JP2007202584A - 磁気共鳴画像化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】核磁気共鳴を利用して、リアルタイムに、かつ、高精度に被測定対象の断層撮影を行うことが可能な磁気共鳴画像化装置を提供する。
【解決手段】fMRI装置1000は、核磁気共鳴に起因する検出信号を検知するために、被験者10に磁場を印加するための静磁場コイル100、傾斜磁場コイル102およびRFコイル104と、振動磁場をRFコイル104に与え、検出信号から断層画像を生成する断層撮影制御部200とを備える。断層撮影制御部200は、時系列で得られる断面画像のうち、1フレーム前の断面画像と現在の断面画像とを比較することで、順次、共鳴周波数の周波数シフト量を算出するため周波数シフト算出部300と、周波数シフト量に基づいて、現在の断面画像の再構成処理を補正する画像再構成部260とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】fMRI装置1000は、核磁気共鳴に起因する検出信号を検知するために、被験者10に磁場を印加するための静磁場コイル100、傾斜磁場コイル102およびRFコイル104と、振動磁場をRFコイル104に与え、検出信号から断層画像を生成する断層撮影制御部200とを備える。断層撮影制御部200は、時系列で得られる断面画像のうち、1フレーム前の断面画像と現在の断面画像とを比較することで、順次、共鳴周波数の周波数シフト量を算出するため周波数シフト算出部300と、周波数シフト量に基づいて、現在の断面画像の再構成処理を補正する画像再構成部260とを含む。
【選択図】図1
Description
この発明は、生体の断層撮影を行なうための核磁気共鳴画像化(MRI : Magnetic Resonance Imaging)装置の構成に関する。
生体の脳や全身の断面を画像する方法として、生体中の原子、特に、水素原子の原子核に対する核磁気共鳴現象を利用した核磁気共鳴映像法が、人間の臨床画像診断等に使用されている。
核磁気共鳴映像法は、それを人体に適用する場合、同様の人体内断層画像法である「X線CT」に比較して、たとえば、以下のような特徴がある。
(1)水素原子の分布と、その信号緩和時間(原子の結合の強さを反映)に対応した濃度の画像が得られる。このため、組織の性質の差異に応じた濃淡を呈し、組織の違いを観察しやすい。
(2)磁場は、骨による吸収がない。このため、骨に囲まれた部位(頭蓋内、脊髄など)を観察しやすい。
(3)X線のように人体に害になるということがないので、広範囲に活用できる。
このような核磁気共鳴影像法は、人体の各細胞に最も多く含まれ、かつ最も大きな磁性を有している水素原子核(陽子)の磁気性を利用する。水素原子核の磁性を担うスピン角運動量の磁場内での運動は、古典的には、コマの歳差運動にたとえられる。
このような核磁気共鳴影像法は、人体の各細胞に最も多く含まれ、かつ最も大きな磁性を有している水素原子核(陽子)の磁気性を利用する。水素原子核の磁性を担うスピン角運動量の磁場内での運動は、古典的には、コマの歳差運動にたとえられる。
以下、本発明の背景の説明のために、この直感的な古典的モデルで、簡単に核磁気共鳴の原理をまとめておく。
上述したような水素原子核のスピン角運動量の方向(コマの自転軸の方向)は、磁場のない環境では、ランダムな方向を向いているものの、静磁場を印加すると、磁力線の方向を向く。
この状態で、さらに振動磁界を重畳すると、この振動磁界の周波数が、静磁界の強さで決まる共鳴周波数f0=γB0/2π(γ:物質に固有の係数)であると、共鳴により原子核側にエネルギーが移動し、磁化ベクトルの方向が変わる(歳差運動が大きくなる)。この状態で、振動磁界を切ると、歳差運動は、傾き角度を戻しながら、静磁界における方向に復帰していく。この過程を外部からアンテナコイルにより検知することで、NMR信号を得ることができる。
このような共鳴周波数f0は、静磁界の強度がB0(T)であるとき、水素原子では、42.6×B0(MHz)となる。
さらに、核磁気共鳴映像法では、血流量の変化に応じて、検出される信号に変化が現れることを用いて、外部刺激等に対する脳の活動部位を視覚化することも可能である。このような核磁気共鳴映像法を、特に、fMRI(functional MRI)と呼ぶ。
fMRIでは、装置としては通常のMRI装置に、さらに、fMRI計測に必要なハードおよびソフトを装備したものが使用される。
