JP4399658B2 - 磁気共鳴撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴撮像装置に係り、具体的には撮像時にナビゲーションエコーを用いて体動補正を行なうことを含む撮像法に関する。
【0002】
【従来の技術】
拡散強調画像撮像法(Diffusion Imaging)は、双極傾斜磁場(MPG:Motion Probing Gradient)を印加して、拡散する信号を低減させた磁気共鳴画像(MRI)を得る撮像法である。この拡散強調画像撮像法によると、撮像中に被検体の心拍や呼吸などによる体動に起因したアーチファクトを生じやすいことから、体動補正のために位相エンコードを付与しないエコー信号をナビゲーションエコーとして計測する。そして、例えば1枚の画像に係る計測で得られた複数のナビゲーションエコーの位相情報に基づいて体動量を計測し、これに基づいて画像の位置情報を補正することが行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、双極傾斜磁場は一般に強度が大きいため、永久磁石を用いたMRI装置の場合、印加した双極傾斜磁場の残留磁場が生じ、位相エンコード軸に双極傾斜磁場を印加した場合、その残留磁場の影響が問題になる。すなわち、本来は位相エンコードをかけないで測定しなければならないナビゲーションエコーに、残留磁場によって位相エンコードがかけられたのと同等の効果が生じ、位相拡散が起こってナビゲーションエコーの信号値が減衰してしまう。このような位相情報が乱されたナビゲーションエコーを用いて体動を補正すると、MRI画像に位相方向の線状アーチファクトが発生するという問題がある。このアーチファクトは、残留磁場量が多いほど発生しやすくなる。
【0004】
本発明は、ナビゲーションエコーの位相情報により体動補正を行なう撮像法において、位相エンコード軸方向に発生する線状アーチファクトを低減することを解決課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、双極傾斜磁場を少なくとも位相エンコード軸に印加して撮像シーケンスを実行するにあたって、位相エンコードを付与しないナビゲーションエコーを計測する制御手段と、該ナビゲーションエコーにより画像の位相情報を補正する補正手段とを備えた磁気共鳴撮像装置において、前記制御手段は、前記ナビゲーションエコーを計測する前に、前記位相エンコード軸の残留磁場を打ち消すカウンター傾斜磁場を印加することを特徴とする。
【0006】
ここで、カウンター傾斜磁場の印加量は、撮像シーケンスのうちのナビゲーションエコーを計測するまでのシーケンス部分を、カウンター傾斜磁場を変化させながら繰り返し実行し、ナビゲーションエコーの信号強度が最大になるカウンター傾斜磁場の印加量を計測し、これを設定値とすることができる。ここで、傾斜磁場の印加量とは、一般にパルス状の傾斜磁場を印加することから、傾斜磁場パルスの強度と印加時間の積に相当し、印加時間が等しければ、傾斜磁場パルスの強度に相当することになる。
【0007】
双極傾斜磁場(MPG)の残留磁場を打ち消すカウンター傾斜磁場の印加量を設定するための計測は、撮像シーケンスを実行する前計測として行なってもよい。好ましくは、事前にカウンター傾斜磁場の印加量の最適値を求める計測を行なっておき、その計測データに基づいてカウンター傾斜磁場の印加量を計算により設定する。つまり、ナビゲーションエコーが最大値を示すようにカウンター傾斜磁場の印加量を設定すればよく、また、ナビゲーションエコーの減衰量はMPGの残留磁場エネルギ(印加したMPGのエネルギに相関)に相関する。したがって、装置の容量上から印加可能な最大のMPGを位相エンコード軸に印加する条件において、ナビゲーションエコーの信号強度が最大値となるカウンター傾斜磁場の印加量を求めておけば、MPGの印加強度が変わっても、比例関係により残留磁場を打ち消すためのカウンター傾斜磁場の印加量を求めることができる。
【0008】
