JP5685630B2 - マイクロチップ - Google Patents

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本発明は、マイクロチップ内での高効率での蒸発操作が実現できるマイクロチップに関する。
医療分野において、人体内部の状態を画像によって観察し診断する方法の一つとして、近年、陽電子を放出する物質を用いたPETシステムによる画像診断法が注目されている。CTやMRIが人体の組織の形態を観察するのに対し、PETシステムは人体の機能を観察することに特化されている。PETシステムによる画像診断法は、癌診断あるいは脳機能診断に有用であることが示されている。
PETシステムで用いる放射性薬剤としては、FDG(フルオロデオキシグルコース)などのフッ素F−18で標識されたフッ素F−18標識化合物、メチオニンなどの炭素C−11で標識された炭素C−11標識化合物などが挙げられる。これらの標識化合物は、サイクロトロンを用いて製造した短半減期の放射性同位元素(フッ素F−18、炭素C−11等)を原料として、自動遠隔操作が可能な合成装置を用いて合成される。
近年、このような標識化合物のうち、フッ素F−18標識化合物の合成にマイクロ化学システムの適用が試みられている。マイクロ化学システムにおいて、反応操作を微小な反応流路内で行うことが提案されている。微小な反応流路を用いて化学反応を行う場合、マイクロチップに微小な流路を形成し、その流路内で試料流体を混合して化学反応を行わせる。この場合のマイクロチップは通常、厚さ数mm程度の薄い基板に流路が形成されたものである。利点としては除熱に優れ、温度制御が容易であること、使用する試料流体や反応溶媒の量が少量ですむことなどが挙げられる。また、マイクロチップに合成プロセスを集積化することができれば、装置の小型化などの利点が得られる。
フッ素F−18標識化合物のマイクロチップを用いた合成例は、特許文献1及び特許文献2に開示されている。しかしながら、フッ素F−18標識化合物の合成はフッ素F−18標識反応及び加水分解反応の2反応を含み、その合成プロセスは通常6段階程度の多段階で実施される。フッ素F−18標識反応は水分をきらう無水反応であるので、反応に先立ち、水分除去のための蒸発操作を十分に行わなければならない。また、最終薬剤調製のため、反応時に使用した有機溶媒を十分に留去しなければならない。このような蒸発操作については、マイクロチップ内での実施は難しいので、特許文献1及び特許文献2では、どちらの例でも、マイクロチップ内で行っているのは反応操作のみである。すなわち、これらの例では、マイクロチップ外の容器内で溶媒の蒸発操作を行い、マイクロチップ内での蒸発操作は行っていないので、全ての合成プロセスをマイクロチップ上に集積化することができていない。
フッ素F−18標識化合物の全ての合成プロセスをマイクロチップ内に集積化する初めての試みが非特許文献1に発表されている。この合成例では、蒸発操作は気体透過膜を介した操作となるため、微量の液体であるにもかかわらず、蒸発に時間がかかり、効率的な蒸発操作が実施できていない。放射性核種であるフッ素F−18の半減期は110分であるため、このように合成プロセスに時間がかかるとフッ素F−18標識化合物の収率が低下する。また、本合成例の方法では、蒸発操作を行う液量が多い場合は、さらに合成プロセスに時間がかかり、収率が低下することとなる。
特表2005−520827号公報 特表2006−527367号公報
SCIENCE VOL310 16 DECEMBER 2005
このように、従来は、マイクロチップ内で蒸発操作を効率良く行うことが実現できていない。この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、上板、中板及び基板とを貼り合わせることにより形成されるマイクロチップであって、前記上板は、気相の流路に繋がる気相の導入路と排出路及びプール部に繋がる液相の導入路と排出路を備えており、前記基板は、微細加工溝を有し、前記導入路から導入された前記液相が毛管作用により溜められる前記プール部と、前記プール部の前記気相の流れ方向の端部に空けられたザグリと、を備えており、前記中板は、前記基板が備える前記プール部と前記上板との間で貫通する貫通穴を備えており、前記貫通穴は、前記プール部に溜められている前記液相の上方にある気相の流路を形成するチップ内空間となるように構成されている、ことを特徴とするマイクロチップである。