ここで、血流量の変化がNMR信号強度に変化をもたらすのは、血液中の酸素化および脱酸素化ヘモグロビンは磁気的な性質が異なることを利用している。酸素化ヘモグロビンは反磁性体の性質があり、周りに存在する水の水素原子の緩和時間に影響を与えないのに対し、脱酸素化ヘモグロビンは常磁性体であり、周囲の磁場を変化させる。したがって、脳が刺激を受け、局部血流が増大し、酸素化ヘモグロビンが増加すると、その変化分をMRI信号として検出する事ができる。被験者への刺激は、たとえば、視覚による刺激や聴覚による刺激等が用いられる。
図9は、このような核磁気共鳴現象を利用したMRI装置の構成を示す機能ブロック図である。
図9を参照して、MRI装置は、被験者10を支持するための台部12と、上述した静磁界を生成するための静磁場コイル100と、後に説明するように被験者における観測断面(スライス)の位置およびスライス内の位置の情報を観測信号に付与するための傾斜磁場コイル102と、観測対象となる原子核に振動磁場を印加するために電磁波を出力するRFコイル104と、観測対象となる原子核からの信号を受信するためのRFコイル106と、コイル100〜104を制御し、かつ、RFコイル106で受信された信号を基に、断層画像を生成するための断層撮影制御部200とを備える。
さらに、断層撮影制御部200は、使用者からの指示等の入力を行うための入力部210と、入力部210からの指示に基づいて、たとえば、各被験者10に対する測定ごとに、RFコイル104から与える電磁場の強度およびRFコイル106で検出される信号強度の調整値や測定される共鳴周波数(以下、中心周波数と呼ぶ)の値f0の合わせ込みの結果(較正値)などをチューニング値として保存するためのチューニング値記憶部220とを備える。ここで、被験者10ごとに、このようなチューニングを行うのは、被験者10によって、コイル内の磁場の環境が微妙に変化するために、これを調整する必要があるからである。
断層撮影制御部200は、さらに、上述したようなチューニング動作や測定動作の制御を行うための制御部230と、制御部230に制御されてRFコイル104に対してRFパルスを与えるためのRFパルス送信部240と、RFコイル106からの信号を増幅して検出信号を取得するための信号増幅部250と、信号増幅部250からの検出信号に対応する測定データを記憶するデータ記憶部252と、チューニング値記憶部220中に格納されている中心周波数の較正値等の情報とデータ記憶部252からの測定データとに基づいて、フーリエ変換処理を行なうことにより、観測する断面の断面画像データを再構成するための画像再構成部260と、画像再構成部260からの情報をもとに再構成された断面画像を表示するための表示部270とを備える。なお、このようにして再構成された断面画像データは、データ記憶部252に格納される。
さらに、断層撮影制御部200は、後に詳しく説明するように、このようにして、測定期間中に得られ、データ記憶部252に格納された断面画像データに対して、測定後に画像処理を行ない、測定中の画像のずれを補正するための画像処理部280を備える。
なお、ここで「画像のずれ」と呼ぶものには、被験者10の測定期間中の体動を原因とするものだけでなく、コイル内の温度変化等により、上述した中心周波数が変動することにより生じるものを含む。
ここで、静磁場コイル100は、より詳しくは、たとえば、4個の空芯コイルから構成され、その組み合わせで内部に均一な磁界を作り、被験者10の体内の水素原子核のスピンに配向性を与える。
RFコイル104は、高周波を発して被験者10の体内の原子核を励起し、RFコイル106は、生じた核磁気共鳴を起因とする検出信号(エコー信号)を検知する。
傾斜磁場コイル102は、図示しないX, Y, Zの3組の傾斜コイルを備え、Zコイルは励起時に、磁界強度をZ方向に傾斜させて共鳴面を限定し、Yコイルは、Z方向の磁界印加の直後に短時間の傾斜を加えて検出信号にY座標に比例した位相変調を加え(位相エンコーディング)、Xコイルは、続いてデータ採取時に傾斜を加えて、検出信号にX座標に比例した周波数変調を与える(周波数エンコーディング)。
すなわち、静磁界にZ軸傾斜磁界を加えた状態にある被験者10に、共鳴周波数の高周波電磁界を、RFコイル104を通じて印加すると、磁界の強さが共鳴条件になっている部分の水素原子核が、選択的に励起されて共鳴し始める。共鳴条件に合致した部分(たとえば、被験者10の所定の厚さの断層)にある水素原子核が励起され、スピンがいっせいに回転する。励起パルスを止めると、RFコイル106には、今度は、回転しているスピンが放射する電磁波が信号を誘起し、しばらくの間、この信号が検出される。この信号によって、被験者10の体内の、水を含んだ組織を観察する。そして、信号の発信位置を知るために、XとYの傾斜磁界を加えて信号を検知する、という構成になっている。
