JP2003079594A - 磁気共鳴撮像装置 - Google Patents

磁気共鳴撮像装置

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JP2003079594A JP2001275346A JP2001275346A JP2003079594A JP 2003079594 A JP2003079594 A JP 2003079594A JP 2001275346 A JP2001275346 A JP 2001275346A JP 2001275346 A JP2001275346 A JP 2001275346A JP 2003079594 A JP2003079594 A JP 2003079594A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁気共鳴撮像装置の画像に現れるアーチファ
クトの位置の変化を抑える。 【解決手段】 高周波磁場パルスの照射位相を補正する
補正手段もしくは磁気共鳴信号の位相のずれを補正する
手段を設け、補正手段は、被検体の複数枚の画像を連続
的に撮像するシーケンスを実行する際に、一枚の画像の
撮像シーケンス31または33実行途中または各枚の画
像の撮像シーケンス31と33の合間に、静磁場強度に
対応する共鳴周波数を求め、共鳴周波数に基づいて静磁
場強度の変動に起因する原子核スピン位相の変化分を求
め、変化分に応じて、高周波磁場パルスの照射位相もし
くは磁気共鳴信号の位相のずれを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴撮像装置
に係り、例えば、連続撮影を行いながら被検体である患
者の生体内に挿入された穿刺針等の侵襲デバイスをモニ
タリングする磁気共鳴撮像装置に好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴撮像装置(MRI装置)は、生
体に均一な静磁場を作用させた状態で高周波磁場パルス
を照射し、生体中の水素や燐などの原子核を励起させ、
この励起により発生する核磁気共鳴信号(NMR信号)
を計測し、それら水素や燐の密度分布あるいは緩和時間
分布等の磁気共鳴情報に基づいて、生体内の計測領域を
画像化することにより、医療診断に資する装置である。
【0003】近年、MRI装置による透視下で検査や治
療を行うI−MRI(Interventional MRI)がその低侵
襲性や入院期間の短縮等のメリットにより注目を集めて
いる。例えば、生検法(Biopsy)やレーザ治療などで
は、針状の形状を持つ穿刺針等を患者の体表から患部に
向かって挿入し、患部に到達したところで検体採取や加
熱治療を行っている。このような手技を行うには、穿刺
針が患者の体内でどの方向に、どれだけの距離を進んだ
かをモニタすることが必要であり、そのモニタを実施す
るためにMRIの撮影機能が利用される。すなわち、M
RI装置を用いて穿刺針の進行状況を短い時間間隔で連
続的に撮像を行い、得られた画像上で針の進行を確認す
るものである。
【0004】このようなモニタを実施するにあたって
は、相応の空間分解能を保ちつつ、準リアルタイムで穿
刺針の進行を描出する必要から高速撮像法が必要とな
る。MRIの高速撮像法は、従来より複数のタイプもの
が知られている。そのうち、高速スピンエコー法(高速
SE法)は、横緩和(T2)減衰による画像のボケが生
じることや、画像上で針径が小さく確認しにくいという
問題がある。またエコープラナー法(EPI法)は、磁
化率(Susceptibility)に対する敏感さから、生体内の
磁化率分布が不均一な領域では画像の歪みが生じやす
く、患部の形状を正確に描出することを目的とするには
不適当である。
【0005】一方、定常自由歳差運動(SSFP:Stea
dy State Free Precession)状態を利用する高速グラジ
エントエコー法(以下「SSFP−GE法」とする)
は、高速SE法やEPI法の持つ弱点を基本的にもたな
いため、I−MRIのモニタ用途に適し、すでに実施さ
れている。このSSFP−GE法においては、モニタリ
ングのためのパルスシーケンスサイクル開始直前に静磁
場強度あるいは静磁場強度に対応する共鳴周波数を計測
し、その共鳴周波数の計測結果を用いてその後に実施さ
れるパルスシーケンスの制御、特に高周波磁場パルスの
周波数制御や位相制御を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のSSFP−GE
