JP4454268B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する磁気共鳴イメージング(MRI)装置に関し、詳しくは、心電同期を利用して撮影を行うMRI装置に関する。
MRIの心臓領域への応用では、心拍動によるアーチファクトを低減するために、心拍動に同期した撮影が一般的に行われている。このような同期撮影では、被検者に取り付けた外部センサで心電波や脈波をモニターし、R波を検出した後、予め設定したディレイタイムが経過してから撮影シーケンスを実行しデータを取得する。一拍動周期(R−R間隔)内で画像再構成に必要なデータの一部を計測する場合には、すべてのデータを収集するまで撮影シーケンスを繰り返す。このように同期撮影では、各心周期において同一のタイミングでシーケンスを実行することにより、心周期の特定の時相で画像を取得することができ、拍動によるアーチファクトは抑制される。
しかし、現実には心周期は必ずしも一定ではなく、外的或いは内的要因により変動する。このような心周期の変動を考慮してディレイタイムを変化させる技術が特許文献1に記載されている。この撮影方法では、心周期のR−R間隔を測定し、1つ前のR−R間隔を次のR−R間隔であると予測してそれをシーケンスの繰り返し時間TRに適用する。そしてR−R間隔の変化が大きい場合には、その心周期に計測したデータを画像再構成に使用しないというものである。この技術は、一心周期内で一つのエコー信号を計測することを前提としており、一心周期内で複数のエコー信号を連続して計測する場合を考慮していない。またR−R間隔が連続的に或いは不規則に変化する場合には対応できない。R−R間隔の連続的或いは不規則な変化としては、例えば、検査中に負荷薬剤を投与すると心拍数が上昇しR−R間が短くなることが報告されている。また呼吸動によるアーチファクトを低減するために息止め撮影を行った場合にもR−R間隔が変動する。
特許公報2880716号
そこで本発明は、R−R間隔の連続的或いは不規則な変動をも含む種々の変化に対応し、アーチファクトのない心電同期画像を得ることができるMRI装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のMRI装置は、静磁場空間に置かれた被検体に高周波磁場及び傾斜磁場を印加する各磁場発生手段、前記被検体から核磁気共鳴信号をk空間データとして計測する計測手段、前記各磁場発生手段及び計測手段を所定のパルスシーケンスに従い制御する制御手段および前記k空間に配置された核磁気共鳴信号を用いて画像を再構成する画像再構成手段を備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記制御手段は、前記被検体からの周期的な生体信号を入力する生体信号入力手段および前記生体信号入力手段が入力した生体信号に基き前記所定のパルスシーケンスを制御するシーケンス制御手段を備え、前記シーケンス制御手段は、生体信号の発生をトリガーとして、一周期内で位相エンコード量の異なる複数の核磁気共鳴信号を計測するパルスシーケンスを実行し、一周期内で計測する複数の核磁気共鳴信号のうち、k空間データの一部の領域の信号の計測回数を他の領域の信号の計測回数よりも多くし、前記画像再構成手段は、計測時の一周期の間隔に基づき、複数回計測された前記一部の領域の信号から画像再構成に用いる信号を選択し、選択された一部の領域の信号と前記他の領域の信号を用いて画像再構成することを特徴とする。
前記シーケンス制御手段は、例えば、一周期内で前記k空間データの一部の領域の信号を重複して計測するように傾斜磁場発生手段を制御し、前記画像再構成手段は、計測時の一周期の間隔をもとに所定の時相を決定する演算手段を備え、一周期内で重複して計測された同一位相エンコード量の信号のうち前記演算手段で決定された時相と同じタイミング又は最も近いタイミングに計測された信号を選択し、選択された信号及びそれと位相エンコード量の異なる信号を用いて画像を再構成する。
本発明のMRI装置において、好適には、重複して計測する同一位相エンコード量の信号は、k空間の低周波成分である。
また本発明のMRI装置において、演算手段は、例えば、周期毎に周期の間隔を算出し、生体信号の発生時点から、周期の間隔の所定割合の時間が経過した時点の時相を、所定の時相として選択する。
また本発明のMRI装置において、シーケンス制御手段は、画像再構成に必要なすべての核磁気共鳴信号を、生体信号の発生から次の生体信号の発生までの一周期内で計測する高速パルスシーケンスを実行するものであってもよいし、画像再構成に必要な核磁気共鳴信号を、複数の周期で分割して計測するパルスシーケンスを実行するものであってもよい。
