JP5004588B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング(以下、MRIと称す)装置に関し、特に二項パルス法による二項パルス列を使った脂肪抑制画像パルスシーケンスを有するMRI装置の改良に関する。
MRI装置は、静磁場中に置かれた被検体に高周波磁場を印加することにより、被検体内組織のプロトンを励起しそこからのNMR(核磁気共鳴)信号を検出し、これに信号処理を施して画像化する装置である。被検体内組織のプロトンには、水、蛋白質、脂肪等のプロトンが含まれ、これらの中でも脂肪のプロトンに因るNMR信号は、他のプロトンに因るそれよりも相対的に高信号となることが多いという特徴を持つ。しかしながら、臨床現場においては多くの場合、画像に現れる脂肪成分は妨げとなるため、脂肪成分を抑制した画像を取得することが望まれる。
脂肪成分を抑制した画像を取得する手法としては、CHESS(Chemical Shift Selective)法、STIR(Short TI Inversion Recovery)法、Dixon法、二項パルス法が知られている。CHESS法は、ケミカルシフトによる水・脂肪の磁化の共鳴周波数の違いを利用し、周波数選択性の照射高周波磁場プリパルスを用いて予め脂肪信号だけを飽和させることで脂肪信号を抑制する。STIR法は、水・脂肪の磁化の縦緩和時間差を利用し、静磁場方向に対して縦磁化を180°反転させるプリパルスを照射して縦磁化を反転した後、縦緩和によって脂肪信号の縦磁化がnull pointに達する時点で撮像を開始することで脂肪信号を飽和させ、抑制する。Dixon法は、水・脂肪の磁化のラーモア周波数差を利用して、水・脂肪の磁化の位相が同位相になる時点と逆位相になる時点で合計2エコーを検出し、それぞれを加算・減算処理することで、水・脂肪を分離した画像を取得する。二項パルス法は、Dixon法と同様に水・脂肪の磁化のラーモア周波数を利用して水信号のみを選択的に励起する二項パルス列を照射し、脂肪成分を抑制した画像を取得する方法であり、例えば、特開平11−276453号公報に記載されている。
二項パルス法で用いられる二項パルスのパルス列とは、少なくとも二つの高周波磁場パルスを含み、各高周波磁場パルスの時間・振幅積比が二項分布となるように設定され、しかも高周波磁場パルスの間隔が水・脂肪の磁化の歳差運動による位相差が180°の奇数倍となるように設定されたパルス列である。このような二項パルスを撮像シーケンスの前に照射することにより、水信号のみを選択的に励起することができる。一般的に二項パルス法におけるパルス列は、パルスの時間、振幅積の比を取って、2波の場合は1−1(時間・振幅積の比が1対1)、3波の場合は1−2−1(時間・振幅積の比が1対2対1)、4波の場合には1−3−3−1(時間・振幅積の比が1対3対3対1)のように記述される。
この二項パルス法は、前述のCHESS法やSTIR法のような予め脂肪の磁化のみを飽和または反転させるプリパルスを用いる手法ではないため、大幅な撮像時間の延長はない。また、Dixon法のように加算・減算処理も必要としないため、簡便な脂肪抑制法である。
上述のように、臨床において画像中の高信号の脂肪成分は往々にして診断の妨げになるため、脂肪成分を抑制した画像が必要とされている。しかしながら、臨床現場では単に脂肪成分を抑制するだけでなく、どの組織が脂肪組織かの判別が必要となることも多い。このような場合には、脂肪抑制画像だけでは脂肪組織がどこにあるか判別することが難しいため、脂肪抑制画像と共に非抑制画像を撮像し、ユーザが2画像を見比べることで脂肪組織を判別し、脂肪抑制画像の正確な読影を行っていた。脂肪抑制画像と非脂肪抑制画像の両方を取得するためには、脂肪抑制法の有りおよび無しの2回の撮像シーケンスを行う必要があり、撮像時間が2倍になるという問題があった。
また、二項パルス列を用いて水の磁化を励起し、脂肪の磁化を抑制するためには、最初の高周波磁場パルスによって励起された水の磁化の回転位相を計算により求め、その磁化の位相に対して、次に照射する高周波磁場パルスの位相を直交させるように照射位相を制御する必要がある。例えば、2波の二項パルス列(1−1パルス)によって水を励起する際には、第1波の45°パルスによって傾斜した水・脂肪の磁化が、夫々のラーモア周波数で歳差運動し、所定の時間が経過すると両者の位相差が180°となる。その時点で、さらに水だけを所定の90°まで傾斜するよう、この時点での水の位相に対し、直交するように高周波磁場パルスの照射位相を制御して励起する。そうすることで、180°位相が反転した脂肪に対しては−45°パルスとして働くため抑制されることになる。
第2波の高周波磁場パルスは、従来、次式(1)を用いて計算により第1波と第2波の間の磁化の回転位相θを求めることで、水の磁化の位相を予測し、照射位相を直交させるように制御を行う。
θ=γ×Bo×τ………………(1)
ただし、τ=1/(2×δ)…(2)
なお、γは、磁気回転比、Boは、静磁場強度、τは、第1波から第2波の照射までの時間、δは、水と脂肪のケミカルシフト差(ラーモア周波数(Hz)の差)である。
しかしながら、実際には、式(1)から求めた回転位相量と実際の位相回転量は必ずしも一致しない場合がある。このような場合、水の位相と高周波磁場パルスの照射位相を完全に直交させることができないため、水の励起および脂肪の抑制が不十分になるという問題が生じる。
その要因としては、静磁場の時間的な変動が考えられる。特に永久磁石装置においては、温度変化に応じて時間的に静磁場が変動する上、傾斜磁場パルスの印加に伴った渦電流や残留磁化成分によって、磁場が変動することが考えられるため、式(1)から算出される位相回転量からずれが生じることになる。
このように、計算により求められる位相回転量に対して、種々の要因により位相ずれが生じるため、第2波以降の二項パルスの照射位相を完全に水の位相に対して直交させるように照射するのは困難であった。
本発明の目的は、撮像時間を実質的に引き延ばすことなく、正確な読影を可能とする二項パルス法による二項パルス列を使った脂肪抑制画像取得の撮像パルスシーケンスを有するMRI装置を提供することである。
上記目的を達成する本発明の一つの観点は、二項パルス法による二項パルス列を使った脂肪抑制画像取得の撮像パルスシーケンスの1回の実行で、脂肪抑制画像と同時に脂肪組織の判別を容易にしかつ取得した脂肪抑制画像の読影を容易にする非脂肪抑制画像を取得するものである。
さらに具体的に説明すると、上記観点の発明では、撮像パルスシーケンスの単位の繰り返し時間(TR)内に、被検体内組織の水成分及び脂肪成分の励起角度を異ならせるための高周波磁場二項パルス列を印加する。このとき、二項パルス列を構成する高周波磁場二項パルス間のうち少なくとも1回、ならびに、二項パルス列の照射後に、それぞれ傾斜磁場を印加してNMR信号を取得する。このように得られる2種以上のNMR信号の中では、水成分の磁化と脂肪成分の磁化の寄与率の異なっているため、これを再構成することにより、水成分の磁化の寄与率の異なる2種類の画像が同時に生成される。
二項パルス列を構成する高周波磁場二項パルスのパルス間隔は、水プロトンの磁化と脂肪プロトンの磁化の歳差運動による位相差が180°となる時間の任意の奇数倍に設定される。
また、二項パルス列を構成する高周波磁場二項パルス間でNMR信号を取得するための傾斜磁場を印加した後、当該傾斜磁場により水および脂肪の磁化に生じた影響を打ち消すための傾斜磁場が、同一の高周波磁場二項パルス間でさらに印加される。
上記目的を達成する本発明のもう一つの観点は、二項パルス法による二項パルス列を使った脂肪抑制画像取得の撮像パルスシーケンスによる本計測に先立って、引き続く2つの二項パルス間で水の磁化に生じる位相回転量を実際に計測するリファレンス計測を加え、このリファレンス計測で計測された水磁化の実位相回転量に基づいて、本計測における第2波以降の二項パルスの照射位相を補正し、水の磁化のフリップ角が正確に90°、脂肪の磁化のフリップ角が正確に0°となるように照射するものである。
さらに具体的に説明すると、上記観点の発明では、被検体が配置される撮像空間に静磁場を印加する静磁場発生部と、撮像空間に所定の方向の傾斜磁場を印加する傾斜磁場発生部と、被検体に高周波磁場パルスを印加する高周波磁場照射部と、被検体からの磁気共鳴信号を受信する受信部と、傾斜磁場発生部と高周波磁場照射部とを制御して、所定のタイミングで傾斜磁場および高周波磁場パルスを印加する所定のパルスシーケンスを実行する制御部とを有する磁気共鳴イメージング装置において、この所定の撮像パルスシーケンスは、被検体関心領域の画像再構成のための磁気共鳴信号を取得する本計測と、本計測の前に行うリファレンス計測とを含む構成とする。このとき本計測は単位の繰り返し時間(TR)内に高周波磁場二項パルス列を用いて、被検体内の水および脂肪の成分の内の水の成分の磁化を選択励起して、その磁気共鳴信号を計測するシーケンスであり、リファレンス計測は、高周波磁場二項パルス列のパルス間に生じる水の磁化の位相回転量を計測するシーケンスとする。制御部は、リファレンス計測で計測した水の磁化の位相回転量に応じて、本計測の高周波磁場二項パルス列で第2波以降に照射する高周波磁場二項パルスの少なくとも一つの照射位相を制御する。これにより種々の要因により複雑な位相ずれ△θが発生した場合であっても、第二波以降の高周波磁場二項パルスの照射位相を実測の水の磁化の位相に合わせて照射することが可能となる。
上記リファレンス計測のパルスシーケンスは、本計測のパルスシーケンスを変形したものであって、まず本計測と同じ高周波磁場二項パルス列のうちの1つの高周波磁場二項パルスのみを印加し所定のタイミングで第1のエコー信号を取得した後、次に高周波磁場二項パルス列のうち別の1つの高周波磁場二項パルスのみを印加して所定のタイミングで第2のエコー信号を取得するシーケンスとする。制御部は、第1および第2のエコー信号の位相回転量をそれぞれ検出し、位相回転量差を求めることにより、引き続く2つの高周波磁場二項パルス間での水磁化の位相回転量を求める。
上記制御部は、求めた位相回転量を用いて第2波以降の高周波磁場二項パルスの照射位相を設定する。上記高周波磁場二項パルス列としては、水と脂肪の磁化の歳差運動による位相差が180°の奇数倍になる時間間隔を空けた、少なくとも2つの高周波磁場二項パルスを含むパルス列を用いる。
本発明を実施するMRI装置の全体構成を示すブロック図である。 図1のMRI装置で実行される本発明の一実施例による二項パルス法による1―1二項パルス列を使った非脂肪抑制画像および脂肪抑制画像取得のための撮像パルスシーケンスを示す図である。 図2に示した撮像パルスシーケンスを実行した時の、水および脂肪プロトンの磁化の斜きとエコー信号検出のタイミングを説明する図である。 図1のMRI装置で実行される本発明のもう一つの実施例による二項パルス法による1−2−1の二項パルス列を使った2つの非脂肪抑制画像および1つの脂肪抑制画像取得のための撮像パルスシーケンスを実行した時の水および脂肪プロトンの磁化の斜きとエコー信号検出のタイミングを説明する図である。 図1のMRI装置で実行される本発明のさらにもう一つの実施例による二項パルス法による1−1の二項パルス列を使った脂肪抑制画像取得のための撮像パルスシーケンスを示す図で、図5Aは、図5Bの本計測のパルスシーケンスの実行に先立って実行されるリファレンス計測のパルスシーケンス、図5Bはその後に実行される本計測のパルスシーケンスである。 図1のMRI装置が図5A,5Bの撮像パルスシーケンスを実行して静磁場強度の空間的および時間的不均一の影響を排除した脂肪抑制画像を再構成するまでのプロセスを説明するフローチャートである。
以下、本発明の第一の観点に基づく実施形態について図1〜4を用いて説明する。
本実施の形態のMRI装置では、二項パルス列を用い、二項パルス列を構成する高周波磁場(RF)パルス間で脂肪の磁化が横磁化を持つことを利用し、まずこのパルス間でNMR(核磁気共鳴)信号を検出することにより非脂肪抑制画像を取得するとともに、二項パルス列照射後に脂肪抑制画像を取得する。
本実施の形態のMRI装置の全体構成を図1を用いて説明する。このMRI装置は、磁気共鳴現象を利用して被検体の断層像を得るもので、静磁場発生装置1と、傾斜磁場発生系2と、送信系3と、受信系4と、信号処理系5と、シーケンサ6と、中央処理装置(CPU)7と、操作部8と、被検体9を搭載するベッド27とを備えている。
静磁場発生装置1は、ベッド27に搭載された被検体9の周りに、その体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させる装置である。静磁場発生装置1としては、磁場発生源として永久磁石、常電導磁石または超電導磁石を備えるものを用いることができる。傾斜磁場発生系2は、直交する三軸方向の傾斜磁場Gs,Gp、Grを被検体9に印加する。この傾斜磁場の加え方により、被検体9に対するスライス面の設定、ならびに、NMR信号への位置情報の付加等を行う。
送信系3は、シーケンサ6から送出される信号を受け取って、被検体9の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起させるためのRFパルス(ここではRF二項パルス)を生成し、被検体9に対して照射するものであり、高周波発振器12と変調器13と高周波増幅器14と高周波照射コイル15とを備えている。高周波発振器12が出力した高周波信号は、シーケンサ6からの信号に応じて変調器13で変調され、さらに高周波増幅器14で増幅された後に被検体9に近接して配置された高周波照射コイル15に供給される。これにより、高周波照射コイル15からRFパルスを被検体9に照射する。
受信系4は、被検体9の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するものであり、高周波受信コイル16と増幅器17と直交位相検波器18とA/D変換器19とを備えている。この構成により、被検体9の核磁気共鳴により生じたエコー信号は、被検体9に近接して配置された高周波受信コイル16によって受信され、増幅器17および直交位相検波器18によって所望のNMR信号が検出され、A/D変換器19でディジタル量に変換され、さらにシーケンサ6からの命令によるタイミングで直交位相検波器18によりサンプリングされたニ系列の収集データとされる。この信号が信号処理系5に送られる。
信号処理系5は、受信系4で検出したエコー信号を用いて画像再構成演算を行い、再構成した画像を表示する。信号処理系5は、CPU7と、ROM20と、RAM21と、光磁気ディスク22や磁気ディスク24等のデータ格納部と、ディスプレイ23とを有する。ROM20には、CPU7が実行する各種のプログラムとその実行において用いる不変のパラメータ等が予め格納されている。CPU7は、ROM20に格納されているプログラムを読み込んでそれを実行することにより、受信系4で得たエコー信号についてフーリエ変換、補正係数計算、画像再構成演算等の処理を行い、得られた断層像等をディスプレイ23に表示させる。また、プログラムに従って経時的な画像解析処理等も行う。RAM21は、計測に使う計測パラメータや受信系4で検出したエコー信号、および関心領域設定に用いる画像を一時保管する。光磁気ディスク22や磁気ディスク24には、CPU7が再構成した断層像等を記録する。
さらに、CPU7は、ROM20に格納されている撮像用プログラムを実行することにより、シーケンサ6を制御し、所定のパルスシーケンスで撮像(計測)を実行させる。シーケンサ6は、パルスシーケンスに従って、送信系3の変調器13、傾斜磁場電源11および受信系4のA/D変換器19にそれぞれ制御信号を出力することにより、RFパルスおよび傾斜磁場パルスを被検体9の所定の領域に所定のタイミングで印加し、被検体9の関心領域の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴によるエコー信号を生じさせ、所定のタイミングでこれを検出する。
操作部8は、信号処理系5で行う処理の制御情報ならびに計測条件等をユーザが入力するもので、マウス25およびキーボード26を含む。
次に、本実施の形態のパルスシーケンスについて図2に示す。このパルスシーケンスでは、二項パルス列を構成するRF二項パルス間、ならびに、二項パルス列の照射後にエコー信号取得用傾斜磁場パルス列を印加することにより、脂肪の磁化の寄与率の異なる複数種のNMR信号(ここでは2種の)を検出する。
本実施の形態のパルスシーケンスでは、図2に示したように、2波(RFパルス101,114)の二項パルス列を用いている。RFパルス101、104は、いずれも核磁化を45°傾斜させるように時間と振幅の積が設定されている。また、RFパルス101とRFパルス114の時間間隔τは、脂肪プロトンと水プロトンの磁化の歳差運動による位相差が180°となるような間隔に設定されている。この二項パルス列を用いたパルスシーケンスの原理を図3を用いて簡単に説明する。第1のRFパルス101の照射により、水プロトンと脂肪プロトンの磁化は、図3に示したように同じ傾斜角(45°)に傾く。この状態の横磁化を利用してエコー信号取得用傾斜磁場パルス列を印加することにより第1エコー107を検出する。第2のRFパルス114の照射後には、脂肪プロトンの磁化は横磁化がなくなるのに対し、水プロトンの磁化は所定の角度まで、即ちフリップ角90°まで、倒されるので、この状態で第2エコー120を検出する。第1エコー107からは水からの信号と脂肪からの信号とが同程度に寄与した画像を、第2エコー120からは脂肪抑制画像をそれぞれ得ることができる。このように、1つのパルスシーケンスで、一度に脂肪信号の寄与率の異なる2つの画像を同時に得ることができる。
以下、本実施の形態の図2のパルスシーケンスを詳しく説明する。まず、第1のRFパルス101を高周波照射コイル15から照射する。このとき、スライス方向の傾斜磁場パルス(Gs)102を同時に印加し、スライスを選択する。これにより、選択したスライスの水プロトンと脂肪プロトンの磁化が、図3に示したように45°傾けられる。この状態では、水と脂肪の磁化が同じ角度に傾斜しているため、水と脂肪の横磁化成分が同じ割合で生じている。そこで、図2に示したように傾斜磁場パルス列を印加し、両成分の横磁化からのエコー信号107を得る。ここでは、エコー信号取得用傾斜磁場パルス列として、グラディエントエコー(GE)シーケンスを用いている。
即ち、エコー信号取得用傾斜磁場パルス列は、スライス選択傾斜磁場パルス102によって分散した磁化を収束するためのスライス方向のリフェーズ用傾斜磁場(Gs)103、位相エンコード方向のオフセット傾斜磁場パルス(Gp)104、読み出し方向のオフセット傾斜時場パルス(Gr)105を印加した後、読み出し傾斜磁場パルス106を印加する。読み出し傾斜磁場パルス106の印加中に発生する第1エコー信号107を受信系4で受信し、A/D変換器19により時間範囲108の間サンプリングする。なお、図2では、リフェーズ用傾斜磁場パルス103、オフセット傾斜磁場パルス104、オフセット傾斜磁場パルス105をタイミングをずらして印加しているが、同時に印加してもよい。
エコー信号107の受信後、読み出し傾斜磁場パルス106で分散した磁化を収束するための読み出し方向リフェーズ傾斜磁場パルス110、位相エンコード傾斜磁場パルス104に対するリワインド傾斜磁場パルス109、次のスライス選択傾斜磁場パルス115のためのスライス方向のディフェーズ傾斜磁場パルス111を印加する。これらの傾斜磁場パルスは、RFパルス101、114間に加えられるすべての傾斜磁場パルスの時間と強度との積の和が三方向についてそれぞれ0になるようにパルスの時間と強度が設定されている。これにより、第2のRFパルス114を印加する前に、磁化がリフェーズされた状態を作ることができる。なお、傾斜磁場パルス109、110、111は同時に印加してもよい。
第1のRFパルス101を印加してから、時間τが経過するタイミングで第2のRFパルス114を印加する。時間τは、従来の二項パルス法と同様に、水プロトンの磁化と脂肪プロトンの磁化が歳差運動周波数の差により、位相差が180°となる時間τに設定されている。すなわち、水プロトンと脂肪プロトンの磁化の歳差運動周波数の差(ケミカルシフト)をδ(Hz)とすると、τは以下のように設定されている。
τ=n/(2.δ) (n=任意の奇数)
nは、パルスシーケンス全体の時間を短縮するためにできるだけ小さい奇数(n=1)となるように設定する。ただし、時間τは、静磁場発生装置1が形成する静磁場の強度が大きくなるとそれに伴い短くなるため、時間τの間にエコー信号取得用傾斜磁場パルス列(傾斜磁場パルス103〜106,109〜111)を実行する時間が確保できるように、静磁場強度に応じてn=3、5・・のように任意の奇数に設定する。
第2のRFパルス114の印加と同時に、スライス選択傾斜磁場パルス115を印加する。これにより、図3に示したように水プロトンの磁化は90°のフリップ角まで倒され、脂肪プロトンの磁化はフリップ角0°となる。よって、脂肪プロトンの横磁化はなくなる。この状態で、エコー信号取得用傾斜磁場パルス列を印加し水プロトンの磁化のみのエコー信号120を検出する。具体的には、スライス選択傾斜磁場パルス115によって分散した磁化を収束するためのスライス方向のリフェーズ傾斜磁場パルス116、位相エンコード方向オフセット傾斜磁場パルス117、読み出し方向のオフセット傾斜磁場パルス118を印加した後、読み出し傾斜磁場パルス119を印加する。読み出し傾斜磁場パルス119の印加中に発生する第2のエコー信号120を、受信系4で受信し、A/D変換器19で時間範囲121の間サンプリングする。これにより、脂肪プロトンの磁化が抑制され、水プロトンの磁化のみのエコー信号120を取得することができる。
この後、位相エンコード傾斜磁場パルス117に対するリワインド傾斜磁場パルス122、読み出し方向に磁化を分散させるスポイル傾斜磁場パルス123、スライス方向に磁化を分散させるスポイル傾斜磁場パルス124を印加する。これにより、先の第1のRFパルス101を印加する前と同様の、磁化がリフェーズさえた状態を作ることができる。
なお、傾斜磁場パルス116、117、118も、先と同様に同時に印加してもよい。また、傾斜磁場パルス122,123,124も先と同様に同時に印加してもよい。
上記パルスシーケンスを繰り返し単位(TR)毎に位相エンコード方向オフセット傾斜磁場パルスの強度を変化させながら、1スライスの画像再構成に必要なデータ数が得られるまで、例えば、256回、繰り返す。CPU7は、所定数のエコー信号107とエコー信号120からそれぞれ合わせて2つの画像を再構成する。これにより、エコー信号107から水成分と脂肪成分とが混合された画像を、エコー信号120から脂肪抑制画像を得る。CPU7は、得られた2種類の画像をディスプレイ23に表示させる。表示方法は、ユーザが2種類の画像を比較して脂肪組織を判別し、正確に脂肪抑制画像が読影できるように行う。例えば、2種類の画像を並列に表示する方法や、2種類の画像間で信号強度(濃淡)に差異のある画素を画像処理により抽出することにより、まず脂肪組織を抽出して表示する等、所望の方法をとることができる。これにより、ユーザは、脂肪組織を容易に判別することができると共に正確に脂肪抑制画像を読影することができる。
このように本実施の形態のMRI装置では、従来の二項パルス法を使った脂肪抑制画像取得のパルスシーケンスとほぼ同じ計測時間で、脂肪抑制画像のみならず、脂肪成分と水成分とが混合された画像を同時に得ることができる。
本実施の形態のパルスシーケンスでは、1つのパルスシーケンス内で脂肪寄与率の異なる2種類のエコー信号を一度に取得することができるため、二項パルス法によるパルスシーケンスにより脂肪抑制画像を取得した後、更めて通常のパルスシーケンスを使って非脂肪抑制画像を取得していた従来の方法と比べて、撮像時間を約半分に短縮することができる。しかも、2種類のエコー信号を同一パルスシーケンス内に得ることが出来るため、脂肪寄与率以外の、被検体の体動等の経時変化による差異が生じにくい。よって、両画像から脂肪成分の有無のみを精度よく判別することができ、検査精度を向上させることができるという効果が得られる。
なお、図2のパルスシーケンスにおいて、エコー信号取得用傾斜磁場パルス列を3次元(3D)撮像にすることも出来る。その場合には、図2に破線で示したように、スライス方向にスライスエンコード傾斜磁場パルス112、125とそれに対するリワインド傾斜磁場パルス113、126を追加し、スライス方向のスポイル傾斜磁場パルス124はこの場合には印加しない。これにより、脂肪寄与率の異なる2種類の画像の3D撮像を実現できる。なお、スライスエンコード傾斜磁場パルス112は、スライス方向リフェーズ傾斜磁場パルス116と重畳して印加してもよい。
上述の実施の形態では、2波の二項パルス列を用いているが、3波以上の二項パルス列を用いることも出来る。この場合、各パルス間でそれぞれエコー信号取得用傾斜磁場パルス列を印加することにより、脂肪寄与率の異なる3種以上の画像を得ることができる。図4に二項パルス列として1−2−1パルスを用いた場合を示す。第1パルス401と第3パルス403は、フリップ角22.5°のRF二項パルスであり、第2パルス402はフリップ角45°のRF二項パルスである。各パルス間隔(時間τ)は、上述の実施の形態と同様に、脂肪と水のプロトンの磁化の位相差が180°になるように設定されている。これら各パルス間にそれぞれ図2に示したエコー信号取得傾斜磁場パルス列103〜106を印加し、図4に示したようにそれぞれ第1および第2エコー信号404、405を検出する。その後、図2の傾斜磁場パルス109、110、111を印加し、磁化をリフェーズする。また、第3パルス403の後に図2のエコー信号取得用傾斜磁場パルス列116〜119を印加し、第3エコー信号406を検出する。その後、リワインド傾斜磁場122、スポイル用傾斜磁場パルス123、124を印加し、磁化を分散させる。これにより、第1および第2エコー信号により、脂肪成分と水成分の寄与率がそれぞれ異なる2種類の画像を得ることができる。第3エコー信号により、脂肪抑制画像を得ることができる。よって、水・脂肪の磁化の寄与率の異なる3種類の画像を1度の撮像で同時に取得することが出来る。
このように3波以上の複数パルスからなる二項パルス列であっても、同様な撮像をおこなうことにより、水・脂肪の磁化の寄与率の異なる3種以上の画像を一度の撮像で同時に得ることができるため、それらを比較することにより脂肪組織の判別が容易になる。なお、3以上のパルスからなる二項パルス列を用いる場合、必ずしも複数のパルス間の全てにおいてエコー信号取得用傾斜磁場パルス列を印加しなければならないわけではなく、複数のパルス間のうちの少なくとも1回と、二項パルス列照射後にエコー信号取得用傾斜磁場パルス列の印加を実行する構成にすればよい。これにより、少なくとも1種類の脂肪・水成分混合画像と、脂肪抑制画像とが得られる。
また、本実施の形態では、二項パルス列は脂肪を抑制するように印加したが、これに限られるものではなく水を抑制し脂肪画像を得るように印加することも可能である。
以下、本発明の第二の観点に基づく実施形態について、図1、5A、5B、6を用いて説明する。
本実施の形態のMRI装置では、その撮像パルスシーケンスとして図5Aに示すリファレンス計測および図5Bに示す本計測を含み、本計測に先立ってリファレンス計測を行うことによって、それぞれの二項パルス照射からエコー信号検出までの水の磁化の位相回転量を実際に計測し、静磁場の空間的および時間的変動による位相ずれ量を求める。本計測は、2波の二項パルス列(1−1)によって水の磁化の選択励起と脂肪の磁化の抑制を行った後、グラディエントエコー法(GE)により画像再構成のための磁気共鳴信号を取得するパルスシーケンスであり、この本計測時に先のリファレンス計測で求めた位相回転量に基づいて第2波以降の二項パルスの照射位相を決定する。なお、本計測における画像再構成のための磁気共鳴信号を取得する撮像方法としては、グラディエントエコー法に限らず所望の方法、例えば、スピンエコー法(SE)、を用いることができる。
リファレンス計測による水磁化の位相の測定を図5Aを用いて説明する。図5Aには、2波の二項パルス列(1−1パルス)により水の磁化を選択励起する撮像シーケンスのリファレンス計測を示す。図5Aに示すようにリファレンス計測は、第1リファレンス計測区間510と第2リファレンス計測区間520とを含み、第1および第2リファレンス計測区間510、520ではそれぞれ、本計測と同様のパルスシーケンスを繰り返す。ただし、第1リファレンス計測区間510では1−1パルスのうちの第1波101の高周波磁場パルスのみを照射し、第2波114は照射せず、エコー信号(磁気共鳴信号)511を取得する。第2リファレンス計測区間520では、第1波101は照射せず、第2波114のみを照射し、エコー信号521を取得する。高周波磁場パルス以外の傾斜磁場パルス(Gs,Gr)102、103、115、116、118,119、123の印加タイミングおよびエコー信号511、521の取得タイミングは、本計測と同じにする。
第1リファレンス計測区間510で取得されるエコー信号511の位相は、第1波101からエコー信号取得までの水の磁化の位相回転量θ1を示しており、第2リファレンス計測区間520で取得されるエコー信号520の位相は、第2波114からエコー信号取得までの水の磁化の位相回転量θ2を示している。よって、位相回転量θ1とθ2との差を取ることにより、第1波101から第2波102までの水の磁化の実際の位相回転量(θ1−θ2)を実測することができる。
実測した磁化の位相回転量(θ2−θ1)には、下式(3)で求まる理論上の位相回転量△θに、静磁場強度の時間的変動による位相ずれを加算した位相となる。そのため、リファレンス計測によって求めた位相回転量を基に第2波以降の照射位相を設定することで、位相ずれを吸収することができる。
△θ=(γ×Bo×τ)…(3)
次に、以上のリファレンス計測に引き続いて実行される本計測シーケンスの内容について説明する。本計測シーケンスは、図5Bに示したようにそれぞれの磁化を45°傾斜させる高周波磁場パルスである第1波101および第2波114を予め定めた時間τの間隔で印加する。この時間τは、先に説明したように水の磁化と脂肪の磁化の歳差運動による回転位相差を180°にするために、設定されている。
第1波101の照射と同時にスライス選択傾斜磁場パルス102を印加することにより、所定のスライスを選択し、当該スライスの水の磁化および脂肪の磁化をフリップ角45°に傾斜させる。つぎに、スライス選択傾斜磁場102の印加によって分散した磁化を、第2波114の印加タイミングで再度収束させるためのスライス方向(Gs)リフェーズ傾斜磁場パルス103を印加する。そして、上記時間τが経過して水の磁化と脂肪の磁化の位相差が180°になったタイミングで第2波114を照射すると共にスライス選択傾斜磁場115を印加することにより、水の磁化のフリップ角を90°傾斜させ、脂肪の磁化のフリップ角を0°にする。なお、第2波114の照射位相θe2は第一波の照射位相θe1に対して、リファレンス計測にて求めた磁化の位相回転量(θ2−θ1)だけ位相をずらした位相θe2=θe1+(θ2−θ1)を設定することで、位相ずれを補正する。
即ち、求めた位相ずれ量△θに対応させて第2波114の照射位相を補正することにより、静磁場強度の空間的不均一性および時間的変動による位相ずれが生じている場合であっても、水の磁化の位相に一致した照射位相の高周波磁場パルス(第2波114)により水の磁化のフリップ角を正確に90°傾斜させて選択できるとともに、脂肪の磁化のフリップ角を0°にして抑制することができる。
その後、第2のリフェーズ傾斜磁場パルス116をスライス方向(Gs)に印加する。これと同時、もしくは遅れて読み出し方向(Gr)のディフェーズ傾斜磁場パルス118および位相方向(Gp)のエンコード用傾斜磁場パルス117を印加した後、読み出し方向(Gr)傾斜磁場パルス119を印加して磁化を収束させ、発生するエコー信号120を時間範囲121の間サンプリングする。その後、位相方向のリワインド用傾斜磁場パルス122と読み出し方向のスポイル傾斜磁場123とを印加する。3D計測を行う場合にはさらにスライス方向のエンコード用傾斜磁場パルス123とリワインド用傾斜磁場パルス126とを印加する。本計測では、このシーケンスを位相エンコード用傾斜磁場パルス117(スライス方向エンコード用傾斜磁場パルス125の強度)を変化させながら、例えば、256回、繰り返し行い、画像再構成に必要なデータ数のエコーイ信号を取得する。
次に、図5A、5Bを参照して説明したリファレンス計測および本計測を含む撮像パルスシーケンスおよび本計測で取得したエコー信号から脂肪が抑制された画像の再構成されるまでのCPU7によって実行される流れを図6のフローチャートで説明する。
CPU7は、図5A、5Bのようにリファレンス計測と本計測を連続して実行させるが、リファレンス計測の第1および第2リファレンス計測区間510、520でエコー信号511、521が取得された時点で、それぞれの位相θ1、θ2を検出する。(ステップ601,602)。検出したθ、θを基に第1波と第2波の間の位相回転量(θ2−θ1)を求める。
上記位相回転量と第1波の照射位相θe1を基にして第2波の照射位相θe2をθe2=θe1+(θ2−θ1)のように設定する(ステップ604)。設定した照射位相θe2の第2波114により、本計測を、例えば、256回繰り返し実行し、所定数のエコー信号を取得する(ステップ605)。取得したエコー信号から被検体の関心領域の脂肪が抑制された断層像等を再構成する(ステップ606)。
上述してきた本実施の形態のMRI装置では、静磁場強度の空間的および時間的不均一による水の磁化の位相ずれを考慮して第2波以降の二項パルスの照射位相を水の磁化の位相に一致させることができるため、水の磁化のフリップ角を90°傾斜させて励起できるとともに、脂肪の磁化のフリップを0°に抑制することができる。よって、十分に脂肪信号が抑制された画像を取得することができる。
なお、本実施の形態では2波の二項パルス(1−1パルス)列を用いる場合について説明したが、3波以上の二項パルス列についても適用することができる。その場合、二項パルスの照射回数分のリファレンス計測を行い、照射回数分のエコー信号を取得して、上述の実施の形態と同様に本計測の二項パルスの照射位相を設定してもよいが、リファレンス計測は図5Aのシーケンス同様に2回とし、得られた△θから本計測の二項パルス列の第2波以降の照射位相を計算により設定することもできる。このようにリファレンス計測を2回とすることにより、リファレンス計測全体を短時間で終了させることができる。
なお、上述してきた実施の形態では、水の磁化を選択励起し、脂肪磁化を抑制する場合について説明したが、この組み合わせに限らず、二項パルス列による種々の組織成分の選択励起(抑制)に本発明を適用することができる。

Claims (13)

  1. 被検体が配置される撮像空間に静磁場を印加する静磁場発生部と、
    前記撮像空間に所定の方向の傾斜磁場を印加する傾斜磁場発生部と、
    前記被検体に高周波磁場パルスを印加する高周波磁場照射部と、
    前記被検体からのNMR信号を受信する受信部と、
    前記傾斜磁場発生部と前記高周波磁場照射部とを制御して、所定のタイミングで前記傾斜磁場および前記高周波磁場パルスを前記被検体に印加する所定の撮像パルスシーケンスを実行する制御部
    を有した磁場共鳴イメージング装置において、
    前記制御部による制御により、前記所定の撮像パルスシーケンスの単位の繰り返し時間(TR)内に、前記被検体内組織の少なくとも2つの成分の励起角度を異ならせるための二項パルス法による一つの高周波磁場二項パルス列を前記高周波磁場照射部により印加し、前記一つの高周波磁場二項パルス列を構成する高周波磁場パルス間のうち少なくとも1回、ならびに、前記一つの高周波磁場二項パルス列の照射後に、それぞれ前記傾斜磁場発生部により前記傾斜磁場を印加して、前記少なくとも2つの成分を含むNMR信号と、一つの成分が抑制されたNMR信号と、を含む2種以上のNMR信号を前記受信部により取得し、取得した2種以上のNMR信号に基づいて所定成分の磁化の寄与率の異なる少なくとも2種の画像を生成するための手段が備えられていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記制御部は、前記所定の撮像パルスシーケンスを実行して、水プロトンの磁化と脂肪プロトンの磁化の寄与率の異なる少なくとも2種のNMR信号を生じさせることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記制御部は、前記所定の撮像パルスシーケンスの実行に際して、前記一つの高周波磁場二項パルス列を構成する前記高周波磁場パルスのパルス間隔を、水プロトンの磁化と脂肪プロトンの磁化の歳差運動による位相差が180°となる最小時間の任意の奇数倍に設定することを特徴とする請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記所定の撮像パルスシーケンスの実行は、前記一つの高周波磁場二項パルス列を構成する高周波磁場ルスの印加後、前記NMR信号を取得するための第1の傾斜磁場を印加し、前記NMR信号を取得した後で次の高周波磁場パルスを印加する前に前記第1の傾斜磁場により前記被検体内組織成分の磁化に生じた影響を打ち消すための第2の傾斜磁場を印加することにより行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 被検体が配置される撮像空間に静磁場を印加する静磁場発生部と、
    前記撮像空間に所定の方向の傾斜磁場を印加する傾斜磁場発生部と、
    前記被検体に高周波磁場パルスを印加する高周波磁場照射部を、
    前記被検体からの磁気共鳴信号を受信する受信部と、
    前記傾斜磁場発生部と前記高周波磁場照射部とを制御して、所定のタイミングで前記傾斜磁場および前記高周波磁場パルスを前記被検体に印加する所定の撮像パルスシーケンスを実行する制御部とを有し、
    前記所定の撮像パルスシーケンスは、画像再構成のための磁気共鳴信号を取得する本計測と、本計測の前に行うリファレンス計測とを含み、
    前記本計測は、単位の繰り返し時間(TR)内に高周波磁場二項パルス列を用いて、前記被検体内組織の複数の成分の内の所望の成分の磁化を前記高周波磁場照射部により選択励起して、その磁気共鳴信号を前記受信部により計測するシーケンスであり、
    前記リファレンス計測は、前記高周波磁場二項パルス列のパルス間に生じる所望成分の磁化の位相回転量を計測するシーケンスであり、
    前記制御部は、前記リファレンス計測で計測した所望成分の磁化の位相回転量に応じて、前記本計測の前記高周波磁場二項パルス列で第2波以降で前記高周波磁場照射部により照射する高周波磁場二項パルスの少なくとも一つの照射位相を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記リファレンス計測のパルスシーケンスは、前記本計測のパルスシーケンスの変形であって、前記本計測と同じ高周波磁場二項パルス列のうちの第1の高周波磁場二項パルスのみを印加し所定のタイミングで第1のエコー信号を取得した後、次に前記高周波磁場二項パルス列のうち第1の高周波磁場二項パルスより後に印加される第2の高周波磁場二項パルスのみを印加して所定のタイミングで第2のエコー信号を取得するシーケンスを含み、前記制御部は、前記第1および第2のエコー信号の位相回転量をそれぞれ検出し、位相回転量差を求めることにより、引き続く2つの高周波磁場二項パルス間での所望成分の磁化の位相回転量を求めることを特徴とする請求項5記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記制御部は、前記リファレンス計測で求めた位相回転量分だけ、前記第1の高周波磁場二項パルスの照射位相をずらして、前記第2の高周波磁場二項パルスを照射する際の照射位相とすることを特徴とする請求項6記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記高周波磁場二項パルス列は、水と脂肪のプロトンの磁化の歳差運動による位相差が180°の奇数倍になる時間間隔を空けた少なくとも2つの高周波磁場二項パルスを有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 二項パルス法による二項パルス列を使った被検体の関心領域の脂肪抑制画像を取得するための撮像パルスシーケンスを有する磁気共鳴イメージング装置において、前記撮像パルスシーケンスは繰り返される単位撮像パルスシーケンスから構成され、前記各単位撮像パルスシーケンスはその最後の二項パルスの照射後脂肪抑制画像を再構成するための脂肪の磁化の信号成分が抑制されたエコー信号を取得するための傾斜磁場パルス列に加えて先行する二項パルス間で非脂肪抑制画像を再構成するための脂肪の磁化と水の磁化による信号成分の寄与度が同等のエコー信号を取得するための傾斜磁場パルス列を有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 二項パルス法による二項パルス列を使った被検体の関心領域の脂肪抑制画像を取得するための撮像パルスシーケンスを有する磁気共鳴イメージング装置において、
    前記撮像パルスシーケンスは、二項パルス法による二項パルス列を使った脂肪抑制画像を取得するための本計測に先立って実行される本計測の各単位撮像パルスシーケンスで引き続いて照射される二項パルス間で生じる水の磁化の位相回転量を実測するための本計測の単位撮像パルスシーケンスを変形したリファレンス計測を有し、本計測の各単位撮像パルスシーケンスではリファレンス計測で実測された水の磁化の位相回転量に合わせて各単位撮像パルスシーケンスの第2波以降の二項パルスの照射位相が調整されることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  11. 前記リファレンス計測は前記単位撮像パルスシーケンス中の第2波の二項パルスの照射を省略した第1のリファレンス計測と、前記単位撮像パルスシーケンス中の第1波の二項パルスの照射を省略した第2のリファレンス計測を有することを特徴とする請求項10記載の磁気共鳴イメージング装置。
  12. エコー信号を取得するための前記単位撮像パルスシーケンスはグラジエントエコー法あるいはスピンエコー法によるパルスシーケンスであることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  13. 前記撮像パルスシーケンスを実行することにより2Dまたは3Dの脂肪抑制画像を再構成することが出来るエコー信号が取得されることを特徴とする請求項9乃至11項のいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
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