JP2017171711A - ポリアリルアミン誘導体及びポリエチレンイミン誘導体 - Google Patents

ポリアリルアミン誘導体及びポリエチレンイミン誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】光硬化性を有する新規な化合物、この化合物を含有する、分散剤、処理顔料、顔料含有樹脂組成物、塗料、インキ組成物、硬化膜、及びカラーフィルタの提供。【解決手段】特定の構造を有するポリアリルアミン誘導体、特定の構造を有するポリエチレンイミン誘導体、それらを含有する、分散剤、処理顔料、顔料含有樹脂組成物、塗料、インキ組成物、硬化膜、及びカラーフィルタ。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリルアミン誘導体及びポリエチレンイミン誘導体に関する。さらには、当該ポリアリルアミン誘導体及び当該ポリエチレンイミン誘導体を含有する、分散剤、処理顔料、顔料含有樹脂組成物、塗料、インキ組成物、硬化膜、及びカラーフィルタに関する。
液晶カラーディスプレイや撮像素子等を製造するために使用されるカラーフィルタは、分散顔料を用いて製造される。このような分散顔料としては、例えば、特許文献1に記載の顔料分散剤を用いて調製される。
特開平09−169821号公報
本発明は、顔料分散剤として有用な光硬化性を有する新規なポリアリルアミン誘導体及びポリエチレンイミン誘導体を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 下記一般式(1−1)で表されるm個の構造単位、及び下記一般式(1−2)で表されるn個の構造単位を有し、mは1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す、ポリアリルアミン誘導体。
Figure 2017171711
(式(1−1)中、A1は、アミノ基、下記一般式(2−1)で表される基、一般式(2−2)で表される基、一般式(2−3)で表される基、又は一般式(2−4)で表される基を表し、式(1−2)中、B1は、下記一般式(3−1)で表される基、一般式(3−2)で表される基、一般式(3−3)で表される基、一般式(3−4)で表される基、又は一般式(3−5)で表される基を表し、m及びnが2以上の整数である場合、複数のA1及びB1は互いに同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2017171711
(式(2−1)及び式(2−2)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、a1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。
式(2−3)及び式(2−4)中、R2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基を表し、R3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、b1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。)
Figure 2017171711
(式(3−1)、式(3−2)及び式(3−3)中、R4、R5及びR7はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R6及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
式(3−4)及び式(3−5)中、R9はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、c1はそれぞれ独立に1〜100の整数を表す。)
[2] m+nが2〜1800の整数であり、重量平均分子量が3000〜100000である[1]に記載のポリアリルアミン誘導体。
[3] n/(m+n)が、0.01〜0.3である、[1]又は[2]に記載のポリアリルアミン誘導体。
[4] a1及びb1は、それぞれ独立に10〜50の整数を表す、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアリルアミン誘導体。
[5] c1は、それぞれ独立に10〜50の整数を表す、[1]〜[4]のいずれかに記載のポリアリルアミン誘導体。
[6] ヨウ素価が0.5以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載のポリアリルアミン誘導体。
[7] 下記一般式(4−1)で表されるp個の構造単位、及び下記一般式(4−2)で表されるq個の構造単位を有し、qは1以上の整数を表し、pは1以上の整数を表す、ポリエチレンイミン誘導体。
Figure 2017171711
(式(4−1)中、A2は、−NH−、下記一般式(5−1)で表される基、一般式(5−2)で表される基、一般式(5−3)で表される基、又は一般式(5−4)で表される基を表し、式(4−2)中、B2は、下記一般式(6−1)で表される基、一般式(6−2)で表される基、一般式(6−3)で表される基、一般式(6−4)で表される基、又は一般式(6−5)で表される基を表し、p及びqが2以上の整数である場合、複数のA2及びB2は互いに同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2017171711
(式(5−1)及び式(5−2)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、a1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。
式(5−3)及び式(5−4)中、R2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基を表し、R3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、b1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。)
Figure 2017171711
(式(6−1)、式(6−2)及び式(6−3)中、R4、R5及びR7はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R6及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
式(6−4)及び式(6−5)中、R9はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、c1はそれぞれ独立に1〜100の整数を表す。)
[8] p+qが2〜2300の整数であり、重量平均分子量が3000〜100000である、[7]に記載のポリエチレンイミン誘導体。
[9] q/(p+q)が、0.01〜0.5である、[7]又は[8]に記載のポリエチレンイミン誘導体。
[10] a1及びb1は、それぞれ独立に10〜50の整数を表す、[7]〜[9]のいずれかに記載のポリエチレンイミン誘導体。
[11] c1は、それぞれ独立に10〜50の整数を表す、[7]〜[10]のいずれかに記載のポリエチレンイミン誘導体。
[12] ヨウ素価が0.5以上である、[7]〜[11]のいずれかに記載のポリエチレンイミン誘導体。
[13] [1]〜[6]のいずれかに記載のポリアリルアミン誘導体を含有する、分散剤。
[14] [7]〜[11]のいずれかに記載のポリエチレンイミン誘導体を含有する、分散剤。
[15] [13]又は[14]に記載の分散剤で顔料を処理した、処理顔料。
[16] [15]に記載の処理顔料、樹脂、及び光重合開始剤を含む、顔料含有樹脂組成物。
[17] [16]に記載の顔料含有樹脂組成物を含む、塗料。
[18] [16]に記載の顔料含有樹脂組成物を含有する、インキ組成物。
[19] [15]に記載の処理顔料を硬化して得られた、硬化膜。
[20] [16]に記載の顔料含有樹脂組成物を硬化して得られた、硬化膜。
[21] [19]又は[20]に記載の硬化膜を有するカラーフィルタ。
本発明によれば、光硬化性を有する新規な化合物、この化合物を含有する、分散剤、処理顔料、顔料含有樹脂組成物、塗料、インキ組成物、硬化膜、及びカラーフィルタを提供することができるようになった。
以下、本発明のポリアリルアミン誘導体及びポリエチレンイミン誘導体、当該ポリアリルアミン誘導体及び当該ポリエチレンイミン誘導体を含有する、分散剤、処理顔料、顔料含有樹脂組成物、塗料、インキ組成物、硬化膜、及びカラーフィルタについて詳細に説明する。
本明細書において、化合物又は基の直前に付されている「置換基を有していてもよい」という用語は、該化合物又は基の水素原子が置換基で置換されていない場合、及び、該化合物又は基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されている場合の双方を意味する。
本明細書において、「Cr〜Cs」(r及びsは正の整数であり、r<sを満たす。)という用語は、この用語の直後に記載された有機基の炭素原子数がr〜sであることを表す。例えば、「C1〜C10アルキル基」は、炭素原子数1〜10のアルキル基を示し、「C1〜C10アルキルエステル」は、炭素原子数1〜10のアルキル基とのエステルを示す。
本明細書において、アルキレン基とは、特に断りのない限り、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキレン基の総称である。また、環状のアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。他の官能基についても同様である。
(メタ)アクリル基とは、アクリル基及びメタクリル基を含む。(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸を含む。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを含む。
<ポリアリルアミン誘導体>
本発明のポリアリルアミン誘導体は、下記一般式(1−1)で表されるm個の構造単位、及び下記一般式(1−2)で表されるn個の構造単位を有し、mは1以上の整数を表し、nは1以上の整数である。
Figure 2017171711
(式(1−1)中、A1は、アミノ基、下記一般式(2−1)で表される基、一般式(2−2)で表される基、一般式(2−3)で表される基、又は一般式(2−4)で表される基を表し、式(1−2)中、B1は、下記一般式(3−1)で表される基、一般式(3−2)で表される基、一般式(3−3)で表される基、一般式(3−4)で表される基、又は一般式(3−5)で表される基を表し、m及びnが2以上の整数である場合、複数のA1及びB1は互いに同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2017171711
(式(2−1)及び式(2−2)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、a1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。
式(2−3)及び式(2−4)中、R2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基を表し、R3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、b1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。)
Figure 2017171711
(式(3−1)、式(3−2)及び式(3−3)中、R4、R5及びR7はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R6及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
式(3−4)及び式(3−5)中、R9はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、c1は1〜100の整数を表す。)
