JP4131407B2 - 補機駆動型エンジン始動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、補機駆動とエンジン始動とをそれぞれ独立に実行可能な補機駆動型エンジン始動装置に関する。本発明の補機駆動型エンジン始動装置は、たとえばエンジン停止時にバッテリ駆動される電動コンプレッサによりエンジン始動する補機駆動型エンジン始動装置に適用される。
近年、内燃機関の燃費を改善させる必要から、車両停車時に内燃機関(エンジン)を停止させるアイドルストップシステムやエンジンに加えて電動機を有し、所定の走行モードで内燃機関の運転を停止して電動力により走行するハイブリッド駆動システムが実用化されている。これらのシステムではエンジン停止時にバッテリ電力によりエアコン用のコンプレッサを作動させる電動機を設けるのが通常である。
下記の特許文献1は、コンプレッサ駆動用電動機の回転軸の一端を第1クラッチを介してエンジンに連結し、コンプレッサ駆動用電動機の回転軸の他端を第2クラッチを介してエアコン用コンプレッサに連結することにより、エンジン停止時でもエアコン用コンプレッサの電動駆動を可能とし、コンプレッサ駆動用電動機によりエンジン始動することを提案している。
下記の特許文献2は、エアコン用コンプレッサを駆動するコンプレッサ駆動用電動機を電磁クラッチを介してエンジンに連結することにより、電磁クラッチオフ時にエアコン用コンプレッサを電動動作させ、電磁クラッチオン時にコンプレッサ駆動用電動機によりエンジン始動を行うコンプレッサ駆動用電動機装置を提案している。
特開2001−298803号公報 特開2002−205536号公報
しかしながら、上記した公報の装置では、電動機、補機、それらの継合状態を制御するクラッチ機構を軸方向に一列に配置しているため装置の軸方向長が各装置の軸方向長の合計となってしまい、エンジンルームへの搭載性が著しく低下してしまう。エンジンルームの容積縮小は車両デザイン上の大きな要素であり、このような長大なシステムをエンジン近傍に収容する案は実質的に採用するのが困難であった。
また、電動機をエンジン始動専用とするモードにおける補機の切り離しと、電動機を補機駆動専用とするモードにおけるエンジンへのトルク伝達系の切り離しのためのクラッチ機構が複雑高価となるため、エンジン始動と補機駆動とをそれぞれ専用の電動機で行う場合に比べてメリットが少なかった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、エンジン始動可能な電動補機装置の車両搭載性を改善してそのエンジン近傍への収容を容易に可能とした補機駆動型エンジン始動装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するためになされた本発明の補機駆動型エンジン始動装置は、エンジンを始動する電動機と、前記電動機から回転力が入力される入力回転軸と前記エンジン側に回転力を出力する出力回転軸とを有して前記電動機の回転軸の一端側に配置される減速機構と、前記電動機の回転軸の他端側に配置される補機と、前記電動機の出力を前記減速機構の入力回転軸へ断続可能に伝達する減速機継合機構、又は、前記電動機の出力を前記補機の回転軸へ断続可能に伝達する補機継合機構とを備えた補機駆動機能付始動装置において、前記減速機継合機構又は補機継合機構が、前記電動機のステータの径方向内側に収容されていることを特徴としている。
ここでいう継合機構とはトルクの伝達とその遮断とを制御可能なクラッチ機構を言う。継合機構がステータの径方向内側に収容されるとは、ステータコア両側のステータコイルエンドよりも継合機構が軸方向外側に突出しないことも意味している。
この発明によれば、エンジン始動時には補機を電動機から分離し、補機(好適にはエアコン用コンプレッサ)駆動時には電動機からエンジンへのトルク伝達を遮断することができるため、電動機の個数を減らすことができる。そのうえ、必要となる両継合機構を実質的に電動機の内部に収容したため、補機駆動型エンジン始動装置の軸長を従来より格段に縮小することができ、小型で搭載性に優れた補機駆動型エンジン始動装置を実現することができる。
なお、好適には、両継合機構は、前記補機を駆動することなく前記減速機構を通じて前記エンジンを始動し、かつ、前記エンジンを駆動することなく前記補機を駆動する動作を行う。
本発明では、前記減速機継合機構又は補機継合機構は、前記電動機のロータの径方向内側に収容されている。これにより、一層のコンパクト化を実現することができる。
