JP4399706B2 - アイドルストップ車用補機駆動装置 - Google Patents

アイドルストップ車用補機駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン始動機能、発電機能およびエンジン停止時にエアコン機能を実現するアイドルストップ車用補機駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、車両エンジンルームの小型化が要望されるなどの理由により、エンジンルーム内に設けられる車両用補機駆動装置の必要スペースの低減が強く要望されている。なお、本明細書で言う車両用補機駆動装置とは、エンジン始動機能、発電機能およびエアコン機能を実現する装置を指定するものとする。そのうえ、近年、アイドル時にエンジンを停止するいわゆるアイドルストップ車が増加しているが、このアイドルストップ車では、通常の車両用補機駆動装置がスタータ、オルタネータおよびエンジン駆動のエアコン用コンプレッサを装備するに加えて、このエアコン用コンプレッサを電動駆動できることが期待されている。このため、アイドルストップ車用の車両用補機駆動装置の必要スペースは、上記した低減要望に反して通常車よりも増大してしまうという問題点を有している。このため、たとえば、以下に示す車両用補機駆動装置技術が公知となっている。
【0003】
特許文献1は、エアコン用コンプレッサ軸とモータ軸とを直結し、更にモータ軸を電磁クラッチ付きプーリ、ベルトを介してクランクプーリに結合した車両用補機駆動装置(以下、ハイブリッドコンプレッサとも呼ぶ)を提案している。この装置では、アイドル時にエンジンが停止した場合に電磁クラッチを切り離してモータによりエアコン用コンプレッサを電動駆動して空調を維持する。したがって、このハイブリッドコンプレッサを用いたアイドルストップ車用補機駆動装置は、通常車同様、スタータ、オルタネータおよびハイブリッドコンプレッサの3台で構成される。
【0004】
しかしながら、この装置では、ハイブリッドコンプレッサが電磁クラッチとコンプレッサ駆動モータとをもつため、通常車の車両用補機駆動装置よりも更に必要スペースおよび重量が増大し、また、制御回路を含めて部品点数が相当に増大してしまうという欠点を有する。
【0005】
特許文献2は、特許文献1のハイブリッドコンプレッサをエンジン始動のためのスタータとして兼用することを提案している。これにより、スタータを省略できるので、特許文献1の装置よりも車両用補機駆動装置の必要スペース、重量および部品点数を減少させることができる。
【0006】
しかしながら、このスタータ兼用ハイブリッドコンプレッサでは、エンジン始動トルクを得るためにクランクプーリの径に対してモータプーリの径を非常に小さく設定する必要があり、その結果、エンジンによるコンプレッサ駆動に際して、コンプレッサ回転数(=モータ回転数)が非常に高くなってコンプレッサの許容最大回転数を超過してしまうという問題点があり、実現困難であった。更に、この特許文献2の装置においても、大型化したハイブリッドコンプレッサとオルタネータが必要となるために、このアイドルストップ車用補機駆動装置は、コンプレッサとスタータとオルタネータとからなる通常車の車両用補機駆動装置に比べてそれほど必要スペースを低減することができなかった。
【0007】
特許文献3は、スタータ、オルタネータ、コンプレッサ駆動モータとして作動する1台のモータジェネレータ(電動発電機、MG)に設けられたプーリ(MGプーリ)と、クランクシャフトに装備されたワンウェイクラッチ付きプーリと、エアコン用コンプレッサに設けられたプーリ(コンプレッサプーリ)とをベルト結合する装置を提案している。
【0008】
この装置によれば、回転電機必要数の低減を図ることができるが、エアコン用コンプレッサとMGとを別置する必要があるため、コンプレッサとスタータとオルタネータとからなる通常車の車両用補機駆動装置に比べてそれほど必要スペースを低減することができなかった。また、MGをスタータ動作させる場合のトルクを稼ぐためにその減速比を大きくせざるを得ない結果として、オルタネータ駆動に際して、MGの回転数がその許容回転数を超過してしまうという問題が生じた。
【0009】
本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたものであり、簡素で省スペース性に優れたアイドルストップ車用補機駆動装置を提供することをその目的としている。
【0010】
