JP2647066B2 - 核磁気共鳴を用いた検査装置 - Google Patents

核磁気共鳴を用いた検査装置

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JP2647066B2 JP7269717A JP26971795A JP2647066B2 JP 2647066 B2 JP2647066 B2 JP 2647066B2 JP 7269717 A JP7269717 A JP 7269717A JP 26971795 A JP26971795 A JP 26971795A JP 2647066 B2 JP2647066 B2 JP 2647066B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴(以下、
「NMR」という)を用いた検査装置に関し、特にケミ
カルシフトイメージングを、高速で行なうことが可能な
NMRを用いた検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人体の頭部、腹部などの内部構造
を非破壊的に検査する装置として、X線CTや超音波撮
像装置が広く利用されて来ている。近年、核磁気共鳴現
象を用いて同様の検査を行なう試みが成功し、X線CT
や超音波撮像装置では得られない情報を、取得できるこ
とが明らかになって来た。核磁気共鳴現象を用いた検査
装置においては、検査物体からの信号を物体各部に対応
させて分離・識別する必要がある。その1つに、検査物
体に傾斜磁場を印加し、物体各部の置かれた静磁場を異
ならせ、これにより各部の共鳴周波数あるいはフェーズ
・エンコード量を異ならせることで位置の情報を得る方
法がある。
【0003】その基本原理については、ジャーナル・オ
ブ・マグネティック・レゾナンス誌(J.Magn.R
eson.)第18巻、第69頁(1975年)に、あ
るいはフィジックス・オブ・メディシン・アンド・バイ
オロジー誌(Phys.Med. & Biol.)第
25巻、第751頁(1980年)に報告されている。
このようなイメージングの1方法として、ケミカルシ
フトイメージングがある。ケミカルシフトとは、同一の
核種であっても核スピンの感じる磁場が、その周囲の分
子構造の相違により異なるため、核スピンの共鳴周波数
が分子構造上での位置に応じて変化する現象である。ケ
ミカルシフトは被測定体の分子構造に関する情報を与え
てくれるため、極めて重要な現象である。
【0004】ケミカルシフト量をイメージングする方法
としては、これまで(a)マウズレイ(Maudsle
y)らにより報告されたフーリエイメージング法の拡張
法(ジャーナル・オブ・マグネティック・レゾナンス
誌、第51巻、第147頁(1983年)、(b)ディ
クソン(Dixon)により提案された方法(ラジオグ
ラフィ誌(Radiology)、第153巻、第18
9頁(1984年))などが代表例としてあげられる。
【0005】(a)の方法は、イメージングの次元を1
つ高めることにより、ケミカルシフト量の分離・測定を
可能にする方法である。この方法では、通常、2次元平
面を対象にする場合、被測定体をL×Mの画素に分割
し、その各々に対してN個の信号点をサンプリングする
ことが行なわれる。LあるいはMは空間分解能に応じて
決められるが、例えばL=M=128とすればL×M=
16,384となる。1回の測定でN個の信号点をサン
プリングできるが、次の測定までには被測定体の縦緩和
時間程度(生体の場合約1秒)待たなければならず、結
局、L×M回測定するためには、4.6時間の測定時間
を要すことになる。
【0006】これに対し(b)の方法は、90°−τ1
−180°−τ2(信号計測)なるパルスシーケンスに
おいて、τ1=τ2とτ1≠τ2の2枚の画像の和と差か
ら、特定のケミカルシフトの情報だけを含む画像を構成
する方法である。ここで、90°、及び180°は各々
スピンを90°、180°倒す高周波磁場を表わしてい
る。この方法は、計測に要する時間が1枚の画像の2倍
で済むため、極めて実用的な方法である。
【0007】しかし、ケミカルシフト量は静磁場の不均
一と同程度か、あるいはそれよりも小さいため、τ1
τ2の画像においては、静磁場の不均一に基づく位相誤
差の方が、ケミカルシフト量に基づく位相誤差よりも大
きくなる場合が生じる。これに対し、ディクソン(Di
xon)らは、複素フーリエ変換後、実部と虚部の2乗
和の平方根、即ち、絶対値を計算することにより、静磁
場不均一の影響を除去している。しかし、この場合、2
つのケミカルシフト量に対応するスピン数の大小いかん
によっては、両者を区別できない場合が生じる。さら
に、2つのケミカルシフト像を得るには、2回の異なっ