例えば、MPGの残留磁場は、MPGの印加時間が等しければ、MPGの印加強度にほぼ比例する。したがって、印加可能な最大のMPGについてカウンター傾斜磁場の最適値を求め、その最適値をメモリに格納しておけば、その最適値に(今回の撮像で位相軸に印加するMPGの強度)/(位相軸に印加可能な最大MPG強度)の比率を乗ずることにより、任意のMPG印加強度の撮像でも、ほぼ残留磁場を除去することができる。
【0009】
また、印加可能な最大のMPGについてカウンター傾斜磁場の最適値を求める計測を、計測空間上の直交3軸(X,Y,Z)について行ない、求めたカウンター傾斜磁場の最適値をメモリに格納しておけば、3軸の合成傾斜磁場により任意の断面で撮像するオブリーク撮像のように、位相エンコード軸が分配されるような撮像の場合でも、残留磁場を打ち消す各軸のカウンター傾斜磁場の最適値を計算で求めることができる。
【0010】
さらに、実際の撮影前に、メモリに格納したカウンター傾斜磁場の最適値を中心にしてカウンター傾斜磁場を変化させてナビゲーションエコーを計測し、その最大値を求めてカウンター傾斜磁場の最適値を修正するようにすれば、残留磁場の影響を一層低減させることができる。
【0011】
ところで、上述の解決手段では、双極傾斜磁場の残留磁場が位相エンコード軸に残る場合を前提にしたが、本発明は双極傾斜磁場の残留磁場に限らず、他の要因により位相エンコード軸に残留磁場が残る場合にも適用でき、同一の効果を奏することができる。
【0012】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は一実施形態の拡散強調画像撮像法の手順の一例を示すフローチャート、図2は一実施形態の磁気共鳴撮像装置の全体構成を示すブロック図、図3は拡散強調画像の一実施形態の撮像シーケンスを示している。
【0013】
図2に示すように、磁気共鳴撮像装置は、静磁場発生回路1、傾斜磁場発生系2、送信系3、受信系4、信号処理系5、シーケンサ6、及び中央処理装置(CPU)7等を備えて構成される。静磁場発生回路1は、被検体9が置かれる空間に均一な静磁場を発生させるものである。その静磁場の方向は、通常、被検体9の体軸方向又は体軸に直交する方向である。また、静磁場発生回路1は、永久磁石を用いて形成されている。傾斜磁場発生系2は、直交3軸(X、Y、Z)方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル10と、その傾斜磁場コイル10の駆動電流を供給する傾斜磁場電源11を有して構成されている。傾斜磁場電源11は、シーケンサ6の命令に従って直交3軸(X,Y,Z)方向の傾斜磁場Gs、Gp、Gfを被検体9に印加するようになっている。この傾斜磁場の与え方によって断層像のスライス面を設定することができる。シーケンサ6はCPU7の制御により動作し、パルスシーケンスと称される撮像シーケンスに従って、傾斜磁場発生系2、送信系3、受信系4等に命令を送り、断層像を撮像するのに必要な制御を実行するものである。
【0014】
送信系3は、高周波磁場パルスにより被検体9の生体組織を構成する原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波パルスを照射するもので、高周波発振器12、変調器13、高周波増幅器14及び高周波照射コイル15を有して構成されている。そして、送信系3は、シーケンサ6の命令に従って、高周波発振器12から出力される高周波パルスを変調器13で振幅変調し、さらに高周波増幅器14で増幅した後、高周波照射コイル15に供給して高周波磁場パルス(RFパルス)を被検体9に照射するようになっている。
【0015】
受信系4は、被検体9の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号などの磁気共鳴信号を検出するもので、受信側の高周波受信コイル16、増幅器17、直交位相検波器18及びA/D変換器19を有して構成される。高周波受信コイル16により受波された磁気共鳴信号は増幅器17で増幅され、直交位相検波器18で検波された後、A/D変換器19でディジタル信号の計測データに変換される。なお、シーケンサ6の制御によるタイミングで直交位相検波器18により位相を90°ずらしてサンプリングされた二系列の計測データは、信号処理系5に送られる。
