JP4106053B2 - 磁気共鳴イメージング装置及び渦電流補償導出方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及び渦電流補償導出方法 Download PDF

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Description

この発明は核磁気共鳴現象を利用して被検体の任意の位置の断層像を得るための磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に関し、特に傾斜磁場印加により誘起される渦電流による傾斜磁場波形の歪みに起因する画像の歪み、信号強度の低下、ゴースト等の画質の劣化を防止する技術に関する。
MRI装置は、均一な静磁場中に置かれた被検体に高周波磁場を印加することによって、被検体の任意の領域に存在する原子核(通常プロトン)に核磁気共鳴現象を生じさせ、それによって発生する核磁気共鳴信号(エコー信号)からその領域の断層像を得るものである。この際、特定の領域を選択するために、高周波磁場とともに傾斜磁場を印加し、また計測されるエコー信号へ正確な位置情報を付与するために、傾斜磁場の印加時間及び強度を正確に制御する必要がある。
しかし、現実には傾斜磁場の印加により、傾斜磁場コイル周辺の様々な構造体に減衰性電流が誘起される。誘起されるこのような減衰性電流は渦電流と呼ばれ、静磁場発生用磁石の態様によって異なる時定数成分を持つ。例えば、永久磁石型装置では時定数は1秒程度、また超電導磁石型装置では時定数は2秒程度にも及ぶものがある。これら渦電流は空間的かつ時間的に変化する磁場を発生し、被検体内の核スピンが感じる傾斜磁場を理想状態から逸脱させてしまう。これにより画像の歪み、信号強度の低下、ゴーストの発生などの画質の低下を招く。
このような渦電流に起因する画質の低下を防ぐために、渦電流によって誘起される空間的かつ時間的に変化する磁場を測定し、磁場変化を補償する方法が開発されている。例えば、特開平10−272120号公報には、ファントムを静磁場空間へ配置し、テスト傾斜磁場を印加した後に高周波パルスを印加し、それによって生ずるNMR信号を計測し、テスト傾斜磁場の印加により生じた渦電流がもたらす磁場変化を離散的な時間経過とともに計測し、その磁場変化を補償する補償電流をそれぞれ求め、被検体を撮像する時に印加される傾斜磁場が磁場へ与える影響を排除する技術が開示されている。
この方法では、テスト傾斜磁場を印加した後、高周波(RF)パルスでファントム内の核スピンを励起し、位相エンコードされた自由誘導減衰信号(FID信号)を所定時間サンプリングする。位相エンコード量を変えてFID信号の計測を繰り返し、2次元或いは3次元の一組のデータセットを得る。このFID信号は、テスト傾斜磁場により発生した渦電流のほかに、静磁場の不均一や位相エンコード傾斜磁場による渦電流の影響を含んでいる。そこで、テスト傾斜磁場の極性を変えて、同様の計測を行い、もう一組のデータセットを得、二つの計測で得た二組のデータセットの差分を取ることにより、静磁場の不均一や位相エンコード傾斜磁場による渦電流の影響を排除し、テスト傾斜磁場により発生した渦電流の影響のみを含む位相差画像を得る。この位相差画像をもとに、空間的、時間的に分解された渦電流の大きさ及びそれらの時定数を算出し、傾斜磁場コイル及びシムコイルに流す補償電流を算出する。
上記したように、従来の方法では、テスト傾斜磁場を印加した後に、非選択性RFパルスを印加し、三軸方向へ位相エンコードを行い、FID信号を時間経過とともにサンプリングし、時間軸を含む4次元データを取得する動作を繰り返し行なう。
しかし、従来技術において計測されるFID信号は時間とともに減衰するので、長い時定数の渦電流を計測するためのNMR信号レベルが時間とともに小さくなり、すなわり、S/Nが時間の経過とともに低下するので、長い時定数の渦電流の計測精度が低下することが懸念されるものである。
また、傾斜磁場の印加によって誘起される渦電流は、傾斜磁場が立ち上がる時と立ち下がる時に生ずるが、傾斜磁場コイルが配置される周辺の磁石構造体の振動などにより、誘起される立ち上り時と立ち下り時とで渦電流に差異が生ずる場合がある。しかし、上記従来技術は、傾斜磁場が立ち下がる時に誘起される渦電流成分のみを計測対象としているもので、傾斜磁場が立ち上がる時に誘起される渦電流成分によってもたらされる磁場への影響を計測し、補償することについては開示していない。
