JP4400012B2 - 蒸発装置、改質装置及び燃料電池システム - Google Patents
蒸発装置、改質装置及び燃料電池システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP4400012B2 JP4400012B2 JP2001233780A JP2001233780A JP4400012B2 JP 4400012 B2 JP4400012 B2 JP 4400012B2 JP 2001233780 A JP2001233780 A JP 2001233780A JP 2001233780 A JP2001233780 A JP 2001233780A JP 4400012 B2 JP4400012 B2 JP 4400012B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reforming
- raw material
- injection means
- chamber
- flow path
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M8/00—Fuel cells; Manufacture thereof
- H01M8/06—Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues
- H01M8/0606—Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants
- H01M8/0612—Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants from carbon-containing material
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01B—BOILING; BOILING APPARATUS ; EVAPORATION; EVAPORATION APPARATUS
- B01B1/00—Boiling; Boiling apparatus for physical or chemical purposes ; Evaporation in general
- B01B1/005—Evaporation for physical or chemical purposes; Evaporation apparatus therefor, e.g. evaporation of liquids for gas phase reactions
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J19/00—Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
- B01J19/0093—Microreactors, e.g. miniaturised or microfabricated reactors
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B3/00—Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
- C01B3/02—Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen
- C01B3/32—Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of gaseous or liquid organic compounds with gasifying agents, e.g. water, carbon dioxide, air
- C01B3/323—Catalytic reaction of gaseous or liquid organic compounds other than hydrocarbons with gasifying agents
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J2219/00—Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
- B01J2219/00781—Aspects relating to microreactors
- B01J2219/00783—Laminate assemblies, i.e. the reactor comprising a stack of plates
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J2219/00—Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
- B01J2219/00781—Aspects relating to microreactors
- B01J2219/00819—Materials of construction
- B01J2219/00835—Comprising catalytically active material
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J2219/00—Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
- B01J2219/00781—Aspects relating to microreactors
- B01J2219/00873—Heat exchange
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J2219/00—Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
- B01J2219/00781—Aspects relating to microreactors
- B01J2219/00891—Feeding or evacuation
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M8/00—Fuel cells; Manufacture thereof
- H01M8/04—Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
- H01M8/04007—Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids related to heat exchange
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Sustainable Development (AREA)
- Sustainable Energy (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状の改質原料を蒸発させる蒸発装置、この蒸発装置を具備する改質装置及び燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、民生用や産業用のあらゆる分野において、様々な化学電池が使用されている。例えば、アルカリ乾電池やマンガン乾電池等の一次電池は、時計やカメラ、玩具、携帯型の音響機器等に多用されており、我が国に限らず、世界的な観点からも最も生産数量が多く、安価かつ入手が容易という特徴を有している。
【0003】
一方、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池等の二次電池は、近年普及が著しい携帯電話や携帯情報端末(PDA)、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の携帯機器に多用されており、繰り返し充放電ができることから経済性に優れた特徴を有している。また、二次電池のうち、鉛蓄電池は、車両や船舶の起動用電源、あるいは、産業設備や医療設備における非常用電源等として利用されている。
【0004】
ところで、近年、環境問題やエネルギー問題への関心の高まりに伴い、上述したような化学電池の使用後の廃棄に関する問題やエネルギー変換効率の問題がクローズアップされている。
とくに、一次電池においては、上述したように、製品価格が安価で入手が容易なうえ、電源として利用する機器も多く、しかも、基本的に一度放電されると電池容量が回復することができない、一回限りの利用(いわゆる、使い捨て)しかできないため、年間の排気量が数百万トンに上っている。ここで、化学電池全体では、リサイクルにより回収される比率は、概ね20%程度に過ぎず、残りの80%程度が自然界に投棄または埋め立て処理されているとする統計資料もあり、このような未回収の電池に含まれる水銀やインジウム等の重金属による環境破壊や、自然環境の美観の悪化が懸念されている。
【0005】
また、エネルギー資源の利用効率の観点から上記化学電池を検証すると、一次電池においては、放電可能エネルギーの概ね300倍のエネルギーを使用して生産されているため、エネルギー利用効率が1%にも満たない。これに対して、繰り返し充放電が可能で経済性に優れた二次電池であっても、家庭用電源(コンセント)等から充電を行う場合、発電所における発電効率や送電損失等により、エネルギー利用効率が概ね12%程度にまで低下してしまうため、必ずしもエネルギー資源の有効利用が図られているとは言えなかった。
【0006】
そこで、近年、環境への影響が少なく、かつ、30〜40%程度の極めて高いエネルギー利用効率を実現することができる、いわゆる、燃料電池が注目され、車両用の駆動電源や家庭用のコジェネレーションシステム等への適用を目的として、あるいは、上述したような化学電池の代替えを目的として、実用化のための研究、開発が盛んに行われている。
【0007】
固体高分子型の燃料電池は、アノード及びカソードで高分子電解質膜を挟んでなるもので、アノードに水素、カソードに酸素をそれぞれ供給して電気化学反応を起こして発電するようになっている。また、燃料電池の水素供給源としては、燃料改質装置が用いられている。この燃料改質装置は、アルコール系の燃料と水を蒸発させる蒸発器と、これを改質触媒を用いて改質することにより、水素を含む改質ガスを生成する改質器とを備えている。このような燃料電池と燃料改質装置により、燃料電池システムが構成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、今後、エネルギー利用効率が高い燃料電池を用いた燃料電池システムを小型軽量化して、可搬型又は携帯型のポータブル電源、例えば、上述したような化学電池の代替え(互換品)として適用するためには、様々な問題を解決する必要がある。即ち、効率的に電力を発生させるために、小型化された蒸発器で定量的な燃料や水の供給を制御する必要がある。