本発明によれば、マイクロチップ内での高効率での蒸発操作が実現できる。
フッ素F−18標識化合物の製造方法(バッチ方式)に用いられる本発明の第一の実施形態のマイクロチップの概念図 上記マイクロチップのプール部の断面図 上記マイクロチップの固相ビーズ部の流れ方向に沿った断面図 フッ素F−18標識化合物の製造方法(フロー方式)に用いられる本発明の第二の実施形態のマイクロチップの概念図
以下、発明の実施形態を説明する。フッ素F−18標識化合物の製造方法には、バッチ合成方法と、フロー合成方法とがある。まず、バッチ合成方法について説明する。
図1は、バッチ合成方法に用いられる本発明の第一の実施形態のマイクロチップ1を示す。マイクロチップ1は、固相ビーズ充填部13,15(固相ビーズ充填部13及び第二の固相ビーズ充填部15)、プール部16としての微細加工溝部16より構成される。
微細加工溝部16は、マイクロチップの気相の流路14の底面に形成した溝に毛管力を利用して液相を分散させ、溝に液相を溜めて蒸発操作を行うことを基本操作としている。この蒸発操作は、マイクロチップの流路(マイクロチャンネル)という微小な限定空間内での蒸発操作となり、マイクロチップ内に液相を分散させることにより、比界面積が大きく、蒸発速度が速いという原理的な特徴を有している。
たとえばガラス、セラミックス、シリコン、あるいは樹脂製の基板2の上面には、プール部として、微細加工によって複数の微細加工溝部16が形成されている。この微細加工溝部16は、例えばドリルによる加工、レーザ加工、エッチング加工などによって形成される。微細加工溝部16は、一本の中央溝16aと、一本の中央溝16aから分岐する複数本の分岐溝16bと、から構成される。複数本の分岐溝16bは、一定の間隔で並列に配列される。微細加工溝部16の流れ方向の端部には、微細加工溝部16よりも深いザグリ穴17が空けられる。この微細加工溝部16に毛管力によって液相が導入される。
微細加工溝部16の大きさや長さについては特に限定はないが、マイクロチップ1上のマイクロ化学システムを構成し、毛管作用を発揮する適宜な設定とする。例えば微細加工溝部16の流れ方向に直交する断面についてみると、その幅は、500μm、深さは700μm程度を実際的な目安とすることができる。
マイクロチップ1は、内部に窒素ガス等の気相の流路14を有する。マイクロチップ1内の液相の上に気相が導入される。微細加工溝部16が形成されている基板2上には、側壁である中板3が設けられる。中板3には、微細加工溝部16の平面形状に合わせた気相の流路14が形成される。また中板3には、気相及び液相の導入路8、気相及び液相の排出路7が形成される。中板3の上面には、蓋であるカバー上板4が設けられる。カバー上板4には、気相及び液相の導入路8、気相及び液相の排出路7が形成される。これら基板2、中板3、カバー上板4によって、気相および液相が散逸されないようにしている。
シリンジポンプやガス圧ポンプ等の流体制御機構(液相導入手段)を用いて、液相の導入路8に液相を供給すると、図2に示すように、毛管作用により液相が微細加工溝部16の全体に分散する。微細加工溝部16の上方の気相の流路14に気相を流すと、微細加工溝部16に分散した液相が蒸発する。気相操作手段には、シリンジポンプやガス圧ポンプ等の流体制御機構を用いて、気相の導入路8に窒素ガス等を供給する手段、又は真空ポンプ等の吸引機構を用いて、液相から蒸発した蒸気を気相の排出路7から吸引する手段が採用される。これら流体制御機構、吸引機構を併用してもよい。
蒸発操作は、マイクロチップの少なくとも一部を加熱しながら行う。デバイス構成及び加熱操作性の観点から、微細加工溝部16を設けた基板2の背面部あるいはカバー上板4の表面部にヒータを設けることが望ましい。
