JP4398251B2 - 圧力なべ用の食品クッキングバスケット、クッキングバスケットを受け入れるための圧力なべ、および、スエージングによりクッキングバスケットを製作する方法 - Google Patents

圧力なべ用の食品クッキングバスケット、クッキングバスケットを受け入れるための圧力なべ、および、スエージングによりクッキングバスケットを製作する方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧力なべのような圧力調理を行うための器具の一般的な技術分野に関し、特に、食品を調理するために、そのような器具の中に、その容器内の特定の高さのところに有利に配置されるように設計された食品−クッキングバスケットに関する。
本発明はまた、圧力なべ用の食品−クッキングバスケットを製作する方法に関し、前記バスケットは、金属製シートから製作されるとともにスタンピングによって得られる。
本発明は、圧力なべで圧力調理を行うための食品−クッキングバスケットに関し、前記バスケットは、当該バスケットの底および側壁を定めている剛性材料からなるシートにより形成されている。前記シートは、複数の貫通孔を備え、当該複数の貫通孔は、圧力なべの密閉箱における蒸気が通過することを許容し、食品、特に、バスケット内に収容された複数の野菜を通過することを許容する。
本発明はまた、容器およびカバーを有し、クッキングバスケットを受け入れるための圧力なべに関する。前記容器は、当該容器内にバスケットを支持するためのサポート手段を含んでいる。前記サポート手段は、蒸気調理サイクルを実行するため、容器の底からある距離をおいて予め定められた位置にクッキングバスケットを保持するために、壁の中にあるいは壁の上に配置されている。
本発明はまた、金属製シートをスタンピングすることによって、圧力なべ用の食品−クッキングバスケットを製作する方法に関する。
圧力なべの利用者に、調理容器内に収容された液体に食品を浸すこと以外によって調理することを可能とするためには、容器内に組み込まれ食品を収容するクッキングバスケットを準備することが必要であり、調理液体よりも上方の予め定められた高さのところにバスケットを支持することを可能にするように、壁の中にあるいは壁の上で、特定の予め定められた高さのところに配置されるクッキングバスケットを支持するための手段も必要である。蒸気が圧力なべの密閉箱内だけでなく食品の間も循環することを可能とし、それによって熱交換を最適化するように、ある数の貫通孔をバスケットに提供することもまた必要である。
そのようなシステムは、周知であり、様々な形状や容積を有するバスケット、一般には金属バスケットを利用している。バスケット支持手段は、例えば、利用者が蒸気調理を行うことを望むときに、容器の底に配置される鋼線から形成された着脱可能なサポートから構成されている。また、容器の壁に取り付けられた複数の片(リベット)により形成される支持手段や、容器の壁を局所的に変形させて形成される支持手段も存在する。これらの変形は、容器の底よりも上方の予め定められた高さのところにバスケットを支持している。
現在周知である金属バスケットは、2種類の主要なタイプに分類され得る。
第1のタイプは、インタレースないし交錯されあるいはメッシュにされた鋼線を使用して得られるとともに、機械的強度を与える補強構造を備える「ネット」バスケットにより構成されている。そのようなバスケットは、一般的に満足感を与えるものである。しかしながら、大きいメッシュサイズを原因として生じる、食品を収容することの難しさに関連する欠点、および、食品屑を取り除くことを確実にすることがとりわけ難しいメッシュを特に原因として生じる、きれいにすることが非常に難しいことに関連する欠点がある。さらに、そのようなバスケットは、比較的壊れ易いので、寿命が短いものである。
周知の第2のタイプのバスケットは、スタンピングによって得られるとともに、バスケットの底を貫通するか、あるいは、底および側壁の両方を貫通するかのいずれかで形成された一連の貫通孔を含んでいる金属バスケットにより形成されている。そのようなバスケットは、一般的に満足感を与えるものであり、きれいにすることも容易になし得る。しかしながら、食品との良好な熱交換を確実にする能力は、非常に変わり易く、コントロールすることが難しい。
