JP2716889B2 - 磁石の高速補正法 - Google Patents
磁石の高速補正法Info
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Description
メージング方法および装置に関するものであり、更に詳
しくはこのような装置と一緒に使用される磁石のシム
(shimming)方法に関するものである。
様な分極磁界B0 が空間的なデカルト座標系のz軸に沿
ってイメージング対象に印加される。磁界B0 の効果は
対象の核スピンのいくつかをz軸に沿って揃えることで
ある。このような磁界では、核は次式に従ってラーモア
(Larmor)周波数で共鳴する。
核の特性を表す磁気回転比である。水の陽子は生物組織
の中に比較的豊富にあるので、NMRイメージングでは
最も重要である。水の陽子に対する磁気回転比γの値は
約4.26kHz/ガウスである。したがって、1.5テ
スラの分極磁界B0 では、陽子の共鳴周波数すなわちラ
ーモア周波数は約63.9MHz である。
域RFパルスのとき、空間z軸磁界勾配(Gz )が印加
されることにより、z軸に垂直な平らな厚板の中の対象
を通るスライスの核だけが励起されて共鳴する。y軸に
沿って位相符号化勾配(Gy )を印加した後、x方向に
磁界勾配(Gx)が存在する状態でNMR信号を取得す
ることにより、空間情報がこれらの励起された核の共鳴
に符号化される。
は、各NMR信号の取得相互の間で位相符号化勾配パル
スGy の大きさを増大することにより、NMRデータの
ビュー組が作成され、これからスライス画像を再構成す
ることができる。NMRパルスシーケンスについては、
フィジックス・イン・メディシン・アンド・バイオロジ
ー所載のエーデルシュタイン他の論文(“Spin Warp NM
R Imaging and Applications to Human Whole Body Ima
ging”by W.A.Edelstein et al.,Physics in Medicine
and Biology,Vol,25,pp.751-756(1980) に述べられてい
る。
伝導磁石等の多数の型の磁石によって作成することがで
きる。超伝導磁石が特に望ましい。大量のエネルギーを
消費することなく強い磁界を維持することができるから
である。以下の説明のため、磁界B0 は軸が上記のz軸
と揃った円筒形の磁石内腔管の中に維持されるものと仮
定する。
る画像の正確さはこの分極磁界B0 の一様さによって大
きく左右される。殆どの標準的なNMRイメージング技
術では、磁石内腔の中にある関心のある体積にわたって
1.5テスラで±4ppm (±250Hz)より良い磁界の
均質性が必要とされる。
B0 の均質性はシム(shim)コイルによって改善するこ
とができる。このようなコイルはz軸すなわち内腔軸に
軸対称、またはz軸すなわち内腔軸を横切るようにする
ことができる。軸対称コイルは一般に、磁石内腔管と同
軸なコイル型枠のまわりに巻かれ、横方向のコイルはコ
イル型枠の表面上に所謂、鞍形に配置される。このよう
なシムコイルはそれぞれ、磁石のアイソセンタ(isocen
ter)に中心のある磁界B0 の一つの球面調和関数
(「関連したルジャンドルの多項式」)に対応する磁界
を発生するように設計することができる。組み合わせ
で、異なる次数の球面調和関数のシムコイルはさまざま
な非均質性を補正することができる。最低次のシムコイ
ルの中に、空間座標系の一つの軸に沿って線形勾配を発
生するものがある。
のシムコイル電流を調整することによりシムコイルの組
み合わせ磁界が分極磁界B0 の任意の変動と丁度釣り合
うようにして非均質性を除去することが含まれる。この
手順はしばしばシミング(shimming)と呼ばれる。
均質性を測定し、各シムコイルに必要なシム電流を推定
する方法がいくつか従来使用されてきた。このような方
法の一つでは、B0 の測定を磁力計プローブによって行
い、このプローブを各測定点に順次、位置させる。B0
の非均質性は多数のこのような測定から決定される。し
かし、読み取り相互の間で磁力計プローブを再位置ぎめ
するので、これは時間のかかる方法となる。したがっ
て、磁界の非均質性の粗い低減だけが必要であって数個
のサンプル点だけを得ればよい磁石設定の初期段階でこ
の方法は最もよく用いられる。
つの方法は米国特許第4,740,753号に述べられ
ている。この方法(「CSI法」)では、一様な材料
(水)を含むファントム(phantom )を使ってファント