液相は毛管作用により微細加工溝部16にとどまり、マイクロチップ1内に分散される。このため、気相の排出路7に気体透過膜を設置しなくても、液相が気相の排出路7から排出されることはない。微細加工溝部16において液相の少なくとも一部が蒸発し、気相の排出路より排出されるが、気体透過膜が設置されている場合でも、液相により膜を塞ぐことがないため、効率的な蒸発操作が達成される。
図1に示すように、中板3の上面には、固相ビーズ充填部13,15(固相ビーズ充填部13,第二の固相ビーズ充填部15)が切削加工により設けられている。固相ビーズ充填部13,15の大きさや長さについて特に限定はないが、マイクロチップ1上のマイクロ化学システムを構成し、十分な分離・精製作用を発揮する適宜な設定とする。例えば固相ビーズ充填部13,15の流れ方向に直交する断面についてみると、その幅は、固相ビーズ充填部13において、幅は1mm、深さは500μm程度、固相ビーズ充填部15において、幅は6mm、深さ1mm程度を実際的な目安とすることができる。
図3に示すように、固相ビーズ充填部13,15は、流れ方向の両端がダム構造となっており、充填された固相ビーズが流出しないようになっている。固相ビーズ充填部13,15の液相の流れ方向の両端部には、流路の底面が盛り上がったダム部13a,15aが設けられる。ダム部13a,15aを設けることにより液相の流路の高さhは、約30μm程度になり、固相ビーズの直径未満になる。ダム部13a,15aは、固相ビーズ充填部を液相が流れるのを許容すると共に、固相ビーズ充填部13,15から固相ビーズが流出するのを防止する。固相ビーズ充填部13には、陰イオン交換樹脂の固相ビーズ18が充填される。固相ビーズ充填部15には、固相ビーズ18として陽イオン交換樹脂、逆相系樹脂、アルミナが順番に層状に充填される。
本発明の第一の実施形態のマイクロチップ1を用いたバッチ合成方法は以下のとおりである。
まず、固相ビーズ充填部13にフッ素F−18を精製するための陰イオン交換樹脂を充填する。固相ビーズ充填部13にサイクロトロンで製造したフッ素F−18イオン含有酸素O−18濃縮水を流し、フッ素F−18イオンをトラップさせ、炭酸カリウム及び相間移動触媒クリプタンドを含むアセトニトリル/水溶液などの溶離液を流して、フッ素F−18イオンを溶離する。このような操作により酸素O−18濃縮水の回収及びフッ素F−18イオンの精製が可能となる。
次に、微細加工溝部16にフッ素F−18イオンを含んだ溶離液を供給し、プール部を加熱し、窒素ガスを流しながら蒸発乾固を行う。蒸発乾固を行った後、反応前駆体を含んだ溶液を微細加工溝部16、又は微細加工溝部16及びチップ内空間(気相の流路)14に供給し、標識反応を行う。標識反応を行った後、そのまま、窒素ガスを流しながら反応溶媒の留去を行うことが可能である。溶媒留去を行った後、加水分解試薬である水酸化ナトリウムまたは塩酸等を微細加工溝部16、又は微細加工溝部16及びチップ内空間14に供給し、加水分解反応を行う。微細加工溝部16において加水分解反応を行った後、注射用蒸留水等を微細加工溝部16及びチップ内空間14に供給し、加水分解反応生成物を洗い出す。
固相ビーズ充填部15にはフッ素F−18標識化合物を精製するための陽イオン交換樹脂、逆相系樹脂、アルミナ等が充填される。固相ビーズ充填部15に合成したフッ素F−18標識化合物を流すことにより未加水分解物、未標識反応物などをトラップし、フッ素F−18標識化合物を精製することが可能となる。以上が本発明の第一の実施形態のバッチ合成方法である。
固相ビーズ充填部13には、また、フッ素F−18をトラップし、標識反応を行うためのピリジニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩樹脂を充填することも可能である。この場合、固相ビーズ充填部13にサイクロトロンで製造したフッ素F−18イオン含有酸素O−18濃縮水を流し、フッ素F−18イオンをトラップさせ、温度をかけて、アセトニトリル等の反応溶媒を流して、フッ素F−18イオンを活性化し、反応前駆体を含んだ溶液を固相ビーズ充填部13に供給し、標識反応を行うことが可能である。標識反応終了後の溶液は、微細加工溝部16に供給され、その後のプロセスは微細加工溝部16にて同様に実施することが可能である。