【特許文献1】
特開2000-229516
【特許文献2】
特開2002-205538
【特許文献3】
US5896750
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、アイドルストップを行うエンジンに連結されてエンジン停止時のエアコン動作時に解放されるクラッチ機構と、それぞれの軸が連結された電動発電機およびエアコン用コンプレッサを有する電動コンプレッサと、前記電動コンプレッサとともにハウジングに収容されてエンジン駆動用のプーリの回転軸と前記電動コンプレッサの回転軸とを連結する変速機構とを備え、
前記変速機構は、前記クラッチ機構の回転軸の回転数Neに対する前記電動コンプレッサの回転数Ncの比率を変速比(=Nc/Ne)と定義する場合に、前記電動発電機により前記エンジンを駆動する場合の前記変速比であるエンジン始動時変速比を、前記エンジンにより前記電動コンプレッサを駆動する場合の前記変速比であるエンジン回転時変速比よりも大きく設定する変速比変更機構を有し
前記クラッチ機構は、前記電動コンプレッサが前記エンジンとトルク授受するべく第1方向に回転する場合に継合し、前記電動コンプレッサが前記第1方向と逆方向に回転する場合に解放される第3のワンウェイクラッチからなり、
前記電動コンプレッサは、前記エンジンの停止時に前記電動発電機により前記エアコン用コンプレッサを駆動する場合に前記第1方向と逆方向に駆動されることを特徴としている。
【0020】
この発明のアイドルストップ車用補機駆動装置は、他の発明で用いた継合−解放制御可能なクラッチ機構の代わりに簡単なワンウェイクラッチを採用し、かつ、エンジン停止時に電動コンプレッサを駆動する場合に、電動コンプレッサをエンジン回転時と逆方向に駆動する点をその特徴としている。このようにすれば、電磁クラッチのようなクラッチ機構を解放制御しなくても、エンジン停止時にエアコンを駆動するに際して電動コンプレッサを逆回転することにより第3のワンウェイクラッチが電動コンプレッサからエンジンへのトルク伝達を遮断するために装置構成および信頼性を向上することができ、小型軽量化と省スペース化を実現することができる。
【0021】
請求項記載の態様は、請求項記載のアイドルストップ車用補機駆動装置において更に、前記変速機構が、遊星ギヤ機構と、前記遊星ギヤ機構のキャリヤと前記プーリの回転軸との間に配置される第1のワンウェイクラッチと、前記遊星ギヤ機構のサンギヤと前記プーリの回転軸との間に配置される第2のワンウェイクラッチとを有し、前記第1のワンウェイクラッチが、エンジン始動時に継合され、かつ、前記エンジンによる前記電動コンプレッサ駆動時に解放され、前記第2のワンウェイクラッチは、エンジン始動時に解放され、かつ、前記エンジンによる前記電動コンプレッサ駆動時に継合されることを特徴とする。このようにすれば、変速比変更機構を簡素な構成にて実現することができる。
【0022】
請求項記載の構成は請求項記載のアイドルストップ車用補機駆動装置において更に、前記第3のワンウェイクラッチは、前記遊星ギヤ機構のリングギヤとハウジングとの間に配置されることを特徴とする。このようにすれば、第3のワンウェイクラッチを簡素な構成で実現することができる。なお、電動コンプレッサの逆回転時に、上記第1のワンウェイクラッチおよび第2のワンウェイクラッチがともに解放される場合には、リングギヤとハウジングとの間に上記第3のワンウェイクラッチを設ける必要がなく、これら第1、第2のワンウェイクラッチが本発明で言う第3のワンウェイクラッチを兼用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明のアイドルストップ車用補機駆動装置の好適な態様を以下の実施例を参照して説明する。
【0024】
【実施例1】
実施例1を図1を参照して具体的に説明する。
【0025】
(構造説明)
1は、本発明の補機駆動装置であって、アイドリング時に停止される図略のエンジンからクランクプーリ(図略)、ベルト(図略)を順次介して動力が伝達される。
【0026】
2は、補機駆動装置1を制御する制御装置であって、図略のバッテリから給電される直流電力を補機駆動装置1に給電し、車両用補機駆動装置の発電電力を整流して上記バッテリに送電する回路を内蔵している。また、制御装置2は、内燃機関制御装置(図略)やエアコン制御装置(図略)などからの情報に基づいて補機駆動装置1の作動モードをスタータモード、オルタネータモード、電動コンプレッサモードおよび内燃機関駆動コンプレッサモードのいずれかに設定し、この設定されたモードに基づいて補機駆動装置1を制御する。制御装置2は、通常のマイコン方式の制御装置であるが、マイコン制御装置の構成自体は一般的なものであるので、その詳細説明は省略する。また、制御装置2の上記作動モードの選択動作もこの発明の要旨ではないので、詳細説明は省略する。