ムの中の特定の位置(ボクセル…voxel )で磁界の測定
を行う。各ボクセルで周波数スペクトルを求め、水の共
鳴線の位置が決定される。共鳴線の移動がそのボクセル
での非均質性を表す。限られた数の点に対するこれらの
非均質性の測定値を数学的に拡大することにより、磁石
内腔の中の体積にわたる非均質性のマップを求める。
ブを再位置ぎめする方法に比べて、より正確で、より高
速である。それにも拘わらず、CSI法には以下に述べ
るように多数の欠点がある。第一に、スペクトルのピー
クを正確に決定するため、各ボクセルで取得されるスペ
クトルの信号対雑音比が高くなければならない。このた
め、非均質性を決定するボクセルのサイズを比較的大き
くしなければならない。ボクセルのサイズが大きいこと
は非均質性の決定の空間分解能を下げ、高次のシミング
磁界の計算に悪影響を及ぼす。
比較的長い。当業者には一般に理解されることである
が、スペクトルの周波数分解能はNMR信号がサンプリ
ングされる時間の長さに逆比例する。CSI法で充分な
分解能のスペクトルを使用するためには、ボクセルごと
に0.5秒のオーダのNMR取得時間を必要とする。こ
れと対照的に通常のNMRイメージング走査では256
個のボクセルの読出しに約8ミリ秒が必要とされる。そ
の結果、上記のCSI法の場合のデータ取得には、16
×16ボクセルの画像毎に約5分という比較的長い時間
を必要とする。
ルのピークの周波数位置を決定するのにも、かなり長い
時間を必要とする。
異なる二つの従来のNMR画像から直接、分極磁界B0
の非均質性を測定する方法に関するものである。このよ
うにして求めたデータは、シムコイルによって作成され
る磁界を近似する多項式に対して展開することができ
る。この展開の係数を使うことにより、非均質性を補正
するのに必要なシムコイルの電流の設定を決めることが
できる。
進展時間tE1およびtE2で第一および第二のNMRビュ
ー(view)組が取得される。勾配エコーまたはスピンエ
コーのパルスシーケンスを用いることができる。各NM
Rビュー組から対応する第一および第二の複素多画素画
像が再構成され、画素ごとにこれら二つの画像の一方を
他方で除算することにより複素多画素比画像が作成され
る。この複素多画素比画像の偏角によって分極磁界の非
均質性マップが得られ、これからシムコイルの補償付勢
を決定することができる。
作成する磁界を近似する一組みの多項式に、関心のある
体積にわたる非均質性マップを当てはめることが含まれ
る。展開後のこれらの多項式の係数の値は必要なシムコ
イル電流を近似する。また、対応する多項式から各シム
コイルによって作成される磁界のずれを記述する較正行
列(マトリクス)を決定し、これを多項式の係数と共に
使ってシムコイルの付勢を調整することができる。
磁石のシミングに必要な時間を前記CSI方法が必要と
する時間に比べて小さくすることである。CSI法で使
用される化学シフト画像スペクトルではなくて二つの標
準NMRビュー画像を使用することにより、分解能が非
常に大きくなるとともにデータ取得時間が大幅に短縮さ
れる。非均質性を判定するための後続の取得された画像
データの処理もCSI法のピーク発見手順より高速であ
る。
てより良い空間分解能で非均質性の測定を提供すること
である。本発明の方法はNMRビュー画像の信号対雑音
比に対する敏感さが低いので、より小さなボクセルの非
均質性を測定することができる。
ら、上記以外の目的および利点は明らかとなる筈であ
る。説明では付図を参照するが、これは本発明の一例を
示す。しかし、このような例は本発明の種々の代替形式
を網羅するものではなく、したがって本発明の範囲の決
定に当たっては請求の範囲を参照すべきである。
Rイメージングシステムのブロック図である。しかし、
本発明は適当などのような装置にも実施し得ることは明
らかである。
12を制御し、パルス制御モジュール12は勾配コイル
電力増幅器14を制御する。パルス制御モジュール12
および勾配増幅器14は共同して、勾配エコーパルスシ
ーケンスのための後述するような適切な勾配波形Gx 、
Gy 、およびGz を作成する。勾配波形は磁石34の内
腔のまわりに配置された勾配コイル16に接続されてい
るので、勾配Gx 、Gy 、およびGz がそれらのそれぞ
れの軸に沿って磁石34からの分極磁界B0に印加され
る。
ーバシステムの一部である無線周波数シンセサイザ18
の制御も行う。RFトランシーバシステムの構成要素は
破線のブロック36で囲まれている。パルス制御モジュ
