以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(1)構成及び全般動作
図1は、本実施形態における磁気共鳴撮像装置1の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、磁気共鳴撮像装置1は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石22、静磁場用磁石22の内側において軸を同じにして設けられた筒状のシムコイル24、傾斜磁場コイル26、全身用送受信コイル28、制御系30、被検体(患者)Pが乗せられる寝台等を備えている。また、磁気共鳴撮像装置1は、全身用送受信コイル28の他、1つまたは複数の受信コイル(図示せず)を有している。さらに、制御系30は、静磁場電源40、シムコイル電源42、傾斜磁場増幅ユニット44、RF送信器46、RF受信器48、シーケンスコントローラ56、コンピュータ58等を備えている。また、コンピュータ58は、その内部構成として、演算装置60、入力装置62、表示装置64、記憶装置66等を有している。
静磁場用磁石22は静磁場電源40に接続され、静磁場電源40から供給される電流により撮像空間に静磁場を形成させる。シムコイル24はシムコイル電源42に接続され、シムコイル電源42から供給される電流により静磁場を均一化する。静磁場用磁石22は、超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源40に接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。なお、静磁場電源40を設けずに、静磁場用磁石22を永久磁石で構成してもよい。
傾斜磁場コイル26は、X軸傾斜磁場コイル26x、Y軸傾斜磁場コイル26y、およびZ軸傾斜磁場コイル26zを有し、静磁場用磁石22の内側で筒状に形成されている。
静磁場用磁石22、シムコイル24、傾斜磁場コイル26、全身用送受信コイル28等は、円筒状の撮像空間を有する架台に収納される。
傾斜磁場増幅ユニット44は、X軸傾斜磁場増幅ユニット44x、Y軸傾斜磁場増幅ユニット44y、およびZ軸傾斜磁場増幅ユニット44zとで構成されている。X軸傾斜磁場コイル26x、Y軸傾斜磁場コイル26y、およびZ軸傾斜磁場コイル26zはそれぞれ、X軸傾斜磁場増幅ユニット44x、Y軸傾斜磁場増幅ユニット44y、Z軸傾斜磁場増幅ユニット44zに接続されている。
RF送信器46は、シーケンスコントローラ56から入力される制御情報に基づいて、核磁気共鳴を起こすためのラーモア周波数のRFパルスを生成し、これを全身用送受信コイル28(WBC:whole body coil)に出力する。全身用送受信コイル28からRFパルスが被験体(患者)に向けて送信されると、被検体からMR信号が発せられ、全身用送受信コイル28はこのMR信号を受信する。
全身用送受信コイル28で受信したMR信号は、信号ケーブルを介してRF受信器48に供給される。また、被検体Pの近傍に設置される受信コイルで受信したMR信号も信号ケーブルを経由して、RF受信器48に供給される。
RF受信器48は、受信したMR信号に対して、前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D(analog to digital)変換を施すことで、デジタル化された複素データである生データ(raw data)を生成する。RF受信器48は、生成したMR信号の生データをシーケンスコントローラ56に出力する。
シーケンスコントローラ56は、コンピュータ58の演算装置60の制御に従って、設定されたパルスシーケンスを含む撮像条件に対応する傾斜磁場Gx、Gy,GzおよびRFパルスを発生させるためのデータ列や制御情報を生成し、これらを各傾斜磁場増幅ユニット44x、44y、44zやRF送信器46に出力する。
また、シーケンスコントローラ56は、これらの傾斜磁場Gx、Gy,GzおよびRFパルスに応答して受信されたMR信号を、生データ(raw data)としてRF受信器48から入力し、演算装置60に出力する。
演算装置60は、磁気共鳴撮像装置1全体の制御を行う他、ユーザ操作によって入力装置62から入力された種々の設定情報に基づいて、各種のパルスシーケンスを含む撮像条件の設定や変更を行い、設定或いは変更された撮像条件に基づいてシーケンスコントローラ56を制御する。また、演算装置60は、シーケンスコントローラ56から入力した生データに対して、逆フーリエ変換等を含む再構成処理を行って画像データを生成する。
コンピュータ58の演算装置60はプロセッサ等を備えて構成され、記憶装置66に保存されるプログラムコードを実行することによって、上述した各機能、及び以下に説明する各機能を実現する。
(2)バンディングアーティファクト回避のための機能構成