バランスのとれたダイエットのためには、主な供給源をなす果実や野菜から、ビタミン、特にビタミンCの規則的な摂取が必要であることもまた公知である。この問題について行われた研究は、一般の人々における果実や野菜の消費量が、過去2、3年にわたって不十分であったことを示しているだけでなく、さらに、一般的な傾向がそのような消費量の相対的な低下方向にあることを示している。当該消費量の低水準や一般的な傾向を説明ないし明白にし得る複数の要因のうちの1つは、潜在的な消費者ないし消費者となる可能性のある人が、使用に際して、果実や野菜の消費量を制限しがちである一連の制約、特に、食料を頻繁に手に入れる必要があること、それら食料をきれいにしたり皮を剥いたりする必要があること、および、最終的に野菜に調理操作を実行する必要があることに直面することである。消極的ないし否定的に認められるこの制約は、調理のために必要とされる時間に関連する制約であると理解されている。
したがって、一般に、普通の食事状態を向上させたり、少なくとも悪化することを防いだりする要求があり、食品、特に野菜を調理するために必要とされる時間を短くすることを可能にする解決策のための調査が導かれた。
ビタミンは調理状態に対して非常に敏感であり、調理の間に完全にあるいは部分的に、破壊されたり、浸出ないし溶解されたり、分解ないし劣化されたりすることもまた公知である。一般に、種々のビタミンの中で、ビタミンCは、たとえ果実や野菜がビタミンCの食事摂取量の約85%に貢献するとしても、最も壊れ易い。したがって、野菜が調理された後、特に、圧力調理された後に、野菜におけるビタミンCの量を維持することは極めて重要である。
野菜に含まれるビタミンCの調理における壊れ易さに関する既知の現象の中で、ビタミンCは、調理水により浸出ないし溶解されることに敏感である葉酸塩の形であるときに、水に可溶であるということを挙げることができる。さらに、ビタミンCは、温度に対して敏感であり、調理の間に適用される時間および温度に比例して破壊される。
最後に、ビタミンCは、酸化に対して敏感であり、したがって、空気との接触の増加に対応して分解ないし劣化される。
したがって、圧力なべのような加圧された調理器具の中で野菜を調理する間、種々のビタミン、特にビタミンCを保存する一般的な問題も存在する。
したがって、本発明に与えられる目的は、圧力なべでの圧力調理において使用するための新規な食品−クッキングバスケットを提供しようとするものであり、当該バスケットは、食品を調理するために必要とされる時間を減じることを可能とし、一方では、食品、特に野菜の中に存在する複数のビタミンを保存する。
本発明の他の目的は、圧力なべの密閉箱内の蒸気の循環を最適化でき、一方では、工業的手法で容易に製作することを可能とする新規な食品−クッキングバスケットを提案することである。
本発明の他の目的は、容易にきれいにされる新規な食品−クッキングバスケットを提供しようとするものである。
本発明の他の目的は、バスケットが内部に取り付けられる圧力なべの安全部材の作動を阻害することがない新規なクッキングバスケットを提案することである。
本発明の他の目的は、とりわけ丈夫で、製作することが容易であり、一方では、取り扱いが容易で、意のままに位置決めすることにも適している新規な食品−クッキングバスケットを提供しようとするものである。
本発明の他の目的は、火傷をするリスクを生じさせることなく、取り扱いを容易なものとする新規なクッキングバスケットを提案しようとするものである。
本発明の他の目的はまた、圧力なべの普通の作動および安全作動を阻害することなく、圧力下の異なる態様において異なる種類の食品を調理することを可能とする新規な圧力なべを提案しようとするものである。
本発明の他の目的は、スタンピングによって、単純で繰返しの態様で得ることを可能にする食品−クッキングバスケットを製作する新規な方法を提案しようとするものである。
本発明の他の目的は、特に単純で実行するのに有効な新規な製作方法を提案しようとするものである。
