JP2005510276A - 蒸気の通過を調整するための手段を有する圧力なべ用のクッキングバスケット - Google Patents

蒸気の通過を調整するための手段を有する圧力なべ用のクッキングバスケット Download PDF

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Abstract

本発明は、圧力なべの中で圧力調理を行うための食品クッキングバスケットに関する。食品クッキングバスケットは、当該バスケット(1)の底および側壁(3)を定める剛性材料からなるシートを有し、前記シートには複数の貫通孔(4)が備えられている。本発明は、複数の貫通孔(4)が底および側壁(3)を貫通して配置され、前記バスケットは、複数の貫通孔(4)を通ってバスケット(1)を通過する蒸気の流量を調整するための手段(20)を有し、前記手段は、少なくとも底の複数の貫通孔(4)を通して蒸気の通過を調整することを可能にするために、底と関連しているという点で特徴とされている。

Description

本発明は、圧力なべのような圧力調理を行うための器具の一般的な技術分野に関し、特に、食品を調理するために、そのような器具の中に、その容器内の特定の高さのところに有利に配置されるように設計された食品−クッキングバスケットに関する。
本発明は、圧力なべで圧力調理を行うための食品−クッキングバスケットに関し、前記バスケットは、当該バスケットの底および側壁を定めている剛性材料からなるシートにより形成されている。前記シートは、複数の貫通孔を備え、当該複数の貫通孔は、圧力なべの密閉箱における蒸気が通過することを許容し、食品、特に、バスケット内に収容された複数の野菜を通過することを許容する。
本発明はまた、本発明のクッキングバスケットを受け入れるための圧力なべを提供する。
圧力なべの利用者に、調理容器内に収容された液体に食品を浸すこと以外によって調理することを可能とするためには、容器内に組み込まれ食品を収容するクッキングバスケットを準備することが必要であり、調理液体よりも上方の予め定められた高さのところにバスケットを支持することを可能にするように、壁の中にあるいは壁の上で、特定の予め定められた高さのところに配置されるクッキングバスケットを支持するための手段も必要である。蒸気が圧力なべの密閉箱内だけでなく食品の間も循環することを可能とし、それによって熱交換を最適化するように、ある数の貫通孔をバスケットに提供することもまた必要である。
そのようなシステムは、周知であり、様々な形状や容積を有するバスケット、一般には金属バスケットを利用している。バスケット支持手段は、例えば、利用者が蒸気調理を行うことを望むときに、容器の底に配置される鋼線から形成された着脱可能なサポートから構成されている。また、容器の壁に取り付けられた複数の片(リベット)により形成される支持手段や、容器の壁を局所的に変形させて形成される支持手段も存在する。これらの変形は、容器の底よりも上方の予め定められた高さのところにバスケットを支持している。
現在周知である金属バスケットは、2種類の主要なタイプに分類され得る。
第1のタイプは、インタレースないし交錯されあるいはメッシュにされた鋼線を使用して得られるとともに、機械的強度を与える補強構造を備える「ネット」バスケットにより構成されている。そのようなバスケットは、一般的に満足感を与えるものである。しかしながら、大きいメッシュサイズを原因として生じる、食品を収容することの難しさに関連する欠点、および、食品屑を取り除くことを確実にすることがとりわけ難しいメッシュを特に原因として生じる、きれいにすることが非常に難しいことに関連する欠点がある。さらに、そのようなバスケットは、比較的壊れ易いので、寿命が短いものである。
周知の第2のタイプのバスケットは、スタンピングによって得られるとともに、バスケットの底を貫通するか、あるいは、底および側壁の両方を貫通するかのいずれかで形成された一連の貫通孔を含んでいる金属バスケットにより形成されている。そのようなバスケットは、一般的に満足感を与えるものであり、きれいにすることも容易になし得る。しかしながら、食品との良好な熱交換を確実にする能力は、非常に変わり易く、コントロールすることが難しい。
