JP4590928B2 - 気化器 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を気化する気化器に関する。
近年では、高いエネルギー利用効率を実現できる燃料電池についての研究・開発が盛んにおこなわれている。燃料電池は、燃料と大気中の酸素とを電気化学的に反応させて化学エネルギーから電気エネルギーを直接取り出すものであり、将来性に富む有望な電源であると位置付けられている。燃料電池に用いる燃料としては水素が挙げられるが、常温で気体であることによる取り扱い・貯蔵に問題がある。そこで、アルコール類及びガソリンといった液体燃料を用いれば液体燃料を貯蔵するためのシステムが比較的小型になるが、燃料と水蒸気を高温に加熱して反応させることによって発電に必要な水素を生成する必要がある。
燃料と水から水素を生成するためには、気化器により燃料と水を気化させた後、気化器から供給された燃料と水の混合気を改質器により水素に改質する(例えば、特許文献1参照)。
一方、複数の基板を接合してなる小型のマイクロリアクタを用いることによって微量の反応を行うことが特許文献2に記載されている。特許文献2に記載されたマイクロリアクタについて簡単に説明すると、まず一方の面に流路となる葛折り状の溝が形成されたポリスチレン製の第一の基板を準備し、この溝に第二の基板で蓋をするように第二の基板を第一の基板に紫外線硬化樹脂で接着することによって、これら二枚の基板の接合部に葛折り状の流路を形成している。このケミカルマイクロリアクタの流路に反応物を流せば、反応物が反応することにより、目的とする生成物又は中間生成物が生成される。
特開2004−18357号公報 特開2002−102681号公報
ところで、マイクロリアクタでは、流路が微小な構造なために比較的少ない熱量でも効率よく流路に伝搬でき、均一な反応を引き起こすことができる利点がある。このようなマイクロリアクタを、水素の改質反応を効率的に行うために改質前に液相の燃料を気相に変換する気化器に応用しようとすると、マイクロリアクタ自体の構造が小型のために熱容量が小さいので細かい温度制御が困難であった。液相から気相に変換する気化反応は流路内の液相と気相との界面である気液界面で発生することになるが、流路自体が微細なため気液界面の面積が小さく、単位時間辺りに気化する量は制限されていた。このようなマイクロリアクタで流路内の温度が不安定に陥り必要以上に高温になってしまうと、気液界面からの気化だけでは加えられた熱を放出できなくなってしまい、蓄積された熱によって気液界面以外に流路内の液相の燃料が不規則に沸騰してしまう。液体内部で生じた気泡は、液体時よりはるかに大きな体積に膨張されているために流路内では急速に圧力が上昇し、流路内の液体を気液界面側へと吹き飛ばしたりして、気液界面の位置や界面面積を不安定にするばかりでなく、単位時間辺り気化器で気化した気体の量を不安定にしていた。
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決しようとしてなされたものであり、効率的にかつ安定した速度で気体を生成することができる気化器を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る気化器は、気化器本体は、液体が流入される第1の内部空間と、気化した前記液体が流入される第2の内部空間と、前記第1の内部空間と前記第2の内部空間とを仕切る仕切り壁と、を備え、前記仕切り壁に前記第1の内部空間と前記第2の内部空間とを貫通させる複数の貫通孔とを有し、前記第1の内部空間の壁面に流入された前記液体にメニスカスを形成する複数の凹部が、前記第1の内部空間の壁面に設けられ、前記複数の貫通孔の貫通方向が前記凹部の開口面の垂直方向と同じであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、気化器本体内の空間に液体が流入すると、液体が壁面に沿って広がって、更に液体が凹部の底にも流れ落ちる。そのため、凹部の形状に基づいたメニスカスが液体に形成される。メニスカスによって液体の表面が広がるから、つまり液体と気体との相界面である気液界面の面積が広がるから、速い熱速度で液体を加熱したものとしても液体内部において気化を抑制し、液体の界面において迅速に気化が生じる。つまり、液体内部に気泡の発生を抑えるので、気液界面よりも気体側においても突発的な圧力上昇を最小限に留める。そのため、気化器本体内において気化した気体を安定した速度で供給することができる。