【0009】
本発明の課題は、燃料電池を用いた燃料電池システムを小型化することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、例えば図5に示すように、液状の改質原料を改質するための改質装置(マイクロ連続槽反応器51)に用いられる蒸発装置において、
空洞となる室(凹部55a)と、
改質原料を滴状にして前記室内に噴射する噴射手段(燃料噴射手段58)と、
表面が撥水処理され、前記室に設けられるとともに、前記噴射手段によって噴射された改質原料を加熱して蒸発させるための加熱手段(薄膜ヒータ57)と、を備え、
前記噴射手段が前記加熱手段に向けて改質原料を噴射することを特徴としている。
【0011】
請求項1記載の発明では、液状の改質原料が噴射手段によって滴状に噴射され、滴状の改質原料が加熱手段によって加熱されて蒸発される。このように、噴射手段によって改質原料を加熱手段に対して供給することが可能となる。そして、噴射手段が改質原料を噴射した際には改質原料が滴状であるため、改質原料の体積に対する表面積の割合が大きくなるから、改質原料が効率よく蒸発する。改質原料が効率よく蒸発するから、加熱手段の発熱量を大きくするために加熱手段を大型化する必要がなく、蒸発装置の小型化が図られる。そのため、例えば、蒸発装置を具備した燃料電池システムも小型化が図られ、この燃料電池システムを可搬型又は携帯型のポータブル電源として適用するのに適している。
【0012】
また、噴射手段が室内に改質原料を噴射するため、噴射された改質原料は室内にて蒸発する。改質原料が蒸発することで、室内の圧力が上昇する。例えば、気化した改質原料を水蒸気改質反応させる改質部が室に通じていれば、室内の圧力が上昇することで、気化した改質原料が改質部へと流れる。従って、気化した改質原料を改質部へと流すための手段を設ける必要がなく、蒸発装置の小型化が図られる。
【0013】
請求項1記載の発明は、前記加熱手段の表面が撥水処理されていることを特徴としている。
【0014】
請求項1記載の発明では、加熱手段の表面が撥水処理されているため、滴状の改質原料は加熱手段の表面で滑りやすくなる。また、滴状の改質原料は噴射手段によって噴射されるため、滴状の改質原料は運動エネルギーを付与されていることになる。従って、滴状の改質原料は加熱手段の表面で非常によく滑る。ところで、滴状の改質原料が加熱手段によって加熱されることで、加熱手段の表面と接している界面において気泡が発生し、膜沸騰が起こる。気泡が発生することで、改質原料と加熱手段との接触面積が減少してしまい、改質原料に熱が十分に伝導しないことがあり得るが、滴状の改質原料が滑るため、気泡は滴状の改質原料内に留まらず、発生後すぐに改質原料内から周囲へ発散される。従って、加熱手段から改質原料への熱伝導が阻害されず、改質原料が効率よく蒸発される。そして、改質原料が効率よく蒸発するから、加熱手段の発熱量を大きくするために加熱手段を大型化する必要がなく、蒸発装置の小型化が図られる。
【0015】
請求項2記載の発明は、
液状の改質原料を改質するための改質装置に用いられる蒸発装置において、
空洞となる室と、
改質原料を滴状にして前記室内に噴射する噴射手段と、
表面が親水処理され、前記室に設けられるとともに、前記噴射手段によって噴射された改質原料を加熱して蒸発させるための加熱手段と、を備え、
前記噴射手段が前記加熱手段に向けて改質原料を噴射することを特徴としている。
【0016】
請求項2記載の発明では、加熱手段の表面に親水処理が施されているため、噴射された改質原料は加熱手段に対して濡れやすくなる。そのため、接触角が小さくなり、滴状の改質原料は、加熱手段の表面に広がって、全体的に薄くなる。従って、滴状の改質原料が全体として沸騰し、改質原料と加熱手段との界面で気泡が発生せず、改質原料は膜沸騰しない。従って、加熱手段から改質原料への熱伝導が阻害されず、改質原料が効率よく蒸発される。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の蒸発装置において、
前記改質原料がメタノールと水との混合液であることを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明では、改質原料がメタノールと水との混合液であるため、メタノール及び水のそれぞれに対して噴射手段を設ける必要がなくなり、蒸発装置の小型化が図られる。また、メタノール及び水のそれぞれに対して噴射手段を設ける必要がないため、メタノールや水それぞれの物性値に応じて噴射手段を設計しなくても済み、混合液の物性値に対してのみ噴射手段を設計すれば良い。従って、噴射手段の設計に係る手間が省け、蒸発装置の製造コストの肥大化が抑制される。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の蒸発装置において、
前記噴射手段は、サーマルジェット方式、ピエゾ式、及び静電式のいずれかから選択されることを特徴としており、請求項4記載の発明によれば、改質原料の噴射量を微小な単位で良好に制御することができる。
【0020】
また、請求項5記載の発明は、例えば図2に示すように、
前記噴射手段を制御する制御手段(制御部9)を備え、前記制御手段は、前記噴射手段から噴射される改質原料の単位時間あたりの噴射量を調整するように前記噴射手段を制御することを特徴としている。
【0021】
請求項5記載の発明では、制御手段が噴射手段を制御することによって、単位時間当たりの改質原料の噴射量が調整され、単位時間当たりの改質原料の蒸発量が調整される。
【0022】
請求項6記載の発明は、例えば図4に示すように、請求項1から5のいずれかに記載の蒸発装置を備える改質装置において、
前記室内に配置される改質触媒(改質触媒59)を備え、
蒸発された改質原料を前記室内にて改質することを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明は、空洞となる室と、液状の改質原料を滴状にして前記室内に噴射する噴射手段と、前記室に設けられるとともに、前記噴射手段によって噴射された改質原料を加熱して蒸発させるための加熱手段と、を有し、前記噴射手段が前記加熱手段に向けて改質原料を噴射する蒸発装置と、
前記室内に配置される改質触媒と、を備え、
蒸発された改質原料を前記室内にて改質することを特徴としている。
【0023】
請求項6、8記載の発明では、加熱手段が室内に配置されているため、加熱手段は滴状の改質原料を加熱するだけでなく、蒸発した改質原料も加熱し、更に、室内に改質触媒が配置されているため、蒸発した改質原料は熱と改質触媒に促進されて、室内にて例えば水素等の生成物に改質され、加えて改質された生成物も加熱により蒸発することができる。従って、室は、改質原料を蒸発するための蒸発室と、改質原料を改質するための改質室と、さらには改質された生成物を蒸発させる蒸発室とを兼ねているため、他の改質室が蒸発装置に設けられずとも、改質装置が構成される。他の改質室を設けずとも済むため、改質装置の小型化が図られる。
【0024】
請求項7記載の発明は、例えば図14に示すように、請求項1から5のいずれかに記載の蒸発装置を備える改質装置において、
前記室内に通ずる流路(マイクロ流路259)と、
前記流路内に配置され、前記流路を通過する蒸発された改質原料を加熱する第二加熱手段(流路用ヒータ257)と、
前記流路内に配置される改質触媒(改質触媒260)と、を備え、
蒸発された改質原料を前記流路内にて改質することを特徴としている。
請求項9記載の発明は、空洞となる室と、液状の改質原料を滴状にして前記室内に噴射する噴射手段と、前記室に設けられるとともに、前記噴射手段によって噴射された改質原料を加熱して蒸発させるための加熱手段と、を有し、前記噴射手段が前記加熱手段に向けて改質原料を噴射する蒸発装置と、
前記室内に通ずる流路と、
前記流路内に配置され、前記流路を通過する蒸発された改質原料を加熱する第二加熱手段と、
前記流路内に配置される改質触媒と、を備え、
蒸発された改質原料を前記流路内にて改質することを特徴としている。
【0025】
請求項7、9記載の発明では、改質原料が蒸発すると、室内の圧力が上昇して、気化した改質原料が流路へと流れる。そして、流路内に改質触媒が配置されているとともに、気化した改質原料が第二加熱手段によって加熱されるため、気化した改質原料は熱と改質触媒に促進されて、流路内にて例えば水素等の生成物に改質される。
【0026】
請求項10記載の発明に係る燃料電池システムは、例えば図2に示すように、請求項6から9の何れかに記載の改質装置と、前記改質装置によって生成された水素と酸素とを反応させて発電を行う燃料電池(主発電部6)と、を備えることを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る蒸発装置、改質装置及び燃料電池システムについて、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
【0028】
〔第一の実施の形態〕
図1(a),(b)には、本発明に係る燃料電池システムを円筒電池に適用した場合の外観の一例が示されており、図1(c)には、化学電池を汎用円筒電池に適用した場合の外観が示されている。また、図2には、本発明に係る燃料電池システムの基本構成を示す機能ブロック図が示されている。
【0029】
図1(a),(b)及び図2に示すように、燃料電池システム1は、大別して、燃料を含有する混合液(改質原料)が封入された燃料パック2と、燃料パック2から供給される混合液に基づいて発電を行うための発電モジュール3とを備えており、外部の負荷34に電力を供給するものであり、基本的には負荷34に対して着脱自在である。
【0030】
燃料パック2は、密閉性の高い燃料貯蔵容器であり、発電モジュール3に対して着脱自在に結合された構成となっている。なお、燃料パック2は、発電モジュール3に対して一体的に結合された構成であっても良い。
【0031】
この例では、燃料パック2に負極2aが設けられているとともに発電モジュール3に正極3aが設けられているが、逆に、燃料パック2に負極が設けられるとともに発電モジュール3に正極が設けられていても良い。
【0032】
そして、燃料パック2が発電モジュール3に結合された状態における外形寸法(例えば、長さLa、直径Da)が、日本工業規格(JIS)で規格化された汎用の化学電池100(例えば単三型)の外形寸法(例えば、長さLp、直径Dp)と略同等になっている。
【0033】
まず、燃料パック2について詳細に説明する。燃料パック2に対して人為的な過熱・焼却処理や薬品・化学処理等が行われた場合であっても、有機塩素化合物(ダイオキシン類;ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン)や塩化水素ガス、重金属等の有害物質、環境汚染物質の発生が少ない材料により燃料パック2が構成されている。例えば、燃料パック2は、生分解性や光分解性のプラスチックにより構成されており、具体的には、石油系原料から合成される脂肪族系の有機化合物を含む高分子材料や、トウモロコシやサトウキビ等の植物系原料から抽出されるでんぷんやポリ乳酸からなる高分子材料等により構成されている。
