JP5235583B2 - 硬化性組成物、並びに、これを用いたインク組成物、インクジェット記録方法、及び印刷物 - Google Patents
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Description
インクジェット方式によれば、普通紙のみならずプラスチックシート、金属板など非吸水性の被記録媒体にも印字可能であるが、印字する際の高速化および高画質化が重要な課題となっており、印字後の液滴の乾燥、硬化に要する時間が、印刷物の生産性や印字画像の鮮鋭度に大きく影響する性質を有している。
紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インクの高感度化を達成することにより、放射線に対し高い硬化性が付与され、インクジェット記録の生産性向上、消費電力低減、放射線発生器への負荷軽減による高寿命化、不充分硬化に基づく低分子物質の揮発発生の防止など、多くの利益が生じる。また、高感度化は、特にインクジェット記録用インクにより形成された画像の強度を向上させ、特に、平版印刷版の形成に応用した場合、画像部の硬化強度が高まることになり、高耐刷性が得られることになる。
また本発明は、前記本発明の硬化性組成物を用いてなり、硬化性、耐擦過性、耐ブロッキング性、及び延伸性に優れる画像が形成されるインク組成物、並びに、これを用いたインクジェット記録方法及び印刷物を提供することにある。
<1> (A)下記の重合性高分子化合物(A−1)〜(A−3)から選ばれる少なくとも1種の重合性高分子化合物と、(B)前記(A)重合性高分子化合物とは構造の異なるラジカル重合性化合物(但し、重合性基を一つのみ有するラジカル重合性化合物の占める割合が60質量%以上100質量%以下である。)と、(C)重合開始剤と、を含み、前記(A)重合性高分子化合物の含有量が、全固形分に対して0.5質量%以上10質量%以下であり、前記(B)ラジカル重合性化合物の含有量が、全固形分に対して50質量%以上90質量%以下であるインクジェット記録用硬化性インク性組成物。
・重合性高分子化合物(A−1):重量平均分子量が3000以上50000以下であるポリアリルアミンの側鎖にラジカル重合性基を有し、該ラジカル重合性基の量がポリアリルアミンのアミノ基1当量に対し0.1当量以上2当量以下である重合性高分子化合物。
・重合性高分子化合物(A−2):重量平均分子量が3000以上50000以下であるポリビニルアミンの側鎖にラジカル重合性基を有し、該ラジカル重合性基の量がポリビニルアミンのアミノ基1当量に対し0.1当量以上2当量以下である重合性高分子化合物。
・重合性高分子化合物(A−3):重量平均分子量が3000以上50000以下であるポリエチレンイミンの側鎖にラジカル重合性基を有し、該ラジカル重合性基の量がポリエチレンイミンのイミノ基1当量に対し0.3当量以上0.9当量以下である重合性高分子化合物。
<2> 前記重合性高分子化合物(A−1)が、後述の一般式(1)で示される構造単位の少なくとも1種を含む<1>に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物。
但し、後述の一般式(1)中、Raは、式:−L−Z(式中、Lは、直鎖、分岐、又は環状構造を含む炭素数1〜12の2価の連結基を表し、Zは、不飽和カルボン酸エステル基又はスチレン基を表す。)で表される基を表し、Rbは、水素原子、上記式:−L−Zで表される基、炭素数3〜12のフッ素化アルキル基又は後述の段落0059に記載の構造式(式中、*は窒素原子との結合位置を示し、R z は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるシロキサン骨格を有する基を表す。
但し、後述の一般式(2)中、Rc及びRdは、各々独立して、水素原子、炭素数3〜12のフッ素化アルキル基又は後述の段落0059に記載の構造式(式中、*は窒素原子との結合位置を示し、R z は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるシロキサン骨格を有する基を表す。
<4> 前記重合性高分子化合物(A−2)が、後述の一般式(4)で示される構造単位の少なくとも1種を含む<1>に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物。
但し、後述の一般式(4)中、Rgは、式:−L−Z(式中、Lは、直鎖、分岐、又は環状構造を含む炭素数1〜12の2価の連結基を表し、Zは、不飽和カルボン酸エステル基又はスチレン基を表す。)で表される基を表し、Rhは、水素原子、上記式:−L−Zで表される基、炭素数3〜12のフッ素化アルキル基又は後述の段落0059に記載の構造式(式中、*は窒素原子との結合位置を示し、R z は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるシロキサン骨格を有する基を表す。
<5> 前記重合性高分子化合物(A−2)が、更に、後述の一般式(5)で示される構造単位の少なくとも1種を含む<4>に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物。
但し、後述の一般式(5)中、Ri及びRjは、各々独立して、水素原子、炭素数3〜12のフッ素化アルキル基又は後述の段落0059に記載の構造式(式中、*は窒素原子との結合位置を示し、R z は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるシロキサン骨格を有する基を表す。
但し、後述の一般式(6)中、Rkは、式:−L−Z(Lは、直鎖、分岐、又は環状構造を含む炭素数1〜12の2価の連結基を表し、Zは、不飽和カルボン酸エステル基又はスチレン基を表す。)で表される基を表す。
<7> 前記重合性高分子化合物(A−3)が、更に、後述の一般式(7)で示される構造単位の少なくとも1種を含む<6>に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物。
但し、後述の一般式(7)中、Rlは、水素原子、炭素数3〜12のフッ素化アルキル基又は後述の段落0059に記載の構造式(式中、*は窒素原子との結合位置を示し、R z は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるシロキサン骨格を有する基を表す。
<8> 被記録媒体上に、前記<1>〜<7>のいずれか一項に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物を、インクジェット記録装置により吐出する工程と、吐出された前記インク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程と、を含む、インクジェット記録方法。
<9> 前記<8>に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物中に含まれる(A)重合性高分子化合物の側鎖にラジカル重合性基を有するため、インク組成物に含有させると、硬化性が向上し、より強固な膜が形成される。