た条件下での測定が必要であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような欠
点に鑑がみてなされたもので、その目的はケミカルシフ
トイメージングにおいて、シフト数が2本の場合、1回
の測定でケミカルシフト像を得ることを可能にした検査
方法、及び装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要点は、フーリ
エイメージング法を用いた検査方法において、静磁場の
不均一に起因する位相誤差、及び装置固有の位相オフセ
ットを補正することにより、2本のケミカルシフト間の
位相差をπ/2の奇数倍とするような高周波パルスシー
ケンスで得られるたった1回の測定データから、ケカミ
ルシフト像が得られるようにした点にある。これについ
て、以下、若干の補足的説明を行なう。まず、2次元面
をイメージングする場合を例にとって、変形スピンワー
プ法の原理と本発明を2次元変形スピンワープ法に適用
した例について述べる。図1は、2次元の変形スピンワ
ープ法を実施するための照射パルスと、x、y方向の傾
斜磁場と核スピンからの信号のタイミングを示すもので
ある。ここでは、(x,y)面に平行なある断面を選択
するものとしている。図1において、RFは上記照射パ
ルスを、Gy、及びGZはそれぞれy、及びz方向の傾斜
磁場を示している。また、Sは核スピンからの信号を示
している。
【0010】まず、90°RFパルスを照射し、試料内
の核スピンを90°倒す。その直後に、上記傾斜磁場G
Zを時間tZだけ印加する。次に90°RFパルスの中心
から時間τaが経過した時点でその中心がくるように1
80°RFパルスを照射する。信号の観測はGyを印加
しながら行なう。なお、180°RFパルスの中心から
スピンエコーのピークまでの時間をτbとすると、通常
のイメージングではτa=τbとなるように設定する。
【0011】また、GZにおいては90°RFパルスの
後に反転区間tZaを設けているが、これは180°RF
パルスの後に非反転区間tZbを設けても同じ効果が得ら
れる。即ち、90°RFパルスと傾斜磁場G Z の印加に
より生じた核スピンの位相乱れを修復する効果が得られ
る。同様に、Gyにおいては180°RFパルスの後に
反転区間tybを設けているが、これは90°RFパルス
の後に非反転区間tyaを設けても同様の効果が得られ
る。なお、tZaとtZb、tyaとtybの区間の傾斜磁場の
積分値は等しくなければならない。このような計測をx
方向の傾斜磁場の大きさを変化させて行なった結果得ら
れる2次元信号S(GX,ty)は、前記選択断面の核ス
ピン分布ρ(x,y)との間に(数1)の関係がある。
【0012】
【数1】 S(GX,ty)=∫∫ρ(x,y)exp{−jγ(GXxtX+Gyyty)} exp(jθ0)dxdy …(1) ただし、(数1)は静磁場に不均一がないものとし、ま
たケミカルシフトも無視した場合である。なお、θ0
装置に固有の位相オフセットを表わす。また、(数1)
で、γは各磁気回転比、jは虚数単位である
【0013】さて、本発明においては図1のシーケンス
にてτaとτbを異ならせて、例えば、τa=Δτ+τb
して計測を行なう。測定対象とする試料にケミカルシフ
トが2本(σ1とσ2)存在し、それらに対応するスピン
密度をρ1(x,y)、ρ2(x,y)、また、静磁場の
不均一をE(x,y)とすると、τa=Δτ+τbのもと
で得られる信号は(数2)で与えられる。
【0014】
【数2】 S(GX,ty)=Σ∫∫ρK(x,y)exp{−jγ〔(GXxtX+Gyyty )+(E(x,y)+σK)(ty+Δτ)〕}exp(jθ1)dxdy …(2 ) ここで、θ1は装置固有の位相オフセットであり、加算
ΣはK=1,2について行なう。なお、(数2)は先に
述べたシーケンスに限定されるものではなく、これと等
価なすべてのシーケンスに対して成立する。(数2)を
変形すると、(数3)が得られる。
【0015】
【数3】 S(GX,ty)=Σ∫∫ρK’(x,y)exp{−jγ〔GXxtX+(Gyy +E(x,y)+σK)ty〕}exp(jθ1)dxdy …(3) (数3)で、加算ΣはK=1,2について行なう。ここ
で、ρK’(x,y)は(数4)で与えられる。
【0016】
【数4】 ρK’(x,y)=ρK(x,y)exp{−jγ(E(x,y) +σk)Δτ} …(4) さて、積分変数を(数5)とすると、(数6)が得られ
る。
【0017】
【数5】 x’=x yK’=y+E(x,y)/Gy+σK/Gy …(5)
【0018】
【数6】 S(GX,ty)=Σ∫∫ρK”(x’,y0K)exp{−jγ〔GXx’tX +GyK’ty)}×exp(jθ1)dx’dyK’ …(6) (数6)で、加算ΣはK=1,2について行なう。