【0034】
また、燃料電池システム1に用いられる燃料は、その燃料を含有する混合液の封入された燃料パック2が自然界に投棄又は埋め立て処理されてその混合液が大気中や土壌中、水中に漏れ出した場合であっても、自然環境に対して汚染物質とならないような燃料である。更に、燃料電池システム1に用いられる燃料は、発電モジュールにおいて高いエネルギー変換効率で電気エネルギーを生成できることができる燃料である。具体的には、燃料は、メタノール(CH3OH)やエタノール(C2H5OH)等のアルコール類や、ガソリン等の液体燃料である。本実施の形態では、燃料パック2に封入された混合液は、メタノール及び水(H2O)が等しいmolで均一に混合されたものである。また、燃料パック2内には、封入された混合液を毛細管現象により副発電部4及びマイクロリアクタ5に自動的に送出する送出管(図示せず)及び後述する主発電部6で生成される副生成物のうちの水を回収する回収管(図示せず)が設けられている。
【0035】
このような構成を有する燃料パック2及び混合液においては、燃料パック2を含む燃料電池システム1が自然界に投棄、又は、埋め立て処理、焼却処分、薬品処理等された場合であっても、自然環境に対して大気や土壌、水質の汚染、あるいは、人体に対する環境ホルモンの生成等の悪影響を及ぼすことを、汎用の化学電池に比較して、大幅に抑制することができる。
【0036】
また、燃料パック2が発電モジュール3に対して着脱可能であることによって、封入された混合液の残量が減少、又は、なくなった場合には、燃料パック2への混合液の補充や、新たな燃料パックへの交換を行うことができる。そのため、燃料パック2や発電モジュール3の廃棄量を大幅に削減することができるとともに、仮に、使用済みの燃料パック2が投棄された場合であっても、自然環境への悪影響が大幅に削減される。
【0037】
次に、発電モジュール3について説明する。図2に示すように、発電モジュール3は、発電モジュール3の各構成の動作電源となる電気エネルギーを発生するための副発電部4と、燃料パック2から供給される混合液を改質するためのマイクロリアクタ5と、マイクロリアクタ5により改質された燃料を用いて駆動電力となる電気エネルギーを発生し、外部の負荷34に対して電力を出力するための主発電部6と、主発電部6を起動させることを検知するための負荷駆動検知部7と、主発電部6により発生された電力を検知するための電力検知部8と、発電モジュール3の各構成を制御するための制御部9とを備える。
【0038】
副発電部4は、燃料パック2から供給される混合液を用いて電気化学反応によって電気エネルギーを発生し、発電モジュール3の他の構成(制御部9やマイクロリアクタ5等)に電力を供給するとともにメイン機能がオフ時の負荷34に待機電力を供給するものである。
【0039】
図3には、副発電部4の一例が示されている。この副発電部4は、燃料直接供給方式を採用した固体高分子型の燃料電池である。即ち、副発電部4は、所定の触媒微粒子が付着された炭素電極から燃料極41と、所定の触媒が付着された炭素電極からなる空気極42と、燃料極41と空気極42の間に介装されたイオン導電膜43とを有して構成されている。燃料パック2に封入された混合液が直接供給され、空気極42には大気中の酸素ガス(O2)が供給される。
【0040】
具体的には、混合液に含まれるメタノール(CH3OH)及び水(H2O)が燃料極41に直接供給されると、次の化学反応式(1)に示すように、触媒反応により電子(e-)が分離して、水素イオン(プロトン;H+)が発生する。そして、水素イオンがイオン導電膜43を介して空気極42側に通過するとともに、燃料極41を構成する炭素電極により電子(e-)が取り出されて、制御部9やマイクロリアクタ5等に電子が供給される。
CH3OH+H2O→6H++6e-+CO2 …(1)
【0041】
一方、空気極42に空気が供給されることにより、次の化学反応式(2)に示すように、触媒により制御部9やマイクロリアクタ5等を経由した電子(e-)とイオン導電膜43を通過した水素イオン(H+)と空気中の酸素(O2)とが反応して水(H2O)が生成される。
6H+3/2O2+6e-→3H2O …(2)
生成された水は、回収管を介し燃料パック2内の所定の回収手段に回収される。
【0042】
このような一連の電気化学反応((1)式及び(2)式)は、概ね室温程度の比較的低温度の環境下で進行する。
したがって副発電部4はヒータ等の加熱手段がなくても化学反応が進行するので、装着された燃料パック2内に蓄積された混合液が完全に消費されるまで或いは燃料パック2を発電モジュール3から取り外すまで、主発電部6の駆動の有無にかかわらず毛細管現象により燃料が供給され続け、その間常時発電しているように設定されている。
【0043】
次に、マイクロリアクタ5について説明する。図4に示すように、マイクロリアクタ5は、混合液(メタノール及び水)を蒸発させるととも、メタノールガス及び水蒸気を水素ガス(H2)と二酸化炭素ガス(CO2)に改質するためのマイクロ連続槽反応器51と、マイクロ連続槽反応器51で微量に発生した一酸化炭素(CO)を水性シフト反応により除去するための水性シフト反応器52と、マイクロ連続槽反応器51で微量に発生した一酸化炭素を選択酸化反応により無害な物質に化学変化させるための選択酸化反応器53と、水性シフト反応器52及び選択酸化反応器53の各反応により生じる熱を放熱するための放熱フィン54とを備えている。
【0044】
マイクロ連続槽反応器51は、本発明に係る蒸発装置及び改質装置が適用されたものであり、以下のように構成されている。図5(a)には、マイクロ連続槽反応器51の断面が示されており、図5(b)には、図5(a)におけるB部が拡大して示されている。図5に示すように、マイクロ連続槽反応器51は、基本構成として、上基板55と、下基板56と、薄膜ヒータ57と、燃料噴射手段58と、改質触媒59とを有して構成されている。
【0045】
上基板55は、アルミニウム等の金属で形成された基板である。そして、上基板55には、半導体製造技術(例えば、エッチング)を適用して凹部55aが形成されている。凹部55aの表面には、改質触媒59が形成されている。改質触媒59は、メタノール及び水に対して化学反応を促進する作用を有し、メタノール及び水から水素ガス及び二酸化炭素ガスを生成する機能を有するものである。なお、上基板55は単結晶シリコンで形成された基板であっても良く、この場合凹部55aはサンドブラスト法によって形成される。
【0046】
下基板56は、ガラスで形成された基板である。下基板56上には、電気的な抵抗(例えば、TaSiOx又はTaSiOxN)で構成される薄膜ヒータ57が設けられている。薄膜ヒータ57には副発電部4にて発電された電力が配線80を介して供給されており、薄膜ヒータ57は電力により発熱するものである。更に、薄膜ヒータ57及び配線80上に、酸化シリコン(SiOx)又は窒化シリコン(SixNy)で形成された絶縁膜81が被膜されている。なお、絶縁膜81上に改質触媒59が被膜されていても良い。
【0047】
そして、凹部55aが上基板55及び下基板56(薄膜ヒータ57)により囲まれる空洞(室)になるように、上基板55が下基板56に接合しており、凹部55aが反応槽となる。また、上基板55には、凹部55aから水性シフト反応器52へと通ずる排出路55bが形成されている。
【0048】
更に、上基板55には、燃料パック2に封入された混合液を薄膜ヒータ57に噴射するための燃料噴射手段58が設けられている。図6には、燃料噴射手段58の断面図が示されている。図6に示すように、燃料噴射手段58は、サーマルジェット方式の液滴噴射装置(例えば、既存の、いわゆるプリンタのサーマルジェット式インクジェットヘッドを適用したものである。)であり、ノズル60と、発熱体61とを備えている。ノズル60の先端部に形成された吐出孔60aが薄膜ヒータ57に向くようにして、ノズル60が上基板55に設けられている。ノズル60には燃料パック2から混合液が供給されており、ノズル60に混合液が充填されるようになっている。発熱体61は、ノズル60内に設けられており、ノズル60に充填された混合液を加熱するものである。発熱体61には、副発電部4にて発電された電力が供給されるようになっている。
【0049】
以上のように構成されるマイクロ連続槽反応器51の作用を説明する。発熱体61がノズル60に充填された混合液を加熱すると、ノズル60内に気泡62が発生し(発熱体61において混合液が膜沸騰し)、ノズル60に充填された混合液に圧力が加わる。これにより、吐出孔60aから滴状の混合液が吐出され、混合液の液滴が薄膜ヒータ57に噴射される。燃料噴射手段58によって混合液の液滴が噴射される一回の動作が、繰り返されることによって、混合液の液滴が断続的に噴射される。
【0050】
そして、薄膜ヒータ57が混合液の液滴を加熱すると、混合液が蒸発する(気化する)。混合液の気化したガス(メタノールガス及び水蒸気が混合したガス、原料ガスと述べる。)は次の化学反応式(3)に示すような水蒸気改質反応をして、水素ガス及び二酸化炭素ガスが凹部55a内にて生成される。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(3)
水蒸気改質反応は、原料ガスが薄膜ヒータ57により加熱されることによって、また、改質触媒59によって促進される。
【0051】
なお、微量の原料ガスが次の化学反応式(4)に示すような反応をし、微量ながら一酸化炭素ガスが生成される。
2CH3OH+H2O→5H2+CO+CO2 …(4)
【0052】
生成されたガス(水素ガス、二酸化炭素、一酸化炭素等)は、物質拡散及び対流によって排出路55bへと拡散し、凹部55a内の気圧差によって排出路55bを通じて水性シフト反応器52へと排出される。
【0053】
なお、燃料噴射手段58は、サーマルジェット方式のものとしたが、図7に示すような既存のピエゾ式の液滴噴射装置(例えば、いわゆるプリンタのピエゾ式インクジェットヘッドを適用したものである。)が適用されても良い。図7に示すように、別の例の燃料噴射手段58は、燃料パック2から混合液が供給されるノズル60と、電圧が印加されると変形するピエゾ素子(電歪素子)63とを備えている。ノズル60の先端部に形成された吐出孔60aが薄膜ヒータ57に向くようにして、ノズル60が上基板55に設けられている。ピエゾ素子63の先端が、ノズル60内に通ずる挿入孔に挿入されており、シール材64でシールされている。ピエゾ素子63には、副発電部4にて発電された電力(電圧、電流)が供給されるようになっている。
【0054】