また、より速い熱速度で液体を加熱することができるから、液体の気化速度を高めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の気化器において、前記気化器本体を加熱する加熱手段が前記気化器本体に設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の気化器において、前記凹部の底面に複数の突起部を有すること特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の気化器において、前記貫通孔の内直径と前記凹部の内直径が等しいことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の気化器において、前記複数の貫通孔が前記複数の凹部に対して一対一で相対していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の気化器において、前記仕切り壁での前記貫通孔の点在密度と、前記第1の内部空間の壁面での前記凹部の点在密度とが、異なることを特徴とする。
本発明によれば、液体の気化速度を下げることなく、気化器本体内において気化した気体を安定した速度で供給することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本発明を適用した実施形態における微小な気化器5を搭載した小型の発電装置1のブロック図である。
図1に示すように、発電装置1は、燃料と水を貯留した燃料容器2と、燃料容器2から供給された燃料と水から水素を生成する反応装置3と、反応装置3で生成された水素の電気化学反応により電気エネルギーを生成する燃料電池4と、を備える。
燃料容器2内に貯留された燃料は、メタノール、エタノール等のアルコール類やガソリンといった組成に水素を含む化合物が適用可能である。燃料と水は液体状態で別々に燃料容器2に貯蔵されても良いし、混合された状態で燃料容器2に貯蔵されても良い。本実施形態では、燃料としてメタノールを用いている。
反応装置3は、燃料容器2から供給された燃料と水を気化させる気化器5と、化学反応式(1)、(2)に示すように気化器5から供給された燃料と水の混合気を水素に改質する改質器6と、化学反応式(3)に示すように改質器6で生成された生成物の混合気中の一酸化炭素を酸化させることによって一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器7と、を備える。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(1)
2CH3OH+H2O→5H2+CO+CO2 …(2)
2CO+O2→2CO2 …(3)
燃料電池4は、触媒微粒子を担持した燃料極と、触媒微粒子を担持した空気極と、燃料極と空気極との間に介在されたフィルム状の固体高分子電解質膜と、を備える。燃料電池4の燃料極には、一酸化炭素除去器7から生成物の混合気が供給され、燃料電池4の空気極には、外部から空気が供給される。燃料極においては、電気化学反応式(4)に示すように、混合気中の水素が燃料極の触媒微粒子の作用を受けて水素イオンと電子とに分離する。水素イオンは固体高分子電解質膜を通じて酸素極に伝導し、電子は燃料極により取り出される。酸素極においては、電気化学反応式(5)に示すように、酸素極に移動した電子と、空気中の酸素と、固体高分子電解質膜を通過した水素イオンとが反応して水が生成される。
2→2H++2e- …(4)
2H++1/2O2+2e-→H2O …(5)
この発電装置1は、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、電子手帳、腕時計、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ゲーム機器、遊技機、家庭用電気機器、その他の電子機器に備え付けられたものであり、電子機器本体を動作させるための電源として用いられる。
図2を用いて気化器5について詳細に説明する。ここで、図2は、厚さ方向に平行な切断面を示した気化器5の縦断面図である。
図2に示すように、気化器5は、シリコン結晶、アルミニウム、ガラス等の材料から平板状に形成された三枚の基板11,12,13をこの順に積み重ねて接合したスタック構造14を有する。このスタック構造14が、気化器本体である。一例として基板11及び基板13として1.1mm厚のガラス基板を用い、基板12として0.7mmのシリコン基板を用いた。
図3は、図2の切断線III−IIIに沿って切断した断面であって矢印方向に見た断面の図であって、特に第一基板11の接合面を示した図面である。図2の切断面は、図3等の切断線II−IIに沿って切断した切断面である。以下の説明で「平面視して」とは、「スタック構造14を上又は下から基板11,12,13の厚さ方向に見て」という意味である。