また本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物中に含まれる(A)重合性高分子化合物がポリアリルアミン骨格、ポリビニルアミン骨格、又はポリエチレンイミン骨格を有しているため反応性が高く、市販されているポリマーを用いて(A)重合性高分子化合物を容易に合成することができる。さらに、(A)重合性高分子化合物の3級アミンにより、酸素による重合阻害を軽減する効果が得られるため、感度を向上することができると推測される。
また本発明によれば、前記本発明の硬化性組成物を用いてなり、硬化性、耐擦過性、耐ブロッキング性、及び延伸性に優れる画像が形成されるインク組成物、並びに、これを用いたインクジェット記録方法及び印刷物を提供することができる。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、(A)重合性高分子化合物、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C)重合開始剤を含有し、必要に応じてその他の成分を含む。
以下、本発明の硬化性組成物に含有される各成分について、詳細に説明する。
(A)重合性高分子化合物は、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、及びポリエチレンイミンからなる群より選択される高分子化合物の側鎖に、ラジカル重合性基を有することを特徴とする。
すなわち(A)重合性高分子化合物は、主鎖に、ポリアリルアミン骨格、ポリビニルアミン骨格、及びポリエチレンイミン骨格からなる群より選択される少なくとも1種を有し、側鎖として「ラジカル重合性基を有する側鎖」を少なくとも含む。
ここで、「主鎖」とは、(A)重合性高分子化合物の分子構造中において、一番長い幹になる鎖のことを示し、「側鎖」とは、(A)重合性高分子化合物中に含まれる主鎖以外の鎖を示す。
以下、主鎖にポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物について説明する
ポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物は、少なくとも下記一般式(1)で示される構造単位を含む。
ポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物は、上記一般式(1)で示される構造単位を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
ポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物は、上記一般式(2)で示される構造単位を含まなくてもよく、1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
以下、それぞれの側鎖について説明する。
ラジカル重合性基を有する側鎖は、少なくとも1以上のラジカル重合性基を有する1価の有機基であり、ラジカル重合性基に加えて、他の置換基等(後述するフッ素置換炭化水素基及びシロキサン骨格を含む)を有してもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性基の例としては、具体的には、例えば、アクリル酸エステル基、メタクリル酸エステル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基等の不飽和カルボン酸エステル基、およびスチレン基等が挙げられる。中でも、メタクリル酸エステル基、アクリル酸エステル基が好ましい。
式: *−L−Z
上記式中、Lは、直鎖、分岐、又は環状構造を含む炭素原子数1〜12の2価の連結基を表わし、Zは、末端に上記記載のラジカル重合性基を持つ官能基を表わし、*は、(A)重合性高分子化合物の主鎖に含まれるポリアリルアミン骨格の窒素原子に直接結合する箇所を表わす。なお、上記炭素原子数1〜12の2価の連結基は、酸素原子、窒素原子、又はハロゲン原子を含んでもよい。ラジカル重合性基は、反応性の観点から側鎖の末端に位置する事が好ましい。
その他の側鎖は、ラジカル重合性基を有さない1価の有機基であり、公知の有機基が挙げられるが、フッ素置換炭化水素基及びシロキサン骨格からなる群より選択される少なくとも1種を有する有機基が好ましい。
フッ素置換炭化水素基とは、少なくとも1つのフッ素を含有する炭化水素基であればよく、例えば、アルキル基やアルキレン基における少なくとも一つの水素原子をフッ素原子に置換したフルオロアルキル基、フルオロアルキレン基が挙げられ、アルキル基、アルキレン基のすべての水素をフッ素に置換したパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基がより好ましく、パーフルオロアルキル基が更に好ましい。
アルキレン基としては、炭素数2〜12が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜8が更に好ましい。
また、上記一般式(3)で表される置換基は、「*」の部分で(A)重合性高分子化合物の主鎖に含まれるポリアリルアミン骨格の窒素原子に直接結合する。
シロキサン骨格を有する有機基としては、分子内にシロキサン骨格を有するものであれば、特に制限なく用いることができる。
シロキサン骨格としては、(A)重合性高分子化合物をインク組成物に用いた場合、インク組成物の吐出安定性を上げ、インク組成物を塗膜としたときの表面偏析性を高くする観点から、下記構造式(A)で表される化合物(以下、「特定シロキサン化合物」ともいう)が重合したポリシロキサンであることが好ましい。構造式(A)中、R1はシロキサン結合のSi原子との連結基として導入される。
前記構造式(A)中、Xはなくてもよく、ある場合は、下記構造式(C)で表わされる二価の基である。
前記構造式(C)中、Z1は、前記構造式(A)におけるR1に結合する。
前記構造式(C)中、R3は、脂肪族または脂環族ジイソシアナート構造を含む炭素数6〜10の2価の基を表す。
ポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物の合成方法としては、例えば、ポリアリルアミンに、アミン反応性官能基を有する化合物(以下、「アミン反応性官能基含有化合物」と称する場合がある)を反応させる方法が挙げられる。アミン反応性官能基含有化合物は、主鎖に直接結合する側にアミン反応性官能基を有しており、主鎖に結合した結果、上記のような側鎖(ラジカル重合性基を有する側鎖、フッ素置換炭化水素基を有する側鎖、シロキサン骨格を有する側鎖等)となるものである。
上記合成方法に用いるポリアリルアミンは、市販の水溶液として入手することができる。ポリアリルアミンの市販品としては、例えば、日東紡製「PAA−01」、「PAA−03」、「PAA−05」、「PAA−10」、「PAA−10C」、「PAA−15C」、「PAA−25」などが挙げられる。
またポリアリルアミンは、特開昭60−106801号公報に記載の方法など、公知の方法によって合成することもできる。
なお、重量平均分子量はガエルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)等の公知の測定方法により測定され、測定装置の例としては、東ソー製HLC−8220シリーズ等が挙げられる。