制御部230は、励起信号を繰り返し与えつつ検出信号を測定し、画像再構成部260は、1回目のフーリエ変換計算により、共鳴の周波数をX座標に還元し、2回目のフーリエ変換でY座標を復元して画像を得て、表示部270に対応する画像を表示する。
以上の説明は、通常のMRI装置の動作と本質的に同じである。
次に、fMRIとして動作するときの動作シーケンスについて、さらに、詳しく説明する。
次に、fMRIとして動作するときの動作シーケンスについて、さらに、詳しく説明する。
脳機能の画像を撮影するためには、エコープレナーイメージング(EPI:echo planar imaging)と呼ばれるシーケンスが採用される。
図10は、このようなfMRIの測定シーケンスの概要を示すタイミングチャートである。
被験者10に、同一の刺激タスクを、所定の期間ごと一定の間隔をおいて繰り返し与える。このとき、脳内の同一断面について断層撮影は時系列的に続行しつつ、その断面内で刺激タスク期間内のEPI信号の変化を検出する。
このような信号強度の変化は、上述したように、脳内の血流量の変化に起因するものである。ただし、このような信号強度の変化は、数パーセントのオーダーであり、十分なSN比を得るために、同一の刺激タスクを複数回繰り返して、各回のEPI信号の変化パターンを、タスクの開始時点を揃えて平均する。このような処理により、刺激に対する脳内の応答を視覚化する。つまり、ある特定のタスクを行っているときに、脳内で活動が活性化する部位を特定できる。
なお、このようなエコープレナーイメージングによる画像生成の原理および臨床応用等については、非特許文献1〜2に記載されている。
一方で、このようなEPIのシーケンスを使って観察を行う結果、NMRで単純に断面形状を撮影するのよりも、fMRIでは、長時間のスキャンが必要になる。
ところが、測定前にチューニングを取った後に、10分や20分という時間のオーダーで測定を繰り返すと、上述した「画像のずれ」が生じてしまうことになる。
押尾晃一,「EPI Revisited」,日本磁気共鳴医学会誌,第19巻1号(1999)p.1−5 鈴木清隆,「Echo Planar Imaging」,日本磁気共鳴医学会誌,第19巻1号(1999)p.7−18
押尾晃一,「EPI Revisited」,日本磁気共鳴医学会誌,第19巻1号(1999)p.1−5 鈴木清隆,「Echo Planar Imaging」,日本磁気共鳴医学会誌,第19巻1号(1999)p.7−18
図11は、上述したようなfNMR測定の典型的なフローを示す図である。
図11を参照して、処理が開始されると、被験者10ごとに装置の初期チューニング処理が行われ(ステップS300)、制御部230は、RFコイル104から与える電磁場の強度およびRFコイル106で検出される信号強度の調整値や測定される中心波数値f0の合わせ込みの結果(較正値)などをチューニング値として、チューニング値記憶部220に保存する(ステップS302)。
図11を参照して、処理が開始されると、被験者10ごとに装置の初期チューニング処理が行われ(ステップS300)、制御部230は、RFコイル104から与える電磁場の強度およびRFコイル106で検出される信号強度の調整値や測定される中心波数値f0の合わせ込みの結果(較正値)などをチューニング値として、チューニング値記憶部220に保存する(ステップS302)。
続いて、被験者10に対する測定が開始されると(ステップS304)、制御部230は、傾斜磁場コイル102を制御しつつ、RFパルス送信部240からの電磁波をRFコイル104から出力させる(ステップS308)。被験者10からの信号は、RFコイル106により受信され、信号増幅部250により増幅されて(ステップS310)、画像再構成部260に送られる。
画像再構成部260は、フーリエ変換処理を利用して、画像を再構成して、表示部270に表示させる(ステップS312)。測定が終了していなければ、さらに、処理はステップ308に復帰して、測定が続行される(ステップS320)。一方、処理が終了していると判断されれば、処理は、ステップS322に移行する。
続いて、画像処理部280は、再構成された各断面画像について、たとえば、初期の断面画像を基準として、生じた位置ずれ(画像シフト)を検出する(S322)。この画像シフトの検出では、各断面画像が初期の断面画像に対して、アフィン変換されているものと近似し、このアフィン変換の変換パラメータを求める。以下では、この変換パラメータを「リアラインメントパラメータ」と呼ぶ。