本発明に与えられた目的は、圧力なべにおける圧力調理用の食品−クッキングバスケットにより達成され、当該バスケットは、当該バスケットの底および側壁を定めている剛性材料のシートから形成され、前記シートは、複数の貫通孔が備えられているバスケットであって、複数の貫通孔は、少なくとも側壁を貫通して備えられ、シートの総面積の少なくとも30%を示していることを特徴としている。
本発明に与えられた目的はまた、本発明のバスケットを受け入れる圧力なべにより達成され、圧力なべは、容器およびカバーを有し、前記容器は、容器内で壁にあるいは壁の上に配置されたバスケットを支持するための支持手段を有する圧力なべであって、容器は、少なくとも2つのクッキングバスケットを容器の内部において重ね合わせて配置することを可能とするために、異なる複数の高さのところに配置される少なくとも2列の支持手段を有していることを特徴としている。
本発明の目的はまた、金属製シートをスタンピングすることにより、圧力なべ用の食品−クッキングバスケットを製作する方法により達成され、その方法は、以下の連続した複数のステップ、
a)金属製シートを穿孔するステップ、
b)バスケットの最終形状を有するブランクを得るためにシートを切断するステップ、
c)ブランクの中央部をスタンピングするステップ、および、
d)バスケットを得るためにエッジをトリムするステップ、
を有し、
シートは、複数の貫通孔がシートの総面積の少なくとも30%を示すように穿孔されていることを特徴としている。
図面の簡単な説明
本発明の他の目的および利点は、以下の説明を読み込むことで、および、限定されない例として与えられる添付図面から、更に詳細に説明される。
ここで、
図1は、本発明のクッキングバスケットの斜視図、
図2は、本発明および図1に示されるバスケットと同一のクッキングバスケットの平面図、
図3は、本発明のクッキングバスケットの構造の詳細を示す断面図、
図4は、圧力なべ内部の高い位置にあるクッキングバスケットを示す断面図、
図4Aは、重ね合わせた配置ないし構成をなす本発明よる2個のクッキングバスケットを含んでいる本発明の圧力なべを示す断面図、
図5は、本発明のクッキングバスケットの製作をもたらす種々の連続したスタンピングステップを示し、
図6は、本発明のクッキングバスケット内での食品の温度上昇の均一性を示し、および、
図7は、図6のグラフと同等のグラフであり、従来技術のクッキングバスケット内に収容された食品の温度上昇の不均一性を示している。
本発明を実行する最良の方法
本発明の食品−クッキングバスケットは、圧力なべタイプの食品−調理器具の中で使用され配置されるように設計されている。圧力なべは、クランプ型、爪型、差し込み型あるいはマンホール型であるかどうかに拘わらず、また、このリストに限定されることもない。
下記の説明において、本発明のクッキングバスケットは、円形バスケットの形状に有利に形成されているが、この形状に限定されるものではなく、本発明のクッキングバスケットは、本発明の範囲を越えることなく、円形以外の形状、例えば長方形形状、正方形形状などであり得る。
図1〜5に示される食品−クッキングバスケット1は、圧力なべでの圧力調理に使用されるものであり、当該バスケット1の底2および側壁3を定めている剛性材料からなるシートによって構成され、前記シートには複数の貫通孔4が備えられている。
本発明の意味するところにおいて、剛性材料は、永続的におよび連続的に、食品と接触する圧力なべ内での使用に耐えることができ、継続的なおよび繰り返される洗浄作業を受けることができ、および、圧力なべの温度および圧力を上昇する操作を受けることが可能な、いかなる材料にも基づき得る。
有利には、剛性シート状材料は、金属からなり、有利にはステンレス鋼からなるが、それにもかかわらず、本発明の一般的な範囲を越えることなく、他のタイプの材料、特に、プラスチック材料が予見され得ることが理解されている。
本発明の重要な特徴によれば、複数の貫通孔4は、バスケットを構成するとともにバスケット全体の区域を形成しているシートの総面積の少なくとも30%を示すように、少なくとも側壁3を貫通して配置されている。
コンテナ本体を形成するシートの表面積と複数の貫通孔4との間の比を示しているこの割合未満では、バスケットを工業的に製作することが難しくなることが分かっている。とりわけ、調理時間を減らすことに関するとともにバスケット1内に収容された食品のビタミンを保持することに関する効果が、良好でなく有益なものとならない。