本発明の目的は、傾斜磁場の立ち上り時及び/又は立ち下り時に誘起される長い時定数を持つ渦電流成分を計測し、それが磁場へもたらす影響を精度良く補償することができるMRI装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明においては、静磁場空間へファントムを配置し、補償されるべき渦電流の時定数よりも長い時間にわたって所定の傾斜磁場印加軸方向へ所定強度の傾斜磁場を印加し、印加された傾斜磁場のオン及び/またはオフに対応して磁場の空間分布を計測するパルスシーケンスの開始を実行するとともにこのパルスシーケンスを繰返し時間TRで複数回実行することを位相エンコード量を変えて繰返し行い、誘起された渦電流によってもたらされた磁場の変化状態を画像上で計測し、その計測値から磁場の変化状態を逐次補償するために磁場変化補償コイルへ流す電流値を求め、求められた磁場変化補償のための電流値を実際の被検体を撮像するパルスシーケンスの実行に際して磁場変化補償コイルへ供給する。
なお、上記対象とされる渦電流の時定数よりも長い時間にわたり印加される傾斜磁場は、実際の値として印加される形態と、実効的な値として印加される形態のいずれでも良い。
そして、傾斜磁場のオン及び/またはオフによって生ずる渦電流によってもたらされる磁場の空間分布は時間の経過とともに複数の等時間間隔で計測される。
さらに好ましい態様としては、傾斜磁場のオン時に生ずる渦電流によってもたらされる磁場の空間分布の変化の計測は、テスト傾斜磁場の印加を含んだエコー信号を計測するパルスシーケンスを繰返し時間TRで複数(n)回実施することにより、実質的に補償されるべき渦電流の時定数よりも長い時間にわたって傾斜磁場が印加されるようにするとともに、パルスシーケンスを繰返し実行してMR画像を取得し、そのMR画像から渦電流によってもたらされた磁場の空間分布を時間間隔TRで計測し、そして磁場の空間分布を補償するために磁場変化補償コイルへ流す電流値が求められる。
また傾斜磁場のオフ時に生ずる渦電流によってもたらされる磁場変化は、渦電流による磁場変化の計測に先行して、前記傾斜磁場のオン時に生ずる渦電流によってもたらされる磁場変化を含む磁場計測パルスシーケンスをエコー信号を計測しないように変形して実行し、そのパルスシーケンスに続いてエコー信号を計測するパルスシーケンスを繰返し時間TRで繰り返し実行してMR画像を取得し、そのMR画像から渦電流によってもたらされた磁場の変化状況を時間間隔TRで計測し、そして磁場変化を補償するために磁場変化補償コイルへ流す電流値が求められる。
そして、本発明は、傾斜磁場のオン/オフ双方の影響を補償する場合にも、上記傾斜磁場のオン及びオフにおける計測パルスシーケンスを組み合わせて実行することで対応が可能とされている。
図1は本発明を適用したMRI装置の全体概要を示す図;
図2は本発明のMRI装置における渦電流の計測およびそれに基づく磁場変化の補償手順の一例を示すフロー図;
図3は本発明のMRI装置に備えられた較正パルスシーケンスの一例を示す図;
図4は本発明のMRI装置に備えられた較正パルスシーケンスの他の例を示す図;
図5は本発明のMRI装置に備えられた較正パルスシーケンスの更に他の一例を示す図。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、主たる構成として、被検体9が置かれる空間に均一な静磁場を発生させる静磁場発生磁気回路1と、静磁場に磁場勾配を与える傾斜磁場発生系2と、被検体9の組織を構成する原子の原子核(通常、プロトン)に核磁気共鳴現象を起こさせる高周波(RF)磁場を発生する送信系3と、核磁気共鳴現象によって被検体9の組織から発生するエコー信号を受信する受信系4と、受信系4が受信したエコー信号を処理し、前述した組織中の原子核の空間密度やスペクトルを表す画像を作成する信号処理系5と、信号処理系5における各種演算や装置全体の制御を行なうための中央処理装置(CPU)7とを備えている。
静磁場発生磁気回路1は、永久磁石、常電導方式又は超電導方式の磁石からなり、被検体9の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させる。傾斜磁場発生系2は、x、y、zの三軸方向に傾斜磁場を発生するように巻かれた傾斜磁場コイル10と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源11とからなり、後述のシーケンサ6からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源11を駆動することにより、x、y、zの三軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを被検体9に印加する。この傾斜磁場の加え方により、被検体9の撮像対象領域(スライス,スラブ)を設定することができるとともに、エコー信号に、位相エンコード、周波数エンコードなどの位置情報を付与することができる。
さらに図示していないが、静磁場発生磁気回路1及び傾斜磁場発生系2には、静磁場の不均一や、傾斜磁場に起因する渦電流により誘起される磁場変化を補償するためのシムコイル(x−yコイル、zコイルなど)が配置されている。なお、傾斜磁場コイル10は、一次項の補正を行なうシムコイルとしても機能する。