本発明では、前記減速機継合機構及び補機継合機構は、前記電動機のロータコアが嵌着されたロータ軸に形成された中空孔に収容されているため、両継合機構の電動機内への収容が簡単となる。更に説明すると、ロータコアの外周面から径方向内側へのロータコアの必要深さはそれほど大きくする必要はなく、ロータコアの内周径(ロータ回転軸の外径)は磁束形成を許容する範囲で増大されることができる。特に同期モータではロータコアの径方向内側部分に流れる磁束の変化は少ないため、たとえば回転軸の透磁性を大きくすることにより、回転軸自体もロータコアの磁路として有効利用することができる。
更に、一層の軸長縮小可能となる。
好適態様では、前記減速機継合機構及び補機継合機構は、継合方向が互いに逆である一方向クラッチによりそれぞれ構成され、前記電動機は、前記エンジンの始動時と前記補機の駆動時とで逆方向に回転する。これにより、電動機を複数用いる場合に比べて追加が必要となる継合機構を簡素化することができ、電動機数節約による小型軽量化のメリットを十分に生かすことができる。なお、この態様は、エンジン始動時に作動停止することが可能で、かつ、エンジン停止時でも駆動が必要な空調用コンプレッサを補機とする場合に特に好適である。
好適態様では、前記減速機継合機構は、前記中空孔へ一端側から挿入された前記減速機継合機構の入力回転軸と前記ロータ軸との間の径方向隙間に配置され、前記補機継合機構は、前記中空孔へ他端側から挿入された前記補機の回転軸と前記ロータ軸との間の径方向隙間に配置されている。これにより、構造の一層の簡素化が可能となる。
好適態様では、前記減速機構の出力回転軸は、一方向クラッチであるプーリクラッチを通じてプーリに連結されている。これにより、エンジンの通常回転時に減速機構が駆動されることがなく、動力損失を低減することができる。
好適態様では、前記減速機構の少なくとも一部は、前記プーリの径方向内側に収容されているため、更なる軸長短縮を実現することができる。
好適態様では、前記減速機出力軸は、前記プーリの径方向内側に収容されている軸受を通じてハウジングに支承されているため、更なる軸長短縮を実現することができる。
好適態様では、前記減速機出力軸を支承する前記軸受が、前記プーリクラッチの内側に位置して前記プーリの径方向内側に収容されているため、更なる軸長短縮を実現することができる。また、ベルト張力による減速機出力軸の曲げモーメントを低減できる。
以下、本発明の補機駆動型エンジン始動装置の好適な実施態様を図面を参照して説明する。ただし、本発明はこの実施態様に限定されるものではない。たとえば、エンジン始動用の電動機(モータ)をエンジンにより駆動される発電機として作動させてもよい。
(実施例1)
実施例1の補機駆動型エンジン始動装置の模式ブロック図を図1に示す。
この補機駆動型エンジン始動装置Aは、プーリ1、一方向クラッチ2、減速機構3、一方向クラッチ4、電動機5、一方向クラッチ6、エアコン用のコンプレッサ7を順次連結してなる。一方向クラッチ2はプーリ1と減速機構3との間に、一方向クラッチ4は減速機構3と電動機5との間に、一方向クラッチ6は電動機5とコンプレッサ7との間に配置されている。一方向クラッチ2、4、6のトルク伝達方向は図1に矢印により図示されている。
8はエンジンであり、エンジン8のクランクプーリ9はベルト10によりプーリ1に連結されている。11はバッテリであり、制御装置12により制御されるインバータ13に給電し、インバータ13はバッテリ11から受電した直流電力をたとえば三相交流電力に変換して電動機5に給電し、電動機5を駆動させる。
減速機構3は、遊星減速機構であって、電動機5側に突出する入力回転軸31、入力回転軸31に装着されたサンギヤ32、図示しないハウジングに固定されたインターナルギヤ33、サンギヤ32及びインターナルギヤ33と噛み合って遊星回転する遊星ギヤ34、減速機構3側に突出して遊星ギヤ34を自転自在に支持する遊星ギヤ枢支用のフランジ状の回転軸35を有している。従って、一方向クラッチ2はプーリ1と回転軸35との間に配置され、一方向クラッチ4は入力回転軸31と電動機5との間に配置されている。
この補機駆動型エンジン始動装置Aの動作を以下に説明する。
〔エンジン始動動作〕