【0019】ここで、y0Kは(数5)をyについて解い
たものであり、またρK”(x,y0K)とρK’(x,y
0K)との間には、(数7)で示される関係が成立する。
【0020】
【数7】 ρK”(x’,y0K)= ρK’(x,y0K)│∂(x,y)/∂(x’,yK’)│ …(7) │∂(x,y)/∂(x’,yK’)│は、積分の変数
変換で生じるヤコビアン(Jacobian)である。
E(x,y)のy方向への変化率が、Gyに比べて小さ
く、かつy0K≒yが成立するならば、(数8)が得られ
る。
【0021】
【数8】 ρK”(x’, 0K )=ρK’(x,y) …(8) 従って、(数6)を逆フーリエ変換(F~1で表記する)
すると、(数9)が得られる。
【0022】
【数9】 F-1{S(GX,ty)}=ΣρK’(x,y)exp(jθ1) …(9) (数9)で、加算ΣはK=1,2について行なう。(数
9)に(数4)を代入すると、結局(数10)が得られ
る。
【0023】
【数10】 F-1{S(GX,ty)}=ΣρK(x,y)exp{−jγ(E(x,y) +σK)Δτ}exp(jθ1) …(10) (数10)で、加算ΣはK=1,2について行なう。こ
こで、Δτは測定時に設定するパラメータであり、σK
は測定対象により決まる値である。そこで残された変数
のうちの1つであるE(x,y)の求め方について述べ
る。まず、(数10)において、σK=0、即ち、化学
シフトが1本(共鳴線が1本)の物質を対象にイメージ
ングすると、
【0024】
【数11】 F~1{SC(GX,ty)} =ρC(x,y)exp{−jγ(E(x,y)Δτe} exp(jθC) …(11) が再生される。なお、(数11)でΔτ e =Δτであ
る。F~1{SC(GX,ty)}は複素数であり、その実
部、及び虚部をそれぞれEr(x,y)、Ei(x,y)
とすると、(数12)が得られる。
【0025】
【数12】 〔exp{−jγ(E(x,y)Δτe}exp(jθC)〕* ={Er(x,y)−jEi(x,y)}/│Er(x,y)+jEi(x,y)│ …(12) (数12)中〔 〕*は複素共役を表わす。なお、
(数12)でΔτ e =Δτである。(数12)を(数1
0)に掛け合せると左辺をP(x,y)として(数1
3)が成立する。
【0026】
【数13】 P(x,y)=ΣρK(x,y)exp(−jγσKΔτ) exp{j(θ1−θC)} …(13) (数13)で、加算ΣはK=1,2について行なう。
(数13)においてE(x,y)は消去されており、静
磁場の不均一よる位相誤差は補正されたことが分かる。
ところで、σKは基準周波数からのずれを表わすだけで
あるから、Δτ間に生じる位相は相対値としてしか意味
を持たない。そのため、基準周波数の選び方により位相
オフセットとして変化する。さて、Δτを(数14)で
与えるものとする。
【0027】
【数14】 γ(σ1−σ2)Δτ=π/2 …(14) (数14)を(数13)に代入すると(数15)が得ら
れる。
【0028】
【数15】 P(x,y)={ρ1(x,y)+ρ2(x,y)exp(−jπ/2)} exp(−jγσ1Δτ)×exp{j(θ1−θC)}…(15) 従って、(数15)の位相項exp(−jγσ1Δτ)
×exp{j(θ1−θC)}が一定値となるように位相
を設定できれば、P(x,y)は非常に簡単になる。次
に、上記位相項を決める方法として、σ1あるいはσ2
いずれか1つのシフトを有する物質を、イメージング視
野内に設置する方法について述べる。例えば、σ1に対
応する物質で満たした試料管を、図2に示すようにコイ
ル4の内におく。さて、得られた画像中で、この試料に
対応する画像の中心部をQr+jQiとした時、(数1
6)が成立する。
【0029】
【数16】 exp(−jγσ1Δτe)exp{j(θ1−θC)} =(Qr+jQi)/│Qr+jQi│ …(16) (数16)の共役複素数をQr、Qiから求め、(数1
5)にかけると(数17)に示す補正像を得る。なお、
(数16)でΔτ e =Δτである。
【0030】
【数17】 T(x,y)=ρ1(x,y)−jρ2(x,y) …(17) 即ち、T(x,y)の実部、及び虚部が、それぞれ、σ
1、及びσ2に対応したケミカルシフト像となることが分
かる。さらに、ρ1(x,y)+ρ2(x,y)あるいは
{ρ1 2(x,y)+ρ1 2(x,y)}は通常のシーケン
スで得られる像でもある。
【0031】なお、(数14)において右辺が(1/
2)πでない場合にも画像処理が少々複雑になるが、同
様のことを行なうことができる。即ち、
【0032】