法では、モニタリングのためのパルスシーケンスサイク
ルが比較的長時間に渡り継続する場合においても、その
途中において磁場強度あるいは磁場強度に対応する共鳴
周波数を計測するプロセスが含まれていない。このよう
な場合でも従来のモニタリングにおいて大きな問題が生
じなかったのは、SSFP−GE法で使用されていたの
がSSFPインコヒーレント(Incoherent)タイプのシ
ーケンスであったことによる。
【0007】これに対し、より鮮明な画像を提供するS
SFPコヒーレント(Coherent)タイプのシーケンス
は、磁場の不均一や変動に敏感で、静磁場不均一がある
と画像上に強い低信号の帯であるアーチファクトが生じ
る。しかも、連続的に撮像する場合、各画像におけるア
ーチファクトの位置が変化する。これは、静磁場変動や
傾斜磁場印加により1TR間(高周波磁場パルス照射か
ら次の高周波磁場パルス照射までの時間)にスピン位相
が回転する角度(Resonance offset Angle、以下「R
OA」とする)が変化し、その結果アーチファクトの出
現位置が変動するためである。そのため、あるタイミン
グで撮像した画像の穿刺針が、他のタイミングでは位置
変動したアーチファクトに隠れて確認できない場合が生
じるおそれがある。
【0008】本発明は、磁気共鳴撮像装置の画像に現れ
るアーチファクトの位置が動くのを抑えることを課題と
する。
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の磁気共鳴撮像装置は、静磁場発生手段と、
傾斜磁場発生手段と、高周波磁場パルス照射手段と、被
検体から発生する磁気共鳴信号を受信する受信手段と、
前記静磁場発生手段と前記傾斜磁場発生手段と前記高周
波磁場パルス照射手段と前記受信手段とを制御して撮像
シーケンスを実行するシーケンサと、前記磁気共鳴信号
に基づいて画像を再構成する信号処理手段とを備えた磁
気共鳴撮像装置において、前記高周波磁場パルスの照射
位相を補正する補正手段を設け、該補正手段は、前記被
検体の複数枚の画像を連続的に撮像するシーケンスを実
行する際に、一枚の画像の撮像シーケンス実行途中また
は一枚若しくは複数枚の画像の撮像シーケンスの合間
に、静磁場強度に対応する共鳴周波数を求め、該共鳴周
波数に基づいて静磁場強度の変動に起因する原子核スピ
ン位相の変化分を求め、該変化分に応じて前記高周波磁
場パルスの照射位相を補正することを特徴とする。
【0009】このような構成とすることにより、静磁場
の変動により原子核スピンの位相が変化した場合でも、
原子核スピンに対する高周波磁場パルスの照射位相を一
定に維持することができ、アーチファクトの出現位置の
変動を抑えることができる。
【0010】また、これに代えて、静磁場強度の変動に
よる原子核スピン位相の変化分に応じて共鳴信号の位相
のずれを補正して画像化することにより、アーチファク
トの出現位置の変動を抑えることができる。
【0011】また、高周波磁場パルス照射手段は、被検
体の生体組織を構成する原子の原子核のスピンを定常自
由歳差運動の状態を保持するように、高周波磁場パルス
を照射することが好ましい。定常自由歳差運動、すなわ
ちスピンの定常状態であるSSFP状態を維持すること
により、画質の劣化を抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。図1は一実施形態の撮像シーケンス
を示す図、図2はアーチファクトの出現位置変動の様子
を説明する図、図3は一実施形態の磁気共鳴撮像装置の
全体構成を示すブロック図である。図3に示すように、
磁気共鳴撮像装置は、静磁場発生回路1、傾斜磁場発生
系2、送信系3、受信系4、信号処理系5、シーケンサ
6、及び中央処理装置(CPU)7等を備えて構成され
る。静磁場発生回路1は、被検体9が置かれる空間に均
一な静磁場を発生させるものである。その静磁場の方向
は、通常、被検体9の体軸方向又は体軸に直交する方向
である。また、静磁場発生回路1は、永久磁石を用いて
形成されている。傾斜磁場発生系2は、直交3軸(X、
Y、Z)方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル10
と、その傾斜磁場コイル10の駆動電流を供給する傾斜
磁場電源11を有して構成されている。傾斜磁場電源1
1は、シーケンサ6の命令に従って直交3軸(X,Y,
Z)方向の傾斜磁場Gs、Gp、Grを被検体9に印加