【0016】
信号処理系5は、CPU7、ROM20、RAM21、光磁気ディスク22、CRTなどのディスプレイ23及び磁気ディスク24を有して構成される。CPU7は、入力される計測データをフーリエ変換処理を含む画像再構成処理を行い、任意断面の信号強度分布あるいは所定の処理をした画像を作成して、ディスプレイ23に断層像として表示するようになっている。ROM20は、経時的な画像解析処理及び計測を行なうプログラムや、その実行に用いる不変のパラメータなどを記憶する。RAM21は、前計測で用いた計測パラメータや、送信系4で検出したエコー信号、及び関心領域設定に用いる画像を一時保管すると共に、その関心領域を設定するためのパラメータなどを記憶する。光磁気ディスク22及び磁気ディスク24は、CPU7により再構成された画像のデータを記録する。ディスプレイ23は、光磁気ディスク22及び磁気ディスク24に格納されている画像データを映像化して断層像として表示する。
【0017】
特に、本発明の特徴部に係る機能として、CPU7は、位相エンコード軸の残留磁場を除去するカウンター傾斜磁場パルスの印加量を演算する機能を備えている。また、シーケンサ6は、拡散強調画像を撮像するパルスシーケンスを実行する機能を備えると共に、CPU7により演算された印加量のカウンター傾斜磁場パルスを印加するように、傾斜磁場発生系2を制御する機能を有している。
【0018】
操作部8は、信号処理系で実行する処理の制御情報を入力するものであり、例えば、トラックボール又はマウス25やキーボード26を備えて構成される。
【0019】
このように構成される磁気共鳴撮像装置を用いて拡散強調画像を撮像する計測及び画像処理について図1を参照して説明する。ステップS1において、図2の操作部8を介して撮像シーケンスとして、拡散強調画像の撮像シーケンスを選択し、各種の計測パラメータを設定する。この設定された計測パラメータは、RAM21に記憶される。計測パラメータが設定されると、CPU7は印加する双極傾斜磁場(MPG)の印加軸及び強度を予め定められた手順に従って計算する。次に、位相エンコード軸(位相軸)にMPGが印加されるか否かを判断する(ステップS2)。位相軸にMPGが印加される場合は、ステップS3,S4又はS10において、位相軸に残るMPGの残留磁場を打ち消すに必要なカウンター傾斜磁場パルスの強度を計算する。すなわち、後述する方法により、カウンター傾斜磁場パルスの最適値を事前に取得してあれば、今回のMPGの印加強度に対応したカウンター傾斜磁場パルスの強度を計算し(S3,S4)、カウンター傾斜磁場パルスの最適値を事前に取得していなければ、前計測によりカウンター傾斜磁場パルスの強度を後述する測定法により求める(S10)。次いで、求められたカウンター傾斜磁場パルスの強度を設定した拡散強調画像の撮像シーケンスを実行し(S5)、拡散強調画像の再構成に必要な計測データを収集する(S6)。
【0020】
ここで、拡散強調画像の撮像シーケンスの一実施形態を、図3に基づいて説明する。同図は、上から順に、高周波磁場パルス(RF)、スライス傾斜磁場パルス(Gs)、位相エンコード傾斜磁場パルス(Gp)、リードアウト傾斜磁場パルス又は周波数エンコード傾斜磁場パルス(Gf)、エコー信号(Signal)を示し、横軸はそれらの印加タイミング又は計測タイミング、縦軸はそれらの強度を示している。
【0021】
図3の撮像シーケンスはスピンエコー−エコプレーナイメージング(SE−EPI)法であり、スライス断面を選択するスライス傾斜磁場パルス(Gs)33と共にRF90度パルス(高周波磁場90度パルス)31を印加して、被検体の所望の部位を励起する。次いで、拡散強調画像を得るために用いる前側MPGパルス34を印加する。本例の場合は、3つの全ての軸方向にMPGパルスを印加しているが、所望の拡散画像に応じてMPGを印加する軸は適宜選択される。
【0022】
