JPH08336507A - Mri装置 - Google Patents

Mri装置

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JPH08336507A
JPH08336507A JP7170504A JP17050495A JPH08336507A JP H08336507 A JPH08336507 A JP H08336507A JP 7170504 A JP7170504 A JP 7170504A JP 17050495 A JP17050495 A JP 17050495A JP H08336507 A JPH08336507 A JP H08336507A
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JP
Japan
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magnetic field
echo signal
time
static magnetic
echo
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Pending
Application number
JP7170504A
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English (en)
Inventor
Kenji Takiguchi
賢治 滝口
Kazumi Komura
和美 小村
Hiromichi Shimizu
博道 清水
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】静磁場内に位置した被検体の撮像部位の静磁場
不均一の分布を高速で計測し、それにより被検体の検査
時間を短縮する。 【構成】90°−180°−180°−…のスピンエコ
ー法系列のマルチエコーパルスシーケンスを用い、各1
80°RFパルス印加毎に、エコー時間をTE、nをn
≧1なる整数としたときに、(n・TE)と(n・TE
+ε)なる時刻にエコー信号e1nとe2nとが対をなすよ
うに発生させ、それらの信号を別個に画像再構成し、再
構成された画像間の差分画像データを作成し、その差分
画像データを用いて被検体の撮像部位の静磁場不均一の
分布を算出する。 【効果】従来技術のようにパルスシーケンスを画像再構
成に必要なだけ、またはその2倍の回数だけ実施する必
要がなく、静磁場不均一の分布の計測が格段に高速化で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は核磁気共鳴現象(NMR
現象)を用いて被検体内を映像化する磁気共鳴イメージ
ング装置(以下、MRI装置と記す。)に係り、特に関
心領域内の静磁場不均一を高速に計測する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】MRI装置にとって均一な静磁場と直線
性の良い傾斜磁場とが必要不可欠である。静磁場の均一
性と傾斜磁場の直線性が良好でないと、撮像位置の正確
な設定が困難であると共に、得られた画像には歪が生じ
検査対象物の正確な形状の判定が不可能となるためであ
る。そこで、MRI装置に用いる静磁場発生用磁石は、
検査可能空間の静磁場の均一度を10-6ppm 程度のレベ
ルに高めたものとされている。しかしながら、前記の如
く非常に均一度を高められた均一磁場空間を提供するよ
うに製作した磁石装置であっても、撮像のために被検体
を均一静磁場空間へ挿入すると、被検体の不均一な透磁
率によって、被検体内の磁場均一度が乱れてしまうもの
であった。このため、MRI装置で撮像した画像には多
かれ少なかれ歪の入り込んでいるものであった。
【0003】そこでこの問題を解決するために、静磁場
空間に被検体を挿入した状態で、撮像に先立って、被検
体内の撮像部位の静磁場均一度を計測して、実際の撮像
時にその計測データを用いて補正を行う方法が提案され
ている。補正の方法としては、1つには静磁場発生用磁
石にシミング機構を設け、前記計測データを用いて磁場
を補正するもの、もう1つには撮像データを前記計測デ
ータにより補正して画像再構成するものである。前者
は、例えば、1988年発行の「ジャーナル オブ マ
グネチック レゾナンス,ボリウム77,40頁乃至5
2頁」に掲載のプラマー氏等の「ア ニュー アプロー
チ ツー オートマチック シミング」と題する論文
や、1992年発行の「日磁医誌,第12巻3号,14
1頁乃至147頁」に掲載の金山氏等の「人体の高速磁場
分布計測と磁場均一性調整」と題する論文が知られてお