【数18】 γ(σ2−σ1)Δτ=θP …(18) とすると、(数13)は(数19)となる。
【0033】
【数19】 P(x,y)={ρ1(x,y)+ρ2(x,y)exp(−jθP)} exp(−jγσ1Δτ)exp{j(θ1−θC)} …(19) 従って、(数19)のexpの項を前記方法により除去
すれば、(数20)を得る。
【0034】
【数20】 P(x,y)=ρ1(x,y)+ρ2(x,y)exp(−jθP) …(20) P(x,y)の実部をRe(P)、虚部をIm(P)と
すれば、(数21)、(数22)となる。
【0035】
【数21】 Re(P)=ρ1(x,y)+ρ2(x,y)cos(θP) …(21)
【0036】
【数22】 Im(P)=−ρ2(x,y)sin(θP) …(22) となる。(数21)、(数22)は、ρ1(x,y)、
ρ2(x,y)に関する連立1次方程式であるので、こ
れを実部像と虚部像の対応する画素について解けば、ρ
1(x,y)、ρ2(x,y)を求めることができる。
【0037】
【作用】本発明では、フーリエイメージング法を用いた
検査方法において、静磁場の不均一に起因する位相誤
差、及び装置固有の位相オフセットを各点ごとに補正す
るので、2本のケミカルシフト間の位相差をπ/2の奇
数倍とする高周波パルスシーケンスで得られる1回の測
定により2本のケミカルシフトに対応した像を得るこて
ができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図3は本発明の一実施例である検査装置の
構成図である。図3において、1は計算機、2は高周波
パルス発生器、3は電力増幅器、4は高周波磁場を発生
させると同時に対象物体16から生ずる信号を検出する
ためのコイル(rfコイル)、5は増幅器、6は検波
器、7はディスプレイ装置である。また、8、9、及び
10はそれぞれz方向、及びこれに直角の方向の傾斜磁
場を発生させるコイル(傾斜磁場コイル)、11、1
2、13はそれぞれ上記コイル8、9、10を駆動する
電源部である。
【0039】計算機1は各装置に種々の命令を一定のタ
イミングで出力する機能をも有するものである。高周波
パルス発生器2の出力は電力増幅器3で増幅され、上記
コイル4を励磁する。該コイル4は前述の如く受信コイ
ルを兼ねており、受信された信号成分は増幅器5を通り
検波器6で検波後、計算機1に入力され信号処理後ディ
スプレイ装置7で画像に変換される。
【0040】なお、静磁場の発生は電源15により駆動
される静磁場コイル14で行なう。検査対象物体である
人体16はベッド17上に載置され、上記ベッド17は
支持台18上を移動可能なように構成されている。ま
た、19、20は記憶装置(以下、「メモリ」という)
である。メモリ19には(数10)で示されるF-1{S
(GX,ty)}が格納され、メモリ20には(数12)
で与えられる静磁場の不均一による位相項、及び(数1
6)で与えられる位相オフセットが格納される。次に図
4をも参照して本実施例の動作を説明する。まず、図4
に示すステップ401では、σK=0、即ち、化学シフ
トが1本である試料を満たした容器をコイル4の中にお
き、図1に示すシーケンスのくり返しによりNMR信号
の計測を行なう。なお、目的とする被測定体の化学シフ
トがσ1、σ2であるとき、(数14)を満たすようなΔ
τを求め、τa=Δτ+τbとなるようなタイミング設定
を予めしておく。このシーケンスは被測定体の計測に用
いるのと全く同じであることが好ましい。ただし、上記
の試料の緩和時間が目的とする被測定体の緩和時間より
小さければ、図1に示すくり返し周期trより小さくす
ることができる。
【0041】次にステップ401では、上記の試料の像
を再構成する2次元フーリエ変換を計算機1で行ない、
(数11)に示す像データを得る。次にステップ403
では、この像データの実部Er(x,y)、及び虚部Ei
(x,y)から(数12)により補正のための位相像を
抽出し、メモリ20に格納する。
【0042】次にステップ404では、目的とする被測
定体をコイル中におき、再び図1のシーケンスにてNM
R信号を計測する。この場合には被測定体の緩和時間に
対してシーケンスのくり返し周期trを十分に長くとる
必要がある。次にステップ405では、2次元フーリエ
変換による像再構成を行ない(数10)で示される、イ
メージF-1(S(GX,ty)}を得て、これをメモリ19
に格納する。
【0043】なお、上記ステップ401〜403と、ス
テップ404〜405のいずれを先に行なっても良いの
は勿論である。また、静磁場不均一が極て小さな場合に
はステップ401〜403、406を省略することも勿
論可能である。
【0044】次にステップ406では、被測定体の像の
位相誤差を消去する。即ち、計算機1はメモリ20より