バランスのとれたダイエットのためには、主な供給源をなす果実や野菜から、ビタミン、特にビタミンCの規則的な摂取が必要であることもまた公知である。この問題について行われた研究は、一般の人々における果実や野菜の消費量が、過去2、3年にわたって不十分であったことを示しているだけでなく、さらに、一般的な傾向がそのような消費量の相対的な低下方向にあることを示している。当該消費量の低水準や一般的な傾向を説明ないし明白にし得る複数の要因のうちの1つは、潜在的な消費者ないし消費者となる可能性のある人が、使用に際して、果実や野菜の消費量を制限しがちである一連の制約、特に、食料を頻繁に手に入れる必要があること、それら食料をきれいにしたり皮を剥いたりする必要があること、および、最終的に野菜に調理操作を実行する必要があることに直面することである。消極的ないし否定的に認められるこの制約は、調理のために必要とされる時間に関連する制約であると理解されている。
したがって、一般に、普通の食事状態を向上させたり、少なくとも悪化することを防いだりする要求があり、食品、特に野菜を調理するために必要とされる時間を短くすることを可能にする解決策のための調査が導かれた。
ビタミンは調理状態に対して非常に敏感であり、調理の間に完全にあるいは部分的に、破壊されたり、浸出ないし溶解されたり、分解ないし劣化されたりすることもまた公知である。一般に、種々のビタミンの中で、ビタミンCは、たとえ果実や野菜がビタミンCの食事摂取量の約85%に貢献するとしても、最も壊れ易い。したがって、野菜が調理された後、特に、圧力調理された後に、野菜におけるビタミンCのレベルをできるだけ高く保つことは極めて重要である。
野菜に含まれるビタミンCの調理における壊れ易さに関する既知の現象の中で、ビタミンCは、調理水により浸出ないし溶解されることに敏感である葉酸塩の形であるときに、水に可溶であるということを挙げることができる。浸出されることへのこの感度は、ビタミンの損失において非常に重要な要因であり、この要因は、関係する野菜の性質およびタイプに依存して変化する。さらに、ビタミンCは、温度に対して敏感であり、調理の間に適用される時間および温度に比例して破壊される。
最後に、ビタミンCは、酸化に対して敏感であり、したがって、空気との接触の増加に対応して分解ないし劣化される。
したがって、圧力なべのような加圧された調理器具の中で野菜を調理する間、種々のビタミン、特にビタミンCを保存する一般的な問題も存在する。
したがって、本発明に与えられる目的は、圧力なべでの圧力調理において使用するための新規な食品−クッキングバスケットを提供しようとするものであり、当該バスケットは、食品を調理するために必要とされる時間を減じることを可能とし、一方では、食品、特に野菜の中に存在する複数のビタミンを、浸出の現象を減らすことによって保存する。
本発明の他の目的は、設計および使用において特に単純で効果的である新規な食品−クッキングバスケットを提供しようとするものである。
本発明の他の目的は、圧力なべの種々の安全部材の作動を妨げることなく、圧力なべの密閉箱内での最適化された蒸気の循環を可能にする新規な食品−クッキングバスケットを提案しようとするものである。
図面の簡単な説明
本発明の他の目的および利点は、以下の説明を読み込むことで、および、限定されない例として与えられる添付図面を参照して、更に詳細に説明される。
ここで、
図1は、本発明の蒸気流量を調整するための手段を含むクッキングバスケットの斜視図、
図2および図2Aのそれぞれは、本発明の蒸気流量を調整するための手段と関連する底を有しているクッキングバスケットを示す破断的な断面図および側面図、
図3は、本発明の蒸気流量を調整するための手段と関連した本発明のバスケットの底の実施形態の詳細を示す破断的な断面図、
図4は、本発明のクッキングバスケットの破断的な平面図であり、この図においては、蒸気流量を調整するための手段の開口部が、バスケットの複数の貫通孔と整列されており、
図5は、本発明のクッキングバスケットを示している図4と同じ図であり、この図においては、蒸気流量を調整するための手段の開口部が、バスケットの複数の貫通孔との整列がすっかりなくなり前記貫通孔が完全にカバーされるような位置にあり、