以上のように構成される燃料噴射手段58では、ピエゾ素子63に電圧が印加されると、ピエゾ素子63が変形する。ピエゾ素子63の変形動作によってノズル60内の混合液に圧力が加わり、吐出孔60aから混合液の液滴が吐出され、混合液の液滴が薄膜ヒータ57に噴射される。以上の動作が繰り返されることによって、吐出孔60aから混合液の液滴が断続的に噴射される。
【0055】
また、燃料噴射手段58は、静電力を用いて混合液を噴射するヘッドでも良い。この場合、図8に示すように、燃料噴射手段58は、三枚の基板65,66,67を重ねて接合した積層構造となっている。三枚の基板65,66,67は、上基板55に設けられている。中間の基板66には、吐出孔68、吐出室69、流路70及びキャビティ71を構成するために溝が形成されている。基板66に基板65が接合することによって、吐出孔68、吐出室69、流路70及びキャビティ71が構成される。そして、混合液が、燃料パック2からキャビティ71及び流路70を介して、吐出室69に供給されて、キャビティ71、流路70及び吐出室69に混合液が充填されるようになっている。
【0056】
下側の基板67には、隙間73を構成するための溝が形成されており、基板66に基板67が接合されることによって、隙間73が形成される。また、下側の基板67上には対向電極74が形成されており、対向電極74上には絶縁膜75が形成されている。対向電極74及び絶縁膜75は、吐出室69の底壁(以下、振動板72と述べる。)に対向している。対向電極74及び振動板72には、副発電部4により発電された電力によって電圧(電位差)が印加されるようになっている。
【0057】
以上のように構成される燃料噴射手段58では、振動板72と対向電極74との間に電圧が印加されると、クーロン力によって振動板72が対向電極74に向けて撓む。その後、振動板72と対向電極74との間の電圧が消去すると、振動板72が復元する。従って、吐出室69内の圧力が急激に上昇し、吐出孔68から混合液の液滴が吐出され、混合液の液滴が薄膜ヒータ57に噴射される。以上の動作が繰り返されることによって、吐出孔68から混合液の液滴が断続的に噴射される。
【0058】
以上のように構成されるマイクロ連続槽反応器51によれば、燃料噴射手段58が設けられているため、燃料パック2から供給される混合液を滴状にして薄膜ヒータ57全面に広範囲に噴射することが可能となる。また、混合液が滴状で噴射されるため、混合液の体積に対する薄膜ヒータ57と混合液との接触面積が大きくなるから、薄膜ヒータ57において混合液が効率よく蒸発する。そのため、蒸発用ヒータ256において混合液を蒸発させるためのエネルギーの浪費が抑えられる。
【0059】
また、混合液が効率よく蒸発するから、薄膜ヒータ57の発熱量を大きくするために薄膜ヒータ57を大型化する必要がなく、マイクロ連続槽反応器51の小型化が図られる。また、燃料噴射手段58は、サーマルヘッド式、ピエゾ式或いは静電式の液滴噴射装置であり、液滴噴射装置として応用されるインクジェットヘッドにおいてはマイクロオーダでの小型化技術が確立されている。従って、マイクロ連続槽反応器51の小型化が図られる。
【0060】
また、メタノールと水の混合された状態の混合液が燃料噴射手段58によって噴射されるため、混合液の原料毎(メタノール及び水)に噴射手段を設ける必要がなくなり、マイクロ連続槽反応器51の製造コストの膨大化を抑えられる。即ち、原料毎に噴射手段を設けるとしたら、原料の物性値に応じて噴射手段を設計しなければならないが(例えば、ノズル形状や材料などを原料毎に設計しなければならない)、上記実施の形態では混合された状態の混合液が燃料噴射手段58によって噴射されるために、混合された状態の混合液に対してのみ燃料噴射手段58を設計すれば済む。
【0061】
次に、水性シフト反応器52及び選択酸化反応器53について、図9を参照して説明する。図9に示すように、水性シフト反応器52及び選択酸化反応器53には、葛折りとなったマイクロ流路76が設けられている。また、水性シフト反応器52及び選択酸化反応器53は一体となっており、具体的には以下のように構成されている。
【0062】
図10には、図9のA−A断面が示されている。図10に示すように、水性シフト反応器52及び選択酸化反応器53は、上基板77と下基板78とを重ねて接合した積層構造となっている。上基板77及び下基板78は、それぞれアルミニウム合金、ガラスで形成された基板である。上基板77には、マイクロ流路76を構成するための溝77aが、半導体製造技術(例えば、エッチング)を適用して形成されている。上基板77に下基板78が接合されることによって、溝77aによるマイクロ流路76が形成される。また、下基板78には、マイクロ連続槽反応器51の排出路55bに通じる吸入路78aが形成されており、この吸入路78aは水性シフト反応器52側のマイクロ流路76の端部に通じている。そして、マイクロ連続槽反応器51にて生成されたガス(水素や一酸化炭素、二酸化炭素等)は、吸入路78aを通じてマイクロ流路76へと流れるようになっている。また、マイクロ流路76の他方の端部は、後述する主発電部6の燃料極31(図11に図示)に通じており、マイクロ連続槽反応器51にて生成されたガスがマイクロ流路76を流れて、燃料極31へと流れるようになっている。更に、上基板77に放熱フィン54が設けられており、マイクロ流路76で発生する熱が放熱フィン54によって放熱されるようになっている。
【0063】
水性シフト反応器52の溝77aには、水性シフト反応用触媒77bが形成されており、選択酸化反応器53の溝77aには、選択酸化反応用触媒77cが形成されている。水性シフト反応用触媒77bは、一酸化炭素及び水に対して化学反応を促進する作用を有し、一酸化炭素及び水から水素及び二酸化炭素を生成する機能を有するものである。選択酸化反応用触媒77cは、水素過剰条件において、水素より一酸化炭素を優先して酸化させる作用を有するものである。マイクロ流路76(溝77a)の断面幅wは、水性シフト反応用触媒77b及び選択参加反応用触媒77cが被膜された状態で100〔μm〕以下であるのが望ましく、マイクロ流路76の断面深さdは、水性シフト反応用触媒77b及び選択酸化反応用触媒77cが被膜された状態で500〔μm〕以下であるのが望ましい。
【0064】
以上のように構成される水性シフト反応器52及び選択酸化反応器53の作用を説明する。
マイクロ連続槽反応器51で生成されたガスがマイクロ流路76を通過している間に、水性シフト反応器52において、一酸化炭素が水性シフト反応用触媒77bによって促進されて、次の化学反応式(5)に示すような水性シフト反応をする。
CO+H2O→CO2+H2 …(5)
なお、マイクロ連続槽反応器51において未反応だった水が、水性シフト反応における水として用いられることになる。
【0065】
選択酸化反応器53においては、マイクロ流路76を通過するガスに含まれる一酸化炭素が選択酸化反応用触媒77cによって選択されて、一酸化炭素が次の化学反応式(6)に示すような選択酸化反応をする。また、マイクロ流路76に選択酸化反応用触媒77cが形成されているため、ガスに含まれる水素はほとんど酸化しない。
2CO+O2→2CO2 …(6)
なお、大気中の酸素が、選択酸化反応における酸素として用いられる。
【0066】
以上のように、マイクロ連続槽反応器51、水性シフト反応器52及び選択酸化反応器53から構成されるマイクロリアクタ5によれば、マイクロ連続槽反応器51において微量ながら一酸化炭素が生成されるが、水性シフト反応器52及び選択酸化反応器53において一酸化炭素が水素や二酸化炭素に変換されるため、一酸化炭素がほとんど生成されない。
【0067】
次に、主発電部6について図11を参照して説明する。主発電部6は、燃料改質方式を採用した固体高分子型の燃料電池である。即ち、主発電部6は、白金や白金・ルテニウム等の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる燃料極(カソード)31と、白金等の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる空気極(アノード)32と、燃料極31と空気極32との間に介装されたフィルム状のイオン導電膜(交換膜)33とを有して構成されている。燃料極31が、図1に示す負極2aに接続されているとともに、空気極32が、図1に示す正極3aに接続されている。
【0068】
ここで、燃料極31には、上記マイクロリアクタ5において生成された水素ガスが供給され、一方、空気極32には、大気中の酸素ガス(O2)が供給されることにより、主発電部6において電気化学反応により所定の電気エネルギーが生成(発電)され、負荷34に対しての駆動電力(電圧・電流)となる電気エネルギーが生成される。
【0069】
具体的には、燃料極31に水素ガスが供給されると、次の化学反応式(7)に示すように、燃料極31に付着した触媒により電子の分離した水素イオンが発生し、イオン導電膜33を介して空気極32側に水素イオンが通過するとともに、燃料極31を構成する炭素電極により電子が取り出されて負荷34に供給される。
3H2→6H++6e- …(7)
【0070】
一方、空気極32に酸素ガスが供給されると、上記化学反応式(2)に示すように、触媒により負荷34を経由した電子とイオン導電膜33を通過した水素イオンと空気中の酸素ガスとが反応して、水が生成される。
【0071】
主発電部6における電気化学反応は概ね60〜80℃の比較的低温の温度条件で進行するため、燃料極31に僅かな一酸化炭素が供給された場合でも燃料極31に吸着被毒して活性が低下し易いが、マイクロリアクタ5において生成されるガスには一酸化炭素がほとんど含まれていないから燃料極31に吸着被毒しない。従って、長時間燃料電池システム1が使用された場合でも、主発電部6により発生する駆動電力の低下を招かない。
【0072】
次に、負荷駆動検知部7、電力検知部8及び制御部9について説明する。
負荷駆動検知部7、電力検知部8及び制御部9は、既存の半導体製造技術を適用することにより、数ミクロンオーダーにマイクロチップ化されたものである。
【0073】
負荷駆動検知部7は、主発電部6を起動させる旨を検知するものであり、具体的には、主発電部6に負荷34が接続されたことを検知するセンサ(例えば、燃料電池システム1に対する負荷34の位置を検知する位置センサ等)や、使用者等が負荷34の操作ボタン等を押下した時の負荷の容量変化に伴う電位の変化を検知するセンサである。そして、負荷駆動検知部7は、検知した場合に、検知した旨の信号を制御部9に出力するようになっている。
【0074】
電力検知部8は、主発電部6において発生された駆動電力の値を検知するものであり、具体的には、主発電部6から負荷34に流れる電流の値を検知する電流計や、主発電部6から負荷34に負荷される電圧の値を検知する電圧計等である。そして、電力検知部8は、主発電部6において発生された駆動電力の値を示す信号を制御部9に出力するようになっている。
【0075】