図2は、実施形態の磁気共鳴撮像装置1の機能構成のうち、特に、バンディングアーティファクト回避の処理に関する機能構成例を示すブロック図である。
実施形態の磁気共鳴撮像装置1は、コンピュータ58で実現する上記機能構成として、ユーザインターフェース100、撮像条件設定部(本スキャン)102、撮像条件設定部(準備スキャン)104、準備スキャン実行部106、本スキャン実行部108、表示部110等を有する。これらの機能は、例えば、コンピュータ58の演算装置60が有するプロセッサが所定のプログラムコードを実行することによって実現されるが、この他、ハードウェアで実現してもよいし、またハードウェアとソフトウェアを組み合わせて実現しても良い。
ユーザインターフェース100は、表示装置64に表示される入力画面を使用しつつ、マウスやキーボード等からなる入力装置62によって入力情報に基づいて、撮像条件を含む種々のデータや指示情報等を本装置に設定する。
撮像条件設定部(本スキャン)102は、ユーザインターフェース100を介して入力された各種情報に基づいて、本スキャンのパルスシーケンスに関する各種の情報や、本スキャンで撮像する撮像断面や解像度等に関する情報を撮像条件として設定する。ここで、本スキャンとは、診断画像を得るためのスキャンである。
設定された本スキャンの撮像条件は、シーケンスコントローラ56に出力され、RF送信器46に対するRFパルスのパラメータや、傾斜磁場増幅ユニット44に対する傾斜磁場のパラメータを決定する元情報となる。また、撮像条件設定部(本スキャン)102で設定された撮像条件は、本スキャン実行部108にも出力される。
一方、撮像条件設定部(準備スキャン)104は、撮像条件設定部(本スキャン)102で設定された撮像条件を、一部の例外を除き、ほぼそのまま準備スキャンの撮像条件として設定する。ここで、上記一部の例外の主たるものは、準備スキャンにおけるRFパルスの中心周波数である。
ユーザインターフェース100は、後述するように、準備スキャンにおけるRFパルスの中心周波数をリアルタイムで変更することができるようにも構成されている。
そして、撮像条件設定部(準備スキャン)104では、ユーザがリアルタイムに変更する中心周波数情報を、準備スキャンにおけるRFパルスの中心周波数として設定し、この中心周波数を、シーケンスコントローラ56を介してRF送信器46に出力する。
準備スキャン実行部106は、ユーザがリアルタイムに変更する中心周波数情報と、撮像条件設定部(本スキャン)102で設定された撮像条件を用いて、準備スキャンを連続的に繰り返し行う。そして、準備スキャンで収集されたデータをリアルタイムで再構成して準備画像を生成する。
表示部110は、生成された準備画像をリアルタイムで表示し、ユーザに提供する。ユーザが中心周波数を変えると、後述するように、バンディングアーティファクトの発生位置は変化し、バンディングアーティファクトが関心領域(ROI)から回避された状況が、表示部110に表示される準備画像上で観測される。この状態でユーザが適宜の操作を行うと、例えば、準備スキャンを終了させる操作を行うと、その時の中心周波数が、最適中心周波数として、撮像条件設定部(本スキャン)102に設定される。
その後、本スキャン実行部108は、設定された最適中心周波数と、予め設定されている本スキャンの撮像条件を使用して本スキャンを実行し、この本スキャンによって、バンディングアーティファクトが回避された、診断用の画像を再構成し、表示部110に出力する。
図3及び図4は、本実施形態に係る磁気共鳴撮像装置1で取り扱うバンディングアーティファクトの概念を説明する図である。
前述したように、バンディングアーティファクトは、主にSSFP法を用いた撮像で発生し、磁場不均一性によって発生するアーティファクトである。図3(a)、(b)に例示するように、帯状のアーティファクト(バンディングアーティファクト)は、FOV(Field of view)内に周期的に発生する。心臓等の関心領域(ROI:Region Of Interest)にバンディングアーティファクトが重なると、画像診断上、支障をきたすことなる。
バンディングアーティファクトの出現周期(即ち、バンディングアーティファクトの発生間隔)は励起パルスの繰り返し時間TRに依存し、繰り返し時間TRが大きくなるとバンディングアーティファクトの間隔は短くなり(図3(a))、逆に繰り返し時間TRが小さくなるとバンディングアーティファクトの間隔は長くなる(図3(b))。
バンディングアーティファクトの間隔を長くした方が、バンディングアーティファクトがROIに重なる可能性が低くなるため、なるべく短い繰り返し時間TRを設定した方が、バンディングアーティファクト回避の観点からは有利である。
一方、図4(a)−図4(d)に例示するように、送信RF波の中心周波数F0をシフトさせると、これに伴ってバンディングアーティファクトの出現位置もシフトする。したがって、バンディングアーティファクトがROIに重なった場合でも、中心周波数を適切な量だけシフトさせれば、図4(d)に示すように、バンディングアーティファクトとROIが重ならない状態にすることができる。