本発明のMRI装置によれば、心周期の複数の時相にわたって同一位相エンコードの信号を重複して取得しておき、画像再構成に際し、当該心周期の間隔をもとに所定の時相を決定し、重複して取得した信号のうち決定した時相の信号を画像再構成に用いるので、心周期に連続的或いは不規則な変動があっても、その重複して取得した位相エンコード量について常にほぼ同じ時相の信号を用いて画像再構成することができる。
特に重複して取得する信号をk空間の低周波成分とすることにより、画像のコントラストを決める低周波成分を一定の時相で取得することになるので、アーチファクトの影響を低減できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示す図である。このMRI装置は、静磁場を発生する磁石102と、静磁場空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル103と、被検体101の組織を構成する原子核にNMRを起こさせるために高周波磁場を発生するRFコイル104と、被検体101が発生するNMR信号を検出するRFプローブ105と、静磁場空間内に被検体101を搬入するためのベッド112を備えている。
磁石102は、永久磁石、常電導あるいは超電導磁石からなり、被検体101が置かれる測定空間に水平或いは垂直方向の均一な磁場を発生する。傾斜磁場コイル103は、X、YおよびZの互いに直交する三方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源109からの信号に応じてそれぞれ静磁場に磁場勾配を与える。この傾斜磁場の加え方により、被検体101が発生するNMR信号に位置情報を与えることができる。RFコイル104は、RF送信部110に接続され、その信号に応じて高周波磁場を発生する。被検体101からの応答の高周波磁場としてRFプローブ105に生じた信号は、信号検出部106で検出され、信号処理部107で信号処理され、また計算により画像信号に変換される。画像は表示部108で表示される。
さらにこのMRI装置は、これら傾斜磁場電源109、RF送信部110および信号検出部106の動作を制御するとともに、信号処理部107とともに画像再構成手段を構成する制御部111を備えている。制御部111の構成の一例を図2に示す。図示するように、制御部111は、パルスシーケンスと呼ばれる制御のタイムチャートに従い傾斜磁場電源109、RF送信部110および信号検出部106の動作を制御するシーケンス制御部113、画像再構成に必要な各種演算を行うとともに、心電同期撮影に必要な計算を行う演算部114、シーケンス制御や演算部114の演算に必要なプログラムやデータおよび演算結果などを記憶する記憶装置115、および主制御部116を備え、さらにマウス、キーボードなどの入力装置117が設けられている。
記憶部115には、撮影方法によって決まる種々のパルスシーケンスが予めプログラムとして格納されており、シーケンス制御部113は撮影方法に応じてこれを読み出し実行する。撮影方法に応じた所望のパルスシーケンスの選択やパルスシーケンス毎のパラメータ(繰り返し時間TR、位相エンコード数、スライス厚さなど)の設定は、入力装置117を介して行われる。さらに制御部111は、必要に応じて、被検体101が装着した心電計のような生体信号検出する外部センサ120と接続され、生体信号を取り込み、それを制御信号としてパルスシーケンスの制御を行う。
本実施形態において、制御部111は、心筋パーフュージョン撮影等の心臓撮影のためのパルスシーケンスを格納しており、心電計120が検出したR波を生体信号として取り込み、それをトリガーとして一心周期(R−R間)内の所定のタイミングで心電同期撮影を行う。パルスシーケンスとして、具体的には、グラディエントエコー系の短TRのSSFP(Steady State Free Precession)シーケンスを採用する。このパルスシーケンスでは、TRを5ms、位相エンコード数を128とすると、約600msで、すなわち一心周期内で1枚の画像再構成に必要なデータを収集することができる。
次にこのような構成におけるMRI装置を用いた心電同期撮影の一実施例について図3および図4を参照して説明する。図3は制御部111における撮影の手順を示すフロー図、図4は撮影のタイムチャートであり、この実施例では、一心周期又は二心周期で1枚の画像用データを取得する場合を示している。
まず被検体101を静磁場空間内に搬入し、撮影すべき位置を静磁場空間の中心に位置づけして撮影断面を決定した後、撮影を開始する(ステップ301)。撮影と同時に、被検体101に装着した心電計から信号を取り込み、R波を監視する(ステップ302)。図4に示すように、心電計によりR波404を検出したならば、それから所定の時間(ディレイタイム)Td経過後、心臓撮影のパルスシーケンスを実行して複数のエコー信号410を計測する(ステップ303)。複数のエコー信号410のうち、一部411には同一の位相エンコードが付与され、それ以外の信号412にはそれぞれ異なる位相エンコードが付与される。この重複して計測される信号411はk空間の低周波成分であり、1ライン(k空間のkx方向)の信号でも複数ラインの信号でもよい。1ラインの場合には、位相エンコード0の信号を重複計測する。複数ラインの場合には、位相エンコード0の信号を含む複数とし、それぞれ重複して計測する。一例として、k空間の10%程度(例えば位相エンコード数128の場合には10ライン程度)の信号を重複する低周波成分信号として計測する。全体の信号計測時間に対する重複して計測する時間の割合は、特に限定されないが、50%程度とすることができる。