ール12は無線周波数シンセサイザ18を変調するRF
変調器20の制御も行う。その結果得られたRF信号は
電力増幅器22によって増幅され、送受信スイッチ24
を介してRFコイル26に印加された後、イメージング
対象(図示しない)の核スピンを励起するために使用さ
れる。イメージング対象の励起された核からのNMR信
号はRFコイル26によってピックアップされ、送受信
スイッチ24を介して前置増幅器28に与えられ、増幅
された後、直角位相検出器30によって処理される。検
出された信号は高速A/D変換器32によってディジタ
ル化され、コンピュータ10に送られて、そこで処理さ
れて、対象のNMR画像が作成される。
0に電流を供給する。各シムコイルは磁界を発生し、こ
れは球面調和関数多項式によって記述することができ
る。一次シム磁界は勾配コイル16またはシムコイル4
0によって作成することができ、高次のシム磁界はシム
コイル40だけで作成される。
離]以下、上記の装置で作成され、本発明で使用するの
に適した勾配エコーパルスシーケンスについて説明す
る。しかし、通常レベルの当業者には以下の説明から明
らかなように本発明は他のパルスシーケンスも使うこと
ができる。
ケンスはスライス選択Gz パルス52が存在する状態で
狭帯域の無線周波(RF)パルス50の送信で始まる。
この最初のRFパルスのエネルギーおよび位相を制御す
ることにより、それの終了時に個々の核の磁気モーメン
トを核スピン系の回転座標系のx−y平面で揃えること
ができる。このようなエネルギーおよび継続時間のパル
スは90°RFパルスと呼ばれる。回転座標系と前記の
空間座標系との相違点は、回転座標系が付加的なシム磁
界なしに支配的な陽子のラーモア周波数に等しい周波数
ω0 で空間z軸を中心として回転することである。
結果として、空間z平面に沿った三次元のイメージング
対象の狭いスライスの核スピンが励起される。RFパル
スの周波数帯域幅の中のGz とB0 の組み合わせ磁界に
於ける、ラーモア周波数のスピンだけが励起される。し
たがって、スライスの位置は勾配Gz の強さとRF周波
数によって制御することができる。
54は回転座標系のx−y平面の核スピンを位相戻しす
る役目を果たす。したがって、巻き戻しパルス54はR
Fパルス50の間に生じるスライス選択勾配52のその
部分の面積のほぼ半分に等しい。
加中に、Gx 予備巻き(prewinder)パルス56が印加
される。予備巻きパルス56は歳差運動している核の位
相外しを行い始める。スライス内のより高い空間位置に
ある核はGx によって誘導される高いラーモア周波数の
ため、より低い空間位置にある核に比べて位相が早く進
む。次に、RFパルス50の中心から時間tE 後を中心
とする正のGx 読み出しパルス58により、位相外しさ
れたスピンは位相戻しされて、読み出しパルス58の中
心またはその近傍に勾配エコーまたはNMR信号60を
発生させる。勾配エコー60は画像の中の1行または1
列に対するNMR信号である。
巻き勾配56の間にy軸に沿ってスピンを位相符号化す
るために勾配パルスGy 62が印加される。当業者には
理解されるように、次に異なるGy 勾配でシーケンスが
繰り返されて、NMRビュー組が取得される。このNM
Rビュー組から従来の再構成技術に従ってイメージング
対象の断層撮影画像を再構成することができる。
の多数の歳差運動している核からの成分信号の和であ
る。理想的には、各成分信号の位相は読み出しパルス5
8の間に個々の核の位置にあるGz 、Gx 、およびGy
の勾配の強さ、したがって核の空間のz軸、x軸、およ
びy軸の位置によって決定される。しかし、実際には多
数の他の要因がNMR信号60の位相に影響を及ぼす。
簡略にするため、イメージング対象はy方向に変動しな
いものと仮定する。このとき、NMR信号60は次式で
あらわすことができる。
れたボクセルに於ける核の数である。γはイメージング
対象の物質の核の磁気回転比である。B0 は分極磁界の
強さである。Gx はx軸勾配の傾斜であり、tE は上記
の位相進展時間である。
を表す。勾配予備巻きパルス56により、図2に示すよ
うにこの影響は勾配パルス58の初めからではなくて勾
配パルス58の中心t0 から参照される。
す。B0は継続的に存在している。したがって、勾配エ
コーパルスシーケンスでは、B0 がS(t)に及ぼす影
響はRFパルス50の生起時点から測定される。勾配エ
コーパルスシーケンスでRFパルス50から経過した時
間は図2に示すようにtE +tである。