本実施形態では、ユーザが中心周波数をリアルタイムで変えつつ、変更された中心周波数で撮像した準備画像をユーザが観察し、バンディングアーティファクトとROIが重ならない中心周波数を容易に見出すことができようにしている。
以下、バンディングアーティファクトの回避に係る、本実施形態の磁気共鳴撮像装置1の動作について具体的に説明する。
(3)バンディングアーティファクトの回避に関する動作(第1の実施形態)
図5は、バンディングアーティファクト回避に関する動作例(第1の実施形態)を示すフローチャートである。また、図6は、表示部110に表示されるユーザインターフェース100や準備画像の一例を示す図である。
図6に例示するように表示部110は、準備画像を実時間で表示する表示領域D1を有する他、ユーザインターフェースとして、「本スキャン開始」ボタンB1、「準備スキャン中」表示D2、「準備スキャン終了」ボタンB2、「本スキャン中」表示D3、「中心周波数下降シフト」ボタンB3、「中心周波数上昇シフト」ボタンB4、「準備スキャンでの中心周波数」表示D4、「本スキャンでの中心周波数」表示D5等を有する。
以下、図5及び図6を参照しつつ第1の実施形態の動作例を説明する。
まず、ステップST10で、本スキャンのための撮像条件を設定する。撮像条件としては、SSFP法等のパルスシーケンスの種類、励起パルスの繰り返し時間TR等のパルスシーケンスに関する各種パラメータ、送信の中心周波数(初期値)、撮像断面の位置、向き、厚さ等に関するパラメータ、FOVの位置や大きさに関するパラメータ、マトリクスサイズ等の解像度に関するパラメータ等がある。これらの撮像条件を、図示しないユーザインターフェースを介して設定する。この他、本スキャンによる撮像の前に、準備スキャンを行うか否かの設定もステップST10で行う。本実施形態における準備スキャンは、中心周波数FOを変えながら行うため、以下ではこの準備スキャンをF0準備スキャン(或るは、F0−prepスキャン)と呼ぶ。
本スキャンの撮像条件が設定し終わると、ステップST11にて、本スキャンを開始するためのユーザ操作が行われる(ステップST11)。例えば、「本スキャン開始」ボタンB1がクリックされる。
この操作信号を受けて、ステップST12では、F0準備スキャンを行う設定となっているかどうかを判定する。F0準備スキャンを行う設定となっていない場合は、ステップST18に進み、設定された撮像条件に従って本スキャンを開始する。一方、F0準備スキャンを行う設定となっている場合には、ステップST13に進み、設定した本スキャン用の撮像条件を使用したF0準備スキャンが開始される。
具体的には、本スキャン用に設定した、パルスシーケンスの種類、繰り返し時間TR、撮像断面、解像度と同じ諸元を使用したF0準備スキャンが開始される。また、中心周波数に関しては設定した初期値を使用してF0準備スキャンが開始される。F0準備スキャンが開始されると、図6に例示するように、「準備スキャン中」表示D2がハイライトされる。
F0準備スキャンで収集されたMR信号に対してはリアルタイムで再構成処理が行われ、再構成処理で生成された準備画像は、図6に示すように、準備画像表示領域D1にリアルタイムで表示される(ステップST14)。即ち、F0準備スキャンでは、心臓等の所望波形のROIに対して、所謂シネ撮像が行われる。
F0準備スキャンでは、高速性が要求される。このため、本スキャン用に設定される撮像断面が図7(a)に例示するように厚みを持ったスラブである場合には、F0準備スキャンでは、図7(b)に示すように、そのスラブの中心にあるスライス面のみが2D撮像される。撮像断面の位置や向きが大きく異なるとバンディングアーティファクトの発生状況も変わってくるが、同一の撮像断面(スラブ)内においては、バンディングアーティファクトの発生状況はほとんど変化しない。そこで、スラブの中心にあるスライス面のみを2D撮像することによって、F0準備スキャンのリアルタイム性を実現している。本スキャンの撮像断面が、厚みをもったスラブとしてではなく、複数枚のスライスとして設定される場合もあるが、この場合には、中央の1枚のスライスがF0準備スキャン用のスライスとして設定される。
ユーザが、「中心周波数下降シフト」ボタンB3や「中心周波数上昇シフト」ボタンB4をクリックすると、その操作に応じて、F0準備スキャンの中心周波数F0は初期値から離れて上昇方向や下降方向にシフトする。
そうすると、図4で説明したように、バンディングアーティファクトの発生位置も中心周波数F0のシフトに応じて変化する。この結果、ユーザは、中心周波数F0をリアルタイムに変えながら、F0準備スキャンの準備画像に現れるバンディングアーティファクトの変化状況をリアルタイムで確認することができる(ステップST15)。