一心周期で1枚の画像用データを取得する場合には、複数のエコー信号414を用いて画像再構成する(ステップ304)。この際、重複して計測された信号411については、データ取得時のR−R間隔401をもとに特定の信号を選択する。すなわち、演算部114はR−R間隔401を算出し(ステップ3041)、次にR−R間隔401の所定の割合(%)の時間407を算出する(ステップ3042)。所定の割合(%)は、心周期において画像を取得しようとする適切な時相を考慮して予め定めた数値を入力装置117を介して設定することができる。このように低周波成分を取得する時間(R波404からの時間)407が算出されたならば、重複して計測された信号411の中から、R波404から時間407が経過した時点に最も近い時点で取得した信号413を画像再構成用として選択する(ステップ3043)。複数の位相エンコードの信号を重複して取得した場合にも、同一位相エンコードの信号のうちから、時間407経過したときに最も近い時点で取得した信号をそれぞれ選択する。次いで選択した低周波域の信号413とそれと位相エンコードの異なる高周波域の信号412をk空間に配置して画像を再構成する(ステップ3044)。以下、同様に、一心周期毎にR波405、406、・・・からのディレイタイムTdは一定にして同様の計測(ステップ302、303)を繰り返し、重複して計測した低周波域の信号421、431のうち、その心周期の間隔402、403をもとに決められる所定の時間408、409に取得した低周波域の信号423、433と、重複せずに取得した高周波域の信号422、432とを用いて画像再構成を行う。
二心周期で1枚の画像用データ(k空間の全データ)を取得する場合には、図4に点線の矢印で示したように、R−R401とR−R402とでは位相エンコードの異なるエコー信号410、420を取得し、重複して取得した同一位相エンコードの信号411、421から選択した所定のタイミングの低周波域の信号413、423及び高周波域の信号412、422をk空間に配置し、画像を再構成する。
このように本実施形態のMRI装置では、R−R間隔が心周期毎に変動しても、その間隔を反映した一定の時相において低周波域データを取得することができる。従って、一心周期の撮影を連続して行う場合には、常に一定の時相に取得した連続画像を得ることができる。また複数の心周期で取得したデータを用いて一枚の画像を再構成する場合には、実質的に同一時相のデータを用いることができ、R−R間隔の変動によるアーチファクトを大幅に低減することができる。
なお図4の実施形態では、位相エンコードの付与方法すなわちk空間のスキャン方法として、一方の高周波域から始めて低周波域に向かってスキャンし、さらに低周波域から他方の高周波域に至るシーケンシャルオーダーを採用している場合を示したが、k空間のスキャン方法はシーケンシャルオーダーに限定されず、任意のスキャン方法を採用することができる。また図4の実施形態では、低周波成分の重複した計測を連続して行う場合を示したが、不連続であってもよい。このような実施形態を図5に示す。
この実施形態においても、心電計によりR波504、505、506・・・を検出してから一定のディレイタイムTd経過後、心臓撮影のパルスシーケンスを実行して複数のエコー信号510、520、530・・・を計測することは図4の実施形態と同じである。但し、この実施形態では、一心周期で計測するエコー信号は、高周波成分512と低周波成分511とが交互になるようにk空間をスキャンし、高周波成分512は位相エンコードが異なるエコー信号を計測し、低周波成分511は同一位相エンコードのエコー信号を重複して計測する。低周波成分511は一ラインの信号でも複数の信号でもよい。複数の信号の場合には、高周波成分と高周波成分との間で一ライン分を重複して計測し、次の高周波成分との間で位相エンコードの異なる一ライン分を重複して計測してもよいが、好適には、高周波成分と高周波成分との間で複数のラインを連続して計測する。
このように一心周期の計測が終了すると、図4の実施形態と同様に、R−R間隔501、502、503・・・を計測し、それをもとに時間507、508、509・・・を算出する。これら時間507、508、509・・・は、R−R間隔501、502、503・・・に対する所定の割合(%)として決定される。次いで重複して計測したエコー信号のうち、R波検出から時間507、508、509・・・経過時に最も近い時に計測した信号513、523、533・・・を決定し、この信号513、523、533とそれ以外の位相エンコードの信号512、522、532・・・を用いて画像再構成する。この実施形態でも、一心周期で一枚の画像再構成用のデータを全て取得してもよいし、複数の心周期に分けてデータを取得してもよい。