電動機5を一方向(たとえば時計方向)に回転させると、その回転力すなわちトルクは一方向クラッチ4を通じて減速機構3に入力され、減速機構3により減速された後、プーリ1、ベルト10を通じてクランクプーリ9に伝達され、エンジン8が始動される。この時、一方向クラッチ6は開放状態となっており、電動機5はエンジン始動時にコンプレッサ7を駆動することはない。エンジン始動が完了した後、電動機5への給電を停止すると、エンジン8はプーリ1、一方向クラッチ2、減速機構3、一方向クラッチ4を通じて電動機5を駆動しようとするが、一方向クラッチ2が開放状態となるため、減速機構3及び電動機5が駆動されて電動機5がオーバーランするのが防止される。
〔電動コンプレッサ動作〕
エンジン停止時に電動機5を他方向(たとえば反時計方向)に回転させると、その回転力すなわちトルクは一方向クラッチ6を通じてコンプレッサ7に伝達され、コンプレッサ7が電動駆動される。この時、一方向クラッチ4は回転方向がトルク伝達方向に対して反対となっているため、開放され、電動機5が減速機構3を通じてエンジンを駆動することはない。
〔補機駆動状態からのエンジン始動動作〕
上記した電動機5によりコンプレッサ7を駆動している状態にてエンジン始動を行うには、まず電動機5を停止させ、その後、電動機5を逆方向に回転させ、上記したエンジン始動動作を行えばよい。
(変形態様)
上記した実施例では、電動機5とエンジン8との間にトルク伝達方向が等しい二つの一方向クラッチ2、4を減速機構3の両側に個別に設けている。これにより、エンジン8の始動完了後にエンジン8が電動機5を駆動しようとする場合には一方向クラッチ2が開放状態となって減速機構3の回転を防止し、電動機5によりコンプレッサ7を駆動する場合には一方向クラッチ4が開放状態となって減速機構3の回転を防止することができる。したがって、通常のエンジン回転時にも、電動コンプレッサ動作時にも減速機構3が駆動されて無駄な摩擦損失や摩耗、発熱などの問題が生じることがない。もちろん、一方向クラッチ2、4のどちらか、たとえば一方向クラッチ4を省略することも可能である。
(変形態様)
上記実施例では、インターナルギヤ33は図示しないハウジングに固定されていたが、インターナルギヤ33を一方向クラッチ(インターナルギヤ付き一方向クラッチと呼ぶものとする)を通じてハウジングに固定されてもよい。この場合には、一方向クラッチ2又は4を省略することができる。
つまり、電動機5がたとえば時計方向に回転し、一方向クラッチ6が開放され、インターナルギヤ付き一方向クラッチが継合状態となってハウジングに固定されて、電動機5のトルクが減速機構3、プーリ1を通じてエンジン8に伝達される。電動機5がたとえば反時計方向に回転し、一方向クラッチ6が継合して電動機5はコンプレッサ7を駆動する。この時、インターナルギヤ33は遊動状態となるためプーリ1は駆動されない。
(実施例2)
実施例2の補機駆動型エンジン始動装置の模式ブロック図を図2に示す。
この補機駆動型エンジン始動装置Bは、図1に示す補機駆動型エンジン始動装置Aにおいて遊星ギヤ34を自転自在に枢支する回転軸35を図示しないハウジングに固定し、インターナルギヤ33を一方向クラッチ2を通じてプーリ1に連結したものである。36はハウジングに支持されて回転軸35を回転自在に支承する軸受である。
この補機駆動型エンジン始動装置Bの動作は、減速機構3の減速比は別として本質的に図1に示す補機駆動型エンジン始動装置Aと同じである。
(実施例3)
実施例2の補機駆動型エンジン始動装置Bを具体化した実施態様を図3に示す。なお、図3では、構造をわかりやすく図示するためにほとんどの断面表示用のハッチングを省略するものとする。
(全体構成)
この補機駆動型エンジン始動装置Bは、プーリ1、一方向クラッチ2、減速機構3、一方向クラッチ4、電動機5、一方向クラッチ6、エアコン用のコンプレッサ7を有している。一方向クラッチ2はプーリ1と減速機構3との間に、一方向クラッチ4は減速機構3と電動機5との間に、一方向クラッチ6は電動機5とコンプレッサ7との間に配置されている。
一方向クラッチ2、減速機構3、一方向クラッチ4、電動機5、一方向クラッチ6、コンプレッサ7は、ハウジング100に一体に収容されている。ハウジング100は、減速機構ハウジング101、フロントハウジング102、モータハウジング103、センターハウジング106、リヤハウジンング104を順次重ねてスルーボルト105により締結してなる。
減速機構3は、減速機構ハウジング101とフロントハウジング102との間に収容され、モータハウジング103の一端開口は、リヤハウジンング104により閉鎖され、電動機5及びコンプレッサ7はモータハウジング103の内部に収容されている。センターハウジング106は、モータハウジング103に支持されて電動機5とコンプレッサ7とを区画している。