【0027】
補機駆動装置1の構造について以下に詳述する。
【0028】
補機駆動装置1は、電磁クラッチ3と、電動コンプレッサ4と、電磁クラッチ(クラッチ機構)3および電動コンプレッサ4との間に配置される遊星ギヤ機構(変速機構)5とからなる。
【0029】
電磁クラッチ3は、プーリ60の径方向内側に収容されていわゆるプーリ内蔵型電磁クラッチ(電磁クラッチ付きプーリ)を構成し、プーリ60は不図示のベルトを通じてエンジンのクランクプーリにトルク授受可能に連結されている。電磁クラッチ3のコイル3cおよびヨーク3yは後述するフロントブラケット11aの前部に固定されている。プーリ内蔵型電磁クラッチ自体は周知であるので、その詳細説明は省略する。
【0030】
電動コンプレッサ4は、モータ部(電動発電機)6と、モータ部6の前部に配置されるコンプレッサ部(エアコン用コンプレッサ)7とからなり、モータ部6およびコンプレッサ部7は共通の回転軸8を有し、回転軸8は、センターハウジング10を通じて互いに一体化されたリアハウジング9とフロントハウジング11とに回転自在に支承されている。モータ部6は三相同期機、コンプレッサ部7はたとえばウオッブル式などの可変容量型斜板式圧縮機であって、これら三相同期機や可変容量型斜板式圧縮機は周知であるので、その詳細な説明は省略する。もちろん、モータ部6やコンプレッサ部7として他の公知形式を採用してもよい。回転軸8はフロントハウジング11から前方に突出している。
【0031】
遊星ギヤ機構5は、フロントハウジング11と、フロントハウジング11の前端面に締結されるフロントブラケット11aとの間に収容されている。遊星ギヤ機構5は、フロントハウジング11から突出する回転軸8の部分に嵌着、固定されたサンギヤ12と、このサンギヤ12に噛合する遊星ギヤ13と、遊星ギヤ13と噛合するリングギヤ14とを有している。遊星ギヤ13はピン15に回転自在に支持され、ピン15はキャリヤ16に固定されている。キャリヤ16は、電磁クラッチ3の回転軸17の後端部が嵌入する穴部を有し、この穴部の内周面と回転軸17の外周面との間に第1のワンウェイクラッチ18が設けられている。また、回転軸17の後端面は、回転軸8の前端部が嵌入する穴部を有し、この穴部の内周面と回転軸8の外周面との間に第2のワンウェイクラッチ19が設けられている。回転軸17は、フロントブラケット11aに回転自在に支承されている。ワンウェイクラッチ18,19を除く遊星ギヤ機構5の構造自体は周知であるので、その詳細な説明は省略する。また、ワンウェイクラッチ18,19は、本発明で言う変速比変更機構を構成するが、ワンウェイクラッチ18,19の構造も周知であるので、その詳細な説明は省略する。なお、この実施例の遊星ギヤ機構5では、リングギヤ14はフロントハウジング11に固定されている。
【0032】
(動作説明)
このアイドルストップ車用補機駆動装置の動作を図2に示す動作モード図を参照して以下に説明する。
【0033】
(始動モード)
たとえばアイドルストップから車両発進させるべくエンジン始動を行うために、始動(スタータ)モードが実施される。
【0034】
この始動モードでは、電磁クラッチ3をオンし、モータ部6を駆動する。モータ部6の回転方向は当然、エンジンを正常に回転させる方向である。この時、コンプレッサ部7の負荷トルクを最小とするべく冷媒流量を最小化することが好ましいが、これはこの実施例の要旨ではないので説明を省略する。
【0035】
モータ部6の回転により、サンギヤ12が回転し、それに合わせて遊星ギヤ13が自転しつつ公転し、遊星ギヤ13の公転に応じてキャリヤ16が所定方向に回転する。キャリヤ16のこの回転は、継合状態の第1のワンウェイクラッチ18を通じて、電磁クラッチ3の回転軸17に伝達され、電磁クラッチ3が継合しているため、トルクはプーリ6からエンジンへ伝達される。この時、回転軸8の回転数は回転軸17の回転数よりも大きいために第2のワンウェイクラッチ19は解放状態となり、第2のワンウェイクラッチ19を通じてのサンギヤ12と回転軸17との間のトルク授受は阻止される。
【0036】
(電動エアコンモード)