送信系3は、シーケンサ6から送り出される高周波パルスにより被検体9の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴現象を起こさせるために高周波磁場(RFパルス)を照射するもので、高周波発振器12と、変調器13と、高周波増幅器14と、送信側の高周波コイル15とからなる。送信系3では、高周波発振器12から出力された高周波パルスを変調器13で振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器14で増幅した後に被検体9に近接して配置された高周波コイル15に供給することにより、高周波磁場(RF電磁波パルス)を被検体9に照射する。
受信系4は、被検体9から核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル16と、増幅器17と、直交位相検波器18と、A/D変換器19とからなる。受信系4では、高周波コイル16で検出したエコー信号を増幅器17及び直交位相検波器18を介してA/D変換器19に入力してディジタル信号に変換し、二系列の収集データとして信号処理系5に送る。
信号処理系5は、CPU7と、ROM20、RAM21、光ディスク22及び磁気ディスク24等の記録装置と、CRT等のディスプレイ23とからなり、CPU7でフーリエ変換、補正係数計算、像再構成等の処理を行い、得られた画像をディスプレイ23に表示する。ROM20は、画像解析処理及び計測を行うプログラムやその実行において用いられるパラメータなどを記憶する。RAM21は予備計測で得た計測パラメータや受信系4で検出したエコー信号及び関心領域設定に用いる画像等を一時保管するとともにその関心領域を設定するためのパラメータなどを記憶する.光ディスク22及び磁気ディスク24は、CPU7で再構成された画像を記憶するデータ格納部となる。操作部8は、操作者が撮影のためのパルスシーケンスの選択指令やパラメータを入力するとともに、信号処理系5で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボールまたはマウス25及びキーボード26等から成る。
CPU7は、上記演算のほかに、被検体9の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を、シーケンサ6を介して、傾斜磁場発生系2、送信系3および受信系4に送る。シーケンサ6は、撮像法によって決まる所定の制御のタイムチャートであるパルスシーケンスに則って、傾斜磁場発生系2、送信系3および受信系4を制御し、画像再構成に必要なデータの収集を制御する。
本発明のMRI装置では、パルスシーケンスとして、通常の撮像シーケンスのほかに、MRI装置据付け時、改造時、部品の交換時等に実行される傾斜磁場に起因する渦電流を計測するための較正パルスシーケンスが含まれている。これらのパルスシーケンスは、プログラムとしてROM20内に組み込まれている。
次に、このような構成のMRI装置が実行する渦電流の計測とそれに基づく磁場変化の補償法について説明する。図2は、渦電流の計測とそれに基づく磁場変化の補償の手順を示すフロー図であり、図3は渦電流によってもたらされる時間的、空間的な磁場変化を計測するための較正パルスシーケンスの一例を示す図である。なお、この較正パルスシーケンスは、傾斜磁場の立ち下り時に生ずる渦電流を計測するために好適なパルスシーケンスの態様を示すもので、傾斜磁場の立ち上り時に生ずる渦電流を計測するためには、このパルスシーケンスを変形して用いることができる。その変形の態様は、後に説明する。
まず較正パルスシーケンスを実行することにより、渦電流の計測を行なう(ステップ201〜207)。この計測は静磁場中心に通常のファントムを配置して行なわれる。ファントムは、磁化率の影響を最小限にするため球状のものが好ましい。
較正パルスシーケンスは、図3に示すように、グラディエントエコー法による短TRパルスシーケンスを基本とし、テスト傾斜磁場を印加するユニット(グループ1という)とテスト傾斜磁場を印加しないユニット(グループ2という)からなる。
先ず、傾斜磁場の立ち下り時に生ずる渦電流の計測を行う場合について説明する。この場合、グループ1のユニットは、テスト傾斜磁場の印加のために存在する。テスト傾斜磁場は所定の軸方向へ所定強度で印加することが必要で、最も単純には、テスト傾斜磁場はグループ2の前に少なくとも1回印加される必要があり、しかも傾斜磁場の立ち上り時の渦電流が消滅した後に傾斜磁場が立ち下がるように印加される必要がある。このためには、図3にGeffなる符号を付した傾斜磁場のように例えば計測対象とする渦電流の時定数が2秒であれば、2秒以上の時間にわたり傾斜磁場を印加することとなる。しかし、傾斜磁場を2秒間もの長い時間にわたり発生させると、大電流を長時間にわたり傾斜磁場コイルへ流すことから、それによる悪影響、例えば傾斜磁場コイルに発生する熱や、その熱による傾斜磁場コイルの変形や断線が懸念される。