通常、空間的に可変であり、式(2)の第二の複素項か
ら求めることができる。詳しく述べると、第二の複素項
が次式のようになる。
関数である。この非均質性関数は別の複素項すなわち第
三の複素項の式に因数分解することができる。ここで、
Ω(x)=γΔBであり、Ωは実際の非均質性と呼ばれ
る。B0 のこのような非均質性の位相誤差は位相進展時
間が大きくなるとともに増大する。したがって、式
(2)の第二の複素項について前に説明したのと同じ理
由で、この項はtE +tの関数である。
NMR信号チェーンの信号処理によって生じる位相の遅
れまたは進みを集めたものである。例えば、図1に示す
RFコイル構造26はRF電力増幅器22および前置増
幅器28と同様にある位相歪みを導入し得る。これらの
位相項もxとともに変わり、項e iφで表される。
なわち磁界B0 によって分極された水の基本周波数を除
去するために周波数シフトされることから、この式
(2)は簡略化することができる。この周波数シフト変
換はS(t)に
成される。
変換を簡略化するため次の置換を行う。
素多画素画像P(x)′を求めることにより上記のよう
な再構成が行われる。
される項だけそれらの真の位置からずれるが、このずれ
が1画素のオーダである場合には無視することができ
る。磁界B0 の非均質性ΔBが勾配強度Gx に対して小
さい場合は、1画素より小さいずれが生じる。特に、Ω
(x)/γGx<1画素の場合、または前のΩ(x)の
ΔBによる定義により、ΔB(x)/Gx<1画素の場
合である。B0 の磁界が画素当たりの勾配磁界の増分の
約500,000倍で1.5テスラの磁石の場合、磁石
の初期均質性が2ppm であれば、画素のずれは1画素の
オーダとなる。このとき項ωF /γGxは約1.7であ
り、一般にファントムの場合にそうであるように画素か
ら画素へと変わる際に信号が殆ど変化しないイメージン
グ対象の領域では無視することができる。後で更に詳し
く説明するように、展開過程は時々生じるこれらの仮定
からのずれによって生じる誤差を更に小さくする傾向が
ある。
と、式(6)は次のようになる。
い、二つの信号P1 (x)およびP2 (x)を作成する
ことにより、非均質性データΩを抽出することができ
る。tE1とtE2との差はτと表され、その選択は次のよ
うな制約のもとで任意である。すなわち、τの値が大き
いと、非均質性の測定の分解能が増大するが非均質性デ
ータΩが大きな磁界非均質性でラップアラウンド(wrap
around )すなわち循環する。逆に、τの値が小さい
と、非均質性の測定の分解能が低下するが循環なしに大
きな磁界非均質性の測定を行うことが可能になる。以下
に更に詳しく説明するように、循環は非均質性データΩ
を計算するために使用される三角関数の周期性によって
生じる。
実験に対して次式が得られる。
とにより第三の画像P3 を作成することができる。
の角度)が非均質性データΩ(x)に比例する画像であ
る。任意の点xでの非均質性Ω(x)はxに対応する画
素に於けるP3 (x)の偏角Δφ(x)をτで割ること
によって計算することができる。
φ(x)をτで割ることによって、画像P3 の表面にわ
たる非均質性Ω(x)のマップが得られる。複素配列P
3 はそれぞれP3 の正弦項および余弦項の大きさを示す
二つの直角配列によってNMRシステムの中でディジタ
ル的に表される。これらの直角配列の比に逆正接関数を
適用することによりP3 の偏角すなわち位相角を抽出す
ることができる。逆正接関数の範囲は−πからπである
ので、Δφ(x)の偏角はこの範囲内の値に限定され
る。測定された非均質性Ω′は偏角Δφをτで割ったも
のに等しいので、測定された非均質性の値Ωは−π/τ
から+π/τの範囲に限定される。実際の非均質性Ωの
値がこの範囲の外側にあると、Ω′は循環する。
y)に対する非均質性の測定値Ω′(x,y)のマップ
例が示されており、垂直次元にはΩ′(x,y)がプロ
ットされている。実際の非均質性Ω(x,y)は表面P
3 にわたって単調に増加するが、前に説明したように非
均質性の測定値Ω′(x,y)は正接に課された限界値
−π/τと+π/τとの間に制限される。したがって、
逆正接関数がπおよび−πで不連続となる点で不連続8
1が生じる。実際の非均質性Ω(x,y)は不連続の循
環をなくすことにより決定することができる。これは複
雑な位相幾何学の問題であり、P3 (x,y)の偏角配
列の表面上を動くとき不連続を検数して、各不連続81
を通過するたび毎に非均質性測定値Ω′に2πを加算ま