式(1−1)中、A1は、アミノ基(すなわち−NH2)、下記一般式(2−1)で表される基、一般式(2−2)で表される基、一般式(2−3)で表される基、又は一般式(2−4)で表される基を表す。複数のA1は、アミノ基、下記一般式(2−1)で表される基、及び一般式(2−2)で表される基の組み合わせ、アミノ基、下記一般式(2−3)で表される基、及び一般式(2−4)で表される基の組み合わせのいずれかとなってもよく、アミノ基、下記一般式(2−1)で表される基、及び一般式(2−2)で表される基の組み合わせが好ましい。
Figure 2017171711
(式(2−1)及び式(2−2)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、a1それぞれ独立には2〜100の整数を表す。
式(2−3)及び式(2−4)中、R2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基を表し、R3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、b1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。)
式(2−1)及び式(2−2)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基としては、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜15のアルキレン基が好ましく、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキレン基がより好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。R1が表すアルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖又は分枝のアルキレン基が好ましい。
このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、デカヒドロナフタニレン基、ノルボルナニレン基、アダマンタニレン基等が挙げられ、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基が好ましい。
1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基としては、オキシアルキレン基、アルキレンオキシ基、オキシアルキレンオキシ基、アルキレンオキシアルキレン基、アルキレンオキシアルキレンオキシアルキレン基等が挙げられる。置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基は、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜15のエーテル結合を有するアルキレン基が好ましく、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のエーテル結合を有するアルキレン基がより好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。該アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖又は分枝のアルキレン基が好ましい。
このようなエーテル結合を有するアルキレン基としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシへキシレン基、オキシヘプチレン基、オキシオクチレン基、オキシノニレン基、オキシデシレン基、オキシウンデシレン基、オキシドデシレン基、オキシトリデシレン基、オキシテトラデシレン基、オキシペンタデシレン基、オキシシクロプロピレン基、オキシシクロブチレン基、オキシシクロペンチレン基、オキシシクロへキシレン基、オキシデカヒドロナフタニレン基、オキシノルボルナニレン基、オキシアダマンタニレン基等が挙げられ、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシへキシレン基が好ましい。
1が表すアルキレン基、又はエーテル結合を有するアルキレン基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、特に制限はなく、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、1価の複素環基、アルキリデン基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、オキソ基等が挙げられる。
置換基として用いられるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
置換基として用いられるアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。該アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜14、さらに好ましくは1〜12、さらにより好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜3である。該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基が挙げられる。置換基として用いられるアルキル基は、さらに置換基(「二次置換基」)を有していてもよい。斯かる二次置換基を有するアルキル基としては、例えば、ハロゲン原子で置換されたアルキル基が挙げられ、具体的には、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、テトラフルオロエチル基、テトラクロロエチル基等が挙げられる。
置換基として用いられるシクロアルキル基の炭素原子数は、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜12、さらに好ましくは3〜6である。該シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
置換基として用いられるアルコキシ基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。該アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜6である。該アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、及びデシルオキシ基が挙げられる。
置換基として用いられるシクロアルキルオキシ基の炭素原子数は、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜12、さらに好ましくは3〜6である。該シクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、及びシクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
置換基として用いられるアリール基は、芳香族炭化水素から芳香環上の水素原子を1個除いた基である。置換基として用いられるアリール基の炭素原子数は、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18、さらに好ましくは6〜14、さらにより好ましくは6〜10である。該アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基が挙げられる。
置換基として用いられるアリールオキシ基の炭素原子数は、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18、さらに好ましくは6〜14、さらにより好ましくは6〜10である。置換基として用いられるアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、及び2−ナフチルオキシ基が挙げられる。
置換基として用いられるアリールアルキル基の炭素原子数は、好ましくは7〜25、より好ましくは7〜19、さらに好ましくは7〜15、さらにより好ましくは7〜11である。該アリールアルキル基としては、例えば、フェニル−C1〜C12アルキル基、ナフチル−C1〜C12アルキル基、及びアントラセニル−C1〜C12アルキル基が挙げられる。
置換基として用いられるアリールアルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは7〜25、より好ましくは7〜19、さらに好ましくは7〜15、さらにより好ましくは7〜11である。該アリールアルコキシ基としては、例えば、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、及びナフチル−C1〜C12アルコキシ基が挙げられる。
置換基として用いられる1価の複素環基とは、複素環式化合物の複素環から水素原子1個を除いた基をいう。該1価の複素環基の炭素原子数は、好ましくは3〜21、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜9である。該1価の複素環基には、1価の芳香族複素環基(ヘテロアリール基)も含まれる。該1価の複素環としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フラニル基、フリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、キノリル基、及びイソキノリル基が挙げられる。
置換基として用いられるアルキリデン基とは、アルカンの同一の炭素原子から水素原子を2個除いた基をいう。該アルキリデン基の炭素原子数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜14、さらに好ましくは1〜12、さらにより好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜3である。該アルキリデン基としては、例えば、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、sec−ブチリデン基、イソブチリデン基、tert−ブチリデン基、ペンチリデン基、ヘキシリデン基、ヘプチリデン基、オクチリデン基、ノニリデン基、及びデシリデン基が挙げられる。
置換基として用いられるアシル基は、式:−C(=O)−Rで表される基(式中、Rはアルキル基又はアリール基)をいう。Rで表されるアルキル基は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基が挙げられる。該アシル基の炭素原子数は、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜13、さらに好ましくは2〜7である。該アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、及びベンゾイル基が挙げられる。
置換基として用いられるアシルオキシ基は、式:−O−C(=O)−Rで表される基(式中、Rはアルキル基又はアリール基)をいう。Rで表されるアルキル基は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基が挙げられる。該アシルオキシ基の炭素原子数は、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜13、さらに好ましくは2〜7である。該アシルオキシ基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、及びベンゾイルオキシ基が挙げられる。
上述の置換基は、さらに置換基(以下、「二次置換基」という場合がある。)を有していてもよい。二次置換基としては、特に記載のない限り、上述の置換基と同じものを用いてよい。
a1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表し、2〜50の整数を表すことが好ましく、10〜50の整数を表すことがより好ましく、15〜50の整数を表すことがさらにより好ましい。
式(2−1)で表される基は、下記式(2−1−1)で表される基であってもよく、式(2−2)で表される基は、下記式(2−2−1)で表される基であってもよい。
Figure 2017171711