そこで本実施形態では、テスト傾斜磁場をパルス状に分割して複数回に分けて印加し、実効的な傾斜磁場Geffが時間的に連続して印加されるようにする。これによって、傾斜磁場の立ち上り時の渦電流が消滅した時点で傾斜磁場をオフできるようにし、それによってグループ2では傾斜磁場の立ち下りによって生じた渦電流のみを計測できるようにしている。以下、以上の説明を前提として、さらに詳細な説明を行なう。
グループ1のユニットのパルスシーケンスでは、まずRF励起パルス101とスライス選択傾斜磁場102を用いてファントムの任意断面を励起し、位相エンコード傾斜磁場103を印加して励起された核スピンを位相方向にエンコードした後、読み出し方向傾斜磁場104の印加によってエコー信号106を発生させた後(但し、このエコー信号はサンプリングしない)、所定の強度、印加時間でテスト傾斜磁場1051を印加する。同じシーケンスを繰り返し時間TR(例えば、TR=10ms)で複数回(n回、例えばn=300)繰り返し行い、それらの繰返しにおいてテスト傾斜磁場を1052(図示省略)〜105nまで印加する。したがってグループ1を1回実行する時間は3秒となる。この繰り返しにおいて位相エンコード傾斜磁場103は同一印加量に維持される。グループ1で繰り返して印加されたテスト傾斜磁場105によって核スピンが感じる傾斜磁場は、各ユニットのパルスシーケンスでの強度及び印加時間をGtest、tGとすると、実効的な磁場強度Geff=Gtest×tG/TRを有する傾斜磁場を時間TR×n回連続的に印加したのとほぼ同等になる。そして、繰返し時間TRを10ms、nを300とすると、実効的な傾斜磁場Geffは、ほぼ3秒に近い時間だけ連続的に印加されたと見做せることから、実効的な傾斜磁場Geffの立ち上り時に誘起された時定数が2秒の渦電流は実効的な傾斜磁場Geffの立ち下り時には消滅していると考えることができる。なお、このテスト傾斜磁場105の印加、すなわちGeffによる渦電流は、Geffの印加の立ち上りから、及び立ち下りから発生し、図3に示すように減衰する。
このグループ1において、スライス選択性のRF励起を含むグラディエントエコーシーケンスを10msの短い繰返し時間TRで100回程度を越える300回も繰り返して行なっているので、ファントム内の繰り返し選択励起された領域の核スピンが定常歳差運動(Steady State Free Precession:SSFP)状態となり、グループ2において計測されるエコー信号は不安定な振動状態から脱した安定したものとなっているという効果がもたらされる。
このグループ1のパルスシーケンス群の実行が終了した後、グループ2のパルスシーケンス群が実行される。グループ2では、グループ1と同じように、グループ1で行なったのと同じファントムの断面に対しRF励起パルス101、スライス選択傾斜磁場102及び位相エンコード傾斜磁場103を印加した後、読み出し方向傾斜磁場104の印加によってエコー信号106を発生させ、サンプリング期間107でエコー信号106を計測する。このTR’(1)に引き続いて、その後、TR’(1)と同様にテスト傾斜磁場を印加することなく、同じパルスシーケンスを繰り返し時間TR’(=TR)で複数回(n回、例えば300回)繰り返す。このグループ2における各ユニットのパルスシーケンスによりとられる位相エンコード傾斜磁場103の印加量はグループ1におけるそれと同一である。このグループ2で繰返し時間TR′毎に計測される信号は同一レベルのエコー信号であるので、前述の従来技術のFID信号を時刻ti毎にサンプリングした信号とは異なり時間の経過とともにレベル変化を生じない。したがって、S/Nも一定であり、長い時定数の渦電流を精度良く計測できる。
そして、グループ1とグループ2からなる較正パルスシーケンスを単位として単位毎に位相エンコード量を変えてm回(mは、例えば64)繰り返すことにより最終的に時変数を含む三次元のデータセットS(kx,ky,ti)を得る(ステップ201)。ここでkx、kyは空間周波数であり、tiはグループ2でTR’ごとに取得したエコー信号を順次並べた際の離散的な時間点(i=1,2,3・・・n)を示している。即ち、このデータセットは、測定時間(グループ2を実行する時間TR’xn)における空間的磁場変化を時間分解したものであり、繰り返し回数nと繰り返し時間TR’を設定することにより、磁場変化の測定時間と時間分解能を任意に設定することが可能である。
こうして計測した磁場変化のデータセットには、グループ1で印加したテスト傾斜磁場の立ち下りによる渦電流に起因する磁場変化が含まれるが、同様に静磁場の不均一による影響と画像化のために印加した傾斜磁場102、103、104に起因する渦電流の影響も含まれてる。