図2、図3に示すように、第一基板11の第二基板12との接合面(図2において第一基板11の上面)には、平面視して四角形状の凹部21が形成され、更にその接合面には溝22が形成されている。この溝22の長手方向一端部が凹部21の4つの側壁のうち1つの側壁の一部を開口し、溝22が凹部21に連続した状態に設けられている。一例として、凹部21の深さを0.1mmとした。
凹部21の底面には、平面視して円形状であって円柱形状の空隙となる複数の凹部23,23,…が形成されている。凹部23,23,…は、凹部21の底面において二次元アレイ状に配列されている。凹部23,23,…は円形の底部を有しており、第一基板11の接合面と反対面まで貫通していない。各凹部23は後述するように供給される液体がその表面張力によって各凹部23の底部に沿った内縁でメニスカスを形成するような形状となっている。一例として、凹部23の内直径を0.2mmとし、凹部23の深さを0.1mmとした。なお、凹部23の数は特に限定されないが、多いほど望ましい。
図2に示すように、第一基板11の接合面とは反対面の面には、平面視して葛折り状にパターニングされた発熱抵抗体である薄膜ヒータ31が形成されている。薄膜ヒータ31は電気的特性(例えば、抵抗値)が温度に依存する電熱材からなる。薄膜ヒータ31は電力を与えられると発熱し、薄膜ヒータ31の電気的特性を測定することにより薄膜ヒータ31の温度を測定できるよう設けられている。
図4は、図2の切断線IV−IVに沿って切断した断面であって矢印方向に見た断面の図である。図2、図4に示すように、第二基板12には、第一基板11との接合面(図2において第二基板12の下面)から第三基板13との接合面(図2において第二基板12の上面)まで貫通した複数の貫通孔24,24,…が形成されている。貫通孔24,24,…は第二基板12の接合面においてマトリクス状に配列されている。更に、平面視して1つの貫通孔24につき1つの凹部23が重なっており、貫通孔24,24,…は凹部23,23,…に対して一対一の関係で相対している。また、何れの貫通孔24の内直径も、相対する凹部23の内直径に等しい。
更に、第二基板12には、第一基板11の溝22に相対する位置において第二基板12の上面から下面まで貫通した流入孔25が形成されている。
図5は、図2の切断線V−Vに沿って切断した断面であって矢印方向に見た断面の図であって、特に第三基板13の接合面を示した図面である。図2、図5に示すように、第三基板13の第二基板12との接合面(図2において第三基板13の下面)には、平面視して四角形状の凹部26が形成され、更にその接合面には溝27が形成されている。
凹部26は、第一基板11に形成された凹部21に対して第二基板12に関して面対称に設けられている。従って、平面視して凹部26内には凹部23,23,…及び貫通孔24,24,…が配されている。
溝27の長手方向一端部は凹部26の4つの側壁のうち1つの側壁の一部を開口し、溝27が凹部26に連続した状態に設けられている。溝27の底には、第三基板13の接合面とは反対の面にまで貫通した排出孔28が形成されている。排出孔28には排出管32が挿入されている。排出管32の一端部は第二基板12にまで到達せず、溝27の底まで到達している。排出管32の他端部は、改質器6に接続されている。
第三基板13には、第二基板12の流入孔25に相対する位置において第三基板13の上面から下面まで貫通した流入孔29が形成されており、流入孔29が流入孔25に対して連続した状態に設けられている。流入孔29及び流入孔25には流入管33が挿入されている。流入管33の第一基板11の溝22の底まで到達せず、第一基板11と第二基板12との接合面まで到達している。流入管33の他端部は、燃料容器2に接続されている。
図2に示すように、第一基板11及び第三基板13が第二基板12のそれぞれの面に接合されることで、凹部21が室(薄型直方体状の内部空間)として設けられ、凹部26が室(薄型直方体状の内部空間)として設けられる。また、第二基板12は、仕切り壁として、凹部21による室と凹部26による室を仕切っており、これら室は、貫通孔24,24,…によって通じている。
次に、気化器5の動作について説明する。
薄膜ヒータ31が電力により発熱し、気化器5が所定の温度になるように加熱される。この状態で、燃料容器2内の燃料と水との混合液が流入管33を通じて溝22に流入し、更に凹部21に流入する。凹部21に流入した混合液が凹部21内を広がる。凹部21で広がった混合液は凹部23,23,…の底に流れ落ち、図6に示すように凹部23の側壁から凹部23の側壁にかけて沿った状態の凹状メニスカス99が形成される。ここで、図6は、1つの凹部23及びその周辺を拡大して示した断面図である。