エンジン停止時にエアコン運転する場合には、次に説明する電動エアコンモードが実施される。
【0037】
この電動エアコンモードでは、電磁クラッチ3をオフし、モータ部6を駆動する。モータ部6の回転方向は始動モードと同じくエンジンを正常に回転させる方向である。
【0038】
モータ部6の回転により、コンプレッサ部7は冷媒ガスの圧縮動作を行う。コンプレッサ部7の動作自体は説明を省略する。サンギヤ12が回転し、それに合わせて遊星ギヤ13が自転しつつ公転し、遊星ギヤ13の公転に応じてキャリヤ16が所定方向に回転する。キャリヤ16のこの回転は、継合状態の第1のワンウェイクラッチ18を通じて、電磁クラッチ3の回転軸17に伝達されるが、電磁クラッチ3が解放されているため、トルクはプーリ6からエンジンへ伝達されない。結局、モータ部6はコンプレッサ部7のみを駆動してエアコン動作を実施することができる。
【0039】
(発電・エアコンモード)
エンジンの回転の安定後、発電動作又はエアコン動作を行う発電・エアコンモードが実施される。
【0040】
この発電・エアコンモードでは、電磁クラッチ3をオンし、モータ部6は発電動作とされる。同期機であるモータ部6を発電動作とするには、モータ部6を駆動する制御装置2内蔵のインバータを発電整流動作させればよい。このような発電整流動作自体はこの発明の要旨ではないので説明は省略する。
【0041】
更に説明すると、エンジン回転数が所定しきい値を超えて高回転数となることにより回転軸17の回転数が増大すると、回転軸17と回転軸8との間の第2のワンウェイクラッチ19が継合状態となり、回転軸17から回転軸8へトルクが伝達される。この時、回転軸17は輪板16よりも高回転となるために両者の間の第1のワンウェイクラッチ18は解放状態となり、回転軸17からキャリヤ16へのトルク伝達は阻止される。
【0042】
(実施例効果)
すなわち、エンジン始動時には、回転軸8が回転軸17より高回転であるために第2のワンウェイクラッチ19は解放状態となる。このため、回転軸17の回転数が低いために、モータ部6のトルクは回転軸8、サンギヤ12、遊星ギヤ13、キャリヤ16、第1のワンウェイクラッチ18、回転軸17、電磁クラッチ3を通じてプーリ6に伝達される。
【0043】
その後、エンジン回転数が十分に増大すれば、回転軸17が回転軸8の回転数に達するために第2のワンウェイクラッチ19が継合状態となり、回転軸17の回転数は輪板16の回転数(遊星ギヤ13の公転回転数)より大きくなるので、第1のワンウェイクラッチ18は解放状態となる。このため、プーリ6のトルクは、電磁クラッチ3、回転軸17、サンギヤ12、回転軸8を通じてコンプレッサ部7およびモータ部6に伝達され、エアコン動作や発電動作が行われる。これにより、大きなエンジン始動トルクを確保しつつ、コンプレッサ部7やモータ部6の回転数過昇を防止することができる。また、電磁クラッチ3の解放によりアイドルストップ時の電動エアコン動作を実現することができる。
【0044】
【実施例2】
図3を参照して実施例2を具体的に説明する。図3は、図1において、電磁クラッチ3すなわちプーリ内蔵型電磁クラッチを省略した図面である。
【0045】
(構造説明)
この実施例の補機駆動装置1は、図1に示す補機駆動装置1において、電磁クラッチ3を単なるプーリ(図示省略)に変更し、かつ、遊星ギヤ機構5のリングギヤ14を第3のワンウェイクラッチ20を通じてフロントハウジング11の内周面に固定されている。
【0046】
(動作説明)
第3のワンウェイクラッチ20は、電動コンプレッサ4の正方向回転時すなわち、エンジン始動回転時又はエンジン始動後の発電、エアコン動作時の回転方向において、継合し、リングギヤ14の遊動回転を阻止する。これにより、エンジン始動、発電、エンジンによるエアコン駆動は実施例1と同様に行われる。
【0047】
次に、エンジン停止時のモータ部6によるコンプレッサ部7の駆動動作を説明する。コンプレッサ部7はその回転方向にかかわらず正常に冷媒ガスの圧縮を行う可変容量形式のものが採用されており、モータ部6は逆方向に回転され、コンプレッサ部7も逆方向に回転する。これはサンギヤ12の逆方向の回転をもたらすので、リングギヤ14は通常と逆の方向に回転しようとするが、これにより第3のワンウェイクラッチ20は解放されるため、リングギヤ14は自由回転し、不図示のプーリの回転軸にはトルクは伝達されない。
【0048】
(変形態様)