図4は、フロー合成方法に用いられる本発明の第二の実施形態のマイクロチップを示す。このマイクロチップ21は、二つの固相ビーズ充填部39,46(固相ビーズ充填部39,第二の固相ビーズ充填部46)、二つの微細加工溝部40,43(プール部40,第二のプール部43)、二つのマイクロチャンネル部42,45(微細流路部42、第二の微細流路部45)より構成される。
微細加工溝部40,43は、上記マイクロチップ1の微細加工溝部16と同様に、マイクロチップの気相の流路41,44の底面に形成した溝に毛管力を利用して液相を分散させ、溝に液相を溜めて蒸発操作を行うことを基本操作としている。
基板22の上面には、固相ビーズ充填部39,46が切削加工により設けられる。固相ビーズ充填部39,46は、充填された固相ビーズが流出しないように流れ方向の両端がダム構造となっている。固相ビーズ充填部39,46には、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、逆相系樹脂等の固相ビーズが充填される。
マイクロチャンネル部42,45は、カバー上板24の下面に蛇行して形成される溝からなる。このマイクロチャンネル部42,45で化学反応が行われる。ビーカーやフラスコを使用する場合と比べて反応スペースが狭いので、拡散距離が短くなり、それだけ反応時間を短縮できる。
本発明の第二の実施形態のマイクロチップ21を用いたフロー合成方法は以下のとおりである。
まず、固相ビーズ充填部39にフッ素F−18を精製するための陰イオン交換樹脂を充填する。固相ビーズ充填部39にサイクロトロンで製造したフッ素F−18イオン含有酸素O−18濃縮水を流し、フッ素F−18イオンをトラップさせ、炭酸カリウム及び相間移動触媒クリプタンドを含むアセトニトリル/水溶液などの溶離液を流して、フッ素F−18イオンを溶離する。このような操作により酸素O−18濃縮水の回収及びフッ素F−18イオンの精製が可能となる。
次に、微細加工溝部40にフッ素F−18イオンを含んだ溶離液を供給し、微細加工溝部40を加熱し、窒素ガスを流しながら蒸発乾固を行う。蒸発乾固を行った後、反応前駆体であるトリフレートを含んだ溶液を微細加工溝部40、又は微細加工溝部40及びチップ内空間41に供給し、溝表面に乾固された物質を洗い出してマイクロチャンネル部42に通して標識反応を行う。
次に、標識反応後のフッ素F−18標識中間体をもうひとつの微細加工溝部43に供給し、窒素ガスを流しながら反応溶媒の留去を行う。溶媒留去を行った後、加水分解試薬である水酸化ナトリウムまたは塩酸等を微細加工溝部43、又は微細加工溝部43及びチップ内空間44に供給し、溝に濃縮された物質を洗い出してマイクロチャンネル部45に通して加水分解反応を行う。引き続き、注射用蒸留水等を微細加工溝部43、微細加工溝部43及びチップ内空間44に供給し、マイクロチャンネル部45を通すことにより、加水分解反応生成物を洗い出す。
以上のように、マイクロチップ内での高効率での蒸発操作が実現できるので、蒸発乾固あるいは溶媒留去操作などの蒸発操作を伴う工程を含むフッ素F−18標識化合物の合成プロセスを高効率にマイクロチップ上に集積化することが可能になる。
以下に実施例を示し、マイクロチップ1を用いた例をさらに詳しく説明する。勿論、以下の実施例によって発明が限定されることはない。
図1に示すように、マイクロチップ1は、2つの固相ビーズ充填部13,15と微細加工溝部16より構成される。固相ビーズ充填部13,15は両端の高さhが30μmのダム構造となっており、固相ビーズ充填部13は幅1.0mm、深さ0.5mmで、陰イオン交換樹脂を充填した。固相ビーズ充填部15は幅6.0mm、深さ1.0mmであり、陽イオン交換樹脂、逆相系樹脂、アルミナを充填した。陰イオン交換樹脂の直径は37−55μm、陽イオン交換樹脂の直径は75−150μm、逆相系樹脂の直径55−105μm、アルミナの直径は50−300μm程度である。このマイクロチップ1を用いてフッ素F−18標識FDGの合成を行った。微細加工溝部16はチャンネル幅300μm、深さ500μmである。ザグリ穴17の深さは800μmである。マイクロチップの基板2の厚みは2mm、中板3の厚みは1mm、カバー上板4の厚みは2mm、全体の厚みは5mmである。