図6は、重ね合わせた状態をなす本発明よる2個のクッキングバスケットを含んでいる本発明の圧力なべを示す断面図、
図7は、本発明のクッキングバスケット内での食品の温度上昇の均一性を示し、
図8は、図7のグラフと同等のグラフであり、従来技術のクッキングバスケット内に収容された食品の温度上昇の不均一性を示し、および、
図9および図10は、蒸気流量を調整するための温度に敏感である手段を使用している本発明の改変例を示す断面図であり、それぞれ、前記手段は作動位置および休止位置に示されている。
本発明を実行する最良の方法
本発明の食品−クッキングバスケットは、圧力なべタイプの食品−調理器具の中で使用され配置されるように設計されている。圧力なべは、クランプ型、爪型、差し込み型あるいはマンホール型であるかどうかに拘わらず、また、このリストに限定されることもない。
下記の説明において、本発明のクッキングバスケットは、円形バスケットの形状に有利に形成されているが、この形状に限定されるものではなく、本発明のクッキングバスケットは、本発明の範囲を越えることなく、円形以外の形状、例えば長方形形状、正方形形状などであり得る。
図1〜図6、図9および図10に示される食品−クッキングバスケット1は、圧力なべでの圧力調理に使用されるものであり、当該バスケット1の底2および側壁3を定めている剛性材料からなるシートによって構成され、前記シートには複数の貫通孔4が備えられている。
本発明の意味するところにおいて、剛性材料は、永続的におよび連続的に、食品と接触する圧力なべ内での使用に耐えることができ、継続的なおよび繰り返される洗浄作業を受けることができ、および、圧力なべの温度および圧力を上昇する操作を受けることが可能な、いかなる材料にも基づき得る。
有利には、剛性シート状材料は、金属からなり、有利にはステンレス鋼からなるが、それにもかかわらず、本発明の一般的な範囲を越えることなく、他のタイプの材料、特に、プラスチック材料が予見され得ることが理解されている。
本発明の重要な特徴によれば、複数の貫通孔4は、バスケットを構成し当該バスケットの総面積を形成しているシートの総面積の少なくとも30%を示すように、底2および側壁3を貫通して配置されている。
コンテナ本体を形成するシートの表面積と複数の貫通孔4との間の比を示しているこの割合未満では、バスケットを工業的に製作することが難しくなることが分かっている。とりわけ、調理時間を減らすことに関するとともにバスケット1内に収容された食品のビタミンを保持することに関する効果が、良好でなく有益なものとならない。
有利には、側壁3の複数の貫通孔4は、底2を覆うとともに、底2に隣接する側壁3の底部から定められた高さまで側壁の全周を実質的に占めるような実質的に規則的ないし均一な態様で、形成されている。
複数の貫通孔4が、クッキングバスケット1に存在する食品の深さと実質的に一致する定められた高さに至るまで、バスケット1の下方部分に位置するときに、ビタミン保持効果および調理時間の減少が一層著しくなることが分かっている。
好ましくは、複数の貫通孔4は、シートの総面積の少なくとも35%、好ましくは、35%〜58%を示している。
特に有利な態様において、図1〜図6、図9および図10で示すように、複数の貫通孔4は、底2および側壁3の全部をおよび貫通して、実質的に均一に分配されている。最良の結果は、バスケットの底2および側壁3のかなりの高さのところまで複数の貫通孔4を備えるバスケットで得られることが分かっている。
図1〜図6、図9および図10で示すように、好適な変形例において、側壁3における複数の貫通孔4は、全体の表面積が一様に穿孔されているクッキングバスケットを得るように、前記側壁3のトップエッジ6まで全面的に形成されている。
図に示すように、複数の貫通孔4は、有利には実質的に円形であり、少なくとも3ミリメートル(mm)、さらに好ましくは、3mm〜5mmの範囲に存在する直径あるいは相当直径を有している。それでも、本発明の範囲を越えることなく、複数の貫通孔4は他の形状およびより大きなサイズであり得る。