続いて、画像処理部280は、求められたリアラインメントパラメータに基づいて、各断面画像にアフィン逆変換を施すことで、画像シフトの補正処理を行なう(ステップS324)。
さらに、画像処理部280は、このようにして補正された後の断面画像を表示部270に表示して(ステップS326)、処理は終了する。
以下では、ステップS322〜S326の処理のことを、「測定後画像処理」と呼ぶことにする。
すなわち、従来の画像補正は、測定がすべて終了してから行なわれるため、被験者の脳の活動をリアルタイムで観測できない、という問題がある。
さらに、上述したような補正処理が、再構成された画像データに対して行なわれることによる問題も存在する。
図12は、上述したような測定後画像処理を説明するための概念図である。
以上説明したような測定後画像処理では、デジタルデータである再構成された断面画像データに対して補正処理を行なうものであるため、以下のような問題がある。
以上説明したような測定後画像処理では、デジタルデータである再構成された断面画像データに対して補正処理を行なうものであるため、以下のような問題がある。
たとえば、EPIのシーケンスでは、再構成された断面画像を所定数積算する(画素データを加算する)ことにより信号のS/N比の向上が図られる。
そこで、仮に断面画像が1画素分(1ピクセル分)ずれているのであれば、補正処理により、補正はピクセル単位で行なわれるので、ずれた画像は本来の位置に補正可能である(図12の下側の図)。ところが、仮に断面画像が整数画素分でなく、たとえば、半画素分(半ピクセル分)ずれているのであれば、補正処理により、ずれた画像は本来の位置には補正できず、ずれた位置にしか補正できないため、これを積算すると、画像の端部がぼやけてしまう(図12の上側の図)。
つまり、このような画像の端部のぼけは、fNMRで脳を観測している場合、脳の断面画像の端部で顕著に生じることになる。ところが、一般に、脳の断面の端部付近は、最も脳の活動が活性な部位に相当するため、このような画像のぼけは、fNMRの観測にとっては好ましくない。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、核磁気共鳴を利用して、リアルタイムに、かつ、高精度に被測定対象の断層撮影を行うことが可能な磁気共鳴画像化装置を提供することである。
このような目的を達成するために、本発明の磁気共鳴画像化装置は、被測定対象からの核磁気共鳴に起因する検出信号を検知して、被測定対象の断層画像を生成するための磁気共鳴画像化装置であって、被測定対象に静磁場を印加するための静磁場印加手段と、被測定対象の選択された断面内において、検出信号を発する原子核の位置情報を検出信号が有するように変調した磁場を被測定対象に印加するための傾斜磁場印加手段と、被測定対象に対して振動磁場を印加し、被測定対象からの検出信号を検知するための振動磁場送受信手段と、振動磁場を振動磁場送受信手段に与え、検出信号を受けて時系列として断層画像を生成するための断層撮影制御手段とを備え、断層撮影制御手段は、検出信号に基づいて断層画像を再構成するための画像再構成手段と、時系列で得られる断面画像のうち、画像再構成手段により現時点で再構成された第1の断層画像と、第1の断面画像から所定時間前の第2の断面画像とを比較することで、順次、共鳴周波数の周波数シフト量に相当する補正値を算出するための補正量算出手段とを含み、画像再構成手段は、補正値に基づいて、第1の断面画像の再構成処理を補正する。
好ましくは、補正量算出手段は、画像再構成手段から出力される第1および第2の断層画像の位置ずれを検出して、補正値に換算する。
好ましくは、位置ずれは、第1および第2の断層画像の位相方向の画像データの重心位置に相当する中心位置のずれである。
好ましくは、画像再構成手段は、補正値から得られる磁場変動分を差し引いて、フーリエ変換することにより、第1の断面画像の再構成処理を補正する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[磁気共鳴画像化装置の構成および動作]
図1は、本発明に係る磁気共鳴画像化装置の一例のfMRI装置1000の構成を示す機能ブロック図である。
[磁気共鳴画像化装置の構成および動作]
図1は、本発明に係る磁気共鳴画像化装置の一例のfMRI装置1000の構成を示す機能ブロック図である。
図1に示したfMRI装置1000の構成において、図9に示したMRI装置と同一部分には、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