するようになっている。この傾斜磁場の与え方によって
断層像のスライス面を設定することができる。シーケン
サ6はCPU7の制御により動作し、パルスシーケンス
と称される撮像シーケンスに従って、傾斜磁場発生系
2、送信系3、受信系4等に命令を送り、断層像を撮像
するのに必要な制御を実行するものである。
【0013】送信系3は、高周波磁場パルスにより被検
体9の生体組織を構成する原子核に核磁気共鳴を起こさ
せるために高周波磁場パルスを照射するもので、高周波
発振器12、変調器13、高周波増幅器14及び高周波
照射コイル15を有して構成されている。そして、送信
系3は、シーケンサ6の命令に従って、高周波発振器1
2から出力される高周波磁場パルスを変調器13で振幅
変調し、さらに高周波増幅器14で増幅した後、高周波
照射コイル15に供給して高周波磁場パルス(RFパル
ス)を被検体9に照射するようになっている。
【0014】受信系4は、被検体9の生体組織の原子核
の核磁気共鳴により放出されるエコー信号などの磁気共
鳴信号を検出するもので、受信側の高周波受信コイル1
6、増幅器17、直交位相検波器18及びA/D変換器
19を有して構成される。高周波受信コイル16により
受波された磁気共鳴信号は増幅器17で増幅され、直交
位相検波器18で検波された後、A/D変換器19でデ
ィジタル信号の計測データに変換される。なお、シーケ
ンサ6の制御によるタイミングで直交位相検波器18に
より位相を90°ずらしてサンプリングされた二系列の
計測データは、信号処理系5に送られる。
【0015】信号処理系5は、CPU7、ROM20、
RAM21、光磁気ディスク22、CRTなどのディス
プレイ23及び磁気ディスク24を有して構成される。
CPU7は、入力される計測データをフーリエ変換処理
を含む画像再構成処理を行い、任意断面の信号強度分布
あるいは所定の処理をした画像を作成して、ディスプレ
イ23に断層像として表示するようになっている。RO
M20は、経時的な画像解析処理及び計測を行なうプロ
グラムや、その実行に用いる不変のパラメータなどを記
憶する。RAM21は、前計測で用いた計測パラメータ
や、送信系4で検出したエコー信号、及び関心領域設定
に用いる画像を一時保管すると共に、その関心領域を設
定するためのパラメータなどを記憶する。光磁気ディス
ク22及び磁気ディスク24は、CPU7により再構成
された画像のデータを記録する。ディスプレイ23は、
光磁気ディスク22及び磁気ディスク24に格納されて
いる画像データを映像化して断層像として表示する。
【0016】特に、本発明の特徴部に係る機能として、
CPU7は、静磁場強度に対応する共鳴周波数の計測を
する機能を備えている。またCPU7は、求めた共鳴周
波数から静磁場強度の変動による原子核スピン位相の変
化分を演算する機能を備えている。また、シーケンサ6
は、SSFP コヒーレント タイプのパルスシーケン
スを実行する機能を備えると共に、CPU7により演算
された原子核スピン位相の変化分に起因する高周波磁場
パルスの照射位相のずれを補正するように、送信系3を
制御する機能を有している。
【0017】操作部8は、信号処理系で実行する処理の
制御情報を入力するものであり、例えば、トラックボー
ル又はマウス25やキーボード26を備えて構成され
る。
【0018】このように構成される磁気共鳴撮像装置
(MRI装置)を用いて、被検体のMR画像を撮像する
方法について説明する。現在、臨床で普及している計測
対象は、被検体の主用な構成物質であるプロトンの密度
分布や励起状態の緩和現象の空間分布である。これらの
空間分布を画像化することにより、人体の頭部、腹部、
四肢等の形態又は機能を2次元又は3次元的に画像化し
て診断に資することができる。
【0019】撮像はパルスシーケンスと称される撮像シ
ーケンスに従って行われる。図1に、本実施形態の撮像
シーケンスを示す。本実施形態では、SSFP コヒー
レントタイプと呼ばれるパルスシーケンスを用いてい
る。図は、上から順に、高周波磁場パルスRF、スライ
ス選択傾斜磁場Gs、位相エンコード傾斜磁場Gp、リ
ードアウト傾斜磁場Gr、信号(NMR信号)、サンプ
リィングウインドADをそれぞれ示し、縦軸はそれらの
強度を、横軸は時間を示している。図1のパルスシーケ
ンスサイクル31、33は、連続的に複数画像を撮像す
る際、それぞれ1画像を撮像するためのシーケンスサイ
クルを示す。すなわち、パルスシーケンスサイクル31
を繰り返すことにより第一の画像が得られ、同様にパル