F0準備スキャン中の中心周波数F0のシフト量は、例えば、初期値に対する相対的な変化量(ppm値)として「準備スキャンでの中心周波数」表示D4に表示される。シフト量の変化の幅は、例えば、±1ppm程度である。
ユーザは、中心周波数F0をシフトさせながら、準備画像上のバンディングアーティファクトの出現状況を確認し、バンディングアーティファクトがROIに重ならない状況を見つけ出す。その時の中心周波数F0が、バンディングアーティファクトがROIから回避された最適な中心周波数F0となる。
最適な中心周波数F0をこのようにして見つけ出すと、ユーザは「準備スキャン終了」ボタンB2をクリックする。この操作信号により、装置は準備スキャンをその時点で終了する(ステップST16)。
同時に、準備スキャン終了時の中心周波数F0が本スキャンの最適中心周波数F0optとして設定される(ステップST17)。即ち、ステップST10で設定した本スキャンの撮像条件のうち、中心周波数F0(初期値)のみが、最適中心周波数F0optで置換される。そして、この撮像条件にて、本スキャンの撮像が開始される(ステップST18)。
上述した第1の実施形態に係る磁気共鳴撮像装置1によれば、ユーザがリアルタイムで変化させる中心周波数F0が反映された準備画像がリアルタイムで表示される。このため、ユーザは、準備画像を観測することにより、バンディングアーティファクトがROIに重ならない最適中心周波数F0optを、短時間で、かつ、簡便な操作で見つけ出すことができる。
また、本スキャンを開始する操作によって自動的にF0準備スキャンが開始され、かつF0準備スキャンの撮像条件は本スキャン用に設定した撮像条件がほぼそのまま自動的に流用設定されるため、F0準備スキャンのためのユーザ操作は不要である。
さらに、F0準備スキャンによって最適中心周波数F0optを見つけ出した後は、F0準備スキャンを終了させるという単純な操作のみで、最適中心周波数F0optが本スキャンの撮像条件として設定され、かつ、F0準備スキャンから本スキャンに自動的に移行させることができる。
(3−1)第1の実施形態の第1の変形例
F0準備スキャンは、本スキャンでのバンディングアーティファクトを回避するための最適中心周波数F0optを求めるスキャンであるため、可能なかぎり本スキャンと同じ撮像条件で行うことが好ましい。特に、F0準備スキャンの解像度と本スキャンの解像度は同じであることが好ましい。
その一方で、準備画像をリアルタイムで生成するためには、F0準備スキャン自体を高速に行う必要がある。そこで、第1の実施形態の第1の変形例では、図8に例示するように、位相エンコード量ゼロ(k0)を中心とする所定の範囲のみでMR信号を収集する一方、前記所定の範囲以外の領域に対してはゼロを補完する処理(zero filling)を行って位相エンコード数を本スキャンと同じにして、再構成処理を行っている。
例えば、本スキャンでの位相エンコードライン数が128ラインの場合、F0準備スキャンでは、位相エンコード量ゼロを中心とする32ラインのみMR信号を収集し、残りの96ラインにはゼロを詰める。このような処理によって、F0準備スキャンのMR信号収集時間は低減される(上記の例では、1/4に短縮される)一方、ゼロ詰め後の位相エンコード数は本スキャンと同じとなる(上記の例ではいずれも128ライン)ため、本スキャンと同じ解像度をF0準備スキャンでも得ることが可能となる。
(3−2)第1の実施形態の第2の変形例
同じ患者に対して新たな本スキャンを行う場合、それ以前に行った本スキャンの撮像条件を流用編集して新たな本スキャンの撮像条件を設定することがある。新たな本スキャンと以前の本スキャンの撮像断面が同じであれば、バンディングアーティファクトの発生状況もほぼ同じであるため、新たな本スキャンにおける最適中心周波数F0optを以前の本スキャンと同じ最適中心周波数F0optに設定することができる。
しかしながら、新たな本スキャンの撮像断面の位置や向きが以前の本スキャンの撮像断面と異なる場合には、以前の本スキャンで設定した最適中心周波数F0optはもはや最適とは言えず、バンディングアーティファクトがROIに干渉する可能性がある。
そこで、第2の変形例では、新たな本スキャンの撮像条件の編集において、以前の本スキャンで設定した最適中心周波数F0optに対応する撮像断面の情報を表示するようにしている。図9は、この表示例を示す図である。
図9は、以前の本スキャンの撮像条件を編集する撮像条件編集画面D6において、中心周波数F0に関する部分のみを示している。以前の本スキャンの撮像条件において、最適中心周波数が「−0.2」ppmであったとすると、この表示領域にカーソルを移動させると、その最適中心周波数F0optに対応する撮像断面に関する情報をバルーン表示するものとしている。このバルーン表示により、新たな本スキャンの撮像断面と、流用しようとする最適中心周波数F0optに対応する撮像断面とが同じであるか否かを瞬時に判断することができる。撮像断面が同じであれば以前の最適中心周波数F0optを流用可能であるが、異なる場合は、以前の最適中心周波数F0optを用いて本スキャンを行っても、その本スキャンは無駄になる可能性が高い。