このような凹状メニスカス99が形成されるために、単位体積当たりの混合液の表面積が増大するので、混合液の気相との界面面積が増大し混合液は気化されやすくなる。したがって、凹部21に流入して広がった混合液は薄膜ヒータ31のより加熱されて気化する際に、特に凹状メニスカス99のうち凹部23の内縁に沿った微小領域98において強い(速い気化速度の)気化が生じる。
凹部21、凹部23,23,…において気化した燃料と水の混合気は、貫通孔24,24,…を通って凹部26へ流入する。気体は、液体に比べて体積が著しく膨張しているので、凹部26内において気圧が上昇し、その圧力によって凹部26から溝27、排出管32を通って改質器6へ流れる。
以上のように、本実施形態によれば、凹部21の底面に凹部23,23,…が形成されているので、燃料容器2から凹部21内に流入した燃料と水の混合液は、凹部23,23,…の形状に基づいた凹状メニスカス99を形成する。凹状メニスカス99によって混合液の気相との界面面積が広がるから、より速い熱速度で混合液を加熱したものとしても混合液内部において気化が生じず、混合液の気相との界面において気化が生じる。また、混合液内部において気泡が生じないから、より速い熱速度で混合液を加熱することができるから、混合液の気化速度を高めることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
上記実施形態では第一基板11と第三基板13との間に第二基板12が挟持されているが、図7に示した気化器105のように第一基板11と第三基板13との間に基板が介在せずに、第一基板11が第三基板13に直接接合されても良い。この場合、第一基板11と第三基板13が接合してなる接合構造が、気化器本体である。また、凹部26が接合面に関して凹部21に対して面対称であるから、凹部21及び凹部26によって薄い直方体状の室(内部空間)が形成される。なお、第二基板12の有無が気化器105と気化器5との異なる点であり、その他の部分は同じように構成されており、図1に発電装置1においては気化器5の代わりに気化器105を設けても良い。そのため、図7では、気化器105において、図2に示された気化器5の何れかの部分に対応する部分に対して同一の符号を付し、対応する部分についての説明は省略する。
また、上記実施形態では第二基板12に形成された貫通孔24,24,…が凹部23,23,…に対して一対一の関係で相対しているが、図8に示した気化器205のように第二基板12に形成された貫通孔224,224,…が凹部23,23,…に対して相対していなくても良い。図8では、貫通孔224の内直径が凹部23の内直径よりも小さく、更に貫通孔224,224,…の点在密度が凹部23,23,…の点在密度よりも大きくなっている。貫通孔224の内直径が凹部23の内直径と同じか又は大きい場合であっても、貫通孔224,224,…の点在密度が凹部23,23,…の点在密度よりも大きくても良い。更には、貫通孔224の内直径と凹部23の内直径の大小に関わらず、貫通孔224,224,…の点在密度が凹部23,23,…の点在密度よりも小さくても良い。なお、貫通孔224,224,…が凹部23,23,…に対して一対一の関係で相対していないことが、気化器105と気化器5との異なる点であり、その他の部分は同じように構成されており、図1に発電装置1においては気化器5の代わりに気化器205を設けても良い。そのため、図8では、気化器205において、図2に示された気化器5の何れかの部分に対応する部分に対して同一の符号を付し、対応する部分についての説明は省略する。
また、凹部21の底面にメニスカス99を形成する凹部として上記実施形態のように平面視して円形状の凹部23の代わりに、例えば、平面視して三角形状、四角形状、その他の多角形状や楕円形や幾何学形状といった円形以外の形状の凹部23であってもよい。メニスカス99を形成する凹部23の容積に対してメニスカス99を形成する凹部23での気液界面面積がより大きくなるような形状の方が、基板11からの熱が伝搬しやすく且つ気液界面の面積が大きくなるため好ましい。
また、図9に示すように、凹部23の代わりに凹部323を凹部21の底に設けても良い。凹部323の空洞はその底に向かうにつれて開口面積が拡開していくような円錐台又は角錐台を呈しており、また凹部323の底面が凹部21の底面と平行でなくてもよい。
また、図10に示すように、凹部23の代わりに凹部423を凹部21の底に設けても良い。凹部423の空洞はその底面に向かうにつれて開口面積が狭くなっていくような円錐台又は角錐台を呈しており、また凹部23の底面が凹部21の底面と平行でなくてもよい。
また、図11に示すように、凹部23の代わりに凹部523を設けても良い。凹部23の空洞は、壁が曲面で形成された椀状を呈している。