サイクロトロンで製造したフッ素F−18イオン含有酸素O−18濃縮水を導入路5より固相ビーズ充填部13に流し、固相ビーズ充填部13の陰イオン交換樹脂にフッ素F−18イオンをトラップさせた。その後、固相ビーズ充填部13に導入路5より炭酸カリウム及び相間移動触媒クリプタンドを含むアセトニトリル/水溶液を流し、フッ素F−18イオンを溶離させ、排出路6から導入路8を通し、微細加工溝部16に供給した。微細加工溝部16を120℃に加熱し、窒素ガスを導入路8より流しながら蒸発乾固を行った。
蒸発乾固終了後、反応前駆体である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースを含むアセトニトリル溶液を導入路8より微細加工溝部16に供給し、100℃で標識反応を行った。標識反応終了後、導入路8より窒素ガスを流しながら溶媒であるアセトニトリルを留去した。
次に加水分解試薬である水酸化ナトリウム水溶液を導入路8より微細加工溝部16に供給し、室温で加水分解反応を行った。反応終了後、注射用蒸留水を導入路8より溝16及びチップ内空間14に供給し、排出路7から導入路9を通り、精製用樹脂を充填した固相ビーズ充填部15を通すことにより排出路10よりフッ素F−18標識FDG注射液を得た。
図1のマイクロチップ1を用いてホスホニウム塩樹脂を用いたフッ素F−18標識FDGの合成を行った。この場合、固相ビーズ充填部13にはトリブチルホスホニウム塩樹脂を充填した。固相ビーズ充填部15には同様に、陽イオン交換樹脂、逆相系樹脂、アルミナを充填した。
サイクロトロンで製造したフッ素F−18イオン含有酸素O−18濃縮水を導入路5より固相ビーズ充填部13に流し、固相ビーズ充填部13のトリブチルホスホニウム塩樹脂にフッ素F−18イオンをトラップさせた。その後、固相ビーズ充填部13を100℃に加熱し、導入路5より固相ビーズ充填部13にアセトニトリルを流し、フッ素F−18イオンを活性化させた。流したアセトニトリルは、排出路6から排出した。次に、反応前駆体である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースを含むアセトニトリル溶液を導入路5から供給し、標識反応を行った。反応溶液は排出路6から導入路8を通し、微細加工溝部16に供給した。微細加工溝部16を100℃に加熱し、窒素ガスを導入路8より流しながら溶媒であるアセトニトリルを留去した。
次に加水分解試薬である水酸化ナトリウム水溶液を導入路8より微細加工溝部16に供給し、室温で加水分解反応を行った。反応終了後、注射用蒸留水を導入路8より微細加工溝部16及びチップ内空間14に供給し、排出路7から導入路9を通り、精製用樹脂を充填した固相ビーズ充填部15を通すことにより排出路10よりフッ素F−18標識FDG注射液を得た。
図4に示すように、マイクロチップ21は、2つの固相ビーズ充填部39,46と2つの微細加工溝部40,43、2つのマイクロチャンネル部42,45より構成される。固相ビーズ充填部39,46は両端の高さhが30μmのダム構造となっており、固相ビーズ充填部39は幅1.0mm、深さ0.5mmで、陰イオン交換樹脂を充填した。固相ビーズ充填部46は幅6.0mm、深さ1.0mmであり、陽イオン交換樹脂、逆相系樹脂、アルミナを充填した。陰イオン交換樹脂の直径は37−55μm、陽イオン交換樹脂の直径は75−150μm、逆相系樹脂の直径55−105μm、アルミナの直径は50−300μm程度である。微細加工溝部40,43はチャンネル幅300μm、深さ500μmで、微細加工溝部40の溝容量は10μL、微細加工溝部43の溝容量は80μLである。ザグリ穴47,48の深さは800μmである。マイクロチップの基板22の厚みは2mm、中板23の厚みは0.5mm、カバー上板24の厚みは2mm、全体の厚みは4.5mmである。