(式(2−1−1)及び式(2−2−1)中、R1a及びR1bはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。a2はそれぞれ独立に1〜10の整数を表し、a3はそれぞれ独立に10〜50の整数を表す。)
1a及びR1bが表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基は、式(2−1)及び式(2−2)中のR1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。a2はそれぞれ独立に1〜5の整数が好ましく、a3はそれぞれ独立に15〜50の整数を表すことが好ましい。
式(2−3)及び式(2−4)中、R2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基を表す。
2が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基は、式(2−1)中のR1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
2が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基としては、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基が好ましく、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜18のアリーレン基がより好ましく、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜14のアリーレン基がさらに好ましく、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10のアリーレン基がさらにより好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。アリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基等が挙げられる。置換基としては、式(2−1)中のR1が表すアルキレン基が有してもよい置換基と同様である。
2が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基としては、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜15のアルケニレン基が好ましく、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルケニレン基がより好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。R2が表すアルケニレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖又は分枝のアルケニレン基が好ましい。アルケニレン基としては、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。置換基としては、式(2−1)中のR1が表すアルキレン基が有してもよい置換基と同様である。
式(2−3)及び式(2−4)中、R3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
3が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基は、式(2−1)中のR1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
このような基としては、例えば、メチレン基、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシへキシレン基、オキシヘプチレン基、オキシオクチレン基、オキシノニレン基、オキシデシレン基、オキシウンデシレン基、オキシドデシレン基、オキシトリデシレン基、オキシテトラデシレン基、オキシペンタデシレン基、オキシシクロプロピレン基、オキシシクロブチレン基、オキシシクロペンチレン基、オキシシクロへキシレン基、オキシデカヒドロナフタニレン基、オキシノルボルナニレン基、オキシアダマンタニレン基等が挙げられる。置換基としては、式(2−1)中のR1が表すアルキレン基が有してもよい置換基と同様である。
b1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表し、2〜50の整数を表すことが好ましく、10〜50の整数を表すことがより好ましく、15〜50の整数を表すことがさらにより好ましい。
式(1−2)中、B1は、下記一般式(3−1)で表される基、一般式(3−2)で表される基、一般式(3−3)で表される基、一般式(3−4)で表される基、又は一般式(3−5)で表される基を表す。B1は、一般式(3−1)〜(3−2)、(3−4)〜(3−5)で表される基が好ましい。
Figure 2017171711
(式(3−1)、式(3−2)及び式(3−3)中、R4、R5及びR7はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R6及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
式(3−4)及び式(3−5)中、R9はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、c1はそれぞれ独立に1〜100の整数を表す。)
式(3−1)、式(3−2)及び式(3−3)中、R4、R5及びR7はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、メチル基が好ましい。
式(3−2)及び式(3−3)中、R6及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
6及びR8が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基は、式(2−1)中のR1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(3−4)及び式(3−5)中、R9はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、メチル基が好ましい。
式(3−4)及び式(3−5)中、R10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。
10が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基は、式(2−1)中のR1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(3−4)及び式(3−5)中、c1はそれぞれ独立に1〜100の整数を表し、2〜100の整数を表すことが好ましく、2〜50の整数を表すことがより好ましく、10〜50の整数を表すことがさらに好ましく、15〜50の整数を表すことがさらにより好ましい。
本発明のポリアリルアミン誘導体は、一般式(1−1)で表されるm個の構造単位、及び一般式(1−2)で表されるn個の構造単位を有する。m+nは2〜1800の整数を表し、10〜1000の整数を表すことが好ましく、20〜500の整数を表すことがより好ましい。m及びnは1以上の整数を表す。
n/(m+n)は、0.01〜0.3であることが好ましく、0.02〜0.25であることがより好ましい。n/(m+n)を上記範囲内とすることで、ポストベーク(インキ組成物を塗布後の加熱工程)前後の明度の低下を抑制することができる。
詳細は後述するが、本発明のポリアリルアミン誘導体は、ポリアリルアミンに、ポリエステル及び(メタ)アクリル基含有化合物を反応させることによって製造することができる。本発明のポリアリルアミン誘導体の製造に用いるポリアリルアミンは、アリルアミンを重合開始剤及び/又は連鎖移動触媒存在下、重合させることで得られる。このため、本発明のポリアリルアミン誘導体の末端は、水素原子、重合開始剤残基、又は連鎖移動触媒残基となる。
重合開始剤残基は、本発明のポリアリルアミン誘導体の製造に用いるポリアリルアミンを得る際に使用する重合開始剤の残基である。重合開始剤残基としては後述する重合開始剤残基等を挙げることができる。具体的には、メチルエチルケトン等のケトンパーオキシド類の残基、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキシド類の残基、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類の残基、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール類の残基、t−ブチルヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド類の残基、t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類の残基、その他アゾビスイソプチロニリトリルの残基、過酸化水素の残基、第一鉄塩の残基等を挙げることができる。さらに特公平2−14364号公報に記載の重合開始剤の残基を用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、複数用いてもよい。
連鎖移動触媒残基は、本発明のポリアリルアミン誘導体の製造に用いるポリアリルアミンを得る際に使用する連鎖移勤触媒の残基である。連鎖移動触媒残基としては後述する連鎖移動触媒の残基等が挙げられる。具体的には、ラウリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類の残基、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸等のチオカルボン酸類の残基、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等のチオカルボン酸エステルの残基等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数用いてもよい。
本発明のポリアリルアミン誘導体のヨウ素価は、0.5以上であることが好ましく、1以上がより好ましく、2以上がさらに好ましく、3以上が特に好ましい。上限は特に規定はないが、例えば、30以下が好ましく、27以下がより好ましく、25以下がさらに好ましい。ヨウ素価はJIS K0070の手順により求めることができる。
本発明のポリアリルアミン誘導体の重量平均分子量は、3000〜100000であることが好ましく、3000〜50000であることがより好ましい。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。
<ポリエチレンイミン誘導体>
本発明のポリエチレンイミン誘導体は、下記一般式(4−1)で表されるp個の構造単位、及び下記一般式(4−2)で表されるq個の構造単位を有し、qは1以上の整数を表し、pは1以上の整数を表す。
Figure 2017171711
(式(4−1)中、A2は、−NH−、下記一般式(5−1)で表される基、一般式(5−2)で表される基、一般式(5−3)で表される基、又は一般式(5−4)で表される基を表し、式(4−2)中、B2は、下記一般式(6−1)で表される基、一般式(6−2)で表される基、一般式(6−3)で表される基、一般式(6−4)で表される基、又は一般式(6−5)で表される基を表す。p及びqが2以上の整数である場合、複数のA2及びB2は互いに同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2017171711
(式(5−1)及び式(5−2)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、a1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。
式(5−3)及び式(5−4)中、R2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基を表し、R3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、b1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。)
Figure 2017171711
(式(6−1)、式(6−2)及び式(6−3)中、R4、R5及びR7はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R6及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
式(6−4)及び式(6−5)中、R9はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、c1はそれぞれ独立に1〜100の整数を表す。)
式(4−1)中、A2は、−NH−、下記一般式(5−1)で表される基、一般式(5−2)で表される基、一般式(5−3)で表される基、又は一般式(5−4)で表される基を表す。複数のA2は、−NH−、下記一般式(5−1)で表される基、及び一般式(5−2)で表される基の組み合わせ、−NH−、下記一般式(5−3)で表される基、及び一般式(5−4)で表される基の組み合わせのいずれかとなってもよく、−NH−、下記一般式(5−1)で表される基、及び一般式(5−2)で表される基の組み合わせが好ましい。
Figure 2017171711
(式(5−1)及び式(5−2)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、a1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。
式(5−3)及び式(5−4)中、R2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基を表し、R3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を除いた基を表し、b1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。)
式(5−1)及び式(5−2)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基は、式(2−1)中のR1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、及び置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(5−1)及び式(5−2)中、a1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表し、2〜50の整数を表すことが好ましく、10〜50の整数を表すことがより好ましく、15〜50の整数を表すことがさらにより好ましい。
式(5−1)で表される基は、下記式(5−1−1)で表される基であってもよく、式(5−2)で表される基は、下記式(5−2−1)で表される基であってもよい。
Figure 2017171711
(式(5−1−1)及び式(5−2−1)中、R1a及びR1bはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。a2は1〜10の整数を表し、a3は10〜50の整数を表す。)
1a及びR1bが表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基は、式(2−1)及び式(2−2)中のR1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。a2は1〜5の整数が好ましく、a3は15〜50の整数を表すことが好ましい。
式(5−3)及び式(5−4)中、R2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基を表す。
2が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基は、式(2−3)中のR2が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(5−3)及び式(5−4)中、R3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
式(5−3)及び式(5−4)中のR3が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基は、式(2−3)中のR3が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
a1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表し、10〜50の整数を表すことが好ましく、15〜50の整数を表すことがより好ましい。
式(4−1)中、B2は、下記一般式(6−1)で表される基、一般式(6−2)で表される基、一般式(6−3)で表される基、一般式(6−4)で表される基、又は一般式(6−5)で表される基を表す。B2は、一般式(6−2)〜(6−5)で表される基が好ましく、一般式(6−2)で表される基がより好ましい。
Figure 2017171711
(式(6−1)、式(6−2)及び式(6−3)中、R4、R5及びR7はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R6及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
式(6−4)及び式(6−5)中、R9はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、c1はそれぞれ独立に1〜100の整数を表す。)
式(6−1)、式(6−2)及び式(6−3)中、R4、R5及びR7はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、メチル基が好ましい。
式(6−2)及び式(6−3)中、R6及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
6及びR8が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基は、式(2−1)中のR1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(6−4)及び式(6−5)中、R9はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、メチル基が好ましい。
式(6−4)及び式(6−5)中、R10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。
10が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基は、式(2−1)中のR1が表す、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(6−4)及び式(6−5)中、c1は1〜100の整数を表し、2〜100の整数を表すことがより好ましく、2〜50の整数を表すことがさらに好ましく、10〜50の整数を表すことがさらにより好ましく、15〜50の整数を表すことがさらにより好ましい。
本発明のポリエチレンイミン誘導体は、一般式(4−1)で表されるp個の構造単位、及び一般式(4−2)で表されるq個の構造単位を有する。p+qは2〜1800の整数を表し、10〜1000の整数を表すことが好ましく、20〜500の整数を表すことがより好ましい。p及びqは1以上の整数を表す。
q/(p+q)が、0.01〜0.5であることが好ましく、0.05〜0.45であることがより好ましい。q/(p+q)を上記範囲内とすることで、ポストベーク(インキ組成物を塗布後の加熱工程)前後の明度の低下を抑制することができる。
本発明のポリエチレンイミン誘導体は、ポリエチレンイミンに、ポリエステル及び(メタ)アクリル基含有化合物を反応させることによって製造することができる。本発明のポリエチレンイミン誘導体の製造に用いるポリエチレンイミンは、エチレンイミンを重合開始剤存在下、重合させることで得られる。このため、本発明のポリエチレンイミン誘導体の末端は、水素原子又は重合開始剤残基となる。
重合開始剤残基は、本発明のポリエチレンイミン誘導体の製造に用いるポリエチレンイミンを得る際に使用する重合開始剤の残基である。重合開始剤残基としては後述する重合開始剤残基等を挙げることができる。具体的には、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸等の開始剤残基、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の開始剤残基、塩化アルミニウム等の開始剤残基残基である。これらは単独で用いてもよく、複数用いてもよい。
本発明のポリエチレンイミン誘導体のヨウ素価は、0.5以上であることが好ましい。1以上がより好ましく、2以上がさらに好ましく、3以上が特に好ましい。上限は特に規定はないが、例えば、30以下が好ましく、27以下がより好ましく、25以下がさらに好ましい。ヨウ素価はJIS K0070の手順により求めることができる。
本発明のポリエチレンイミン誘導体の重量平均分子量は、3000〜100000であることが好ましく、3000〜50000であることがより好ましい。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。
<ポリアリルアミン誘導体及びポリエチレンイミン誘導体の製造方法>
本発明のポリアリルアミン誘導体の製造方法は特に限定されないが、好適な一実施形態として、ポリアリルアミンにポリエステル及び(メタ)アクリル基含有化合物を反応させることによって製造することができる。
ポリアリルアミンは、重合開始剤及び/又は連鎖移動触媒の存在下、アリルアミンを重合させることで得られる。
重合開始剤としては特に限定されず、例えば、メチルエチルケトン等のケトンパーオキシド類、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、1、1−ビス(t−ブチルパーロキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール類、t−ブチルヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド類、t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類、その他アゾビスイソプチロニリトリル、過酸化水素、第一鉄塩等を挙げることができる。さらに特公平2−14364号公報に記載の重合開始剤を用いてもよい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
連鎖移勤触媒としては特に限定されず、例えば、ラウリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸等のチオカルボン酸類、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等のチオカルボン酸エステル等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
ポリアリルアミンの数平均分子量としては、150〜100000が好ましく、600〜20000がより好ましい。数平均分子量が150以上であると、顔料に対する吸着力が向上して顔料分散性が向上し、数平均分子量が100000以下であると、顔料同士の凝集を抑制でき、顔料分散性が向上する。なお、特公平2−14364号公報に記載の方法を用いて、任意の数平均分子量のポリアリルアミンを製造してもよい。
ポリアリルアミンは、市販品を用いることができる。ポリアリルアミンの市販品としては、例えば、ニットーボーメディカル(株)製「PAA」シリーズ等が挙げられる。
本発明のポリエチレンイミン誘導体の製造方法は特に限定されないが、好適な一実施形態として、ポリエステル及び(メタ)アクリル基含有化合物を、ポリエチレンイミンの窒素原子と反応させることによって製造することができる。
ポリエチレンイミンは、重合開始剤の存在下、エチレンイミンを重合させることで得られる。
重合開始剤としては特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、塩化アルミニウム等を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
ポリエチレンイミンの数平均分子量としては、150〜100000が好ましく、600〜20000がより好ましい。数平均分子量が150以上であると、顔料に対する吸着力が向上して顔料分散性が向上し、数平均分子量が100000以下であると、顔料同士の凝集を抑制でき、顔料分散性が向上する。なお、特開2013−71967号公報に記載の方法を用いて、任意の数平均分子量のポリエチレンイミンを製造してもよい。
ポリエチレンイミンは、市販品を用いることができる。ポリエチレンイミンの市販品としては、例えば、(株)日本触媒製「エポミン」シリーズ、BASFジャパン(株)製「ルパゾール」シリーズ等が挙げられる。
本発明のポリアリルアミン誘導体及びポリエチレンイミン誘導体の製造方法で用いるポリエステルは特に限定されないが、下記一般式(I)で表されるポリエステル、又は下記一般式(II)で表されるポリエステル、一般式(I)で表されるポリエステルと一般式(II)で表されるポリエステルとの繰り返し成分がランダムに重合したポリエステル等が挙げられる。
Figure 2017171711
(式(I)中、R1及びa1は、式(2−1)、式(2−2)、式(5−1)、及び式(5−2)中のR1及びa1と同義である。
式(II)中、R2、R3及びb1は、式(2−3)、式(2−4)、式(5−3)、及び式(5−4)中のR2、R3及びb1と同義である。)
一般式(I)で表されるポリエステルは、下記一般式(III)で表されるヒドロキシ酸、及び/又は下記一般式(IV)で表されるラクトンを原料にして製造され得る。
Figure 2017171711
(式(III)、式(IV)中、R1は、式(2−1)、式(2−2)、式(5−1)、及び式(5−2)中のR1と同義である。)
詳細は、一般式(III)で表されるヒドロキシ酸、一般式(IV)で表されるラクトン、又は一般式(III)で表されるヒドロキシ酸と一般式(IV)で表されるラクトンの混合物に重合触媒を加え、加熱することにより一般式(I)で表されるポリエステルを製造できる。
反応温度は好ましくは120〜220℃、より好ましくは140〜210℃である。また、反応時間は好ましくは0.5〜72時間である。窒素気流下で反応を行うと、重合度が大きいポリエステルを得ることができる。また、重合開始剤を用いると反応の制御が容易になる。なお、原料にラクトンを用いた場合、ラクトン1モルに対して0〜0.5モルの割合で重合開始剤を用いることができる。
一般式(III)で表されるヒドロキシ酸としては、例えば、グリコール酸、リシノール酸、リシノレン酸、9及び10−ヒドロキシステアリン酸の混合物、12−ヒドロキシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸、水添ヒマシ油脂肪酸、乳酸等が挙げられ、グリコール酸が好ましい。
一般式(IV)で表されるラクトンとしては、例えば、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、4−メチルカプロラクトン、2−メチルカプロラクトン等が挙げられ、ε−カプロラクトンが好ましい。
重合触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミドテトラメチルアンモニウムヨード、テトラブチルアンモニウムヨード、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヨード等の四級アンモニウム塩、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムヨード、テトラブチルホスホニウムヨード、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリメチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリメチルホスホニウムヨード、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムヨード等の四級ホスホニウム塩の他、トリフェニルフォスフィン等のリン化合物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム等の有機カルボン酸塩、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラート等のアルカリ金属アルコラートの他、三級アミン類、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、テトラブチルチタネート等の有機チタネート化合物、及び塩化亜鉛等の亜鉛化合物等が挙げられる。
重合開始剤としては、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソノナン酸、アラキン酸等の脂肪族モノカルボン酸、安息香酸、p−ブチル安息香酸等の芳香族モノカルボン酸、等のモノカルボン酸が挙げられる。
一般式(II)で表されるポリエステルは、下記一般式(V)で表されるジオールと、下記一般式(VI)で表される二塩基酸を反応させて製造され得る。
Figure 2017171711
(式(V)、式(VI)中、R2及びR3は、式(2−3)、式(2−4)、式(5−3)、及び式(5−4)中のR2及びR3と同義である。)
詳細は、一般式(V)で表されるジオールと、一般式(VI)で表される二塩基酸の混合物に重合触媒を加え、加熱することにより製造できる。このとき一般式(VI)で表される二塩基酸を少し過剰に加えることが好ましい。反応温度は好ましくは120〜220℃、より好ましくは160〜210℃である。また、反応時間は好ましくは0.5〜72時間である。窒素気流下で反応を行うと、重合度が大きいポリエステルを得ることができる。また、重合開始剤を用いると反応の制御が容易になる。
一般式(V)で表されるジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール類やジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール等のエーテル結合含有のジオール類等が挙げられる。
一般式(VI)で表される二塩基酸としては、例えば、無水マレイン酸、フマール酸等の不飽和結合を有する二塩基酸類、無水フタル酸、テレフタル酸等の芳香族系二塩基酸類、アジピン酸、セバシン酸等の飽和二塩基酸類等が挙げられる。
重合触媒及び重合開始剤は、一般式(I)で表されるポリエステルの製造に用いるものと同様である。
一般式(I)で表されるポリエステルと、一般式(II)で表されるポリエステルとの繰り返し成分がランダムに重合したポリエステルは、一般式(III)で表されるヒドロキシ酸、一般式(IV)で表されるラクトン、又は一般式(III)で表されるヒドロキシ酸と一般式(IV)で表されるラクトンに、等モルの一般式(V)で表されるジオールと一般式(VI)で表される二塩基酸との混合物に重合触媒を加え、加熱することにより製造できる。反応条件は、一般式(I)で表されるポリエステルと同様であり、好ましい範囲も同様である。
また、一般式(I)で表されるポリエステルと一般式(II)で表されるポリエステルとの繰り返し成分がブロック状に重合したポリエステルは、予め一般式(I)で表されるポリエステルと一般式(II)で表されるポリエステルとを合成した後に脱水縮合をして製造し得る。
本発明のポリアリルアミン誘導体の製造方法で用いるポリエステルの分子量は、顔料の分散性能の観点から、300〜20000が好ましく、1000〜10000がより好ましい。ポリエステルの分子量は、ポリエステルの酸価から計算することができる。このような分子量のポリエステルを得るためには、重合開始剤と原料となるヒドロキシ酸、ラクトン、ジオール、及び二塩基酸のモル比を設定すること、また途中における反応生成物の酸価を観察し適当な反応時間を見い出すことによって可能となる。
本発明のポリアリルアミン誘導体の製造方法で用いるポリエステルの酸価は、3〜187mgKOH/gが好ましく、6〜56mgKOH/gがより好ましい。
本発明のポリアリルアミン誘導体の製造方法で用いる(メタ)アクリル基含有化合物は、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、又は(メタ)アクリル酸イソシアネートが挙げられる。また、(メタ)アクリル酸と、一般式(I)で表されるポリエステル及び/又は一般式(II)で表されるポリエステルとの繰り返し成分がランダムに重合した(メタ)アクリル基含有化合物を用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ノルマルプロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ノルマルペンチル、(メタ)アクリルイソペンチル、(メタ)アクリル酸ノルマルヘキシル(メタ)アクリル酸ノルマルプロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルマルヘキシル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸イソシアネートとしては、例えば、アクリル酸−2−シアナトエチル、メタクリル酸−2−シアナトエチル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸と、一般式(I)で表されるポリエステル及び/又は一般式(II)で表されるポリエステルとの繰り返し成分がランダムに重合した(メタ)アクリル基含有化合物は、一般式(IV)で表されるラクトンに、(メタ)アクリル酸及び重合触媒を加え、加熱することにより製造できる。反応条件は、一般式(I)で表されるポリエステルと同様であり、好ましい範囲も同様である。必要に応じて4−メトキシフェノール等の重合禁止剤、ヒドロキノン化合物等のラジカル重合禁止剤を添加してもよい。
本発明のポリアリルアミン誘導体の製造方法で用いる(メタ)アクリル基含有化合物の分子量は、顔料の分散性能の観点から、300〜20000が好ましく、1000〜10000がより好ましい。(メタ)アクリル基含有化合物の分子量は、(メタ)アクリル基含有化合物の酸価から計算することができる。このような分子量の(メタ)アクリル基含有化合物を得るためには、重合開始剤と原料となる(メタ)アクリル酸及びポリエステル等のモル比を設定すること、また途中における反応生成物の酸価を観察し適当な反応時間を見い出すことによって可能となる。
本発明のポリアリルアミン誘導体の製造方法で用いる(メタ)アクリル基含有化合物の酸価は、3〜187mgKOH/gが好ましく、6〜56mgKOH/gがより好ましい。
本発明のポリアリルアミン誘導体の製造方法の好適な一実施形態として、ポリアリルアミンにポリエステル及び(メタ)アクリル基含有化合物を反応させる。詳細は、ポリアリルアミンの側鎖に、ポリエステル及び(メタ)アクリル基含有化合物を導入させる。
(m+n)個のアミノ基を有するポリアリルアミン1モルに対して、ポリエステル、(メタ)アクリル基含有化合物が2モル以上の割合で酸アミド形成反応を行ったものが、顔料分散性の点で好ましい。即ち、一般式(1−1)において、一般式(2−1)及び(2−3)で表されるようなアミド結合を介して一般式(1−1)と結合した形態の基が、m個のA1中、60〜95%存在することが好ましく、65〜90%存在することがより好ましい。同様に、一般式(3−1)〜(3−4)で表されるような結合を介して一般式(1−1)と結合した形態の基が、n個のB1中、60〜95%存在することが好ましく、65〜90%存在することがより好ましい。m個のA1中及びn個のB1中の60〜95%がアミド結合を介してポリアリルアミンと結合することで、顔料同士の凝集を抑制することができるとともに、粘度低下効果及び塗膜外観を向上させることができる。
上記範囲でポリアリルアミンのアミノ基をアミド結合により結合させるには、ポリエステル、(メタ)アクリル基含有化合物の少なくとも1つを混合した直後のアミン価Aと、反応終了後のアミン価Bとを測定し、これらの変化を下記計算式により算出できる。なお、ポリアリルアミンのアミノ基と側鎖に導入するポリマーのカルボキシル基が塩を形成していても、求めるアミン価には何ら影響しない。
ポリアリルアミン誘導体の共有結合の割合:
((アミン価A−アミン価B)/アミン価A)×100
ポリアリルアミンとポリエステル、又はポリアリルアミンと(メタ)アクリル基含有化合物の重量比(ポリアリルアミン/ポリエステル又は(メタ)アクリル基含有化合物)は、顔料分散性の観点から、1/1.1〜1/30が好ましい。
ポリアリルアミン誘導体のアミン価は、顔料分散性の観点から、2〜60mgKOH/gであることが好ましい。また、本発明のポリアリルアミン誘導体の酸価は顔料分散性の観点から、2.5〜50mgKOH/gであることが好ましい。
また、本発明のポリアリルアミン誘導体は、ポリアリルアミンに直接ヒドロキシカルボン酸、ラクトン、二塩基酸及びジオール、並びに(メタ)アクリル基含有化合物のいずれか1つ以上を上記のポリエステルの重合条件を用いることによっても作製できる。
(p+q)個のアミノ基を有するポリエチレンイミンに対して、ポリエステル、(メタ)アクリル基含有化合物が2モル以上の割合でアミド形成反応を行ったものが、顔料分散性の点で好ましい。即ち、一般式(4−1)において、一般式(5−1)及び(5−3)で表される基のようなアミド結合を介して一般式(4−1)と結合した形態の基が、p個のA2中、60〜95%存在することが好ましく、65〜90%存在することがより好ましい。同様に、一般式(6−1)〜(6−4)で表される基のようなアミド結合を介して一般式(4−1)と結合した形態の基が、q個のB2中、60〜95%存在することが好ましく、65〜90%存在することがより好ましい。p個のA2中及びq個のB2中の60〜95%がアミド結合を介してポリエチレンイミンと結合することで、顔料同士の凝集を抑制することができるとともに、粘度低下効果及び塗膜外観を向上させることができる。
上記範囲でポリエチレンイミンのアミノ基を酸アミド結合により結合させるには、ポリエステル、(メタ)アクリル基含有化合物の少なくとも1つを混合した直後のアミン価Aと反応終了後のアミン価Bを測定し、これらの変化を下記計算式により算出できる。アミン価A及びアミン価Bの算出方法等は、上述したとおりである。
ポリエチレンイミンとポリエステル、及びポリエチレンイミンと(メタ)アクリル基含有化合物の重量比(ポリエチレンイミン/ポリエステル又は(メタ)アクリル基含有化合物)は、顔料分散性の観点から、1/1.1〜1/30が好ましい。
ポリエチレンイミン誘導体のアミン価は、顔料分散性の観点から、2〜60mgKOH/gであることが好ましい。また、本発明のポリエチレンイミン誘導体の酸価は顔料分散性の観点から、2.5〜50mgKOH/gであることが好ましい。
また、本発明のポリエチレンイミン誘導体は、ポリエチレンイミンに直接ヒドロキシカルボン酸、ラクトン、二塩基酸及びジオール、並びに(メタ)アクリル基含有化合物のいずれか1つ以上を上記のポリエステルの重合条件を用いることによっても作製できる。
<分散剤>
本発明の分散剤(顔料分散剤)は、ポリアリルアミン誘導体及び/又はポリエチレンイミン誘導体を含有することを特徴とする。本発明のポリアリルアミン誘導体及びポリエチレンイミン誘導体は、樹脂や有機溶剤に対して顔料をよく分散させる性質を有するので、分散剤(顔料分散剤)として有用である。
<処理顔料>
本発明の処理顔料は、本発明の分散剤で顔料を処理したことを特徴とする。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、硫化カドミウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、黄鉛、カーボンブラック、カドミウムエロー、カドミウムレッド、弁柄、鉄黒、亜鉛華、紺青、群青な等の無機顔料、ならびにジケトピロロピロール等のピロール系、モノアゾ系、ジアゾ系、アゾレーキ系、縮合アゾ系、キレートアゾ系、インジゴ系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、ジアンスラキノニル系、ベンゾイミダゾロン系、ピランスロン系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、フラバンスロン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インダンスロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、キノフタロン系、ペリレン系、ペリノン系、酸性染料系、塩基性染料系、アジン系、昼光けい光系、ニトロソ系、ニトロ系等の有機顔料が挙げられる。
なお、上記酸化鉄は顔料以外の用途で磁気テープ等の磁性材料として使用されることがあるが、本発明の分散剤は、微粒子粉末を樹脂又は有機溶剤によく分散させるという性質を有するので、本発明においてこのような酸化鉄も広義の意味で顔料に含めるものとする。
本発明の分散剤による顔料の処理方法は、ペイントシェーカー、ヘンシェルミキサー、ボールミル、アトマイザーコロイドミル、バンバリミキサ等を用いた乾式法、溶剤中で処理した後、溶剤を除去する湿式溶剤法を用いればよい。湿式溶剤法で用いる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族類、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のエーテル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、水等を挙げることができる。
処理顔料において、本発明の分散剤は、顔料に対して1〜200質量%(ポリアリルアミン誘導体(又はポリエチレンイミン誘導体)換算)含むことが好ましい。
本発明の分散剤は、UV照射等によって露光されることで、本発明のポリアリルアミン誘導体及びポリエチレンイミン誘導体に含まれる(メタ)アクリル基の重合反応によって高分子量化が起きる。例えば、本発明の分散剤は、UV照射等による露光を行う前はPGMEA(プロピレングリコール1モノメチルエーテル2−アセタート)に溶解するが、露光後は高分子量化が起き、PGMEAには不溶となる。
<顔料含有樹脂組成物、塗料、インキ組成物>
本発明の顔料含有樹脂組成物は、本発明の処理顔料、樹脂、及び光重合開始剤を含むことを特徴とする。また、本発明の効果を阻害しない程度に安定剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、分散助剤等の添加剤を含んでいてもよい。本発明の塗料は、本発明の顔料含有樹脂組成物を含むことを特徴とする。また、本発明のインキ組成物は、本発明の顔料含有樹脂組成物を含むことを特徴とする。
本発明の顔料含有樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸およびそのエステル、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル、ポリエチレン樹脂、及びこれらの共重合体(例えば、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体)等が挙げられる。
本発明の顔料含有樹脂組成物に含まれる光重合開始剤については、特に限定されないが、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、スルホニウム塩系光重合開始剤等が挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸、ベンゾイルエチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
本発明の顔料含有樹脂組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の炭化水素系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ブチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ジグライム等のエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシプロピルアセテート等のエステル系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサール、ベンジルアルコール、p−t−ブチルベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ等のアルキレングリコールのモノエーテル系溶剤の他、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
本発明の顔料含有樹脂組成物の用途は特に限定されないが、本発明の塗料又はインキ又は着色樹脂組成物として使用することができる。具体的な用途としては、(着色)塗料、印刷インキ、活性エネルギー線硬化型インキ、活性エネルギー線硬化型レジストインキ、活性エネルギー線硬化型絶縁インキ、活性エネルギー線硬化型ドライフィルム、活性エネルギー線硬化型接着剤、光造形用硬化性樹脂、複写用トナー、複写機等に使用されるゴムマグネット、磁気テープ、家庭用品や建築材料に使用されているカラープラスチック成形品、建築用等に使用されるシーリング剤等の顔料を使用している樹脂製品が挙げられる。本発明の塗料又はインキ組成物は、本発明の効果を阻害しない程度に安定剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、分散助剤等の添加剤を含んでいてもよい。
(着色)塗料は、樹脂等の塗膜形成主要素、主要素に少量加えられる塗膜形成副要素(以上、両要素は併せて塗膜要素(不揮発分)と称される)、及び溶剤又は希釈剤の塗膜助要素(塗膜要素及び塗膜助要素は併せて透明塗料(展色剤)と称される)に顔料を加え、混練して製造される。印刷インキは、樹脂を溶剤に溶解した展色剤に顔料を加えて製造される。活性エネルギー線硬化型インキは、活性エネルギー線による重合開始剤を樹脂に加え、必要に応じ溶剤又は希釈剤を加えた後、さらに顔料を加え混練することにより製造される。活性エネルギー線硬化型ドライフィルムは活性エネルギー線による重合開始剤および樹脂を溶剤に溶解し、顔料を加え混練したものをキャリアフィルム上に塗布・乾燥することで得られる。活性エネルギー線硬化型接着剤は、活性エネルギー線による重合開始剤を樹脂に加え、主に無機顔料を混練することにより製造される。複写用トナーは、樹脂と磁性材料を混練することにより製造される。ゴムマグネットは、樹脂と磁性材料を混練することにより製造される。磁気テープは、酸化鉄等の磁性材料、溶剤、樹脂等からなる混合物を基材の樹脂製テープに塗布して製造される。カラープラスチック成形品は、樹脂と着色用顔料を混練することにより製造される。シーリング剤は、樹脂と主に無機顔料を混練することにより製造される。
本発明の顔料含有樹脂組成物は、本発明の分散剤、顔料、樹脂、有機溶剤、及び光重合開始剤と混練して直接調製することができる。また、いわゆる顔料分散ベースの形態とした後に、樹脂、有機溶剤等を使用して顔料含有樹脂組成物とすることもできる。
顔料分散ベース及び顔料含有樹脂組成物は、所要の成分原料を自転・公転ミキサー、ロールミル、ボールミル、サンドグランドミル、ペイントシェーカー、ニーダー、ディゾルバー、超音波分散機等を適宜用いて分散することで調製してもよい。この場合、処理顔料を樹脂と混練してもよく、また分散剤、顔料及び樹脂を同時に混練するインテグラルブレンド法を用いてもよい。
本発明の顔料分散ベース及び顔料含有樹脂組成物は、さらに分散用樹脂やその他の樹脂を加えることで塗料として使用でき、そのままで塗料や印刷インキとして使用することもできる。
顔料含有樹脂組成物において、本発明の分散剤は、顔料に対して1〜200質量%(ポリアリルアミン誘導体(又はポリエチレンイミン誘導体)換算)含むことが好ましい。
本発明の処理顔料、顔料含有樹脂組成物、塗料、及びインキ組成物は、ポストベーク前後の明度の変化量が抑制されるという効果を奏する。ポストベーク前後の明度の変化量ΔL*(ポストベーク後の明度−ポストベーク前の明度)は、好ましくは−0.2以上、より好ましくは−0.19以上である。上限については特に制限はないが、0以下である。
<硬化膜、カラーフィルタ>
本発明の硬化膜は、本発明の顔料含有樹脂組成物を硬化して得られたことを特徴とする。また、本発明のカラーフィルタは、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。かかる硬化膜は、カラーフィルタとして好ましく用いられる。
本発明の硬化膜及びカラーフィルタは、例えば、ガラスの支持体上に顔料含有樹脂組成物又は処理顔料を塗布し、露光処理を行うことにより製造することができる。また、パターン露光した際、必要に応じて現像処理を行ってもよい。
支持体上への顔料含有樹脂組成物又は処理顔料の塗布方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等が挙げられる。
支持体上に塗布された顔料含有樹脂組成物又は処理顔料は乾燥(プリベーク)を行ってもよい。プリベークは、ホットプレート、オーブン等で50℃〜150℃の温度で10秒〜600秒で行うことができる。
露光は、例えば、露光装置を用いて行う。露光に際して用いることができる放射線(光)としては、紫外線(UV)が好ましく用いられる。照射量(露光量)は1〜1000mJ/cm2が好ましく、5〜100mJ/cm2がより好ましく、10〜50mJ/cm2が特に好ましい。
支持体上に顔料含有樹脂組成物又は処理顔料を塗布した塗布膜上に、所定のマスクパターンを有するマスクを介してパターン露光を行ってもよい。これにより、所定のパターンを有する硬化膜が得られる。
硬化膜の厚さは、特に限定されないが、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。下限については特に限定されないが、0.01μm以上である。
パターン露光を行った際、露光後、現像処理を行い光硬化した部分だけを残す。現像処理に用いる現像液等は公知の現像液等を使用し得る。
現像後(又は露光後)、加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。多色の着色パターンを形成するのであれば、色ごとに露光及び/又は現像を順次繰り返して硬化膜を製造することができる。これによりカラーフィルタが得られる。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、100℃〜300℃(好ましくは200℃〜250℃)で1〜60分間(好ましくは10〜45分間)熱硬化処理を行う。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
(合成例1:ポリエステルPE−1の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入口、還流管、水分離器及び減圧口を備えた反応フラスコ中に、グリコール酸(純正化学(株)製、特級:以下同じ)7.6部、ε−カプロラクトン(純正化学(株)製、特級:以下同じ)293.0部、テトラブチルチタネート(東京化成工業(株)製:以下同じ)0.29部を仕込み、窒素気流下、100℃で5時間反応後、さらに180℃で5時間加熱した。次いで室温まで冷却して、反応物(「ポリエステルPE−1」と称する)を得た。ポリエステルPE−1の酸価は19.5mgKOH/g、酸価から計算した分子量は2877であった。
(合成例2:ポリエステルPE−2の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入口、還流管、水分離器及び減圧口を備えた反応フラスコに、キシレン10.0部(純正化学(株)製、特級:以下同じ)、エチレングリコール(純正化学(株)製、特級)18.6部を仕込み、アジピン酸(純正化学(株)製、1級)43.8部及びテトラブチルチタネート0.1部を仕込み、窒素気流下で160℃まで4時間かけて昇温した。さらに、160℃で2時間加熱した。次いで室温まで冷却して反応物(「ポリエステルPE−2」と称する)を得た。ポリエステルPE−2の酸価は19.1mgKOH/g、酸価から計算した分子量は2938であった。
(合成例3:(メタ)アクリル基含有化合物MA−1の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入口、還流管及び減圧口を備えた反応フラスコ中に、メタクリル酸、純正化学(株)製、特級)8.9部、ε―カプロラクトン:以下同じ285.4部、テトラブチルチタネート0.29部、4−メトキシフェノール(東京化成工業(株)製)0.1部を仕込み、窒素気流下、160度で18時間反応した。次いで室温まで冷却し、反応物(「(メタ)アクリル基含有化合物MA−1」と称する)を得た。(メタ)アクリル基含有化合物MA−1の酸価は18.1mgKOH/g、酸価から計算した分子量は3100であった。
(実施例1:ポリアリルアミン誘導体1(化合物1の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入口、還流管及び水分離器、減圧口を備えた反応フラスコ内に、ポリアリルアミン(「PAA−08」、ニットーボーメディカル(株)製、ポリアリルアミン15%水溶液、平均分子量8000、1分子あたりの第1級及び/又は第2級アミノ基の数:約140:以下同じ)133.3部、合成例1で得たポリエステルPE−1 160部と、合成例2で得た(メタ)アクリル基含有化合物MA−1 40部を100℃で混合し、反応で発生した水を留去しながら、混合物を120℃で4時間加熱して、反応を行った後、室温まで冷却して、化合物1を得た。
(実施例2:ポリアリルアミン誘導体2(化合物2)の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入口、還流管及び水分離器、減圧口を備えた反応フラスコ内に、ポリアリルアミン「PAA−08」133.3部、合成例1で得たポリエステルPE−1 200部を100℃で混合し、反応で発生した水を留去しながら、混合物を120℃で4時間加熱して、反応を行った後、室温まで冷却して、キシレン100部を加え反応物を溶解させた。さらにメタクリル酸メチル(純正化学(株)製、特級)4.3部を加え、100度で4時間加熱した後、キシレンを減圧留去し室温まで冷却して、化合物2を得た。
(実施例3:ポリアリルアミン誘導体3(化合物3)の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入口、還流管及び水分離器、減圧口を備えた反応フラスコ内に、ポリアリルアミン「PAA−08」133.3部、合成例1で得たポリエステルPE−1 200部を100℃で混合し、反応で発生した水を留去しながら、混合物を120℃で4時間加熱して、反応を行った後、室温まで冷却して、キシレン100部を加え反応物を溶解させた。さらにメタクリル酸2−イソシアナトエチル(東京化成工業(株)製:以下同じ)6.7部を加え、40℃で1時間加熱した後、キシレンを減圧留去して、化合物3を得た。
(実施例4:ポリアリルアミン誘導体4(化合物4)の合成)
ポリエステルPE−1をポリエステルPE−2とした以外は、実施例3と同様にして化合物4を得た。
(実施例5:ポリアリルアミン誘導体5(化合物5)の合成)
ポリアリルアミンPAA−08をポリアリルアミンPAA−01(ニットーボーメディカル(株)製、ポリアリルアミン15%水溶液、平均分子量1800、1分子当りの第1級及び/又は第2級アミノ基の数:約28)とした以外は、実施例3と同様にして化合物5を得た。
(実施例6:ポリアリルアミン誘導体6(化合物6)の合成)
ポリアリルアミンPAA−08をポリアリルアミンPAA−03(ニットーボーメディカル(株)製、ポリアリルアミン20%水溶液、平均分子量3000、1分子当りの第1級及び/又は第2級アミノ基の数:約53)100.0部とした以外は、実施例3と同様にして化合物6を得た。
(実施例7:ポリアリルアミン誘導体7(化合物7)の合成)
ポリアリルアミンPAA−08をポリアリルアミンPAA−05(ニットーボーメディカル(株)製、ポリアリルアミン20%水溶液、平均分子量5000、1分子当りの第1級及び/又は第2級アミノ基の数:約88)100.0部とした以外は、実施例3と同様にして化合物7を得た。
(実施例8:ポリアリルアミン誘導体8(化合物8)の合成)
メタクリル酸2−イソシアナトエチルの添加量を6.7部から1.3部とした以外は、実施例3と同様にして化合物8を得た。
(実施例9:ポリアリルアミン誘導体9(化合物9)の合成)
メタクリル酸2−イソシアナトエチルの添加量を6.7部から2.7部とした以外は、実施例3と同様にして化合物9を得た。
(実施例10:ポリアリルアミン誘導体10(化合物10)の合成)
メタクリル酸2−イソシアナトエチルの添加量を6.7部から4.0部とした以外は、実施例3と同様にして化合物10を得た。
(実施例11:ポリアリルアミン誘導体11(化合物11)の合成)
メタクリル酸2−イソシアナトエチルの添加量を6.7部から9.3部とした以外は、実施例3と同様にして化合物11を得た。
(実施例12:ポリアリルアミン誘導体12(化合物12)の合成)
メタクリル酸2−イソシアナトエチルの添加量を6.7部から12.0部とした以外は、実施例3と同様にして化合物12を得た。
(実施例13:ポリアリルアミン誘導体13(化合物13)の合成)
メタクリル酸メチルの添加量を4.3部から7.7部とした以外は、実施例2と同様にして化合物13を得た。
(実施例14:ポリアリルアミン誘導体14(化合物14)の合成)
ポリアリルアミンPAA−08ポリアリルアミンPAA−15(ニットーボーメディカル(株)製、ポリアリルアミン15%水溶液、平均分子量15000、1分子当りの第1級及び/又は第2級アミノ基の数:約263)とした以外は、実施例3と同様にして化合物14を得た。
(実施例15:ポリエチレンイミン誘導体15(化合物15)の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入口、還流管及び水分離機、減圧口を備えた反応フラスコ内に、ポリエチレンイミン(「エポミンSP−200」(株)日本触媒製、平均分子量10000、1分子あたりの第1級及び/又は第2級アミノ基の数:約63)10部、合成例1で得たポリエステルPE−1 200部を混合した後、120℃で4時間加熱して、反応を行った後、室温まで冷却して、キシレン100部を加え反応物を溶解させた。さらにメタクリル酸2−シアナトエチル5.1部を加え、40℃で1時間加熱した後、キシレンを減圧留去して、化合物15を得た。
(実施例16:ポリエチレンイミン誘導体16(化合物16)の合成)
エポミンSP−200をエポミンSP−018((株)日本触媒製、平均分子量1800、1分子あたりの第1級及び第2級アミノ基の数:23)とした以外は、実施例15と同様にして化合物16を得た。
(実施例17:ポリエチレンイミン誘導体17(化合物17)の合成)
エポミンSP−200をエポミンSP−012((株)日本触媒製、平均分子量1200、1分子あたりの第1級及び第2級アミノ基の数:15)とした以外は、実施例15と同様にして化合物17を得た。
(実施例18:ポリエチレンイミン誘導体18(化合物18)の合成)
エポミンSP−200をエポミンSP−006((株)日本触媒製、平均分子量600、1分子あたりの第1級及び第2級アミノ基の数:8)とした以外は、実施例15と同様にして化合物18を得た。
(実施例19:ポリエチレンイミン誘導体19(化合物19)の合成)
エポミンSP−200をルパゾールWF(BASF製、平均分子量25000、1分子あたりの第1級及び第2級アミノ基の数:315とした以外は、実施例15と同様にして化合物19を得た。
(比較例1:化合物20の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入口、還流管及び水分離器、減圧口を備えた反応フラスコ内に、ポリアリルアミン(「PAA−08」、ニットーボーメディカル(株)製、ポリアリルアミン15%水溶液、平均分子量8000、1分子あたりの第1級及び/又は第2級アミノ基の数:約140)133.3部、合成例1で得たポリエステルPE−1 200部を100℃で混合し、反応で発生した水を留去しながら、混合物を120℃で4時間加熱して、反応を行った後、室温まで冷却して、化合物20を得た。
(比較例2:化合物21の合成)
ポリエステルPE−1をポリエステルPE−2とした以外は、比較例1と同様にして化合物21を得た。
(比較例3:化合物22の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入口、還流管及び水分離機、減圧口を備えた反応フラスコ内に、ポリエチレンイミン(「エポミンSP−200」(株)日本触媒製、平均分子量10000、1分子あたりの第1級及び/又は第2級アミノ基の数:約63)10部、合成例1で得たポリエステルPE−1 200部を混合した後、120℃で4時間加熱して、反応を行った後、室温まで冷却して、化合物22を得た。
