JP5438351B2 - マイクロチップを用いたpet用標識化合物の調剤方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、ポジトロン放出断層撮影法(Positron emission tomography;PETシステム)に用いられる標識化合物のマイクロチップを用いた調剤方法に関する。
医療分野において、人体内部の状態を画像によって観察し診断する方法の一つとして、近年、陽電子を放出する物質を用いたPETシステムによる画像診断法が注目されている。PETシステムによる画像診断法は、癌診断あるいは脳機能診断に有用であることが示されている。
PETシステムで用いる放射性薬剤としては、FDG(フルオロデオキシグルコース)、FLT(3’−デオキシ−3’−フルオロチミジン)などのフッ素F−18で標識されたフッ素F−18標識化合物、メチオニン、ラクロプライドなどの炭素C−11で標識された炭素C−11標識化合物などが挙げられる。これらの標識化合物は、サイクロトロンを用いて製造した短半減期の放射性同位元素(フッ素F−18、炭素C−11等)を原料として、自動遠隔操作が可能な合成装置を用いて合成される。標識化合物の製造工程は、通常、放射性同位元素を用いて標識化合物を合成する合成工程、合成工程により生成した標識化合物混合物より目的とする標識化合物を液体クロマトグラフ法に分離精製し、分取するHPLC精製工程、分離精製した標識化合物を注射液に調製する調剤工程からなる。
近年、このような標識化合物の合成にマイクロ化学システムの適用が試みられている。マイクロ化学システムにおいて、反応操作に関して微小な反応流路内で行うことが提案されている。微小な反応流路を用いて化学反応を行う場合、マイクロチップに微小な流路を形成し、その流路内で試料流体を混合して化学反応を行わせる。この場合のマイクロチップは通常、厚さ数mm程度の薄い基板に流路が形成されたものである。利点としては除熱に優れ、温度制御が容易であること、使用する試料流体や反応溶媒の量が少量ですむことなどが挙げられる。また、マイクロチップに合成プロセスを集積化することができれば、装置の小型化などの利点が得られる。
標識化合物のマイクロチップを用いた合成例は、特許文献1及び特許文献2に開示されている。しかしながら、標識化合物の合成は標識反応及び加水分解反応の2反応を含み、その合成プロセスは通常6段階程度の多段階で実施される。標識反応は水分をきらう無水反応であるので、反応に先立ち、水分除去のための蒸発操作を十分に行わなければならない。このような蒸発操作については、マイクロチップ内での実施は難しいので、特許文献1及び特許文献2では、どちらの例でも、マイクロチップ内で行っているのは反応操作のみである。すなわち、これらの例では、マイクロチップ外の容器内で溶媒の蒸発操作を行い、マイクロチップ内での蒸発操作は行っていないので、全ての合成プロセスをマイクロチップ上に集積化することができていない。
標識化合物の合成プロセスの蒸発操作をマイクロチップ内で実施する初めての試みが非特許文献1に発表されている。しかしながら、この合成例では、蒸発操作は気体透過膜を介した操作となるため、微量の液体であるにもかかわらず、蒸発に時間がかかり、効率的な蒸発操作が実施できていない。放射性核種であるフッ素F−18の半減期は110分、炭素C−11の半減期は20分であるため、このように合成プロセスに時間がかかると標識化合物の収率が低下する。また、本合成例の方法では、蒸発操作を行う液量が多い場合は、さらに合成プロセスに時間がかかり、収率が低下することとなる。
特表2005−520827号公報 特表2006−527367号公報
SCIENCE VOL310 16 DECEMBER 2005
上記合成プロセスにより標識化合物を製造した後、最終薬剤調製のため、反応精製時に使用した有機溶媒を留去し、生理食塩水に溶解させ、注射液として調製する調剤工程が必要になる。このような調剤操作は通常、フラスコ等を用いて実施されているが、溶媒留去に時間がかかっている。フラスコで行った場合、突沸を起こしやすく、その場合、回収が困難になってしまう問題点がある。このような調剤操作については、マイクロチップ内で実施した例は報告されていない。