有利には、側壁3の複数の貫通孔4は、底2に隣接する側壁3の底部から始まって、定められた高さまで側壁の全周を実質的に占めるような実質的に規則的ないし均一な態様で、形成され分配ないし分布されている。
複数の貫通孔4が、クッキングバスケット1に存在する食品の深さと実質的に一致する定められた高さに至るまで、バスケット1の下方部分に位置するときに、ビタミン保持効果および調理時間の減少が一層著しくなることが分かっている。
好ましくは、複数の貫通孔4は、シートの総面積の少なくとも35%、好ましくは、35%〜58%を示している。
特に有利な態様において、図1〜5で示すように、複数の貫通孔4は、底2および側壁3の全部をおよび貫通して、実質的に均一に分配されている。最良の結果は、バスケットの底2および側壁3のかなりの高さのところまで複数の貫通孔4を備えるバスケットで得られることが分かっている。
図1〜5で示すように、好適な変形例において、側壁3における複数の貫通孔4は、全体の表面積が一様に穿孔されているクッキングバスケットを得るように、前記側壁3のトップエッジ6まで全面的に形成されている。
図に示すように、複数の貫通孔4は、有利には実質的に円形であり、少なくとも3ミリメートル(mm)、さらに好ましくは、3mm〜5mmの範囲に存在する直径を有している。それでも、本発明の範囲を越えることなく、複数の貫通孔4は他の形状およびより大きなサイズであり得る。
貫通孔4が円形形状であるときには、それら複数の貫通孔は、規則的な間隔で離れて配置されている。剛性材料からなるシートの厚さが、例えば、0.4mm〜0.8mmの範囲に存在し、さらに好ましくは、約0.5mmあるいは約0.4mmである場合には、例えば、5mm〜8mmの規則的ないし均一なピッチで配置されている。
図に示すように、複数の貫通孔4は、規則的なラインに配置されたり、あるいは、相互に関連する貫通孔の幾何学的な配列に依存するT−、U−、M−、あるいはZ−形状として知られた好みの配列に配置されたりし得る。
図3に示すように、底2と側壁3との間の接合部は、一定である曲率を呈するように有利に形成され、例えば、H/2以上の曲率半径Rを有している。ここに、Hは、バスケット1の高さである(図3を参照)。曲率半径を維持することは、調理蒸気に起因する内部の乱れを減少させる助けとなることが分かっている。さもなければ、その調理蒸気は、圧力なべの安全装置、特に安全ロックバルブ(または、複数の安全ロックバルブ)の正しいリフティング動作を妨げる傾向にあるかもしれない。
有利なことに、本発明のバスケット1は、直径Dおよび実質的に1/3 Dに等しい高さHを有する円形断面である。
図1〜5に示すように、側壁3は、それらの頂端で曲線エッジ6によって終了しており、当該曲線エッジは、問題とするバスケットおよびその対称軸から半径方向外方へ、全周にわたって一定である幅を超えて伸びている。この特徴は、いかなる特定の角度割出しをも行うことなく、調理器具を圧力なべの容器内に配置することを可能としている。さらに、圧力なべ容器の内壁に取り付けるための連続的な曲線エッジ6の存在によって(バスケットを挿入することを可能とするのに必要とされるクリアランスを無視してある)、蒸気は、バスケットを通過させられ、したがって食品を通過し、これによって熱伝達が最適化される。
曲線エッジ6は、例えば金属からなる周辺リング7を有利に備えている。当該周辺リングは、バスケットの剛性を高めるとともにバスケットの仕上げを向上させるために、前記エッジ上に取り付けられ、前記エッジのまわりに折り曲げられている。
図1〜3に示すように、本発明のバスケットは、ハンドル8を有し、当該ハンドル8は、図1に示されるバスケット−支持位置と、図2に示される少なくとも一つの休止位置との間で回動するように付けられている。ハンドルは、休止位置では、バスケットのトップエッジ6の上に静止ないし載置されており、エッジの周辺上に実質的に存している。この形状において、ハンドル8は、実質的に半円形状をなしている。