り、また後者としては、特開昭60−161552号公報が挙げ
られる。
【0004】上記文献に記載された静磁場不均一の計測
方法は、スピンエコー法においてエコー時間が、T及び
(T+ΔT)の2つのパルスシーケンスをそれぞれ複数
回実施し、それぞれのシーケンスでの計測データ同志の
差分を取り位相差分布を求め、それにより静磁場の不均
一を求めるというものがプラマー氏等の論文及び特開昭
60−161552号公報に開示された方法であり、また、金山
氏等が開示した方法は、グラジェントエコー法における
エコー信号を傾斜磁場の反転により、核スピンの励起後
の時刻T,(T+ΔT),(T+2ΔT)のように複数
発生させるとともに、このシーケンスを複数回実施し、
第1エコーと第2エコー又は第1エコーと第3エコーと
の差分を取り位相差分布を求め、それにより静磁場の不
均一を求めるというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した方法のいずれ
も、静磁場の不均一を求めるためには、スピンエコー法
やグラジェントエコー法のパルスシーケンスを通常の画
像を得るのに必要な回数又はその2倍の回数だけ実施し
なければならないものであった。したがって、静磁場の
不均一を計測するために、被検体の撮像のための本計測
と同じかそれ以上の時間がかかってしまい、X線CTな
どの他のモダリティよりも撮像時間が長いというMRI
装置の欠点を更に増大してしまうものであった。
【0006】本発明は上記に鑑みて成されたもので、そ
の目的は静磁場の不均一を、従来方法と比較して、非常
に高速で可能にする技術を提供し、以って被検体の撮像
完了までの時間を短縮することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、被検体へ静磁場と傾斜磁場を印加する手段
と、前記静磁場の印加の下で、前記傾斜磁場とRFパル
スとをスピンエコー法パルスシーケンスに則って印加
し、前記被検体の所定部位からエコー信号を発生させる
シーケンス制御手段と、前記エコー信号を受信する手段
と、受信された信号を処理するとともに画像再構成する
画像処理手段とを有したMRI装置において、前記シー
ケンス制御手段には、エコー時間をTEとしたときに、 n・TE 及び n・TE+ε ここに、nは、n≧1なる整数の時刻のように、静磁場
不均一の影響の差が常に等しくなる時刻に一対のエコー
信号を繰り返して発生させるパルスシーケンスが組み込
まれるとともに、前記画像処理手段には、n・TEとn
・TE+εの時刻のエコー信号群を別個に画像再構成
し、再構成された画像から差分画像データを得るソフト
ウェアが組み込まれるとともに、前記差分画像データか
ら静磁場不均一の分布を算出する手段を設けたものであ
る。そして、エコー信号を発生させる時刻のうち、n・
TE+εにおいて、εは符号を有するものとされ、その
符号はnの増加に伴って一定とされるか、またはnの増
加に伴ってプラスとマイナスが交互に与えられる。
【0008】
【作用】前記従来技術でも述べたように、静磁場の不均
一は、静磁場の均一なデータ又は静磁場の不均一を補償
したデータと、静磁場の不均一を取り込んだデータとの
差分から算出することができる。そこで本発明のシーケ
ンス制御手段では、スピンエコー法系列のマルチエコー
シーケンスにおいて、各180°RFパルスの印加毎に
静磁場不均一の影響の差が等しい一対のエコー信号を発
生させる。例えばエコー時間をTEとしたときに(n・
TE)なる時刻の静磁場不均一の補償されたデータと、
そして(n・TE+ε)なる時刻に静磁場不均一を取り
込んだデータとを対にして、複数対のデータを1回のパ
ルスシーケンスで発生させる。そして、画像処理手段で
は前記各データを別個に画像再構成し、次いで、再構成
された画像同志の差分を取り、差分画像データを求め
る。この差分画像データは、静磁場の不均一分布データ
を包含している。そこで、静磁場不均一の分布を算出す
る手段は、前記差分画像データを用いて静磁場の不均一
分布を算出する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図5は本発明を実施するMRI装置の概略構成を示す
ブロック図である。図5において、1は静磁場を発生す
る磁石装置で、被検体8を収容し得る空間に所定の大き
さで10-6ppm 程度の均一な静磁場を発生するもので、
磁石としては、超電導方式又は永久磁石方式が現状の主
流となっている。2は傾斜磁場発生装置で、互いに直交
した方向に傾斜磁場を発生させる3組の傾斜磁場コイル
から成る。3は傾斜磁場発生装置2の各コイルへ電流を
供給する傾斜磁場電源である。4はRFパルスの送信