そこで、図3中に点線で示すように、テスト傾斜磁場105を負極性にして、グループ1とグループ2からなる一連の較正パルスシーケンスをテスト傾斜磁場105の正極性のときと同様に実行する(ステップ202)。以下、テスト傾斜磁場105が正である較正パルスシーケンスを、Scan(+)といい、テスト傾斜磁場105が負である較正パルスシーケンスをScan(−)という。次に、これらScan(+)で得たデータセットS+(kx,ky,ti)と、Scan(−)で得たデータセットS−(kx,ky,ti)との差分を取るために、まずこれらデータセットを各時間点ti毎に、2次元フーリエ変換し、時間分解された2次元複素画像データI+(x,y,ti)、I−(x,y,ti)を得る(ステップ203、204)。これら複素画像データの実部と虚部との比のアークタンジェントから各時間点の位相画像データφ+(x,y,ti)、φ−(x,y,ti)を得る(ステップ205、206)。次いでこれらの差分をとり、静磁場の不均一による影響と画像化のために印加した傾斜磁場に起因する渦電流の影響を排除したデータセットφ(x,y,ti)(=[φ+(x,y,ti)−φ−(x,y,ti)]/2)を得る(ステップ207)。φ(x,y,ti)は、位置(x,y)、時刻tiにおける、テスト傾斜磁場が立ち下がる際に誘起された渦電流に起因した磁場変化B(x,y,ti)によるTE(エコー時間)間の位相変化量を示している。即ち、B(x,y,ti)は、B(x,y,ti)=φ(x,y,ti)/γTEで与えられる。なお、γは回転磁気比である。これにより、TRを時間分解能とする、グループ1で印加したテスト傾斜磁場による渦電流に起因する空間的な(2次元の)磁場変化が計測される。
次にこの計測結果である位相差画像を用いて、傾斜磁場コイルまたはシムコイルに供給する補償電流を算出する(ステップ208〜210)。そして、実際の被検体についての画像計測時にステップ210において求められた補償電流を傾斜磁場コイルまたはシムコイルに流す(ステップ211)。傾斜磁場コイルまたはシムコイルへ流す補償電流は、テスト傾斜磁場と画像計測時の傾斜磁場の比、またはそれらの傾斜磁場印加のために傾斜磁場コイルへ流す電流の比から求められる。
磁場変化から、それを補償する磁場を発生する補償電流を求める手法としては、公知の手法を採用してもよいし、図2に示した簡略化した手法を採用しても良い。公知の手法として、例えば、先に言及した特開平10−272120号公報にも示されている一般的な手法を簡単に説明する。まず所定の時間点tiにおいて、渦電流によって誘起される磁場Bt(x,y)を次式で示すように球面調和関数の和として表す。
Figure 0004106053
このような球面調和関数展開を各時間点について行い、時間に依存する球面調和関数の係数ζのセットを得る。各係数ζは、空間的に分解された渦電流の大きさ及びそれらの時定数に関係付けられることが知られており、この関係から補償電流を求める。この手法は、高次の補正が可能で補正の精度が高いが、解析に時間がかかり、高次項の補正コイルが必要である。
図2に示した簡略化した解析法を説明する。一例として、X軸にテスト傾斜磁場105を印加した場合について説明する。この方法では、X軸にテスト傾斜磁場105を印加したときに生じる渦電流のうち、X方向の一次勾配成分g(ti)と分極成分BO(ti)だけを補償する。
このため、位置x、時間tiにおける磁場変化B(x,ti)を、B(x,ti)=g(ti)x+BO(ti)と仮定し、静磁場空間中の任意の2点x1、x2における磁場変化B(x1,ti)、B(x2,ti)から、次式によりg(ti)とBO(ti)を算出する。(ステップ208)。
Figure 0004106053
ここでx1=−x2を満たす2点を選ぶと、BO(ti)の計算が更に容易になる。
こうして算出したg(ti)、BO(ti)に対して、公知の非線形フィッティング(例えばLevenberg−Marquardt法)を用いて、次式のように、任意数の時定数成分τとそれら時定数毎の振幅A,Bに分解する(ステップ209)。
g(ti)=ΣAj・exp(t/τj)+gO ・・・(3a)
BO(ti)=ΣBm・exp(t/τm)+BO ・・・(3b)
式中、gO及びBOは定数項である。
この時定数と振幅との逆極性の補償電流をX軸方向の傾斜磁場コイル或いはシムコイルに供給し、渦電流に起因する磁場変化を補正する(ステップ210、211)。
この手法は、前述した球面調和関数展開を用いる手法に比べ簡便であり、しかも渦電流に起因する画質劣化を十分改善できる。