ラジカル重合性基を有する側鎖をポリアリルアミン骨格に導入する方法としては、例えば、ラジカル重合性基を有するアミン反応性官能基含有化合物を、ポリアリルアミンに反応させる方法が挙げられる。
フッ素置換炭化水素基を有する側鎖をポリアリルアミン骨格に導入する方法としては、例えば、フッ素置換炭化水素基を有するアミン反応性官能基含有化合物を、ポリアリルアミンに反応させる方法が挙げられる。
上記フルオロ脂肪族化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、1987)の117〜118ページや、「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」(Monograph 187,Ed by Milos Hudlicky and Attila E.Pavlath,American Chemical Society 1995)の747〜752ページに記載されている。
ここで、上記合成例1及び下記合成例2中、Rxは、炭素数1〜8のアルキル基を表し、nは整数を表す。また、下記合成例2中、「BnNEt3Cl」は、フェニルトリエチルアンモニウムクロリドを表す。
シロキサン骨格を有する側鎖をポリアリルアミン骨格に導入する方法としては、例えば、シロキサン骨格を有するアミン反応性官能基含有化合物を、ポリアリルアミンに反応させる方法が挙げられる。
また、「ポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物」中における、前記一般式(1)で示される構成単位のモル分率と、前記一般式(2)で示される構成単位のモル分率と、の比は、100:0〜60:40が好ましく、100:0〜80:20がより好ましく、100:0〜90:10が最も好ましい。
(A)重合性高分子化合物の構造については、例えば、1H−NMR測定を行うことにより解析可能である。
以下、ポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物に好適な例を以下に示すが、本発明においてはこれらに制限されるものではない。なお以下の記載において、括弧の右下の数字はモル分率を表し、「Mw」は、重量平均分子量を意味する。また下記式中Rzは、メチル基、又はn−ブチル基を表す。
ポリビニルアミン骨格を有する重合性高分子化合物は、少なくとも下記一般式(4)で示される構造単位を含む。
ポリビニルアミン骨格を有する重合性高分子化合物は、上記一般式(4)で示される構造単位を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
ポリビニルアミン骨格を有する重合性高分子化合物は、上記一般式(5)で示される構造単位を含まなくてもよく、1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
また、ポリビニルアミン骨格を有する重合性高分子化合物に含まれる、「フッ素置換炭化水素基を有する側鎖」の含有量は、吐出性と感度向上の観点から、主鎖のアミノ基1当量に対し、0〜0.6当量が好ましく、0.02〜0.5当量がより好ましく、0.05〜0.5当量が最も好ましい。
さらに、ポリビニルアミン骨格を有する重合性高分子化合物に含まれる、「シロキサン骨格を有する側鎖」の含有量は、吐出性と感度向上、溶解性の観点から、主鎖のアミノ基1当量に対し、0〜0.6当量が好ましく、0.02〜0.5当量がより好ましく、0.05〜0.5当量が最も好ましい。
ポリビニルアミン骨格を有する重合性高分子化合物の合成方法としては、例えば、ポリビニルアミンに、アミン反応性官能基を有する化合物を反応させる方法が挙げられる。アミン反応性官能基を有する化合物については、前記ポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物の合成方法において用いるものと同様である。
また、ラジカル重合性基を有する側鎖、フッ素置換炭化水素基を有する側鎖、及びシロキサン骨格を有する側鎖をポリビニルアミン骨格に導入する方法についても、前記ポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物の合成方法と同様の方法が用いられる。
また、「ポリビニルアミン骨格を有する重合性高分子化合物」中における、前記一般式(4)で示される構成単位のモル分率と、前記一般式(5)で示される構成単位のモル分率と、の比は、100:0〜60:40が好ましく、100:0〜80:20がより好ましく、100:0〜90:10が最も好ましい。
以下、ポリビニルアミン骨格を有する重合性高分子化合物に好適な例を以下に示すが、本発明においてはこれらに制限されるものではない。なお以下の記載において、括弧の右下の数字はモル分率を表し、「Mw」は、重量平均分子量を意味する。また下記式中Rzは、メチル基を表す。
ポリエチレンイミン骨格を有する重合性高分子化合物は、少なくとも下記一般式(6)で示される構造単位を含む。
ポリエチレンイミン骨格を有する重合性高分子化合物は、上記一般式(6)で示される構造単位を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
ポリエチレンイミン骨格を有する重合性高分子化合物は、上記一般式(7)で示される構造単位を含まなくてもよく、1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
また、ポリエチレンイミン骨格を有する重合性高分子化合物に含まれる、「フッ素置換炭化水素基を有する側鎖」の含有量は、吐出性と感度向上の観点から、主鎖のアミノ基1当量に対し、0〜0.6当量が好ましく、0.02〜0.5当量がより好ましく、0.05〜0.5当量が最も好ましい。
さらに、ポリエチレンイミン骨格を有する重合性高分子化合物に含まれる、「シロキサン骨格を有する側鎖」の含有量は、吐出性と感度向上、溶解性の観点から、主鎖のアミノ基1当量に対し、0〜0.6当量が好ましく、0.02〜0.5当量がより好ましく、0.05〜0.5当量が最も好ましい。
ポリエチレンイミン骨格を有する重合性高分子化合物の合成方法としては、例えば、ポリエチレンイミンに、アミン反応性官能基を有する化合物を反応させる方法が挙げられる。アミン反応性官能基を有する化合物については、前記ポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物の合成方法において用いるものと同様である。
また、ラジカル重合性基を有する側鎖、フッ素置換炭化水素基を有する側鎖、及びシロキサン骨格を有する側鎖をポリエチレンイミン骨格に導入する方法についても、前記ポリアリルアミン骨格を有する重合性高分子化合物の合成方法と同様の方法が用いられる。
また、「ポリエチレンイミン骨格を有する重合性高分子化合物」中における、前記一般式(6)で示される構成単位のモル分率と、前記一般式(7)で示される構成単位のモル分率と、の比は、100:0〜60:40が好ましく、100:0〜80:20がより好ましく、100:0〜90:10が最も好ましい。
以下、ポリエチレンイミン骨格を有する重合性高分子化合物に好適な例を以下に示すが、本発明においてはこれらに制限されるものではない。なお以下の記載において、括弧の右下の数字はモル分率を表し、「Mw」は、重量平均分子量を意味する。また下記式中Rzは、メチル基、又はn−ブチル基を表す。