このように、第1の実施形態の第2の変形例によれば、編集対象となる最適中心周波数F0optに対応する撮像断面の情報を表示することによって、無駄な本スキャンの実行を事前に防止することができる。
(4)第2の実施形態
前述した第1の実施形態では、ユーザが中心周波数F0を変えながら、バンディングアーティファクトの位置をシフトさせ、バンディングアーティファクトとROIとが干渉しない、最適な中心周波数F0optを見つけ出す方法である。この第1の実施形態では、最適な中心周波数F0optが見つかるまで、中心周波数F0を変え続ける必要がある。
これに対して、第2の実施形態では、準備画像に表示されているバンディングアーティファクトの発生状況から、最適な中心周波数(或いは最適な中心周波数に対するシフト量)をダイレクトに決定し、決定した最適中心周波数F0optを本スキャンの中心周波数として1回で設定するものとしている。
図10は、第2の実施形態に係る磁気共鳴撮像装置1の動作例を示すフローチャートである。図10において、ステップST10(本スキャンのための撮像条件設定)からステップST14(準備画像をリアルタイムで表示)までは、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
ステップST14にて準備画像をリアルタイムで表示させつつ、ステップST20で、バンディングアーティファクトの間隔が準備画像から観測可能か否か、即ち、FOV内に2以上のバンディングアーティファクトが出現しているか否かを判定する。この判定は、例えば、準備画像を観測するユーザが行う。
バンディングアーティファクトの間隔が準備画像から観測可能な場合は、ステップST21に進み、バンディングアーティファクトとROIとの干渉を回避する最適中心周波数F0optを、観測したバンディングアーティファクトの間隔からダイレクトに算出する(ステップST21)。
図11は、バンディングアーティファクトの間隔Tから最適中心周波数F0optを算出する方法を説明する図である。
一般に、バンディングアーティファクトの周期性nは、以下の式(1)、式(2)で表される。
φ=n・(2π)=TR・F0・(2π) 式(1)
∴ n=TR・F0 式(2)
ここで、nは整数、TR(単位:sec)はSSFP法における励起パルスの繰り返し時間、F0(単位:Hz)は中心周波数である。
今、図11の上段に示すように、準備画像に現れたバンディングアーティファクトの間隔がTであり、その時の中心周波数F0がfcであるとする。そして、現在ROIに干渉しているバンディングアーティファクトの位置と、ROIに干渉しない位置(図11において破線で示す白抜きのバンディングアーティファクトの位置)との差(変位量)をtとする。
式(2)より、(TR・F0)を整数の単位で±1ずつ変化させると、バンディングアーティファクトはその間隔Tの単位で移動することがわかる。また、(TR・F0)を1以下の量で変化させると、バンディングアーティファクトは間隔Tよりも小さい量で移動することがわかる。このことから、バンディングアーティファクトの間隔がTで、繰り返し時間がTRのとき、バンディングアーティファクトをtだけ移動させるために必要な中心周波数のシフト量fsは、次の式(3)となる。
fs=(1/TR)・(t/T) 式(3)
つまり、図11に黒で示す現在のバンディングアーティファクトの位置から、バンディングアーティファクトがROIに干渉しない位置(図11において破線で示す白抜きのバンディングアーティファクトの位置)まで移動させるには、現在の中心周波数fcから、式(3)で求められるfsだけ中心周波数をシフトさせればよい。
なお、シフト後の最適中心周波数F0optは、
F0opt=fc+fs 式(4)
である。
ユーザは、準備画像から、バンディングアーティファクトの間隔Tと、干渉を回避するために必要なバンディングアーティファクトの移動量tを求め、さらに、現在設定している繰り返し時間TRとから、式(3)、式(4)から、最適中心周波数F0optを算出することができる(図10のステップST21)。
そして、算出した最適中心周波数F0optを、本スキャンの最適中心周波数F0optとして設定し(ステップST22)、本スキャンの撮像を開始する(ステップST23)。
なお、ユーザインターフェースから入力する量としては、最適中心周波数F0optに換えて、シフト量のppm値((fs/fc)・106)でも良い。
一方、ステップST20にて、バンディングアーティファクトの間隔が準備画像から観測できない場合、即ち、図12の上段に示すように、バンディングアーティファクトの間隔がFOVに対して大きく、FOV内に1つのバンディングアーティファクトしか出現していない場合は、ステップST24に進む。