この実施形態でも、R−R間隔が心周期毎に変動しても、その間隔を反映した一定の時相の低周波域データを取得することができる。それにより、連続撮影の場合には実質的に同一時相の画像を得ることができ、また複数の心周期のデータを用いて画像を再構成する場合にはR−R間隔の変動によるアーチファクトを大幅に低減することができる。
図6は、さらに別の実施形態を示す図である。この実施形態は、シーケンス内の位相エンコードの制御、即ちエコー信号の計測の仕方(ステップ601)は、図3及び図4に示す実施形態と全く同じである。この実施形態では、信号取得後の処理において、R−R間隔の変動が微小である場合に低周波成分を積算して用いる。すなわち、第2心周期の計測では、エコー信号の取得後、R−R間隔402を計測し(ステップ602)、それを第1心周期のR−R間隔401と比較し(ステップ603)、同じか変化が微小であれば、重複して計測した同一位相エンコードの信号の全部又は一部を積算する(ステップ605)。ステップ603において、R−R間隔の変動は、例えば80ms以内(1分間あたりの心拍数の変動が5程度)であれば許容することができる。このような許容値を予め閾値として設定しておき、ステップ603の比較に用いる。また重複して計測する同一位相エンコードの信号は、7〜80ms程度の時間差で取得したものであれば全部を積算してもよく、80msを超える場合には一部を積算することが好ましい。これにより取得時のずれによるアーチファクトを生じることなく、信号のS/Nを向上することができる。
次いでステップ605において積算したデータと、その位相エンコード以外のエコー信号を用いて画像を再構成する(ステップ607)。一方、ステップ603で、R−R間隔402が直前の心周期のR−R間隔401と異なる(所定の閾値を超える)場合或いは比較する直前のR−R間隔のデータがない場合(即ち、第1心周期)には積算することなく、R−R間隔をもとに所定の割合である時間407を算出し、その時間に最も近い時間に取得した低周波成分の信号413と、その位相エンコード以外のエコー信号412を用いて画像を再構成する。この実施形態でも、重複して計測するエコー信号は一ラインの信号でも複数ラインの信号でもよく、また一心周期で一枚の画像再構成用のデータを全て取得してもよいし、複数の心周期に分けてデータを取得してもよい。
この実施形態によれば、図4及び図5に示す実施形態の効果に加え、R−R間隔が一定の場合には信号の積算によって画像のS/Nを向上するという効果が得られる。この実施形態においても、一心周期で計測するデータは、図5に示すように高周波成分と低周波成分とを交互に取得してもよいが、この場合にも積算する信号は7〜80ms以内の時間差で取得したものとする。
以上、一心周期内で低周波成分の同一位相エンコードの信号を重複して計測し、同一位相エンコードの信号のうち、心周期の間隔によって決まる所定の時間に取得した信号を用いて画像を再構成する実施形態を説明した。これらの実施形態によれば、心周期の長さで決まる一定の時間に低周波成分の信号を取得するので、画像のコントラストを決める信号をほぼ同一の時相で取得することができ、心周期の変動の影響を受けることなく、アーチファクトの低減された画像を得ることができる。
次に本発明のさらに別な実施形態を説明する。この実施形態では、撮影開始前に一定時間被検者のR−R間隔を計測しその平均値或いは中央値を基準値として求めておき、撮影時のR−R間隔が基準値よりも設定値より大きく或いは小さくなったときに、そのR−Rで計測したデータを破棄する。図7は、このような実施形態を示す図である。
この実施形態では、R波を検出して所定時間経過後にシーケンスを開始し、低周波成分を重複して、高周波成分は重複せずに取得すること及び次のR波検出後、R−R間隔を計測することは他の実施形態と同じである。この実施形態では、R−R間隔を計測した後(ステップ701)、その値と予め求めた基準値とを比較する(ステップ702)。比較の結果、計測したR−R間隔と基準値との差が設定値より大きい場合には、この心周期で計測したデータを破棄する(ステップ703)。例えば、R−R間隔が基準値の半分以下の場合にはデータを破棄する。R−R間隔と基準値との差が設定値以内であれば、R−R間隔の所定割合の時間を算出し、この時間に最も近い時間に計測した低周波成分の信号を画像再構成に使用する信号と決定する(ステップ704)。ステップ702で用いる基準値及び設定値(閾値)は、例えば図2の入力装置117を介して制御部の記憶装置115内に記憶されており、この処理の際に参照される。或いは撮影に先立って心電計120からのR波信号を入力し、これをもとに演算部が基準値を算出し、基準値として持つことも可能である。画像再構成に使用する低周波成分の信号が決定されたならば、その信号とそれ以外の位相エンコードの信号とを用いて画像再構成する(ステップ705)。この実施形態でも、重複して計測するエコー信号は一ラインの信号でも複数ラインの信号でもよく、また一心周期で一枚の画像再構成用のデータを全て取得してもよいし、複数の心周期に分けてデータを取得してもよい。さらに低周波成分は図4に示すように連続して取得してもよいし、図5に示すように高周波成分と交互に取得してもよい。