本発明の意味するところにおいて、「相当直径」という用語は、円形でない貫通孔4と同じ開口面積を有する円形の貫通孔4の直径を意味するために使用される。
円形形状あるいは円形形状でないにせよ、複数の貫通孔は、規則的な間隔で離れて配置されている。剛性材料からなるシートの厚さが、例えば、約0.4mm〜0.8mm、さらに好ましくは、約0.5mmである場合には、例えば、5mm〜8mmの範囲の規則的ないし均一なピッチで配置されている。
図に示すように、複数の貫通孔4は、規則的なラインに配置されたり、あるいは、相互に関連する貫通孔の幾何学的な配列に依存するT−、U−、M−、あるいはZ−形状として公知の好適な配列に配置されたりし得る。
特に図1〜図4、図9および図10に示すように、本発明の食品−クッキングバスケット1が特徴とするのは以下の点にある。つまり、複数の貫通孔4が底2および側壁3に形成され、前記バスケットは、貫通孔4を経てバスケットを通過する蒸気流量を調整するための手段20を備えている。前記手段は、少なくとも前記底2の複数の貫通孔4を通る蒸気の通過を調整するように底2と関連している。蒸気の通過の調整は、非連続的(まったく通過しないか、貫通孔4の断面ないし区域の全部を通って通過するか)、あるいは、連続的(貫通孔4を開閉する範囲が次第にないし漸次に調整される状態)であり得る。
食品、特に、それらの大きさやかさに対して相対的に非常に大きい熱交換区域を呈する野菜、例えば、ホウレン草あるいはグリーン豆さえ、水に浸らせることなく蒸気圧の下で調理するときに、バスケットの底2を貫通する複数の貫通孔4を塞ぐことによって、ビタミンC保存の改善自体がかなり向上することが分かっている。ビタミン保存におけるこの改善は、調理時間の増加を伴うことなく得られる(表1を参照のこと)。
有利には、調節手段20(図1〜図5)は、底に対して相対的に移動自在であり、複数の開口部21を有している。複数の開口部21は、利用者に対して、前記手段20の位置を調整することによって、複数の貫通孔4を完全に開放したり(図4)、それら複数の貫通孔を部分的に塞いだり、それら複数の貫通孔を完全に塞いだり(図5)することを可能にする。
調整手段20は、底2に対して相対的に動くために、いかなる従来の手段によっても取り付けられる。例えば、平行移動して動くために、例えば、中央ピボットピンあるいはいかなる同等の手段(例えば、リベットや他の手段)によって取り付けられる。調節手段20は、バスケット1の内側あるいは外側、すなわち、底2の上側あるいは下側に配置することに適している。有利には、調整手段20は、図に示すように、底2の下側に配置されている。
図に示すように、調整手段20は、前記底を実質的に完全に覆うために、底2の形状に合致した形状の片から有利に構成されている。示すように、調節手段20を形成する片は、底2の形状および構造に可能な限りぴったりと取り付ける。また、片は、本発明の範囲を越えることなく、平面であり得るし、波動形状や曲線形状でもあり得る。
調節手段20は、開口部を貫通孔4と整列した状態に至らせたり、貫通孔を完全にあるいは部分的に覆ったりすることをより容易なものにするために、少なくとも底2を貫通して存する貫通孔4のサイズおよび分布と同一のサイズおよび分布の複数の開口部21を備えている。
図に示すように、円形のバスケット1にあっては、調整手段20は、ディスク20A、例えば、金属ディスクあるいは高温に耐え得るいかなる材料からなるディスクによって形成されている。ディスクは平らで、開口部21は円形であり得る。
図2Aおよび図9に示すように、底2と側壁3との間の接合部は、一定の曲率、例えば、H/2以上の曲率半径Rを呈するように有利に形成されている。曲率半径を維持することは、調理蒸気に起因する内部の乱れを減少させる助けとなることが分かっている。さもなければ、その調理蒸気は、圧力なべの安全装置、特に安全ロックバルブ(または、複数の安全ロックバルブ)の正しいリフティング動作を妨げる傾向にあるかもしれない。
有利なことに、本発明のバスケット1は、直径D(バスケットの外側)および実質的に1/3 Dに等しい高さHを有する円形断面である。