たは減算することが必要となる。
ようにイメージング対象が陽子核種のみを有する場合、
τを充分に小さく選定して循環を無くせば、この難しい
検数手順を避けることができる。詳しく述べると、τ≦
1/Δvであり、ここでΔvは磁石の非均質性によって
生じる、被測定体積にわたる回転陽子の周波数拡がりで
ある。一旦、初期非均質性がτのこの小さな値で補正さ
れれば、この過程をより大きなτで反復することによ
り、後の繰り返しに対する非均質性の測定の分解能を改
善することができる。
均質性のマップの空間の偏導関数を求めることにより循
環の検出および補正を行うことができる。
質性のマップΩ′(x,y)の値82が図3(b)に示
されている。xの値の増加に伴ってΩ′が増大して曲線
82が上昇し、やがてΩ′が+π/τに達する。この点
でΩ′は−π/τにジャンプする。これは前述のπおよ
び−πに於ける不連続の結果である。
が図3(c)に示されている。偏導関数は図3(b)の
不連続点81で「スパイク」81′を生じる。これらの
不連続点の検出は曲線84を閾値85と比較し、図3
(d)に示すように重み関数T(x)を作成することに
より容易に行うことができる。重み関数T(x)の値は
曲線84の大きさが閾値85より大きいときは0とな
り、そうでないときは1となる。閾値は他の値を使って
もよいが、π/8τに設定することが好ましい。次に、
T(x)を使って、後で述べるように導関数非均質性デ
ータを球面調和関数多項式の空間導関数に当てはめる。
(x,y)を作り、画像値P3 が第二の閾値より小さい
ときに振幅重み関数W(x,y)が0に等しくなり、そ
うでないとき1に等しくなるようにする。第二の閾値は
考えている画像の領域内の最大の信号の大きさの15%
に設定される。画像の信号対雑音比によっては他の値を
選択することもできる。振幅重み関数を使うことによ
り、P3 の大きさで示されるような信号強度が殆ど無い
領域での非均質性マップの展開の間の重要性を減らす。
したがって、振幅重み関数は振幅の無い領域から生じ
る、コヒーレントでない不適切な位相循環を除去する役
目を果たす。通常程度の当業者には明らかなように、重
み関数W(x)は多数の他の方法で実現することができ
る。例えば、W(x)は画像の大きさの連続関数または
画像のべき数(P)2 であっても良い。
に、そして当業者には理解されるように、重み関数Tお
よびWを使用する重みづけ最小自乗法により非均質性デ
ータに、対応するルジャンドル多項式を当てはめること
ができる。循環が生じないようにτを選択すると、非均
質性データが適当な対応するルジャンドル多項式に直接
当てはめられる。循環が生じるようにτを選択すると、
上記のように循環が除去され、結果として得られる微分
された非均質性データが適当な微分された対応するルジ
ャンドル多項式に当てはめられる。
当てはめは非均質性の中心が磁石のアイソセンタにある
という暗黙の仮定にもとずいている。しかし、このこと
は常に成立する訳ではない。非均質性が中心からずれて
いる場合、磁界補正に適当なルジャンドル多項式の全数
を使用しなければ、上記のように定められた係数には誤
差が含まれる。オフセットがわかっていれば、非均質性
が中心からずれている量だけ対応するルジャンドル多項
式を空間的にシフトすることによって、当てはめのこの
歪みを補正することができる。詳しく述べると、x,
y,zの代わりに変数x−x0 ,y−y0 ,z−z0 を
用いることにより、各多項式のテーラー展開が行われ
る。但し、x0 、y0 、およびz0 は非均質性の中心が
アイソセンタからずれている距離である。この手順によ
って多項式は事実上シフトされ、多項式は当てはめプロ
セスを遂行する前の非均質性に対して中心合わせされ
る。
中心になる傾向があることが確かめられた。これはイメ
ージング対象の存在が磁界線に及ぼす影響によって生じ
る。したがって、まずイメージング対象の質量中心が画
像S0 (x,y)の振幅から決定される。詳しく述べる
と、x軸については次式が成り立つ。
た非均質性データを使ってシムコイルの適正な設定を決
定することができる。非均質性データからシムコイルの
設定を決定する技術については、米国特許第4,74
0,753号明細書に詳細に述べられており、ここに引
用する。そのプロセスを要約すると次のようになる。
タまたは導関数データによって、図2のイメージングシ
ーケンスの勾配によって決定される平面内の1組みの非
均質性測定値が得られる。z軸を中心として45°、9