系、5はRFプローブ、6はNMR信号の受信系であ
る。図では省略したが、送信系4は高安定な任意の周波
数信号を出力できるシンセサイザと、このシンセサイザ
の出力信号を振幅変調する変調器と、この変調器の出力
信号を増幅する増幅器とを有し、この増幅器の出力をR
Fプローブ5へ供給する。また、受信系6はRFプロー
ブ5の受信信号を増幅する増幅器と、この増幅器の出力
を前記シンセサイザから入力された参照信号によって直
交検波する直交検波器と、この直交検波器の出力信号を
サンプリングするA/D変換器とを有し、このA/D変
換器の出力信号はCPU7内の画像処理装置へ送られる。な
お、RFプローブ5は送信用と受信用を別個に設ける場
合と共用する場合とがあり得る。
【0010】7は前記CPUであり、傾斜磁場電源3,
送信系4,受信系6を、選択されたパルスシーケンスを
実行するため、及び前記パルスシーケンスによって被検
体内から発生するNMR信号を計測するためにシーケン
シャルに制御するとともに、受信系6から入力したディ
ジタル信号を内部の画像処理装置によってFFT演算し
画像再構成するものである。また、CPU7は、後述の
静磁場不均一の分布を算出する機能をも有している。8
はディスプレイ装置で、CPU7によって再構成された
被検体の断層像や血管像を表示するもの、9は記憶装置
で、各種パルスシーケンスのソフトウェアプログラムや
演算ソフトウェアを記憶させられ、前記CPU7へそれ
らのソフトウェアを供給するとともに、再構成された画
像データを記憶するものである。10はキーボードやマ
ウスあるいはトラックボール等の入力装置と、各種操作
器や表示器を備えた操作卓である。以上、図5にMRI
装置の構成を示したが、これは一般的な構成を示したも
ので、本発明は現在市販されているMRI装置ならば実
施が可能である。
【0011】次に、上記構成のMRI装置で実施される
静磁場の強度分布を計測する実施例を説明する。図1は
静磁場強度の分布を測定するための第一の実施例として
のパルスシーケンスを示している。図1を参照すると想
起されるように、本パルスシーケンスは特開昭60−1615
52号公報の図5または米国特許第5,270,654 号公報の図
7Aに記載されたパルスシーケンスと似ている。すなわ
ち、本パルスシーケンスは、スピンエコー法のマルチエ
コーシーケンスにより生ずるエコー信号を傾斜磁場の反
転により複数発生させる点では類似している。
【0012】しかしながら、特開昭60−161552号公報及
び米国特許第5,270,654 号公報の発明の発明者等は、前
記複数のエコー信号を単一画像形成を用いて、撮像時間
の短縮を達成することのみに着目し、本願発明には思い
到らなかった。本願発明者等は、前記複数のエコー信号
を、エコー時間をTEとしたとき、(n・TE)と(n
・TE+ε)との時刻毎のエコー信号に分離して用いれ
ば、静磁場の不均一の計測を従来技術より格段に高速化
できるという点に着目して、本願発明を成したものであ
る。
【0013】以下、図1のパルスシーケンスを詳細に説
明する。図1において、横軸は左から右へ向っての時間
経過を示し、縦軸方向には、RFパルス(RF)と、ス
ライス方向傾斜磁場(Gz)と、位相エンコード方向傾
斜磁場(Gy)と、周波数エンコード方向傾斜磁場(G
x)の印加タイミングと印加期間と、エコー信号(ech
o)の発生状況と、核スピンの時間経過に対する位相ず
れ(δΦ)とを上から順に並べて示したものである。
【0014】先ず、被検体20を静磁場発生用磁石装置
1の撮像空間に位置させる。被検体20の移動には寝台
11が用いられ、また、RFプローブが送信用と受信用
とで異なっている場合には、寝台11の移動前に被検体
20の撮像部位へ受信用RFプローブが装着される。そ
して、被検体20が静磁場空間の所定位置に位置したと
ころで、撮像位置決め画像を得る。その画像を参照し
て、操作卓から撮像位置,撮像パラメータを入力して、
撮像を開始する。撮像開始指令によって図1のパルスシ
ーケンスがスタートする。
【0015】最初に、スライス方向傾斜磁場Gz121
の印加の下に、90°RFパルス111を照射する。こ
れによって、被検体20のスライス内の核スピンが選択
励起される。次いで、Gz122を印加し、選択励起さ
れた核スピンのスライス方向での位相合わせを行う。こ
の位相合わせの終了後又は位相合わせと重複して、周波
数エンコード方向傾斜磁場Gx141を所定時間印加す
る。このGx141の印加は、選択励起された核スピン
へ読出し方向に対し位相ずれを生じさせる。
【0016】このようにした後、180°RFパルス1
12とGz123とを同時に印加し、前記90°選択励
起された核スピンを更に180°励起する。そして、こ