有利なことに、調整手段20がディスクにより形成され、さらに、底2と側壁3との間の接合部が曲率半径Rを呈するときには、図2に示され得るように、ディスク20Aおよびその開口部21は、曲率半径Rの上の一部に伸びている。この特徴によれば、ディスクのエッジ部分22は、バスケットと同じ曲率半径Rを有利に有する環状の部分を形成している。ディスクおよびその開口部21は、曲線部分のほんの少しだけ、好ましくは約1/4 Rを覆って伸び、ぴったり作られたカップ状のものの直径dは、実質的に約3/4 Dである。
変形において、および本発明の範囲を越えることなく、調節手段20は、多孔質材料からなるシートやフィルムによって単に形成することができる。その多孔質材料は、底2における複数の貫通孔4を通って蒸気が流れる割合を減らす十分な多孔質性ないし小孔がたくさんある。そのような状況下で、シートの多孔性は、底2における複数の貫通孔4を通っての蒸気の通過を、その多孔性に依存して、完全にあるいは部分的に、遮ってあるいは妨げるために十分なものでなければならない。この変形において、利用者は、シートを動かすことによって、蒸気の流れを調整することはできず、蒸気が通過する程度は、シートの多孔性の関数として予め定められている。
しかしながら、利用者は、異なる多孔性を備えるいくつかのシートからなる一組を提供されることができ、食品の関数として、あるいは、所望の蒸気流量の関数として、圧力なべ内で底2に接触させて配置する。
図1〜図6、図9および図10に示すように、側壁3は、それらの頂端で曲線エッジ6によって終了しており、当該曲線エッジは、バスケットからその対称軸から離れて半径方向外方へ伸び、バスケットの全周を超える一定の幅すなわち一定の周囲の幅となっている。この特徴は、いかなる特定の角度割出しをも行うことなく、調理器具を圧力なべの容器内に配置することを可能としている。さらに、圧力なべの容器の内壁の形状に合致した連続的な曲線エッジ6の存在によって(バスケットの挿入のために必要とされるクリアランスを無視してある)、蒸気は、バスケットを通過するように押し込められ、したがって食品を通過し、これによって熱伝達が最適化される。
曲線エッジ6は、例えば金属からなる周辺リング7を有利に備えている。当該周辺リングは、バスケットの剛性を増加するとともにバスケットの仕上げを向上させるために、前記エッジに取り付けられ、前記エッジ上に折り曲げられている。
図1に示すように、本発明のバスケットは、ハンドル8を有し、当該ハンドル8は、図1に示されるハンドル−支持位置と、少なくとも一つの休止位置との間で回動するように付けられている。ハンドルは、休止位置では、バスケットのトップエッジ6の上に静止ないし載置されており、エッジの周辺上に実質的に続いている。この形状において、ハンドル8は、実質的に半円形状をなしている。
有利なことに、本発明によれば、ハンドル8は、実質的にその中心にグリップ部分9を含んでいる。当該グリップ部分は、当該グリップ部分が前記エッジ6の上に静止しないように、ハンドルの残りの部分に比べて、内側の方に引っ込められている。
グリップ部分9は、湾曲されており、バスケットの外側の方へ面する凹状部分9Aと、バスケットの内側の方へ面する凸状部分9Bとを定める一定の曲り部分を形成している。この特徴は、指を火傷させることを避ける一方、ハンドルをつかむことを非常に容易にする。
図9および10に示される変形例は、予め設定された温度に達すると直ぐに底における複数の貫通孔4を開放するために、温度に敏感である手段40を介して、調整手段20が底2に対して相対的に動くように取り付けられているという点で、他の変形例と異なっている。調整手段20は、バスケット1の内側に位置されたり、あるいは、バスケットの外側に位置されてバスケットの底2の外面に接触および覆ったりしている。調節手段20、例えば、中実の金属あるいはプラスチックのディスク20B(すなわち、開口部を有していないディスク)は、例えば、ピンによって、および/または、温度に対して敏感な手段によって、実質的に底2の中央部において、底2に接続され機械的に固定されている。調節手段は、2つの安定位置の間で相対的に反転可能に動くことが自由である。ディスク20Bが底2に接触して押圧する第1の位置(図10)は、調理の始まりでの休止位置(温度T1は、気温あるいは低温)に対応している。この位置では、ディスク20Bは、複数の貫通孔4を完全に閉じている。第2の位置(図9)は、ディスク20Bが底2から離れて間隔をあけられた位置である。第2の位置は、作動および調理位置(高温T2>T1)に対応し、そのときには、複数の貫通孔4は完全に開放されている。休止位置から作動位置への切り換えは、リバーシブルないし逆にでき、手段40の温度敏感性により達成される。有利には、前記手段は、さらされる温度に依存して形状や状態を変化させる手段、例えば、バイメタル片41である。調理温度の効果の下で、形状変更温度T2に達するとすぐに、バイメタル片41は、変形し(図9)、ディスク20Bを作動位置に動かす。
図6に示すように、クッキングバスケット1は、圧力調理を実行するために、カバー(図示せず)を備える圧力なべの容器10の中に配置される。
本発明の圧力なべは、容器10を有し、当該容器は、容器内にバスケット1を支持するための支持手段11を有している。前記支持手段11は、容器の壁10Aにあるいは壁から、半径方向に形成されている。これら複数の支持手段11は、当業者にとって周知であり、例えば、本件出願人の名における特許FR−2 783 685に開示されているように、壁をプレス加工したり変形したりすることによって得られる押込加工(あるいは同様の手段)により構成され得る。この形状において、本発明のクッキングバスケット1は、側壁3上の同じ高さのところで角ばって配置されている複数の支持手段11に対して、バスケットのリムないしエッジ6が載せられるように、容器10内に配置されている。
図6に示すように、支持手段11は、容器10の底10Bから、予め定められた十分な高さのところにあり、バスケット1を、前記底10Bおよび容器10に収容されたいかなる液体12からも少し離れたままの状態にしている。
本発明の重要な特徴によれば、本発明の圧力なべは、容器10を有し、当該容器は、少なくとも2つのクッキングバスケットを容器の内部において重ね合わせた形状に配置することを可能とするために、異なる複数の基準高さのところに配置される少なくとも2列の支持手段11を有している。この配列によって、上方位置に第1のバスケット1Aを配置し、下方位置に第2のバスケット1Bを配置することが可能であり、どちらのバスケットも液体12の供給に浸されることがない。これによって、単一のバスケットを使用する先行技術の場合のようにバスケット内の食品が混合されてしまうということなく、食品を蒸気−調理することが可能となる。
さらに、圧力なべの密閉箱内での蒸気の循環は、複数の貫通孔の密度を調整することによって、調整される。これによって、弁ロック装置のリフティング動作を妨げることなく、異なる調理を実行することが可能となる。
特に有利な態様において、本発明の圧力なべ用の食品−クッキングバスケットを製作する方法は、金属製シート、例えば、ステンレス鋼シートをスタンピングすることによって実行される。
下記の表1は、従来の先行技術のバスケットで調理したときと、本発明のバスケットで調理したときとの両方で、種々の野菜を蒸気調理する間に得られたビタミンC保存の結果を比較する。本発明のバスケットには、底2における複数の貫通孔4を完全に遮る本発明の調節手段20を有するもの(バスケットII)、あるいは、調節手段20のないもの(バスケットI)を含んでいる。
Figure 2005510276
先行技術のバスケットは、約3mmの複数の開孔を備える多孔金属製バスケットにより構成されている。前記複数の開孔は、バスケットの底に備えられ、バスケットの全表面積の20%以下を占めている。本発明のバスケットIは、図1〜図6、図9および図10に示される調節手段20のないバスケットと同様の形状をなし、直径が約5mmの一連の複数の開孔4を備えている。複数の開孔4は、トップエッジ6までバスケットの全表面にわたって一様に分配され、バスケットの領域の30%を示している。
その結果は、問題の野菜で得られる調理時間における節約が、調理時間が約57%〜83%減らされることを可能にする、ということを明らかに示している。
同様に、問題の野菜におけるビタミンC保存は、野菜に依存して変化した量の点で、より多くのビタミンCが保持されることが認められたので、かなり増大された。ビタミン貯留における改良が14%〜62%の範囲で得られることを可能にした。
これらの向上した結果は、本発明のバスケットの特定の形状と比較されなければならず、貫通孔4のサイズ、分布および密度は、蒸気の最適な動きを可能にするのに役に立っており、それによって、多量の野菜のすみからすみまで優れた熱交換を促進する。したがって、優れたビタミン貯留を得るために必要である、調理を急速および均一に行うことが可能となる。
本発明のバスケットIIは、本発明のバスケットIと同様のバスケットにより構成されているが、調節手段20を有することは、図2〜図5に示されている。
これらの結果は、図5に示すように、バスケットの底における複数の貫通孔4が調節手段20によって完全に閉じられているときには、ホウレン草のための調理時間を増大することなく、ビタミンC保存は、67%に代わって89%まで上昇(改善32%)したことを示している。同時に、調理水におけるビタミンCの量は、生ホウレン草の最初の含有量の11.4%から4.5%まで低下する。比較結果は、グリーン豆でも見つけ出され、一方では、他の野菜での効果はあまり顕著でないかあるいはまだ利用可能なものとはなっていない。
それにもかかわらず、ビタミン保存における相当な改善は、ブロッコリやカリフラワーのような浸出に敏感である他の野菜にとっても期待され得る。ここで、ビタミンCは、一般に、野菜の表面や、その花の中に含まれている。
この2つのバスケットは、上記に定めた2つのバスケットと同一の技術的特徴を有している。
バスケットの中央部に配置した4個のプローブによって、食品内の異なる複数の深さのところで、温度レベルを測定した。グラフから、本発明のバスケットにおいては、すべてのプローブの温度上昇は、調理の開始から測定した時間間隔t1=2分30秒〜t2=5分30秒を通じて、特に一様で、急速であったことが分かり得る。最終的な調理温度は、おおよそ、調理の5分30秒後から得られた。4つのすべてのプローブによって測定した温度が同一で約110℃に等しいことから、最終的な調理温度は、バスケット内の位置に拘わらず、食品内で十分に同等で一様であった。
これとは対照的に、従来技術のバスケットにおいては、食品の調理温度は、特に不均一であり、4つのすべてのプローブによる4つの温度曲線は、約15分の調理の後に、実質的に等しく(それでも完全ではないが)なっている。
試験中において、平均調理圧力は、約1.5バールであった。それぞれの圧力なべは、圧力が上昇する間に、蒸気が、圧力なべの密閉箱から排気されることを可能にするパージシステムが取り付けられている。
これらのグラフはまた、本発明のバスケットにおける温度の上昇速度を示している。平均動作圧力は約110℃に達したときであるとすると、多量の食品の全体は約110℃の平均動作温度となる。逆に、先行技術のバスケットにおいては、110℃の平均の温度は、操作の約14分〜15分の後にのみ得られた。
工業的応用の可能性
本発明は、圧力なべタイプの家庭用調理器具、さらにまた、前記器具との関連において用いられるクッキングバスケットの設計および製作において工業的応用の可能性がある。
図1は、本発明の蒸気流量を調整するための手段を含むクッキングバスケットの斜視図である。 図2および図2Aのそれぞれは、本発明の蒸気流量を調整するための手段と関連する底を有しているクッキングバスケットを示す破断的な断面図および側面図である。 図3は、本発明の蒸気流量を調整するための手段と関連した本発明のバスケットの底の実施形態の詳細を示す破断的な断面図である。 図4は、本発明のクッキングバスケットの破断的な平面図である。 図5は、本発明のクッキングバスケットを示している図4と同じ図である。 図6は、重ね合わせた状態をなす本発明よる2個のクッキングバスケットを含んでいる本発明の圧力なべを示す断面図である。 図7は、本発明のクッキングバスケット内での食品の温度上昇の均一性を示す図である。 図8は、図7のグラフと同等のグラフであり、従来技術のクッキングバスケット内に収容された食品の温度上昇の不均一性を示す図である。 図9は、蒸気流量を調整するための温度に敏感である手段を使用している本発明の改変例を示す断面図であり、前記手段は作動位置に示されている。 図10は、蒸気流量を調整するための温度に敏感である手段を使用している本発明の改変例を示す断面図であり、前記手段は休止位置に示されている。

Claims (13)

  1. 圧力なべにおける圧力調理用の食品−クッキングバスケットであって、バスケットは、当該バスケット(1)の底(2)および側壁(3)を定めている剛性材料のシートから形成され、前記シートは、複数の貫通孔(4)が備えられているバスケットにおいて、複数の貫通孔(4)は、底(2)および側壁(3)を貫通して形成され、前記バスケットは、複数の貫通孔(4)を通ってバスケット(1)を通過する蒸気の流量を調整するための手段(20)を備え、前記手段は、少なくとも底(2)における複数の貫通孔(4)を通る蒸気の流量を調整することが可能なように、底(2)と関連していることを特徴とするバスケット。
  2. 調節手段(20)は、底(2)に対して相対的に移動自在であり、さらに、当該手段の位置を調整することによって、複数の貫通孔4を完全あるいは部分的に開放したり、それら複数の貫通孔を完全に塞いだりする複数の開口部(21)を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のバスケット。
  3. 調節手段(20)は、少なくとも底(2)における貫通孔(4)のサイズおよび分布と同一のサイズおよび分布の複数の開口部(21)を備えていることを特徴とする請求項2に記載のバスケット。
  4. 調整手段(20)は、予め設定された温度に達すると直ぐに底を貫通する複数の貫通孔(4)を開放し得るような温度に敏感である手段(40)を介して、底(2)に対して相対的に動きまた底を覆うように取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のバスケット。
  5. 温度に敏感である手段(40)は、バイメタル片により構成されていることを特徴とする請求項3に記載のバスケット。
  6. 調整手段(20)は、底(2)を実質的に完全に覆うために、底(2)の形状に合致した形状の片から形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載のバスケット。
  7. バスケットは円形形状であり、調整手段(20)はディスク(20A、20B)により形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載のバスケット。
  8. 底(2)と側壁3との間の接合部が曲率半径Rを呈し、ディスク(20A、20B)およびその開口部(21)は、その湾曲部分の上の一部に伸びていることを特徴とする請求項7に記載のバスケット。
  9. ディスク(20A)およびその開口部(21)は、1/4 Rを占めていることを特徴とする請求項8に記載のバスケット。
  10. 複数の貫通孔(4)は、シートの少なくとも30%、好ましくは35%〜58%を示すように、底(2)および側壁(3)を貫通して形成され、前記複数の貫通孔は、少なくとも3mmの相当直径を呈していることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一つに記載のバスケット。
  11. 調節手段(20)は、底(2)における複数の貫通孔(4)を通っての蒸気の通過を減じるのに十分な多孔性を有する多孔質材料からなるフィルムによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバスケット。
  12. 調節手段(20)は、バスケットの内側あるいは外側で、底(2)の上側にあるいは下側に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一つに記載のバスケット。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか一つに記載のバスケットが取り付けられる圧力なべ。
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