有利なことに、本発明によれば、ハンドル8は、実質的にその中心にグリップ部分9を含んでいる。当該グリップ部分は、シリコーンを基礎としており、また、当該グリップ部分が前記エッジ6の上に静止しないように、ハンドルの残りの部分から内側の方に引っ込められている。
図2に示される好適な変形において、グリップ部分9は、湾曲されており、バスケットの外側の方へ面する凹状部分9Aと、バスケットの内側の方へ面する凸状部分9Bとを定める一定の曲り部分を形成している。この特徴は、指を火傷することなくハンドルをつかむことを非常に容易にする。
図4および図4Aに示すように、クッキングバスケット1は、圧力調理を実行するために、カバー(図示せず)を備える圧力なべの容器10の中に配置される。
本発明の圧力なべは、容器10を有し、当該容器は、容器内にバスケット1を支持するための支持手段11を有している。前記支持手段11は、容器の壁10Aにあるいは壁から、半径方向に形成されている。これら複数の支持手段11は、当業者にとって周知であり、例えば、本件出願人の名における特許FR−2 783 685に開示されているように、壁をプレス加工したり変形したりすることによって得られる押込加工(あるいは同様の手段)により構成され得る。この形状において、本発明のクッキングバスケット1は、側壁3上の同じ高さのところで角ばって配置されている複数の支持手段11に対して、バスケットのリムないしエッジ6が載せられるように、容器10内に配置されている。
図4に示すように、支持手段11は、容器10の底10Bから、予め定められた十分な高さのところにあり、バスケット1を、前記底10Bおよび容器10に収容されたいかなる液体12からも少し離れたままの状態にしている。
図4Aに示すように、本発明の重要な特徴によれば、本発明の圧力なべは、容器10を有し、当該容器は、少なくとも2つのクッキングバスケットを容器の内部において重ね合わせた形状に配置することを可能とするために、異なる複数の基準高さのところに配置される少なくとも2列の支持手段11を有している。この配列によって、上方位置に第1のバスケット1Aを配置し、下方位置に第2のバスケット1Bを配置することが可能であり、どちらのバスケットも液体12の供給に浸されることがない。これによって、単一のバスケットを使用する先行技術の場合のようにバスケット内の食品が混合されてしまうということなく、食品を蒸気−調理することが可能となる。
さらに、圧力なべの密閉箱内での蒸気の循環は、複数の貫通孔の密度を調整することによって、調整される。これによって、弁ロック装置のリフティング動作を妨げることなく、異なる調理を実行することが可能となる。
図5に示すように、特に有利な態様において、本発明の圧力なべ用の食品−クッキングバスケットを製作する方法は、金属製シート、例えば、ステンレス鋼シートをスタンピングすることによって実行される。
図5に示すように、方法は、以下の連続した複数のステップを有している。
a)金属製シート20を穿孔するステップ、
b)バスケットの最終形状、例えば円形形状でのブランク21を得るためにシート20を切断するステップ、
c)ブランク21の中央部をスタンピングするステップ、および、
d)バスケット1を得るためにエッジをトリムするステップ。
もちろん、本発明の範囲を越えることなく、すでに穿孔された金属製シートを使用する方法を始めることもまた可能である。
より明確には、もし、複数の貫通孔4がシートの総面積の少なくとも30%を示すような方法でシート20が穿孔されるとすれば、金属シート20は、例えば、連続したラインあるいは他のいかなる形状の一連の貫通孔4によって、その全領域にわたって有利に穿孔されることができる。
スタンピング本体は、当業者にとって公知の方法で実行され、スタンピングによってバスケットを製作する上での下限は、シートの総面積の少なくとも30%を示している貫通孔4の集中ないし濃度と関係している。
図5に示すように、初期のスタンピング操作の間の複数の貫通孔4の変形、特に、トップの貫通孔4の他と異なる伸びは、シートの適切な変形を確実にすることを可能とし、それによって、スタンピングが成功することを保証している。
シート20は、複数の貫通孔がシートの総面積の少なくとも35%、好ましくは35%〜58%を示ように、好ましくは穿孔されている。