制御部9は、専用の論理回路もしくは、CPU(central processing unit)等を有する演算処理装置であり、負荷34が待機状態からメイン機能の起動する状態へのシフトにともない変位する電位を燃料パック2の正極3a及び負極2aを介して検知した負荷駆動検知部7から入力される信号に基づいて主発電部6を起動させることを判定し、主発電部6を起動させると判定した場合に、マイクロリアクタ5に作動を指示する信号を出力するようになっている。具体的には、制御部9は、マイクロリアクタ5に設けられる燃料噴射手段58に対して作動を指示する作動信号を出力するようになっている。これにより、燃料噴射手段58が混合液を噴射しはじめ、マイクロリアクタ5において水素ガスが生成されはじめ、主発電部6が起動して、主発電部6から駆動電力が発電される。一方、制御部9は、メイン機能が駆動している状態から待機状態へのシフトにともない変位する電位を燃料パック2の正極3a及び負極2aを介して検知した負荷駆動検知部7から入力される信号に基づいて主発電部6を停止すると判定した場合に、マイクロリアクタ5に停止を指示する停止信号を出力するようになっている。具体的には、制御部9は、マイクロリアクタ5に設けられる燃料噴射手段58に対して停止を支持する停止信号を出力するようになっている。これにより、燃料噴射手段58が混合液を噴射することを停止し、マイクロリアクタ5において水素ガスが発生されないため、主発電部6が停止し、主発電部6から駆動電力が発電されない。
【0076】
例えば、燃料噴射手段58が図6に示すような場合、制御部9が燃料噴射手段58の発熱体61に対して作動信号を出力する(副発電部4で発電された電力を供給する)ことによって、副発電部4から供給された電力により発熱体61が発熱し、燃料噴射手段58から混合液が噴射される。また、燃料噴射手段58が図7に示すような場合、制御部9が燃料噴射手段58のピエゾ素子63に対して作動信号を出力する(副発電部4で発電された電力を供給する)ことによって、ピエゾ素子63が変形し、燃料噴射手段58から混合液が噴射される。また、燃料噴射手段58が図8に示すような場合、制御部9が振動板72及び対向電極74に対して作動信号を出力する(副発電部4で発電された電圧を振動板72と対向電極74との間に印可した後に電圧を消去する)ことによって、振動板72が撓んでから復元し、燃料噴射手段58から混合液が噴射される。
【0077】
更に、主発電部6が起動している場合に、制御部9は、電力検知部8から入力される信号に基づいて、主発電部6の駆動電力の値を判定し、判定した駆動電力の値に基づいてマイクロリアクタ5を制御するようになっている。これにより、マイクロリアクタ5から生成される水素ガスの生成量が調節される。即ち、制御部9は、マイクロリアクタ5に設けられる燃料噴射手段58を制御する。これにより、燃料噴射手段58から噴射される混合液の噴射量(単位時間当たりの噴射量、例えば、燃料噴射手段58が燃料を噴射するインターバル)が制御部9によって制御され、マイクロリアクタ5から生成される水素ガスの生成量が調整され、結果として主発電部6から発電される駆動電力(電圧、電位、電気エネルギー)が調整される。具体的には、燃料噴射手段58が一回混合液を噴射した後に次回に再び混合液を噴射するまでの時間的間隔を、制御部9が制御することによって、水素ガスの生成量が調整される。更に、制御部9は、電力検知部8から入力される信号に基づいて、主発電部6から発電される駆動電力等が一定になるように(例えば、負荷34に印可される電圧が一定の1.5〔V〕となるように)、燃料噴射手段58を制御するようになっている。
【0078】
即ち、以上の燃料電池システム1では、燃料噴射手段58が設けられており、この燃料噴射手段58から噴射される混合液の噴射量が制御部9によって調整されることによって、水素ガスの生成量が容易に制御することができる。また、負荷駆動検知部7が検知した場合のみに、燃料噴射手段58から混合液が噴射され、主発電部6から電力が発電されるため、電力を必要としないとき(例えば、負荷34が燃料電池システム1に接続されていないとき)には混合液が噴射されない。従って、混合液の浪費が抑えられる。
【0079】
次に、上記燃料電池システム1の使用方法及び作用について説明する。
まず、混合液が充填された燃料パック2を発電モジュール3に取り付ける。次に、燃料パック2が取り付けられた状態の燃料電池システム1を負荷34に接続する。そして、負荷駆動検知部7において検知した場合に、マイクロリアクタ5で水素ガスが生成されて、主発電部6において駆動電力が発電される。これにより、駆動電力が負荷34に対して供給される。この際、制御部9が、マイクロリアクタ5から発生される水素ガスの量を調節することにより、主発電部6において発電される電力が調整される。
【0080】
〔第二の実施の形態〕
第二の実施の形態における燃料電池システムは、上記第一の実施の形態における燃料電池システム1とほぼ同一の構成をしており、マイクロリアクタの構成が異なっている。従って、第二の実施の形態における燃料電池システムの構成については、第一の実施の形態における燃料電池システム1と異なる構成について主に説明する。
【0081】
第二の実施の形態において、マイクロリアクタ5は、図5に示すマイクロ連続槽反応器51に代えて、図12に示すようなマイクロ回分反応器151を備えている。
【0082】
マイクロ回分反応器151は、本発明に係る蒸発装置及び改質装置が適用されたものであり、基本構成として、上基板55と、下基板56と、薄膜ヒータ57と、燃料噴射手段58と、改質触媒59と、マイクロバルブ152とを有して構成されている。この上基板55及び下基板56が接合されることで凹部55aによる空洞(室)が形成されている。上基板55、下基板56、薄膜ヒータ57、燃料噴射手段58、改質触媒59、配線80及び絶縁膜81は、上記マイクロ連続槽反応器51の場合とほぼ同様の構成をしているため、詳細な説明を省略する。
【0083】
マイクロバルブ152は、上基板55に形成された排出路55bに設けられており、排出路55bを開閉するものである。マイクロバルブ152は、副発電部4で発電された電力によって開閉動作するようになっている。更に、マイクロバルブ152は、制御部9によって開閉動作を制御されるようになっている。
【0084】
以上のように構成されるマイクロ回分反応器151の作用を説明する。
まず、制御部9がマイクロバルブ152を制御することによって、マイクロバルブ152が閉動作して、排出路55bが塞がれる。そして、上記マイクロ連続槽反応器51の場合と同様に、燃料噴射手段58が制御部9によって制御されて、混合液の液滴が薄膜ヒータ57に噴射される。そして、薄膜ヒータ57が混合液の液滴を加熱すると、混合液が蒸発する(気化する)。そして、原料ガス(メタノールガス及び水蒸気)が改質触媒59によって促進されて上記化学反応式(3)及び上記化学反応式(4)に示すような反応をして、水素ガス、二酸化炭素ガス及び微量の一酸化炭素ガスが生成される。水素ガス、二酸化炭素ガス及び一酸化炭素ガスが生成されることによって、凹部55aの圧力が上昇する。
【0085】
そして、所定時間経過後(この間に、燃料噴射手段58が所定回数だけ混合液を噴射する動作を繰り返しても良い。)、制御部9がマイクロバルブ152を制御することによって、マイクロバルブ152が開動作する。マイクロバルブ152が開くと、生成されたガスは凹部55aの圧力差によって排出路55bへと流れて、水性シフト反応器52のマイクロ流路76へと流れる。
【0086】
その後同様に、マイクロバルブ152が閉動作し、燃料噴射手段58が混合液を滴状に噴射し、マイクロバルブ152が開動作することが繰り返されることによって、断続的に生成ガスが水性シフト反応器52のマイクロ流路76へと流れる。
【0087】
以上の第二の実施の形態においても、マイクロ回分反応器151に燃料噴射手段58が設けられているため、燃料パック2から供給される混合液を滴状にして薄膜ヒータ57に噴射することが可能となる。また、混合液が滴状で噴射されるため、薄膜ヒータ57において混合液が効率よく蒸発する。即ち、薄膜ヒータ57において混合液を蒸発させるためのエネルギーの浪費が抑えられる。
【0088】
〔第三の実施の形態〕
第三の実施の形態における燃料電池システムは、上記第一の実施の形態における燃料電池システム1とほぼ同一の構成をしており、マイクロリアクタの構成が異なっている。従って、第三の実施の形態における燃料電池システムの構成については、第一の実施の形態における燃料電池システム1と異なる構成について主に説明する。
【0089】
第三の実施の形態において、マイクロリアクタ5は、図5に示すマイクロ連続槽反応器51に代えて、図13及び図14に示すようなマイクロ改質反応器251を備えている。マイクロ改質反応器251は、大きく分けて、混合液を蒸発させるためのマイクロ蒸発部252と、マイクロ蒸発部252において気化したメタノールガス及び水蒸気を水素ガスと二酸化炭素ガスに改質するためのマイクロ流路反応部253とが一体となって構成されており、マイクロ蒸発部252には空洞258が設けられており、マイクロ流路反応部253にはマイクロ流路259が設けられている。
【0090】
詳細に説明すると、マイクロ改質反応器251は、上基板254と、下基板255と、蒸発用ヒータ256と、流路用ヒータ257と、燃料噴射手段58とを有して構成されている。上基板254は、空洞258を構成するための凹部254aと、マイクロ流路259を構成するための溝254bとが、半導体製造技術を適用して上基板254に形成されている。そして、上基板254に下基板255が接合されることによって、凹部254aによる空洞258が形成され、溝254bによるマイクロ流路259が形成される。また、溝254bは凹部254aに連なって形成されているため、マイクロ流路259の一端は空洞258に通じている。一方、マイクロ流路259の他端は水性シフト反応器53の吸入路78a(図10に図示)に通じている。
【0091】
また、溝254bの表面には、改質触媒260が形成されている。改質触媒260は、メタノール及び水に対して化学反応を促進する作用を有し、メタノール及び水から水素ガス及び二酸化炭素ガスを生成する機能を有するものである。
【0092】
また、溝254b(マイクロ流路259)の断面幅Wは、改質触媒260が被膜された状態で100〔μm〕以下であるのが望ましく、溝254bの断面深さDは、改質触媒260が被膜された状態で500〔μm〕以下であるのが望ましい。
【0093】