このように、従来はマイクロチップ内で、調剤操作を行うことが実現できていない。この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、標識化合物の製造プロセスの調剤操作を高効率にマイクロチップ上の操作とすることを課題としている。より具体的には、FLT(3’−デオキシ−3’−フルオロチミジン)等のフッ素F−18標識化合物、ラクロプライド等の炭素C−11標識化合物の製造における新しいマイクロチップを用いた調剤方法及び装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、マイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法であって、内部に気相の流路を有すると共に、前記気相の流路の底部に液相をその流路に沿って毛管作用により溜めるプール部を有するマイクロチップに液相としてPET用標識化合物を含んだ溶液を導入し、前記マイクロチップの前記プール部に毛管力を利用してPET用標識化合物を含んだ溶液を分散させる工程と、前記気相の流路に気相を流して、前記プール部に溜められた前記PET用標識化合物を含んだ溶液から溶媒を除去する工程と、を備えるマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法である。
本発明の他の態様は、マイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤装置であって、内部に気相の流路を有すると共に、前記気相の流路の底部に液相をその流路に沿って毛管作用により溜めるプール部を有するマイクロチップと、前記マイクロチップに液相としてPET用標識化合物を含んだ溶液を導入し、前記マイクロチップの前記プール部に毛管力を利用してPET用標識化合物を含んだ溶液を分散させる液相導入手段と、前記気相の流路に気相を流して、前記プール部に溜められた前記PET用標識化合物を含んだ溶液から溶媒を除去する気相操作手段と、を備えるマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤装置である。
本発明のさらに他の態様は、内部に設けられる気相の流路と、前記気相の流路の底部に設けられ、毛管力を利用して液相を分散させると共に分散させた液相をその流路に沿って毛管作用により溜めるプール部と、を備え、前記プール部は、前記気相の流路の底面に形成される溝を有し、前記溝は、毛管力が部分的により働くように液相の流れ方向と直交する面における液相の流路の断面積が部分的に小さくなる流路狭小部を有するマイクロチップである。
本発明によれば、マイクロチップ内での高効率の蒸発操作が実現できるので、マイクロチップ内での標識化合物の調剤操作が可能になる。
本発明の一実施形態の調剤方法に用いられるマイクロチップの分解図 マイクロチップの分岐溝に直交する断面図 マイクロチップの分岐溝に沿った断面図 マイクロチップの流路狭小部の他の例を示す平面図 図4のV-V線断面図
以下、本発明の一実施形態のPET用標識化合物の調剤方法を説明する。本実施形態においては、マイクロチップの気相の流路の底面に形成した溝に毛管力を利用して液相を分散させ、溝に液相を溜めて蒸発操作を行うことを基本操作としている。この蒸発操作は、マイクロチップの流路(マイクロチャンネル)という微小な限定空間内での蒸発操作となり、マイクロチップ内に液相を分散させることにより、比界面積が大きく、蒸発速度が速いという原理的な特徴を有している。
図1は、本発明の一実施形態の調剤方法に用いられるマイクロチップ1を示す。たとえば、ガラス、セラミックス、シリコン、あるいは樹脂製の基板2の上面には、微細加工によって複数の微細加工溝8が形成されている。この微細加工溝8は、例えばドリルによる加工、レーザ加工、エッチング加工などによって形成される。微細加工溝8は、液供給口としての液相の導入路5に接続されると共に、途中から二股に分かれる主溝8aと、液相を溜めるプール部として、主溝8aから分岐する複数本の分岐溝8bと、を有する。分岐溝8bは、細長く直線状に伸びると共に一定の間隔で並列に配列される。分岐溝8bの流れ方向の端部には、分岐溝8bよりも深いザグリ穴10が空けられる。この微細加工溝8に、毛管力によって液相であるPET用標識化合物が含まれる溶液が導入される。
微細加工溝8の大きさや長さについては特に限定はないが、マイクロチップ1上のマイクロ化学システムを構成し、毛管作用を発揮する適宜な設定とする。例えば微細加工溝8の流れ方向に直交する断面についてみると、その幅は、500μm、深さは700μm〜1000μm程度を実際的な目安とすることができる。
マイクロチップ1の液相の上には、窒素ガス等の気相が導入される。気相の導入路6から導入された気相は途中で二股に分かれて、複数本の分岐溝の全域の上方空間(気相の流路9)を流れる。気相は最終的には排出路7から排出される。
微細加工溝8が形成されている基板2上には、側壁である中板3が設けられる。中板3には、微細加工溝8の平面形状に合わせた気相の流路9が形成される。また中板3には、気相の導入路6、及び液相の導入路5が形成される。中板3の上面には、蓋であるカバー上板4が設けられる。カバー上板4には、気相の導入路6、液相の導入路5、気相及び液相の排出路7が形成される。これら基板2、中板3、上板4によって、気相および液相が散逸されないようにしている。