以上の説明では、x軸をリードアウト軸方向とし、x軸における傾斜磁場の印加により生ずる渦電流を補償する方法を説明したが、被検体のイメージングのためには傾斜磁場がx、y、zの3軸へ印加されるので、y軸及びz軸についても傾斜磁場印加により生ずる渦電流を補償することが必要である。そのためには、図3におけるリードアウト方向をy軸及びz軸に個別に置き換えて同様に計測を行なうことで対応することができる。
以上の実施形態では、渦電流に起因する2次元空間の磁場変化を補正する場合を説明したが、本説明は3次元空間の磁場変化についても同様に適用することができる。以下、3次元の場合の実施形態を説明する。図4に3次元の場合の較正パルスシーケンスを示す。図4においては、有効テスト傾斜磁場強度Geffと渦電流の関係は図3と同じであるので図示は省略されている。
この実施形態においても、較正パルスシーケンスは、テスト傾斜磁場405を印加するグループ1のパルスシーケンスと、テスト傾斜磁場を印加せずにエコー信号406を計測するグループ2のパルスシーケンスとから成る。但し、この実施形態では、RF励起パルスとして非選択RF励起パルス401を用い、2軸方向のエンコード傾斜磁場402、403を用いる。
グループ1、グループ2のパルスシーケンスをそれぞれ同一エンコード値で行い、各時間点tiにおけるエコー信号(n個の信号)を得る。各軸の位相エンコード値を変えてパルスシーケンスを繰り返し、最終的に時変数を含む四次元のデータセットS(kx,ky,kz,ti)を得る。この場合にも、テスト傾斜磁場による渦電流以外の渦電流等の影響を排除するために、テスト傾斜磁場の極性を反転させて二つの計測Scan(+)、Scan(−)を行なう。
これら二つの計測で得たデータセットS+(kx,ky,kz,ti)、S−(kx,ky,kz,ti)に対し、時間点毎に3次元フーリエ変換を行い、3次元複素画像データを得、さらに位相画像データφ+(x,y,z,ti)、φ−(x,y,z,ti)を得る。これらの位相画像データの差分から位相差画像データを作成し、任意の位置(x,y,z)、時間tiにおける磁場B(x,y,z,ti)を算出する。
こうして算出した磁場B(x,y,z,ti)に対し、球面調和関数展開を利用した解析或いは図2の実施形態において説明した簡略化した解析法を適用し、任意数の時定数成分とそれらの時定数毎の振幅に分解する。この時定数と振幅(電流の大きさ)の補償電流を傾斜磁場コイル或いはシムコイルに供給することにより、渦電流に起因する磁場変化を補正する。
以上、図2〜図4を参照して、傾斜磁場の立ち下がりによる渦電流の影響を補正する実施形態を説明したが、本発明のMRI装置では傾斜磁場の立ち上がりによる渦電流の影響を補正することも可能である。以下、そのような実施形態を図5を参照して説明する。
図5は、傾斜磁場の立ち上がりによる渦電流を計測するための較正パルスシーケンスの一例を示す図である。図示するように、この較正パルスシーケンスもグループ1のパルスシーケンスとグループ2のパルスシーケンスから成り、各グループのパルスシーケンスは、RF励起パルス501、画像形成のための傾斜磁場502〜504を含むことは図3及び図4の較正パルスシーケンスと同様である。但し、この実施形態では、グループ1のパルスシーケンスでテスト傾斜磁場505(5051〜505n)を印加するとともに、それに先立って読み出し傾斜磁場504の印加によって発生したエコー信号506をサンプリング507する。グループ2のパルスシーケンスでは、図3の較正パルスシーケンスと同様に、テスト傾斜磁場は印加せず、エコー信号506もサンプリングしない。すなわち、グループ2のパルスシーケンスは、図3で説明したと同様に、短TRで繰り返して励起することで核スピンをSSFP状態にし、グループ1で計測されるエコー信号を安定状態にするために行われる。
このときグループ1のパルスシーケンスでのテスト傾斜磁場5051〜505nは、有効強度Geff=Gtest×tG/TRを有する傾斜磁場を時間TR×n回連続的に印加したの同等であり、グループ1のパルスシーケンスで計測されるエコー信号には、このようなテスト傾斜磁場505の立ち上がり時に誘起される渦電流に起因する磁場変化が含まれることになる。
この場合にもエコー信号には、テスト傾斜磁場に起因する磁場変化以外の磁場変化(静磁場不均一性や画像形成用傾斜磁場による磁場変化)を含んでいるので、これらを除去するために、テスト傾斜磁場の極性を変えて較正パルスシーケンスを実行し、それぞれで得たデータセットの差分を取る。この場合、図5の較正パルスシーケンスでは、グループ1のパルスシーケンスで、位相エンコード値毎の時間分解されたデータが得られるので、これを時変数を含む三次元データとして、その後の補償電流の算出に用いる。位相差画像データから、補償電流の振幅及びそれらの時定数を求める手法は、図2の実施形態で説明した手法と全く同様である。