示すように、シートはその全領域にわたって穿孔されている。スタンピングより前の操作の間で、シートは、平均直径が3mm〜5mmの範囲に存し、ピッチが5mm〜8mmの範囲に在する円形である複数の貫通孔を得るような方法で穿孔され、その後、ブランクは円形形状に切り抜かれる。
初期のスタンピングステージの最後で、エッジは、バスケットにおける、実質的に外方に湾曲して小さい放射状の広がりのあるトップ周辺エッジ6を得るようにトリムされる。
その後に、円形形状の周辺リング7が、湾曲した周辺エッジ6上に配置され、そのエッジに縁曲げされる。
有利には、バスケットの底2と側壁3との間の接合部が一定の曲率を示すような方法で、スタンピングが実行される。
その後に、ハンドル8は、前記ハンドルの端部9Aを貫通孔4に挿入して、正しい場所に置かれる。
下記の表1は、従来の先行技術のバスケット(パージなし)で調理したときと、圧力なべでのパージシステムを伴う本発明のバスケットで調理したときとの両方で、種々の野菜を蒸気調理する間に得られたビタミンC保存の結果を比較する。一例として、グリーン豆にあっては、パージシステムは、調理時間を約35%〜41%減らし、ビタミンC保存を約23%〜25%向上させると推定される。
Figure 0004398251
先行技術のバスケットは、約3mmの複数の開孔を備える多孔金属製バスケットにより構成されている。前記複数の開孔は、バスケットの底に備えられ、バスケットの全表面積の20%以下を占めている。本発明のバスケットは、図1〜5に示されるバスケットと同様の形状をなし、直径が約5mmの一連の複数の開孔4を備えている。複数の開孔4は、トップエッジ6までバスケットの全表面にわたって一様に分配され、バスケットの領域の30%を示している。
その結果は、問題の野菜で得られる調理時間における節約が、調理時間が約57%〜83%減らされることを可能にする、ということを明らかに示している。
同様に、問題の野菜におけるビタミンC保存は、野菜に依存して変化した量の点で、より多くのビタミンCが保持されることが認められたので、かなり増大された。ビタミン貯留における改良が14%〜62%の範囲で得られることを可能にした。
これらの向上した結果は、本発明のバスケットの特定の形状と比較されなければならず、貫通孔4のサイズ、分布および密度は、蒸気の最適な動きを可能にするのに役に立っており、それによって、多量の野菜のすみからすみまで優れた熱交換を促進する。したがって、優れたビタミン貯留を得るために必要である、調理を急速および均一に行うことが可能となる。
伴われる有利な現象は、図6および図7に示されるグラフを比較することにより説明でき、これらの図は、本発明のバスケット(図6)および従来技術のバスケット(図7)において、ジャガイモの場合における食品温度の上昇の均一性の違いを示している。
この2つのバスケットは、上記に定めた2つのバスケットと同一の技術的特徴を有している。
バスケットの中央部に配置した4個のプローブによって、食品内の異なる複数の深さのところで、温度レベルを測定した。グラフから、本発明のバスケットにおいては、すべてのプローブの温度上昇は、調理の開始から測定した時間間隔t1=2分30秒〜t2=5分30秒を通じて、特に一様で、急速であったことが分かり得る。最終的な調理温度は、おおよそ、調理の5分30秒後から得られた。4つのすべてのプローブによって測定した温度が同一で約110℃に等しいことから、最終的な調理温度は、バスケット内の位置に拘わらず、食品内で十分に同等で一様であった。
これとは対照的に、従来技術のバスケットにおいては、食品の調理温度は、特に不均一であり、4つのすべてのプローブによる4つの温度曲線は、約15分の調理の後に、実質的に等しく(それでも完全ではないが)なっている。
試験中において、平均調理圧力は、約1.5バールであった。それぞれの圧力なべは、圧力が上昇する間に、蒸気が、圧力なべの密閉箱から排気されることを可能にするパージシステムが取り付けられている。
これらのグラフはまた、本発明のバスケットにおける温度の上昇速度を示している。平均動作圧力は約110℃に達したときであるとすると、多量の食品の全体は約110℃の平均動作温度となる。逆に、先行技術のバスケットにおいては、110℃の平均の温度は、操作の約14分〜15分の後にのみ得られた。