ステップST24では、F0準備スキャンでの現在の繰り返し時間TRを、例えば2倍の2TRのように、長くなるように変更して設定する。繰り返し時間TRを長くすると、バンディングアーティファクトの間隔は短くなる。例えば、繰り返し時間がTRの時のバンディングアーティファクトの間隔がTであるとすると、図12の中段に示すように、繰り返し時間が(2TR)の時のバンディングアーティファクトの間隔は(T/2)となり、準備画像内で(即ち、今のFOV内で)バンディングアーティファクトの間隔を観測することが可能となる。
そして、図11と同様に、図12中段に示す準備画像から、現在ROIに干渉しているバンディングアーティファクトの位置と、ROIに干渉しない位置(図12中段において破線で示すバンディングアーティファクトの位置)との差(変位量)tを求める。そして、図12中段におけるバンディングアーティファクトの間隔(T/2)と、繰り返し時間が(2TR)を式(3)に代入すると、
fs=(1/2TR)・(t/(T/2)) 式(5)
=(1/TR)・(t/T)
となり、式(3)と同じ結果が得られる。
ステップST25では、式(5)に基づいて、バンディングアーティファクトとROIが干渉しない中心周波数のシフト量fs、或いは式(4)から最適中心周波数F0optを求め、求めた最適中心周波数F0optを本スキャンの最適中心周波数F0optとして設定する(ステップST26)。
また、ステップST24において、繰り返し時間を(2TR)にすると、間隔が(T/2)の新たなバンディングアーティファクトが新たに出現するが、この新たなバンディングアーティファクトがROIと重なっていなければ、図13に示すように、新たなバンディングアーティファクトの位置まで元のバンディングアーティファクトを移動させれば、繰り返し時間をTRにしたとき、バンディングアーティファクトとROIの干渉を回避することができる。
この場合の中心周波数のシフト量は、式(5)のtに(T/2)を代入することで得られる。即ち、
fs=(1/2TR)・((T/2)/(T/2))
=(1/2TR) 式(6)
となる。
このように、第2の実施形態に係る磁気共鳴撮像装置1では、準備画像中に現れるバンディングアーティファクトの間隔から、ユーザが最適中心周波数F0opt、或いは最適中心周波数F0optへのシフト量fsをダイレクトに求め、求めた値を装置にダイレクトに設定することができる。また、準備画像から直ちにバンディングアーティファクトの間隔を求めることができない場合は、F0準備スキャンの繰り返し時間TRを2倍(或いはそれ以上の整数倍)に設定することで意図的にバンディングアーティファクトの間隔を狭め、その上でバンディングアーティファクトの間隔を求めるようにしても良い。
(5)第3〜第5の実施形態
以下に説明する第3〜第5の実施形態に係る磁気共鳴撮像装置1は、前述した第1及び第2の実施形態に対して、主に最適中心周波数F0optの管理機能を付加したものである。
図14は、第3〜第5の実施形態に係る磁気共鳴撮像装置1の機能構成を示すブロック図であり、図2に対して、本スキャン断面決定部120、準備スキャン断面指定部122、周波数管理部124、及び周波数記憶部126が付加されている。
本スキャン断面決定部120は、診断用の画像を得るための本スキャンの撮像断面を決定する。準備スキャン断面指定部122は、F0準備スキャンの撮像断面を、本スキャン断面決定部120で決定した本スキャンの撮像断面の中から選択して指定する。
周波数管理部124は、F0準備スキャンで求めた最適中心周波数F0optを、F0準備スキャンの撮像断面と関連付けて管理すると共に、これから実行しようとする本スキャンの撮像断面がF0準備スキャンの撮像断面と同じであり、かつ、前記実行しようとする本スキャンがバンディングアーティファクトの回避を必要とする撮像の場合、F0準備スキャンの撮像断面と関連付けられた最適中心周波数F0optを前記実行しようとする本スキャンの中心周波数として設定する。ここで、バンディングアーティファクトの回避を必要とする撮像とは、例えば、SSFP(Steady State Free Precession)法を用いた撮像である。周波数記憶部126は、事前に行われたF0準備スキャンによって求められた最適中心周波数F0optを、F0準備スキャンの撮像断面と関連付けて記憶する。
(6)第3の実施形態
図15は、第3の実施形態に係る磁気共鳴撮像装置1の動作の一例を、「シリーズ」と呼ばれる撮像単位による撮像の流れに沿って示したフローチャートである。
ステップST100〜104では、ルーティン的な撮像として、位置決め用の撮像(シリーズ1000)、シミング用の撮像(シリーズ2000)、マップ取得用撮像(シリーズ3000)が行われる。
ステップST106(シリーズ4000)では、心臓の6つの基準断面像に対応する6つの基準断面を自動決定するための撮像を行う。そして、撮像データから6つの基準断面を自動的に決定し、6つの基準断面像を表示する。心臓の6つの基準断面像とは、心臓の診断上重要な、垂直長軸像、水平長軸像、二腔長軸(2 chamber)像、三腔長軸(3 chamber)像、四腔長軸(4 chamber)像、及び左室短軸像のことである。