硬化性組成物全固形分における(A)重合性高分子化合物の含有量は、硬化膜の柔軟性及び硬化感度の両立という観点から、0.5質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜8質量%がより好ましく、1質量%〜5質量%が最も好ましい。
本発明の硬化性組成物は、上記の通り、(B)前記(A)重合性高分子化合物とは構造の異なるラジカル重合性化合物(以下、「ラジカル重合性化合物」と称する場合がある)を含有する。
本発明の硬化性組成物が、(A)重合性高分子化合物及び(B)ラジカル重合性化合物の両方を含むことにより、より高感度で硬化し、硬化膜の強固さと柔軟さを両立することができる。
(B)ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。(B)ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。好ましくは2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度の観点から、ジビニルエーテル化合物、トリビニルエーテル化合物が好ましく、特に、ジビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明の硬化性組成物は、(C)重合開始剤を含む。また、(C)重合開始剤としてラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、公知の重合開始剤を、併用する重合性化合物の種類、硬化性組成物の使用目的に応じて、適宜選択して使用することができる。
本発明の硬化性組成物に使用するラジカル重合開始剤は、外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合を開始するために使用される外部エネルギーは、熱及び放射線に大別され、それぞれ、熱重合開始剤及び光重合開始剤が使用される。放射線には、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
熱重合開始剤及び光重合開始剤としては公知の化合物が使用できる。
本発明においてラジカル重合開始剤は単独で用いてもよいし、併用してもよい。効果の観点からは、2種以上のラジカル重合開始剤を併用することが好ましい。
本発明のインク組成物は、上記本発明の硬化性組成物を含有し、必要に応じてその他の成分を含む。すなわち、本発明のインク組成物は、(A)重合性高分子化合物、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C)重合開始剤を含有し、必要に応じてその他の成分を含む。また、前記(A)重合性高分子化合物は、上述した重合性高分子化合物であり、(B)ラジカル重合性化合物及び(C)重合開始剤についても上述したものと同様である。
本発明のインク組成物は、上記必須成分の他、前記放射線により硬化して画像を形成するため(D)着色剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることのできる(D)着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料および油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の任意の公知の着色剤から選択して使用することができる。本発明のインク組成物に好適に使用し得る(D)着色剤は、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しないことが好ましい。これは、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないためである。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料および無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
このような観点から、硬化に寄与しない溶剤を添加せず、(B)ラジカル重合性化合物を分散媒として機能させる形態が好ましく、インク組成物の分散適性やハンドリング性向上の観点から、粘度の低い(B)ラジカル重合性化合物を選択することが好ましい。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明に用いることのできる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基、長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基およびこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vs SCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vsSCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vs SCE)以上のものが特に好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(V)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
以下に、その他の成分として、必要に応じて本発明に用いることのできる種々の添加剤について述べる。
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5質量%〜15質量%であることが好ましい。
本発明には、開始剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、開始剤に対し、電子移動機構またはエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、開始剤に対し0.01モル%〜1モル%で用いることが好ましく、0.1モル%〜0.5モル%がより好ましい。
組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
本発明には、各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式および化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
本発明には、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
本発明には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%〜3質量%の範囲である。
本発明には、膜物性を調整するため、前記(A)重合性高分子化合物の他に、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、または「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
本発明には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