0°、および135°だけ回転させた平面に対して付加
的なデータを求めることにより、z軸を中心として半径
方向に対称な円筒の体積内の非均質性の測定値が得られ
る。当業者には知られているように振幅に種々の要因を
加えて勾配を同時に励起することによりイメージング平
面の回転が行われる。
和関数またはその空間導関数として関心のある体積全体
にわたって展開することができる。様々の多項式を使う
ことができるが、多項式をシムコイル40の作成する磁
界に関連づけることが好ましい。図1のイメージングシ
ステムでは、シムコイル40は対応する正規直交ルジャ
ンドル多項式で記述される磁界を作成するように設計さ
れる。したがって、シムコイルに印加すべき電流を計算
するために、対応するルジャンドル多項式(「球面調和
関数多項式」)またはその空間導関数(上記の循環を無
くする手順を使用した場合)を使用する。最小自乗最小
化または他の周知の曲線当てはめプロセスに従って多項
式の係数を調整することにより非均質性測定値を多項式
またはその空間導関数に当てはめることが上記のプロセ
スに含まれている。
を使って、以下に説明するように較正行列によって非均
質性を補正するようにシムコイルの電流を設定すること
ができる。
するように、すなわち各々が球面調和関数多項式の異な
る成分を補正するように設計する。この場合、シムコイ
ル40の電流は対応する多項式の係数に比例する。しか
し、シムコイル40が作成する磁界相互の間にいくらか
相互作用がある、すなわち与えられたシムコイル40が
それ自身のものとは異なる調和関数で磁界成分を生じる
程度に、較正行列を決定しなければならない。較正行列
は各シムコイルが磁界の均質性に及ぼす影響を個別に測
定することによって作成される。次に、シムコイルの電
流を較正行列および多項式の係数によって決定すること
ができる。数回の繰り返しに対してプロセス全体を反復
することによって残りの誤差を補正することができる。
してきたが、上記の開示から当業者は投写再構成イメー
ジング技術への応用のような他の変形および変更を考え
つき得る。例えば、この技術は二つの化学種を含むファ
ントムと一緒に使うことができ、あるいは1989年1
1月27日出願の米国特許出願第441,850号に開
示された技術を使用する生体内シミングに対して使用す
ることができる。また、この説明および上記出願に開示
された技術から理解されるように、勾配エコーパルスシ
ーケンスとは異なるパルスシーケンスを使うこともでき
る。したがって、本発明はここに説明した実施例に限定
されるものではなく、請求の範囲により規定されるもの
である。
ロック図である。
線図である。
測定値Ω′の三次元グラフであり、3bは3aの三次元
グラフを一定のyの線に沿って切り取った所の非均質性
測定値Ω′をxに対してプロットしたグラフであり、3
cは閾値プロセスによる不連続点の判定を示す、3bの
関数の偏導係数のグラフであり、3dはシム磁界の曲線
当てはめの際に3cの偏導関数の不連続を減らすために
使用される重み関数T(x)のグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 主分極磁界を作成するための手段および
付勢されたとき補助的な磁界を作成して分極磁界の非均
質性を補償するための複数のシムコイルをそなえた磁石
システムにより作成される磁界の空間変動を生体以外で
補正する方法に於いて、 支配的な1つのラーモア周波数を持つイメージング対象
の第一のNMRビュー組を第一の進展時間tE1で取得す
るステップ、 第一の進展時間と異なる第二の進展時間tE2でイメージ
ング対象の第二のNMRビュー組を取得するステップ、 各NMRビュー組から第一および第二の複素多画素画像
を再構成するステップ、 第一の複素多画素画像の各画素の値を画素ごとに第二の
複素多画素画像の画素の対応する値で割ることにより、
複素多画素比画像を作成するステップ、 複素多画素比画像の各画素の偏角を計算することにより
非均質性マップを作成するステップ、およびシムコイル
の作成する磁界を近似する多項式のテーラー展開であっ
て、イメージング対象の質量中心と磁石のアイソセンタ
との間の距離に等しいオフセットを含んでいるテーラー
展開を使うことにより、関心のある体積にわたって非均
質性マップを当てはめ、そして該多項式の係数に比例し
てシムコイルの電流を調整することによって、非均質性
マップが示す非均質性を小さくするようにシムコイルの
付勢を調整するステップ、 を含むことを特徴とする磁界の空間変動の補正方法。 - 【請求項2】 多項式が対応するルジャンドル多項式で
