JPH09117421A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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Publication number
JPH09117421A
JPH09117421A JP7300470A JP30047095A JPH09117421A JP H09117421 A JPH09117421 A JP H09117421A JP 7300470 A JP7300470 A JP 7300470A JP 30047095 A JP30047095 A JP 30047095A JP H09117421 A JPH09117421 A JP H09117421A
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JP
Japan
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magnetic field
pulse
gradient magnetic
fluid
echo signal
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Pending
Application number
JP7300470A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Takiguchi
賢治 滝口
Hiromichi Shimizu
博道 清水
Hiroshi Nishimura
博 西村
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Publication date
Application filed by Hitachi Medical Corp filed Critical Hitachi Medical Corp
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  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】被検体内を流れる血流の3次元イメージを高速
で得る。 【解決手段】静磁場発生磁石10の均一磁場空間に置か
れた被検体40の関心領域(撮像部位)41を流れる流
体の流れ方向に沿って傾斜磁場(Gz)111〜11N
を一定の時間2Tで極性を交互に反転させながら複数回
印加する。そして、印加されるGzの第1番目の時間内
に第1のRFパルス101を印加して関心領域41を選
択励起する。次いで、Gzの偶数番目の時間内に第2の
RFパルス102を印加する。これらの励起により生ず
るエコー信号を傾斜磁場(Gy)121〜12Nの印加
と傾斜磁場(Gx)131との印加により計測する。そし
て、得られたエコー信号E1nとE2nとを3次元フーリエ
変換することにより3次元の血流イメージを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医用画像診断に用
いる磁気共鳴イメージング(以下、MRIと記す。)装
置に係り、特に生体内の血流画像を高速に取得する技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、被検体の任意方向の任意
の断面の2次元断面像や任意部位の3次元像、更には血
流像が比較的に容易に得られるために、近年、その普及
が著しく、医用画像診断分野において重要なモダリティ
となっている。
【0003】MRI装置は、他のモダリティと比較し
て、撮像に要する時間が長いという欠点があったが、2
次元断層像の撮像については、特公平6−46985号
公報に記載されている、通称、高速スピンエコー法(F
ast−SE法)やグレース法(GRASE法)が実用
化されたこと、それらの高速イメージング法より更に高
速なエコー・プレナー法(Echo−Planar I
maging法)の開発がなされたことにより、撮像時
間が長いという欠点は大幅に改善された。
【0004】一方、被検体内の血流をイメージングする
MRアンジオグラフィ(以下、MRAと記す。)の分野
について見ると、インフロー(in−flow)効果を
利用したタイム・オブ・フライト法(Time of
flight法)や、磁場勾配に沿って移動する核スピ