本発明のインク組成物をインクジェット記録用として使用する場合には、吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、40℃〜80℃、好ましくは25℃〜30℃)において、粘度が、好ましくは7mPa・s〜30mPa・sであり、より好ましくは7mPa・s〜20mPa・sである。例えば、本発明のインク組成物の室温(25℃〜30℃)における粘度は、好ましくは35〜500mPa・s、より好ましくは35mPa・s〜200mPa・sである。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物が好適に適用されるインクジェット記録方法(本発明のインクジェット記録方法)について、以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、上記した本発明のインク組成物を、被記録媒体(支持体、記録材料等)上にインクジェット記録装置により吐出する工程、および、吐出されたインク組成物に活性放射線を照射してインク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。硬化したインク組成物は、被記録媒体上に画像を形成する。
更に、本発明に適用しうる被記録材料としては、平版印刷版の支持体が挙げられる。
特に、本発明のインクジェット記録方法では、放射線照射が、発光波長ピークが350〜420nmであり、かつ、前記被記録媒体表面での最高照度が10〜2,000mW/cm2となる紫外線を発生する発光ダイオードから照射されることが好ましい。本発明のインク組成物は、発光ダイオードの発する光のような、低露光量の光でも高感度で硬化する。
そのため、耐擦過性に優れ、表面のべとつきが抑制された画像を有する印刷物となる。
今日において、成形加工が施された加飾シート等の印刷物は、様々な用途で使用されている。例えば、電化製品等に使用されるメンブレンスイッチ表面シートは、薄プラスチックシート(膜圧約100μmのPET、ポリカーボネート、ポリスチレン等)にイメージ(画像)が形成された後、スイッチ部分(クリック部分)にクリック感を出す目的で、エンボス加工が施される。またその他、印刷物をマット調に仕上げたり、デザイン上立体感を出すため、画像を形成した後の印刷物にエンボス加工を施す例が多く見られる。
これらの加工が施される印刷物に用いられるインクの性能としては、得られた画像(印刷物)がひび割れや剥離等を起こしにくく、硬化膜の耐衝撃性、柔軟性、基材密着性に富むものが求められている。これに対し、本発明のインク組成物は、特定化合物を有していることから、表面を効率よく硬化することができるため衝撃に強く、更に、バルクを柔軟な膜(粘弾性が低い軟らかい膜)にしても表面の硬化性(粘弾性が高いべとつきが無い膜)を確保することができるため、画像形成後に上記加工が施される用途において、特に良好な効果を発揮することができる。
なお、本発明のインク組成物の用途としては、上記の中でも特に真空成型用が好ましい。
−例示化合物A−1の合成−
ポリアリルアミン10wt%水溶液(日東紡製PAA−25、重量平均分子量約Mw=25000)100質量部、キシレン50質量部、を160℃で撹拌し、分離装置を利用して水を留去し、キシレン溶液とした。
上記キシレン溶液に、p−メトキシフェノール少量を添加し、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成社製、4HBAGE、分子量:200.23)70.1質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−1)に相当する例示化合物A−1を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=35000であった。
ポリアリルアミン10wt%水溶液(日東紡製PAA−25、重量平均分子量約Mw=25000)100質量部、キシレン50質量部を160℃で撹拌し、分離装置を利用して水を留去し、キシレン溶液とした。
上記キシレン溶液に、p−メトキシフェノール少量を添加し、グリシジルメタクリレート(日本油脂社製、分子量:142.15)、49.8質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−1)に相当する例示化合物A−2を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=23000であった。
ポリアリルアミン10wt%水溶液(日東紡製PAA−25、重量平均分子量約Mw=25000)100質量部、キシレン50質量部を160℃で撹拌し、分離装置を利用して水を留去し、キシレン溶液とした。
上記キシレン溶液に、p−メトキシフェノール少量を添加し、3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン(ダイキン社製、E−1630、分子量:376.1)6.6質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、サイクロマーA400(東亞合成社製、分子量:182.2)30.3質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−1)に相当する例示化合物A−3を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=30000であった。
ポリアリルアミン10wt%水溶液(日東紡製PAA−H−10C、重量平均分子量約Mw=60000)100質量部、キシレン50質量部を160℃で撹拌し、分離装置を利用して水を留去し、キシレン溶液とした。
上記キシレン溶液に、p−メトキシフェノール少量を添加し、さらに3−パーフルオロヘキシル1,2−エポキシプロパン(ダイキン社製、E−1630、分子量:376.1)6.6質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズMOI、分子量:155.15)25.8質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−1)に相当する例示化合物A−4を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=69000であった。
ポリアリルアミン10wt%水溶液(日東紡製PAA−H−10C、重量平均分子量約Mw=60000)100質量部、キシレン50質量部を160℃で撹拌し、分離装置を利用して水を留去し、キシレン溶液とした。
上記キシレン溶液に、p−メトキシフェノール少量を添加し、さらに3−パーフルオロヘキシル1,2−エポキシプロパン(ダイキン社製、E−1630、分子量:376.1)6.6質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズAOI、分子量:141.12)23.5質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−1)に相当する例示化合物A−5を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=35000であった。