このように本実施形態では、R−R間隔の変化の度合いに応じてデータを破棄するようにしているので、突発的なR−R間隔の変化があってもそのデータによる影響を除くことができる。但し、データを破棄しない場合よりも撮影時間が長くなる可能性もある。従って、撮影時間が制限されない検査、例えばナビゲーターエコー法併用の非息止め冠動脈撮影などに好適である。
図7の実施形態とナビゲーターエコー法シーケンスとを組み合わせた実施形態を図8に示す。この実施形態では、R波804検出から一定のディレイタイム経過後に、まず体動検出用のナビゲーターエコー815を取得し、続けて撮影シーケンスを実行し、画像形成用のエコー信号810を取得する。次のR波805を検出後、R−R間隔を計測し(ステップ840)、それと基準値との差が所定値以下かどうかを判定する(ステップ841)。所定値を超える場合には、図6の実施形態と同様にデータを破棄する(ステップ842)。所定値以下の場合には、次のステップ843に進み、ナビゲーターエコーを用いて計測データのA/D処理を行うか否かを判定する(ステップ843)。即ち、その心周期で計測したナビゲーターエコー814の位相から体動の変位を算出し、所定の変位以外の場合には計測データのA/D処理を行わず、データを破棄する(ステップ842)。体動の変位が所定範囲内の場合には、A/D処理を行い、撮影シーケンスの実行により計測した低周波成分データのうち、R−R間隔から所定%の時間807に最も近い時間に計測した信号を画像再構成用として決定する(ステップ844)。決定した信号とそれと位相エンコードの異なる信号とを用いて画像再構成する(ステップ845)。
さらに別の実施形態を図9に示す。この実施形態は、一心周期内で複数の時相の画像を取得するもので、一心周期の各時相における形状変化等を観察する撮影や一心周期内で複数のスライスを撮影する場合に適用することができる。図9に示す実施形態は、心筋パーフュージョン撮影において2心周期901、902で3スライスを撮影する場合を示しており、(a)は第1心周期の計測、(b)は第2心周期の計測、(c)は各心周期における心腔容積の変化を示している。
第1心周期の計測では、最初のR波904を検出してからディレイタイムが経過した後、IRパルス916を印加するとともに位相エンコードを付与してエコー信号を計測するシーケンスを実行して第1スライスからデータ910を取得する。続いてIRパルス926を印加してシーケンスを実行して第2スライスからデータ920を取得する。さらにIRパルス936を印加してシーケンスを実行して第3スライスからデータ930を取得する。この際、各スライスのデータは、低周波成分の所定の1又は複数の位相エンコードについては重複して取得する。次のR波905を検出後、R−R間隔901を計測し、それに基づき各スライスの低周波成分を取得すべき時間9071、9072、9073を決定する。この場合、時間9071、9072、9073は、それぞれR−R間隔に対する所定の割合を決めておくことにより算出する。
次の第2心周期の計測でも、R波905を検出してからディレイタイムが経過した後、IRパルスの印加を含むシーケンスを実行して、第1スライスから第3スライスまでのデータ940、950、960を取得する。ここでも各スライスのデータは、低周波成分の所定の1又は複数の位相エンコードについては重複して取得するが、第1心周期とは異なる位相エンコードのデータを取得する。最後のR波906を検出後、R−R間隔902を計測し、それに基づき各スライスの低周波成分を取得すべき時間9081、9082、9083を決定する。
第1のスライスは、第1心周期で重複して取得した低周波データ911のうち時間9071で取得した信号913と重複せずに取得した信号912及び第2心周期で重複して取得した低周波データ941のうち時間9081で取得した信号943と重複せずに取得した信号942とを用いて画像再構成する。同様に第2スライス、第3スライスについても、時間9072、9073及び時間9074、9084で取得した信号と、それ以外の位相エンコードの信号を用いて画像再構成する。