なお、RFコイル104とRFコイル106とは、別個のコイルでも良いし、同一のコイルが送信と受信を兼ねる構成としてもよい。
図1に示したfMRI装置1000の構成が、図9に示したMRI装置の構成と異なる点は、画像再構成部260からの断層画像に基づいて、中心周波数f0の経時的なシフト量を検出するための周波数シフト算出部300が設けられ、この周波数シフト算出部300により検出された中心周波数f0のシフト量に基づいて、画像再構成部260において、画像の再構成処理自体に補正を行なうことである。
ここで、周波数シフト算出部300は、このような中心周波数f0のシフト量(周波数シフト)を、所定フレーム前、たとえば、特に限定されないが1フレーム前の断面画像と現在の断面画像とを比較して、算出するものとする。これにより、画像再構成部260での補正は、リアルタイムに行なわれることになる。
したがって、本発明の特徴部分の1つは、典型的には、周波数シフト算出部300による中心周波数f0の経時的なシフト量の検出処理と、上述したような画像再構成部260が行なう画像の再構成処理自体に対する補正を制御するソフトウェアに関するものである。ただし、このような処理の一部ないし全部は、処理時間の高速化のためにハードウェアにより行われる構成であってもよい。
図2は、fMRI装置1000の処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、静磁場は、被験者10の測定系内での存否にかかわらず、静磁場コイル100により印加されているものとする。
図2を参照して、処理が開始されると、被験者10ごとに装置の初期チューニング処理が行われ(ステップS100)、制御部230は、RFコイル104から与える電磁場の強度およびRFコイル106で検出される信号強度の調整値や測定される中心波数値f0の合わせ込みの結果(較正値)などをチューニング値として、チューニング値記憶部220に保存する(ステップS102)。
続いて、被験者10に対する測定が開始されると(ステップS104)、制御部230は、傾斜磁場コイル102を制御しつつ、RFパルス送信部240からの電磁波をRFコイル104から出力させる(ステップS108)。被験者10からの信号は、RFコイル106により受信され、信号増幅部250により増幅されて(ステップS110)、画像再構成部260に送られる。
なお、ステップS108においては、傾斜磁場コイル102のうちYコイルによる磁場を等差的に複数回にわたって強度を変化させることで、検出信号に位相変調が加えられ、ステップS110では、検出信号受信時に、傾斜磁場コイル102のうちXコイルによる磁場を変化させることで、検出信号に周波数変調が加えられる。
画像再構成部260は、フーリエ変換処理を利用して、画像を再構成する(ステップS112)。
画像再構成部260において再構成された当該断面画像について周波数シフトの補正が終わっていない場合は(ステップS116)、続いて、周波数シフト算出部300は、上述したとおり、周波数シフトを、たとえば、1フレーム前の断面画像と現在の断面画像とを比較して、算出する(ステップS118)。この算出方法については、後述する。算出された周波数シフトに基づいて、画像再構成部260は、補正を行なった上で、再度断面画像を再構成する。
ステップS116において、周波数シフトの補正が済んでいる場合は、続いて、画像再構成部260は、再構成した断面画像を表示部270に表示する。
測定が終了していなければ(ステップS122)、さらに、処理はステップ108に復帰して、測定が続行される。一方、処理が終了していると判断されれば、処理は終了する。
[中心周波数シフト量と信号強度変化の関係]
図3は、周波数空間において、観測されるデータのトラジェクトリを示す図である。
図3は、周波数空間において、観測されるデータのトラジェクトリを示す図である。
図3において、縦軸の方向は、位相の変化を表しており、縦軸の間隔は、エコー間時間(Inter echo time)を示す。横軸は、周波数を示し、間隔はリードアウトサンプリング時間を示す。
図4は、図3に対応して再構成された画像空間を示す図である。
画像空間では、縦軸方向は、位相差として観測される。
画像空間では、縦軸方向は、位相差として観測される。
見かけの横緩和時間T2*を無視した場合、EPIの画像信号は次の式で示される。
ここで、ρ(x、y)は、観測断面(スライス)内の水素(プロトン)密度である。
磁場強度に変動(△B)が生じた場合、式(1)は次のように表現され、変動量に応じた画像シフトが発生する。