ポリアリルアミン10wt%水溶液(日東紡製PAA−H−10C、重量平均分子量約Mw=60000)100質量部、キシレン50質量部を160℃で撹拌し、分離装置を利用して水を留去し、キシレン溶液とした。
上記キシレン溶液に、p−メトキシフェノール少量を添加し、さらに末端エポキシ変性シリコーン(信越シリコーン社製、x−22−173DX、分子量:4780)8.4質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズAOI、分子量:141.12)24.5質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−1)に相当する例示化合物A−6’を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=110000であった。
ポリアリルアミン10wt%水溶液(日東紡製PAA−H−10C、重量平均分子量約Mw=60000)100質量部、キシレン50質量部を160℃で撹拌し、分離装置を利用して水を留去し、キシレン溶液とした。
上記キシレン溶液に、p−メトキシフェノール少量を添加し、さらに末端エポキシ変性シリコーン(信越シリコーン社製、x−22−173DX、分子量:4780)8.4質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、無水メタクリル酸(アルドリッチ社製、分子量:154.16)26.7質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−1)に相当する例示化合物A−7’を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=130000であった。
ポリアリルアミン10wt%水溶液(日東紡製PAA−H−10C、重量平均分子量約Mw=60000)100質量部、キシレン50質量部を160℃で撹拌し、分離装置を利用して水を留去し、キシレン溶液とした。
上記キシレン溶液に、p−メトキシフェノール少量を添加し、さらにグリシジルメタクリレート(日本油脂社製、分子量:142.15)、2.5質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズMOI、分子量:155.15)25.8質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−1)に相当する例示化合物A−8を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=90000であった。
特公昭63−9523号公報に記載の方法を元に分子量20000のポリビニルアミンをポリビニルホルムアミドの加水分解によって得た。得られたポリビニルアミン10質量部に、p−メトキシフェノール少量を添加し、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成社製、4HBAG、分子量:200.23)93.0質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−2)に相当する例示化合物A−9を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=71000であった。
上記例示化合物(A−9)の合成に用いたポリビニルアミンと同じポリビニルアミン10質量部に、p−メトキシフェノール少量を添加し、グリシジルメタクリレート(日本油脂社製、分子量:142.15)、33.0質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−2)に相当する例示化合物A−10を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=68000であった。
上記例示化合物(A−9)の合成に用いたポリビニルアミンと同じポリビニルアミン10質量部に、p−メトキシフェノール少量を添加し、3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン(ダイキン社製、E−1630、分子量:376.1)8.7質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、サイクロマーA400(東亞合成社製、分子量:182.2)40.2質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−2)に相当する例示化合物A−11を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=26000であった。
上記例示化合物(A−9)の合成に用いたポリビニルアミンと同じポリビニルアミン10質量部に、p−メトキシフェノール少量を添加し、3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン(ダイキン社製、E−1630、分子量:376.1)8.7質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズMOI、分子量:155.15)34.2質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−2)に相当する例示化合物A−12を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=26000であった。
上記重合性高分子化合物(A−9)の合成に用いたポリビニルアミンと同じポリビニルアミン10質量部に、p−メトキシフェノール少量を添加し、末端エポキシ変性シリコーン(信越シリコーン社製、x−22−173DX、分子量:4780)11.1質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、無水メタクリル酸(アルドリッチ社製、分子量:154.16)35.4質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−2)に相当する例示化合物A−13’を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=98000であった。
ポリエチレンイミン(日本触媒製、エポミンSP200、重量平均分子量約Mw=10000)10質量部に、p−メトキシフェノール少量を添加し、さらに4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成社製、4HBAG、分子量:200.23)46.5質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−3)に相当する例示化合物A−14を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=36000であった。
ポリエチレンイミン(日本触媒製、エポミンSP200、重量平均分子量約Mw=10000)10質量部に、p−メトキシフェノール少量を添加し、グリシジルメタクリレート(日本油脂社製、分子量:142.15)、33.0質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−3)に相当する例示化合物A−15を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=42000であった。