更に、下基板255はガラスで形成された基板であり、下基板255における上基板254側の面には、電気的な抵抗(例えば、TaSiOx又はTaSiOxN)で構成される蒸発用ヒータ256及び流路用ヒータ257が設けられている。蒸発用ヒータ256には副発電部4にて発電された電力が配線262を介して供給されており、流路用ヒータ257には副発電部4にて発電された電力が配線263を介して供給される。蒸発用ヒータ256及び流路用ヒータ257は電力により発熱するものである。蒸発用ヒータ256が空洞258の面となるように、また流路用ヒータ257がマイクロ流路259の内面となるように、上基板254に下基板255が接合されている。なお、流路用ヒータ257に改質触媒260が被膜されていても良い。また、蒸発用ヒータ256、流路用ヒータ257及び配線262,263上に、酸化シリコン(SiOx)又は窒化シリコン(SixNy)で形成された絶縁膜264が被膜されていても良い。
【0094】
上基板254には、燃料パック2に封入された混合液を蒸発用ヒータ256に噴射するための燃料噴射手段58が設けられており、この燃料噴射手段58は第一の実施の形態における燃料噴射手段58と同様な構成をしている。
【0095】
以上のように構成されるマイクロ改質反応器251の作用を説明する。
まず、上記マイクロ連続槽反応器51の場合と同様に、燃料噴射手段58が制御部9によって制御されて、混合液の液滴が蒸発用ヒータ256に噴射される。そして、蒸発用ヒータ256が混合液の液滴を加熱すると、混合液が蒸発する(気化する)。混合液が気化することによって空洞258の圧力が上昇し、原料ガス(メタノールガス及び水蒸気)が圧力によって空洞258からマイクロ流路259へと流れる。そして、原料ガスがマイクロ流路259を流れている間に、原料ガスは改質触媒260に促進されるとともに流路用ヒータ257によって加熱されて、上記化学反応式(3)及び上記化学反応式(4)に示すような反応をする。これにより、水素ガス、二酸化炭素ガス及び一酸化炭素ガスが生成される。そして、生成されたガス(水素ガス、二酸化炭素ガス及び一酸化炭素ガス)は、水性シフト反応器53のマイクロ流路76へと流れ出る。
【0096】
以上の第三の実施の形態においても、マイクロ蒸発部252に燃料噴射手段58が設けられているため、燃料パック2から供給される混合液を滴状にして蒸発用ヒータ256に噴射することが可能となる。また、混合液が滴状で噴射されるため、蒸発用ヒータ256において混合液が効率よく蒸発する。そのため、蒸発用ヒータ256において混合液を蒸発させるためのエネルギーの浪費が抑えられる。
【0097】
また、マイクロ改質反応器251は、マイクロ連続槽反応器51より薄い構造とすることができる。その理由は以下による。即ち、マイクロ連続槽反応器51は開いた系であるから、原料ガスが十分に(例えば、90%以上)水素や二酸化炭素に改質されるために、薄膜ヒータ57と排出路55bとの距離s(図5に図示)を十分に大きくする必要がある。ところが、マイクロ改質反応器251では、マイクロ蒸発部252(空洞258)は開いた系であるが、マイクロ蒸発部252において混合液が水素や二酸化炭素に改質されるのではなくマイクロ流路反応部253において混合液が改質されるため、空洞258の高さS(図14に図示)は距離sに比較して小さくても良い。
【0098】
また、マイクロ改質反応器251における改質に係る反応速度は、マイクロ回分反応器151における改質に係る反応速度より高い。その理由は以下による。即ち、マイクロ回分反応器151では、原料ガスが十分に(例えば、90%以上)水素や二酸化炭素に改質されるためにマイクロバルブ152が閉じてマイクロ回分反応器151が閉じた系となるから、マイクロバルブ152が閉じている間は生成されたガスがマイクロ回分反応器151から流れでない。このため原料ガスが拡散しにくく、比較的広い空間で原料ガスが十分改質触媒に接触し改質されるためには時間がかかってしまう。一方、マイクロ改質反応器251では、原料ガスがマイクロ流路259を流れている間に十分に水素や二酸化炭素に改質されるため、マイクロ蒸発部252(空洞258)を閉じた系とする必要がない。そのため、連続的に原料ガスがマイクロ蒸発部252からマイクロ流路259へと流れ、水素や二酸化炭素がマイクロ改質反応器251から連続的に流れ出るためにこれら原料ガスが極めて細いマイクロ流路259を流動しながら通過するので原料ガスが単位時間当たりに改質触媒と接触する確率がむらなく均等で且つ高くなる。従って、マイクロ回分反応器151よりマイクロ改質反応器251の方が効率よく混合液を改質できる。更に、混合液が水素や二酸化炭素に改質されている際、マイクロ回分反応器151では原料ガスは空洞258において停留しており、マイクロ改質反応器251では原料ガスがマイクロ流路259が流れている。そのため、原料ガスに対して熱を伝達する効率は、マイクロ回分反応器151よりマイクロ改質反応器251の方が高く、マイクロ改質反応器251の方が改質に係る反応速度が高い。
【0099】
ところで、マイクロ流路反応部253(マイクロ流路259)において、原料ガスの改質効率(単位時間当たりの水素の生成される量)を高めるために、マイクロ流路259を流れるガス(メタノールガスや水蒸気、生成された水素ガス、二酸化炭素ガス)の平均流速を大きくする必要がある。しかしながら、マイクロ流路259を流れるガスの平均流速が大きくしすぎると、原料ガスが十分に改質されない場合がある。そこで、第三の実施の形態において、流路用ヒータ257から発せられる熱流束を500〔W/m2〕以上と大きくすることによって、水蒸気改質反応に係る反応速度を高めている。
【0100】
以下、具体的なデータを示して、流路用ヒータ257の熱流束と、混合液が改質された率(転化率)との関係を説明する。表1は、マイクロ流路反応部253における各数値を示すものである。条件(1)では、マイクロ流路259の断面幅Wを520〔μm〕とし、断面深さDを360〔μm〕とし、マイクロ流路259の長さを300〔mm〕とした条件である。条件(2)では、マイクロ流路259の断面幅Wを220〔μm〕とし、断面深さDを410〔μm〕とし、マイクロ流路259の長さを300〔mm〕とした条件である。
【0101】
【表1】
【0102】
条件(1)において、マイクロ流路259を流れるガスの平均流速を0.94〔m/sec〕とし、流路用ヒータ257の熱流束を600〔W/m2〕とした場合、100%の混合液が改質された。
【0103】
また、条件(2)において、マイクロ流路259を流れるガスの平均流速を1.96とし、流路用ヒータ257の熱流束を1300〔W/m2〕とした場合、94.3%の混合液が改質された。なお、条件(1)でも、条件(2)でも流路の温度は300℃となっている。
【0104】
以上のように、流路用ヒータ257から発せられる熱流束を500〔W/m2〕以上と大きくすることによって、メタノールガスや水蒸気が水素や二酸化炭素ガスに十分に改質される。従って、マイクロ流路259を流れるガスの平均流速を速くすることができ、マイクロ流路反応部253における改質効率を高めることができる。なお、他の燃料(例えば、ガソリン)の場合、熱流束を100〔W/m2〕以上で十分な転化率が得られた。
【0105】
また、マイクロ改質反応器51を小型化するためには、マイクロ流路259の体積を小さくすれば良い。しかしながら、マイクロ流路259の体積を小さくしすぎると、マイクロ改質反応器51の改質効率が低くなってしまうが、上述したように流路用ヒータ257の熱流束を500〔W/m2〕以上と大きくすることによってマイクロ改質反応器51の改質効率が向上するから、マイクロ流路259の体積を小さくすることができる。そのため、マイクロ改質反応器51の小型化が図れる。
【0106】
また、マイクロ流路259の体積を小さくするためには、マイクロ流路259の断面積を小さくする必要がある。マイクロ流路259の断面幅Wを小さくして、ある程度断面深さDを確保すれば、マイクロ流路259の断面積が小さくなり、マイクロ改質反応器51のサイズが小型化される。そのため、マイクロ流路259の断面幅Wを断面深さDより小さくして、断面幅Wが100〔μm〕以下であるのが望ましく、断面深さDが500〔μm〕以下であるのが望ましい。また、マイクロ流路259の断面積が小さくなることによって、流路用ヒータ257の熱が原料ガスに拡散する時間が小さくなり、原料ガスの反応速度が速くなる。
上記各実施の形態における噴射手段は、既存のプリンタにおけるサーマルジェット方式、ピエゾ式、及び静電式のインクジェットヘッドのいずれかを採用したのでピコリットルレベルの噴霧が可能となるため、容易に主発電部6での発電される電力を制御することができる。
【0107】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0108】
また、上記各実施の形態において、燃料噴射手段58は一つに限らず、複数設けられていても良い。そして、制御部9が、電力検知部8から入力される信号に基づいて、複数の燃料噴射手段58の中から作動させる燃料噴射手段の数を決定し、決定した数だけ燃料噴射手段58から混合液を噴射させるように制御しても良い。これにより、マイクロリアクタ5において生成される水素の量が調整されて、結果として主発電部6から発電される駆動電力(電圧、電流)が調整される。
【0109】
また、上記各実施の形態において、燃料電池システム1の外形は図1に示すような円筒形状に限らず、例えば、ボタン型或いはコイン型等の円形型であっても良いし、特殊形状型、角形或いは平型等の非円形型であっても良い。
【0110】
また、第一及び第二実施の形態において、薄膜ヒータ57の表面(絶縁膜81の表面)にポリテトラフルオロエチレン等の低表面エネルギー材を被膜することによって、薄膜ヒータ57の表面に撥水処理を施しても良い。第三の実施の形態において、蒸発用ヒータ256の表面(絶縁膜264の表面)に低表面エネルギー材を被覆することによって、蒸発用ヒータ256の表面に撥水処理を施しても良い。薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256の表面が撥水処理されていることで、薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256の表面に噴射された混合液の液滴が効率よく蒸発する。その理由は、以下による。
【0111】
即ち、図15に示すように、混合液の液滴270が薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256の表面に噴射されると、液滴270と薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256との界面で気泡(気化したガス)が発生する(膜沸騰が起こる)。気泡が発生することによって、薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256と液滴270との接触面積が減少し、且つ気泡が熱伝導性の良好でない媒体であるため、液滴270に対して熱が十分に伝導しない。しかしながら、燃料噴射手段58によって薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256の表面に噴射された液滴270は、運動エネルギーを付与されて内部で容易に流動しやすい状態であり、更に、液滴270の接触角θが140〔deg〕以上となるように薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256における液滴270と接触する部材に撥水処理を施すと噴射された液滴270は薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256上で非常に良く滑る。そのため、気泡は、液滴270内に留まらず、発生後すぐに液滴270内から周囲へ発散されるので接触面積の著しい低下現象が発生しない。そのため、薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256から液滴270へ熱が効率よく伝導し、液滴270が効率よく蒸発する。