ンの位相をフローエンコードパルスによって位相補償し
て検出するフェーズ・コントラスト法(Phase c
ontrast法)等が代表的なイメージング法として
行われているが、これらは1回の励起で1つの信号を検
出するやり方であるため、血流イメージングに必要な3
次元計測データを得るために、非常に多数回のパルスシ
ーケンスの繰返しを行う必要があった。このため、被検
者を長時間にわたり拘束することになり、被検者の負担
が大きなものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】MRI装置における1
画像撮像に要する時間は、パルスシーケンスの繰返し時
間(TR)と繰返し回数によって決まる。このため、前
述の高速SE法、GRASE法、EPI法等は、撮像部
位を1回励起して複数のNMR信号を計測して、パルス
シーケンスの繰返し回数を減少して撮像時間の短縮を図
っている。そして、MRAのイメージング法にも、上記
の断層像の高速化手法を採り入れる試みがなされてい
る。
【0006】本発明も上記観点において、MRAの高速
イメージングの一手法を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の原理を先ず説明
する。被検体内の流体の流れる方向に沿って第1の傾斜
磁場を所定時間間隔で交互に極性を反転してn回(n≧
4なる整数)印加するとともに、その第1の傾斜磁場の
第1番目の印加時間間隔に第1のRFパルスを印加して
血流を含む被検体の所定領域の核スピンを選択励起し、
その後の第1の傾斜磁場の偶数番目の印加時間間隔に第
2のRFパルスを印加して第1のRFパルスで励起した
領域を再度選択励起する。そして、前記第1の傾斜磁場
をフローエンコードパルスとして用いて流体からのエコ
ー信号を計測する。
【0008】これらの2回の励起のうち第1のRFパル
スにより励起された核スピンへ、その後の第1の傾斜磁
場によってディフェーズとリフェーズを繰り返して受け
させる。一例として、流体の核スピンは、第1の傾斜磁
場の印加時間間隔の例えば、第1番目の後半、第2番
目、第3番目の前半からなるフローエンコードパルスを
受け、第3番目の印加時間間隔内に第1のエコー信号を
発生する。また、第2のRFスピンによる励起を受けた
流体の核スピンも同様にして、第4番目の印加時間間隔
内に第2のエコー信号を発生する。第1の傾斜磁場をそ
の後も引き続いて印加すると、第1のRFパルスの励起
を受けた流体の核スピンは第3番目に続き第5番目、第
7番目の様に(n≧3)の奇数番目の前記時間間隔内に
エコー信号を発生し、一方、第2のRFパルスを受けた
流体の核スピンは第4番目に続き第6番目、第8番目の
様に(n≧4)の偶数番目の前記時間間隔内にエコー信
号を発生する。
【0009】本発明は、上記原理を用いて血流のイメー
ジングを実行するための各手段をMRI装置へ設けたも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図14は、MRI装置の概略構成
を示すブロック図である。図14において、10は静磁
場発生磁石、11Aは中央処理装置(以下、CPUと記
す。)、11Bはシーケンサ、12は送信系、13は磁
場勾配発生系、14は受信系、15は信号処理系であ
る。
【0011】静磁場発生磁石10は、被検体1を収容し
得る空間の所定領域に、所定方向、例えば、被検体1の
体軸方向、または体軸と直交する方向へ強く均一な静磁
場を発生させるもので、前記空間を取り囲むように、永
久磁石、または超電導磁石のような方式の磁石を配置し
てなる。
【0012】送信系12は、シンセサイザ16と、変調
器17と、高周波増幅器18と、送信用高周波コイル1
9とから成り、CPU11Aおよびシーケンサ11Bの
指令によりシンセサイザ16から出力された高周波のパ
ルス信号を変調器17で振幅変調し、変調された信号を
高周波増幅器18で増幅し、増幅された高周波パルスを
被検体1に接近して配置された送信用高周波コイル19
ヘ供給し、送信用高周波コイル19から電磁波を被検体
1へ照射するものである。
【0013】磁場勾配発生系13は、直交する3軸方
向、即ちX,Y,Zの3軸方向へ傾斜磁場を発生する傾
斜磁場コイル20と、各方向の傾斜磁場コイルを駆動す
る傾斜磁場電源21とから成り、CPU11の指令によ
り各傾斜磁場コイルに対応した傾斜磁場電源を駆動し、
発生した傾斜磁場を静磁場へ重畳してイメージングに必
要な勾配磁場を発生するものである。
【0014】受信系14は、受信用高周波コイル22
と、増幅器23と、直交位相検波器24と、A/D変換
器25とから成り、送信系12の高周波コイル19から
照射された電磁波によって被検体内から生ずる核スピン
の挙動信号(電磁波、NMR信号という。)を被検体1
に近接して配置した受信用高周波コイル22で検出し、
その検出信号を増幅器23で増幅した後、直交位相検波
器24へ入力し、直交位相検波器24でシンセサイザ1
6の出力に基づいて直交検波を行い、sin成分、co
s成分の2系統の信号に分離し、それらをA/D変換器
25へ入力し、A/D変換器25でCPU11Aおよび
シーケンサ11Bの指令に基いてサンプリングしてディ
ジタル信号に変換して信号処理系15へ出力するもので
ある。
【0015】そして、信号処理系15は、CPU11
と、磁気ディスク装置26や光ディスク装置27等の記
録装置と、CRT等のディスプレイ装置28とから成
り、前記CPU11において受信系14から入力した信
号に対し、フーリエ変換、補正係数計算、画像再構成等
の処理を行い、被検体1のスライス面内の原子核密度分
布を示す画像、例えば、水素原子核(プロトン)密度分
布像や、核スピンの緩和時間を示すT1強調像やT2強調
像等の画像をディスプレイ装置28へ表示するととも
に、パルスシーケンスの様な制御ソフトウェアや画像デ
ータを記録装置へ記録するものである。MRI装置はそ
の他に操作卓29を備え、そこにキーボード30が配置
されている。
【0016】次に、本発明の要部をなすパルスシーケン
スを説明するが、その前に本発明の原理を更に詳しく説
明しておく。図5は、本発明のパルスシーケンスの一部
分を示す。図4に示すように、静磁場内に位置した被検
体40の一部に撮像部位(以下、関心領域と記す。)4
1があり、この関心領域41内に紙面の左から右方向へ
向かって流体fが流速vで流れているものとする。
【0017】本発明は、この流速vで流れている流体f
を含む関心領域41に対し、図5に示す様なRFパルス
の印加と傾斜磁場の印加とを行い、流体fからエコー信
号を発生させる。すなわち、図5に示すように、流体f
の流れる方向に沿って傾斜磁場(Gz)53を印加する
とともに、関心領域41内の核スピンを励起するRFパ
ルス51を印加する。RFパルス51は、静磁場(B
0)と傾斜磁場(Gz)53との強度と関心領域41の場
所と厚みとにより決まる周波数と帯域幅とを有した高周
波磁場で、その印加量は関心領域41内の核スピンをα
1°だけ静磁場方向から傾ける量とされる。そして、R
Fパルス51と傾斜磁場(Gz)53の印加時間を便宜
上2T時間とする。
【0018】RFパルス51と傾斜磁場(Gz)53と
を2T時間(以下、第1の期間と記す。)印加した後、
即、傾斜磁場(Gz)53と極性が反対の傾斜磁場(G
z)54を印加する。傾斜磁場(Gz)54は、RFパル
ス51と傾斜磁場(Gz)53との印加により選択励起
された関心領域41内の核スピンのスライス方向におけ
る位相合わせ(rephasing)として従来より良
く知られている傾斜磁場であるが、本発明では、この傾
斜磁場(Gz)54は、前記第1の期間の後に位相合わ
せのためにその1/2のT時間印加する通常の方法とは
異なり、前記第1の期間に引き続いて更に2T時間(以
下、第2の期間と記す。)だけ印加する。
【0019】そして、第2の期間の開始とともに、RF
パルス52を印加し始め、第2の期間終了とともに、R
Fパルス52の印加を停止する。RFパルス52は前記
関心領域41内の核スピンをα2°だけ静磁場方向から
傾ける量を印加する。これにより、関心領域41内の核
スピンは次のように励起される。
【0020】先ず、静止している組織の核スピンはRF
パルス51とRFパルス52との双方によりα1°とα2
°との励起を受ける。ただし、ミクロ的にはRFパルス
51による励起終了からRFパルス52による励起終了
までには2T時間が経過しているので、その時間経過に
よる核スピンの緩和が生ずるため、上記励起角は(α1
°+α2°)より小さくなっている。
【0021】一方、関心領域41内を速度vで流れてい
る流体fは、RFパルス51の印加時に関心領域41内
にあった流体f1は、RFパルス51によって静止部と
同じくα1°の励起を受けている。続いて、RFパルス
51の印加開始からRFパルス52の印加開始までに2
T時間が経過するので、この間に関心領域41内にあっ
てRFパルス51の励起を受けた流体f1の一部は関心
領域外へ流出し、流体f1の上流にいたRFパルス51
の励起を受けなかった流体f2が関心領域41内に流れ
込んでくる。したがって、RFパルス52の印加によっ
て、関心領域41内に残存していた流体f1は静止部と
同じくα1°とα2°の励起を受け、新たに関心領域41
内に流れ込んできた流体f2はα2°の励起のみを受け
る。
【0022】第2の期間が終了後、傾斜磁場(Gz)を2
T時間ずつ交互に極性を反転して印加する。
【0023】次に、上記の励起による流体のエコー信号
の計測法を説明する。本発明では、傾斜磁場(Gz)を
フローエンコードパルスとしてエコー信号を計測する。
すなわち、RFパルス52による励起と傾斜磁場(G
z)54の印加終了後直ちに傾斜磁場(Gz)54に対し
て極性が反対の傾斜磁場(Gz)55を2T時間(以
下、第3の期間と記す。)だけ印加し、その後、再度極
性を反転した傾斜磁場(Gz)56を2T時間(以下、
第4の期間と記す。)印加する。
【0024】ここで関心領域41内の核スピンの挙動を
観察するが、それに当たりRFパルス51の印加の時間
中心を時刻t=0とする。すると、時刻t=0〜4T間
に印加される傾斜磁場(Gz)がフローエンコードパル
スであり、励起された核スピンは、時刻t=0以降の傾
斜磁場(Gz)の振幅の時間積分値に応じて位相変化を
起こすが、t=0〜4T間において核スピンの位相θは
式1によって表わされる。
【0025】
【数1】
【0026】ここに、γは核スピンの磁気回転比、rは
関心領域内での核スピンの位置、vは流体f1の流速を
示す。なお、式1においてv=0としたものは静止部の
核スピンの位相変化を示すが、本発明は流体をイメージ
ングの対象としているので、静止部の核スピンの挙動説
明は省略する。
【0027】図5からも明らかに読み取れるが、t=0
〜4T間に印加された傾斜磁場(Gz)の時間積分値は
0となる。したがって、励起された流体f1から時刻4
Tにピークとなるエコー信号71が時刻t=3T〜5T
間に発生する。
【0028】次に、RFパルス52によってα2°の励
起を受けた関心領域41内の核スピンの挙動を説明す
る。RFパルス51の印加開始からRFパルス52の印
加開始までに2T時間が経過しているので、その間にR
Fパルス51の励起を受けた流体f1は距離(2Tv)
だけ流れ、関心領域41内からその一部は流出する。そ
して、RFパルス51の励起を受けなかった流体f2が
その分だけ流入する。流体f1と流体f2とが混在する関
心領域41がRFパルス52の照射を受けると、前述の
ように関心領域41内に残存した流体f1は(α1°+α
2°)の励起を受け、流入した流体f2はα2°の励起を
受ける。
【0029】励起を受けた流体f2を単独に観察する
と、時刻t=6Tで前述のRFパルス51の励起を受け
た流体f1と同様、核スピンの位相はθ=0となる。こ
の場合、時刻t=4T〜7T間に印加された傾斜磁場
(Gz)がフローエンコードパルスである。したがっ
て、時刻t=5T〜7T間にエコー信号72が発生し、
t=6Tにエコー信号72はピーク値を示す。
【0030】一方、関心領域41内に残存し、RFパル
ス51とRFパルス52との2回励起を受けた流体f1
の核スピンは、RFパルス51の励起中の時刻t=0か
らフローエンコードパルスに曝されており、時刻t=T
〜3T間にRFパルス52の照射を受けるが、RFパル
ス52は流体f1の核スピンの励起角度を増加しはする
が、核スピンの位相には影響を与えない。したがって、
RFパルス51とRFパルス52との2回の励起を受け
た流体f1の核スピンは、時刻t=3T〜5T間にエコ
ー信号71を発生し、時刻t=5T〜7T間にはエコー
信号を発生しない。
【0031】以下、上記原理を用いた本発明の実施の形
態としてのイメージング用パルスシーケンスを説明す
る。図1は本発明の流体イメージング用パルスシーケン
スの第一の例を示す。図1において、横軸は時間経過を
示しており、RFはRFパルスの印加タイミング、Gz
は第1の方向の傾斜磁場の印加タイミングと印加強度、
Gyは第2の方向の傾斜磁場の印加タイミングと印加強
度、Gxは第3の方向の傾斜磁場の印加タイミングとス
テップ状に変化する印加強度、echoは計測されるエ
コー信号の発生タイミングを示している。なお、ここで
Gx,Gy,Gzの各々の傾斜磁場は互いに直交した方向へ
発生させられる。
【0032】図1と図5を用い実際の流体、具体的には
生体内を流れる血流のイメージングのためのエコー信号
計測方法を説明する。先ず、被検体1の検査部位40を
静磁場発生磁石10内の均一磁場空間へ位置させ、撮像
のための位置決めを行う。位置決めは従来から行われて
いる位置決め用の画像を撮像して、それをモニタ用ディ
スプレイへ表示し、モニタ用ディスプレイへカーソルに
よりこれから撮像する部位を入力する方法が採用できる
が、本発明の原理説明で述べたように、撮像の対象とな
る流体が選択励起されたボリウム内をそのボリウムに各
々隣接した一方の領域から他方の領域へと貫通して流れ
るように撮像部位が選択される必要がある。流体を血流
とした場合には、血流は人体の体軸方向に沿って流れる
ものが多いので、以下それを代表的なケース事例として
説明する。
【0033】図1において、パルスシーケンスの開始と
ともに人体の体軸方向(これを便宜上、Z方向と記
す。)へ沿って所定の強度の傾斜磁場(Gz)111を
発生させる。傾斜磁場(Gz)111はCPU11の命
令により傾斜磁場電源21が対応した傾斜磁場コイルへ
電流を供給することにより発生させられる。そして、こ
の傾斜磁場(Gz)111を印加すると同時にRFパル
ス101を印加する。RFパルス101は静磁場と傾斜
磁場(Gz)111との重畳した磁場から決まる前記撮
影部位における核スピンを励起するための共鳴周波数と
帯域幅を有した高周波磁場を発生させるもので、CPU
11の命令によりシンセサイザ16が出力した前記共鳴
周波数の高周波信号を変調器17で振幅変調し、その変
調された信号を高周波増幅器18で増幅してRFコイル
(高周波コイル)19aへ供給することで形成される。
RFパルス101と傾斜磁場(Gz)111は印加開始
から2T時間印加され、印加開始からT時間後にRFパ
ルス101は振幅がピーク値となるように印加される。
ここで、前述の原理説明と整合を図るため、RFパルス
101と傾斜磁場(Gz)111の印加開始からT時間
経過した時刻を時刻t=0とする。
【0034】前記RFパルス101と傾斜磁場(Gz)
111の印加により、図4に示す関心領域41内の核ス
ピンはα1°だけ静磁場方向に対して励起される。この
ため、RFパルス101の印加量はそれに応じた値に設
定される。励起角度α1°としては、15°〜20°の
範囲で適宜設定すると良い。このRFパルス101の励
起により、関心領域41内の静止部組織の核スピンと血
流組織の核スピンはα1°の励起を受ける。
【0035】そして、時刻t=T、即ちRFパルス10
1と傾斜磁場(Gz)111の印加開始から2T時間が
経過した時刻に、RFパルス101の照射を停止すると
ともに傾斜磁場(Gz)の極性をそれまでの極性に対し
て反転する。この極性の反転は、傾斜磁場コイルに流す
電流の方向を逆にすることで、かつ瞬時に行う。そし
て、傾斜磁場(Gz)111と強度が同一で逆極性の傾
斜磁場(Gz)112の印加開始とともにRFパルス1
02の印加を開始する。RFパルス102はRFパルス
101と同様に関心領域41内の核スピンのみを選択励
起するように周波数と帯域幅が設定されており、核スピ
ンの励起角がα2°となるようにその印加量が設定され
ている。この場合、図1に示すようにRFパルス101
とRFパルス102とによる励起のインターバルTIは
2T時間である。なお、RFパルス102による核スピ
ンの励起角α2°は、前記α1°(=15°〜20°)と
同じか、又はその近傍の値に設定すると良い。次いで、
時刻t=3Tとなった時に、RFパルス102の照射は
停止されるとともに、傾斜磁場(Gz)の極性は再度反
転される。RFパルス102の印加により、関心領域4
1内の核スピンはα2°の励起を受ける。
【0036】そして、上記RFパルス101とRFパル
ス102との励起によるエコー信号の検出のため傾斜磁
場(Gy)121〜12Nと傾斜磁場(Gx)131と傾
斜磁場(Gz)113〜11Nとを印加する。傾斜磁場
(Gx),(Gy),(Gz)は各々、直交する方向へ印
加される傾斜磁場であり、傾斜磁場(Gy)は傾斜磁場
(Gz)の極性反転のタイミングに対応して、即ち、3
T,5T,7T,…の時刻に対応して印加され、検出さ
れるエコー信号毎に異なった位相情報を与える。また、
傾斜磁場(Gx)は選択励起された関心領域41内の核
スピンへ紙面に直交した方向へ位置情報を与える、つま
り、いわゆる3次元計測のための位置情報を与える。し
たがって、傾斜磁場(Gx)はエコー信号の計測前に印
加され、パルスシーケンスの繰り返し毎に異なった値を
等ステップ的に与えられる。なお、時刻t=3T以降に
印加される傾斜磁場(Gz)113〜11Nはリードア
ウト方向の傾斜磁場として作用し、傾斜磁場(Gz)が
印加されている間に受信系14によってエコー信号が検
出される。
【0037】エコー信号の検出は、血流方向、即ちZ軸
方向に直交した方向を検出方向とし、かつ、前記関心領
域41のZ軸方向における長さを検出領域とする受信用
高周波コイル21によって検出される。前述の本発明の
原理で説明したように、検出されるエコー信号は、RF
パルス101の励起とRFパルス102の励起とによる
ものが交互に現われ、図1では、RFパルス101の励
起によるエコー信号をE1n、RFパルス102の励起に
よるエコー信号をE2nで表わしている。これらのエコー
信号の計測に先立って、傾斜磁場(Gy)121を印加
する。傾斜磁場(Gy)121は、受信系14によって
検出したエコー信号を記憶するk空間のアドレスの初期
値(オフセットとも言う。)を設定し、その後に印加さ
れる傾斜磁場(Gy)は、前記k空間の実際のアドレス
を設定する。本実施例では、エコー信号E1nとE2nとが
同一k空間上の異なったアドレスに記憶されるように印
加される。
【0038】受信用高周波コイル22によって順次検出
されたエコー信号E1nとE2nは、それぞれ増幅器23に
よって増幅された後、直交検波器24でシンセサイザ1
6の出力信号を参照信号として検波され、A/D変換器
25でディジタル信号に変換されCPU11内のメモリ
(k空間)へ記憶される。
【0039】予め設定されたパルスシーケンスの繰返し
時間TR内に所定数のエコー信号が計測されると、再度
図1に示すパルスシーケンスが繰り返して実行される。
そして、2回目以降のパルスシーケンスの実行は、上記
第1回目のパルスシーケンスの実行に対し、傾斜磁場
(Gy)121の値を所定値に変更して行い、前記エコ
ー信号の計測数が所定数になったら、次いで、傾斜磁場
(Gx)131の値を変更して再度エコー信号の計測を
繰り返す。
【0040】このように計測したエコー信号を図6に示
すように、傾斜磁場(Gx),(Gy),(Gz)の時間積
分値を座標軸kx−ky−kzとする3次元k空間に配列
し、それらのデータを3次元フーリエ変換することによ
り、図7に示すような3次元画像を得る。ここで、図7
からも明らかなように、目的とした画像は血流の3次元
像である。したがって、関心領域41内の血流以外の静
止部は、画像上で血流の観察の妨げとなってはならな
い。そのためには、静止部からのエコー信号の発生を抑
制するか、又はエコー信号を発生させなくする等の策を
講ずる必要がある。そのための方法はいろいろあるが、
ここではその一方法を説明する。先ず、図1に示すエコ
ー信号計測のためのパルスシーケンスの繰返し時間TR
を50ミリ秒〜100ミリ秒に設定したとき、それより
も十分に短い繰返し時間を設定し、その設定された繰返
し時間TR’でパルスシーケンスを複数回実行して、静
止部の核スピンを飽和させる方法を採用できる。静止部
の核スピンを飽和させた後、図1のパルスシーケンスを
実行すると、時刻t=3T,5T,7T,…にピーク値
を持った静止部からのエコー信号の出現を抑止できる。
そして、エコー信号E1nには前記本発明の原理で説明し
たように流体f1からのエコー信号が、またエコー信号
E2nには流体f2からのエコー信号のみが含まれるよう
になる。
【0041】エコー信号E1nとE2nとは、関心領域41
内における流体f1とf2との占める割合で表わされ、そ
れらは以下のような式2および式3で表わされる。
【0042】
【数2】
【0043】
【数3】
【0044】さらに、流体は、関心領域41内を一定速
度vで直進するものと仮定し、緩和の影響を無視する
と、エコーに占める流体f1とf2の割合は、領域内に占
めるそれぞれの体積比で表わされるので、以下の式4に
よって近似できる。
【0045】
【数4】
【0046】次に、本発明の第二の実施例を説明する。
図2はそのパルスシーケンスを示す。図2のパルスシー
ケンスが図1のパルスシーケンスと異なるのは、傾斜磁