ポリエチレンイミン(日本触媒製、エポミンSP200、重量平均分子量約Mw=10000)10質量部に、p−メトキシフェノール少量を添加し、3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン(ダイキン社製、E−1630、分子量:376.1)8.7質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、サイクロマーA400(東亞合成社製、分子量:182.2)38.1質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−3)に相当する例示化合物A−16を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=88000であった。
ポリエチレンイミン(日本触媒製、エポミンSP200、重量平均分子量約Mw=10000)10質量部に、p−メトキシフェノール少量を添加し、3−パーフルオロヘキシル1,2−エポキシプロパン(ダイキン社製、E−1630、分子量:376.1)8.7質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズMOI、分子量:155.15)32.4質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−3)に相当する例示化合物A−17を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=66000であった。
ポリエチレンイミン(日本触媒製、エポミンSP200、重量平均分子量約Mw=10000)10質量部に、p−メトキシフェノール少量を添加し、末端エポキシ変性シリコーン(信越シリコーン社製、x−22−173DX、分子量:4780)11.1質量部をゆっくり滴下しながら、50℃で8時間反応した。その後、無水メタクリル酸(アルドリッチ社製、分子量:154.16)35.4質量部を添加し、50℃でさらに8時間反応した。電気透析に付し48時間かけて脱塩したのち、大量のヘキサン溶媒にて再沈、室温にて減圧乾燥し、重合性高分子化合物(A−3)に相当する例示化合物A−18’を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=22000であった。
特開2003−175668に記載の方法により、下記式の比較化合物(C1)を得た。GPC測定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算でMw=70000であった。
《インク組成物の調整》
・フェノキシエチルアクリレート 46質量部
・Actilane 421
(Akcros社製、アクリレートモノマー) 1.0質量部
・n−ビニルカプロラクタム 23質量部
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 0.4質量部
・Cinquasia Mazenta RT−355D 3.6質量部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Genorad 16(Rahn社製、安定剤) 0.05質量部
・Rapi−Cure DVE−3
(ISP Europe社製、ビニルエーテル) 8.0質量部
・Lucirin TPO(BASF社製、光重合開始剤分) 8.5質量部
・ベンゾフェノン(光重合開始剤) 4.0質量部
・Irgacure 184 4.0質量部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光重合開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05質量部
・例示化合物(A−1)(前記記載の化合物) 0.9質量部
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行った。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
メディアとの距離および搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01〜15J/cm2の間で調整することができる。
実施例1における例示化合物(A−1)の代わりに、表1に記載の化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜18のインク組成物を得た。
実施例1における例示化合物(A−1)を含有しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインク組成物を得た。
実施例1における例示化合物(A−1)の代わりに、表1に記載の化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインク組成物を得た。
実施例1〜18および比較例1〜2で得られたインク組成物(インク)について、本発明のインクジェット記録方法により、非記録媒体に画像を記録し、評価をおこなった。具体的な画像記録条件及びインク組成物の評価方法は以下の通りである。
メディアとの距離及び搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01J/cm2〜15J/cm2の間で調整することができる。なお、照射時間は、紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなるまでとした。また、被記録媒体としては、軟質塩化ビニルシートを用いた。
この条件で、インクの転写感度、吐出安定性、延伸率、及びインクを用いて形成した画像のブロッキング感度、耐擦過性を評価した。結果を表1に示す。なお、表1中の各評価項目の測定・評価方法は以下の通りである。
紫外線照射後の画像面において、インク画像が硬化して表面の粘着感が無くなる露光エネルギー量(mJ/cm2)を感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
感度の許容範囲は、ラジカル系インクでは750mJ/cm2以下であり、350mJ/cm2以下であることが好ましい。
紫外線照射後の形成した画像上に、PETシート(サイズ:縦横共に画像形成した軟質塩化ビニルシートと同サイズ、重さ:2g/枚)を500枚重ね載せ、一日放置し、PETシートへの転写を目視評価した。PETシートへの転写は、画像が隣接するPETシートとのブロッキングを生じたことを意味する。PETシートへの転写が無くなる露光エネルギー量(mJ/cm2)をブロッキング感度と定義した。
ブロッキング感度の許容範囲はラジカル系インクでは12,000mJ/cm2以下であり、6,000mJ/cm2以下であることが好ましい。
軟質塩化ビニルシート上に形成された紫外線照射後の画像を、消しゴム(ホシヤ製K−50 Plastic Eraser Keep)で擦り、消しゴムへの転写を目視評価した。消しゴムへの転写は、消しゴムの接触により画像の表面が擦り取られたことを意味する。評価基準は下記のとおりである。