(電動機5)
電動機5は、通常のIPMであるがそれに限定されないことはもちろんである。電動機5自体は周知であるため、その基本部分のみ簡単に説明する。モータハウジング103の内周面に固定されたステータコア51、ステータコア51に巻装されたステータコイル52、ステータコアの径方向内側に配置されたロータ53、ロータ53に嵌挿された中空のモータ回転軸54をもつ。モータ回転軸54は、モータハウジング103及びセンターハウジング106に軸受55、56を介して回転自在に支承されている。
中空のモータ回転軸54には前方から減速機構3の回転軸31が、後方からコンプレッサ7の回転軸71とがそれぞれ相対回転自在に挿入され、モータ回転軸54と回転軸31との間には一方向クラッチ4が、モータ回転軸54と回転軸71との間には一方向クラッチ6が収容されている。回転軸31はフロントハウジング102を貫通して、減速機構ハウジング101とフロントハウジング102との間のギヤ室へ突出している。
(減速機構3)
減速機構3は、通常の遊星減速機構であるがそれに限定されないことはもちろんである。遊星減速機構自体は周知であるため、その基本部分のみ簡単に説明する。減速機構3は、上記ギヤ室内において、回転軸31に形成されたサンギヤ32、インターナルギヤ33、遊星ギヤ34を有している。フロントハウジング102には遊星ギヤ枢支ピン37が植設され、遊星ギヤ枢支ピン37には軸受38により遊星ギヤ34が回転自在に枢支されている。回転軸35は軸受39により減速機構ハウジング101に回転自在に支承され、回転軸31の前端部は軸受により回転自在に支承されている。40は冷媒封入用のメカニカルシールである。
(プーリ1)
プーリ1は、プーリーナット16により減速機構3の回転軸35に螺着された基筒部17と、基筒部17の外周面に軸受18により回転自在に支承されるプーリ部19とを有している。基筒部17とプーリ部19との間には軸受18に隣接して一方向クラッチ2が配置されている。プーリーナット16と基筒部17とは一体に形成されている。なお、上記した一方向クラッチ2、4、6は通常のエンジン始動用のスタータに用いられるオーバーランニングクラッチと同一構造のものでもよく、その他の公知の一方向クラッチ構造を採用してもよい。
(コンプレッサ7)
コンプレッサ7は、スクロール型であるが、それに限定されないことは当然である。コンプレッサ7の外殻は、センターハウジング106と、その後部の固定スクロール72と、リヤハウジンング104とからなる。73はセンターハウジング106と固定スクロール72との間に配置された旋回スクロールである。コンプレッサ7の回転軸71は、センターハウジング106を貫通して、旋回スクロール73に係合している。回転軸71の後端部は、フランジ状に拡径された拡径部71bを有する。拡径部71bは回転軸54の右端面にスラスト軸受74を介してスラスト荷重担持可能に相対回転自在となっている。
固定スクロール72は、略円盤状の端板部72aと、それから軸方向に突出する渦巻き形の羽根部72b等からなっている。旋回スクロール73は、概ね円盤状の端板部73aと、それから軸方向に突出して固定スクロール72の渦巻き形の羽根部72bと噛み合う渦巻き形の羽根部73bを備えて、固定スクロール72と噛み合うように配置されている。旋回スクロール73は、端板部73aの背面から円筒状のボス部73cが軸方向に突出しており、ボス部73cは軸受75を介してブッシュ76によって相対的に回転可能に支持されている。ブッシュ76は回転軸71の拡径部71bから軸方向に突出する偏心軸部71cに取り付けられている。固定スクロール72の端板部72aの中心には吐出口77が開口しており、リード状の吐出弁79が、リヤハウジンング104内に空間として形成された吐出室80の側から吐出口77を塞いでいる。固定スクロール72内には、旋回スクロール73の渦巻き形羽根部73bの外周側に位置して吸入室81が形成されている。
(コンプレッサ駆動動作の説明)