の180°励起終了後、位相エンコード方向傾斜磁場G
y131を印加する。Gy131は位相エンコード方向
に対して核スピンの位置情報を付与する。Gy131の
印加に続いてGx142を印加する。Gx142の印加
量はGx141 の2倍とされ、Gx142の振幅と印加時間
の積がGx141と等しくなる時刻が、90°RFパル
ス111と180°RFパルス112との印加時間間隔
の2倍となるようにされる。Gx142を印加すると、
エコー信号e11がRFプローブ5で検出される。そし
て、エコー信号e11は90°RFパルス111の印加時
刻TO からTE 後に最大となる。このTE をエコー時間
という。ここまでのパルスシーケンスはスピンエコー法
という呼び方で広く知られている。
【0017】本発明は、上記90°〜180°励起に引
き続いて180°RFパルスを繰り返して印加し、各1
80°RFパルス毎に複数のエコー信号を発生させる
が、以下、その方法を説明する。
【0018】エコー信号e11の計測のためのサンプリン
グが終了したら、Gx142の振幅を逆極性としたGx
143を印加する。すると、Gx142の印加の後半に
て拡散しつつあった核スピンは再び収束しエコー信号e
21を発生する。エコー信号e21の振幅はエコー信号e11
と同極性を有したものとなる。そして、時刻TEからε
後の時刻(TE+ε)にエコー信号e21は最大となり、
その減衰して行く。Gx143はGx142と等時間だ
け印加され、その間にエコー信号e21はサンプリングさ
れる。エコー信号e21のサンプリング終了後、Gy13
1と逆極性で印加量の絶対値の等しいGy132を印加
し、核スピンの位相エンコード方向の位相戻しを行う。
【0019】続いて、Gz124の印加を行うとともに
180°RFパルス113を印加し、前記スライスと同
一スライス内の核スピンを更に180°励起する。そし
て、Gy133とGy131とは異なるステップ的な印
加量で印加し、その後、Gx144,145を印加して
エコー信号e21及びe22を計測する。Gx144と14
5とは図からも明らかなように、振幅が逆極性で、印加
量の絶対値は等しい。これらの極性は、Gx142と1
43の関係と同じである。エコー信号e21は時刻2TE
に、またエコー信号e22は時刻(2TE+ε)に生ずる
ように、RFパルス113,Gx144,145の印加
が行われる。そして、エコー信号e22のサンプリング終
了後、Gy134がGy133と逆極性かつ印加量の絶
対値が等しく印加され、位相エンコード方向の位相戻し
が行われる。
【0020】以下、同様にして行われるが、エコー信号
1nとe2nが同一順序で計測されるように、180°R
FパルスとGxが印加される。すなわち、図からも明ら
かなように、エコー信号は、nをn≧1の整数としたと
き、エコー信号のe1nは時刻(n・TE)に出現し、エ
コー信号のe2nは時刻(n・TE+ε)に出現するよう
になっている。
【0021】図1の最下段のδΦは静磁場の不均一さの
みが核スピンに及ぼす影響をパルスシーケンスの進行に
従って示している。この影響は、例えば歳差運動してい
る核スピンの位相の進み又は遅れとなって時間とともに
変化する。また、この影響は、位相エンコード方向と周
波数エンコード方向の2次元分布をする。図1のδΦ
は、静磁場強度が均一な所定値からずれた所の核スピン
の位相変化を示す。δΦは、被検体20のスライス内の
核スピンが静磁場方向とは異なる方向へ励起されると生
ずる。したがって、90°RFパルス111による励起
後にδΦは151で示すように現われ、δΦは時間とと
もに比例して増大する。そして、時刻TE/2において
180°RFパルス112の照射が行われると、δΦの
位相が反転し、その後また比例的に増大し、時刻TEに
て零となる。この時刻TEにてδΦが零となるのがスピ
ンエコー法の特長である。
【0022】時刻TEを過ぎるとδΦの極性が反転し、
δΦはなおも比例的に増大し、時刻(3TE/2)にて
180°RFパルス113を照射する時点では、δΦは
180°RFパルス112の照射時点と同一の値とな
る。180°RFパルス113を照射した後は、再び、
180°RFパルス112と113の間の変化を繰り返
し、時刻2TEでδΦは零となる。以後もδΦは図に示
すように同じ変化を繰り返す。このようなδΦの変化過
程においてエコー信号e1nとe2nとが計測される。e1n
は、TE,2TE,3TE,…,nTEの各時刻に計測
されるので、δΦは全て零、即ち静磁場の不均一は補償
されたものとなる。一方、エコー信号e2nは時刻(TE
+ε),(2TE+ε),…,(n・TE+ε)に計測
されるが、δΦは図1に示すように時間とともに直線的
