%.
アミノ基含有量:2.5mmol/g(3級アミノ基).
比表面積(BET簡易法):224m2/g.
測定装置、試料量、および、前処理方法は、実施例1に記載の通り。
実施例1と同様にして、反応溶液(Y1)に、前記の有機ポリマー多孔質体[P−2]15mg(アミン当量:37.4μmol)を加え、室温で3時間、反応させた。ガスクロマトグラフィによる分析の結果、98%以上の反応率で、目的物のベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
反応溶液からろ別した有機ポリマー多孔質体[P−2]を、エタノール、およびトルエンで洗浄し、乾燥した後、前記と同様の触媒反応試験を5回繰り返し行った場合も、反応率が低下することなく、生成物が得られることが確認された。
〔重合性化合物(a)の合成〕
2−イソシアナトエチルメタクリレートを40mg (2.56x102μmol)用いる代わりに、10mg (64.4μmol)用いる以外は、実施例1と同様にして、重合性化合物(a)[a−2]を得た。重合性化合物[a−2]は、分子中に62個の3級アミノ基、48個の1級アミノ基、及び、16個のビニル基を有する。
1H−NMR(300MHz、CD3OD):δ/ppm 1.91−1.95,2.35−2.37,2.57−2.59,2.78−2.80,3.25−3.35,3.42,4.16,5.62−5.66(ビニル基),6.01−6.14(ビニル基).
重合性化合物(a)[a−2]134mg、EGDMA1.21g、AIBN18mg、ジグライム5.5mL、およびメタノール1.3mLを混合し、有機ポリマー多孔質体形成用組成物[X−3]を調製した。
収量:1.30g、収率:96%.
アミノ基含有量:0.37mmol/g(3級アミノ基)、0.28mmol/g(1級アミノ基).
比表面積(BET簡易法):339m2/g.
測定装置、試料量、および、前処理方法は、実施例1に記載の通り。
実施例1と同様にして、反応溶液(Y1)に、前記の有機ポリマー多孔質体[P−3]20mg(アミン当量:5.66μmol)を加え、室温で3時間、反応させた。ガスクロマトグラフィによる分析の結果、98%以上の反応率で、目的物のベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
反応溶液からろ別した有機ポリマー多孔質体[P−3]を、エタノール、およびトルエンで洗浄し、乾燥した後、前記と同様の触媒反応試験を5回繰り返し行った場合も、反応率が低下することなく、生成物が得られることが確認された。
〔重合性化合物(a)の合成〕
2−イソシアナトエチルメタクリレートを、40mg (2.56x102μmol)用いる代わりに、5.0mg (32.2μmol)用いる以外は、実施例1と同様にして、重合性化合物(a)[a−3]を得た。重合性化合物[a−3]は、分子中に62個の3級アミノ基、56個の1級アミノ基、及び、8個のビニル基を有する。
1H−NMR(300MHz、CD3OD):δ/ppm 1.91−1.95,2.35−2.39,2.58−2.60,2.70−2.81,3.23−3.35,3.42,3.55−3.60,4.16,5.62−5.65(ビニル基),6.07−6.11(ビニル基).
重合性化合物(a)[a−3]124mg、EGDMA1.12g、AIBN17mg、ジグライム5.1mL、およびメタノール1.3mLを混合し、有機ポリマー多孔質体形成用組成物[X−4]を調製した。
収量:1.21g、収率:96%.
アミノ基含有量:0.39mmol/g(3級アミノ基)、0.36mmol/g(1級アミノ基).
比表面積(BET簡易法):377m2/g.