−評価基準−
○ 消しゴムへの転写が無い
× 消しゴムへの転写がある
積算露光量12,000mJ/cm2、照度:2140mW/cm2とし、支持体をFassonPE(Fasson社製ポリエチレンフイルム:膜厚100um)を用いる以外は、上記と同様にして、硬化膜を作成した。得られた硬化膜を軸長5cm×幅2.5cmにカットし、引っ張り試験機(島津社製)を用いて、速度30cm/minで延伸させ、硬化膜が破断する伸び率を測定した。初期長から2倍の長さまで伸びた状態を伸び率100%と定義した。
ラジカル系インクでの延伸率の許容範囲は200%以上であり、300%以上であることが好ましい。
インクジェットヘッドのノズルにおけるインクの吐出安定性を評価するために、下記の条件で、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置により60分連続吐出し、ノズルロス個数の評価を行った。
実験は、PET基板上にインク組成物を吐出して露光(露光量:1,000mW/cm2)を行った場合のノズルロス数(ノズルが詰まってしまった数)を数えた。ノズルロスが0以上5個未満の場合○、ノズルロスが5個以上10個未満を△、10個以上を×とした。
−条件−
チャンネル数:318/ヘッド
駆動周波数:4.8kHz/dot
インク滴:7滴、42pl
温度:45℃
Claims (9)
- (A)下記の重合性高分子化合物(A−1)〜(A−3)から選ばれる少なくとも1種の重合性高分子化合物と、(B)前記(A)重合性高分子化合物とは構造の異なるラジカル重合性化合物(但し、重合性基を1個のみ有するラジカル重合性化合物の占める割合が60質量%以上100質量%以下である。)と、(C)重合開始剤と、を含み、
前記(A)重合性高分子化合物の含有量が、全固形分に対して0.5質量%以上10質量%以下であり、前記(B)ラジカル重合性化合物の含有量が、全固形分に対して50質量%以上90質量%以下であるインクジェット記録用硬化性インク組成物。
・重合性高分子化合物(A−1):重量平均分子量が3000以上50000以下であるポリアリルアミンの側鎖にラジカル重合性基を有し、該ラジカル重合性基の量がポリアリルアミンのアミノ基1当量に対し0.1当量以上2当量以下である重合性高分子化合物。
・重合性高分子化合物(A−2):重量平均分子量が3000以上50000以下であるポリビニルアミンの側鎖にラジカル重合性基を有し、該ラジカル重合性基の量がポリビニルアミンのアミノ基1当量に対し0.1当量以上2当量以下である重合性高分子化合物。
・重合性高分子化合物(A−3):重量平均分子量が3000以上50000以下であるポリエチレンイミンの側鎖にラジカル重合性基を有し、該ラジカル重合性基の量がポリエチレンイミンのイミノ基1当量に対し0.3当量以上0.9当量以下である重合性高分子化合物。 - 前記重合性高分子化合物(A−1)が、下記一般式(1)で示される構造単位の少なくとも1種を含む請求項1に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物。
一般式(1)中、Raは、式:−L−Z(Lは、直鎖、分岐、又は環状構造を含む炭素数1〜12の2価の連結基を表し、Zは、不飽和カルボン酸エステル基又はスチレン基を表す。)で表される基を表し、Rbは、水素原子、上記式:−L−Zで表される基、炭素数3〜12のフッ素化アルキル基又は下記構造式(式中、*は窒素原子との結合位置を示し、R z は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるシロキサン骨格を有する基を表す。
- 前記重合性高分子化合物(A−1)が、更に、下記一般式(2)で示される構造単位の少なくとも1種を含む請求項2に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物。
一般式(2)中、Rc及びRdは、各々独立して、水素原子、炭素数3〜12のフッ素化アルキル基又は下記構造式(式中、*は窒素原子との結合位置を示し、R z は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるシロキサン骨格を有する基を表す。
- 前記重合性高分子化合物(A−2)が、下記一般式(4)で示される構造単位の少なくとも1種を含む請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物。
一般式(4)中、Rgは、式:−L−Z(Lは、直鎖、分岐、又は環状構造を含む炭素数1〜12の2価の連結基を表し、Zは、不飽和カルボン酸エステル基又はスチレン基を表す。)で表される基を表し、Rhは、水素原子、上記式:−L−Zで表される基、炭素数3〜12のフッ素化アルキル基又は下記構造式(式中、*は窒素原子との結合位置を示し、R z は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるシロキサン骨格を有する基を表す。
- 前記重合性高分子化合物(A−2)が、更に、下記一般式(5)で示される構造単位の少なくとも1種を含む請求項4に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物。
一般式(5)、Ri及びRjは、各々独立して、水素原子、炭素数3〜12のフッ素化アルキル基又は下記構造式(式中、*は窒素原子との結合位置を示し、R z は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるシロキサン骨格を有する基を表す。
- 前記重合性高分子化合物(A−3)が、下記一般式(6)で示される構造単位の少なくとも1種を含む請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物。
一般式(6)中、Rkは、式:−L−Z(Lは、直鎖、分岐、又は環状構造を含む炭素数1〜12の2価の連結基を表し、Zは、不飽和カルボン酸エステル基又はスチレン基を表す。)で表される基を表す。 - 前記重合性高分子化合物(A−3)が、更に、下記一般式(7)で示される構造単位の少なくとも1種を含む請求項6に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物。
一般式(7)中、Rlは、水素原子、炭素数3〜12のフッ素化アルキル基又は下記構造式(式中、*は窒素原子との結合位置を示し、R z は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるシロキサン骨格を有する基を表す。
- 被記録媒体上に、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のインクジェット記録用硬化性インク組成物を、インクジェット記録装置により吐出する工程と、
吐出された前記インク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程と、
を含む、インクジェット記録方法。 - 請求項8に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。
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