6つの基準断面を自動決定するための技術は、例えば、特許文献2等に開示されており、心臓を撮像した複数の断面画像データから心臓のボリュームデータを生成し、このボリュームデータ内の解剖学的特徴点の位置情報等から、基準断面像の位置決めを自動的に行う技術である。ステップST106の処理は、図15の本スキャン断面決定部120が行う。
ステップST108では、ステップST106で決定された6基準断面を指定して、F0準備スキャンを行い、さらにステップST110では、6基準断面に対する最適中心周波数F0optを求める。6基準断面の指定とF0準備スキャンの実行は、装置が自動的に行っても良いし、ユーザインターフェース100を介してユーザが指定しても良い。また、6基準断面の全てに対してF0準備スキャンを行っても良いし、SSFP法による撮像が予定されている基準断面に対してのみF0準備スキャンを実行しても良い。
F0準備スキャン自体は、前述した第1、第2の実施形態と同様の手法で行われ、準備画像をリアルタイムで表示しつつ、中心周波数をリアルタイムで変えながら、バンディングアーティファクトの影響のない最適中心周波数F0optを見つけ出す。或いは、準備画像中のバンディングアーティファクトの間隔から、最適中心周波数F0optをダイレクトに求めても良い。
ステップST110で求められた最適中心周波数F0optは、対応する基準断面と関連付けられて、周波数管理部124にて管理される。
次に行われるシリーズ5000の撮像(ステップST112)がSSFP法以外の撮像法、例えば、FFE(Fast Field Echo)法による撮像の場合には、バンディングアーティファクトを気にする必要がない。このため、シリーズ5000の撮像では、ステップST110で求めた最適中心周波数F0optではなく、規定の中心周波数F0を使用して撮像が行われる。
一方、次のシリーズ6000で、6基準断面の1つ、例えば、二腔長軸(2 chamber)像用の基準断面が指定され、かつその撮像法として、SSFP法が指定されると、周波数管理部124は、ステップST110で求めた二腔長軸(2 chamber)像用の基準断面に関連付けられた最適中心周波数F0optを、シリーズ6000の中心周波数として設定する。そして、二腔長軸(2 chamber)像用の基準断面に関連付けられた最適中心周波数F0optを用いたSSFP法による撮像が行われる(ステップST114)。
さらに、次に行われるシリーズ7000の撮像(ステップST116)がSSFP法以外の撮像法、例えば、FSE(Fast Spin Echo)法による撮像の場合には、最適中心周波数F0optから規定の中心周波数F0に戻され、規定の中心周波数F0を使用する撮像が行われる。
さらにまた、次のシリーズ8000で、6基準断面の1つ、例えば、四腔長軸(4 chamber)像用の基準断面が指定され、かつその撮像法として、SSFP法が指定されると、周波数管理部124は、ステップST110で求めた四腔長軸(4 chamber)像用の基準断面に関連付けられた最適中心周波数F0optを、シリーズ8000の中心周波数として設定する。そして、ステップST118では、四腔長軸(4 chamber)像用の基準断面に関連付けられた最適中心周波数F0optを用いたSSFP法による撮像が行われる。
上記のように、第3の実施形態では、自動決定された心臓6基準断面に対して、F0準備スキャンが行われ、心臓6基準断面に対して求められた最適中心周波数F0optが、各6基準断面に関連付けられて管理される。このため、SSFP法による撮像が心臓6基準断面のうちのいずれかである場合は、その基準断面に対応する最適中心周波数F0optが自動的に設定され、操作性が向上する。
(7)第4の実施形態
上記の第3の実施形態は、心臓の6基準断面を自動決定する手法を伴うものであるが、以下の第4の実施形態は、撮像断面(或いは撮像スラブ)を手動で位置決めする場合に適用される手法である。
図16は、第4の実施形態に係る磁気共鳴撮像装置1の動作の一例を、図15と同様に「シリーズ」と呼ばれる撮像単位による撮像の流れに沿って示したフローチャートであり、ステップST100〜104では、位置決め用の撮像(シリーズ1000)、シミング用の撮像(シリーズ2000)、マップ取得用撮像(シリーズ3000)が行われる。
ステップST200(シリーズ5000)では、図15のステップST112と同様に、SSFP法以外の撮像法、例えば、FSE(Fast Spin Echo)法による撮像が行われる。この場合には、規定の中心周波数F0を使用して撮像が行われる。
ステップST202(シリーズ6000)では、SSFP法を用いた心臓撮像の撮像条件が設定され、その後、心臓の撮像対象となる撮像断面の位置決めが行われる(ステップST204:シリーズ6000−1)。撮像断面の位置決めは、本スキャン断面決定部120が、位置決め用の画像を表示させる一方、手動操作によって入力された断面位置を本スキャン断面決定部120が取り込むことによって行われる。