シリンジポンプやガス圧ポンプ等の流体制御機構(液相導入手段)を用いて、液相の導入路5に液相を供給すると、液相は一本の主溝8aを流れた後、二股に分かれ、毛管作用により複数本の分岐溝8bに分散する。図2に示すように、液相が微細加工溝8の全体に分散した状態で、微細加工溝8の上方の気相の流路9に気相を流すと、微細加工溝8に分散した液相が蒸発する。気相の流路9に気相を流す気相操作手段には、シリンジポンプやガス圧ポンプ等の流体制御機構を用いて、気相の導入路6に窒素ガス等を供給する手段、又は真空ポンプ等の吸引機構を用いて、液相から蒸発した蒸気を気相の排出路7から吸引する手段が採用される。これら流体制御機構、吸引機構を併用してもよい。
蒸発操作は、マイクロチップの少なくとも一部を加熱しながら行う。デバイス構成及び加熱操作性の観点から、微細加工溝8を設けた基板2の背面部あるいはカバー上板4の表面部にヒータを設けることが望ましい。
液相は毛管作用により微細加工溝8にとどまり、マイクロチップ1内に分散される。このため、排出路7に気体透過膜を設置しなくても、液相が気相の排出路7から排出されることはない。微細加工溝8において液相の少なくとも一部が蒸発し、気相の排出路7より排出されるが、気体透過膜が設置されている場合でも、液相により膜を塞ぐことがないため、効率的な蒸発操作が達成される。
回収に関しては、チップ全体を洗い出すことが可能であるので、従来のフラスコで行った場合のように突沸してしまった液の洗い出しが困難になるようなことはない。
また図1に示すように、主溝8aから分岐溝8bへの分岐口8cはより毛管力の働く構造になっている。すなわち、分岐口8cには、毛管力が部分的により働くように液相の流れ方向と直交する面における液相の流路の断面積が部分的に小さくなる流路狭小部8d(図3参照)が形成される。図3の分岐溝8bに沿った断面図に示すように、流路狭小部8dは、溝の底面が矩形状に部分的に盛り上がったダム21によって形成される。分岐溝8bの深さh2が700μm〜1000μmであるのに対し、ダム21によって流路狭小部8dの深さh1は50〜100μ程度に浅く設定される。液相の導入路5を排出路と兼用する場合がある。このようなダム構造にすることにより、シリンジポンプを用いて分岐溝8b内の溶液を液相の導入路5から吸引・回収するとき、流路狭小部8dに液相しか入り込まなくなる。気相を吸引することがなくなるので、溶液が選択的に吸引され、分岐溝8bに満たされた全ての溶液を回収することが可能となる。なお、流路狭小部8dに気相が流入しにくくするために、ダム21の上方には中板3が配置され、中板3の、液相を蒸発させるための気相の流路9は、流路狭小部8dよりも下流側に形成される。
図4は、流路狭小部8dの他の例を示す。この例の流路狭小部8dは、分岐溝8bの内部に並列に配置される複数の微小溝22(図5参照)によって形成される。微小溝22の横幅は分岐溝8bの横幅よりも狭い。このように複数の微小溝22を形成することによっても、より毛管力を働かせることが可能になる。なお、この例でも、流路狭小部8dにより気相が流入しにくくするために、液相を蒸発させるための気相の流路9は、流路狭小部8dよりも下流側に形成される。
マイクロチップ1の調剤操作は、例えば以下のように行われる。まず、気相の導入路6から窒素ガスを流しながら、液相の導入路5からマイクロチップ1の基板2の微細加工溝8に、排出路7から液相のまま排出されることのない速度で標識化合物を含んだ溶液を供給する。微細加工溝8に供給された溶液は、毛管現象によって流れ、分散すると同時に、溶媒が蒸発する。溶媒の蒸発分は、窒素ガスと共に気相の排出路7から排出される。蒸発が進行すると、溶液中の溶質が乾固し、微細加工溝8の表面をコーティングする。蒸発操作が完了すれば、新たな生理食塩水などの等張溶液を液相の導入路5に導入し、乾固した標識化合物を溶解させる。溶解後の標識化合物を含んだ溶液を取り出すためには、微細加工溝8およびチップ内空間(気相の流路)9の全体を等張溶液で満たし、ガス圧等により液排出口としての排出路7から回収するか、液相の導入路5から吸引することにより回収することができる。特に少量の等張溶液での回収が必要な場合は、微細加工溝8のみを等張溶液で満たし、液相の導入路5より吸引する。このとき、複数本の分岐溝8bへの分岐口8cがダム構造になっているため、分岐溝8bに溶液が残ることなく回収することが可能となる。
以上のように、マイクロチップ1上での高効率での蒸発操作が実現されるため、蒸発操作を伴うPET用標識化合物の調剤操作のマイクロチップへの集積化が可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々に変更可能である。例えば、微細加工溝およびチップ内空間を大量の等張溶液で洗い出せる場合は、分岐溝に流路狭小部を設けなくてもよい。
以下に実施例を示し、マイクロチップ1を用いた調剤操作をさらに詳しく説明する。勿論、以下の実施例によって発明が限定されることはない。