また、図12に示すように、凹部23の代わりに凹部623を凹部21の底に設けても良い。凹部623の空洞は円柱状を呈し、凹部623の底面に複数の突起部697,697,…が形成されている。この場合、凹部623の底面上での混合液が突起部697の形状に沿っているためにより気液界面面積を増大し迅速に気化することができる。
また、上記各実施形態では、気化器本体(気化器5,205の場合には、スタック構造14であり、気化器105の場合には、第一基板11と第三基板13を接合した接合構造である。)を加熱する加熱手段としての薄膜ヒータ31が第一基板11の接合面とは反対の面に形成されているが、第三基板13の接合面とは反対の面に薄膜ヒータが形成されていても良いし、凹部21,26の内壁面に薄膜ヒータが形成されていても良い。更には、加熱手段は電気的に発熱する薄膜ヒータ31に限定されず、燃料を燃焼して発熱する燃焼器であっても良い。燃焼器は内部空間を形成した燃焼容器を有し、その燃焼容器は気化器本体に接合されているか又は気化器本体に対して一体化して設けられており、燃焼容器内の内部空間内に燃焼触媒が形成されている。そして、燃料容器2内の液体燃料(水は含まれていない。)が別の気化器(気化器5,105,205と同様に構成されていても良い。)で気化され、気化した燃料が酸素(空気)と混合された状態で燃焼容器内に供給され、燃焼容器内において燃料が燃焼触媒によって酸化して燃焼する。これにより、燃焼熱が発し、その燃焼熱が気化器本体に伝搬されて気化器が加熱される。燃焼器を用いた場合、薄膜ヒータ31が無くても良いが、温度微調整のために補助的に薄膜ヒータ31で気化器本体を加熱するのが望ましい。
また、凹部26の底面(天井)に凹部23のような凹部が複数形成されていても良い。
また、上記実施形態における発電装置1では、気化器5,105,205が燃料と水の混合液を気化させるものとして用いたが、気化器5,105,205の何れかで液体燃料を気化させ、別の気化器5,105,205の何れかで液状の水を気化させ、その後気化した燃料と水を混合させて改質器6に供給するようにしても良い。
また、気化器5,105,205の用途として発電装置1を例に挙げ、気化器5,105,205で液体燃料、液状の水、又は、液体燃料と水の混合液を気化させるものとしたが、気化器5,105,205を他の用途に用いて、気化器5,105,205で他の液体を気化させても良い。
発電装置1のブロック図である。 気化器5の縦断面図である。 図2の切断線III−IIIに沿った断面図である。 図2の切断線IV−IVに沿った断面図である。 図2の切断線V−Vに沿った断面図である。 凹部23及びその周辺を拡大して示した断面図である。 気化器105の縦断面図である。 気化器205の縦断面図である。 凹部23の別例の凹部323及びその周辺を拡大して示した断面図である。 凹部23の別例の凹部423及びその周辺を拡大して示した断面図である。 凹部23の別例の凹部523及びその周辺を拡大して示した断面図である。 凹部23の別例の凹部623及びその周辺を拡大して示した断面図である。
符号の説明
5 気化器
12 第二基板(仕切り壁)
14 スタック構造(気化器本体)
23、323、423、523、623 凹部
24 貫通孔

Claims (6)

  1. 気化器本体は、液体が流入される第1の内部空間と、気化した前記液体が流入される第2の内部空間と、前記第1の内部空間と前記第2の内部空間とを仕切る仕切り壁と、を備え、
    前記仕切り壁に前記第1の内部空間と前記第2の内部空間とを貫通させる複数の貫通孔とを有し、
    前記第1の内部空間の壁面に流入された前記液体にメニスカスを形成する複数の凹部が、前記第1の内部空間の壁面に設けられ、
    前記複数の貫通孔の貫通方向が前記凹部の開口面の垂直方向と同じであることを特徴とする気化器。
  2. 前記気化器本体を加熱する加熱手段が前記気化器本体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の気化器。
  3. 前記凹部の底面に複数の突起部を有すること特徴とする請求項1又は2に記載の気化器。
  4. 前記貫通孔の内直径と前記凹部の内直径が等しいことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の気化器。
  5. 前記複数の貫通孔が前記複数の凹部に対して一対一で相対していることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の気化器。
  6. 前記仕切り壁での前記貫通孔の点在密度と、前記第1の内部空間の壁面での前記凹部の点在密度とが、異なることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の気化器。
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