【0112】
また、第一及び第二の実施の形態において、薄膜ヒータ57の表面(絶縁膜81の表面)に親水処理を施しても良いし、第三の実施の形態において、蒸発用ヒータ256の表面(絶縁膜264の表面)に親水処理を施しても良い。薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256の表面が親水処理されていることで、薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256の表面に噴射された混合液の液滴が効率よく蒸発する。その理由は、以下による。
【0113】
即ち、薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256に親水処理が施されているため、図16に示すように、噴射された混合液の液滴272は薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256に対して濡れやすくなる。そのため、接触角θが20〔deg〕以下と小さくなり、液滴272は、薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256との界面に広がって、全体的に薄くなる。従って、液滴272が全体として沸騰し、薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256と液滴272との界面で気泡が発生しても、液滴272の接触面積が相対的に大きい。そのため、薄膜ヒータ57や蒸発用ヒータ256から液滴272へ熱が効率よく伝導し、液滴272が効率よく蒸発する。
【0114】
また、第三の実施の形態において、流路用ヒータ257が下基板255上に形成されていたが、別の箇所に形成されていても良い。例えば、図17に示すように、別の例のマイクロ改質反応器251Aは、上基板281と、中基板280と、下基板255と、蒸発用ヒータ256と、流路用ヒータ282と、燃料噴射手段58とを有して構成されている。
【0115】
中基板280は単結晶シリコンで形成された基板であり、空洞258を構成するための凹部280aと、マイクロ流路259を構成するための溝280bとが、サンドブラス法によって形成されている。そして、中基板258に下基板が接合されることによって、凹部280aによる空洞258が形成され、溝280bによるマイクロ流路259が形成される。また、溝280bの表面には、改質触媒260が形成されている。中基板280には、燃料パック2に封入された混合液を蒸発用ヒータ256に噴射するための燃料噴射手段58が設けられている。また、中基板280上には電気的な抵抗で構成される流路用ヒータ282が設けられている。流路用ヒータ282には、副発電部4にて発電された電力が配線283を介して供給される。単結晶シリコンで形成された中基板280は熱伝導性が高いため、蒸発用ヒータ256で発せられた熱がマイクロ流路259へと伝導する。
【0116】
下基板255はガラスで形成された基板であり、下基板255における中基板254側の面には、電気的な抵抗で構成される蒸発用ヒータ256が設けられている。流路用ヒータ282及び配線283が被覆されるようにして、上基板281が中基板281上に接合されている。上基板281は、ガラスで形成された基板である。なお、マイクロ改質反応器251Aについては、マイクロリアクタ251と同様の構成要素に同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0117】
また、薄膜ヒータ57、蒸発用ヒータ256、流路用ヒータ257及び流路用ヒータ282は、電気抵抗でなくても良く、例えば、熱流体等の熱を発して加熱する加熱手段であっても良い。
また上記各実施の形態では、燃料としてメタノールを用いたが、吸熱反応により水素を発生させるものであればその他の液化燃料でもよく、ブタン等の常温、常圧下で気化する燃料であればより好ましい。
なお、上記各実施の形態では、燃料電池について説明したが、これに限らず、上述したDNA等の遺伝子の同定、合成のように所定の物質を化学反応させる超小型反応プラントとしてマイクロリアクタを適用することも可能である。
【0118】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、液状の改質原料が噴射手段によって滴状に噴射され、滴状の改質原料が加熱手段によって加熱されて蒸発される。噴射手段によって改質原料を加熱手段に対して供給することが可能となり、滴状の改質原料が加熱手段によって蒸発する。そして、噴射手段が改質原料を噴射した際には改質原料が滴状であるため、改質原料の体積に対する表面積の割合が大きくなるから、改質原料が効率よく蒸発する。改質原料が効率よく蒸発するから、加熱手段の発熱量を大きくするために加熱手段を大型化する必要がなく、蒸発装置の小型化が図られる。そのため、蒸発装置を具備した燃料電池システムも小型化が図られ、この燃料電池システムを可搬型又は携帯型のポータブル電源として適用するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システム及び従来の化学電池の外形が示されている斜視図である。
【図2】上記燃料電池システムの機能ブロック図が示されている図面である。
【図3】上記燃料電池システムに設けられる燃料電池の構成例が概略的に示されている図面である。
【図4】上記燃料電池システムに設けられるマイクロリアクタの構成例が示されている図面である。
【図5】上記マイクロリアクタに設けられるマイクロ連続槽反応器が示されている図面であり、図5(a)は該マイクロ連続槽反応器の断面図であり、図5(b)は図5(a)におけるB部の拡大図である。
【図6】上記マイクロ連続反応器に設けられる噴射手段が示されている断面図である。
【図7】上記燃料噴射手段とは別の例の噴射手段が示されている断面図である。
【図8】上記燃料噴射手段とは別の例の噴射手段が示されている断面図である。
【図9】上記マイクロリアクタに設けられる水性シフト反応器及び選択酸化反応器が示されている図面である。
【図10】上記水性シフト反応器及び上記選択酸化反応器が示されている断面図である。
【図11】上記燃料電池システムに設けられる燃料電池の構成が概略的に示されている図面である。
【図12】上記マイクロリアクタとは別の例のマイクロリアクタに設けられるマイクロ回分反応器が示されている図面であり、図12(a)は該マイクロ回分反応器の断面図であり、図12(b)は図12(a)におけるC部の拡大図である。
【図13】上記マイクロリアクタとは別の例のマイクロリアクタに設けられるマイクロ改質反応器が示されている斜視図である。
【図14】上記マイクロ改質反応器が示されている図面であり、図14(a)は該マイクロ改質反応器の断面図であり、図14(b)は図14(a)におけるE部の拡大図であり、図14(c)は図14(a)におけるC部の拡大図である。
【図15】上記燃料噴射手段に噴射された改質原料の状態が示されている図面である。
【図16】上記燃料噴射手段に噴射された改質原料の状態が示されている図面である。
【図17】上記マイクロ改質反応器とは別の例のマイクロ改質反応器が示されている断面図である。
【符号の説明】
1 燃料電池システム
5 マイクロリアクタ
6 主発電部(燃料電池)
9 制御部(制御手段)
51 マイクロ連続槽反応器(蒸発装置、改質装置)
55a 凹部(室)
57 薄膜ヒータ(加熱手段)
58 燃料噴射手段(噴射手段)
59 改質触媒
151 マイクロ回分反応器(蒸発装置、改質装置)
251 マイクロ改質反応器(改質装置)
252 マイクロ蒸発部(蒸発装置)
253 マイクロ流路反応部
256 蒸発用ヒータ(加熱手段)
257 流路用ヒータ(第二加熱手段)
258 空洞(室)
259 マイクロ流路(流路)
260 改質触媒
Claims (10)
- 液状の改質原料を改質するための改質装置に用いられる蒸発装置において、
空洞となる室と、
改質原料を滴状にして前記室内に噴射する噴射手段と、
表面が撥水処理され、前記室に設けられるとともに、前記噴射手段によって噴射された改質原料を加熱して蒸発させるための加熱手段と、を備え、
前記噴射手段が前記加熱手段に向けて改質原料を噴射することを特徴とする蒸発装置。 - 液状の改質原料を改質するための改質装置に用いられる蒸発装置において、
空洞となる室と、
改質原料を滴状にして前記室内に噴射する噴射手段と、
表面が親水処理され、前記室に設けられるとともに、前記噴射手段によって噴射された改質原料を加熱して蒸発させるための加熱手段と、を備え、
前記噴射手段が前記加熱手段に向けて改質原料を噴射することを特徴とする蒸発装置。 - 請求項1又は2記載の蒸発装置において、
前記改質原料がメタノールと水との混合液であることを特徴とする蒸発装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の蒸発装置において、
前記噴射手段は、サーマルジェット方式、ピエゾ式、及び静電式のいずれかから選択されることを特徴とする蒸発装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の蒸発装置において、
前記噴射手段を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記噴射手段から噴射される改質原料の単位時間あたりの噴射量を調整するように前記噴射手段を制御することを特徴とする蒸発装置。 - 請求項1から5の何れかに記載の蒸発装置を備える改質装置において、
前記室内に配置される改質触媒を備え、
蒸発された改質原料を前記室内にて改質することを特徴とする改質装置。 - 請求項1から5の何れかに記載の蒸発装置を備える改質装置において、
前記室内に通ずる流路と、
前記流路内に配置され、前記流路を通過する蒸発された改質原料を加熱する第二加熱手段と、
前記流路内に配置される改質触媒と、を備え、
蒸発された改質原料を前記流路内にて改質することを特徴とする改質装置。 - 空洞となる室と、液状の改質原料を滴状にして前記室内に噴射する噴射手段と、前記室に設けられるとともに、前記噴射手段によって噴射された改質原料を加熱して蒸発させるための加熱手段と、を有し、前記噴射手段が前記加熱手段に向けて改質原料を噴射する蒸発装置と、