このように本較正パルスシーケンスによれば、傾斜磁場の立ち上がり時に誘起される渦電流についても適切に補正を行うことができる。尚、テスト傾斜磁場の立ち上がり及び立ち下りによる両方の渦電流を計測する場合には、図5に示すグループ1のパルスシーケンスと図3に示すグループ2のパルスシーケンスとをつなぎ合わせた較正パルスシーケンスを実行すればよいことは容易に理解されるであろう。
また図5の較正パルスシーケンスでは1軸について位相エンコードする場合(2次元計測の場合)を示したが、本実施例についても、図4に示すような3次元計測を適用することができる。
本発明の本質は、傾斜磁場の立ち上がり時の渦電流を計測する場合には、テスト傾斜磁場印加を併っている較正パルスシーケンス中にその渦電流成分を含むエコー信号を計測することであり、また傾斜磁場の立ち下り時の渦電流を計測する場合は、テスト傾斜磁場印加を併った較正パルスシーケンス終了後、テスト傾斜磁場印加を併わない較正パルスシーケンス中に先の傾斜磁場印加によるその渦電流成分を含むエコー信号を計測することであるので、立ち上がり時の渦電流計測においては図5のグループ2のパルスシーケンス群に代えて待ち時間を置き、立ち下り時の渦電流計測においては図3のグループ1のパルスシーケンスに代えて単にテスト傾斜磁場を印加するようにしても本発明は実施可能であるが、上述した実施形態によれば短時間で核スピンを繰り返して励起するので核スピンの定常状態自由歳差運動(SSRP)が維持され、得られる信号のS/Nが改善され、その結果、補償が正確に行なえるという効果が生じる。
本発明によれば、短TRのグラディエントエコー法によるパルスシーケンスを基本として、テスト傾斜磁場を印加するパルスシーケンスのグループとテスト傾斜磁場を印加しないパルスシーケンスのグループを設け、その少なくとも一方のグループで収集したエコー信号を用いることにより、時定数の長い渦電流を比較的短い測定時間で測定することができ、しかも傾斜磁場の立ち下りのみならず立ち上がり時に誘起される渦電流についても同様に計測することができる。

Claims (12)

  1. 静磁場中に置かれたファントムと、
    計測対象とする渦電流の時定数より短い印加時間を持つ所定軸方向への所定強度を有した一連のユニットのテスト傾斜磁場から構成される計測対象とする渦電流の時定数より長い印加時間を持つ実効テスト傾斜磁場の印加と、前記実効テスト傾斜磁場の立ち上がりまたは立ち下りに対応して起動されるパルスシーケンスの複数回の繰返しとからなる渦電流計測シーケンスを、位相エンコード量を変えて繰返し実行して前記ファントムを撮像し、前記実効テスト傾斜磁場の立ち上りまたは立ち下りにより生じた渦電流による磁場の変化情報を含んだ複数の画像データを前記パルスシーケンスの繰返し時間単位で順次計測する渦電流計測手段と、
    前記繰返し時間で得られた前記画像データから被検体の撮像時に磁場変化補償コイルへ流す前記渦電流を補償するための電流値を演算により求める補償電流演算手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記渦電流計測手段は、前記渦電流計測シーケンスを前記テスト傾斜磁場の極性が正及び負の双方について実行し、得られた画像データ同志で差分演算を行うことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記渦電流計測シーケンスには、前記ファントムの所定領域内の核スピンを短い繰返し時間で繰返し励起し、前記核スピンをSSFP状態とするパルスシーケンス部を含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記核スピンをSSFP状態とするパルスシーケンス部は、前記ファントムの撮像のためのパルスシーケンスの繰返しと連なって実行されることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記磁場不均一情報を含んだ画像データは、位相画像データであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 被検体が置かれる空間に静磁場および傾斜磁場をそれぞれ発生する磁場発生手段と、前記被検体の組織を構成する原子の原子核スピンを励起する高周波磁場を発生する送信系と、前記高周波磁場によって被検体から発生するエコー信号を検出する受信系と、検出したエコー信号を用いて前記被検体の組織の画像を再構成する信号処理系と、前記磁場発生手段、送信系、受信系および信号処理系を所定のパルスシーケンスに従い制御する制御手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、前記パルスシーケンスとして、高周波励起パルスの印加と位相エンコード傾斜磁場及び読み出し傾斜磁場の印加によりエコー信号を発生させた後、テスト傾斜磁場を印加する過程を所定の繰り返し時間で複数回繰り返すパルスシーケンス群を含む較正パルスシーケンスを備え、前記テスト傾斜磁場の極性を変えて全体として2種の較正パルスシーケンスを複数の位相エンコード値でそれぞれ実行し、