したがって、これらの結果は、本発明のクッキングバスケットは、調理時間を減らす観点、および、ビタミンを保存する観点において効果的であることを示している。バスケットはまた、最適化され一様に分布された複数の貫通孔のために、空気を保持した局在的な領域が作り出されることを回避するという利点を提供している。それにもかかわらず、時間を節約するとともにビタミン保持を改良することは、ある野菜から他のものまで非常に変わりやすいと認めることは重要であり、調理時間は、2.5〜5.5に分けられ、調理の間のビタミンCの損失は、約1.3倍〜約5倍減少されている。
工業的応用の可能性
本発明は、圧力なべタイプの家庭用調理器具、さらにまた、前記器具との関連において用いられるクッキングバスケットの設計および製作において工業的応用の可能性がある。
図1は、本発明のクッキングバスケットの斜視図である。 図2は、本発明および図1に示されるバスケットと同一のクッキングバスケットの平面図である。 図3は、本発明のクッキングバスケットの構造の詳細を示す断面図である。 図4は、圧力なべ内部の高い位置にあるクッキングバスケットを示す断面図、図4Aは、重ね合わせた配置ないし構成をなす本発明よる2個のクッキングバスケットを含んでいる本発明の圧力なべを示す断面図である。 図5は、本発明のクッキングバスケットの製作をもたらす種々の連続したスタンピングステップを示す図である。 図6は、本発明のクッキングバスケット内での食品の温度上昇の均一性を示す図である。 図7は、図6のグラフと同等のグラフであり、従来技術のクッキングバスケット内に収容された食品の温度上昇の不均一性を示す図である。

Claims (24)

  1. 圧力なべにおける圧力調理用の食品−クッキングバスケットであって、バスケットは、当該バスケット(1)の底(2)および側壁(3)を定めている剛性材料のシートから形成され、前記シートは、複数の貫通孔(4)が備えられているバスケットにおいて、複数の貫通孔(4)は、少なくとも側壁(3)を貫通して備えられ、シートの総面積の少なくとも30%を示していることを特徴とするバスケット。
  2. 側壁(3)の複数の貫通孔(4)は、側壁(3)の底部からはじまり、ある決定された高さのところまで、側壁の実質的に全体の周囲にわたって実質的に一様に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバスケット。
  3. 複数の貫通孔(4)は、シートの総面積の少なくとも35%を示していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバスケット。
  4. 複数の貫通孔(4)は、シートの総面積の35%〜58%を示していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバスケット。
  5. 複数の貫通孔(4)は、底(2)および側壁(3)にわたっておよび貫通して、実質的に一様に分配されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載のバスケット。
  6. 側壁(3)における複数の貫通孔(4)は、前記側壁(3)のトップエッジまで全面的に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のバスケット。
  7. 複数の貫通孔(4)は、実質的に円形であり、少なくとも3mmの直径であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載のバスケット。
  8. 複数の貫通孔(4)は、実質的に円形であり、3mm〜5mmの範囲に存する直径であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載のバスケット。
  9. 底(2)と側壁(3)との間の接合部は、一定の曲率を呈していることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一つに記載のバスケット。
  10. 直径Dおよび高さH=1/3 Dの断面円形であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一つに記載のバスケット。