測定装置、試料量、および、前処理方法は、実施例1に記載の通り。
実施例1と同様にして、反応溶液(Y1)に、前記の有機ポリマー多孔質体[P−4]20mg(アミン当量:7.12μmol)を加え、室温で3時間、反応させた。ガスクロマトグラフィによる分析の結果、98%以上の反応率で、目的物のベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
反応溶液からろ別した有機ポリマー多孔質体[P−4]を、エタノール、およびトルエンで洗浄し、乾燥した後、前記と同様の触媒反応試験を5回繰り返し行った場合も、反応率が低下することなく、生成物が得られることが確認された。
〔重合性化合物(a)の合成〕
反応性官能基として水酸基を有する第4世代(G4)ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマー((10質量%メタノール溶液、アルドリッチ社製、分子量:14277.4、製品コード:477850)570mg(4.0μmol、末端1級アミン当量:2.60x102μmol)に、2−イソシアナトエチルメタクリレート40mg (2.56x102μmol)を加え、マグネチックスターラーを用い、室温で1日撹拌した。その後、溶媒を留去し、目的の重合性化合物(a)[a−4]を得た。重合性化合物[a−4]は、分子中に62個の3級アミノ基、及び、64個のビニル基を有する。
1H−NMR(300MHz、CD3OD):δ/ppm 1.93,2.36−2.40,2.59−2.61,2.77−2.81,3.28−3.41,3.62,4.17,5.62(ビニル基),6.11(ビニル基).
重合性化合物(a)[a−4]97mg、EGDMA870mg、AIBN3mg、ジグライム0.8mL、およびメタノール0.6mLを混合し、有機ポリマー多孔質体形成用組成物[X−5]を調製した。
収量:950mg、収率:98%.
アミノ基含有量:0.26mmol/g(3級アミノ基).
比表面積(BET簡易法):423m2/g.
測定装置、試料量、および、前処理方法は、実施例1に記載の通り。
実施例1と同様にして、反応溶液(Y1)に、前記の有機ポリマー多孔質体[P−5]47mg(アミン当量:12.1mmol)を加え、室温で3時間、反応させた。ガスクロマトグラフィによる分析の結果、98%以上の反応率で、目的物のベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
反応溶液からろ別した有機ポリマー多孔質体[P−5]を、エタノール、およびトルエンで洗浄し、乾燥した後、前記と同様の触媒反応試験を5回繰り返し行った場合も、反応率が低下することなく、生成物が得られることが確認された。
〔重合性化合物(a)の合成〕
2−イソシアナトエチルメタクリレートを40mg (2.56x102μmol)用いる代わりに、グリシジルメタクリレートを36mg (2.56x102μmol)用いる以外は、実施例1と同様にして、重合性化合物(a)[a−5]を得た。重合性化合物[a−5]は、分子中に62個の3級アミノ基、及び、64個のビニル基を有する。
1H−NMR(300MHz、CD3OD):δ/ppm 1.92,2.35−2.37,2.57−2.59,2.78−2.80,3.25−3.35,3.42,4.16,5.63(ビニル基),6.11(ビニル基).
重合性化合物(a)[a−5]93mg、EGDMA870mg、AIBN12mg、ジグライム4.0mL、およびメタノール1.0mLを混合し、有機ポリマー多孔質体形成用組成物[X−6]を調製した。
収量:926mg、収率:95%.
アミノ基含有量:0.25mmol/g(3級アミノ基)、0.26mmol/g(2級アミノ基).
比表面積(BET簡易法):466m2/g.
測定装置、試料量、および、前処理方法は、実施例1に記載の通り。
実施例1と同様にして、反応溶液(Y1)に、前記の有機ポリマー多孔質体[P−6]20mg(アミン当量:10.3μmol)を加え、室温で3時間、反応させた。ガスクロマトグラフィによる分析の結果、98%以上の反応率で、目的物のベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
〔重合性化合物(a)の合成〕
ポリエチレンイミン(a2)(平均分子量10,000、和光純薬製、製品コード:164−17821)0.20g(1級アミン当量:1.16mmol、2級アミン当量:2.33mmol)に、2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工製、製品名:カレンズMOI)0.54g (3.49mmol)を加え、マグネチックスターラーを用い、室温で1日撹拌した。その後、溶媒を留去し、目的の重合性化合物(a)[a−6]を得た。重合性化合物[a−6]は、平均的に、分子中に58個の3級アミノ基、及び、174個のビニル基を有する。
1H−NMR(300MHz、CD3OD):δ/ppm 1.92,2.63,3.22−3.42,4.15−4.22,5.62(ビニル基),6.11(ビニル基).
重合性化合物(a)[a−6]150mg、EGDMA1.24g、AIBN16mg、ジグライム5.5mL、およびメタノール1.5mLを混合し、有機ポリマー多孔質体形成用組成物[X−7]を調製した。
アミノ基含有量:0.17mmol/g(3級アミノ基).
比表面積(BET簡易法):401m2/g.
測定装置、試料量、および、前処理方法は、実施例1に記載の通り。
形態観察:走査型電子顕微鏡写真を図2に示す.
装置は、実施例1に記載の通り。
実施例1と同様にして、反応溶液(Y1)に、前記の有機ポリマー多孔質体[P−7]30mg(アミン当量:5.02μmol)を加え、室温で3時間、反応させた。ガスクロマトグラフィによる分析の結果、98%以上の反応率で、目的物のベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
反応溶液からろ別した有機ポリマー多孔質体[P−7]を、エタノール、およびトルエンで洗浄し、乾燥した後、前記と同様の触媒反応試験を5回繰り返し行った場合も、反応率が低下することなく、生成物が得られることが確認された。
特許文献(特開2000−63513号公報)に記載の方法に従い、反応性官能基として1級アミノ基を有するポリプロピレンイミンデンドリマー(アルドリッチ社製、分子量:316、製品コード:460699)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、及び、2−イソシアナトエチルメタクリレート(原料組成:1/8/8(モル比))からなる重合性化合物を合成した(粘度:4.4Pa・s)。この重合性化合物は、分子中に2個の3級アミノ基、及び、4個のビニル基を有する。これを、AIBN(前記重合性化合物中のビニル基に対して、0.01モル当量)と混合した後、重合チューブ中に仕込み、窒素ガスを30分間吹き込んだ後、密栓し、70℃で12時間加熱処理を施すことにより、無色透明の非多孔質性の比較ポリマー[CP−1]を調製した(アミノ基含有量:2.6mmol/g)。
反応溶液からポリマーをろ過後、トルエン、およびジエチルエーテルで洗浄した後、前記と同様の触媒反応試験を行った場合、29%の反応率で、ベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
以上の結果より、実施例1〜7に示した方法により得られた有機ポリマー多孔質体は、比較例1に示した方法により得られた非多孔質ポリマー[CP−1]と比べ、ベンズアルデヒドの求核付加反応に対して、優れた触媒であることは明らかである。
反応性官能基として1級アミノ基を有するポリプロピレンイミンデンドリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、及び、2−イソシアナトエチルメタクリレート(原料組成:1/8/8(モル比))からなる重合性化合物を用いる代わりに、前記ポリプロピレンイミンデンドリマー、及び、PEG#200ジメタクリレート(共栄社化学製、製品名:ライトエステル4EG)(原料組成:1/6(モル比))からなる重合性化合物を用いる以外は比較例1と同様にして、無色透明の非多孔質性の比較ポリマー[CP−2]を調製した(アミノ基含有量:2.8mmol/g)。
実施例1と同様にして、反応溶液(Y1)に、ポリマー[CP−2]10mg(アミン当量:27.9μmol)を加え、室温で3時間、反応させた。ガスクロマトグラフィによる分析の結果、24%の反応率で、ベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
反応溶液からポリマーをろ過後、トルエン、およびジエチルエーテルで洗浄した後、前記と同様の触媒反応試験を行った場合、19%の反応率で、ベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
以上の結果より、実施例1〜7に示した方法により得られた有機ポリマー多孔質体は、比較例2に示した方法により得られた非多孔質ポリマー[CP−2]と比べ、ベンズアルデヒドの求核付加反応に対して、優れた触媒であることは明らかである。
反応性官能基として1級アミノ基を有する第4世代(G4)ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマー(10質量%メタノール溶液、アルドリッチ社製、分子量:14214.4、製品コード:412449)570mgから、メタノールを留去して、固体状のG4(PAMAM)デンドリマー57mgを得た。
重合性化合物[a−1]97mgの代わりに、前記のG4(PAMAM)デンドリマー57mgを用いる以外は実施例1と同様にして、多孔質性の比較ポリマー[CP−3]を調製した。G4(PAMAM)デンドリマーはビニル基を有していないため、ソックスレー抽出により大部分抽出され、仕込み量の約20%のG4(PAMAM)デンドリマーのみがCP−3中に残ったことが確認された(収量:850mg、アミノ基含有量:0.05mmol/g(3級アミノ基))。
反応溶液からポリマーをろ過後、トルエン、およびジエチルエーテルで洗浄した後、前記と同様の触媒反応試験を行った場合、30%の反応率で、ベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
以上の結果より、実施例1〜7に示した方法により得られた有機ポリマー多孔質体は、比較例3に示した方法により得られた多孔質ポリマー[CP−3]と比べ、ベンズアルデヒドの求核付加反応に対して、優れた触媒であることは明らかである。
ジメチルアミノエチルメタクリレート(共栄社化学製、製品名:ライトエステルDM)40mg、EGDMA920mg、AIBN12mg、ジグライム4.0mL、およびメタノール1.0mLを混合し、重合用組成物を調製した。次に、この組成物を重合チューブ中に仕込み、窒素ガスを30分間吹き込んだ後、密栓し、70℃で12時間加熱処理を施した。形成された白色固体を重合チューブより取り出した後、ソックスレー抽出器(溶媒:テトラヒドロフラン、およびメタノール)を用いて、未重合成分と溶媒を除去することにより、多孔質性の比較ポリマー[CP−4]を調製した(アミノ基含有量:0.26mmol/g(3級アミノ基))。
反応溶液からポリマーをろ過後、トルエン、およびジエチルエーテルで洗浄した後、前記と同様の触媒反応試験を行った場合、36%の反応率で、ベンザルマロノニトリルが生成したことが確認された。
以上の結果より、実施例1〜7に示した方法により得られた有機ポリマー多孔質体は、比較例4に示した方法により得られた多孔質ポリマー[CP−4]と比べ、ベンズアルデヒドの求核付加反応に対して、優れた触媒であることは明らかである。
Claims (8)
- アミノ基及びビニル基を有する重合性化合物(a)を含む重合性組成物(A)の重合体(PA)により形成された有機ポリマー多孔質体であって、
該重合性化合物(a)が、
(1)3級アミノ基及び反応性官能基(Q1)を有するデンドリマー(a1)、又は反応性官能基(Q1)を有するポリエチレンイミン(a2)と、
(2)該反応性官能基(Q1)と反応可能な反応性官能基(Q2)と、ビニル基とを有する化合物(a3)と、
を反応して得た化合物であることを特徴とする有機ポリマー多孔質体。 - 前記反応性官能基(Q1)が、1級アミノ基、2級アミノ基、水酸基又はカルボキシ基であり、前記反応性官能基(Q2)が、イソシアナト基、エポキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、水酸基、カルボキシ基又はハロゲン化アシル基である請求項1記載の有機ポリマー多孔質体。
- 前記重合体(PA)中のアミノ基含有量が0.010mmol/g〜9.00mmol/gの範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載の有機ポリマー多孔質体。
- 比表面積が5〜2000m2/gの範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の有機ポリマー多孔質体。
- 請求項1〜5のいずれか1つに記載の有機ポリマー多孔質体を用いたことを特徴とする触媒。
- アルデヒド類またはケトン類の求核付加反応において使用する請求項6記載の触媒。
- アミノ基及びビニル基を有する重合性化合物(a)を含む重合性組成物(A)と、該重合性組成物(A)とは相溶するが、該重合性組成物(A)の重合体(PA)を溶解又は膨潤させない溶剤(M)とを混合した有機ポリマー多孔質体形成用組成物(X)を重合させ、その後、溶剤(M)を除去する(工程(α−1))ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機ポリマー多孔質体の製造方法。
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