各実施例及び各比較例の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(装置:Shodex GPC−101、カラム:Shodex LF−G+Shodex KF800RH、昭和電工(株)製)によって測定した。
各実施例及び各比較例のアミン価、酸価及びヨウ素価はJIS K 0070の手順に準じて求めた。
Figure 2017171711
Figure 2017171711
Figure 2017171711
Figure 2017171711
Figure 2017171711
(評価)
<UV露光による反応性>
化合物1〜4、8〜13、15、及び20〜22を各10部とプロピレングリコール1モノメチルエーテル2−アセタート(PGMEA、東京化成工業(株)製)40部をそれぞれプラスチック容器に量り取り、溶解させた。そこにIRGACURE369(光重合開始剤、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、BASF製)0.05部を加え自転・公転ミキサー((株)シンキー製「AR−250あわとり錬太郎」)を用いて室温にて1分間撹拌し、分散剤組成物を得た。
分散剤組成物をPETフィルム(製品名ルミラー、東レ(株)製)に塗布したのち、100℃の熱風循環オーブン中にて3分乾燥することで膜厚が約20μmの塗膜を備えるフィルムを得た。次いで、このフィルムを室温に冷却した後、UV露光機(アイグラフィックス(株)製)を用い、365nmを含む放射線を30mJ/cm2の露光量で露光した。
露光後の塗膜をPETフィルムから剥がし、0.2gの塗膜をバイアル瓶に量り取り、PGMEAを10g加えた。超音波装置を用いて超音波を10分間照射することで、目視により溶解性を評価した。また、露光前についても同様に溶解性を評価した。
Figure 2017171711
化合物1〜4、8〜13、及び15は、UVの照射後(露光後)、PGMEAに膨潤もしくは不溶となった。このことから、化合物1〜4、8〜13、及び15は、UV照射による(メタ)アクリル基の重合反応によって、高分子量化が起きていることがわかる。一方、化合物20〜22は、露光後もPGMEAに完全に溶解することから、高分子量化が起きていないことがわかる。以上より、化合物1〜4、8〜13、及び15には(メタ)アクリル基が導入されていることが確認できた。化合物1〜4、8〜13、及び15と同様に重合されている化合物5〜7、14、及び16〜19も同様に(メタ)アクリル基が導入されていることが考察される。
<ポストベーク前後の明度>
48部のPGMEAに、化合物1〜3、15、20をそれぞれ下記表に示す量を溶解させた後、顔料としてIRGAPHOS BT−CF(ジケトピロロピロール顔料、C.I.254、BASF製)を添加し、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)を使用して3時間分散を行って、顔料分散液(処理顔料)を調製した。
Figure 2017171711
顔料分散液、ライトアクリレート DPE−6A(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、共栄社化学(株)製)、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(BMA/MA)PGMEA溶液(ベース樹脂、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のPGMEA溶液、固形分40%、理論酸価45mg/KOH、重量平均分子量20000)、及びIRGACURE369(光重合開始剤、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、BASF製)を下記表に示す量でプラスチック容器に量り取り、これらを自転・公転ミキサー((株)シンキー製「AR−250あわとり錬太郎」)を用いて室温にて1分間撹拌し、インキ組成物を得た。
Figure 2017171711
インキ組成物をガラス基板上にスピンコーターを使用して1000rpm、10秒にてスピンコートしたのち、80℃の熱風循環式オーブン中にて3分乾燥する事で膜厚2μmの塗膜を得た。次いで、このガラス基板を室温に冷却した後、UV露光機(アイグラフィックス(株)製)を用い365nmを含む放射線を30mJ/cm2の露光量で露光し、塗膜の明度(L*1)を分光測色計CM−5(コニカミノルタ(株)製)を使用して測定した。
得られた基板を230℃30分間ポストベークし、ポストベーク後の明度(L*2)をポストベーク前と同様に測定し、ポストベーク前後の明度の変化量(ΔL*(L*2−L*1))を算出した。
Figure 2017171711
上記表に示す通り、実施例であるインキ組成物A〜Dは、ポストベーク前後の明度の変化量が小さいことがわかる。一方、(メタ)アクリル変性を行っていない分散剤を用いたインキ組成物Eは、インキ組成物A〜Dと比較して、ポストベーク前後の明度の変化量が大きいことがわかる。

Claims (21)

  1. 下記一般式(1−1)で表されるm個の構造単位、及び下記一般式(1−2)で表されるn個の構造単位を有し、mは1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す、ポリアリルアミン誘導体。
    Figure 2017171711
    (式(1−1)中、A1は、アミノ基、下記一般式(2−1)で表される基、一般式(2−2)で表される基、一般式(2−3)で表される基、又は一般式(2−4)で表される基を表し、式(1−2)中、B1は、下記一般式(3−1)で表される基、一般式(3−2)で表される基、一般式(3−3)で表される基、一般式(3−4)で表される基、又は一般式(3−5)で表される基を表し、m及びnが2以上の整数である場合、複数のA1及びB1は互いに同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2017171711
    (式(2−1)及び式(2−2)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、a1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。
    式(2−3)及び式(2−4)中、R2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基を表し、R3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、b1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。)
    Figure 2017171711
    (式(3−1)、式(3−2)及び式(3−3)中、R4、R5及びR7はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R6及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
    式(3−4)及び式(3−5)中、R9はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、c1はそれぞれ独立に1〜100の整数を表す。)
  2. m+nが2〜1800の整数であり、重量平均分子量が3000〜100000である請求項1に記載のポリアリルアミン誘導体。
  3. n/(m+n)が、0.01〜0.3である、請求項1又は2に記載のポリアリルアミン誘導体。
  4. a1及びb1は、それぞれ独立に10〜50の整数を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアリルアミン誘導体。
  5. c1は、それぞれ独立に10〜50の整数を表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアリルアミン誘導体。
  6. ヨウ素価が0.5以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアリルアミン誘導体。
  7. 下記一般式(4−1)で表されるp個の構造単位、及び下記一般式(4−2)で表されるq個の構造単位を有し、qは1以上の整数を表し、pは1以上の整数を表す、ポリエチレンイミン誘導体。
    Figure 2017171711
    (式(4−1)中、A2は、−NH−、下記一般式(5−1)で表される基、一般式(5−2)で表される基、一般式(5−3)で表される基、又は一般式(5−4)で表される基を表し、式(4−2)中、B2は、下記一般式(6−1)で表される基、一般式(6−2)で表される基、一般式(6−3)で表される基、一般式(6−4)で表される基、又は一般式(6−5)で表される基を表し、p及びqが2以上の整数である場合、複数のA2及びB2は互いに同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2017171711
    (式(5−1)及び式(5−2)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、a1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。
    式(5−3)及び式(5−4)中、R2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜24のアリーレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニレン基を表し、R3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表し、b1はそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。)
    Figure 2017171711
    (式(6−1)、式(6−2)及び式(6−3)中、R4、R5及びR7はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R6及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のエーテル結合を有するアルキレン基を表す。
    式(6−4)及び式(6−5)中、R9はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、c1はそれぞれ独立に1〜100の整数を表す。)
  8. p+qが2〜2300の整数であり、重量平均分子量が3000〜100000である、請求項7に記載のポリエチレンイミン誘導体。
  9. q/(p+q)が、0.01〜0.5である、請求項7又は8に記載のポリエチレンイミン誘導体。
  10. a1及びb1は、それぞれ独立に10〜50の整数を表す、請求項7〜9のいずれか1項に記載のポリエチレンイミン誘導体。
  11. c1は、それぞれ独立に10〜50の整数を表す、請求項7〜10のいずれか1項に記載のポリエチレンイミン誘導体。
  12. ヨウ素価が0.5以上である、請求項7〜11のいずれか1項に記載のポリエチレンイミン誘導体。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアリルアミン誘導体を含有する、分散剤。
  14. 請求項7〜11のいずれか1項に記載のポリエチレンイミン誘導体を含有する、分散剤。
  15. 請求項13又は14に記載の分散剤で顔料を処理した、処理顔料。
  16. 請求項15に記載の処理顔料、樹脂、及び光重合開始剤を含む、顔料含有樹脂組成物。
  17. 請求項16に記載の顔料含有樹脂組成物を含む、塗料。
  18. 請求項16に記載の顔料含有樹脂組成物を含有する、インキ組成物。
  19. 請求項15に記載の処理顔料を硬化して得られた、硬化膜。
  20. 請求項16に記載の顔料含有樹脂組成物を硬化して得られた、硬化膜。
  21. 請求項19又は20に記載の硬化膜からなるカラーフィルタ。
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