に変化するので、各エコー信号e2nに包含されるδΦは
全て同一となっている。
【0023】以上のパルスシーケンスでnを32,6
4,128,256,…の如く1つ設定して、エコー信
号群e1Nとe2Nの2つの信号群を得る。これらの2つの
エコー信号群はそれぞれ、kxをリードアウト方向、k
yを位相エンコード方向とするメモリ空間(これをk空
間と称す。)へ位相エンコード順に記憶される。ここで
周波数エンコード方向、即ちリードアウト方向傾斜磁場
の時間積分値に着目すると、奇数番目のエコー信号e1n
はその時間積分値が負から正の向きに時間経過とともに
サンプリングされ、また、偶数番目のエコー信号e2n
その時間積分値が正から負の向きに時間経過とともにサ
ンプリングされている。したがって、e1Nかe2Nかどち
らか一方のエコー信号群について、k空間のリードアウ
ト方向kxについて書き込みを逆の方向(矢印参照)か
ら行う。図2に示すようにエコー信号e1Nとe2Nが得ら
れた場合に、エコー信号e2Nをリードアウト方向kxに
対してe1Nとは反対にする。
【0024】このようにk空間に記憶されたエコー信号
1Nとe2Nはそれぞれ別個に2次元フーリエ変換法によ
り画像再構成される。これによって、図3に示すよう
に、エコー信号e1Nからは図3(a)に示す画像301
が、そしてエコー信号e2Nからは図3(b)に示す画像
302が得られる。得られた2枚の画像を用いて、断面
内の静磁場分布δHを求める。エコー信号e1N及びエコ
ー信号e2Nから得られたそれぞれの画像の差分を取る
と、その差分には断面内の静磁場分布δHが反映されて
いる。これは、前述の従来技術の説明からも理解され得
るところである。そこで、エコー信号群e1Nから再構成
された画像の信号強度をS1 、そして、エコー信号群e
2Nから再構成された画像の信号強度をS2 とし、それぞ
れの実数部をRe(S1),Re(S2)、虚数部をI
m(S1),Im(S2)とすると、静磁場分布δHは数1
で表わされる。
【0025】◎
【数1】 ここで、γはエコー信号発生対象となっている原子核の
磁気回転比、εは上記エコー信号e1nとe2nの発生時間
差である。数1の計算はCPU7にて実行され、一時的
にCPU7内のメモリ素子等へ記憶保持され、次に被検
体20の前記断面の診断用画像を撮像に先立つ静磁場補
正のためのデータとして用いられる。尚、数1を用いて
計算した静磁場分布δHをディスプレイ装置8へ表示す
ることもできる。それを図4に示すが、静磁場分布δH
が位相パターン303として表示される。
【0026】本発明は被検体の撮像断面を90°−18
0°−180°−…と励起して、各180°パルス毎
に、静磁場不均一の補償されたエコー信号と静磁場不均
一を取り込んだエコー信号を対にして計測し、従来技術
によるものより格段に計測時間を短縮するものであるこ
とは、上記実施例からも容易に理解される。ところで、
上記実施例は、エコー信号群e1Nは(n・TE)なる時
刻に、そしてエコー信号群e2Nは(n・TE+ε)なる
時刻に計測するものとし、かつ画像再構成に必要なエコ
ー信号の数例えば128,256のエコー信号を図1に
示すパルスシーケンスを1回実行するのみで取得するも
のとして説明したが、本発明は上記実施例に限定される
ことはなく、要旨を逸脱しない範囲で変形が可能であ
る。
【0027】第一の変形例としては、画像再構成に必要
なエコー信号数をMと仮定した場合に、図1に示すパル
スシーケンスでN対のエコー信号群を取得し、図1のパ
ルスシーケンスを(M/N)回繰り返して実行するとと
もに、計測するエコー信号毎に異なる位相エンコードを
付与してサンプリングするものが挙げられる。これによ
っても、ほぼ第一の実施例と同様な効果が期待できる。
【0028】第二の変形例は、上記第一の実施例におい
てエコー信号e2nを(n・TE+ε)なる時刻に計測した
が、このエコー信号e2nを(n・TE−ε)なる時刻に
計測する、つまり、エコー信号e1nは(n・TE)なる
時刻に計測し、エコー信号e2nはe1nに先立つ時刻(n
・TE−ε)に計測する方法がある。この方法では、上
記第一の実施例と同一の効果が得られる。
【0029】その他の変形例として、エコー信号e1n
(n・TE)なる時刻に計測し、エコー信号e2nはnの
増加とともに(n・TE+ε)と(n・TE−ε)との
時刻に、つまり交互にεをプラスとマイナスに符号を変
えた時刻に計測する方法も考えられる。
【0030】更にその他の変形例として、上記第一の変
形例とその他の変形例の組合わせも考えられる。尚、図
1に示すパルスシーケンスにおいて、2TE及び(2T
E+ε)の時刻に生ずるエコー信号は他のエコー信号と