次に、スピンエコーを発生させるため、高周波磁場180度パルス(RF180度パルス)32をスライス傾斜磁場パルス35と共に印加した後、後側MPGパルス36を印加する。この後側MPGパルス36を印加後、位相エンコード軸に残留磁場を打ち消すためのカウンター傾斜磁場パルス37を、位相エンコード軸に印加する。ここで、カウンター傾斜磁場パルス37は、短時間で残留磁気を打ち消すように大きなパルスを印加してもよく、また、後側MPG36を印加後、位相エンコードを付与するための位相エンコード傾斜磁場パルス41を印加するまでの時間に、残留磁気を打ち消すような強度のカウンター傾斜磁場パルスを印加してもよい。要は、残留磁場の印加量と同じ印加量で逆極性のカウンター傾斜磁場パルス37を印加すればよい。
【0023】
カウンター傾斜磁場パルス37を印加した後、ナビゲーションエコー40を取得するためにリードアウト傾斜磁場パルス39を印加する。そして、画像再構成用のエコー信号を取得するシーケンスを実行する。すなわち、エコー信号に位相情報を付与するために位相エンコード傾斜磁場パルス41を印加した後、リードアウト傾斜磁場パルス39を繰り返し印加してエコー信号を計測する。本実施形態の場合は、4つのエコー信号42−1,…、42−4からなるエコートレインを取得する例を示している。なお、エコー信号42−1はRF90度パルスを印加してから所定のエコータイムTE後に計測するスピンエコーであり、その他のエコー信号42−2,…、42−4はグラジエントエコーである。また、位相エンコード傾斜磁場パルス43は、エコー信号42−1,…、42−4にそれぞれ個別の位相情報を付与するために印加するものである。このように、1回の励起で、4つのエコー信号を計測することにより、通常のスピンエコー法(SE法)の4倍の速さで計測を行う。
【0024】
図3に示したシーケンスを、位相エンコ−ド傾斜磁場パルス41の強度を変化させて、1枚の画像を構成するのに必要な磁気共鳴信号を得るまで繰り返し実行する。例えば、図3の例では、k空間を128プロジェクションとすると、上記シーケンスを位相エンコード傾斜磁場41を変化させながら、32回繰返して実行する。計測されたデータは、RAM21に格納される。CPU7はRAM21に格納されたデータを処理して、周知の手法により、ナビゲーションエコーの位相情報に基づいて体動による画像の位置ずれを補正し、拡散強調画像の再構成を行う。すなわち、例えば、k空間の中心位置に対応するナビゲーションエコーの位相を基準にして、各シーケンス実行時に得られるナビゲーションエコーの位相ずれを体動による補正量として求め、これに基づいて画像を補正する。
【0025】
このように構成されることから、上記実施に形態によれば、ナビゲーションエコーの位相情報に影響を及ぼすMPGの残留磁場をカウンター傾斜磁場パルスにより除去できるから、ナビゲーションエコーの不正な位相回転を低減できる。その結果、ナビゲーションエコーの位相情報に基づいて行なう体動補正を適正に行なうことができるので、アーチファクト(ストリークアーチファクト)を低減することができる。
【0026】
ここで、カウンター傾斜磁場パルスの強度(印加量)の設定方法について、図4〜図6を用いて説明する。基本原理は、残留磁場が存在するとナビゲーションエコーの信号強度が減衰することから、ナビゲーションエコーが最大値を示すようにカウンター傾斜磁場パルスの印加量を設定すればよい。また、残留磁場のエネルギは印加したMPGのエネルギに相関し、かつナビゲーションエコーの減衰量もMPGのエネルギに相関する。したがって、一定のMPGを印加した条件において、ナビゲーションエコーの信号強度が最大値となるカウンター傾斜磁場パルスの印加量を求めれば、MPGが変わっても、比例関係により残留磁場を打ち消すためのカウンター傾斜磁場パルスの印加量を求めることができる。
【0027】