ある請求項1記載の磁界の空間変動の補正方法。 - 【請求項3】 多項式から、各シムコイルが作成する磁
界の偏差を記述する較正行列を決定するステップ、およ
び対応する多項式の係数および較正行列に比例してシム
コイルの電流を調整するステップを含む請求項1記載の
磁界の空間変動の補正方法。 - 【請求項4】 NMRビュー組が勾配エコーパルスシー
ケンスによって取得される請求項1記載の磁界の空間変
動の補正方法。 - 【請求項5】 シム軸に沿って非均質性マップの偏導関
係を求めることにより、微分された非均質性のマップを
作成し、値が所定の範囲の外側にある上記微分された非
均質性のマップの点に零の重みを割り当てる不連続重み
関数を作成することにより、非均質性マップの重なり合
いを除去するステップを含み、 微分された非均質性のマップに重み付けされた曲線の当
てはめを行なって補正シム磁界を決定することによりシ
ムコイルの付勢が調整される請求項1記載の磁界の空間
変動の補正方法。 - 【請求項6】 主分極磁界を作成するための手段および
付勢されたとき補助的な磁界を作成して分極磁界の非均
質性を補償するための複数のシムコイルをそなえた磁石
システムを含んでいるNMR装置に於いて、 支配的な1つのラーモア周波数を持つ生体外のイメージ
ング対象の第一のNMRビュー組を第一の進展時間tE1
で取得する手段、 第一の進展時間と異なる第二の進展時間tE2でイメージ
ング対象の第二のNMRビュー組を取得する手段、 各NMRビュー組から第一および第二の複素多画素画像
を再構成する手段、第一の複素多画素画像の各画素の値
を画素ごとに第二の複素多画素画像の画素の対応する値
で割ることにより、複素多画素比画像を作成する手段、 複素多画素比画像の各画素の偏角を計算することにより
非均質性マップを作成する手段、およびシムコイルの作
成する磁界を近似する多項式のテーラー展開であって、
イメージング対象の質量中心と磁石のアイソセンタとの
間の距離に等しいオフセットを含んでいるテーラー展開
を使うことにより、関心のある体積にわたって非均質性
マップを当てはめ、そして該多項式の係数に比例してシ
ムコイルの電流を調整することによって、非均質性マッ
プが示す非均質性を小さくするようにシムコイルの付勢
を調整する手段を含むことを特徴とするNMR装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US07/546,286 US5168232A (en) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | Method for rapid magnet shimming |
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Publications (2)
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---|---|
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-
1991
- 1991-05-09 CA CA002042148A patent/CA2042148A1/en not_active Abandoned
- 1991-06-16 IL IL98511A patent/IL98511A0/xx not_active IP Right Cessation
- 1991-06-27 EP EP19910305851 patent/EP0465139A3/en not_active Withdrawn
- 1991-06-28 JP JP3183991A patent/JP2716889B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
「画像診断別冊▲○6▼ 臨床MRI入門」編者 大澤忠外2名、(1989.3.20)株式会社秀潤社発行 P19−20 |
Journal of Magnetic Resonance,vol.77[1](1988)P.40−52 |
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Publication number | Publication date |
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