同一極性で示したが、これは180°RFパルス11
2,113,114,…をY軸に対するものとしている
ことを示している。この方法によれば、エコー信号の減
衰度合いが少なく、また常に同極性のエコー信号が得ら
れるので、1回のパルスシーケンスで得られる信号数が
多くでき、また信号の極性を揃える処理も不要となる。
その利点を必要としなければ、180°パルスをx軸に
対するものとしても良い。また、本発明は適用される被
検体の関心領域を2次元的断面として説明したが、本発
明を被検体の3次元領域に適用することも可能である。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、静磁
場不均一を求めるデータとしての、静磁場不均一が補償
されたデータと静磁場不均一を取り込んだデータとを対
にして、かつ1回のパルスシーケンスで複数対のデータ
を得るようにしたので、従来技術と比較してデータ計測
が格段に速く行い得る。したがって、被検体の撮像に先
立つ予備計測時間が極めて短かくできるので、全体とし
ての被検体撮像時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例でのデータ計測用パルス
シーケンスを示す図。
【図2】図1のパルスシーケンスで得られたデータのk
空間への配列を示す図。
【図3】図2のk空間のデータから得られる再構成画像
を示す図。
【図4】図3の2枚の画像の差分により得られる静磁場
不均一分布像を示す図。
【図5】本発明を実施するMRI装置の概略構成を示す
ブロック図。
【符号の説明】
11n RFパルス 12n スライス方向傾斜磁場 13n 位相エンコード方向傾斜磁場 14n 周波数エンコード(リードアウト)方向傾斜磁
場 e1n,e2n エコー信号 δΦ 静磁場不均一による位相ずれ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体へ静磁場と傾斜磁場を印加する手段
    と、前記静磁場の印加の下で、前記傾斜磁場とRFパル
    スとをスピンエコー法パルスシーケンスに則って印加
    し、前記被検体の所定部位からエコー信号を発生させる
    シーケンス制御手段と、前記エコー信号を受信する手段
    と、受信された信号を処理すると共に画像再構成する画
    像処理手段とを有したMRI装置において、前記シーケ
    ンス制御手段には、エコー時間をTEとしたときに、 n・TE 及び n・TE+ε ここに、nは、n≧1なる整数の時刻に一対のエコー信
    号を繰り返して発生させるパルスシーケンスが組み込ま
    れ、前記画像処理手段には、n・TEとn・TE+εの
    各時刻のエコー信号群を別個に画像再構成し、再構成さ
    れた画像から差分画像データを得るソフトウェアが組み
    込まれるとともに、前記差分画像データから静磁場不均
    一の分布を算出する手段を備えたことを特徴とするMR
    I装置。
  2. 【請求項2】n・TE+εにおけるεは、プラスまたは
    マイナスの符号を含むことを特徴とする請求項1に記載
    のMRI装置。
  3. 【請求項3】n・TE+εにおけるεは、nの増加にか
    かわらず一定の符号が与えられることを特徴とする請求
    項2に記載のMRI装置。
  4. 【請求項4】n・TE+εにおけるεは、nの増加とと
    もに交互にプラスとマイナスの符号を与えられることを
    特徴とする請求項2に記載のMRI装置。
  5. 【請求項5】スライス方向傾斜磁場と90°−180°
    −180°−…のRFパルスを被検体へ印加し、各18
    0°RFパルス毎に静磁場不均一の影響の差が等しい一
    対のエコー信号を発生させ、これらのエコー信号群から
    静磁場不均一の分布を求める手段を備えたことを特徴と
    するMRI装置。
JP7170504A 1995-06-14 1995-06-14 Mri装置 Pending JPH08336507A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007325665A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置

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JP2007325665A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置

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