図9(c)に示すように、心周期のR−R間隔が変化すると、心腔容積の変化も異なり、R波から固定した時間に低周波成分を計測した場合には、2心周期分のデータには異なる心時相の画像データが含まれることになり、心筋の梗塞領域の正確な診断ができない可能性があるが、本実施形態のように、低周波成分を重複して取得しておき、R−R間隔に基づいて決まる所定の時間に取得されたものを選択することにより、2心周期のデータをほぼ同一時相とすることができ、同じ心腔容積のデータから画像を再構成することができる。これにより心筋梗塞診断をより正確なものにすることができる。
以上、本発明のMRI装置を用いた撮影方法の各実施形態とその応用例を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることなく、種々の変更や種々の撮影方法への応用が可能である。
本発明が適用されるMRI装置の概要を示すブロック図 図1のMRI装置の制御部の詳細を示すブロック図 本発明のMRI装置を用いた撮影方法の手順を示す図 本発明のMRI装置を用いた撮影方法の一実施形態を示す図 本発明のMRI装置を用いた撮影方法の別の実施形態を示す図 本発明のMRI装置を用いた撮影方法の別の実施形態の手順を示す図 本発明のMRI装置を用いた撮影方法の別の実施形態の手順を示す図 本発明のMRI装置による撮影方法をナビゲーターシーケンスと組み合わせた応用例を示す図 本発明のMRI装置による撮影方法を心冠動脈パーフュージョン撮影に応用した例を示す図
符号の説明
102・・・静磁場発生磁石、103・・・傾斜磁場コイル、104・・・RFコイル、105・・・RFプローブ、106・・・信号検出部、107・・・信号処理部、108・・・表示部、109・・・111・・・制御系、113・・・シーケンス制御部、114・・・演算部、115・・・記憶装置、117・・・入力装置、120・・・外部センサ(心電計)

Claims (6)

  1. 静磁場空間に置かれた被検体に高周波磁場及び傾斜磁場を印加する各磁場発生手段、前記被検体から核磁気共鳴信号をk空間データとして計測する計測手段、前記各磁場発生手段及び計測手段を所定のパルスシーケンスに従い制御する制御手段および前記k空間に配置された核磁気共鳴信号を用いて画像を再構成する画像再構成手段を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、前記被検体からの周期的な生体信号を入力する生体信号入力手段および前記生体信号入力手段が入力した生体信号に基き前記所定のパルスシーケンスを制御するシーケンス制御手段を備え、前記シーケンス制御手段は、生体信号の発生をトリガーとして、所定のディレイタイム後に前記パルスシーケンスを実行し、一周期内で位相エンコード量の異なる複数の核磁気共鳴信号を計測し、その際、k空間データの一部の領域の信号を重複して計測し、前記生体信号発生からの経過時間が異なる当該一部の領域の信号を複数取得し、
    前記画像再構成手段は、計測時の一周期の間隔に基づき、複数回計測された前記一部の領域の信号から、目的とする時相と同じタイミングまたは目的とする時相に最も近いタイミングに計測された信号を選択し、選択された一部の領域の信号と前記他の領域の信号を用いて画像再構成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    記画像再構成手段は、計測時の一周期の間隔をもとに所定の時相を決定する演算手段を備え、一周期内で重複して計測された同一位相エンコード量の信号のうち前記演算手段で決定された時相と同じタイミング又は最も近いタイミングに計測された信号を選択し、選択された信号及びそれと位相エンコード量の異なる信号を用いて画像を再構成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記重複して計測する同一位相エンコード量の信号は、k空間の低周波成分であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記演算手段は、周期毎に周期の間隔を算出し、生体信号の発生時点から、前記周期の間隔の所定割合の時間が経過した時点の時相を、前記所定の時相として選択することを特徴とする請求項1ないし3いずれ1項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記シーケンス制御手段は、画像再構成に必要なすべての核磁気共鳴信号を、生体信号の発生から次の生体信号の発生までの一周期内で計測する高速パルスシーケンスを実行することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記シーケンス制御手段は、一周期で複数のスライスの画像用データを取得するパルスシーケンスを実行することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の磁気共鳴イメージング装置。
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