運転者が操作するスイッチによる手動指令により或いは電子制御装置による自動指令により、車両用空調装置の冷媒圧縮機としてのコンプレッサ7の駆動が指令されると、バッテリ電源11からインバータ13を通じて3相交流電力が電動機5のステータコイル52に供給され、ロータ53の回転力が一方向クラッチ6を介して回転軸71へ伝達される。回転軸71の偏心軸部71cが回転すると、旋回スクロール73も回転しようとするが、旋回スクロール73は図示しない自転防止機構により自転が阻止されているため、旋回スクロール73は固定スクロール72と噛み合った状態で公転のみを行う。その結果、固定スクロール72の渦巻き形の羽根部72bと、それに噛み合う旋回スクロール73の渦巻き形の羽根部73bとの間に形成される作動室82が外周部の吸入室81に向かって開いた時に、冷凍サイクルの蒸発器から吸入室81へ戻ってくる低圧の冷媒が作動室82内へ取り込まれる。旋回スクロール73が公転を続けることによって、外周部の作動室82が閉じて中心部に向かって移動する間に作動室82の容積が連続的に縮小するので、作動室82内に閉じ込められた冷媒が圧縮される。加圧された冷媒は中心部において作動室82が開いた時に吐出口77から吐出弁79を押し開いて吐出室80へ吐出される。吐出室80の高圧の冷媒は、吐出ポート(図略)から冷凍サイクルの凝縮器(図略)へ送られる。
(エンジン始動動作の説明)
エンジン停止状態からエンジン運転を再開する場合、走行系の電子制御装置の指令に基づき、バッテリ電源11からインバータ13を通し3相交流電力が電動機5のステータコイル52へ供給され、ロータ53の回転力は一方向クラッチ4を介して回転軸31へ伝達される。回転軸31の先端部に設けられたサンギヤ32に噛合する遊星ギヤ(プラネタリギヤ)34により回転力は反転してインターナルギヤ33に伝達され、インターナルギヤ33に連結された回転軸35に伝達された回転力は、プーリーナット16と一体の基筒部17、一方向クラッチ2を介してプーリ部19に伝達され、プーリ部19からベルトを介してエンジンのクランクプーリに伝達され、電子制御装置の指令する所定のエンジン回転数に達するまで電動機5が回転力を発生させる。エンジン回転数が所定値に達すると電子制御装置からの停止指令により電動機5はそのロータ53の回転エネルギーを回生しつつそれを停止させる。この時、エンジンによりプーリ部19は駆動されるが、一方向クラッチ2によりその回転力(トルク)の伝達は遮断されるため、減速機構3及び電動機5の過回転(オーバラン)が阻止される。
(補機駆動状態からのエンジン始動動作)
エンジン始動時にコンプレッサ7が駆動状態にある場合、走行系の電子制御装置は、まず補機駆動停止指令を出す。これに従いインバータ13は電動機5を回生制動してそれを停止させる。電動機5が停止したとみなすことができる回転数に達した時、走行系の電子制御装置はエンジン始動指令を出す。それに従って、インバータ13は、電動機5を補機駆動時と逆方向に回転する3相交流を供給し、電動機5を回転させ、回転力が一方向クラッチ4、2を順次介してプーリ部19に伝達される。以下、電動機5は、エンジン回転数が電子制御装置の指令する値に達するまで回転力(トルク)を発生する。
(実施例効果)
上記説明した実施例の補機駆動型エンジン始動装置によれば、以下の効果を奏することができる。
電動機5の回転方向の切り替えによりコンプレッサ7の駆動とエンジン始動とを切り替えるため、エンジン始動時における電動機5からのコンプレッサ7の分離を簡単な一方向クラッチ6により実現することができ、コンプレッサ駆動時における電動機5とエンジン8との間の分離を簡単な一方向クラッチ2又は4により実現することができる。結局、この実施例によれば、エンジン始動とコンプレッサ駆動とは同時に実施する必要がないことを利用して電動機5に二つの一方向クラッチ2又は4と6とを設けることによりコンプレッサ駆動用電動機によるエンジン始動を可能とし、部品点数を減らし、全体の重量及び体格の低減を実現することができる。
次に、上記した回転力伝達方向の切り替えのための一方向クラッチ4、6を電動機5のロータコアの径方向内側に収容しているため、装置の軸長を大幅に縮小することができ、装置の搭載性を向上することができる。
次に、プーリ部(本発明で言うプーリ)の径方向内側に、遊星減速機構3の減速回転軸35とそれをハウジングに支承する軸受39を内蔵したので、更なる軸長短縮を実現することができる。
次に、電動機5のロータ53が嵌着される中空の回転軸54を支承する軸受55、56をステータコイル52のコイルエンドの径方向内側に配置したので、更なる軸長短縮を実現することができる。
結局、これらの軸長短縮により、きわめて搭載性に優れたエンジン始動機能付き電動コンプレッサを実現することができる。
(その他の変形態様)