  11. 側壁(3)は、その頂端で、円周のまわりで一定である幅を超えて半径方向外方に伸びる曲線エッジ(6)で終わっていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一つに記載のバスケット。
  12. 曲線エッジ(6)は、前記エッジに取り付けられて折り曲げられる周辺リング(7)を備えていることを特徴とする請求項11に記載のバスケット。
  13. 支持位置と少なくとも一つの休止位置との間で回動するように取り付けられるハンドル(8)を含み、休止位置では、ハンドルは、バスケットのトップエッジ(6)の上に、そのエッジ(6)の外周に実質的に続いてなるバスケットであって、ハンドル(8)は、当該ハンドル(8)の残りの部分から内側の方を向けられたセットバックないし引っ込められた部分を形成しているグリップ部分(9)を含み、当該グリップ部分は、前記エッジ(6)上に静止しないことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一つに記載のバスケット。
  14. 請求項1〜13のいずれか一つに記載のバスケットが取り付けられる圧力なべ。
  15. 請求項1〜13のいずれか一つに記載のバスケットを受け入れるとともに容器(10)およびカバーを有し、前記容器(10)は、容器(10)内で壁(3)にあるいは壁の上に配置されたバスケット(1)を支持するための支持手段(11)を有する圧力なべであって、容器(10)は、少なくとも2つのクッキングバスケット(1A、1B)を容器(10)の内部において重ね合わせて配置することを可能とするために、異なる複数の高さのところに配置される少なくとも2列の支持手段(11)を有していることを特徴とする圧力なべ。
  16. 金属製シートをスタンピングすることにより、圧力なべ用の食品−クッキングバスケットを製作する方法であって、以下の連続した複数のステップ、
    a)金属製シートを穿孔するステップ、あるいは、すでに穿孔されたシートを使用して方法を開始するステップ、
    b)バスケットの最終形状を有するブランクを得るためにシートを切断するステップ、
    c)ブランクの中央部をスタンピングするステップ、および、
    d)バスケットを得るためにエッジをトリムするステップ、
    を有し、
    シートは、複数の貫通孔がシートの総面積の少なくとも30%を示すように穿孔されていることを特徴とする方法。
  17. シートは、複数の貫通孔がシートの総面積の少なくとも35%を示すように穿孔されていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. シートは、複数の貫通孔がシートの総面積の35%〜58%を示すように穿孔されていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  19. シートはその全領域にわたって穿孔されていることを特徴とする請求項16〜請求項18のいずれか一つに記載の方法。
  20. 平均直径が3mm〜5mmの範囲に存し、ピッチが5mm〜8mmの範囲に在する円形である複数の貫通孔を得るために、シートは穿孔されていることを特徴とする請求項16〜請求項19のいずれか一つに記載の方法。
  21. ブランクは円形形状に切り抜かれていることを特徴とする請求項16〜請求項20のいずれか一つに記載の方法。
  22. エッジは、バスケットにおける、実質的に外方に湾曲したトップ周辺エッジを得るようにトリムされていることを特徴とする請求項16〜請求項21のいずれか一つに記載の方法。
  23. 円形形状の周辺リングが、湾曲した周辺エッジ上に配置され、前記エッジに縁曲げされていることを特徴とする請求項21または請求項22に記載の方法。
  24. バスケットの底と側壁との間の接合部が一定の曲率を呈するように、スタンピングが実行されていることを特徴とする請求項16〜請求項23のいずれか一つに記載の方法。
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