撮像断面の位置が決まると、その撮像断面に対してF0準備スキャンを実施し、最適中心周波数F0optを決定する(ステップST206)。その後、位置決めされた撮像断面に対して、周波数管理部124はが最適中心周波数F0optを設定し、最適中心周波数F0optを使用した本スキャンが行われる(ステップST208)。
次に行われるシリーズ7000の撮像(ステップST210)がSSFP法以外の撮像法、例えば、FSE(Fast Spin Echo)法による撮像の場合には、最適中心周波数F0optから規定の中心周波数F0に戻され、規定の中心周波数F0を使用する撮像が行われる。
ステップST212−218(シリーズ8000−8000−3)は、ステップST202−208(シリーズ6000−6000−3)に対して、撮像断面が異なる撮像であるが、その以外の撮像手順は同じであるため、説明を省略する。
なお、本スキャン断面決定部120は、本スキャンの撮像断面として複数の相異なる撮像断面或いはスラブを決定し、準備スキャン断面指定部122は、準備スキャンの撮像断面を複数の撮像断面或いはスラブの中から1つ又は複数選択して指定し、準備スキャン実行部106は、指定された撮像断面或いはスラブ内の1スライスに対してF0準備スキャンを行い、指定された前記1つ又は複数の撮像断面或いはスラブの夫々に対して最適中心周波数F0optを求めるようにしてもよい。
また、上記では、SSFP法を用いる撮像部位として心臓を例示したが、第4の実施形態(後述する第5の実施形態も同様)は心臓以外の撮像部位に対しても適用可能である。
(8)第5の実施形態
第5の実施形態は、以前に(或いは過去に)行ったF0準備スキャンで求めた最適中心周波数F0optと対応する撮像断面とをデータベースとして記憶し、このデータベースを利用して本スキャンを行うものである。データベースは周波数記憶部(記憶部)126に記憶され、その管理は、周波数管理部124が行う。
図17は、第5の実施形態に係る磁気共鳴撮像装置1の動作の一例を、図15、図16と同様に「シリーズ」と呼ばれる撮像単位による撮像の流れに沿って示したフローチャートであり、ステップST100〜104では、位置決め用の撮像(シリーズ1000)、シミング用の撮像(シリーズ2000)、マップ取得用撮像(シリーズ3000)が行われる。
また、ステップST300(シリーズ5000)では、図15のステップST112と同様に、SSFP法以外の撮像法、例えば、FSE(Fast Spin Echo)法による撮像が行われる。この場合には、規定の中心周波数F0を使用して撮像が行われる。
次のステップST302(シリーズ9000)では、SSFP法を用いた心臓撮像の撮像条件が設定され、その後、心臓の撮像対象となる撮像断面の位置決めが行われる(ステップST304:シリーズ9000−1)。撮像断面の位置決めは、位置決め用の画像を表示させつつ、その断面位置を手動で設定することによって行われる。
ステップST306では、位置決めした撮像断面に対応する最適中心周波数F0optがデータベースにあるか否かが判定される。位置決めした撮像断面に対応する最適中心周波数F0optがデータベースにある場合には、その最適中心周波数F0optがデータベースから読み出される(ステップST308)。
一方、位置決めした撮像断面に対応する最適中心周波数F0optがデータベースにない場合は、位置決めした撮像断面に対してF0準備スキャンを行い、最適中心周波数F0optを決定し(ステップST310)、決定した最適中心周波数F0optと対応する撮像断面とを、データベースに追加しデータベースを更新する(ステップST312)。
ステップST314では、位置決めした撮像断面に対して、データベースから読み出した最適中心周波数F0opt、又は、F0準備スキャンで決定した最適中心周波数F0optを使用して本スキャンを実施する。
データベースを利用する最適中心周波数F0optの管理は、上記のように手動設定された撮像断面に対して行われる他、自動決定した心臓基準断面(第3の実施形態)に対して行っても良い。
以上説明してきたように、上記各実施形態の磁気共鳴撮像装置1によれば、操作負担をそれ程かけることなく、バンディングアーティファクトを回避するための最適中心周波数F0optを効率よく決定することができる。
また、決定した最適中心周波数F0optを対応する撮像断面と関連付けて管理することにより、操作負担の少ない効率の良い最適中心周波数F0optの使用が可能となる。さらに、過去のF0準備スキャンで求めた最適中心周波数F0optを対応する撮像断面と共にデータベース化することにより、同一条件でのF0準備スキャンの重複実施を避けることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。