前記室内に配置される改質触媒と、を備え、
蒸発された改質原料を前記室内にて改質することを特徴とする改質装置。 - 空洞となる室と、液状の改質原料を滴状にして前記室内に噴射する噴射手段と、前記室に設けられるとともに、前記噴射手段によって噴射された改質原料を加熱して蒸発させるための加熱手段と、を有し、前記噴射手段が前記加熱手段に向けて改質原料を噴射する蒸発装置と、
前記室内に通ずる流路と、
前記流路内に配置され、前記流路を通過する蒸発された改質原料を加熱する第二加熱手段と、
前記流路内に配置される改質触媒と、を備え、
蒸発された改質原料を前記流路内にて改質することを特徴とする改質装置。 - 請求項6から9の何れかに記載の改質装置と、
前記改質装置によって生成された水素と酸素とを反応させて発電を行う燃料電池と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001233780A JP4400012B2 (ja) | 2001-08-01 | 2001-08-01 | 蒸発装置、改質装置及び燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001233780A JP4400012B2 (ja) | 2001-08-01 | 2001-08-01 | 蒸発装置、改質装置及び燃料電池システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003048701A JP2003048701A (ja) | 2003-02-21 |
JP4400012B2 true JP4400012B2 (ja) | 2010-01-20 |
Family
ID=19065514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001233780A Expired - Fee Related JP4400012B2 (ja) | 2001-08-01 | 2001-08-01 | 蒸発装置、改質装置及び燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4400012B2 (ja) |
Families Citing this family (24)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4524993B2 (ja) * | 2003-02-10 | 2010-08-18 | カシオ計算機株式会社 | 熱処理装置 |
EP1637221A4 (en) | 2003-03-19 | 2008-01-23 | Tosoh Corp | BODY WITH MICRO CHANNEL STRUCTURE |
JP4671585B2 (ja) * | 2003-03-27 | 2011-04-20 | 京セラ株式会社 | 発電装置 |
JP2007524562A (ja) | 2003-06-27 | 2007-08-30 | ウルトラセル コーポレイション | 環状燃料処理装置及び方法 |
US8821832B2 (en) | 2003-06-27 | 2014-09-02 | UltraCell, L.L.C. | Fuel processor for use with portable fuel cells |
JP4428972B2 (ja) * | 2003-09-09 | 2010-03-10 | 勝 市川 | 反応装置 |
JP4578867B2 (ja) * | 2003-09-30 | 2010-11-10 | 株式会社日立製作所 | 水素貯蔵・供給装置とそのシステム及びそれを用いた分散電源並びに自動車 |
KR100536218B1 (ko) | 2004-01-28 | 2005-12-12 | 삼성에스디아이 주식회사 | 연료 전지 시스템 |
KR100560495B1 (ko) * | 2004-01-28 | 2006-03-14 | 삼성에스디아이 주식회사 | 연료 전지 시스템의 개질기 및 이를 채용한 연료 전지시스템 |
KR100570754B1 (ko) * | 2004-02-26 | 2006-04-12 | 삼성에스디아이 주식회사 | 연료 전지 시스템의 개질기 및 이를 채용한 연료 전지시스템 |
JP5168750B2 (ja) * | 2004-03-29 | 2013-03-27 | カシオ計算機株式会社 | 気化装置、反応装置及び発電装置 |
JP5168751B2 (ja) * | 2004-03-30 | 2013-03-27 | カシオ計算機株式会社 | 気化装置、反応装置及び発電装置 |
JP2006221828A (ja) * | 2005-02-08 | 2006-08-24 | Sony Corp | 燃料電池システム |
KR101126207B1 (ko) * | 2005-02-28 | 2012-03-26 | 삼성에스디아이 주식회사 | 개질기용 연료 공급장치 및 연료 전지 시스템 |
KR100673747B1 (ko) * | 2005-03-04 | 2007-01-24 | 삼성에스디아이 주식회사 | 분사노즐 조립체 및 이를 구비한 연료전지 시스템 |
JP4863632B2 (ja) * | 2005-03-22 | 2012-01-25 | 京セラ株式会社 | 燃料改質器および燃料改質装置 |
KR100616685B1 (ko) | 2005-06-09 | 2006-08-28 | 삼성전기주식회사 | 소형 개질 기 와 그 제조 방법 |
KR100691365B1 (ko) | 2005-09-30 | 2007-03-12 | 삼성전기주식회사 | 박형 개질 기 |
KR100691368B1 (ko) * | 2005-10-10 | 2007-03-09 | 삼성전기주식회사 | 증발 부의 배압을 감소시킨 박형 개질 기 |
JP4715586B2 (ja) * | 2006-03-30 | 2011-07-06 | カシオ計算機株式会社 | 反応装置 |
KR100755608B1 (ko) | 2006-04-19 | 2007-09-06 | 삼성전기주식회사 | 마이크로 유로 내의 촉매 충전방법 |
JP5003167B2 (ja) * | 2007-01-16 | 2012-08-15 | カシオ計算機株式会社 | 反応器及び電子機器 |
JP5676336B2 (ja) * | 2011-03-28 | 2015-02-25 | 大阪瓦斯株式会社 | 燃料改質装置 |
CN110386589B (zh) * | 2019-08-06 | 2023-06-27 | 广东能创科技有限公司 | 一种高通量甲醇水重整制氢微通道反应器 |
-
2001
- 2001-08-01 JP JP2001233780A patent/JP4400012B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003048701A (ja) | 2003-02-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4400012B2 (ja) | 蒸発装置、改質装置及び燃料電池システム | |
JP4682476B2 (ja) | 加熱装置、改質装置及び燃料電池システム | |
US6689711B2 (en) | Methods of producing oxygen reduction catalyst | |
JP3873171B2 (ja) | 改質装置及び発電システム | |
JP2008500697A (ja) | 燃料電池用の燃料をその場で生成する装置および方法 | |
JP4110948B2 (ja) | 小型化学反応装置及び燃料電池システム | |
US7759013B2 (en) | Fuel delivery apparatus of direct liquid feed fuel cell | |
JP5098685B2 (ja) | 小型化学反応装置 | |
JP4451427B2 (ja) | 薄型改質器 | |
JP2005200266A (ja) | 改質方法、改質器、発電装置及び燃料容器 | |
JP2005103399A (ja) | 反応装置及び反応方法 | |
JP2003178783A (ja) | 燃料電池発電装置 | |
JP2006221828A (ja) | 燃料電池システム | |
US20060166061A1 (en) | Fuel cell and portable device equipped with the same, and fuel cell operating method | |
JP2004290873A (ja) | 触媒反応器の製造方法及び触媒反応器 | |
JP4453261B2 (ja) | 燃料供給機構 | |
KR100863725B1 (ko) | 수소 발생 장치 및 연료전지 발전 시스템 | |
JP2007317496A (ja) | 燃料電池発電システム | |
JP4590928B2 (ja) | 気化器 | |
JP2005166355A (ja) | 燃料電池システム | |
JP5168750B2 (ja) | 気化装置、反応装置及び発電装置 | |
JP2009179525A (ja) | 反応器、反応器の製造方法及び発電システム | |
JP4525035B2 (ja) | 反応器及びその製造方法 | |
JP5168751B2 (ja) | 気化装置、反応装置及び発電装置 | |
KR101703772B1 (ko) | 요소 고체연료가 저장된 인체 노폐물 연료전지 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060718 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080922 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090721 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090908 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091006 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091019 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131106 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |