JP4397137B2 - 磁気共鳴撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴撮像装置に係り、例えば、連続撮影を行いながら被検体である患者の生体内に挿入された穿刺針等の侵襲デバイスをモニタリングする磁気共鳴撮像装置に好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴撮像装置(MRI装置)は、生体に均一な静磁場を作用させた状態で高周波磁場パルスを照射し、生体中の水素や燐などの原子核を励起させ、この励起により発生する核磁気共鳴信号(NMR信号)を計測し、それら水素や燐の密度分布あるいは緩和時間分布等の磁気共鳴情報に基づいて、生体内の計測領域を画像化することにより、医療診断に資する装置である。
【0003】
近年、MRI装置による透視下で検査や治療を行うI−MRI(Interventional MRI)がその低侵襲性や入院期間の短縮等のメリットにより注目を集めている。例えば、生検法(Biopsy)やレーザ治療などでは、針状の形状を持つ穿刺針等を患者の体表から患部に向かって挿入し、患部に到達したところで検体採取や加熱治療を行っている。このような手技を行うには、穿刺針が患者の体内でどの方向に、どれだけの距離を進んだかをモニタすることが必要であり、そのモニタを実施するためにMRIの撮影機能が利用される。すなわち、MRI装置を用いて穿刺針の進行状況を短い時間間隔で連続的に撮像を行い、得られた画像上で針の進行を確認するものである。
【0004】
このようなモニタを実施するにあたっては、相応の空間分解能を保ちつつ、準リアルタイムで穿刺針の進行を描出する必要から高速撮像法が必要となる。MRIの高速撮像法は、従来より複数のタイプものが知られている。そのうち、高速スピンエコー法(高速SE法)は、横緩和(T2)減衰による画像のボケが生じることや、画像上で針径が小さく確認しにくいという問題がある。またエコープラナー法(EPI法)は、磁化率(Susceptibility)に対する敏感さから、生体内の磁化率分布が不均一な領域では画像の歪みが生じやすく、患部の形状を正確に描出することを目的とするには不適当である。
【0005】
一方、定常自由歳差運動(SSFP:Steady State Free Precession)状態を利用する高速グラジエントエコー法(以下「SSFP−GE法」とする)は、高速SE法やEPI法の持つ弱点を基本的にもたないため、I−MRIのモニタ用途に適し、すでに実施されている。このSSFP−GE法においては、モニタリングのためのパルスシーケンスサイクル開始直前に静磁場強度あるいは静磁場強度に対応する共鳴周波数を計測し、その共鳴周波数の計測結果を用いてその後に実施されるパルスシーケンスの制御、特に高周波磁場パルスの周波数制御や位相制御を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のSSFP−GE法では、モニタリングのためのパルスシーケンスサイクルが比較的長時間に渡り継続する場合においても、その途中において磁場強度あるいは磁場強度に対応する共鳴周波数を計測するプロセスが含まれていない。このような場合でも従来のモニタリングにおいて大きな問題が生じなかったのは、SSFP−GE法で使用されていたのがSSFPインコヒーレント(Incoherent)タイプのシーケンスであったことによる。
【0007】
これに対し、より鮮明な画像を提供するSSFPコヒーレント(Coherent)タイプのシーケンスは、磁場の不均一や変動に敏感で、静磁場不均一があると画像上に強い低信号の帯であるアーチファクトが生じる。しかも、連続的に撮像する場合、各画像におけるアーチファクトの位置が変化する。これは、静磁場変動や傾斜磁場印加により1TR間(高周波磁場パルス照射から次の高周波磁場パルス照射までの時間)にスピン位相が回転する角度(Resonance offset Angle、以下「ROA」とする)が変化し、その結果アーチファクトの出現位置が変動するためである。そのため、あるタイミングで撮像した画像の穿刺針が、他のタイミングでは位置変動したアーチファクトに隠れて確認できない場合が生じるおそれがある。
【0008】
本発明は、磁気共鳴撮像装置の画像に現れるアーチファクトの位置が動くのを抑えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の磁気共鳴撮像装置は、静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高周波磁場パルス照射手段と、被検体から発生する磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記静磁場発生手段と前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場パルス照射手段と前記受信手段とを制御して撮像シーケンスを実行するシーケンサと、前記磁気共鳴信号に基づいて画像を再構成する信号処理手段とを備えた磁気共鳴撮像装置において、前記高周波磁場パルスの照射位相を補正する補正手段を設け、該補正手段は、前記被検体の複数枚の画像を連続的に撮像するシーケンスを実行する際に、一枚の画像の撮像シーケンス実行途中または一枚若しくは複数枚の画像の撮像シーケンスの合間に、静磁場強度に対応する共鳴周波数を求め、該共鳴周波数に基づいて静磁場強度の変動に起因する原子核スピン位相の変化分を求め、該変化分に応じて前記高周波磁場パルスの照射位相を補正することを特徴とする。
【0009】
このような構成とすることにより、静磁場の変動により原子核スピンの位相が変化した場合でも、原子核スピンに対する高周波磁場パルスの照射位相を一定に維持することができ、アーチファクトの出現位置の変動を抑えることができる。
【0010】
また、これに代えて、静磁場強度の変動による原子核スピン位相の変化分に応じて共鳴信号の位相のずれを補正して画像化することにより、アーチファクトの出現位置の変動を抑えることができる。
【0011】
また、高周波磁場パルス照射手段は、被検体の生体組織を構成する原子の原子核のスピンを定常自由歳差運動の状態を保持するように、高周波磁場パルスを照射することが好ましい。定常自由歳差運動、すなわちスピンの定常状態であるSSFP状態を維持することにより、画質の劣化を抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は一実施形態の撮像シーケンスを示す図、図2はアーチファクトの出現位置変動の様子を説明する図、図3は一実施形態の磁気共鳴撮像装置の全体構成を示すブロック図である。
図3に示すように、磁気共鳴撮像装置は、静磁場発生回路1、傾斜磁場発生系2、送信系3、受信系4、信号処理系5、シーケンサ6、及び中央処理装置(CPU)7等を備えて構成される。静磁場発生回路1は、被検体9が置かれる空間に均一な静磁場を発生させるものである。その静磁場の方向は、通常、被検体9の体軸方向又は体軸に直交する方向である。また、静磁場発生回路1は、永久磁石を用いて形成されている。傾斜磁場発生系2は、直交3軸(X、Y、Z)方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル10と、その傾斜磁場コイル10の駆動電流を供給する傾斜磁場電源11を有して構成されている。傾斜磁場電源11は、シーケンサ6の命令に従って直交3軸(X,Y,Z)方向の傾斜磁場Gs、Gp、Grを被検体9に印加するようになっている。この傾斜磁場の与え方によって断層像のスライス面を設定することができる。シーケンサ6はCPU7の制御により動作し、パルスシーケンスと称される撮像シーケンスに従って、傾斜磁場発生系2、送信系3、受信系4等に命令を送り、断層像を撮像するのに必要な制御を実行するものである。
【0013】
送信系3は、高周波磁場パルスにより被検体9の生体組織を構成する原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場パルスを照射するもので、高周波発振器12、変調器13、高周波増幅器14及び高周波照射コイル15を有して構成されている。そして、送信系3は、シーケンサ6の命令に従って、高周波発振器12から出力される高周波磁場パルスを変調器13で振幅変調し、さらに高周波増幅器14で増幅した後、高周波照射コイル15に供給して高周波磁場パルス(RFパルス)を被検体9に照射するようになっている。
【0014】
受信系4は、被検体9の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号などの磁気共鳴信号を検出するもので、受信側の高周波受信コイル16、増幅器17、直交位相検波器18及びA/D変換器19を有して構成される。高周波受信コイル16により受波された磁気共鳴信号は増幅器17で増幅され、直交位相検波器18で検波された後、A/D変換器19でディジタル信号の計測データに変換される。なお、シーケンサ6の制御によるタイミングで直交位相検波器18により位相を90°ずらしてサンプリングされた二系列の計測データは、信号処理系5に送られる。
【0015】
信号処理系5は、CPU7、ROM20、RAM21、光磁気ディスク22、CRTなどのディスプレイ23及び磁気ディスク24を有して構成される。CPU7は、入力される計測データをフーリエ変換処理を含む画像再構成処理を行い、任意断面の信号強度分布あるいは所定の処理をした画像を作成して、ディスプレイ23に断層像として表示するようになっている。ROM20は、経時的な画像解析処理及び計測を行なうプログラムや、その実行に用いる不変のパラメータなどを記憶する。RAM21は、前計測で用いた計測パラメータや、送信系4で検出したエコー信号、及び関心領域設定に用いる画像を一時保管すると共に、その関心領域を設定するためのパラメータなどを記憶する。光磁気ディスク22及び磁気ディスク24は、CPU7により再構成された画像のデータを記録する。ディスプレイ23は、光磁気ディスク22及び磁気ディスク24に格納されている画像データを映像化して断層像として表示する。
【0016】
特に、本発明の特徴部に係る機能として、CPU7は、静磁場強度に対応する共鳴周波数の計測をする機能を備えている。またCPU7は、求めた共鳴周波数から静磁場強度の変動による原子核スピン位相の変化分を演算する機能を備えている。また、シーケンサ6は、SSFP コヒーレント タイプのパルスシーケンスを実行する機能を備えると共に、CPU7により演算された原子核スピン位相の変化分に起因する高周波磁場パルスの照射位相のずれを補正するように、送信系3を制御する機能を有している。
【0017】
操作部8は、信号処理系で実行する処理の制御情報を入力するものであり、例えば、トラックボール又はマウス25やキーボード26を備えて構成される。
【0018】
このように構成される磁気共鳴撮像装置(MRI装置)を用いて、被検体のMR画像を撮像する方法について説明する。現在、臨床で普及している計測対象は、被検体の主用な構成物質であるプロトンの密度分布や励起状態の緩和現象の空間分布である。これらの空間分布を画像化することにより、人体の頭部、腹部、四肢等の形態又は機能を2次元又は3次元的に画像化して診断に資することができる。
【0019】
撮像はパルスシーケンスと称される撮像シーケンスに従って行われる。図1に、本実施形態の撮像シーケンスを示す。本実施形態では、SSFP コヒーレントタイプと呼ばれるパルスシーケンスを用いている。図は、上から順に、高周波磁場パルスRF、スライス選択傾斜磁場Gs、位相エンコード傾斜磁場Gp、リードアウト傾斜磁場Gr、信号(NMR信号)、サンプリィングウインドADをそれぞれ示し、縦軸はそれらの強度を、横軸は時間を示している。図1のパルスシーケンスサイクル31、33は、連続的に複数画像を撮像する際、それぞれ1画像を撮像するためのシーケンスサイクルを示す。すなわち、パルスシーケンスサイクル31を繰り返すことにより第一の画像が得られ、同様にパルスシーケンスサイクル33を繰り返すことにより第二の画像が得られることを示す。
【0020】
図1はシーケンスの内容が煩雑になるので簡略化しているが、以下これを詳細に説明する。パルスシーケンスサイクル31の高周波磁場パルス37を照射することにより、原子核の磁気モーメントの総和である巨視的磁化は、α°(αは任意の角度だが、典型的には30°〜90°)の励起角度を有することになる。このとき高周波磁場パルス37は、回転座標系で巨視的磁化に対して一定の位相、すなわち一定の方向(本実施形態ではX軸方向)から照射するように制御されている。そして、高周波パルス37と共に所望のスライス位置に対応したスライス選択傾斜磁場Gs(以下「Gs」とする)パルス45,47,49を発生して被検体に印加する。これにより被検体中の例えばプロトンが励起され、被検体からNMR信号、すなわち核磁気共鳴信号が発生する。このNMR信号89に空間位置情報である位相エンコード傾斜磁場Gp(以下「Gp」とする)パルス69、71を印加した後、リードアウト傾斜磁場Gr(以下「Gr」とする)パルス77、79、81を印加する。このGrパルス77、79、81の印加期間内に、サンプリングウインド95に合わせてNMR信号89をサンプリングする。そして、サンプリング後は再び、高周波磁場パルス39を照射すると共に、Gsパルス51、53、55を印加する。発生したNMR信号にGpパルス69,71およびGrパルス77,79,81を印加する。そして、Grパルスの印加期間内にサンプリングウインド95に合わせてNMR信号89をサンプリングする。そして、再度高周波磁場パルス37の照射に戻り、同様の手順を繰り返す。高周波磁場パルス37と39は、SSFP状態を維持すべく一定の時間間隔TRで照射される。また、Gpパルスの図の横に矢印で示したように、Gpパルス69は、最小値から最大値に向かってシーケンスサイクル毎にステップ状に強度を変えながら所定の回数(例えば128回)繰り返し、Gpパルス71は、逆に最大値から最小値に向かって強度を変化させ、その都度NMR信号を計測する。このようにして、パルスシーケンスサイクル31で第一の画像が得られる。
【0021】
パルスシーケンスサイクル33でも同様に、高周波磁場パルス41と43を繰り返し時間TRで照射する。すなわち、高周波パルス41を照射すると共に、Gsパルス57、59、61を印加し、発生したNMR信号にGpパルス73、75とGrパルス83,85,87を印加してNMR信号93をサンプリングする。そして、次に高周波磁場パルス43を照射して、同様に、Gs、Gp、Grの各パルスを印加してNMR信号93をサンプリングする。この繰り返しにより、第二の画像を得る。
【0022】
本実施形態のパルスシーケンスは、一般にSSFP コヒーレントタイプとよばれるパルスシーケンスである。これらのシーケンスでは、Gsパルス、Gpパルス、Grパルスのいずれも1TRにおける時間積分値が0となる。すなわち、SSFP コヒーレントタイプのパルスシーケンスでは、1TR中にすべての軸の傾斜磁場パルスの時間軸についての積分値が0となることが特徴である。Gsパルス45、47、49の面積比は、1:2:1で、他のGsパルスも同様で、1TR内での時間積分値が0となる。Gpパルス69と71は互いに逆符号で大きさは同一であるように設定しているため、Gpパルスについても1TR内での時間積分値は0となる。この関係は、他のGpパルスでも同様である。Grパルス77,79,81は、面積比が例えば1:2:1となっており、この関係は他のGrパルスでも同様で、1TR内での時間積分値が0となる。
【0023】
パルスシーケンス35は、本実施形態のパルスシーケンスの特徴部であり、磁場強度に対応する共鳴周波数を計測するパルスシーケンスである。このパルスシーケンスでは、Gsパルスの印加パターンは、撮像シーケンスの31、33と同等であるが、共鳴周波数を計測するためのものであるから、少なくともGrパルスは印加されない。サンプリングウインドADに記した信号読み出し97で、磁気共鳴信号91を計測し、その結果をフーリエ変換することにより、静磁場強度に対応した共鳴周波数を求めることができる。
【0024】
次に、本実施形態のパルスシシーケンスを実行する際の特徴を説明する。パルスシーケンスサイクル31の実行時において、静磁場強度に対応する共鳴周波数をf0とする。パルスシーケンスサイクル33およびパルスシーケンス35の実行時には、静磁場強度が変化し、変化後の静磁場強度に対応する共鳴周波数を(f0+Δf)とする。パルスシーケンスサイクル31では、予め確認された静磁場強度に対応する共鳴周波数f0に基づいて位相制御を行い、サイクル中の全ての高周波パルスを一定の方向、すなわち回転座標系のX軸方向に照射する。この場合、TRがf0の逆数の整数倍に一致するようにすると、高周波パルスの基本波を常に同一の初期位相で照射することにより、スピンは常に一定の方向に励起される。
【0025】
ところが、静磁場強度の変化等があると、1TR間にスピン位相が回転する角度、すなわちROAが変化する。この場合、なにも対処せずにパルスシーケンス33を実行すると、画像上に強い低信号の帯であるアーチファクトが出現し、その出現位置が変動する。図2は、同一のパルスシーケンス制御条件下で、静磁場強度の変化によりアーチファクトの出現位置が移動する様子を説明した図で、説明を分かりやすくするために、X方向に1次の磁場不均一が存在する場合を示している。画像(a)、(b)は、撮影視野(Field of View、FOV)101において円形断面の被撮像物103を撮像したもので、画像上の同一位置において互いにROAが約180°の差を有し、それぞれ低信号帯のアーチファクト105,107が発生している。このようなアーチファクトの移動が生じた場合、あるタイミングで撮像した画像上では穿刺針が確認できても、他のタイミングでは低信号帯アーチファクトに隠れて穿刺針が確認できない場合がおこる。
【0026】
そこで、パルスシーケンスサイクル31と33の間において、パルスシーケンス35を実行して、磁気共鳴信号を計測し、静磁場強度変化後の共鳴周波数である(f0+Δf)を求める。そして、求めた共鳴周波数から、パルスシーケンスサイクル33におけるスピンのROAと同等にした高周波パルスの照射位相が求められる。具体的には、高周波パルスの基本波の初期位相を照射毎に(2π×Δf×TR)ずつインクリメントしていくことにより、高周波パルスを一定方向から照射、すなわちX軸方向からの照射を維持することができ、アーチファクトの移動を抑えることができる。
【0027】
パルスシーケンス35の高周波パルス39の照射は、パルスシーケンスサイクル31と33と同様に、TRの時間を維持して行う。すなわち、高周波パルス39は、パルスシーケンスサイクル31の最後に照射された高周波磁場パルス37からTR時間後に照射することになる。このように照射することにより、画像を撮像するためのパルスシーケンスサイクル31と33の間にパルスシーケンス35を挿入しても、SSFP状態を崩すことなく静磁場強度に対応共鳴周波数を測定することができる。
【0028】
本実施形態では、パルスシーケンス35をパルスシーケンスサイクル31と33の間に1回のみ挿入したが、これに限定するものでなくパルスシーケンスサイクル31と33の実行途中に1回以上挿入してもよい。また、複数のパルスシーケンス35を挿入した場合、それらすべてで磁気共鳴信号を計測する必要はない。また、3枚以上の磁気画像を撮像する場合には、各画像に対応するパルスシーケンスサイクルに対応してパルスシーケンス35を実施する必要はなく、複数の撮像のためのパルスシーケンスサイクル単位でパルスシーケンス35を1回以上挿入し、それらのうちの1回以上のパルスシーケンスで磁気共鳴信号を計測し、静磁場強度に対応する共鳴周波数を求めて、高周波パルスの照射位相を制御しても本実施形態と同等の効果が得られる。
【0029】
また、本実施形態においては、パルスシーケンスサイクル31、33でSSFP コヒーレントタイプのパルスシーケンスを用いたが、SSFP インコヒーレントタイプのパルスシーケンスを用いても、SSFP状態を崩すことなくモニタリング中の静磁場強度を計測できる。
【0030】
また、本実施形態では、変化後の静磁場強度に対応する共鳴周波数を測定し、測定結果に基づいて高周波パルスの照射位相を制御したが、これに代えて変化後の磁場強度を測定して変化後の静磁場強度に対応する共鳴周波数を演算で求めてから、高周波パルスの照射位相を制御してもよい。
【0031】
さらに、本実施形態では、高周波パルスの照射位相を制御することによりアーチファクトの移動を抑えたが、これに代えて静磁場強度の計測または静磁場強度に対応する共鳴周波数の計測により求めた共鳴周波数により、静磁場強度の変動による原子核スピン位相の変化分を求め、該変化分に起因する共鳴信号の位相のずれを補正して画像化することにより、アーチファクトの出現位置の変動を抑えることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、磁気共鳴撮像装置の画像に現れるアーチファクトの位置が動くのを抑えることができる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の撮像シーケンスを示す図である。
【図2】アーチファクトの出現位置が移動する様子を説明した図である。
【図3】本発明に係る一実施形態の磁気共鳴撮像装置の全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 静磁場発生回路
2 傾斜磁場発生系
3 送信系
4 受信系
5 信号処理系
6 シーケンサ
7 CPU
8 操作部
9 被検体
10 傾斜磁場コイル
15 高周波照射コイル
31、33 パルスシーケンスサイクル
35 パルスシーケンス
37、39、41、43 高周波磁場パルス
45、47、49、51、53、55 スライス傾斜磁場パルス
69、71 位相エンコード傾斜磁場パルス
77、79、81 リードアウト傾斜磁場パルス
89、91 磁気共鳴信号
95、97 信号読み出し
Claims (2)
- 静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高周波磁場パルス照射手段と、被検体から発生する磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記静磁場発生手段と前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場パルス照射手段と前記受信手段とを制御して撮像シーケンスを実行するシーケンサと、前記磁気共鳴信号に基づいて画像を再構成する信号処理手段とを備えた磁気共鳴撮像装置において、
前記高周波磁場パルスの照射位相を補正する補正手段を設け、該補正手段は、前記被検体の複数枚の画像を連続的に撮像するシーケンスを実行する際に、一枚の画像の撮像シーケンス実行途中または一枚若しくは複数枚の画像の撮像シーケンスの合間に、静磁場強度に対応する共鳴周波数を求め、該共鳴周波数に基づいて静磁場強度の変動に起因する原子核スピン位相の変化分を求め、該変化分に応じて前記高周波磁場パルスの照射位相を補正することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。 - 請求項1において、前記高周波磁場パルス照射手段は、前記被検体の生体組織を構成する原子の原子核のスピンを定常自由歳差運動の状態を保持するように、高周波磁場パルスを照射することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
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