図1に示すように、マイクロチップ1は、液相の導入路5、並びに微細加工溝8が施された基板2と、気相及び液相を供給する導入路5、6が加工された中板3と、液相及び気相の導入路5、6、並びに液相及び気相の排出路7が加工されたカバー上板4と、から構成される。基板2の厚みは3mm、中板の厚みは1mm、上板の厚みは3mmである。マイクロチップの全体の厚みは7mmである。
基板2に加工された微細加工溝8は、幅500μm、深さ800μmである。液相の導入路5は途中で分岐し、並列に配列された平行な複数本の分岐溝8bになる。分岐溝8bの端部には、溝8よりも深いザグリ穴10が開けられる。ザグリ穴10の深さは1.2mm程度である。分岐溝8bの分岐口はダム構造となっている。
中板3には、気相及び液相を供給する導入路5、6が加工される。カバー上板4には、液相及び気相の導入路5、6、並びに液相及び気相の排出路7が加工される。導入路6に導入された気相は排出路7から排出される。調剤後の液相は液相の導入路5から吸引することにより回収される。あるいは排出路7から吐出することにより回収することも可能である。この実施例では、液相の導入路5が液相の排出路を兼用している。
マイクロチップ1を用いて、フッ素F−18標識化合物であるFLT(3’−デオキシ−3’−フルオロチミジン)の調剤操作を行った。
窒素ガスを気相の導入路6より100mL/minで流しながら、フッ素F−18標識FLTを含むエタノール/水溶液(10:90)を、液相の導入路5より180℃に加熱した微細加工溝8に3mL/minで供給した。供給と同時に、フッ素F−18標識FLTエタノール/水溶液の溶媒は留去された。
溶媒留去後、微細加工溝8に液相の導入路5より生理食塩水を導入し、微細加工溝8に乾固されたフッ素F−18標識FLTを溶解した。溶解したフッ素F−18標識FLTは液相の導入路5より吸引することにより注射液として回収した。全工程は5分以内に完了した。従来技術のロータリーエバポレータを用いての工程時間は10分以上を要しており、大幅な時間短縮が達成された。
図1に示すマイクロチップ1を用いて、炭素C−11標識化合物であるラクロプライドの調剤操作を行った。
窒素ガスを気相の導入路6より100mL/minで流しながら、炭素C−11標識ラクロプライドを含むアセトニトリル/リン酸水溶液(30:70)を、液相の導入路5より180℃に加熱した微細加工溝8に3mL/minで供給した。供給と同時に、炭素C−11標識ラクロプライドアセトニトリル/リン酸水溶液の溶媒は留去された。
溶媒留去後、微細加工溝8に液相の導入路5より生理食塩水を導入し、微細加工溝8に乾固された炭素C−11標識ラクロプライドを溶解した。溶解した炭素C−11標識ラクロプライドは液相の導入路5より吸引することにより注射液として回収した。全工程は5分以内に完了した。従来技術のロータリーエバポレータを用いての工程時間は10分以上を要しており、大幅な時間短縮が達成された。
1…マイクロチップ
2…基板
3…中板(側壁)
4…カバー上板(蓋)
5…液相の導入路(液供給口)
6…気相の導入路
7…排出路(液排出口)
8…微細加工溝(溝、プール部)
8a…主溝
8b…分岐溝(溝)
8c…分岐口
8d…流路狭小部
9…気相の流路(チップ内空間)

Claims (18)

  1. マイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法であって、
    内部に気相の流路を有すると共に、前記気相の流路の底部に液相をその流路に沿って毛管作用により溜めるプール部を有するマイクロチップに液相としてPET用標識化合物を含んだ溶液を導入し、前記マイクロチップの前記プール部に毛管力を利用してPET用標識化合物を含んだ溶液を分散させる工程と、
    前記気相の流路に気相を流して、前記プール部に溜められた前記PET用標識化合物を含んだ溶液から溶媒を除去する工程と、
    を備えるマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  2. 前記PET用標識化合物を含んだ溶液から溶媒を除去する工程において、
    前記気相の流路に気相を導入しながら、前記プール部に分散されたPET用標識化合物が含まれている溶液を蒸発させることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  3. 前記PET用標識化合物を含んだ溶液から溶媒を除去する工程において、
    前記マイクロチップの少なくとも一部を加熱しながら、前記プール部に分散されたPET用標識化合物が含まれている溶液を蒸発させることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  4. 前記PET用標識化合物を含んだ溶液から溶媒を除去する工程において、
    前記マイクロチップの前記気相の流路内の気相を吸引しながら、前記プール部に分散されたPET用標識化合物が含まれている溶液を蒸発させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  5. 前記PET用標識化合物の調剤方法はさらに、