スシーケンスサイクル33を繰り返すことにより第二の
画像が得られることを示す。
【0020】図1はシーケンスの内容が煩雑になるので
簡略化しているが、以下これを詳細に説明する。パルス
シーケンスサイクル31の高周波磁場パルス37を照射
することにより、原子核の磁気モーメントの総和である
巨視的磁化は、α°(αは任意の角度だが、典型的には
30°〜90°)の励起角度を有することになる。この
とき高周波磁場パルス37は、回転座標系で巨視的磁化
に対して一定の位相、すなわち一定の方向(本実施形態
ではX軸方向)から照射するように制御されている。そ
して、高周波パルス37と共に所望のスライス位置に対
応したスライス選択傾斜磁場Gs(以下「Gs」とす
る)パルス45,47,49を発生して被検体に印加す
る。これにより被検体中の例えばプロトンが励起され、
被検体からNMR信号、すなわち核磁気共鳴信号が発生
する。このNMR信号89に空間位置情報である位相エ
ンコード傾斜磁場Gp(以下「Gp」とする)パルス6
9、71を印加した後、リードアウト傾斜磁場Gr(以
下「Gr」とする)パルス77、79、81を印加す
る。このGrパルス77、79、81の印加期間内に、
サンプリングウインド95に合わせてNMR信号89を
サンプリングする。そして、サンプリング後は再び、高
周波磁場パルス39を照射すると共に、Gsパルス5
1、53、55を印加する。発生したNMR信号にGp
パルス69,71およびGrパルス77,79,81を
印加する。そして、Grパルスの印加期間内にサンプリ
ングウインド95に合わせてNMR信号89をサンプリ
ングする。そして、再度高周波磁場パルス37の照射に
戻り、同様の手順を繰り返す。高周波磁場パルス37と
39は、SSFP状態を維持すべく一定の時間間隔TR
で照射される。また、Gpパルスの図の横に矢印で示し
たように、Gpパルス69は、最小値から最大値に向か
ってシーケンスサイクル毎にステップ状に強度を変えな
がら所定の回数(例えば128回)繰り返し、Gpパル
ス71は、逆に最大値から最小値に向かって強度を変化
させ、その都度NMR信号を計測する。このようにし
て、パルスシーケンスサイクル31で第一の画像が得ら
れる。
【0021】パルスシーケンスサイクル33でも同様
に、高周波磁場パルス41と43を繰り返し時間TRで
照射する。すなわち、高周波パルス41を照射すると共
に、Gsパルス57、59、61を印加し、発生したN
MR信号にGpパルス73、75とGrパルス83,8
5,87を印加してNMR信号93をサンプリングす
る。そして、次に高周波磁場パルス43を照射して、同
様に、Gs、Gp、Grの各パルスを印加してNMR信
号93をサンプリングする。この繰り返しにより、第二
の画像を得る。
【0022】本実施形態のパルスシーケンスは、一般に
SSFP コヒーレントタイプとよばれるパルスシーケ
ンスである。これらのシーケンスでは、Gsパルス、G
pパルス、Grパルスのいずれも1TRにおける時間積
分値が0となる。すなわち、SSFP コヒーレントタ
イプのパルスシーケンスでは、1TR中にすべての軸の
傾斜磁場パルスの時間軸についての積分値が0となるこ
とが特徴である。Gsパルス45、47、49の面積比
は、1:2:1で、他のGsパルスも同様で、1TR内で
の時間積分値が0となる。Gpパルス69と71は互い
に逆符号で大きさは同一であるように設定しているた
め、Gpパルスについても1TR内での時間積分値は0
となる。この関係は、他のGpパルスでも同様である。
Grパルス77,79,81は、面積比が例えば1:2:
1となっており、この関係は他のGrパルスでも同様
で、1TR内での時間積分値が0となる。
【0023】パルスシーケンス35は、本実施形態のパ
ルスシーケンスの特徴部であり、磁場強度に対応する共
鳴周波数を計測するパルスシーケンスである。このパル
スシーケンスでは、Gsパルスの印加パターンは、撮像
シーケンスの31、33と同等であるが、共鳴周波数を
計測するためのものであるから、少なくともGrパルス
は印加されない。サンプリングウインドADに記した信
号読み出し97で、磁気共鳴信号91を計測し、その結
果をフーリエ変換することにより、静磁場強度に対応し
た共鳴周波数を求めることができる。
【0024】次に、本実施形態のパルスシシーケンスを
実行する際の特徴を説明する。パルスシーケンスサイク
ル31の実行時において、静磁場強度に対応する共鳴周
波数をf0とする。パルスシーケンスサイクル33および