図4は、拡散強調画像の撮像シーケンスの実行前に、カウンター傾斜磁場パルス強度の設定を可能にする手順を示している。まず、ステップS11において、カウンター傾斜磁場パルスを印加する計測空間上の位相エンコード軸を設定する。この設定は、直交3軸(X,Y,Z)に分配して位相エンコード軸を設定する場合は、その分配に合わせて各X,Y,Z軸を設定する例である。図1のパルスシーケンスの場合は、Y軸にのみカウンター傾斜磁場パルスを設定する。また、順次n回変化させるカウンター傾斜磁場パルスのエネルギ(パルスの印加時間とパルスの強度の積)を各軸に対応させて設定する。また、MPGの印加時間と傾斜磁場装置の容量から定まる印加可能なMPGの最大強度を設定する。これらの設定は、RAM21に記憶させる。しかる後、ステップS12において、図5に示すナビゲーションエコーを取得するパルスシーケンスを、カウンター傾斜磁場パルス37の印加量をn回変化させながらn回実行する。このパルスシーケンスは、本計測である図1のパルスシーケンスのナビゲーションエコーを取得するまでのシーケンスと同じである。これにより、図6に示すように、n個のナビゲーションエコー40(1)、…、40(k)、…、40(n)が計測される。次に、ステップS13において、計測したn個のナビゲーションエコーの中で最大値を有するナビゲーションエコー40(k)をサーチする。サーチにより求めた最大値に対応するカウンター傾斜磁場パルスの印加量が、MPGの残留磁場を打ち消すことができる最適値になる。
【0028】
このようにして、例えば、MPGの最大印加可能強度について、かつ傾斜磁場の各軸のゼロポジション(傾斜磁場中心の位置)について、カウンター傾斜磁場パルスの最適値を求めておけば、任意のMPG強度で撮像する場合においても、位相エンコード軸にかかる印加強度との比例計算で、その撮像時のカウンター傾斜磁場パルスの印加量の最適値を求めることができる。なお、ゼロポジション以外でも、ゼロポジションと同じ値を使用できる。したがって、図4のステップS14に示すように、MPGの最大印加可能強度で、かつ傾斜磁場の各軸のゼロポジションについてのカウンター傾斜磁場パルスの最適値をRAM21に記憶させておくことが好ましい。これにより、図1のパルスシーケンスを実行するに際し、MPGの計測条件に応じて計算によりカウンター傾斜磁場パルスの印加量を決定して、設定することができる。その結果、拡散強調画像の撮像シーケンスを実行する前に、カウンター傾斜磁場パルスの印加量の最適値を求める前計測を行なう必要がない。逆に、拡散強調画像の撮像シーケンスを実行する前に、図4の手順に従って、カウンター傾斜磁場パルスの印加量の最適値を求める前計測を実行して、カウンター傾斜磁場パルスの印加量を決定するようにしてもよいのはいうまでもない。
【0029】
また、上記の実施の形態では、SE−EPI法の撮像シーケンスを例に説明したが、これに限らず、本発明はグラディエント・エコー−エコープレーナイメジング法(GE−EPI法)、高速SE法、SE法など、周知の拡散強調画像の撮像法に適用できる。GE法の場合は、図1のRF180度パルスを印加しないシーケンスになり、これにあわせて後側MPG36の極性は負側になる。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ナビゲーションエコーの位相情報により体動補正を行なう撮像法において、位相エンコード軸方向に発生する線状アーチファクトを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気共鳴撮像装置の一実施形態の撮像手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の磁気共鳴撮像装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る一実施形態の拡散強調画像の撮像シーケンスを示す図である。
【図4】本発明に係るカウンター傾斜磁場の設定手順の一実施形態を示すフローチャートである。
【図5】図4のカウンター傾斜磁場の設定手順に適用するパルスシーケンスを示す図である。
【図6】図4の実施形態におけるナビゲーションエコーの最大値を求める手順の説明図である。
【符号の説明】
1 静磁場発生回路
2 傾斜磁場発生系
3 送信系
4 受信系
5 信号処理系
6 シーケンサ
7 CPU
8 操作部
10 傾斜磁場コイル
15 高周波照射コイル
16 高周波受信コイル
31 RF90度パルス
32 RF180度パルス
33 スライス傾斜磁場パルス
34 前側MPGパルス
35 スライス傾斜磁場パルス
36 後側MPGパルス
37 カウンター傾斜磁場パルス
39 リードアウト傾斜磁場パルス