上記実施例では、第3のワンウェイクラッチ20がリングギヤ14とフロントハウジング11との間に配置されたが、第3のワンウェイクラッチ20は、逆回転時に不図示のプーリにトルクが伝達されない位置であればどこに配置してもよい。
【0049】
(変形態様)
上記実施例では、第3のワンウェイクラッチ20がリングギヤ14とフロントハウジング11との間に配置されたが、回転軸8およびサンギヤ12の逆回転時に、第1のワンウェイクラッチ18と第2のワンウェイクラッチ19とが解放される場合には、第3のワンウェイクラッチ20を省略し、第1のワンウェイクラッチ18と第2のワンウェイクラッチ19とが本発明で言う第3のワンウェイクラッチと兼用することができるため、一層の構造簡素化を実現することができる。
【0050】
(変形態様)
上記実施例では、第1のワンウェイクラッチ18と第2のワンウェイクラッチ19とを不図示のプーリの回転軸とサンギヤ12および遊星ギヤ13との間に個別に配置したが、同様の機能を奏するのであれば、遊星ギヤ機構5の他の部位に配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す軸方向断面図である。
【図2】図1の装置の動作モード図である。
【図3】本発明の実施例2を示す軸方向断面図である。
【符号の説明】
1 補機駆動装置
2 制御装置
3 電磁クラッチ(クラッチ機構)
4 電動コンプレッサ
5 遊星ギヤ機構
6 モータ部(電動発電機)
7 コンプレッサ部(エアコン用コンプレッサ)
8 電動コンプレッサの回転軸
9 リアハウジング
10 センターハウジング
11 フロントハウジング
11a フロントブラケット
12 サンギヤ
13 遊星ギヤ
14 リングギヤ
15 ピン
16 キャリヤ
17 電磁クラッチの回転軸
18 第1のワンウェイクラッチ
19 第2のワンウェイクラッチ
20 第3のワンウェイクラッチ

Claims (4)

  1. アイドルストップを行うエンジンに連結されてエンジン停止時のエアコン動作時に解放されるクラッチ機構と、
    それぞれの軸が連結された電動発電機およびエアコン用コンプレッサを有する電動コンプレッサと、
    前記電動コンプレッサとともにハウジングに収容されてエンジン駆動用のプーリの回転軸と前記電動コンプレッサの回転軸とを連結する変速機構と、
    を備え、
    前記変速機構は、
    前記クラッチ機構の回転軸の回転数Neに対する前記電動コンプレッサの回転数Ncの比率を変速比(=Nc/Ne)と定義する場合に、
    前記電動発電機により前記エンジンを駆動する場合の前記変速比であるエンジン始動時変速比を、前記エンジンにより前記電動コンプレッサを駆動する場合の前記変速比であるエンジン回転時変速比よりも大きく設定する変速比変更機構を有し、
    前記クラッチ機構は、
    前記電動コンプレッサが前記エンジンとトルク授受するべく第1方向に回転する場合に継合し、前記電動コンプレッサが前記第1方向と逆方向に回転する場合に解放される第3のワンウェイクラッチからなり、
    前記電動コンプレッサは、
    前記エンジンの停止時に前記電動発電機により前記エアコン用コンプレッサを駆動する場合に前記第1方向と逆方向に駆動されることを特徴とするアイドルストップ車用補機駆動装置。
  2. 請求項記載のアイドルストップ車用補機駆動装置において、
    前記変速機構は、
    遊星ギヤ機構と、
    前記遊星ギヤ機構のキャリヤと前記プーリの回転軸との間に配置される第1のワンウェイクラッチと、前記遊星ギヤ機構のサンギヤと前記プーリの回転軸との間に配置される第2のワンウェイクラッチと、
    を有し、
    前記第1のワンウェイクラッチは、エンジン始動時に継合され、かつ、前記エンジンによる前記電動コンプレッサ駆動時に解放され、
    前記第2のワンウェイクラッチは、エンジン始動時に解放され、かつ、前記エンジンによる前記電動コンプレッサ駆動時に継合されることを特徴とするアイドルストップ車用補機駆動装置。
  3. 請求項記載のアイドルストップ車用補機駆動装置において、
    前記第3のワンウェイクラッチは、前記遊星ギヤ機構のリングギヤとハウジングとの間に配置されることを特徴とするアイドルストップ車用補機駆動装置。
  4. 請求項記載のアイドルストップ車用補機駆動装置において、
    コンプレッサは、可変容量圧縮機からなることを特徴とするアイドルストップ車用補機駆動装置。
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