場(Gy)222〜22Nの印加方法にある。すなわ
ち、図1のパルスシーケンスでは傾斜磁場(Gy)11
2〜11Nは検出されるエコー信号毎に異なった位相エ
ンコード量を付加するように印加したが、本実施例で
は、エコー信号E1nとE2nとの一対のエコー信号、例え
ばエコー信号E11とE12には同一の位相エンコード量を
付加する点が異なる。
【0047】このため、本実施例では計測されたエコー
信号E1nとE2nは図8と図10に示すように各々別の3
次元k空間に記憶される。これにより、これらのエコー
信号を利用して、次のような3次元画像64を作成でき
る。すなわち、図8に示すエコー信号E1nの集合をフー
リエ変換すると図9のように血流f1のみの画像62が
得られ、また図10に示すエコー信号E2nの集合をフー
リエ変換すると図11のように血流f2のみの画像63
が得られる。そしてまた、図12に示すエコー信号E1n
とE2nとの加算集合をフーリエ変換すると図13のよう
に血流f1とf2を含んだ画像62,63が得られる。こ
れに対し、第一の実施例で得られる画像は、エコー信号
E1nとエコー信号E2nとの平均値画像を得ているものと
言える。
【0048】以上、本発明の実施例を説明したが、上記
第一の実施例および第二の実施例において、Gy、Gz平
面上の信号を1度のTRで計測する例を説明したが、傾
斜磁場Gy、Gxの印加方法の組合わせにより、kz−ky
−kx上の走査順序を変形して計測しても良い。
【0049】さらに、第一の実施例および第二の実施例
では、連続するRFパルス101、102の印加は図5
に示す方法を採用しているが、図1および図2における
インターバルTIをRFパルスの印加時間を変えること
なく延長することができる。すなわち、図3において、
第1のRFパルス301とZ方向に沿って磁場強度が変
化する傾斜磁場(Gz)311を同時に2T時間印加し
た後、第2のRFパルス302を印加する前に、傾斜磁
場(Gz)311と極性が反転した傾斜磁場(Gz)31
2および同一極性の傾斜磁場(Gz)313を各2T時
間印加する。そして再度傾斜磁場(Gz)の極性を反転
し傾斜磁場(Gz)314を印加開始するとともに第2
のRFパルス302を印加する。傾斜磁場(Gz)31
4およびRFパルス302は2T時間印加し、その後傾
斜磁場(Gz)を2T時間毎に極性を反転して印加しな
がらエコー信号を計測する。
【0050】この時計測されるエコー信号のうち、奇数
番目のエコー信号と偶数番目のエコー信号の位相は本発
明の原理で説明したのと同様に計算され、エコー信号3
21には流体f1の情報が含まれ、エコー信号322に
は流体f2の情報が含まれる。このように、第1のRF
パルスと第2のRFパルスとの間に、2T時間で振幅の
極性が反転する傾斜磁場を偶数個挿入しても、流体f1
の情報を含むエコー信号と流体f2の情報を含むエコー
信号が交互に発生するという関係に変化はきたさない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1の高周波磁場と、流れの方向に沿って強度の変化する
第1の傾斜磁場とを同時に印加し、次いで、第2の高周
波磁場と、前記第1の傾斜磁場とは極性の異なる第2の
傾斜磁場とを同時に印加し、流体を含む被検体の関心領
域を選択励起し、さらに、前記傾斜磁場と同一方向に強
度が変化する第3の傾斜磁場を傾斜磁場の振幅の極性を
少なくとも一度反転させて繰り返し印加することによ
り、第1の高周波磁場を受けた流体の情報を含むエコー
信号と、第1および第2の高周波磁場を受けた流体の情
報を含むエコー信号とを少なくとも1個ずつ交互に発生
し、それらのエコー信号に第1の傾斜磁場とそれぞれ直
交した方向に第4、第5の傾斜磁場を印加してエコー信
号に空間的位置情報を付与して検出するようにしたの
で、高速に流体計測が可能となり、またそれにより高速
に流体の3次元イメージングが可能となる。
【0052】また、本発明をフローリフェーズ法を用い
たEPI法と比較すれば、エコー信号は本発明の方が1
/2の時間間隔で発生できるので、スキャン時間を同一
とすれば本発明の方が画素数の多い高空間分解能の画像
が得られ、また、画素数の同一画像を得る場合には本発
明の方がスキャン時間がほぼ1/2に近い短時間とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の血流イメージング