40 ナビゲーションエコー
41 位相エンコード傾斜磁場パルス
42−1〜42−4 エコー信号
Claims (5)
- 双極傾斜磁場を少なくとも位相エンコード軸に印加して撮像シーケンスを実行するにあたって、位相エンコードを付与しないナビゲーションエコーを計測する制御手段と、該ナビゲーションエコーにより画像の位相情報を補正する補正手段とを備えた磁気共鳴撮像装置において、前記制御手段は、前記ナビゲーションエコーを計測する前に、前記位相エンコード軸の残留磁場を打ち消すカウンター傾斜磁場を該位相エンコード軸に印加することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
- 静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高周波磁場パルス照射手段と、被検体から発生する磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記磁気共鳴信号に基づいて画像を再構成する信号処理手段と、前記各手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、スライス軸の傾斜磁場と励起用の高周波磁場パルスとを被検体に印加して励起させてから、双極傾斜磁場を少なくとも位相エンコード軸に印加した後、前記被検体から発生する磁気共鳴信号をナビゲーションエコーとして計測し、次いで位相エンコード傾斜磁場とリードアウト傾斜磁場を印加して磁気共鳴信号を計測する撮像シーケンスを繰り返し実行する機能を有し、前記信号処理手段は、前記撮像シーケンスにより計測される磁気共鳴信号に基づいて画像を再構成すると共に、前記ナビゲーションエコーに基づいて前記画像の位相情報を補正する機能を有する磁気共鳴撮像装置において、前記制御手段は、前記ナビゲーションエコーを計測する前に、前記位相エンコード軸の残留磁場を打ち消すカウンター傾斜磁場を該位相エンコード軸に印加することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
- 前記制御手段は、前記撮像シーケンスを実行する前に、該撮像シーケンスの少なくとも前記ナビゲーションエコーの計測までのシーケンスを、前記ナビゲーションエコーを計測する前に前記カウンター傾斜磁場の印加量を変化させながら印加して繰り返し実行し、前記信号処理手段は、計測された前記ナビゲーションエコーの最大値を求め、該最大値に対応する前記カウンター傾斜磁場の印加量を前記画像の本計測における前記カウンター傾斜磁場の設定値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気共鳴撮像装置。
- 前記制御手段は、前記撮像シーケンスを実行する前に、該撮像シーケンスの少なくとも前記ナビゲーションエコーの計測までのシーケンスを、前記双極傾斜磁場を最大印加可能強度に設定すると共に、前記ナビゲーションエコーを計測する前に前記カウンター傾斜磁場を印加量を変化させながら印加して繰り返し実行し、前記信号処理手段は、計測された前記ナビゲーションエコーの最大値を求め、該最大値に対応する前記カウンター傾斜磁場の印加量を前記双極傾斜磁場の最大印加可能強度に対応付けて記憶しておき、前記画像の本計測における前記双極傾斜磁場の強度に比例させて、該本計測における前記カウンター傾斜磁場の設定値を計算により求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気共鳴撮像装置。
- 撮像シーケンスの実行時に位相エンコードを付与しないナビゲーションエコーを計測する制御手段と、該ナビゲーションエコーにより画像の位相情報を補正する補正手段とを備えた磁気共鳴撮像装置において、前記制御手段は、前記ナビゲーションエコーを計測する前に、前記位相エンコード軸の残留磁場を打ち消すカウンター傾斜磁場を該位相エンコード軸に印加することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
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