磁場強度に変動(△B)が生じた場合、式(1)は次のように表現され、変動量に応じた画像シフトが発生する。
ここでγは磁気回転比、△tはリードアウトのデータサンプリング間隔、Tは位相方向のデータサンプリング時間であり傾斜磁場が理想的な形状を示す場合、
T=Δt・Nx (Nx:リードアウトマトリックス数)
の関係にある。
T=Δt・Nx (Nx:リードアウトマトリックス数)
の関係にある。
従って、ΔBの影響を受けた再構成画像の位置(xn、yn)とオリジナル画像位置(x、y)の差(画像シフトΔxn、Δyn)は、以下のようになる。
ここで、式(3)の各記号の意味は、以下の通りである。
また、以下の関係が成り立つ。
したがって、式(3)は、次の式(5)のようにも表現できる。
ここで明らかなように磁場変動(周波数変動)の影響は位相方向に顕著に現れ、この項で用いたシーケンス(インターエコー時間:880μsec)の場合、約17.75Hzの周波数変動が1ピクセルの画像シフトをもたらすことになる。
したがって、周波数シフト算出部300が周波数シフトを算出する方法としては、たとえば、画像データから以下のようにして算出することが可能である。
なお、上述のとおり、画像のずれは、位相方向で顕著であるから、以下では、近似的に位相方向のみを考慮することとする。
位相方向の画像中心を以下に示されるような式(6)により算出する。
ここで、Miは、i番目の画像の信号値であり、x、yは画像中の座標を示す。すなわち、「位相方向の画像中心」は、画像信号値の位相方向の重心を表す。
さらに、数式内の他のノーテーションは、以下のとおりである。
Ny:位相エンコードマトリックス数
Δt:リードアウトのデータサンプリング間隔
T:位相方向のデータサンプリング間隔
Nx:リードアウトマトリックス数
式(6)で示される画像中心のずれを、たとえば、1フレーム前の断面画像と現在の断面画像とを比較して算出し、これを式(5)の関係を使って、周波数シフトΔfに換算できる。
Ny:位相エンコードマトリックス数
Δt:リードアウトのデータサンプリング間隔
T:位相方向のデータサンプリング間隔
Nx:リードアウトマトリックス数
式(6)で示される画像中心のずれを、たとえば、1フレーム前の断面画像と現在の断面画像とを比較して算出し、これを式(5)の関係を使って、周波数シフトΔfに換算できる。
周波数シフトがわかれば、磁場変動ΔBがわかることに相当するので(あるいは、画像シフトがわかれば、磁場変動ΔBがわかることに相当するので)、式(2)でのフーリエ変換の演算において、今度は、この磁場変動分ΔBを差し引いて、フーリエ変換を行なえば、得られる画像信号は、周波数シフトの影響を補正した後のものが得られることになる。
図5は、このようなリアルタイムでの周波数シフトを行なう画像再構成部260と周波数シフト算出部300の行なう処理を機能ブロック図で示すものである。
データ記憶部252から読み出された測定信号データは、画像再構成部260において、フーリエ変換されて、画像データが生成される。画像データに基づいて、周波数シフト算出部300が算出した周波数シフトに基づき、画像再構成部260では、磁場変動を差し引いて、測定信号データに対してフーリエ変換を行ない、画像再構成を行なう。
[周波数シフトの補正の効果]
以下では、上述したような方式1)周波数シフトを測定中にリアルタイムに補正した結果得られる画像信号と、方式2)測定後に従来の画像処理により得られるリアラインパラメータから見積もられる周波数シフトにより、各断面画像について事後的に上述したフーリエ変換への補正を行なった画像信号と、方式3)従来どおり画像データに対するアフィン変換を用いた画像処理により、画像シフトを修正した画像信号とを比較する。
以下では、上述したような方式1)周波数シフトを測定中にリアルタイムに補正した結果得られる画像信号と、方式2)測定後に従来の画像処理により得られるリアラインパラメータから見積もられる周波数シフトにより、各断面画像について事後的に上述したフーリエ変換への補正を行なった画像信号と、方式3)従来どおり画像データに対するアフィン変換を用いた画像処理により、画像シフトを修正した画像信号とを比較する。
図6は、リアルタイムに周波数シフトを修正する手続きと、測定後にリアラインパラメータから各断面画像について事後的にフーリエ変換への補正を行なう手続きとを模式的に示す図である。
上述したとおり、リアルタイムに周波数シフトを修正する手続きでは、位相方向の画像中心の移動量を、たとえば、隣接するフレーム間で比較し、これを式(2)のフーリエ変換へ補正として反映させる。