    前記信号処理系は、前記2種の較正パルスシーケンスの実行によって、それぞれ得たエコー信号のセットから、位相差画像を形成するとともに、前記位相差画像をもとに前記テスト傾斜磁場によって誘起された渦電流の大きさ及びそれらの時定数を算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記較正パルスシーケンスは、高周波励起パルスの印加と位相エンコード傾斜磁場及び読み出し傾斜磁場の印加によりエコー信号を発生させた後、テスト傾斜磁場を印加する過程を所定の繰り返し時間で複数回繰り返す第1のパルスシーケンス群と、高周波励起パルスの印加と位相エンコード傾斜磁場及び読み出し傾斜磁場の印加によりエコー信号を発生させてそのエコー信号を計測する過程を同一位相エンコード量の印加の下に所定の繰り返し時間で複数回繰り返す第2のパルスシーケンス群とから成り、
    前記信号処理系は、前記第1のパルスシーケンス群と第2のパルスシーケンス群を位相エンコード量を変えながら複数回実行し、前記第2のパルスシーケンス群で得たエコー信号のデータから、位相差画像を形成するとともに、前記位相差画像をもとに前記テスト傾斜磁場の立ち下りによって誘起された渦電流の大きさ及びそれらの時定数を算出することを特徴とする請求の範囲第項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記制御手段は、テスト傾斜磁場を含むパルスシーケンス群において、エコー信号の計測を行い、
    前記信号処理系は、テスト傾斜磁場を含むパルスシーケンス群で得たエコー信号のデータから、位相差画像を形成するとともに、前記位相差画像をもとに前記テスト傾斜磁場の立ち上がりによって誘起された渦電流の大きさ及びそれらの時定数を算出することを特徴とする請求の範囲第または項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記制御手段は、繰り返し時間を制御して、渦電流に起因する磁場変化を所望の時間分解能で計測することを特徴とする請求の範囲第ないし項のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. 傾斜磁場を発生する手段と、前記傾斜磁場の発生に伴って誘起される渦電流に基づく不整磁場を、補償電流を流すことによって補償する補償手段を備えた磁気共鳴イメージング装置における渦電流補償導出方法であって、以下の工程を含む。
    静磁場中にファントムを配置する工程と、
    位相エンコード傾斜磁場を印加して前記ファントムの画像データを取得する基本シーケンスの少なくとも一軸にテスト傾斜磁場を追加した第1のシーケンスを複数回繰り返す第1の工程と、
    前記基本シーケンスに前記テスト傾斜磁場を追加しない第2のシーケンスを複数回繰り返す第2の工程と、
    前記位相エンコード傾斜磁場を変えて前記第1の工程と前記第2の工程とを繰り返す工程と、
    前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスの内の少なくとも一方において取得された前期画像データに基づいて、前記テスト傾斜磁場によって誘起された渦電流に基づく前記不整磁場の空間的・時間的変動を求める工程と、
    前記求められた不整磁場の空間的・時間的変動から前記補償電流の値を求める工程と、を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置における渦電流補償動導出方法。
  11. 請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置における渦電流補償導出方法において、
    前記第1のシーケンスの繰り返し時間を、計測対象とする渦電流の時定数よりも短くし、
    前記第1のシーケンスを連続して繰り返す期間を、少なくとも前記計測対象とする渦電流の時定数よりも長くすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置における渦電流補償導出方法。
  12. 請求項10又は11に記載の磁気共鳴イメージング装置における渦電流補償導出方法において、
    前記テスト傾斜磁場の極性を変えて、前記第1の工程と前記第2の工程とを実行する工程を含み、
    前記不整磁場の空間的・時間的変動を求める工程は、前記テスト傾斜磁場の極性の異なる一対の画像データから前記不整磁場の空間的・時間的変動を求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置における渦電流補償導出方法。
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