パルスシーケンス35の実行時には、静磁場強度が変化
し、変化後の静磁場強度に対応する共鳴周波数を(f0+
Δf)とする。パルスシーケンスサイクル31では、予め
確認された静磁場強度に対応する共鳴周波数f0に基づい
て位相制御を行い、サイクル中の全ての高周波パルス
一定の方向、すなわち回転座標系のX軸方向に照射す
る。この場合、TRがf0の逆数の整数倍に一致するよう
にすると、高周波パルスの基本波を常に同一の初期位相
で照射することにより、スピンは常に一定の方向に励起
される。
【0025】ところが、静磁場強度の変化等があると、
1TR間にスピン位相が回転する角度、すなわちROA
が変化する。この場合、なにも対処せずにパルスシーケ
ンス33を実行すると、画像上に強い低信号の帯である
アーチファクトが出現し、その出現位置が変動する。図
2は、同一のパルスシーケンス制御条件下で、静磁場強
度の変化によりアーチファクトの出現位置が移動する様
子を説明した図で、説明を分かりやすくするために、X
方向に1次の磁場不均一が存在する場合を示している。
画像(a)、(b)は、撮影視野(Field of Vie
w、FOV)101において円形断面の被撮像物103
を撮像したもので、画像上の同一位置において互いにR
OAが約180°の差を有し、それぞれ低信号帯のアー
チファクト105,107が発生している。このような
アーチファクトの移動が生じた場合、あるタイミングで
撮像した画像上では穿刺針が確認できても、他のタイミ
ングでは低信号帯アーチファクトに隠れて穿刺針が確認
できない場合がおこる。
【0026】そこで、パルスシーケンスサイクル31と
33の間において、パルスシーケンス35を実行して、
磁気共鳴信号を計測し、静磁場強度変化後の共鳴周波数
である(f0+Δf)を求める。そして、求めた共鳴周波数
から、パルスシーケンスサイクル33におけるスピンの
ROAと同等にした高周波パルスの照射位相が求められ
る。具体的には、高周波パルスの基本波の初期位相を照
射毎に(2π×Δf×TR)ずつインクリメントしてい
くことにより、高周波パルスを一定方向から照射、すな
わちX軸方向からの照射を維持することができ、アーチ
ファクトの移動を抑えることができる。
【0027】パルスシーケンス35の高周波パルス39
の照射は、パルスシーケンスサイクル31と33と同様
に、TRの時間を維持して行う。すなわち、高周波パル
ス39は、パルスシーケンスサイクル31の最後に照射
された高周波磁場パルス37からTR時間後に照射する
ことになる。このように照射することにより、画像を撮
像するためのパルスシーケンスサイクル31と33の間
にパルスシーケンス35を挿入しても、SSFP状態を
崩すことなく静磁場強度に対応共鳴周波数を測定するこ
とができる。
【0028】本実施形態では、パルスシーケンス35を
パルスシーケンスサイクル31と33の間に1回のみ挿
入したが、これに限定するものでなくパルスシーケンス
サイクル31と33の実行途中に1回以上挿入してもよ
い。また、複数のパルスシーケンス35を挿入した場
合、それらすべてで磁気共鳴信号を計測する必要はな
い。また、3枚以上の磁気画像を撮像する場合には、各
画像に対応するパルスシーケンスサイクルに対応してパ
ルスシーケンス35を実施する必要はなく、複数の撮像
のためのパルスシーケンスサイクル単位でパルスシーケ
ンス35を1回以上挿入し、それらのうちの1回以上の
パルスシーケンスで磁気共鳴信号を計測し、静磁場強度
に対応する共鳴周波数を求めて、高周波パルスの照射位
相を制御しても本実施形態と同等の効果が得られる。
【0029】また、本実施形態においては、パルスシー
ケンスサイクル31、33でSSFP コヒーレントタ
イプのパルスシーケンスを用いたが、SSFP インコ
ヒーレントタイプのパルスシーケンスを用いても、SS
FP状態を崩すことなくモニタリング中の静磁場強度を
計測できる。
【0030】また、本実施形態では、変化後の静磁場強
度に対応する共鳴周波数を測定し、測定結果に基づいて
高周波パルスの照射位相を制御したが、これに代えて変
化後の磁場強度を測定して変化後の静磁場強度に対応す
る共鳴周波数を演算で求めてから、高周波パルスの照射
位相を制御してもよい。
【0031】さらに、本実施形態では、高周波パルスの
照射位相を制御することによりアーチファクトの移動を
抑えたが、これに代えて静磁場強度の計測または静磁場
強度に対応する共鳴周波数の計測により求めた共鳴周波
数により、静磁場強度の変動による原子核スピン位相の