マイクロチャンネル部42は幅125μm、長さ0.5mであり、マイクロチャンネル部45は幅300μm、長さ1mである。
このマイクロチップ21を用いてフッ素F−18標識FDGの合成を行った。
サイクロトロンで製造したフッ素F−18イオン含有酸素O−18濃縮水を導入路25より固相ビーズ充填部39に流し、固相ビーズ充填部39に充填された陰イオン交換樹脂にフッ素F−18イオンをトラップさせた。その後、固相ビーズ充填部39に導入路25より炭酸カリウム及び相間移動触媒クリプタンドを含むアセトニトリル/水溶液を流し、フッ素F−18イオンを溶離させ、排出路26から導入路28を通して微細加工溝部40に供給した。微細加工溝部40を120℃に加熱し、導入路28より窒素ガスを流しながら蒸発乾固を行った。
蒸発乾固終了後、反応前駆体である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースを含むアセトニトリル溶液を導入路28より微細加工溝部40に供給し、排出路27から導入路29を通し、100℃に加熱したマイクロチャンネル部42に流して標識反応を行った。反応液はそのまま微細加工溝部43に排出路30から導入路32を通して供給し、導入路32より窒素ガスを流しながら溶媒であるアセトニトリルを留去した。
次に加水分解試薬である水酸化ナトリウム水溶液を導入路32より微細加工溝部43に供給し、排出路31から導入路33を通して室温に保たれたマイクロチャンネル部45に流して加水分解反応を行った。反応液はそのまま排出路34から導入路36を通して流し、精製用樹脂を充填した固相ビーズ充填部46を通し、さらに注射用蒸留水を導入路32より流して洗浄し、排出路35よりフッ素F−18標識FDG注射液を得た。
1,21…マイクロチップ
2,22…基板
3,23…中板(側壁)
4,24…カバー上板(蓋)
5,8,9,25,28,29,32,33,36…導入路
6,7,10,26,27,30,31,34,35…排出路
11,12,37,38…固相ビーズ充填口
13,15,39,46…固相ビーズ充填部
14,41,44…気相の流路(チップ内空間)
16,40,43…微細加工溝部(プール部)
17,47,48…ザクリ穴
42,45…マイクロチャンネル部(微細流路部)


Claims (4)

  1. 上板、中板及び基板とを貼り合わせることにより形成されるマイクロチップであって、
    前記上板は、気相の流路に繋がる気相の導入路と排出路及びプール部に繋がる液相の導入路と排出路を備えており、
    前記基板は、微細加工溝を有し、前記導入路から導入された前記液相が毛管作用により溜められる前記プール部と、前記プール部の前記気相の流れ方向の端部に空けられたザグリと、を備えており、
    前記中板は、前記基板が備える前記プール部と前記上板との間で貫通する貫通穴を備えており、
    前記貫通穴は、前記プール部に溜められている前記液相の上方にある気相の流路を形成するチップ内空間となるように構成されている、
    ことを特徴とするマイクロチップ。
  2. 前記気相の導入路と前記液相の導入路とが共通であり、前記気相の排出路と前記液相の排出路とが共通であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチップ。
  3. 前記貫通穴は、前記ザグリと前記上板との間で貫通している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロチップ。
  4. 前記基板において前記ザグリは、前記プール部よりも深くなるように形成されている、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のマイクロチップ。
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