補正用位相像((数12))を、また、メモリ19より
-1{S(GX,ty)}をロードし、両者を掛け合せる
ことにより(数15)のP(x,y)を計算する。この
結果は、再びメモリ19に格納される。
【0045】次にステップ407では、装置に依存した
オフセット位相の消去を行なう。具体的には図2に先に
示した通り、σ1あるいはσ2のいずれか1つのシフトを
有する物質で満たした試料管をコイル4の中におき、図
1のシーケンスにて計測を行ない、2次元フーリエイメ
ージングを行なって得られた画像のうち、試料管の中心
部のデータQr+jQiを求めて(数16)を得る。さら
にメモリ19に格納されているP(x,y)をロード
し、(数16)の共役複素数をP(x,y)にかけて
(数17)のT(x,y)を得る。これを再びメモリ1
9に格納する。
【0046】次にステップ408では、デイスプレイ7
に必要に応じて結果を表示する。即ち、(数17)の実
部ρ1(x,y)を表示すれば、σ1に対応したケミカル
シフト像となり、ρ2(x,y)を表示すればσ2に対応
したケミカルシフト像となる。またρ1(x,y)+ρ2
(x,y)、あるいは{ρ1 2(x,y)+ρ2 2(x,
y)}を算出して表示すれば、ケミカルシフトの区別の
ないスピン分布像が得られる。
【0047】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、静磁
場、傾斜磁場、及び高周波磁場内におけるNMR現象を
利用する検査装置において、前記静磁場の不均一による
位相回り、及び装置固有の位相オフセットを各点ごとに
補正するようにしたので、1回の測定により2本のケミ
カルシフトに対応した像を得ることが可能な方法、及び
装置を実現できるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるパルスシーケンスを示す図。
【図2】本発明における位相オフセット補正に用いる基
準物質の配置を示す図。
【図3】本発明の実施例である検査装置の概略構成を示
す図。
【図4】本発明の実施例の動作フローを示すフローチャ
ート。
【符号の説明】
1…計算機、2…高周波パルス発生器、3…電力増幅
器、4…rfコイル、5…増幅器、6…検波器、7…デ
ィスプレイ装置、8、9、10…傾斜磁場コイル、1
1、12、13…電源部、14…静磁場コイル、15…
電源、19、20…メモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 秀樹 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−34549(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場、傾斜磁場、及び高周波磁場の各磁
    場発生手段と、検査対象からの核磁気共鳴信号を検出す
    る信号検出手段と、検出された前記核磁気共鳴信号の演
    算を行なう演算処理手段と、演算処理結果を出力する出
    力手段とを有する核磁気共鳴を用いた検査装置におい
    て、前記検査対象に含まれる2種類のケミカルシフト間
    でπを除くπ/2以外の所定の位相差を生じさせるパル
    スシーケンス制御手段を有し、前記検査対象からの前記
    核磁気共鳴信号に基づいて得たケミカルシフト像の画像
    データに対し、装置固有の位相オフセットの補正を行な
    い、1回のイメージングのための前記核磁気共鳴信号を
    検出して、前記2種類のケミカルシフト像を得ることを
    特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
  2. 【請求項2】前記検査対象に含まれる核スピンを励起す
    るための励起用高周波磁場の印加が、第1の励起用高周
    波磁場の印加と第2の励起用高周波磁場の印加とからな
    り、前記パルスシーケンス制御手段により、前記第1の
    励起用高周波磁場の中心と前記第2の励起用高周波磁場
    の中心との間の時間間隔が、前記第2の励起用高周波磁
    場の中心と前記検査対象からの核磁気共鳴信号の中心と
    の間の時間間隔と異なるように設定されることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項に記載の核磁気共鳴を用いた
    検査装置。
JP7269717A 1995-10-18 1995-10-18 核磁気共鳴を用いた検査装置 Expired - Lifetime JP2647066B2 (ja)

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