変化分を求め、該変化分に起因する共鳴信号の位相のず
れを補正して画像化することにより、アーチファクトの
出現位置の変動を抑えることができる。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、磁
気共鳴撮像装置の画像に現れるアーチファクトの位置が
動くのを抑えることができる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の撮像シーケンスを示
す図である。
【図2】アーチファクトの出現位置が移動する様子を説
明した図である。
【図3】本発明に係る一実施形態の磁気共鳴撮像装置の
全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】 1 静磁場発生回路 2 傾斜磁場発生系 3 送信系 4 受信系 5 信号処理系 6 シーケンサ 7 CPU 8 操作部 9 被検体 10 傾斜磁場コイル 15 高周波照射コイル 31、33 パルスシーケンスサイクル 35 パルスシーケンス 37、39、41、43 高周波磁場パルス 45、47、49、51、53、55 スライス傾斜磁
場パルス 69、71 位相エンコード傾斜磁場パルス 77、79、81 リードアウト傾斜磁場パルス 89、91 磁気共鳴信号 95、97 信号読み出し

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段
    と、高周波磁場パルス照射手段と、被検体から発生する
    磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記静磁場発生手
    段と前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場パルス照射
    手段と前記受信手段とを制御して撮像シーケンスを実行
    するシーケンサと、前記磁気共鳴信号に基づいて画像を
    再構成する信号処理手段とを備えた磁気共鳴撮像装置に
    おいて、前記高周波磁場パルスの照射位相を補正する補
    正手段を設け、該補正手段は、前記被検体の複数枚の画
    像を連続的に撮像するシーケンスを実行する際に、一枚
    の画像の撮像シーケンス実行途中または一枚若しくは複
    数枚の画像の撮像シーケンスの合間に、静磁場強度に対
    応する共鳴周波数を求め、該共鳴周波数に基づいて静磁
    場強度の変動に起因する原子核スピン位相の変化分を求
    め、該変化分に応じて前記高周波磁場パルスの照射位相
    を補正することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  2. 【請求項2】 静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段
    と、高周波磁場パルス照射手段と、被検体から発生する
    磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記静磁場発生手
    段と前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場パルス照射
    手段と前記受信手段とを制御して撮像シーケンスを実行
    するシーケンサと、前記磁気共鳴信号に基づいて画像を
    再構成する信号処理手段とを備えた磁気共鳴撮像装置に
    おいて、前記磁気共鳴信号の位相のずれを補正する手段
    を設け、該補正手段は、前記被検体の複数枚の画像を連
    続的に撮像するシーケンスを実行する際に、一枚の画像
    の撮像シーケンス実行途中または一枚若しくは複数枚の
    画像の撮像シーケンスの合間に、静磁場強度に対応する
    共鳴周波数を求め、該共鳴周波数に基づいて静磁場強度
    の変動による原子核スピン位相の変化分を求め、該変化
    分に応じて前記磁気共鳴信号の位相のずれを補正するこ
    とを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記高周波
    磁場パルス照射手段は、前記被検体の生体組織を構成す
    る原子の原子核のスピンを定常自由歳差運動の状態を保
    持するように、高周波磁場パルスを照射することを特徴
    とする磁気共鳴撮像装置。
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