上記実施例では、電動機5によるコンプレッサ7のみの駆動と、電動機5による減速機構3のみの駆動との切り替えに用いた一方向クラッチ4、6をロータ53の径方向内側に収容したが、一方向クラッチ6をコンプレッサ7の内部に収容してもよい。たとえば、コンプレッサ7を斜板式コンプレッサまたは揺動斜板式コンプレッサとした場合に、斜板や揺動斜板と回転軸との間に一方向クラッチ6を配置することができる。
本発明の補機駆動型エンジン始動装置の実施例1を示す模式ブロック図である。 本発明補機駆動型エンジン始動装置の実施例2を示す模式ブロック図である。 本発明の補機駆動型エンジン始動装置の実施例3を示す模式縦断面図である。
符号の説明
1 プーリ
2 一方向クラッチ
3 減速機構
4 一方向クラッチ
5 電動機
6 一方向クラッチ
7 コンプレッサ
8 エンジン
9 クランクプーリ
10 ベルト
11 バッテリ
12 制御装置
13 インバータ
16 プーリーナット
17 基筒部
19 プーリ部(プーリ)
31 回転軸
32 サンギヤ
33 インターナルギヤ
34 遊星ギヤ
35 回転軸
36 キャリヤ
37 遊星ギヤ枢支ピン
51 ステータコア
52 ステータコイル
53 ロータ
54 回転軸
71 回転軸
71b 拡径部
71c 偏心軸部
72 固定スクロール
72a 端板部
72b 羽根部
73 旋回スクロール
73a 端板部
73b 羽根部
73c ボス部
74 スラスト軸受
75 軸受
76 ブッシュ
77 吐出口
79 吐出弁
80 吐出室
81 吸入室
82 作動室
100 ハウジング
101 減速機構ハウジング
102 フロントハウジング
103 モータハウジング
104 リヤハウジンング
105 スルーボルト
106 センターハウジング

Claims (7)

  1. エンジンを始動する電動機と、
    前記電動機から回転力が入力される入力回転軸と前記エンジン側に回転力を出力する出力回転軸とを有して前記電動機の回転軸の一端側に配置される減速機構と、
    前記電動機の回転軸の他端側に配置される補機と、
    前記電動機の出力を前記減速機構の入力回転軸へ断続可能に伝達する減速機継合機構、又は、前記電動機の出力を前記補機の回転軸へ断続可能に伝達する補機継合機構と、
    を備えた補機駆動機能付始動装置において、
    前記減速機継合機構又は補機継合機構は、前記電動機のステータの径方向内側かつ前記電動機のロータの径方向内側に収容され、
    記減速機継合機構及び補機継合機構は、前記電動機のロータコアが嵌着されたロータ軸に形成された中空孔に収容されていることを特徴とする補機駆動型エンジン始動装置。
  2. 請求項記載の補機駆動型エンジン始動装置において、
    前記減速機継合機構及び補機継合機構は、継合方向が互いに逆である一方向クラッチによりそれぞれ構成され、
    前記電動機は、前記エンジンの始動時と前記補機の駆動時とで逆方向に回転する補機駆動型エンジン始動装置。
  3. 請求項記載の補機駆動型エンジン始動装置において、
    前記減速機継合機構は、
    前記中空孔へ一端側から挿入された前記減速機の入力回転軸と前記ロータ軸との間の径方向隙間に配置され、
    前記補機継合機構は、
    前記中空孔へ他端側から挿入された前記補機の回転軸と前記ロータ軸との間の径方向隙間に配置されている補機駆動型エンジン始動装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか記載の補機駆動型エンジン始動装置において、
    前記減速機構の出力回転軸は、
    一方向クラッチであるプーリクラッチを通じてプーリに連結されている補機駆動型エンジン始動装置。
  5. 請求項記載の補機駆動型エンジン始動装置において、
    前記減速機構の少なくとも一部は、
    前記プーリの径方向内側に収容されている補機駆動型エンジン始動装置。
  6. 請求項記載の補機駆動型エンジン始動装置において、
    前記減速機出力軸は、
    前記プーリの径方向内側に収容されている軸受を通じてハウジングに支承されている補機駆動型エンジン始動装置。
  7. 請求項記載の補機駆動型エンジン始動装置において、
    前記減速機出力軸を支承する前記軸受は、
    前記プーリクラッチの内側に位置して前記プーリの径方向内側に収容されている補機駆動型エンジン始動装置。
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