    前記プール部に液供給口より新たに等張溶液を導入し、前記プール部で溶媒が除去されたPET用標識化合物を溶解する工程、を備えることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  6. 前記等張溶液が生理食塩水であることを特徴とする請求項5に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  7. 前記等張溶液が緩衝液であることを特徴とする請求項5に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  8. 前記PET用標識化合物の調剤方法はさらに、
    前記プール部で前記等張溶液に溶解されたPET用標識化合物を前記液供給口から吸引することにより前記プール部から回収する工程、を備えることを特徴とする請求項5に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  9. 前記PET用標識化合物の調剤方法はさらに、
    前記プール部で前記等張溶液に溶解されたPET用標識化合物を液排出口から吐出することにより前記プール部から回収する工程、を備えることを特徴とする請求項5に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  10. 前記マイクロチップの前記プール部は、前記気相の流路の底面に形成される溝を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  11. 前記マイクロチップの前記プール部は、前記気相の流路の底面に形成され、並列に配置された複数本の溝を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  12. 前記マイクロチップは、液供給口に接続され、液相の流路になる主溝と、前記主溝から分岐する前記複数本の溝と、を有することを特徴とする請求項11に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  13. 前記溝又は前記複数本の溝は、毛管力が部分的により働くように液相の流れ方向と直交する面における液相の流路の断面積が部分的に小さくなる流路狭小部を有することを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  14. 前記流路狭小部は、前記溝の底面が部分的に盛り上がったダムによって形成されることを特徴とする請求項13に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  15. 前記流路狭小部は、前記溝の内部に並列に配置され、前記溝より幅の狭い複数の微小溝によって形成されることを特徴とする請求項13に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  16. 前記マイクロチップは、前記溝が加工される基板と、基板の上面に設けられる側壁と、側壁の上面に設けられる蓋と、を備え、
    前記基板、前記側壁及び前記蓋によって、前記気相の流路が構成されることを特徴とする請求項10又は11に記載のマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤方法。
  17. マイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤装置であって、
    内部に気相の流路を有すると共に、前記気相の流路の底部に液相をその流路に沿って毛管作用により溜めるプール部を有するマイクロチップと、
    前記マイクロチップに液相としてPET用標識化合物を含んだ溶液を導入し、前記マイクロチップの前記プール部に毛管力を利用してPET用標識化合物を含んだ溶液を分散させる液相導入手段と、
    前記気相の流路に気相を流して、前記プール部に溜められた前記PET用標識化合物を含んだ溶液から溶媒を除去する気相操作手段と、を備えるマイクロチップを用いたPET用標識化合物の調剤装置。
  18. 内部に設けられる気相の流路と、
    前記気相の流路の底部に設けられ、毛管力を利用して液相を分散させると共に分散させた液相をその流路に沿って毛管作用により溜めるプール部と、を備え、
    前記プール部は、前記気相の流路の底面に形成される溝を有し、
    前記溝は、毛管力が部分的により働くように液相の流れ方向と直交する面における液相の流路の断面積が部分的に小さくなる流路狭小部を有するマイクロチップ。
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