用パルスシーケンスを示す図
【図2】本発明の第2の実施の形態の血流イメージング
用パルスシーケンスを示す図
【図3】本発明の第3の実施の形態のパルスシーケンス
の一部を示す図
【図4】本発明の原理を説明するための関心領域とその
内部を流れる流体を示す図
【図5】本発明の原理を説明するための励起方法とそれ
により流体から発生するエコー信号との関係を示す図
【図6】図1の実施例でのエコー信号の3次元k空間へ
の配置を示す図
【図7】図6に示すエコー信号により作成された流体の
3次元像を示す図
【図8】図2の実施例での第1のRFパルスによる励起
から生ずるエコー信号の3次元k空間への配置を示す図
【図9】図8に示すエコー信号により作成された流体の
3次元像を示す図
【図10】図2の実施例での第2のRFパルスによる励
起から生ずるエコー信号の3次元k空間への配置を示す
【図11】図10に示すエコー信号により作成された流
体の3次元像を示す図
【図12】図8と図10に示す各エコー信号をエンコー
ド量毎に加算して作成したエコー信号の3次元k空間へ
の配置を示す図
【図13】図12に示すエコー信号により作成された流
体の3次元像を示す図
【図14】MRI装置の概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
40 被検体 41 関心領域(撮像部位) 62 流体f1の3次元画像 63 流体f2の3次元画像 64 関心領域の3次元画像 101,102 RFパルス 111〜11N Z方向傾斜磁場 121〜12N Y方向傾斜磁場 131 X方向傾斜磁場 141,142 エコー信号 f 流体 E1n,E2n エコー信号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場内に置かれた被検体内の流体の流れ
    る方向へ沿って第1の傾斜磁場を所定時間間隔で交互に
    極性を反転してn回(n≧4なる整数)印加する手段
    と、前記第1の傾斜磁場を印加している第1番目の時間
    間隔内に前記被検体の所定領域内の核スピンを励起する
    第1のRFパルスを発生させ、その後の偶数番目の一つ
    の時間間隔内に前記被検体の所定領域内の核スピンを励
    起する第2のRFパルスを発生する手段と、前記第1の
    RFパルスによる励起により生ずる第1のエコー信号を
    前記第2のRFパルスの印加直後の時間間隔内に、前記
    第2のRFパルスによる励起により生ずる第2のエコー
    信号を前記第1のエコー信号計測直後の時間間隔内に検
    出する手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメー
    ジング装置。
  2. 【請求項2】前記第1のエコー信号と第2のエコー信号
    とを交互に複数組計測することを特徴とする請求項1に
    記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 【請求項3】請磁場内に置かれた被検体内の流体の流れ
    る第1の方向へ沿って第1の傾斜磁場を所定時間間隔で
    交互に極性を反転してn回(n≧4なる整数)印加する
    手段と、第1番目の前記所定時間間隔に第1のRFパル
    スを、第2番目の前記所定時間間隔に第2のRFパルス
    を印加し、前記被検体の流体を含む所定領域を順次選択
    励起する手段と、第1番目の選択励起により生ずる前記
    流体からのエコー信号をN≧3なる奇数番目の前記第1
    の傾斜磁場印加時間間隔内に、第2番目の選択励起によ
    る前記流体からのエコー信号をn≧4なる偶数番目の前
    記第1の傾斜磁場印加時間間隔内に検出する手段と、前
    記第1の傾斜磁場と直交する方向に第2の傾斜磁場を発
    生し、前記エコー信号の各々に第2の方向の位置情報を
    付与する手段と、前記第1の傾斜磁場及び第2の傾斜磁
    場の双方に直交した方向へ第3の傾斜磁場を発生し、前
    記エコー信号の各々に第3の方向の位置情報を付与する
    手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング
    装置。
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