これに対して、測定後にリアラインパラメータから各断面画像について事後的にフーリエ変換への補正を行なう手続では、測定終了後に、オリジナルの画像(データ記憶部252から読み出された測定信号データに基づき直接再構成された画像)に基づいて、たとえば、初期の断面画像を基準として、順次求められるリアラインパラメータにより、周波数シフトを見積もって、これを式(2)のフーリエ変換へ補正として反映させることになる。
図7は、約8分間の連続スキャンを4回(第1セッション〜第4セッション)連続して実施した際に経時的に得られるEPI画像について、X方向、Y方向(位相方向)、Z方向への画像シフト量を事後的にリアラインパラメータとして見積もった結果を示す図である。
図7に示すとおり、第1セッションから第4セッションにかけて、Y軸画像シフト量は、2.15mm、2.18mm、2.65mm、1.57mmとなる。
図8は、方式1〜方式3による補正の効果を示す図である。図8は、被験者に何らタスクを与えることがない状態で、被験者の脳の断面を上から見た図に相当する。したがって、本来は、特に脳内に活性部位は観測されないはずである。
図8に示すように、オリジナル画像には、脳の周辺部分に多くのノイズが見られるのがわかる。これに対して、従来の画像処理による方式3によれば、かなり画像のノイズの改善効果が見られるものの、脳の周辺部には若干のノイズが残存している。
これに対して、本発明の方式1や、測定後にリアラインパラメータによりフーリエ変換を補正する方式2では、ほぼ完全にノイズが抑制されているのがわかる。
以上のように、本発明の磁気共鳴画像化装置では、核磁気共鳴を利用して、リアルタイムに、かつ、高精度に被測定対象の断層撮影を行うことが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 被験者、12 台部、100 静磁場コイル、102 傾斜磁場コイル、104,106 RFコイル、200 断層撮影制御部、210 入力部、220 チューニング値記憶部、230 制御部、240 RFパルス送信部、250 信号増幅部、252 データ記憶部、260 画像再構成部、270 表示部、280 画像処理部、300 周波数シフト算出部、1000 fMRI装置。
Claims (3)
- 被測定対象からの核磁気共鳴に起因する検出信号を検知して、前記被測定対象の断層画像を生成するための磁気共鳴画像化装置であって、
前記被測定対象に静磁場を印加するための静磁場印加手段と、
前記被測定対象の選択された断面内において、前記検出信号を発する原子核の位置情報を前記検出信号が有するように変調した磁場を前記被測定対象に印加するための傾斜磁場印加手段と、
前記被測定対象に対して振動磁場を印加し、前記被測定対象からの前記検出信号を検知するための振動磁場送受信手段と、
前記振動磁場を前記振動磁場送受信手段に与え、前記検出信号を受けて時系列として前記断層画像を生成するための断層撮影制御手段とを備え、
前記断層撮影制御手段は、
前記検出信号に基づいて前記断層画像を再構成するための画像再構成手段と、
前記時系列で得られる前記断面画像のうち、前記画像再構成手段により現時点で再構成された第1の断層画像と、前記第1の断面画像から所定時間前の第2の断面画像とを比較することで、順次、前記共鳴周波数の周波数シフト量に相当する補正値を算出するための補正量算出手段とを含み、
前記画像再構成手段は、前記補正値に基づいて、前記第1の断面画像の再構成処理を補正する、磁気共鳴画像化装置。 - 前記補正量算出手段は、前記画像再構成手段から出力される前記第1および第2の断層画像の位置ずれを検出して、前記補正値に換算する、請求項1記載の磁気共鳴画像化装置。
- 前記位置ずれは、前記第1および第2の断層画像の位相方向の画像データの重心位置に相当する中心位置のずれである、請求項2記載の磁気共鳴画像化装置。
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JP2011031025A (ja) * | 2009-07-10 | 2011-02-17 | Toshiba Corp | 磁気共鳴イメージング装置、画像処理装置および画像処理方法 |
CN110313913A (zh) * | 2018-03-29 | 2019-10-11 | 通用电气公司 | 磁共振中心频率的校正方法及装置、磁共振成像系统 |
-
2006
- 2006-01-30 JP JP2006021317A patent/JP2007202584A/ja not_active Withdrawn
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